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数日前、珍しく父から電話がありました。連休中、祖母がショートステイで不在のため、夫婦そろっての外出が可能とのこと。江戸東京博物館に行きたいのだそうです。「休館日はいつだい?」早速ネットで調べて伝えます。「おまえも、来るか?」一瞬、仕事が頭をよぎりますが、考えてみれば、もう父も70代後半。普段から行き来の少ない間柄、寡黙な人からの珍しい申し出。滅多にない機会を優先し、同行することにしました。江戸東京博物館は「新選組!」の特別展示中で、たいそうな賑わいです。たくさんの遺品や手紙、充実した展示内容。力が入った特別展示でありました。大河ドラマご覧の方、必見です。近藤勇の書簡を見れば、随分クセのある字です。土方歳三の字は、本人同様、端正ですっきりした、きれいな字です。ほかにも、いろんな人からいろんな人へあてた、さまざまな書簡が目につきます。こんなふうに人目にさらされるなんて、想像だにしなかったでしょうに。それにしても、これらはたった150年ほど前のこと。今、ショートステイをしている祖母がもうすぐ100歳ですから、彼女の生まれるたった50年前のこと。そう考えれば、たいして昔のことではありません。それなのに、どうしてこの人たちの書いた字が、もう私たちにはさっぱり読めなくなってしまったのでしょう。先ほど車内で聞こえた若い女性の会話を思い出します。「あのさー、私、今、松本清張、読んでるんだけど、そこに出てくる内容がすっごい古いの。電報なんて2,3日かかっちゃうんだよ。昭和の30年代にもっと昔のことを回想している話なんだけど」「へー」「江戸川乱歩に相談しに行ったりしてるんだよ」「まじ?」「でもさ、そういう細かいところが古いだけで、事件とかは、ちっとも古くないんだよ。今起きても全然不思議じゃないの」……一体どの小説のことを指しているのかな?と思いつつ、窓の外を見ながら聞いていました。ほんとに、「ドッグイヤー」とはよく言ったもの。2、3日で届く電報なんて、もう、とても待てない。あらゆることが加速度的に早くなっている昨今、「ドッグイヤー」の言葉すら古くなり、新しい言葉の出現を待っているかのようです。そして、ネットの普及と共に在宅ワーカーにも休日がなくなり、連休明け納品の仕事が2件も入っています。こんな余裕のない状況、なんだか木の周りをまわって止まらなくなってしまったトラのような気持ちです。こんな状態だからこそ、自分で上手に休みをコントロールしないといけないなあと、頭では思っているんですけども。加速度をつけて流れる人間の時間とは無縁に、亀戸天神では、たくさんの亀がのんびり甲羅干しをしていました。さすが万年の余裕。名物の藤は、まだ3分咲きといったところでしょうか。
2004年04月30日
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インタビューの反訳中です。ICレコーダーの録音。今でも仕事の95%はテープでやりとりしています。が、今回、テープにダビングしてみましたが、どうしても音質が落ちて音が拾えません。ICの音源を再生しながら起こしたい。「おこしやす」が必要です。同業の方には説明するまでもありませんが、このフリーソフトの「おこしやす」、音声ファイルを起こす人には欠かせないものです。必要最低限のシンプルなつくりでありながら、キー操作で再生、一時停止、早送り、巻き戻しができる。ディクテーションマシンと同様の操作がキーボード上で可能です。フットペダルがないのが難点ですが、それでも機能は十分。反訳業界にとって必要不可欠なソフトを開発し、しかも無償で提供してくださっているmojoさんとおっしゃる方、ほんとにすばらしいし、ありがたいことです。こんなに音声ファイルが出回るずっと前に、既に開発していらしたもよう。この業界のノーベル賞に値するのではないでしょうか。ところで。今更の質問で恥ずかしいのですが、「おこしやす」の初心者麻nekoに教えていただけないでしょうか。再生、一時停止、巻き戻しなどのキー操作、どのキーで設定すると使いやすいのでしょう?うっかりすると、ワードなどのショートカットキーと重なることもあって、いろいろ試行錯誤中なのです。あれこれ検索してみても、おすすめの設定が見つかりません。デスクトップは親指シフトのキーボード、ノートタイプは通常のJISキーボード、それぞれにインストールしています。どちらでも構いませんので、「このキーで設定したら、速く打てますよ」というものがありましたら、どうぞ教えてください。いいお天気なのに、そんなこんなでずっとPCとにらめっこの1日です。
2004年04月29日
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今週は少し仕事の中身よりもスタイルの話。何となくそんな気分。在宅ワークしたい!と思っている方。チェックが必要なのは、自分の資質と同時にご主人の理解です。「理解」というよりは、ご主人の生活スタイルではないかと思っています。(子供との折り合いもありますが、それはまた別の機会に)いくら口では「家で仕事をしたっていいよ」と理解を示していたとしても、実際には自分がテレビを見ているときに、妻が傍らにいないと機嫌が悪かったり多少家の中が乱雑であっても、「家のことほったらかして、何やってんだよ!」と怒りだしたり夜、一緒に電気を消して寝ないと気が済まなかったり自分の身の回りのことが自分でできなかったりそういう人ばかりいるとも思えませんが、ご主人にこのような気配のある方は、いっそのこと、外に出てお仕事なさったほうが気持ちが楽かもしれません。妻が家に仕事を持ち込むことに、安らぎを持てぬご主人もいるかもしれませんし。家人は、ありがたいことに、全く手がかかりません。私がいなくても、十分1人で生きていける人です。週末、私が修羅場であっても、「勝手にメシ、食うから」「おれ、映画、観に行ってくる」「ゴルフの練習場、行ってくる」あるいは、1人でテレビを見ていたり。むしろ、あれこれ世話を焼かれるのが嫌いな様子。あるとき、心配になって「ねえ、何かしてほしいこと、ないの?」「ないんだ。おれは放っておかれるのが一番なんだ」まったくもってありがたい。こんな様子の人なので、私は気兼ねなく仕事ができます。でも、いくら私が修羅場であっても家事を手伝ってはくれません。お皿を洗ったことも、掃除機をかけたことも、お風呂掃除や洗濯も、限りなくゼロに近い。電子レンジの使い方すら、よくわからない。私もそれらを頼もうとも思っていません。「私だって働いているのよ!」と言うことは決してありません。「そんなに言うんだったら、やめれば」といわれるのがオチだから。できる範囲で、寛容な家族の気持ちに負担のかからぬような範囲で、続けられるから在宅仕事をしています。といいつつも、時折、はみ出し気味のときもあるんですが。ただ1つ、放っておかれるのが好きという、その気持ちに甘えないために、いつも気をつけている言葉があります。夜、家事を大体終えて、再び仕事に戻るとき、必ず言います。「何か、すること、ありますか?」もちろん、「ないよ」と言われるのは判っていますが、この一言、ちょっと大切な気がしています。自分の中での優先順位を狂わせることがないためにも。もしも、在宅ワークをしている方で、家族との折り合いがうまくつかない方がいらしたら、仕事にかかるまえにちょっと言ってみてください。「何か、すること、ありますか?」……それで、山のようにリクエストが返ってきたら、ごめんね。*******本日は、打ち合わせと納品と、友人のビーズ工芸展。ほとんど終日外出。よりよい出不精生活のための、大切な打ち合わせになりそうです。その打ち合わせ中、「放っておいてくれ」が基本の人から、珍しく携帯に電話がかかってきました。「忘れ物、届けてくれないか」2年に1度あるかないかの事態です。打ち合わせの後、急いで届けに行きました。途中、突然の雷雨。晴雨兼用の日傘を持ってて、よかった。
2004年04月28日
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無類の出不精でありまする。引きこもりではありません。出不精。家が好きなんです。よほどのことがない限り、外に出たいと思いません。それで、在宅ワーカーの道を選んだわけです。子供に、「いってらっしゃい」と「お帰りなさい」を言いたかったという賢母っぽい理由もありますが、ほんとは自分が外に出たくなかっただけ。娘の幼稚園生活の時は、送り迎えがあったので、出ないわけにはいきません。ほんとに、あの3年間は苦痛でした。二度と経験したくありません。子供が小学生になり、送り迎えがなくなって、喜々として出不精生活を満喫するようになりました。何がいいって、無駄な出費をしないこと。人に余計な気を遣わずに仕事ができること。外出ついでに余計なものを買うことがありません。出なければ、使わない。週1回の宅配食材生活でなるべく事を済ませようとします。次の配達まで、いろんな工夫をするようになります。一番困るのは子供のおやつ。怪獣のような食欲で、用意したものは2、3日でなくなってしまう。でも、外出はしたくない。結果、台所にあるもので、何とか工夫をいたします。ホットケーキ、ドーナツ、バナナケーキ、コーヒーゼリーなどなど、よくあるお菓子ばかりで、大したものはつくりません。「てるてる家族」に影響されて、パンの耳を揚げてグラニュー糖をまぶしてみたり。(思いのほか喜んでいた)どうにも時間が足りないときは、徒歩5分ほどのお店まで、子供1人で買いに行かせます。ついでに買い物を頼んだりして、自分は出ずに済ませてしまう。さらに、買い物に行かないので「スーパーのお惣菜売り場」とも無縁になります。「お惣菜」は工夫の余地がありませんが、野菜であれば、同じ食材でも献立次第で何とかなります。結果として、手づくりが中心の生活になってしまうのです。別に手づくりでないと!とも思いませんし、家族から依頼があれば、お惣菜も買い求めますが、それは大抵週末のこと。余計な化粧品代もかかりません。必要以上の洋服も要りません。外出嫌いですから、運転も嫌い。週末の外出のためだけに維持するのは無駄であると、ついに車も手放して、もう9年になるでしょうか。食材以外の買い物や用事はほとんど週末まとめてします。ありがたいことに買い物好きの家人、一緒に行ってくれますし、荷物も持ってくださるし。何より貴重な会話の時間にもなる。でも、いくら出不精が好きといいつつも、環境によっては、親の介護や家族のために、それが適わぬ方もある。自分の置かれている環境に感謝しないと、と思いつつ、本日も出不精生活を楽しんでいます。
2004年04月27日
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幸いなことに、不必要な贅沢をしなければ、普通に暮らせる生活をしています。加えて、家族の中で金銭の話題をするのは下品だという教育を受けてしまったために、ホントーに数字とお金の感覚に疎い。これではいけないと、せっせと金銭感覚を磨きつつありますが、脳細胞の衰えとともに、磨いても磨いても鈍るばかり。でも、よくしたもので、家人は数字につよーい仕事をしているので、その辺はばっちり。家のことに限って言えば、大船に乗った気持ちでいられます。(ほんとは、これじゃいけないんですが)で、今まで好きな仕事をして、ささやかな収入を得ていれば、それでよしと思っていたのに、最近、自分の中に生まれた変化に嫌気と戸惑いを感じています。(って、大したことじゃないんだけど)単価の高低が仕事の取り組み方に反映してしまうことです。(って、当たり前なんだけど)職人麻neko、一定の収入を得られれば、それがどんなに手間がかかっても、時間の許す限り、納得できるまできちんと仕上げて納品してきたつもりです。もちろん、それは今も変わらぬスタンスです。でも、複数のところから仕事を受けるようになってしまうと、どうしても支払いのよい仕事が優先になってしまう。(って、急ぎでもあるから当たり前なんだけど)きれいごとではあるのは承知の上ですが、そんな収入の多寡によって取り組み方に差が出てしまう自分自身に嫌気がさして、ちょっと落ち着かないのです。そして、客観的な評価のないこの業界、いくら年数を重ねても、所詮内職の域を出ないのかなと弱気にもなってます。「好き」だけど単価の低くて安定的な仕事と、「大変」だけど単価のよい単発の仕事。質を落とさず、バランスをとりながら続けていくしかないのでしょうね。(って、どんな仕事だって当たり前なんだけど)1つの会社しか知らなかった在宅ワーカーが一歩出て、「自分の値段」に幅があることが判った結果、戸惑っているからなんでしょう。ああ、うまくまとまらない。自分に値段をつけることは、本当に難しい。これは、ライターさんにしろ、どういう職種にしろ、フリーで仕事をしている人は、だれしもぶつかる壁なのでしょうか。そして、そういう「自分の値段」に自信の持てない在宅ワーカーの足元を見て、やすーい単価設定で仕事をさせるテープ起こしの会社も多数存在するわけですね。経験を積んだテープ起こしの職人を、組織の中で、あるいは業界全体で、きちんと評価するシステムが欲しいなあと思う今日このごろ。割り切って、びじねす、びじねす。終日、校正。お願い、マイクの前で、咳、しないで。
2004年04月26日
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新緑の美しい季節になると、思い出す風景があります。竹の一叢が揺れて 風が渡っていくのが見えたときのことです。それまでは、ただ「木が風に揺れてる」としか思わなかったのに、風の通り道が見えたのは、あれが初めてでした。湯河原の、ある旅館。チェックインになるかならぬかの早い時間、タクシーを降りたのは私は1人です。若輩者には不釣合いな玄関に気後れしつつ、予約した名を告げました。宿帳に書く名の拙さが嫌で、わざと乱暴に書きました。せめて背筋を伸ばして歩き、用意された部屋に案内されます。次の間付きの広い部屋に通された後、お決まりの儀式。「いらっしゃいませ・うんぬんかんぬん・館内説明・お風呂と非常口の案内(お茶を用意しながら)」「……では、ごゆっくり。」「あの……」懐紙に包んだ三つ折の札を差し出すと、若い女からそんなことをされるとも思わなかったらしく、客室係の表情がすうっと能面のようになりました。しかし、すぐに笑顔に戻って、「まあまあ、お気を遣わないでください」と言いつつ受け取り、去っていきました。締め切った畳の匂いに何だか慣れず、1人の時間も所在無く、早い時間の温泉にゆっくり浸かれば、連れの到着を待つばかり。ゴルフは存外長引いているらしく。館内の探検をしようと、ふらふらさまよって、結局バーに行きました。バーといえども、まだまだ明るい。単なるラウンジです。夜はここには来られないだろうなと思いつつ、ゆったりしたソファーにふわんと座って持参の文庫本を読みました。しばらくして読み疲れ、ふと目を上げます。夕暮れ時には少々早く、磨きこまれた窓越し、川を挟んだ山の斜面に一叢の竹が見えています。竹林というほどの量でもなく、周りは緑濃い常緑樹がうっそうとしています。ぼややんとしながら、明るい緑色の竹が揺れるのを眺めていたら、左から右に、サワサワ風が渡っていくのが見えました。その動きを追いかけるのが面白く、ずうっとずうっとみとれたままで、時間を過ごしておりました。あれからどれだけ経ったのでしょう。毎朝、最初に開ける窓から、数本、大きなケヤキの梢が見えます。それが大きく風に揺れる日は、あのぽっかりした時間を思い出したりするのです。
2004年04月25日
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「……兄ちゃん、早くやりなよ」「待ってろよ、うっせえな、聞こえるだろっ……」とある地方都市の駅ビル、夕暮れには早い午後の時間、たしか春先ではなかったかと記憶している。3階にある、B級ソニープラザのような雑貨店で、私は友人の誕生日に贈る品物を選んでいた。その耳に入ってきた会話である。グレーのパーカーを着た中学生の少年と、その弟らしい2人連れ。挙動不審である。少年は、意味もなくグレーのパーカーの前のジッパーをはだけているような、いないような。そして、イガグリ頭の彼は頬が紅潮しており、落ち着きがない。「……やるな、きっと。」そうっと、私は品物を選ぶふりをして、その2人を横目に入れていた。そして、すうっと彼らは去っていった。目の前の品物がなくなっていた。その商品が何だったか、覚えていない。くだらない貯金箱とか、とにかく、大したものではなかったのだ。万引きの現場を目の前にして、私はどうしてよいか混乱した。が、体が先に動いて、追いかけてしまった。やめときゃいいのに。「……ちょっと、待って!」足早に急ぐ2人を20メートルほど先で呼び止める。「何、やったの。」できるだけ、低い声。「えっ……」「その、ジッパー、あけてごらんなさいよ」案の定、お腹のあたりが膨らんで、中途半端に降りたジッパーの上から商品がのぞいている。「何やったか、わかってんの。」「……」「どうなるか、わかってんのっ!」押し殺した声で問い詰める。「……」「こっち、来なさいよ」「えっ……」「はやくっ!」観念したらしく、おとなしく後についてくる少年。弟も不安げである。再び現場に戻る。「戻すんだよっ! はやくっ!」私は小さな声で命令する。「……いいんすか?」「早くしろよっ!」 私は仲間じゃないんだよ。早くしないと誤解される。そうっと棚に戻す彼。目がうつろである。この後、てっきり、どこかに補導されると思ったのだろうか。「二度とするんじゃないよ、こんな馬鹿なこと。わかったねっ」「は、はいっ」直立不動の兄弟。放課後の中高生でごった返す店内、お店の人には一部始終がわからなかった様子でほっとする。そして、ずうっと動揺しっぱなしだった彼が、ようやく私に向かって言った言葉は間抜けな問いかけである。 「あ、あのう、お名前は……。」しかし、私はもっと間抜けだった。そんな質問が来るとは予想だにしていなかったから、思わず「……マツダセイコ。」と名乗ってしまったのだ。どーしてそんなことを。せめて「ナカモリアキナ」ぐらいのほうが格好よかったんじゃないか。いずれにしても似ても似つかぬ麻neko、赤面の一言である。が、さらに間抜けで純朴な少年は「うそっ!」と目が半分マジ。その様子を見て、私は、間抜けな自らの発言によって崩れかけた体勢を持ち直し、余裕をもって「ウソだよ」 ニヤッと笑い、その場を去ることができました。その後ろでは、深深と兄弟が頭を下げておりました。でも、1階へ向かうエスカレーターで、私も足が震えておりました。今のご時世なら、刺されていたかもしれない暴挙でしょうか。ふた昔ほど前、学生だったころのお話です。
2004年04月24日
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表参道で仕事仲間とランチ。同じ反訳の会社で在宅仕事をしている方たちとの集まりです。その中で、私はキャリアが最も短く、年齢も若輩者。「私の娘と同じ年齢ですね」と言われてしまいました。そんな年齢とは見えない若々しさでいながら、仕事の上では超ベテランの方ばかり。私の所属している会社は、こうした方がたくさんいらっしゃいます。皆さん、一定量の仕事をなさりながら、それぞれ趣味も楽しんでおられる、まことに穏やかな、気持ちのよい方々です。仕事と、家事と、趣味の適度にバランスのとれた生活。ビーズ工芸、ガーデニング、編物、組みひも、陶芸、その他その他、手仕事を好む方が多いように思うのは、この仕事と通ずるものがあるからでしょうか。それぞれ、順風満帆というわけではなく、親の介護、ご自身の健康管理、在宅仕事ならではの悩み、いろいろあります。それぞれ語り散らし、普段気になっている機械周りのことなどもお互い様子を確認しあう。でも、節度をわきまえた会話。不必要にお互いの仕事に口は出さない。ある意味競争相手なのかもしれないのに、穏やかに会話が進むのは、自分の心地よい仕事量をわかっていて、スタイルの確立されている方たちだからでありましょう。私は、果たして長続きできるようなスタイルで、いられるんでしょうか。そうありたいな、と基本に戻ることを考えさせられた1日なのでした。
2004年04月23日
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仕事では使わないノートパソコンをネットにつなぎました。半年ほど前に買ったものです。久々なので、Windows Updateをします。ウイルス対策ソフトもアップデートします。しばらく経ったところで、おおっ!初めて見ました。右下に、小さい画面がいきなりあらわれ、「何とかカントカ(横文字)が侵入を試みましたが、その攻撃をブロックしました」のメッセージ。それも頻繁に出てきます。おー、常時接続にしていると、こんなにしょっちゅうウイルスは侵入を試みるのですか。ふと不安になってサポートセンターに問い合わせます。「同じ設定にしてあるのに、どうしていつも使っているデスクトップのPC(まだウィンドウズ98)ではこのメッセージが出ないのですか?」「このウイルスは、98には侵入しないんです」コンピューターウイルスも、新しいPCのほうが好きなのか。古いPCは素通り。畳や女房と同じわけねっ。**********それにしても。最近、依頼先によって、原稿の加工の仕方が随分違うなと思います。今、仕事の大半をいただいている会社は反訳専門の会社なので、ある一定レベル、一定程度の反訳をすれば、あとは先方任せの部分があります。反訳会社のほうに「こんなふうにしてください」と指示のくるものも当然あります。けれども、直接外から声をかけていただくようになると、より依頼先に沿った納品が求められます。結果として、加工の幅はかなり広がります。市場調査の報告書につながるものは簡潔さが求められます。■司会 このインスタントコーヒーの味は、いかにも喫茶店の味ということですね。■麻neko いかにも、というか、そうですね、でも、少しそう思います。■司会 麻nekoさんは、この味をどう思われましたか?■麻neko あの、まあ、いいと思います。■司会 つまり、気に入ったということですね?■麻neko はい。もちろん、このやりとりは創作ですが、一般的な「反訳」だったら、このとおり全部起こすでしょう。(「あの、まあ」といった「ケバ」は省略するとしても)やりとりの多い2時間の座談会でA4サイズの横書き40~50ページになることもあります。が、調査報告書の場合、こんなに大部じゃ困ります。「そこまで要りません、まとめてください」といわれることもしばしば。この場合、ただの「■麻neko はい」これで1行費やすことが、読みやすさにはならぬようです。ところが、ただの「はい」が削れない仕事もあります。正確な記録を求められる司法関係など。その「はい」を抜かして、命取りになってしまうようなことだってあるかもしれない。ただ1行の「はい」でも、その先のことを考えて、削る、削らないを判断します。一定レベルの反訳さえしていれば、その先の加工は、本来納品先の会社がすることなのかもしれませんが、時間に追われる今の社会、「できることなら、まとめることまでしてほしい」という発注側の気持ちもある。(これは、標準用字用例辞典が議会以外の仕事に使われなくなったことと、無関係ではないでしょう。それは後日改めて)じゃあ、要約は打つボリュームが少ないから、楽?一概にそうとも言えません。「要約力」が求められます。ただ打つよりも、さらに個人差が出ます。それなりの技量が必要になるようです。往々にしてあるのは、自分の得意分野に引き付けがちになることです。ものすごーくものすごーく極端なたとえですが、もしも日本文学の話題と寄生虫の話題が混在していたとすれば、私に要約させると、ついつい前者の内容が詳しく盛り込まれてしまうかもしれない。反訳者のカラーがどこかで出てしまうことはあり得る。そして、どの情報を捨てるか、入れるかの取捨選択。できるだけ、主観を入れず、ニュートラルに、正確に、でも読みやすく。このあたりは、記録でありつつも、「訳す」技術と言えるかもしれません。以前、反訳を料理の下ごしらえにたとえたことがありますが、今、下ごしらえにもいろんな幅があることを知りつつあります。しかし、それとともに、実際の料理の幅が・・・・・。
2004年04月22日
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急ぎの仕事をしていました。昨晩遅くに受け取って、明日の朝の締め切り。2時間の録音。若干の要約あり。私にとってはきつい納期です。午前中、ひたすら打ちました。午後から、校正を始めました。夕方から夜にかけては仕事になりません。少々いらいらしました。悟りました。「寝なきゃいいんだ」覚悟を決めたら楽になりました。それなりに家事などをし、子供の相手をし、夜から再開します。眠くなったら少し横になります。気が張っているので眠り込むことはありません。20分で目覚めます。少し頭がすっきりします。もう、夜の明けるのが早くなったんだなーと実感。小鳥より、カラスのほうが早起きだということも知りました。ねぐらが高い木にあるからなのかな。小学生の作文みたいだけど、今日は、これ以上、頭が働かず。
2004年04月21日
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珍しく5時半起きです。娘が遠足、お弁当づくり。グループ単位の行動なので、徒歩15分の駅まで、要所要所で有志の母が見送ります。緊張ぎみのグループ、たらりんたらりん歩くグループ。今日は、暑いぞー。いってらっしゃい。朝一番で納品を済ませたら本日は家事曜日。リネン類を洗い、布団を思いっきり干し、ずーっと洗いたかったカーテンを洗い、ずーっとふきたかった窓を拭く。ずーっとかけたかったワックスをかけ、あっという間にお昼時。真っ白になったレースのカーテンに満足満足。窓を拭きつつ、音楽をかけていました。オヤジ声に疲れたので、少し、歌声で癒されないと。数日前、ゴスペラーズとクイーンのCDを買ってきていたので、それを聴きつつ窓拭き。(どうも、流行から一歩ずれてる)でも、どうせ家事をするなら楽しくね。なつかしい。「You're my best friend」のイントロ。そういえば、私、昔この曲好きだったんだ。曲と曲の合間に、生まれたての赤ちゃんの泣き声が風に乗って聞こえてきました。
2004年04月20日
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朝一番で1件の納品をする。午前中、とある説明会に行く。迷いつつ、帰る。家にいるのが大好きで、この仕事を選んだのではなかったのかな。今は、むやみに手を広げるときではないし。どんどん好きな反訳の仕事から離れていくのは困る。数日前、目の前にいろんな船があると言ったけど、「乗らない」選択もある。急いで結論を出すのは、やめよう。今は「しゃがむ時」だし。これは、私のとっておきの哲学(?)です。だれかがこの話をしていたら、麻nekoの真似をしたんだと思ってください。うまく事が運ばないのは、「しゃがむ時」だからなんです。そのとき、どんな姿勢でしゃがんでいるかはその人次第。次のために力をためてしゃがんでいる人楽にしゃがんでくつろいでいる人お尻をぺたんとつけてしまって、次で跳べなくなってしまう人力をためてしゃがみすぎて、足がしびれてしまう人いろんなしゃがみ方があるでしょう?15年ぐらい前、(私なりに)どん底の時代だったんです。そのとき、そう悟りました。「今はしゃがんでいる時なんだなー」って。今も、そうかもしれません。でも、もう飛べないかもしれない。そうしたら、身のまわりのささやかな幸せを見つめて、それでよしといたしましょう。そんなことより、明日の納品も迫っている。ひたすら、校正、校正。
2004年04月19日
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日曜日なので、香水の話をしましょうか。コロンもトワレもひっくるめて、香水の話。以前、楽天瞳さんの日記で(勝手に紹介しますが)生年月日を入れるとおすすめの香水を選んでくれるサイトを紹介していました。早速見たところ、私へのおすすめは、なんと!「ナオミ・キャンベル」だそうです。そんなー。ぼややん、ふわわんとした麻nekoが、ナオミ・キャンベルなんて、笑ってしまう。でも「自信を持ったほうがよいのです」とも書いてあったような。もしも、ある日、急に日記が自信に満ちあふれた語り口になったら、「香水、変えたな」って思ってください。この1年ほど、気に入っている香水は「KRIZIA」です。美しい平たい円錐形の中に爽やかな水色の液体。香りも爽やかで、いつまでも残らない。トップノートからさほど変化もしないので、おもしろくないといえばおもしろくない。それまでは、「ホワイト・リネン何とか」というのを愛用していたのですが、再度購入しようとしたら、家人からストップがかかりました。好みでなかったもよう。母は、いつも「香水は、旦那さまに買っていただくものよ」と言っていました。そして、そのとおり、海外出張の多かった父は、母へのお土産は必ず黒のハンドバックか香水でした。残念ながら、私は自分で選び、自分で買います。それで、よいのです。やっぱりあきらめきれないので、「ホワイト・リネン何とか」も、そのうち再度購入するでしょう。そして、香りによって想起される記憶は鮮明です。実は「ニナ・リッチ」のある香水がニガテです。母の愛用でした。 お出かけのときはいつもその香りに包まれて出かけます。ハンカチにもひと吹き。ところが、私はひどい車酔い少女でした。駅までのたった10分にも満たないバスでも気持ち悪くなってしまうほど。遠足のバスなんて、もう地獄。常に一番前の席。ですから、母が香水をつけて電車に乗るようなお出かけは、単なる苦痛でしかなかったのです。ニナリッチ=お出かけ=電車=車酔い=気持ち悪いパブロフの犬のように、私はニナリッチの香水がニガテになりました。さらに香水は罪作りで、年齢によって選ぶ香りが変わります。昔の香りを嗅ぐたびにいろんなことが甦ります。ミス・ディオールをつけていたころ、シャネルの19番をつけていたころ。さすがにプワゾンは使ったことがありませんが、麝香系を選んだこともありましたっけ。今振り返ると、よくそんな重たい香りをつけていたなと我ながら苦笑い。そして、人ごみの中で思わず振り返ってしまうような、そんな香りの記憶。
2004年04月18日
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座談会議事録の校正中です。この仕事をしていて、「この語は要注意」とお腹に力の入る語が幾つかあります。同音異義語が多くて、間違いやすい言葉たちです。例えば「体制」か「態勢」か、あるいは「耐性」という場合もあるし。(昔、まんでりんさんという同業の方が「体力」だと思ったら「耐力」だったという建築関係の用語を紹介してくださったのを思い出しました。専門用語はほんとに要チェック。どうしていらっしゃるかな)その中で、「シコウ」があります。自治体の議事録関係だったら、「施行」なのか「施工」なのか。「セコウ」と読まれる場合もありますが、いずれにしても、要チェック。消費者対象の座談会だと「志向」か「嗜好」か「指向」、内容によって変わってきます。文字通り試行錯誤で思考します。それで、ちょっと気になりました。最強の同音異義語って、何だろう?早速辞書で調べてみました。我が家にある国語辞書は少々古い2冊です。新明解国語辞典(第2版!うわーん、昭和49年だってー!旧姓で名前が書いてあるー!それも汚い字!)(収録語5万8431語)広辞苑第2版(これも昭和の時代だー!嫁入り道具で辞書2冊も持ってくるなんて、やっぱりトホホな私だ)こちらは見出し語約20万とあります。意外とアバウト。最近のものだと正確な収録語数が出ているのでしょうか。少々話が逸れますが、辞書の「序」や「後記」って読まれたことがありますか?私、今回初めて読みましたが、ちょっと感動的です。無味乾燥な、感情を極力排した内容の裏側にある、緻密な膨大な作業、それをなし遂げた感慨がひしひしと胸に迫ってくる名文です。ぜひ、一度お目通しあれ。新明解の「芋辞書」の一語にはちょっと笑ってしまいましたが。さすが新解さん、序からやってくれます。話をもとに戻しましょう。見出しをざっと数えてみました。「タイセイ」・・・・新明解 13語(0.22%) 広辞苑18語(0.009%)「コウエン」・・・・新明解 11語(0.19%) 広辞苑22語(0.011%)「シコウ」・・・・ 新明解 15語(0.26%) 広辞苑40語!(0.02%)どうも美しくない列挙ですみませんが、こんな感じになりました。やはり「シコウ」は強い。百科事典的要素も絡むので、広辞苑のシコウはすごい量です。挙げてみましょうか。子貢・支考(いずれも人名)・司寇(中国の官名)・四光(花札だ)・四行・四劫・・・・やっぱり勘弁。辞書みてください。私がぱっと考えた(いや、実は半日考えていた)最強の同音異義語は「シコウ」じゃないかとやはり思います。それを超える語があったら、どうぞ教えてくださいませ。最強の同音異義語は、どの辞書の、どの同音だ?それより新しい辞書、買わなくちゃ。幾らなんでも古過ぎる。
2004年04月17日
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1日中、急ぎの仕事をしています。女性ばかりの座談会です。主婦の声(意見)を聞く趣旨の座談会で、私はまさに主婦の声を聞いて起こしています。それにしても、どうして女性って往々にして「主婦の声」になってしまうんでしょう。(この場合の「主婦」は、それによって想起される「オバサン的イメージ」であって、主婦自身を糾弾するものではありません。あしからず)以前、日記で「顔と声の不一致」の話は数回書いているのですが、それはほとんど男性の場合。女性は案外一致している気がします。かわいい声の人は、顔もかわいい。あなたの周りはいかがですか?加えて、イントネーションも、女性のほうが出やすい。隠さない、というのでしょうか。東京出身の方ではないなと判るのは、女性のほうが多いような気がします。案外標準語志向というのは、男性のほうが大きいのかもしれませんね。そして「主婦の声」です。どんな声って・・・「低い、平べったい、お腹から出ているような大きい声」。これは典型すぎるけど、往々にして「怖いものないわ」ふうな声になっていくんです。年齢によって?結婚によって?育児によって?何がきっかけで変わっていってしまうのでしょう?それでも、時折、「え~っ!」と思うようなかわいい声の主婦の方がいます。顔は判らぬままですが、まことに好感が持てます。以前聞いた、そういう声の方は、資料によれば、それでも2人のお子さんがいらっしゃる方でした。きっと、子供に向かってどなったりしない方なんだろうな。知人でもいました。とってもかわいい声の幼稚園ママ。転居が多くて、あっという間にいなくなってしまいましたが、可愛くて、ニコニコしていて、澄んだ高い声で、いつまでもお嬢様風で、きっとご主人に大切にされているんだろうなという雰囲気のママでした。女性は、何かを捨てた途端に、「主婦の声」に変わっていってしまう、そう思います。その「何か」って、何でしょうね。
2004年04月16日
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イチゴミルク色の八重桜が咲いています。「ホ~ホケキョ♪」が響きわたっています。ここはスリバチ状の地形なので、よく響くのです。道を掃除しているご近所のご婦人が「上手になったわね」と目を細めておられました。そんな春の風景の中を、終日外出。この日記を始めて、井戸の中の蛙状態だった在宅ワーカーが外を見て「うわぁ・・・」とびっくりし、大海に頼りない船をよたよた漕ぎ出した気持ちでした。そして今、「こっちの船に乗り換えたらどうかな?」といういろんな船が目の前にあります。それらを前に、どれに乗ろうか、乗るのをやめようか、ちょっと迷っているところなのです。しかも、楽しく迷っている。いいんだなっ、これが。
2004年04月15日
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今朝、日記を開けたら、東京犬さんとアキアカネさんが書き込みをしてくださっていました。勝手に紹介しますが、私の「お気に入り」の中でも内容、アクセスともに双璧だとあがめ奉っているお2人なので、とっても嬉しく拝読。その書き込みを見ながら、「反訳」って小説になるよねーと改めて思いました。また手前味噌ですいません。でもほんとにそう思う。アカネさんの日記でも「障害とドラマ」の関係を説いていらっしゃいましたが、反訳は「声」しか聞こえないから、ある意味ハンディキャップや謎がある。だから、その向こうのドラマが勝手にどんどん膨らむんですね、昨日のように。例えば、発言の合間のちょっとした悲鳴がサスペンスドラマのネタになったり、東京犬さんの書き込みのように、声に恋して恋愛小説。フツーの主婦がフツーに在宅ワークをしている、でも、音の中から非日常の入り口が広がるわけで、ホラーにもミステリーにも童話にもなり得る。ということで、小説の材料にしていただくことで反訳者の認知を上げることもできるかなあって、ちょっと思ってます。ちなみに、あまりこの仕事が小説になったものはありません。私の知っている限りでは以前日記(7/18)で紹介した薄井ゆうじさんの「星の感触」ぐらいでしょうか。ほかもあったらぜひ教えてください。いや、ちょっと冷静になってみれば、小説を書く方は、どんな仕事でも小説に仕立ててしまえるのでしょうね。やっぱり手前味噌だったかなー。まあ参考の一つということでご勘弁。自分で書け? 無理無理。ライターと名乗るほどではありません。そうそう、できることなら、イメージアップの一助となるよう知的で美人に書いてくださいね。ぜひこの日記を参考に・・・・なりません。すいません(泣)。本日は結婚記念日なので、この辺でオシマイ。うふっ♪
2004年04月14日
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本日は別の会議の反訳中です。ずうっと担当させていただいている、日本の中の、ある土地の、ある会議。もう5年以上になるでしょうか、平均すると月に約1度起こしています。もう、出席者の声を聞くだけでだれか判るし、その土地の固有名詞や通りの名前にどんどん詳しくなっていきます。こういう、経験が長い仕事はストレスが少なくて楽です。先方も修正が少なくて済むからお互いハッピー。でも、5年も続けていると、人事異動もあります。そして、今回、「彼」が帰ってきました。やった!と、私はひそかに喜んでいます。「彼」は、2年ほど前まで、この会議でよく発言していた課長さんです。声よし、話し方上手、要点的確、滑舌よし、起こしていても、そのままきれいに文章になる、稀有な方であります。時々いるんだな、こういう人。ひそかにファンになることで、中身はつまらぬこの仕事、楽しみをつくって起こしておりました。(顔は不明。見ないほうがよかったと思うことが多々あるので、知らないほうが幸せだと断言する)ところが、2年ほど前、なぜか「へ?」という部署に移ってしまったのです。どうしてなのかな、上司と合わなかったのかな。月1回の会議からは何もうかがい知ることもできず。ああ、サラリーマンの悲哀。その「彼」が重要ポストに戻ってきたのです。やはり見る人は見ているのですね。ほかの異動を眺めてみても、いろんなことに気付きます。「この部署はこれから注目だから、この人、ほかの部署から引き抜かれたんだな」と思われる頭脳明晰そうな人。「えっ、この人、もう定年だったの?」と思うような若々しい声だった人。「よかったねー、やっと昇進したね」という、発言もあたりさわりのない、特徴のない人などなど。そして、「彼その2」には、またもや異動がありませんでした。しゃべりのニガテな課長さん、「彼その2」です。初めてその課長の発言を起こしたとき、私は七転八倒しました。少々遠い場所からの発言、緊張による早口、少々吃音気味。何を言ってるのか全然わからない!あんなに苦しんだ個人の発言は今まででもそうありません。繰り返し繰り返し聞き直しを続けるうちに眠くなり、何度床の上に倒れこんだことか。そんなふうにしているうちに、だんだんしゃべりのクセがつかめて、今では大体言ってることがつかめるようになりました。おそらく、この人の発言、ちゃんと起こせるのは私以外にいないと思っているほど。最近は、リストにこの人の名前が載っていると「よっしゃー!」と燃えてしまうようになりました。仕事ぶりはまじめそうだし、周囲も気を遣っている様子はありありなのですが、そういう「彼その2」は、今回も昇進にはならなかったようです。やっぱり、周りにも何を言いたいのかうまく伝わっていないのかなあ。この時期、人事異動のドラマがいろんな会社で繰り広げられていることでしょう。実際、反訳という外側の、声だけの世界から見てみると、伝えることのうまい人とへたな人がいます。それはどうやら昇進のスピードにも比例しているようです。これは、以前にも日記に書いたことがあります。常々感じていることです。いかにわかりやすく、整理して伝えるか。その結果が、仕事の上でどう評価されていくか。上の話で明らかです。仕事の上では、日々是プレゼンテーションなのですね。「じゃあ、具体的にどうすればいいんだよ!」という方は、明日、書店に行ってください。「図解 モノを売る!プレゼンの極意」(芸文社、五十田三洞著)という本がお役に立つかもしれません。ああ、いつのまにか、友人の初出版の宣伝になってしまいました。ほんとはそういうオチのつもりじゃなかったんだけどな。
2004年04月13日
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落語の反訳をしています。落語と反訳(正確には速記ですが)との関係については、11月11と12日の過去日記で語っていますので、ぜひお読みになってみてください。意外な関係があるんです。中身に出てくる固有名詞で確認したいところがあったので、念のため、昨日図書館で本を借りてきました。「古典落語大系」(三一書房・全8巻)。読んでみたら、ありゃりゃ。あらすじはそのとおりなのですが、細部を比較すると随分違うんですね。マクラが違うはもちろんですが、はしょったり、順番が変わったり。オチはさすがにそのままですけど、脇役の名前が変わっていたり、換骨奪胎。同じ演目でも案外違うものなのね、と面白く比較をしました。だからこそ、噺家さんの個性が生きるものだし、例えば円生の何々がよかったとか、小朝の「時そば」がよかったとか、そういう評価になるわけですね。歌舞伎も同様。同じ「助六」でも、団十郎と仁左衛門では全然違うし、狐忠信だって、勘九郎と猿之助では全く変わってしまいます。(無理やりですが)テープ起こしだって、同じ録音テープでも、原稿を起こす人によって、全く変わってきてしまいます。点の打ち方、かさなる言葉の処理の仕方、口調の生かし方、などなど。以前、「反訳家」は恥ずかしいから名乗りにくいという日記を書きました。ただ、その道がもしも開かれているとしたら、「聞き書き」の分野だと思います。「どこかで誰かが見ていてくれる」というタイトルの本があります。日本一の斬られ役、福本清三さんの本ですが、珍しく「聞き書き 小田豊ニ」と名前が入っています。これ、これです。この方の一連の著作を拝見すると、「聞き書き」専門なんですね。もしも、「おれ、しゃべりは得意で本を出したいんだけど、書くのはいま一つなんだ」という方がいらしたら、ぜひ、反訳を外注に出してまとめることをご一考ください。昨今、対談本だの、インタビュー本だの、やわらかい、話し言葉で書かれた本があふれています。きっと、いい反訳者に出会えれば、ご自分の意図するようにまとめてリライトしてくれるはず。そして、反訳の人も、「記録性」よりも、表現を重視して書き上げる楽しさを味わえるはずです。もちろん、小田さんのように著作と名乗れるようになるは、ライターとしての修行も必要になるのでしょうが、方向性としては、ありえる。できれば、「聞き書き」よりは「反訳」のほうが・・。あ、でも、これはちょっとニュアンスが違うなあ。うーん、難しい。おっと、またテープ起こしのコマーシャルになってしまいました。でも、少しでもたくさんの人に、こんな仕事があるんだよって知っていただきたいなと思って書いているんです。こうしてみると、一言で「録音反訳(テープ起こし)」とくくっているものに、いろんな需要があることが判ります。既にちまたで言われていることも含めて、自分なりに整理してみるとこんな感じになりました。1 (官公庁などの)議会議事録系2 講演会、シンポジウム系3 新聞・雑誌・マスコミ系4 市場調査系5 ボランティア系(要約筆記、字幕作成など)6 裁判系それぞれに単価、納期、起こし方、表現の方法、いろいろ異なります。記録性重視で順番に並べれば6・1・4・2、納期のきついのは3・4、比較的楽なのは1・2逐語重視は6、要約重視は4・5用字例に厳密なのは1や6、(比較的)アバウトなのは4などなど。(お気づきの点はどうぞご指摘くださいませ)そうそう、最近は、テレビの字幕作成の前段階もあるようです。どれも満遍なくやってみたいと思っていたら、そういう一定規模の反訳専門会社に所属すればいいわけですし、そして、ある程度基礎ができあがったところで、これらの中から自分の好きな方向性を探っていくことも可能でしょう。そして、気付かぬところで、もっと需要は転がっているかもしれません。もしも「反訳家」の道があるとすれば3の部分になるのでしょうね。これから先、私にもどんな仕事が待っているのか、今からとっても楽しみです。え?家事や育児はどうしたって?ちゃんとやってますよー♪
2004年04月12日
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昨日のタイトルは、自分で読んでも不愉快で、さっさと更新することにします。「お気に入り新着」にいつまでもさらすようなタイトルではありません。一度書いて、すっきりしました。加えて、何か事情があったのかもしれないと思うことで、とっとと忘れることにいたします。お付き合いくださってありがとうございました。土曜日、買い物に行きました。春色のコート(ジャケットかなあ?)と、スカート2枚購入。黒のタイトスカート(また!何枚持ってるんだ!)と、ペパーミントグリーンに薄いグレーの水玉の入った、ふわふわしたひざ丈スカートです。今日、そのスカートをひらひらさせて気分よくパスタを食べに出かけたところ、雑誌掲載直後ということで、外でお客さんが待ってる状態。また次回ということで。快晴、初半袖、初サンダル、ふわふわスカート、つめたいカフェオレ初日。桜に見とれて気付きませんでしたが、いつのまにか新緑だらけです。
2004年04月11日
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この日記を続けてきて、幸いにも、ものすごーく嫌な思いをしたことは、まだありません。皆様からの書き込みは、とても節度があったり、ユーモアがあったり、楽しい掲示板をつくってくださって、心から感謝している次第です。逆に、もしも私がお返事の上で、知らず知らず失言をしていたら、どうぞご容赦くださいませ。ただ、一度だけ、今でも納得させようと思いつつ、いまだに腹が立っていることがあります。もう時効だと思うので、今日、書いてもいいですか。7/10「この仕事を始めたわけ」の日記で少々触れていますが、開設して約2カ月半。自分の日記で書いていきたいことが見えはじめていたときです。ある方からの書き込みでした。「どうしてこの仕事を始めたのですか?」通信教育を中途半端に終えられて、再開しようか迷っているとのお話だったと記憶しています。とっても嬉しい問い合わせだと、そのときは思いました。この仕事に心底興味を持ってくださっていると思っていたから。開設間もないその方の日記でも「たよりになるのは麻nekoさんの声だけ!」と書いてあります。ほんとうにこの仕事をしてみたいんだなと(そのときは)信じました。そして、翌日、一所懸命「この仕事を始めたわけ」を書きました。ところが。あんなに切望されていたにもかかわらず、その日記を読んだ後は、書き込みも何もなくなりました。そして、いつのまにか日記は消えてしまいました。既に仕事をされている同業の方だったのかもしれないと、今は思います。単純に真に受けて、手の内をさらけだした自分が大バカでイヤになりました。赤裸々に語って、自分を切り売りして、その結果、何があるのか。あるいは、自分が思っているほど、この仕事に思い入れを持っている人は少ないのかもしれないと。(それは、今でもそう思うことがあります)同時に、すとんと何かが落ちました。自分が伝えたいことを正直に発信しないと、長続きはしないなあと。毎日のことですから、いくらつくろった内容を書いても続かないんですね。ちょうど、肩に力の入っていたときでもあり、リクエストにこたえて、自分のことをきちんと書いたことで、これでいいのだという気持ちにもなりました。正直に言うと、悔しい思いは今でもぬぐえず、無理やり納得させた部分もあります。今から思うと、いい経験でした。そして、今では思います。もしもほんとに「探る」つもりで日記まで開設したのだったら、そこまでして、気持ちよかったかなあって。そこまでして「知りたい」ほど大したことじゃないのに。しょせん、ただの在宅ワーカー。一反訳者です。この思い込み、誤解だったらいけません。思い当たる方が今でも読んでくださっていたら、再度書き込んでいただきたいなと思います。そして、通信教育を再開したら?と息子さんに勧められた、その後のことを語っていただきたいなと願っているのですが。
2004年04月10日
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通院。過日の人間ドックで引っかかっている箇所の経過観察。ほんとは面倒くさいんだけど、「病院は行き慣れておいたほうがいいよ」という家人の勧めに従います。「結果を聞くのが怖くてなかなか行けないうちに、悪化してることがあったら困るし」確かにそうだ。ありがとう。こういうのは、案外男の人のほうが怖がり。すぐ痛がったり、風邪だ風邪だって大騒ぎしたり。(決まり文句は「おれは平熱が低いから、37度だって大層な熱なんだ」です)ガンだって、告知されたくない男の人、多くないですか?自分だったら、絶対知らせてほしいと思います。お願いね。(・・・って、大体そんなこと言う人にかぎって長生きするんもんだ)小1時間、病院で過ごして帰途につきます。昔、住んでいたこの街を歩いたら、微かに海の匂いがしました。確かに海から5キロも離れていない。住んでいたころはちっとも気付かなかったのに。帰宅途中に用事を1つ済ませてお昼近く。家に帰ってもありあわせのものしかありません。ちょっとほっとしたいなあ。思い出した。「7025 フランクリン・アベニュー」、ハンバーガーのお店です。http://www.yomiuri.co.jp/wine/aji/aj03050601.htm古い洋館を改装したこのお店、お庭に面していて、非常に開放的です。こんないいお天気で、風が吹き抜けて、気持ちがよいに違いない。1人で食べるのは寂しいから、テイクアウトにしよう。そして、つくってもらっている間、ぼややんの時間をつくろう。先客は西洋人の家族連れと、若い女性2人連れ。両方とも、お庭のテーブルで食事中です。紫外線を気にせず戸外で食事できて、いいなあ。だれもいないカウンターの一角で、オープンキッチンを眺めつつ、アボカド入りのハンバーガーとミネストローネを待ちながら、ぼーっとして過ごします。軽快なボサノバが聴こえてきます。鳥がキイイと鳴いています。枝垂れ桜が鮮やかです。緑の芝生がキラキラ光っています。ハンバーガーのパテを焼く、いい匂いがしてきます。オープンキッチンは、ピカピカで、とてもきれい。外から、柔らかな風が流れ込んできます。水を飲み干したとき、グラスの氷がいい音を立てました。気持ちいい。夜は、古典芸能関係の反訳です。そういえば、歌舞伎、随分観ていないなあ。そんなに詳しくないのですが、先代の仁左衛門さんが好きだったんです。
2004年04月09日
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ライターさんのお仕事の、一面だけの話だと思うのですが。でも、ライターさんへ質問と、質問と、お願いのお話です。1)人に会ってインタビューをする2)そのインタビューを起こす3)インタビューを削ぎ落としながら、加工しつつ自分の言葉でまとめて記事にする質問上の作業を好きな順に並べたら、どんな順番になりますか?2)は、きっと一番最後に来るはず。2)と3)の作業をまとめてなさっている方が大半かもしれない。でも、削ぎ落としてしまったインタビューの中に、将来役立つかもしれぬ大切な情報があったとしても、「音」としか残らない。思い出すのは大変です。もったいなくないですか?質問面倒くさいと思っていることを、どうして外注なさらないのですか?A)時間がかかるからB)自分で起こすよりも正確な原稿にならないからC)余計な費用と手間が発生するからほかにも理由があったら教えてくださいね。A)は、最初から「外注する」と決めて早めに発注し、作業の段取りを変えることで可能にはなりませんか?いつもすぐ起こさないと間に合わないようなインタビューですか?手元に2~3日置いてしまうということはないですか?もしかしたら、すぐに発注していたら、その2~3日の間で原稿はできているかもしれませんよ。宅急便を使う、音声ファイルをメールで送る、便利な方法はいくらでもあります。キライなことを我慢するよりは、任せてしまって、それより好きな「人に会うこと」「文章を書くこと」に集中したほうが幸せじゃありませんか?面倒くさいと思いつつ我慢してテープ起こしするよりは、少しの出費と最初の流れをつくる手間を厭わずすれば、もっと好きなことをする時間が増えるんです。どっちがいいでしょう?そして、自分で起こすよりも正確な原稿にならないと思っている方。確かにそうかもしれません。それは過去日記「反訳の質の限界」で書きました。でも、それは録音の、音のよしあしが相当影響するのです。ひどい原稿を受け取って舌打ちをなさった経験のある方、そのときの録音は、内蔵マイクをお使いではありませんでしたか?内蔵マイクは曲者です。現場にいれば記憶で補って拾える程度の音ではありますが、ほんとに難聴が多いです。難聴テープを起こして神経をすり減らした経験、たくさんあります。早口よりも、専門用語の量よりも、難聴テープは勘弁です。そして、悲しいことに、聞き取ることに精力を使い果たし、単純な間違いが生じたり、必要な調べものができなかったりすることもなきにしもあらず。単に「聞き取れない」ことが、聞き取れない以上の悪影響を及ぼします。現場にいた方だったなら「何でこんなの聞き取れないの?」と思うことだってあるかもしれません。読んで笑っちゃう原稿があったりすることもあるでしょう。ただ感度のよいマイクをご用意いただくだけで、全然違ってくるんです。いい音だったら、ぜひ言葉のプロにお任せください。私は、この仕事が好きです。面白いなと思っています。「面倒くさい」「いやだな」と思いながら反訳(テープ起こし)をしているライターの皆様、どうぞ嫌なことは我慢せずに、どんどん外注なさってください。(麻neko個人に、ということではありませぬ)そして、もっとクリエイティブな方面で力を発揮なさってください。ただ、そのときは、くれぐれも、くれぐれも、内蔵マイクで済まそうとはせず、クリアな音で録音する工夫だけは、忘れないでお願いいたします。以上、ライターさん向け、反訳業界のコマーシャルでした。
2004年04月08日
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時折、この仕事にかかわる言葉について、疑問を持ったり攻撃したくなったりします。過去に槍玉にあがったものは「通信教育」「ケバ」「標準用字用例辞典」「テープ起こし」などなど。一応、自分なりの落としどころを見つけてきたつもりです。「(テープ起こしの)通信教育」、それ自体はいろんな人に入り口をつくるために必要なもの。ただ、それを受講した後の(一部であろう)勘違いひよこさんたちが問題であること。「ケバ」は、速記全盛の時代から存在する言葉で、通信教育用語ではないこと。ただ、修文や整文などと同様、業界で統一されたものではなく、反訳会社それぞれでかなり指している内容が異なること。「標準用字用例辞典」は、速記者のためのものであることが第一義であって、速く書くことにも重きがあること。また、納品先に判断をゆだねるために、ある程度ひらがな表記にして、曖昧な部分を残していること。「テープ起こし」は、・・・・・・まだわかりません。反訳以外のいい言葉、あるかな。ただ、「反訳家」だとニュアンスが変わってしまうこと。「反訳者」「録記者」と名乗るのはどうだろうか? そんな状態で止まっています。もう一つ、ターゲットが見つかってしまいました。「聞き取り能力」です。この仕事は「聞き取り能力」が必要とあちらこちらで言われることですが、それって・・・? 外国語じゃあるまいし。方言だらけの仕事だったらそれも必要かもしれないけれど。「聞き取る」ことは、「言葉がわかる」ことが8割、それから、思い込みをなくすことが1割。その他が1割。ニュートラルの状態で聞き取るって言ったらいいんでしょうか。あとは、リズムで聞き取る、しゃべっている人のクセをつかむ。具体的には、「聞き取り能力」といわれるものの中身、こんな感じで説明ができるんじゃないかなあと思っています。結局は、語彙力です。「知らない言葉は聞き取れない」。(これは約1年近く前の日記のタイトルになってます。結局1年間同じこと言ってるのかな、私って)浅く、広く知っていればOK。深い教養よりも高いアンテナ。以前、お墓に関する話を起こしました。遠くで女性が、「お寺のオクジサンに尋ねて云々かんぬん」と言っています。「公事」かなあ、そんな言葉があるのかなあと思いながら検索しても出てきません。再度聞きなおして判明しました。「庫裏」です。「お庫裏(くり)さん」と言っていたのです。音がとれない場合、頭の中からいかにたくさんの関連用語をひっぱり出してくることができるか。「庫裏」の言葉を知らなきゃ聞き取れない、はかどらない。そして、わかったときの、我ながらの「ホォ~」という快感。外国語や音楽の習得じゃあるまいし、「聞き取り能力」をつけなくちゃと、闇夜のオオカミよろしく耳を澄ませる練習なんて、絶対絶対不必要。知ることに対して好奇心旺盛なのが一番だと思います。これって一面的過ぎる意見でしょうか?本日もきつい納期の仕事中。「結局」さんと、「だから」さんと、「結構」さんと、「逆に」さんの座談会。
2004年04月07日
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本日手がけているのは市場調査の座談会です。昨年9月、一歩踏み出したときにお仕事をいただいたマーケティングの会社から、その後も継続的に反訳の依頼が来ます。ありがたいことです。聞くところによると、座談会の司会をし、報告書をまとめる方が、麻nekoの議事録を読みやすいと評価してくださって、ご指名が入るそうです。すっごくうれしい。ほかの方の原稿と比べることがないので自分じゃわからぬその理由。会社に登録していると、在宅反訳者に回ってくる仕事は納期に余裕のあるものが多いのです。雑誌の取材テープや、市場調査の仕事(そういうものが速記会社に回ってくるのかすらも不明)は社内で処理することがほとんど。ですから、この市場調査にかかわる反訳は、私にとっても納期がほんとにきつい。通常の自治体議事録などとの仕事の差を考える大きないい機会になってます。それに、こちらは「生もの」という感覚で、おもしろい。どのぐらいの納期かというと、2時間を超える座談会で、納品まで中1~2日。これはSOHOで仕事をされている方にとっては普通なのかな。言葉を一語一語積み上げていくには、正確を期するには、そうとうきついと思います。そのかわり、細かい用字例などは重視されないもようです。(だからといって、いい加減にしてはいけない)複数の人間が作業をするから統一しないと、という理由で参照される程度でしょう。そのほかにも楽な面があります。ベタで起こさず、要約をかなり許してもらえることです。司会の方の質問がカットできる(1行でまとめるぐらい)、不必要な言い回しの大胆な省略などなど。(もちろん会社によって差があるでしょうが)私の場合、いきなり省略しつつ打つことが苦手なので、一たん全部ベタで起こします。そして、それを要約していきます。手間はかかりますが、バッサリ切るのは楽しい。でもね、ちょっと思います。これは時間的にきついけど、慣れれば楽な反訳だなあと。ほんとにずるい人だったらば、聞き取れない部分や調べられない部分は軒並みカットして、逃げることも可能です。(もちろん、きちんとしたお仕事をされている方はたくさんおありのことでしょうが)こういう仕事が「反訳」だと思っている人も、もしかしたらたくさんいるのかもしれない。そして、「日本語だからだれでもできる」と思っているのかもしれない。昨日の日記で、わたしが同音異義語はどうでもいいじゃんって少々投げやりだったのは、そんな理由によります。でも、判っていてきちんとする人、判っていて(時間に追われて)やむなく雑になる人、判らなくて雑な人、きっと原稿に差が出ます。そのあたりの差は、発注する側はどこまで感じ取ってくださっているんだろう?だからこそ、目に見える基準が必要なのに。反訳のみの検定、どうぞご一考くださいませ、日本速記協会様。
2004年04月06日
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私は両利きです。そのためか、お恥ずかしい話ですが、いまだに左右の区別がよくつきません。よくこれで運転していたなあと、今、思い返すと怖い。「おはしを持つ手」「鉛筆を持つ手」が右手だよ って教えられた方は多いと思いますが、私はお箸が左、鉛筆が右。そのせいかもしれません。幼いころは、右手はどっち?と聞かれると、いつもピアノを置いてある壁を向いては答えていました。そのぐらいしか区別をつける方法が思い浮かばなくて。東西南北は変わらないのに、右左は反対を向くと変わっちゃう。こういう不確かでいい加減なの、私はキライです。なんちゃって負け惜しみ。ところで、そういう簡単なことの区別がつかない人、ときどきいますよね。「エスカレーター」と「エレベーター」が混乱する人、「金」と「銀」の区別がつかない人(ほんとだってば!)ほかにもあると思うのですが、ちょっとすぐには思い浮かばず。で、最近表記で私が混乱しやすく、迷っているのが4つほど。1つは「前面に出す」。「政策を前面に打ち出して」「このイメージを前面に出す」いつも「全面」と混乱するんです。紛らわしくないですか?ちなみにグーグルで「全面に出」で検索すると999件も出ます。やっぱり私同様混乱している人がいるもよう。2つ目が「超電導」と「超伝導」。「記者表記ハンドブック」(共同通信)によれば、学術用語は「超伝導」、JIS用語は「超電導」なんですって。グーグルでは、「超伝導」85600件、「超電導」が30600件。伝導くんの圧倒的勝利と思われましたが、なんと、「超電動」で116000件!もちろん、これは意味が違いますが、ロボットの名前であるようです。ほんと、紛らわしい。紛らわしすぎて、もーどっちでもいいじゃん、という気持ちに一瞬なってしまいます。3つ目は「一堂に会する」。「一同」と混乱します。もとの意味を考えればわかることですが、急いでいたら、絶対見逃しそう。これも、だんだん「どっちでもいいじゃん」になっていく語かもしれません。ああ、こういう発言をすること自体、わたし、投げやり気分。4つ目は、「インターネットに(またはホームページに)のせる」。「載せる」「乗せる」どっちなんでしょうね。「標準用字用例辞典」も「記者ハンドブック」も記載がないんです。活字だと思えば「載せる」だけど、電話回線や電波だと思うとなんとなく「乗る」だし。こちらは検索してみると、「載る」が優勢。やっぱ活字なんですね。こんなふうに、紛らわしい言葉は(と私が思っているだけかもしれないけど)、どうなっていくんでしょう。併用を許されるようになるのか、どちらかが生き残るのか、混在を避けてひらがな表記に逃げるのか。もともと言葉は生き物です。変化していくのは当たり前。ただ、それがネットの波に押されて加速度が増しています。30年後ぐらいになったら、同音異義語の使い分け、どのくらい残っているんでしょう。今の半分ぐらいになってしまっていても不思議はないかも。極論?まんまるお月様で桜も満開、群雲も風もありません。ベランダで月見と花見をしゃれこみたいところなのに。こんな穏やかな春の夜、仕事を再開しました。もうっ!いきなりキツイ納期ー!!
2004年04月05日
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冷たい雨です。でも、約束していたので娘とおでかけ。いろいろ洋服選びをしてきました。いつのまにか150センチサイズになり、靴のサイズは一緒です。体重も迫ってきました。それでも学校では大して大きくないらしい。昨今の子供は発育がよいのですね。卵色のウインドブレーカーは私でも着られる。「ちょっと貸してね」「ママが着ると、野球場でビール売ってるおばさんみたい」こらっ!!新学期直前、会話がはずみます。昨日は、ドリフターズのテレビを見て、お腹がよじれるぐらい笑い転げていました。笑いのツボにはまったようです。あんなに笑っているのを見たのは久しぶり。テレビを見ているよりも、子供の顔を見ているほうが可笑しい。そういえば、子供がこんなふうに無邪気に笑い転げることのできるテレビ番組、少なくなりました。私もむかし、やっぱり土曜の夜には父と兄とドリフを見ていました。母だけ「低俗ね」と眉をひそめて見ませんでした。志村けんが出るころになって遠のいてしまったのは、私が成長したからか、毒を含んだコントになってしまったからか。両方だったに違いありません。思い出して、読書メモを引っ張りだしました。『だめだこりゃ』」には、「コントの裏にこういう苦労。」と短いコメントをしてあります。日付は記してありませんが、たしか、畳の上に寝転がって読んでいたんだっけ。書評と装丁に惹かれて選んだ、そんな本でした。
2004年04月04日
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いいお天気のお花見日和。ベランダに出れば、目の前に1本、桜が満開です。我が家はスリバチの底のように低いところに建っています。南を見ても高台、東を見ても高台。北に向かっても上り坂、西に向かっても上り坂。南側の高台にある小学校のグラウンドでは、桜並木が白くけむっています。東側の高台では、常緑樹の森の中で1、2本、ああ、桜の木だったんだ、というように咲いています。あの色はソメイヨシノではなさそうです。その常緑樹の森は古い料亭だか美術館の庭らしいのですが、我が家とその森の間に新たに9階建てのマンションが建設されるとのこと。来年は、あの桜も見えなくなってしまうのがとても残念。でも。我がマンションもスリバチの底とはいえ、7階建てだから、どこぞの眺望をさえぎってしまったに違いない。昔、住んでいたのは11階だったんです。環七沿いのマンション。南・西・北の3面バルコニーで眺望バツグン。富士山ばっちり、花火大会を同日2種堪能ということさえありました。大通り沿いだから高層建築可能なわけで、当然、眺望と騒音はセットでくっついてきました。二重窓だし11階だから、音は大丈夫だろうと入居するまでは思ったものです。(大体、最終決定をくだしたのは私じゃなかった。いつのまにか決まっていた)ほんと、バカでした。音は上に上がるんです。汚れた空気も。眺望のよさと裏腹に、やっぱり住みづらかったなあと思います。そのマンション売却のドタバタとドキドキは、今振り返ればすんごく面白い経験でした。まとめて書くと日記の分量ではなくなってしまうので、なかなか書けぬのが残念です。いずれにせよ、車がなくても、スリバチの底でも、今の静かな環境が何より。南風に乗って、電車の音が聞こえてくる夕方、ほのかに床暖房をつけたフローリングでうたたねをする幸せ。春って、どうして遠くのほうから音が聞こえてくる気がするんでしょうね。
2004年04月03日
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昨日、一反訳者に戻ってひたすら校正し、修正し、納品を済ませました。会社はまだまだ忙しいもようですが、数日休息をいただくことにいたします。考えてみれば、3月、ヘッドホンをつけなかった日は1日もありませんでした。集計すれば、案の定、今までの最高記録の録音時間です。(この仕事は、テープなどの録音時間×単価で出来高が決まるんです。今更の説明ですが)繁忙期だから、やむを得なかったとはいうものの、切り替えのヘタクソな私はちょっと無理をし過ぎです。少し身体をいたわってやらないと。国際安全衛生センターというところのHPで、こんな記述を見つけました。「ILOのソマビア事務局長は「労働時間は、その国の全体的生産性と生活の質を計る重要な指標のひとつである」としながらも、「長時間労働の利益は明らかだが、より長時間働くことが、より良い労働を意味するとは断言できない」と付け加えた。そして、「生産性、報酬、失業、技術水準、社会保障、雇用安定、さらに仕事と娯楽に対する文化的姿勢まで含めた数多くの要素を検討して、はじめて意味のある成果が得られる」ことに注意を促した。」長時間働くことが、より良い労働を意味するとは言えない。のめりこみやすい自分は、好き→没頭する→没頭し過ぎる→苦しくなる→やめざるを得なくなるこの図式でしばしば色々なものを失ってきました。わかってるんだから、いい加減大人なんだから、自分でコントロールしろよって感じですね。大体、おもしろーい!と思っている仕事に悪態をつきたくなること自体、今の私はねじれているので、とにかくリセットリセット。ゆるゆると、家事をする、医者に行く、カイロに行く。それだけ。ただそれだけ。
2004年04月02日
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*******ニッコリ笑って**********今日はお知らせがあります。麻nekoは、本日をもってこの日記をひとくぎりつけようと思います。皆様いろいろお世話になりました。昨日の日記を書いて、当初から考えていた書きたいことは概ね尽くしましたし、書きながらもあふれ出てくる反訳にまつわるいろんな疑問は、まだまだ表現できるほど自分の中で消化できなくなっています。いったんここで筆をおいて、改めて自分の中で醸成したいと思います。開設以来、日記の記入率は99%以上、よくぞ毎日書いたものだと思います。家事と仕事と育児(って、1人だけですけど)をしながら書かなかったのは2日だけ。2日の内訳は、1日は日付間違いを修正するのが面倒になって。もう1日は、おこ総研さんのメルマガで紹介していただくことになり、あまりの嬉しさに舞い上がって忘れてしまったため。それ以外の日は、納期に追われた日でも、歯痛に悩まされた日も、強盗に入られた日も、宝くじで1億円当たった日も、家人と大喧嘩して家を飛び出し、ゆきずりの人と一夜を共にした日でも、娘が手術した日でも、泥酔して終電を逃し、タクシーで帰宅した日でも、毎日毎日書いてきました。この日記の重さは何と7キロになります。どうしてわかるって? それは私の減った体重の量に匹敵しますから。こんなに、反訳1つのことで深く掘り下げることができたのも、いろんな発見があったのも、自分にとっては大変な収穫でした。掲示板で皆様が書き込んでくださったこと、それがものすごく大きなエネルギーでもありました。こんなにたくさん皆様に読んでいただけると思っておりませんでしたので大変感謝いたしております。皆様のご健康とご発展を心よりお祈りして、本日、私は一反訳者に戻ります。
2004年04月01日
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