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今日は、本日発売の高瀬理恵さんの『公家侍秘録(5)』と江川達也先生の『日露戦争物語(18)』の2冊を買ってきました。ビッグコミックでいつも目を通す作品です。この2冊、まず『日露戦争物語』は史実に即して、そこに江川先生の解釈と歴史に対する考え、プラスαとして物語を面白くする為のリアクションを取り入れた作品です。私は、学部と院で日本近現代史を専攻していたので(しかも海軍関係をやっていたので。)、連載当初からナカナカよく出来ている作品だ、と感心して読んでいます。まぁ、単行本の取材協力に防衛研究所戦史部や海上自衛隊第一術科学校とあること(当然、そこの先生方の協力があるということ。)、参考資料に前記の戦史部所蔵の『二十七・八年海戦史』(海軍軍令部編)という本物の史料を使っているのですから(『日露戦争物語(18)』より)、当然ですね。日露戦争、というと司馬遼太郎大先生の名著『坂の上の雲』(取り敢えず、『坂の上の雲(1)新装版』を置いておきます。)が有名ですが、実は司馬大先生が『坂の上の雲』を書いた後に、続々と新史料が発見されたので、この『日露戦争物語』の方が歴史事象に関してはより真実に近い(この言い方には若干の語弊がありますが。)のです。例えば、今巷に信じられている日露戦争時の海軍の活躍は、小笠原長成という海軍将校が「戦意向上」と「愛国心」を煽るという目的(まぁ、本人の性格にも問題があったと、私は感じていますが…。)で作られた数々の本(日露戦争の通史や当時活躍した海軍将校等の伝記等々。)が元になっています。ですので、かなり虚構が入っています。これに司馬大先生も見事に引っ掛けられているのです。これは、仕方が無い事のですがね。作品を作り上げる時に参考にした史料(資料)が、そのようなものしかなかったのですから。もし、日露戦争に関心のある方は、公立図書館で簡単に手に入るものとしては、御厨貴先生の『日本の近代(3) 明治国家の完成』(中央公論新社、2001年)〔これは、お勧めです!〕、田原総一郎さんの『日本の戦争』(小学館、2000年)、佐々木隆先生の『日本の歴史(第21巻)』(講談社、2002年)などを手にとってみては如何でしょう。また、海軍モノ、日本海海戦関係では、野村実先生の『日本海海戦の真実』(講談社現代新書、1999年)、大江志乃夫先生の『バルチック艦隊』(中公新書、1999年)などが手ごろではないか、と思います。さて少し脱線しましたが、この『日露戦争物語』で感心している事は、他にもあります。まず、敵、この場合では清国側からの視点でも、きちんと公平に描いているという点です。戦争モノではどうしても、自国の視点に立って敵を見下したり、軽んじて描き出す点が多いのですが、この物語では違います。私も、日本側からしか歴史を見てこなかったので、清国側の状況を読んだときは新鮮なモノを感じました。次に感心している点は、先にも書きましたが、公平・平等に、どちらの側にも立たない中立的な視点で(私は、鳥瞰的視点と勝手に呼んでいます。)史実に即して淡々と描いているということです。どちらにも(日清戦争では、日本・清国。他には、日本国内での政治対立等々、派閥の対立等。)肩入れせず、ただ事実のみ描いている点に凄く共感を持ちます。また物語の中には、江川先生の歴史認識が書かれていますが、それも激しすぎず(誰と比較しているとは、言いませんが。)、その後の歴史の流れにこの出来事、思想、行動がどのように影響を与えたか(主に、太平洋戦争ですが。)、それが日本に、現在の日本にもどのような影響を残しているかを考えて、コメントされている事です。歴史学とは、今生きている世界を鏡として、過去を考察する学問です。言ってみれば、自分たちの立つべき(拠るべき)世界を確認する学問です。 (偉そうなことをほざいていますが、これは学部の時の講義で拝聴した言葉です。)それに、忠実な作品かな~、と感じて、楽しんで読んでいます。(歴史学に使う頭は、自分の研究用にのけておかないといけませんから〈笑〉。)でも、最近では日清戦争の「黄海の海戦」のシーンにかなり力を入れられていて(もう、次の鴨緑江渡河の場面に移っていますが。)ナカナカ前に進まず、少しもどかしい思いをしていました。さては先生、「海軍中毒症」に掛かったかと(私もその同類ですが…。)心配しましたが、大丈夫なようです。しかし、読んでいるとあれだけの情報を整理し組み立ててから、絵にして、セリフやコメント、解説を入れて、毎週連載されているのですから、凄い仕事量です。それをこなしているのですから、大したものです。という訳で、『日露戦争物語』だけで終わってしまいました。『公家侍秘録』はまた今度、ということで。 ↑18巻の表紙画が無かったので、私の好きな8巻の表紙を代わりに置いておきます。
2005年11月30日
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え~、懲りずに今日も『アリソン』について語ります。昨日は、触りと飛行機についてダラダラと欲求の趣くままに書きました。さて、今日はどの方向へ話が飛んでいくやら…。さて、この時雨沢先生の『アリソン』シリーズは全て読破しました。(自宅と通勤の途中に、そして職場である図書室で!)このシリーズの主軸の1つが、アリソン嬢とヴィル君のいろんな意味での関係です。アリソン嬢は、お父さんが戦死し(これもシリーズの伏線なんですよね~。)、ヴィル君は親に捨てられた孤児です。2人は、スー・ベー・イルから亡命した貴族、コラソン・ムーア女史の開いた「平和の家」で育ちました。所謂、幼馴染です。この『アリソン』を気に入った理由の1つは、この2人の関係です。この2人の初対面の場面、孤児院にやってきた子どもは悲しみと不安で泣きじゃくっているのに、アリソン嬢は金髪を翻して堂々と現れ、紹介されるや近くにいたヴィル君を指差して、「よし!お前、今から子分してやる!」(笑)とのお言葉。周囲の一同が呆気にとられて、保母さんにたしなめられたら、「じゃあ、信頼できる部下。わたしが大佐で、あなたが少佐」ですって。この時点で、ヴィル君はアリソン嬢の尻にひかれることが運命ずけられたわけです。こういうような、ウィットが効いて小気味よい場面が私は大好きです。時雨沢先生の作品は、『キノの旅』もそうですが、ストーリーに伏線を置いて、これを踏み台にして次々と物語を展開していきます。その伏線も、かなり長いこと伏せておいて使うことが多いと感じます。使用方法も、爆燃型やねずみ花火型、線香花火型(この表現方法については、皆さんの頭の中で、想像してみてください。)と芸が細かいです。『キノの旅』でも主にキノと師匠との間に使われていますが、その間には時間差(歴史)があります。一方、『アリソン』シリーズでは登場人物全てに伏線がひかれていて、それが現在進行形で生かされているのが大きな違いかな、と思います。その一例が、アリソン嬢たちが「ほら吹き爺さん」を誘拐した飛行艇を追って、敵地、スー・ベー・イル領土に領空侵犯して墜落(誘拐犯たちの戦闘機から逃げるのに失敗して。)際に出会った、トラヴァス・ラディア夫人です。この人も、味わい深い人です。戦争で戦死した(若しくは行方不明になった)息子たちを想い、1人国境近くの別荘で敵国(アリソン嬢たちの住むロクシェ。)を憎みながら暮らしている老婦人。このラディア夫人が、アリソン嬢たちが「平和の家」出身と知り、彼女たちの生い立ちを聞くうちに、先のムーア女史、自分の信念を信じ、祖国と地位と名誉を捨て、敵国へと渡り戦争孤児院を開いた女性と、自分の今までの思い、ムーア女史を裏切り者として憎み蔑んだ自分の考えを、ヴィル君との会話を通して対比させて、これまでの心の醜い塊がときほぐれていく場面は良かったです。ヴィル君との会話の最後に、自分の息子の名前でヴィル君を呼んだラディア婦人。このシーンも実は、『アリソン(3 下)』の最後と『リリアとトレイズ(1)』に繋がっているんですよね。このように、短編集である『キノの旅』で出来なかった事、人と人との濃厚な関係・絆を作り出し、描き出すこと。そして、その関係を膨らましていくこと、をこの『アリソン』で時雨沢先生はやっておられると思います。さてここで、『アリソン』に出てくる善玉の大人、ヴェネディクト少尉につて。この少尉さん、いい味を出しています。少尉は、腕っこきの飛行気乗りですが、平和な時代なので現在は女性を(口説き)落とすのに忙しい状態です(アリソンとの初対面の時も、口説き落とそうしていますし)。このヴェネディクト少尉のくだりを読んでいてフッと、彼の田中芳樹大先生の『銀英』シリーズに出てくるポプラン少尉に似ているな、という事に気づきました。双方とも、戦闘機乗りですし、女たらしですよね。でも2人とも、良い大人、かっこ良い大人の男ですよね。ただ、ヴェネディクト少尉は運命の女性を見つけて幸せになりますが(『アリソン(2)』にて)、ポプラン少尉(とっくに昇進していますが)は『銀英』の最後、新たな世界(自分の居場所)を求めてユリアンたちの元を去っていきます。この辺が、「ファンタジー」と「大河ドラマ」の違いですかね?(いやいや、『アリソン』シリーズもがんばれば!)では、今日もこの位で。また明日~。 ↑ポプランと相棒のコーネフ、同盟の誇るエースコンビです。 ついでに『アリソン』も、こんな気の利いたオビだったら…。下約1/4が見え ない。
2005年11月29日
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この前の続きで、時雨沢先生の『アリソン』について語ります!ついでに、黒星紅白先生の描くイラストについても、語ります!!語ります!!!まずは、表紙ですね。ライトノベルの魅力は文章もさることながら、絵も重要です。飛行服を着込んだ金髪碧眼の少女が小生意気に、長髪を翻した姿!可愛い!です。そして、文章を読んで描き出すイメージにもピッタリ合います。さすが、『キノの旅』で組んで息もピッタリな時雨沢&黒星コンビで作っただけはあります。さて、この本の内容ですが、幼馴染の少女と少年、空軍飛行士で伍長のアリソン・ウィッティングトン嬢と上級学校の学生、ヴィルヘルム・シュルツ君が主人公です。夏休みのある日、突然ヴィル君の学校の校庭に着陸した(その前に豪快なアクロバットを一発!)軍用機。驚くヴィル君の前に、その操縦席から降りてきたのがアリソンでした。(輸送中の軍用機…、軍規違反だ!憲兵~!!) 出鼻から、暴走しています、お嬢さん。ところでこの物語の舞台は、大陸が1つしかなく、その大陸は「ルトニ」という大河を隔てて東側にロクシアーヌ連邦共和国、西側にベゼル・イルトア王国連合(スー・ベー・イル)という勢力が、どちらが「人類の先祖か?」という理由を、どちらがヒトとして優れているかをめぐって絶えず戦争を繰り返している世界です。この設定。ファンタジーだとか思っている人いるでしょう。でも、私たちの生きている現実の世界ですら、つい20年も前には自由主義(民主主義)と社会主義を掲げる二大勢力が、理想と武力を振りかざしてどちらが優れているかと「冷戦」(時々、実弾をぶっ放していましたが…)をやっていたことを考えると、笑えませんよ。え~っと、話を戻しまして、学校に着陸して久しぶりに再会したアリソン嬢とヴィル君は、ヴィル君の運転するサイドカーに乗って学校の寮へと向かいますが、その途中で胡散臭い「ほら吹き爺さん」に出会います。そのご老体は2人に「ロクシェとスー・ベー・イルのとの戦争を終わらすことができる、すごい宝がある」と語ります。ところが、その話の最中にニセ役人にご老体が誘拐されてしまい…。というような展開で物語は進むのですが、この『アリソン』にかけた時雨沢先生の意気込みは、物語の冒頭、12ページにわたってこの世界の設定を説明するというこだわりで理解できましょう。また、メカについても時雨沢先生のマニアックさが爆発しています。この『アリソン』を読んだ時の最初の印象は、『キノの旅』でやりきれなかった事を『アリソン』でやってやろう!という意気込みです。では、その時雨沢先生に敬意を表して、という訳ではありあませんが、登場する飛行機について。イラストに出てくるフロート付の水上機は、大日本帝国海軍の九四式水上偵察機の胴体に、零式水上観測機の翼をくっつけたように見えます。つぎに、アリソンとベネディクト少尉(この人物について知りたい方は、原著、若しくはのこの続きを読んでみて下さい。)操縦したイラストにもある水上戦闘機ですが、裏表紙の機体側面図からこれも大日本帝国海軍の震電のように後ろにエンジンを配してプロペラを付けた機体で、翼も震電に酷似しています。胴体はRAF(英空軍)の戦闘機、スピットファイアのもので、フロート(水に浮くための浮遊具)ですが、これも大日本帝国海軍の水上戦闘機、強風のものです。マニアが見るとこのように、散々解剖して元ネタを探してしまします。ついでに、ヴィル君がラディアさんから借りたピストルは明らかにイラストからも、モーゼル大型自動拳銃(本当は「モーゼル」は「マウザー」と発音します。)です。さらに、アリソンの持っているピストルも文中から推測すると、九四式拳銃のような気がします。(細かいな~、ホドホドにしろよ!)(出来るなら、大学院など行かんわ!)(…、…。)という訳で、今日は触りと小道具(飛行機&鉄砲)について語りました。明日も、このネタで書きますので、乞うご期待を!(つまり、また来てね、と言うことです〈笑&願〉。)↑オビが邪魔だ~!
2005年11月28日
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昨日、時雨沢先生の『アリソン』について書いた中で取り上げた宮崎駿監督の『泥まみれの虎』(大日本絵画、2002年)と、その原作、オットー・カリウス氏の自叙伝『ティーガー戦車隊(上巻)(下巻)』(大日本絵画、1995年)について、何だか無性に書きたくなったので、『アリソン』は次回において置いて、今回はこのネタでいきます。ご存知でない方もいるかもしれませんが、あの宮崎監督は戦車や飛行機などが大好きです。彼の『紅の豚』も宮崎監督の趣味から始まり、あのような名作へと開花したわけでありまして…。その『紅の豚』の原作が『月刊モデルグラフィックス』という模型の雑誌で連載していた『飛行艇時代(飛行艇時代増補改訂版)』という漫画でして、私も映画化にあたってまとめられた『飛行艇時代』を持っています。その『飛行艇時代』は実は先の『モデルグラフィックス』で掲載されていた『宮崎駿の雑想ノート(宮崎駿の雑想ノート増補改訂版)』というシリーズものの1作です。このシリーズでは、宮崎監督の持つ豊富な軍事知識と妄想で作り上げた作品がたくさんあります。例えば、フランス人の作家、アンドレ・マルローのスペイン内戦参加時のエピソードを描いた『農夫の眼』。太平洋戦争末期、日本の東の海上でB-29の監視活動をしていたオンボロ漁船の奮闘記『最貧戦線』などがあります。そしてその中に、紹介する『泥まみれの虎』に収録されている『ハンスの帰還』とその前編、『豚の虎』があるわけです。この2つの物語も、主役は戦車です。『豚の虎』ではポルシェ博士(あの自動車メーカー、ポルシェの創業者)の道楽で誕生した、ハイブリット(電気駆動式)戦車の戦い(すぐ壊れる戦車を直す整備兵と突撃親父の奮闘記です。)を描き、次の『ハンスの帰還』では、ドイツ終戦時の混乱の中、ソ連軍(こいつらは、略奪・陵辱等々、酷いことをしたそうです。)から逃れ西へ向かう人々と戦車を描いています。で、本題の『泥まみれの虎』ですが、これはドイツ国防軍の戦車兵、オットー・カリウス中尉の自叙伝『ティーガー戦車隊』から、1944年2月24日から3月22日までの北欧、エストニアでの戦いを、宮崎監督が抜き出して描いたものです。原作の自叙伝も読みましたが、このカリウス中尉、敵の戦車を150台も撃破し、騎士十字勲章を授章したというティーガー戦車の指揮官です。(ティーガー戦車とは、第二次大戦のドイツ最強の戦車〈の1つ〉です。)正直な話、これだけの戦車を屠って、あの第2次大戦を生き抜いたのですから、凄い、のひと言に尽きます。相当、幸運の女神様にも眼をかけていただいていたのでしょう。ただ、女神様のお眼に留まるために、自分の持てる知識と経験を全て使い、必死の努力を(失敗、即、戦死ですから。)積み重ねていたことは、自叙伝を読めばよくわかります。おまけにカリウス中尉は、戦車の指揮官ですよ!部下の命まで預かっていたのですから。この責任感には平伏するしかありません。この宮崎監督「戦車3部作」について、『豚の虎』と『ハンスの帰還』では、自分の思い描く戦車とのイメージのギャップがありすぎて上手くいかなかった、と言っています。で、『泥まみれの虎』を描いた後には「戦車っていうのは、いちばん始末に悪いモノですね。」と述べられているいます。それは、戦車という想像力を刺激される物体が飛行機のように大空という柵や束縛から解放される世界ではなく、地べたを這いずり回り、普通の人間と同じように解放されない空間でしか動けない物体であることが原因ではないかと、考えておられるようです。そんな、宮崎監督を悶絶させた作品と原作、読んでみませんか?ちなみにこの「戦車3部作」では登場人物は豚になっています。(『ハンスの帰還』では女性と子どもは人間で描かれていますが…。)そして、漫画は全編、フルカラーです。見ごたえありますよ。
2005年11月25日
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今日は、天気も良く、日当たりの良い図書室はホカホカ。おまけに学校は試験期間中。そこで、窓際の席に陣取って昼から、破損本の修理を行いました。図書館では、どこでも同じですが、使えば壊れるのが世の道理。とくに中学生に日々手に取られている本の状態と言えば…、どういうものかは、皆さんの想像に任せますが、ひどいものは皆さんの想像したものに2乗して2かけたものだと考えて下さい。(表紙は破られ、コーティングはグシャグシャ。本は1回水に濡れて乾いたのものは、ブワーと膨らんで…。ページが破られたり、無くなっていたり、落書きされたりはまだ、軽微な部類です。)そんな訳で、月に1回は細々とした修理をやるのですが、今日に限って良いお天気だったのでつい、読書をしてしまいました。読んでしまったのは時雨沢恵一先生の『アリソン』(メディアワークス、2002年)です。最初の見開きにある折り返しのカラーイラストが、バラバラになっていたので、貼り付けたのですが、ついこの前、『リリアとトレイズ』シリーズを入れたのばかりで、どんな話だったかな~、とページをめくってしまったのが運のつきでした。しっかり、30分間、読んでしまいました。(反省!)実は、私、『アリソン』シリーズは持っていなかったのですよね。最初は、書店で立ち読み。次に、近所の公立図書館で借りてきて、いつか買おう、と思っていて、今日まできたのですが…。今日、久方ぶりに読み直して、やっぱり面白い、と再確認をいたしまして、帰りに馴染みの書店さんに寄って『アリソン』と『アリソン(2)』を購入した訳であります。前にも書きましたが、私は、宮崎駿監督(監督は大日本絵画の『モデルグラフィックス』で、『宮崎駿の雑想ノート増補改訂版』や『泥まみれの虎』なんか描いてます。)や大塚康生監督と同種の人間でして、兵器に愛着を感じるという奇特なモノを持っています。私は、兵器の中でも軍艦(海軍万歳!)と飛行機がとくに好きです。ですので、『アリソン』も大好きです。水上飛行機や飛行艇が活躍するのが良いです。『紅の豚』みたいで。あと、電撃では飛行機ものとしては他に、萩野目悠樹さんの『撃墜魔女ヒミカ』シリーズがありますね~。これは、持っています。そんな訳で、今日はこの位にしておいて、あと、寝る前に『アリソン』を読みます。この『アリソン』の読書についての感想等々は、また後日ということで。
2005年11月24日
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今日は、朝、起きた時から体がダルイ。風邪でもひいたかな?と思って休日を幸いとして、一日睡眠&休息に当てることにしました。で、ベッドの中で読んだのが安野モヨコさんの『監督不行届』(祥伝社、2005年)と、例の久世番子さんの『暴れん坊本屋さん』です。文庫や新書も開いたのですが、何となく読む気が起こらず、軽~い本ばかり目を通してしまいました。こんな日があっても良いですよね?さて、『暴本』はシリーズで書いているので置いといて、今回は安野さんの『監督不行届』について書いてみます。この本、確か今年の2月に買ったと思うですが、ともかくすごい面白い本です。学校にも持っていって本好きの生徒やそっち方面に詳しい生徒、果ては教員までにも紹介して一緒に大笑いしていました。この本の内容は、今一番売れている女流漫画家(『働きマン』や『さくらん』、『シュガシュガルーン』を描いてます)、安野モヨコさんと彼の『エヴァンゲリオン』監督の庵野秀明氏との結婚生活を、ユーモラスに描き出した一品です。この本読んでいると、自分自身の行動に思い当たる節が多いことに軽い衝撃を受けました。まず、「擬音を口で」ということ。安野さん曰く、「マンガでよくあるあの音を、実際に口で言う人たち…(キラーン)それがオタクです」だそうです。確かに、友人たちとの会話の中で、使っている私。まぁ、友達も同じ穴のムジナさんたちなので別にかまわないかな。(でも、仕事場で無意識に使っているかも…。)次いで、車の中にアニソンのCDを置いていること。自分自身、落ち込んでいたり、寂しいなぁ、などと感じたときに車の中で聴いてているのですが、時々、口ずさんでいる私。安野さん曰く、「外から見たら、うたっているの一目瞭然なんだよね」だそうです。全然、気にしてなかった。(と言いつつ、今も時折やってしまっている私って…。もう一回、気をつけよう。)そんな訳で今日一日、『監督不行届』を読みつつ、自分の行動&性格の自己診断を行っていたのですが、ふと、悟ったのです。人間と言うものは猫被って生きているもんだな~、という事に。私は、意外と自分の趣味を前面に押し出して仕事をしていますが(図書室にお気に入りの森薫さんの『エマ』を入れたりして。これで、正体の半分はバレてしまったのですが…。)そんなことが出来る職場は、ほとんど無いでしょう。今の職場は、周りの方々に意外と理解と柔軟性があって(だからライトノベルもそこそこ、コミックスもほんのチョッピリ、購入してもらえるのですが。)自分の個性をある程度、展開することを許されているので大いに感謝しています。ただ、学校ですから、当然、私も社会人として、教免持っている人間として(これなかったら、採用無かったかも)、当然司書としての常識と良識を守って、仕事をしていますが。(やっぱり、猫被りですね。)こんな風に、小難しい事を考えていたら、昼寝をしていたこともあり、眠れなくなったので、こうして書き込んだ次第です。さて、明日も早いし、風邪が悪化しないように寝ましょうか。
2005年11月23日
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今日、ようやく磯淵猛氏の『一杯の紅茶の世界史』(文春新書、2005年)を読み終えました。新書を読むのに一月も…。まぁ、その間、文庫5冊に新書3冊を買い込み、図書館から12冊も本を借りて、さらに3つの論文を読めばこのくらいかかるでしょう。だから、私の本には栞が必ず挟まっています。さて、私の趣味は読書と書道、 歴史の探求、あと好きなものはワインと紅茶です。で、その関心のあるもの2点、歴史と紅茶に関する知識が詰まったのがこの一冊です。さて、お茶を飲む習慣、喫茶はどこで始まったのでしょうか?答えは、中国、それも雲南省という中国南方のベトナム・ラオス・ミャンマーの国境地帯なんだそうです。そこに住む少数民族の人たちがお茶を飲むことを始め、やがて中国全土に広まったとのことです。ところが、中国全土に喫茶の習慣が広がってからのお茶の産地は、日本でも烏龍茶の産地として有名な沿岸部の福建省となりました。その理由は、当然、お茶の木の生産に適しているだけでなく、運搬に便利な港が近かったからだそうです。で、この福建の港からイギリス人はお茶をセッセと本国へ運んだのですが、貿易不均衡が発生。お茶がガバガバと輸入して代金として支払う銀が不足したイギリスは、インドから麻薬アヘンを代価として中国へ輸出し、それが一因となって(主な理由は、イギリスの自由貿易思想の押し付けだと思うのですが。)アヘン戦争勃発になってしますのです。まさしく『一杯の紅茶の世界史』です。一杯のお茶のために(まぁ、イギリス全土で毎日一杯、消費されていったのですから、その量たるや…)戦争まで起こし、世界を動かす。お茶とはすごいものです。(あと、アメリカ独立戦争の一因となった「ボストン茶会事件」もそれにあてはまりますが。)こんな歴史のお話もありますが、やはりこの本の主題は「紅茶」です。で、紅茶、というとその代表的な銘柄として「アールグレイ」があります。私は以前、フォートナム&メイスンのアールグレイを買ったのですが、その香りたるやすさまじいものがあり、「何だ、これは~!」となった思い出があります。その仰天した香りの理由も、この本に書いてありました。何と、フォートナム&メイスンのアールグレイとは、燻製して強烈な「燻製香」を付けたラプサンスーチョンという紅茶に、ベルガモット・オイルを加えたという代物だったのです。つまり、燻製の香りと柑橘類の香りをミックスしたもの。ウヮ~、と思いました。トワイニングや他のお店では、ベルガモットだけだそうです。これなら、飲めますね。このように、この本には色々な小噺、例えば紅茶の飲み方、最初はカップから受け皿にお茶を注いで、音を立てて飲むのが作法だったそうです。また、イギリス人も最初は緑茶を輸入していたのですが、その内、発酵茶の方が自分たちの趣向にあっているので紅茶に転向したとか、先に紹介したラプサンスーチョンとは、山岳地帯で僅かしか取れない、正山小種という高級品の代用品で、なんと乾燥した茶葉を再び湿らせてから、松の煙で燻製して香りを付けるのだそうです。そんな、イギリス人の紅茶に対する執念、インドやスリランカでのお茶の栽培に関する歴史や、ティー・クリッパーレースに関する解説など、モウモゥ、紅茶に関するトリビア満載の一冊です。この本の最後には、英国王立化学協会が科学的に実証した「完璧な紅茶の入れ方」まで載っています。紅茶と歴史が好きな方、一度、手に取ってみてはいかがでしょうか。 ↑フォートナム&メイソンのアールグレイが無かったので、 代わりにトワイニングを置いてみました。
2005年11月22日
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昨日、名古屋に行った際、栄の某書店のライトノベル・コーナーに平置きしてあったので、見本を手に取り、パラパラとめくってから、見本を置いて商品(シュリンクされているモノ)を手に取り、そのままレジに行って買ってしまいました。で、何を買ったかというと『ライトノベル完全読本(vol.3)』です。これを買った理由というのは、表紙に記載されていた「売れ筋&話題作ランキング発表!」という言葉と、「2005年上半期ライトノベル良書解説」があったからです。え~、ブログにも連々と書いていますが、生徒からのリクエストの4分の1はライトノベルです。残りの4分の1はコミックス(勘弁して~)、4分の1は、ハリポタなどの小説です。残りは、説明するのも面倒なぐらい雑多な代物の群れです。(例えば、黒星紅白先生の画集とか…)。このようにリクエストを沢山戴けるのは、大変ありがたいことなのですが、乏しい図書費の中、どれを優先的に購入するか優先順位を付けなければなりません。あと、学校図書館に相応しい本かどうかの審査も必要となり…。(これで、リクエストのコミックは大抵、弾かれます。)そんな理由で、この『ライトノベル完全読本(vol.3)』を図書選考の参考として購入したわけです。(半分、趣味も入っていますが。)さて、みなさん、こういう本(ISBNがふってあるので、書籍にしときます。)を読んでいて自分が持っている本や読んだことのある本などが紹介されていると、嬉しくなりませんか?私は、嬉しいです!例えば、ライトノベルの王道シリーズのベスト10の1位だった『星界シリーズ』(最新刊の『星界の断章(1)』を)。これは、昔からの大ファンで、当然、全巻(読書用と保存用、さらに帯が欲しいばかりに購入したものまで)所有しています。あと、この前ブログにも書いた『しにがみのバラッド。』も新鋭シリーズベスト10で3位でした。(この他、読んだものでは、王道で『リリアとトレイズ(1)』が9位でした。)ついでに、読者投票での作品ランキングベスト10では1位にこの前全巻一気に入れたばかりの『トリニティ・ブラッド』が、(よし!)ついで2位に『マリア様がみてる』(こちらも最新刊の『マリア様がみてる(薔薇のミルフィーユ)』を)が(亡失本と新刊、早く発注しなきゃ~)、3位に『キノの旅』となっていました。ちなみに、作家ランキングでも時雨沢先生は3位(当然でしょう!)、『トリブラ』の故吉田直先生は2位でした。(本当に、惜しい方を失いました。才能の半分も発揮せぬまま、彼の世界へ旅立たれてしまいました…。)それから、「2005年上半期ライトノベル良書解説」では「恋愛・コメディ」ジャンルで森薫さん原作、久美佐織さん著の『小説エマ(1)』が紹介されています!これは、当然、自明の理であります!ところで、この本を読んで痛感したことは、知らない作家さんが多くなってきた、ということです。それだけ、このライトノベルの世界が大きく広がったということなのでしょうが、それと共に時代も(私の歳も)考えさせられました。『ダ・ヴィンチ』など、普通の本を扱う雑誌でもライトノベルの特集を組むようになった昨今、学校図書館にも要らぬ先入観を捨てて、ライトノベルをジャンジャン購入していくべきだと、思いを新たにしました。利用者(生徒、及び若干の教職員)の求める本を置き、そこから利用者を増やし、利用者の読書意欲を高めていく。その方法の1つとしてライトノベルを活用しましょう!(自分の、趣味と実益も考慮してね。)
2005年11月21日
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今日、家で取っている某準全国紙の読書欄にジョージ・H・バーチ著『写真集 よみがえるロンドン 100年前の情景』(柏書房、2005年)が紹介されていました。書評を読んだ瞬間(というか、書評の上にある紹介の写真を見た瞬間)欲しい!!! 、と思ったのですが…書評の最後に「(柏書房・九九七五円 )」也、と書いてあるのを見て、あえなく断念しました。5千円位なら苦悩して買う・買わないと悶えますが、福沢大先生の顔がチラつく値段ではもう駄目です。これまで、欲しいと思った本を3冊ほど買った方がマシ、という貧乏人の計算が成り立ってしまいます。で、貧乏人である私が『よみがえるロンドン』の代わり、欲求不満の一時しのぎに買ったのが、マール社編集部が作った『100年前のロンドン』(マール社、1996年)です。(こちらは、998円。)この本、森薫さんの『エマ』がアニメ化された時に、書店さんで『エマ』のシリーズ全巻と『シャーリー』、『エマ・ヴィクトリアンガイド』と共に置かれていた一品なのですが、その時は、「図書館にあって借りたからいいや」と思って購入しなかったのです。しかし今回、『よみがえるロンドン』の値段と、近隣の図書館に無いこと(他館取寄せすることもできますが、時間がかかる!)という点を考慮して、「時は金也」ということで買ってしまいました。まだ、ザァーッとしか読んでいないのですが、この本は今から約100年前にロンドンの出版社、“THE DESCRIPTIVEALBUM PUBLISHING COMPANY”が出した「THE DESCRIPTIVE ALBUM OF LONDON」をもとに編集し、復刻したものだそうです。内容は、最初に100年前のロンドンの鳥瞰図(これが、当時の雰囲気を良く醸し出しているイラストで良いです。)が記載されていて、そのあとに見開きで、左側1ページが当時のモノクロ写真で当時の重要な建造物・通り(建物でいえば、ロンドン塔に国会議事堂、セントポール大聖堂、タワー・ブリッジ等々)など、現在でもロンドンの観光名所となっているようなところが紹介され、右側の1ページがそれらの名所についての解説となっています。解説は、日本語訳と英語の原文が併記されています。これを見て、感じ入ったのがまず海軍省(ホワイト・ホールと呼ばれてます。)。『ホーンブロワー』や『ボライソー』、『オーブリー&マチュリン』シリーズなど、英国海洋小説を読んでいる人間としては聞きなれた建物ですので、感慨をこめて見ました。ついで、トラファルガー・スクエア(ネルソン提督を称え、死を悼む記念碑がある広場)の写真も良かったです。私は、この時代、ヴィクトリア朝に関しては子どもの時に見た宮崎駿監督のTVアニメ『名探偵ホームズ』(『名探偵ホームズ DVD-BOX』犬のホームズとワトソンです!)から入って、原作の『シャーロック・ホームズ』シリーズ、NHKの『シャーロック・ホームズの冒険』(『シャーロックホームズの冒険完全版 DVD-BOX』)と嵌まっていって、最後に森薫さんの『エマ』(『エマ(1)』)でトドメをさされた人間です。ですので、乗合馬車にハンサム・キャブが石畳の街路を走り、シルクハットを被った紳士が行きかう風景を写真に収めた、この時代の雰囲気がプンプンと香るこの本は、『エマ』愛好者はもちろん、「ヴィクトリアン中毒症」の方は症状軽減のためぜひ買うべきだと思います。そんな訳で、『エマ』にひかれて買ったこの一冊。世界に冠たる大英帝国として栄えた19世紀ロンドンを舞台とした、英国関係の書籍を読む際の副読本としても楽しめそうです。最後に、『よみがえるロンドン』を、近くの公立図書館へリクエストしようと思っています。資料的にも価値のある一冊だと思いますし。(司書が図書館にリクエストするというのも、どうかと…。まあ、職場の外に出れば一般市民だしね。)
2005年11月20日
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今日、『英國戀物語エマ(5)限定版』が届いたので、このネタでいきます。私の中では、小野不由美先生の『十二国記』に続いて来たのが、この森薫さんの『エマ』(『エマ(1)』)ですね。(で、その次が天野こずえさんの『ARIA』なのですが、まだ『エマ』熱が冷めていないので…)。どちらも、スタジオぴえろが担当してますし、音楽も同じく梁邦彦さんですし。さて、この森薫さんが描く19世紀末のイギリスを舞台にした、伝統と革新のブリティッシュ・ロマンス『エマ』と、それを小説にした久美沙織さんの『小説エマ』(『小説エマ(1)』)に、村上リコさんと組んで作った副読本の『エマ ヴィクトリアンガイド』、そして、アニメ化した『英國戀物語エマ』(『英國戀物語エマ 1〈限定版〉』)とその『英國戀物語エマ オリジナルサウンドトラックアルバム』。さらに、『エマ・アニメーションガイド(vol.1)』まで、ついでに『シャーリー』も、み~んな購入しています。さらに、『エマ』関連の本として『召使いたちの大英帝国』と『階級にとりつかれた人びと』、さらに『路地裏の大英帝国』に『100年前のロンドン』と参考文献を買い込んでいます。また、図書館では、『図説ヴィクトリア朝百貨事典』、『イギリスのある女中の生涯』、『十九世紀イギリスの日常生活』、『19世紀のロンドンはどんな匂いがしたのだろう』、『ヴィクトリア朝の下層社会』(これだけ、リンクが見つからなかった!くやしい~。)、『図説イギリス手づくりの生活誌』、『英国ヴィクトリア朝のキッチン』、『ロンドン路地裏の生活誌(下)』(上下とも読みましたが)、『英国鉄道物語』、『蒸気船の世紀』などを読みました。(リンク貼るの疲れた~。)以上は取敢えず、机の上にある図書館の検索結果を集めた結果ですが…。私、変な溜め癖があってモノを溜め込んでしまうのですよ。そのくせ、モノがきっちりとしまわれていないと、眠れないという…。私の部屋は、すごーく狭く・圧迫感を感じます。地震の時、まず助からないような…。司書が本に殺されるという洒落にならない事態が…。それだけに留まらす、挙句の果てに、自分が勤めている中学校の図書室に『小説エマ』と『エマ・ヴィクトリアンガイド』を入れてしまいました~!ポスターに図書便りまで使って、『エマ』ブームを引き起こそうとしています。マイブームと言うより「ヴィクトリアン中毒症」にかかっています。あ~ぁ、当分、直りそうに無いな~(自己診断)。 ヴィクトリア朝について詳しく知りたい方は、村上リコさんのホームページへ。
2005年11月18日
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まだまだ、続きます!久世番子さんの『暴れん坊本屋さん(1)』(新書館、2005年)を読んだ感想と、学校図書館司書の日常の悲喜劇を絡めたエッセイは…。今日は、『暴れん坊本屋さん(以下、暴本と略)』の中でも取り上げられている「POP(ポップ)」(手書きの店頭広告)絡みで書いてみたいと思います。書店さんでは「POP」で本の紹介・宣伝でしょうが、図書館では「コメントカード」となります。コレが意外と大変なのですよ…。『暴本」の中では「内容は推測で書くこともあります」とか「書店員手書きPOPの50%はジャロ(嘘・誇大広告)です」と書いてあります。まあ、書店さんは本を売って何ぼですから良いのでしょうが、中学校の図書室は誤魔化しが効きません!本に愛着や執着を持っている生徒からの追及は、執拗です。なので、最低コメントカードや図書便りに載せる本は、斜め読みぐらいはして内容を把握しておかなければならないのですが…、これが、一種の苦痛となる場合があるのです。私、『キノの旅』や『灼眼のシャナ』、『しにがみのバラッド。』等々のライトノベルや、『魔女の宅急便』(角野栄子先生の作品は、子どもの時、母親に読んでもらった『ネッシーのおむこさん』以来大好きです。『魔女の宅急便』には、高校の文化祭の講演会の時、学園長室に押し掛け、サインしてもらいました♪)、『守人シリーズ』や『タラ・ダンカン』等々、この歳にになっても(まだ、20歳台ダイ!)読むのに苦痛は全くないのですが、やっぱり嫌いなジャンルがあるんです。まずは、コバルト文庫。なぜか、あの文庫の作品好きじゃないんです。講談社のホワイトハートは好きなのに。今、図書室では『マリみて』シリーズと『姫神さま』シリーズに人気があるので、さあ大変!次は、一冊でやたらと長い作品。『ネシャン・サーガ』なんかがそうですが、これも性に合わないらしいです。あとは、ホラー・怪奇モノで、とどめが有名な作品 。『バカの壁』や『ハリー・ポッター』等ベストセラーとか言う本は、好きではないのです。(捻くれているだけかも知れませんが。)そういう本を読んで、あらゆるジャンルの本を網羅して、どんなタイプの生徒とも、本を通じてコミュニケーションが出来るのが理想なのでしょうが…、この個性が多様化した昨今では不可能でしょうね。さらに、何かと難しいお年頃の中学生相手では。さて、読み終わって「コメントカード」を書くのですが、その際にはそんなに苦労はしないんです。ただ、カードを作る際の材料、画用紙・色紙・コピー用紙・カレンダーの裏(これはペンの発色が良いのです!)や、ペンの色・カードの形等々は相当悩みます。とくに、表紙との色彩や文字とのバランスは厄介ですね。そして、作って書架やテーマコーナー・新着本の横等に置いて、休み時間が終わった時、その本が借り出されていた時は、嬉しいですね。(ただ時々、過激派の襲撃で破壊される時があるのですが…。)そんな訳で、今日は無理して藤原真莉さんの『姫神さまに願いを(秘恋夏峡)』を読んでしまった反動で、こんなモノを書いてしまいました。あーぁ、最近、軽いモノしか読んでないな~。昨日も『しにがみのバラッド。』だったし。森薫さん原作で久美沙織さんが書いた『小説エマ(2)』早く読み終えたいのに、よそ見・よそ読みばっかりです。寝る前に少し読もう!
2005年11月17日
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今日、午後より2年生の職場体験のレポート作りで閲覧室が、3年生の教育相談で準備室がふさがってしまい、私は、カウンターで生徒のレファレンスに対応しながら、生徒のリクエストした未装備・未登録のハセガワケイスケさんの『しにがみのバラッド。』(メディアワークス、2003年)と同じく『しにがみのバラッド。(2)』(同上)を読んでいました。サボリではなく生徒の読書傾向とコメントカード作成・図書便りの書評作成のためです!(生徒のレファレンスには、きちんと対応しましたし。)この本を手に取ったのは、『キノの旅』と同じように一章一話完結のお話なので、「先生~」と来た場合、しおり(この場合は伝票ですが…)を挿んで「ハイハイ」と対応できるからです。と言うわけなので、ざぁ~っと目を通したような読書でしたが、予想以上に読むことが楽しめました。この本、評価が二分されていましたから、内容に期待を全くしていなかったのですが。確かに内容は評判どおりというか、小説好き、活字を読むんだ~!と言う人には、お話が薄く(私は、フワフワとした軽さ、綿みたいに柔らな、という印象を受けました。まあ、それが本としての全体のイメージには合ってはいるのですが。)また、「死神」というイメージから連想する人の「死」についての葛藤、その他「死」に関する諸々を期待した人には期待はずれだったと思います。しかし、世界観はしっかりと設定されていますし、「真っ白な服を着た、死神らしくない、やさしい死神」のモモと、その使い魔の黒猫、ダニエル君の死神の仕事をとおして、「死」にかかわった人々の想いを描き出すという展開も、私は好きです。ただ読んでいて、モモが「おせっかい」で「良い人」という事と、お話が「綺麗過ぎる」というのも、不評の一因かなと思いました。(私は、不幸な人が好きなのに、ストーリーはハッピー・エンドが好きな人間です。)この本、イラストと文章が良く合っているので、本を読まない生徒へのリハビリ用に使えるかな、と思いました。まあ内容その他に関しては、一巻目・二巻目ということなので、著者が書き進めてこなれてくる今後の展開に期待、といったところでしょうか。最後に、付いていた帯にアニメ化するとあったので(アニメ化したら、化けそうな気がする。『エスカフローネ』みたいね。)、放映されたらこれは見てみようかな(録画するということです)と、思いました。(『灼眼のシャナ』は夜更かしした時しか、見ていませんので…。ゴメンネ、シャナ好きの人。図書室には全巻入れてあるから。)
2005年11月16日
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この前買った久世番子さんの『暴れん坊本屋さん(1)』(新書館、2005年)を読んだ感想の続きです。私、中学校の学校司書をしているのですが(本を扱うという意味では近い商売です。)、イャ~、共感が持てる一冊ですね。何度読んでも、ウンウンと頷いてしまう本です。今日、コレを取り上げた理由は、昨日、発注した本がようやく書店から到着したからです。『暴れん坊本屋さん(以下、暴本と略)』の中でも取り上げられていますが、ベストセラー本は本当に手に入りません。昨日も箱を開けて本のチェックをした時に「あぁ…、『野ブタ。をプロデュース』が無い…』という状況でした。生徒から、突き上げを食っていると言うのに…。大体、書店さんに発注をかけても大体、本が届くまで3週間以上かかります。(これは、書店さんがある程度、本をまとめてもって来てくれるのも一因ですが。一度に持って来られると登録とコーティングが大変!)その本が来るのが遅い理由が『暴本』を読んで理解しました(私の勤め先は、普通の地方都市です。発注をかける本屋さんも、地元の普通のお店です。)。ですので、書店さんでも、手に入らないものが、図書室に来るか!!!ということか、と納得しました。(『暴本』では、ベストセラー本の他、新刊コミックス〈これは発注しませんが(笑)〉と新刊のライトノベルは手に入りにくいとありましたが、そんなことは今のところないです。『キノの旅(9)』も普通に手に入ったし。)さらに、生徒のリクエストというものは大抵は、本がドラマ化されたり、雑誌等で紹介されたりして有名になってから、「欲しい!」と言ってきます。コレでは…。ただでさえ、リクエストの選書作業は月末に1回だけ。リクエストされた本の書誌情報を調べて、内容が学校図書館に相応しいかを図書担当の先生と相談してリクエストを選別します。(さらに、ここに予算というものが加わって)そして、ようやくリストを作成して書店さんへFAXするという発注作業というものは、結構手間のかかるものなのです。『暴本』では「注文には余裕を」なんて言っていますが、中学校の学校図書館では「リクエストは気長に」、「諦めずに」といったところでしょうか。
2005年11月15日
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本日、書店さんが持って来てくれた『キノの旅(9)』を配架することにしました。(他、『タラ・ダンカン(上)(下)』(ソフィー・オドゥワン=マミコニアン女史が書いた、フランスNo1ファンタジー。表紙は『ラストエグザイル』の村田蓮爾さん書下ろし!)、『リリアとトレイズ』の1・2巻、『死神のバラッド』の1・2巻、『ダーリンは外国人』シリーズの3冊を配架しました。まだ、30冊以上残っている…。)さて、図書館において本を書架に並べるまでの過程は、大体、以下の通りです。1、図書と伝票を確認し、図書は落丁・破損がないかチェック。2、MARCで書誌データを確認し、バーコードを貼ってパソコンに登録。3、分類ラベルを作成し、背に貼る。4、コーティングフィルムを貼って、完成!という、手順を踏むのですが…。今回、『キノの旅(9)』を手にして、4の段階で「ウッ!」となりました。理由は、カバーの後ろ、表紙絵の裏にある「うらがき」です。当然、コーティングフィルムをかけるとカバーはしっかりと本の表紙と一体化して、外すことも、捲ることもできません。では、時雨沢ワールドの定番「うらがき」は生徒に読んでもらえない。これはマズイ、別の意味でもマズイ。それは、「うらがき」があることを知った一部過激派が、コーティングフィルムを無理やり剥がしたりするという、暴挙を行う可能性があるということです。そんなことをされた日には、泣きの涙です。(破損の状況によっては修理。でも見場が悪くなる…。最悪、除籍して再購入。除籍手続きが手間だし、ただでさえ乏しい、図書費が…。)で、悩みました。そしてたどり着いた結論は、「うらがき」をコピーしてコーティングした図書の最後の「きき紙」のところに、折り込んで体裁良く貼り付ける、というものでした。(これをして、良いのかな~、と今、悩んでいます。)時雨沢先生~。色々と面白いことを考えるのは良いのですが…、ここに「うらがき」に余計な知恵と労力を払わされた司書が約一名いることを、お忘れなきように!(個人的には、「うらがき」は発想的にも、内容的にも大変面白かったのですが…。)↓「うらがき」はこのカバーの裏にあります! ↑『ラストエグザイル』の村田蓮爾さんの主人公/タラ・ダンカンのイラスト。
2005年11月14日
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え~、中学校の学校図書館で 司書 を勤めている人間です。私は、これまでに『キノの旅』、『アリソン』に『リリアとトレイズ』、『キーリ』、『灼眼のシャナ』、『Missing』(ヤ~、ずいぶんもめました)を全巻、入れました。さらに、『死神のバラッド』に『撲殺天使ドクロちゃん』(オイオイ!)も入れています。学校でも、『キノの旅』シリーズは大人気です!私も当然、全巻持っています!(いや~、『キノの旅(9)』は良かったです!前の(8)があんまり『キノの旅』らしくなかったので。シズさま好きには良かったでしょうが。でも、ティーは好きです!無口で、スタングレネード(注:「ものすごい音がして眩しい光が出る手榴弾」)を投げまわす姿に、深~い共感を覚えます。ちなみに、(9)の中で私が好きなのは、『続・戦車の話』です。残念ながら、図書室に入れた他のシリーズは持っていないのですが、私は高野和さんの『七姫物語』シリーズを愛読しています。このお話は、孤児の女の子、がイカサマ師まがいの二人組に、お姫様として担ぎ出されてしまうというものです。私は、イカサマコンビのうち将軍、テン・フォウより、軍師の狸、トエル・タウのほうが好きです。でも、さらに好きなのはカラスミ姫の御付の「衣装役」さんです。この物語は、東洋風の世界観と、柔らかで穏やかなタッチで描かれているのに惹かれます。まぁ、全般的に歴史モノには弱いのですが。また、『七姫』シリーズも入れなくては!と思いを新たにしました。電撃は生徒からのリクエスト枠で入れられますからね。ちなみに、私は『十二国記』全巻(当然、ホワイトハート版。ここでは、私の一番好きな『風の万里黎明の空(上)(下)』を。)と、あのアニメ化された森薫さんの『エマ』の小説版『小説エマ(1)』と『エマ ヴィクトリアンガイド』を司書枠で入れています。(趣味爆発、炎上中です!)昔みたいに、アレも駄目、コレも駄目、と言うのではなく、活字モノ(コミックスでも)は特定の表現(暴力的・性的なもの)が含まれていないものなら、大抵はOKなはずです。(まあ、図書担当の先生の趣味・性格にもよりますが。)最後に、私はこの前、図書室でブックトークをしたのですが、その時『キノの旅(9)』の中から『むかしの話』の朗読を行いました。反応はマアマアでしたが、一部の生徒には馬鹿受けしましたよ!
2005年11月11日
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ゲームをしていないのに、買ってしまいました。越智善彦さんの『ヴィオラートのアトリエ』(エンターブレイン、2005年)です。これの原作は、PS2のゲーム。知っている人はすぐ分かる『ザールブルグの錬金術師』シリーズです。私、このコミックスを書いている越智さん絵が大好きなんです。持っているのは『ロードス島戦記―灰色の魔女』と『マリー・とエリーのアトリエ ザールブルグの錬金術師』の2シリーズ(それと、知る人ぞ知るモノを1シリーズ…)を所有しています。で、前作の『マリエリ』以降、新作がでないかな~、と待っていてやっと出てくれたので、買ってしまった、という事なんです。お話の内容は、今回は錬金術ド素人娘ヴィオラートが、寂れ行く故郷の村の村おこしを、錬金術を駆使してやってしまうというもの。これに、村の幼馴染の騎士、ロードフリートや都会から療養に来たお嬢様、ブリギット等々が協力して…、とう感じで、物語が進んでいきます。前作、『マリエリ』で登場したアイゼル(エリーのアカデミーでの同級生。当然、錬金術師。前作では、アカデミーのマイスタークラスで勉強していたのに、なぜに、大陸の反対側にいるの?)が、ヴィオの先生役で活躍しています。また、今回もかわいい妖精さんが登場しています。このシリーズ、人名や地名がドイツ語読みなんですよね。そこがツボにはまった一つなんですけど。私は、とにかく越智さんの絵が大好きなので、話の内容は二の次となってしまいます。(普段は、お話重視で行くのですが、一種類ぐらい、こんなのがあっても良いじゃない!)で、内容的には、もう少し話が膨らんだものになった方が良いと思うのですが、一冊完結ではこの程度のほうが、無難かも。ともかく、越智さんの絵柄をカラーで堪能したい人は、買っても損はありません。ゲームをしていない人でも、楽しめますよ。
2005年11月10日
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この前から読んでした、セリア・リーズの『レディ・パイレーツ』を読み終えました。読み終わった感想は、当時の時代背景や歴史・風俗がしっかりと書かれていて、また、海賊の世界が生き生きと描かれ、ナカナカ面白かったです。でも、私はやっぱり海賊より海軍の方が好き♪、ということをこの本を読んで、再認識しました。ということで、この物語で一番親近感を覚えたのが、主人公の幼馴染で恋人のウィリアム海尉です。(軍艦〈イーグル〉号の副長をやっていたので、多分、一等海尉だと思うのですが。)ナンシーと結婚するのにふさわしい男になるため、海軍に士官候補生として仕官し、出世したのに、ナンシーは父親の遺言で海賊上がりの農園主と婚約してしまうは、海賊狩りに出かければ、捕まえた海賊の中に、当のナンシーが男装して紛れ込んでいる。挙句に、ナンシー一味の海賊船を追跡していたら、浅瀬に誘い込まれ、艦は座礁・沈没。つくづく運の無い男です。あと、物語の登場人物で好きになったのは、海賊のリーダーで商才が有り、頭が切れる伊達男、航海長のブルーム。次が船医のグレアム、そして、航海士のアンドリューズ君です。このアンドリューズ君も、東インド会社の貿易船に乗っていたところを、海賊に拉致されたという悲運の人。どうも私は、主人公より脇役、幸せな人より不幸な人に深い共感を覚えるらしいです。私の好きな『オーブリー&マチュリン』シリーズ(映画『マスター・アンド・コマンダー』の原作です!)でも、ジャック・オーブリー(英国海軍内でラッキー・ジャック、と呼ばれている艦長)よりドクター・マチュリン(学者で軍医、さらに諜報活動に従事)が好きなのは、このためかな?(この二人、色々と酷い目にあっています。乗っていた船が沈んだり、捕虜になったりと。ジャックは、破産したり、熊の着ぐるみを被って炎天下の元逃避行をしたり、マチュリンは、拷問されたり、女性を巡る決闘で重傷を負ったりと…。)この本、最後は海賊家業から足を洗ったナンシーが、イギリスに帰る船中で、これまでの海賊生活を書き綴った手記の最後を記す場面で終わっています。この中でナンシーが「ウィリアムを探し出して結婚したい」と心境を書いていますが、果たしてこの思いは通じるのか…。ナンシーも元海賊の農園主、バルトロイから逃げ出し、自由を得るため海へと船出しました。海へ未来を託した二人が幸せになればなぁ~、と思い、本を閉じました。(でも、海軍好きからの視点で言うと、海賊は帆桁に吊るすのが一番!今でも、イギリスの法律では、公海上での海賊行為は絞首刑だそうです。)↓文中で紹介した、オーブリー艦長が酷い目にあったお話はこちらに収録されています。
2005年11月09日
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日曜日、レンタル屋さんのカードの更新で、一本無料で借りれたので、『歴史群像』だったか何かの雑誌で紹介されていたこのサイ・エンドフィールド監督の『ズール戦争』を借りて来ました。この映画は、1879年1月22日から23日かけて行われた、南アフリカで植民地拡張を図る大英帝国とズール族との「ローク砦」の戦いを、史実に基づいて描いたものです。ズール族のセチョワヨ王は1878年、ナタール(今の南アフリカ北東部)の英国総督の挑発によって、戦士を集め防戦体制を整えます。一方、英軍は、三方からズール族の王国へ侵攻するのですが、インサジュワルの戦いで1500名の英国軍がズール族側の軍勢に撃滅されてします。進撃するズール族の軍勢。その進路に当たるローク砦を守備する第24連隊第2大隊B中隊を主力とするウェールズ人部隊には、守備命令が出されおり、3千人の大軍に僅か100名で立ち向かうことになります。この映画、最初はピンと来なかったのですが、大量のスープ鍋と戦いを前に、スープを捨てろと命じられたコックの怒るシーンを見て、これはナカナカ、と思いました。当時の英国陸軍では、食事はパンとジャガイモ、薄い牛肉のスープというのが定番だったからです。ですので、大量のスープ鍋は必需品。しかも炎天下のアフリカで100人分調理するのですから、コックの怒りは当然です。戦いのシーンでは、ズール族が「猛牛の角」という戦闘隊形をとり数を頼みに短槍と牛の皮で作った盾だけで、攻め寄せてきます。それを詰襟の真っ赤な軍服を着た英国兵(ものすごく目立ちます)が、新式の元込め単発のヘンリー・ライフルの一斉射撃で迎え撃ちます。しかし、多勢に無勢。いかに新式銃で武装していようともズール族は防衛線を破り、英国兵は追い詰められてしまいます。そして、夜明けとともに最後の戦いが始まります。「ウェールズは決して屈しない♪」と高らかに歌い士気を上げる英国兵たち。果たして彼らの運命は…。この映画の中では、ローク砦の司令官で陸軍工兵隊のチャード中尉と、第24連隊第2大隊B中隊南ウェールズ辺境警備隊のブロムヘッド中尉の二人が、死力を尽して雲霞の如く波状攻撃を仕掛けるズール族に応戦する活躍・奮闘は壮観で、その迫力はすごいものがあります。この映画を見ていて、一番の驚きは英国最高の武勲章、ヴィクトリア勲章がこの「ロークの戦い」でチャード・ブロムヘッド両中尉以下、11名に受勲されたということです。制定から今日までの100年間で、1,344名しか与えらていないことを考えれば、いかに激しい戦いだったかが想像できます。(この間。二度の世界大戦があった事などを考えると、少ない数です。)でも、英軍側の死者は18名。一方、ズール側は約370名の戦死者を出しているのですが。しかし、戦争映画にありがちな、反戦を訴えるものや、娯楽に走った映画ではない。また、英国側だけを美化したり、英雄に祭り上げたりはせず、英国側・ズール側双方を公平に扱い、史実に忠実に淡々と描かれている。だから、迫力あるリアルな作品に仕上がっている、とても良い映画だと思います。この映画、気に入ったので図書館で参考資料を借りて来ました。アフリカものは少ないのですよね。でも、一冊見つけました。それが、岡倉登志氏の『ボーア戦争』(山川出版社、2003年)です。この本には、ボーア戦争の前史として、ズール戦争の解説があります。で、最後に。この映画を見終わってから気づいたのですが、これも、ヴィクトリアンものじゃないか!と思いました。
2005年11月08日
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昨日買った、久世番子さん(この人も東海圏の人でしょう。作中に矢場とんの豚さんが出てくるのだから。)の『暴れん坊本屋さん(1)』(新書館、2005年)を読みました。読み終わって、とっても!共感を持てる一冊でした。私は、中学校で司書として働いているのですが、この本に描かれている本屋の現実のとばっちりを喰らっていることが、よーく理解できました。以下に、共感した理由を連ねますと…。まず、生徒からのリクエスト・カードに書いてある書名、こんなの自分のお小遣いで買いなさい!というものがあるのですが、生徒に聞いてみると、「本屋さんにおいてなくて、友達が買えなかったからリクエストした」とか、「本屋さんに頼むより確実」とかいう答えが返ってくるのです。(一番多いのが、自分が読んだ本を他人に読ませたいという、純粋な思いが多いのですが。〔そう信じたい!〕)次に、私や教員の読ませたい本と生徒の感覚のヅレ!。と言うより、「図書室に来て~!!」という現状が、大半の中学校の図書室の現状ではないかと思います。図書室に司書が入ればある程度生徒が来るのですが、生徒が手に取る本が、手塚治虫大先生とか故横山光輝先生の漫画本ばかり。なかなか貸出に結びつきません。(コミックを貸出OKにすれば数は上がりますが)活字離れは深刻です。で、活字を読ませようと思うと、奥の手、電撃文庫(男女とも『キノの旅』は大人気です)・コバルト文庫(まあ『マリみて』なんか)となるわけです。(『デルトラ』は常套手段です)でも、そんなに悲観することもありません。私は、リクエストでダイアナ・ウィン・ジョーンズや『十二国記シリーズ』全巻、(取りあえずホワイトハート版の一巻目『月の影影の海(上)』を。じつは『十二国記』私が良い本だ、NHKでもアニメやってたらだろう!なんて、扇動した結果でもあるのですが。さらに、扇動した結果、教員まで巻き込んで『小説エマ(1)』と『エマ ヴィクトリアンガイド』を入れてしまったこの悪党!)を入れました。貸出冊数も上々です。(でも、『十二国記』や『小説 エマ』が読む子は、相当なものですが…)また、図書の破損。本屋さんでは返品となるのでしょうが、図書室では修理です。で、これが大変なんです。生徒がよく読むコミックや借りていく文庫本、装丁の弱い本はページがパラパラ外れるのでその都度、補修テープの出番です。でも、これを繰り返すと本が太って見場が悪くなる一方…。それでも、貼り付けられるだけマシ。書架整理で、アレッ?と思って確認すると数ページ分、無い!はい、準備室行き~、となる訳です。これを、シリーズものでやられたら…。さらに、こういう本に限って人気のある図書なのです。ただでさえ図書予算が限られているのに…。また、本屋さんの児童書売り場と同様、図書室も無法地帯です。本を元の場所へ、分類通りに戻して!本を棚の奥に押し込まないで!!チャイムが鳴ったら、そこら辺に本を置いてかない、突っ込まない!!!最後に、本を隠さない!!!!(嫌がらせ、人に読ませないため、等々の理由で)こんな様々な苦労があるのですが、まぁ追々、守秘義務等々に反しないように、欲求不満を書いていけたらイイナ~。
2005年11月07日
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今日は、名古屋へ書道のお稽古へ出かけた帰りに、栄の明治屋近辺の本屋さんで新書2冊とコミック1冊を購入しました。新書は小林章夫『召使いたちの大英帝国』(洋泉社、2005年)と、新井潤美(「めぐみ」と読むそうです!いつもながら人名は難しい…)『階級にとりつかれた人びと』(中公新書、2001年)です。日記にも、ツラツラと書いていますが、私、森薫さんの『エマ』に見事に頭の先からつま先まではまり込んでしまっています。で、これまで図書館で『図説 ヴィクトリア朝百科事典』やら『イギリスのある女中の生涯』、『十九世紀イギリスの日常生活』等々、先に紹介した『エマ ヴィクトリアンガイド』に挙げられている参考文献を読み漁っていたのですが、お財布との関係上、手元に買い求めたのが、『路地裏の大英帝国 イギリス都市生活史』しかなかったのですよね。(まあ、他にも出版年が古くて書店で手に入らないものもあるのですが…)そこで、今日、雨降りの憂鬱でしかも仕事が碌でも無い状況にはまり込んでいる状況から、財布の紐と金銭感覚のタガが緩み、たまたま、本屋に在庫があったヴィクトリアン&メイド関係の本を購入してしまった訳です。(何の脈絡も無いだろ!おまけに、明治屋でワイン4本、書道具屋で、筆二本、紙二反を買ってしまった後にだ!!あ~ぁ、大散財!!!)次に購入したコミックは、今、巷を騒がしている(もう遅いか…)久世番子さんの『暴れん坊本屋さん(1)』(新書館、2005年)です。私、世間で評判になっている本はなるべく買わないようにしているんです。でも、先に述べた状況で、平積みしてあったこの本を買ってしまった訳です。これらの本の感想は、また後日、ゆっくり書きたいと思います。取りあえず、『小説 エマ2』と『レディ・パイレーツ』の2冊だけでも読み終えなくては…。今日の収穫↓ ↑これだけジャンルが違うし、違和感が…。
2005年11月06日
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昨日から読んでいるセリア・リーズの『レディ・パイレーツ』。今日も読んでいましたが、おや?と思ったところがあったので、取り上げてみようと思います。昨日も、書いたように海軍マニアな私。歴史背景や専門用語にはウルサイです。さて、そのウルサイ人間が指摘するのが以下の文章です。第5章の「大胆な女船乗り」の一場面なのですが、主人公で女海賊のナンシーが仲間共に港の酒場に息抜きに出たとき、突然、幼馴染で恋人のウィリアム(海軍将校です)が海兵隊を指揮して海賊狩りに現れ、そのウィリアムに仲間を撃たれ、ナンシーは逮捕されてしまいます。そして、艦に鎖でつながれ連行されるシーンでの一文なのですが、「軍艦〈イーグル号〉は、ふたつの砲塔甲板に七十門の大砲をそなえた三トン級の船だった。」とあります。実は、この訳はマズイです。まず「砲塔甲板」とありますが、砲塔を持った軍艦は南北戦争時の北軍軍艦〈モニター〉が最初です。この時代の軍艦は、船の両側面に大砲をズラーッと並べて撃ち合うタイプのもので、主力艦を「戦列艦」と呼ぶ帆船です。ですので、この場合は、砲甲板と訳すべきです。次に「3トン級」とありますが、これも間違い。彼のネルソン提督時代(18世紀末)のイギリス海軍では砲七十門搭載艦は「三等級艦」(規定では64~78門)となります。ですのでここは、「軍艦〈イーグル〉号は、二層甲板の大砲を七十門も装備している三等級艦だった。」とするべきでしょう。(原文を見ていないですし、この訳仕方であっているのか解りませんが…。)実は、こういう誤訳、良くあるのです。とくに、軍事関係のもの(まぁ、そういうものが多いという前提で読んでいるので、目に付くのでしょうが…)が酷いです。ちょっとした武器などの用語なら良いのですが、このような小説で、その後の展開、なぜ、ナンシー一味の海賊船(小さなスクーナー・小型の帆船の一種)はナンシーたちを見捨てて、スタコラ港から逃げ出さなくてはならない理由など、文脈が繋がらなくなる可能性があります。さらに、子どもむけの本なので、誤った知識を植えつけてしまう可能性もあります。他の部分には、読んでいておかしなところがありませんでしたし、物語自体、時代背景をしっかり押さえた良い作品なので、このような誤訳はもったいないと思います。最後に、このような本を訳すときは、その道の専門家、たとえば『ホーンブロワー』シリーズや『ジャック・オーブリー』シリーズ(映画『マスター・アンド・コマンダー』の原作です)の邦訳を手掛けた高橋泰邦氏のような、海洋・帆船小説に造詣の深い人に見てもらえば良かったのに、と思いました。
2005年11月04日
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海賊モノを図書室に入れて欲しい、との要望で近刊モノで探し出したのがこのセリア・リーズ『レディ・パイレーツ』(理論社、2005年)です。 さて、私、実は海軍大好き人間でもあります。海軍の将校・水兵さんの制服が好き、軍艦が好き、風習が好き…etc、という海軍マニアです。そんなわけで、趣味の一環として映画『マスター・アンド・コマンダー』の原作、『ジャック・オーブリー』シリーズ(これが一番好き!ドクター・マチュリン最高!!)や『ホーンブロワー』・『ボライソー』シリーズを読んでいます。 という人間がこの『レディ・パイレーツ』を手に取った訳なのですが、取りあえず、読んでみて)深い本だなー、と思いました。いつも、速読でバーッと読んで、気に入らなければオシマイ。良し!と思えば腰を据えて読む、というスタイルを取っています。)で、著者をよく見てみればあの『魔女の血をひく娘』のセリア・リーズ。これは、しっかりした良い本な訳だ、と納得した次第であります。 さてその内容は、 18世紀前半、イギリス、ブリストルの大商人の娘、ナンシーは父の商売の失敗により、海賊上がりのジャマイカの大農園主、バルトロメと結婚するよう遺言状に記載されてしまいます。将来を誓い合った幼馴染、ウィリアムと別れ1人、西インド諸島、ジャマイカに向かうナンシー。そのジャマイカでは、ナンシーは彼女の召使となる少女、ミネルヴァに出会います。彼女は、肌の色と奴隷という身分のため酷い生活を送っていました。次第に、心惹かれる少女たち。そしてついに、彼女たちは、男装して海賊船へと乗り込むことによりそれぞれの自由を手に入れることを決意し、大海原に旅立つのですが…。というものです。 いや、歴史を学んだ者として時代考証にはウルサイと自負している私ですが、すごいですね。当時のイギリスの世相、上流階級の生活や思想、特に主人公は大商人のご令嬢ですから、がしっかり描かれています。ナンシーの恋人、ウィリアムが身分の垣根を越えるべく海軍へ士官候補生として志願するあたりは、唸りました。(士官候補生云々は、ホーンブロワーシリーズの『海軍士官候補生』に詳しいです。)また、西インド諸島での生活、黒人奴隷やプランテーションのこともしっかりと抑えています。残念ながら、海賊の歴史や風習等については詳しくないので、こんなものかな、と思って読み直しています。まだ、途中までしかちゃんと読んでいないのですが、面白いです。児童書扱いとなっていますが、海洋小説に興味のある方は手にとって読んでも、損は無いと思います。でも実際、歴史上にも女海賊というものはいたそうですが、上流階級の少女が海賊船に乗り込んで、戦うお話というのは、ファンタジーの世界ですね。
2005年11月03日
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また、『エマ』ネタです。『アニメーション・ガイド』を紹介したら、これも出しておかないとマズイと思いまして、森薫さん&村上リコさんの『エマ ヴィクトリアンガイド』を取り上げます。これは、ライターの村上さんが、フリーになった時に自ら売り込んで実現したという、『エマ』の副読本です。そんな本ですから、気合が違います。で、その『エマ』(エマ(1))のストーリーはというと、19世紀末、イギリス、ヴィクトリア朝時代を舞台とした上流階級の新興ジェントリの跡取り息子、ウィリアム・ジョーンズ君と彼のガヴァネス、ケリー・ストウナー夫人のもとで働くオールワークス、エマさんと身分違いの恋に落ち、そこからお決まりのドラマが始まり…、という展開です。さて、上の紹介の中で使ったカタカナ用語、どういう意味か解ります?少々、イギリスの歴史をかじった人なら、「ジェントリー」ぐらいなら知っているかも知れませんが、他はもう…、という人ばかりでしょう。ちなみに簡単に説明すると「ジェントリ」は上流階級の中で下のほう部分の人を指し、「ガヴァネス」は住み込みで働く、女性の家庭教師のことです。「オールワークス」は「Maid of Allworks」と言い、訳すと「雑役女中」、つまり中流階級に雇われ、家の中の家事を全を全てこなすメイドさんのことです。(以上、『エマ・ヴィクトリアンガイド』より)このように、小説でもコミックでも何気なく読んでいて、ただ漠然と作品の流れの中やその人の知識の中で捉えていた、語句や時代背景等々を理解するとより深く、より楽しみながら読書が出来るものです。とくに、『エマ』は私たちと国も文化も、そして時代もかけ離れた世界のお話ですから、ちょっとした仕草や衣装の違いさえ、物語を読むときの重要なポイントになることがあるので、副読本は必需品(まあ、はまった人にですけど…)、言えるでしょう。(私なんかは、一応、司書ですので、副読本が無い本でも暇があればの話ですが、はまった本の関連資料や参考書は、公立図書館を使ってかき集められますが…。)ちなみに、この『エマ・ヴィクトリアンガイド』、『エマ』の副読本以外にヴィクトリア朝を舞台としたお話、たとえば『シャーロック・ホームズ』シリーズや、古典の名著『ジェーン・エア』、NHKでアニメ化された『秘密の花園』等を読む際にも役立ちますよ。このように『エマ』シリーズを読むと、私のようなヴィクトリアン中毒になりやすいから要注意です。最後に、『エマ・ヴィクトリアンガイド』の著書の1人、村上リコさんのホームページのリンクを貼っておきます。村上さんのホームページにあるブログでは、『エマ』やヴィクトリア朝関連の資料の紹介がありますので、興味のある人は覗いてみると良いと思います。さて、今日は学校の文化祭で、図書室が閉館になったため、自動的に私もお休みとなり、図書館へ行って探し物を何点か借りてきました。文化祭なのに、文化の発信源である図書室が閉館というのもアレですが、合唱コンクールや展示なんかで時間が無いので、しょうがないことではあるんでしょうが…。
2005年11月02日
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昨日、紹介した『小説 エマ2』と一緒に買ってきたのが、この『エマ・アニメーションガイド(vol.1)』です。この本は、アニメ『英國戀物語 エマ』の第1章「贈り物」から第5章「晩餐会」までをまとめて、解説を加えたものです。さて、この『エマ・アニメーションガイド(vol.1)』は、正直凄まじいです。何がすごいかというと、まず、フィルムが多いこと(当然、全てカラー)。次に各章のワンシーンを見開き2ページで紹介しているのですが、そこに、作者、森薫さんと、時代考証担当の村上リコさん、そして監督、小林常夫さんの3人がミニコラムを書いて、製作時の裏話から時代背景・建物や小道具の解説、果ては森さんの独白まで色々面白いネタが載っていることです。私は、こういう裏話が大好きなのでこれだけで充実感を味わいました。また、キャラクターガイドも充実していますし(ここにも、森さんの一言が)、巻末にはアニメ製作時の設定資料集もあります。アニメの解説を主目的とした本ですので、アニメを見ていないとお話の流れが掴みにくいかも知れません。でも、それはある程度フィルムが補ってくれますので、原作もアニメも知らない人でも、勇気を持って手にしましょう!(笑)。それがいやな人は、小説版を買ってからでもいいですよ。ともかく、この内容と質で780円(税別)というのは絶対お得です。『エマ』が好きな人、ヴィクトリア朝万歳、という人は買いましょう。
2005年11月01日
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