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2023.07.31
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テーマ: 民芸器って(1)
カテゴリ: open to public


2023/07/31/月曜日/山の朝、曇り
夏休み第一弾の終了


前回は無念の休館。昨日7/30 日曜日、とうとう入館の運び。開いてる開いてる、嬉しいな♫

私は手仕事が好きだ。手仕事されたものも好きだ。もちろん平和はかけがえがない。

手仕事と平和が結びつく、というのは何かを呼び起こす、と思いながら見学させていただく。入館料は大人300円。


そんなに大きくはない。

が、小さな町に小さな灯火を掲げる空間だ。

平和と 用の美 の結束点としての民芸、地方の、一人の教師の、80年のコレクションがつややかに並ぶ。



民芸館の多津衛の名は、館の初代館長でもありそのコレクションオーナーでもあった  小林多津衛  に因む。

明治半ばの1896年に生まれ、21世紀の2001年、満104歳の大往生。その人生は、 自己を生かす教育、手仕事の大切さ、美と真の暮らし、平和への願い に貫かれた教育者の生涯だ。

二十歳の時に 柳宗悦 『ウィリアム・ブレイク』 に出会い、その影響を強く受け、 白樺派 の運動に共鳴すると共に80年に渡り様々な手仕事を収集した。


↑ロンドンにはブレイクの作品を集めたギャラリーがあった。詩人の霊感を持つ人だった。

多津衛は晩年には地球温暖化など、環境問題に深く関心をもった。



柳宗悦 の講演が近在の望月であり、それをきっかけに多津衛の民芸の収集が始まったようだが、最初に求めたのは古伊万里の蕎麦猪口だったという。

館内の蕎麦猪口コレクションのボリュームは、それ故か充実している。



↑左下、コレクションNo.1の蕎麦猪口。右下は佐久界隈の生活雑器である焼き物。まさに用の美。中段には李朝の器、花瓶。上段左の二つ、バーナード・リーチ。→二つの左、河井寛次郎、右浜田庄之助


年齢を比較すると宗悦が 多津衛より 7つほど年上だから、『ウィリアム・ブレイク』は、宗悦が20代に書いたものと想像できる。すごいな。

↓柳宗悦が多津衛に贈った書



今現在の日本で、こんな幸福な若い出会いってあるかしら。ウィリアム・ブレイク!

そういえば、 無言館美術館 にもいくつか所蔵があった。長野とブレイクは縁があるのか。


平和と手仕事が想起させるもの…
観覧の内に、このコーナーを見てハッとする。


そうだ、それは 糸車を回すガンジー の姿だ。

と、同時に先日深く考えさせられた、『八月の光』に描かれた 道 が蘇る。ここに、こんなに鮮やかに、ガンジーの言葉が描かれていたとは。

「平和への道はない。平和こそが道だ。」

なんとも含蓄ある言葉。平和は到達点として存在するものではなく、行為に他ならない。

屈せず、たゆまず続ける道としての平和の行為。

それを止める、そこから降りる、ということは即ち、反平和の選択なのだ。

アメリカ先住民の、 「美の中心へと私は歩く」 みたいな、花粉の道?の歌を同時に思い出す。



美の中心を歩くとき、私の前も後ろも上も下も美しい。それが平和の道である。

本日の訪問はとても実り豊かだ。


↑左、白馬のデザイン、右は山羊?燭台
民芸館のある御牧ヶ原台地は古来より朝廷に馬を納める牧場として日本最大の産地であったという。 望月歴史民俗資料館 に詳しい。

↓図書コーナーや、コーヒー、紅茶のカフェも併設


今日はコーヒーを美味く淹れる館長さんが只今ご不在とのことで、カフェは開店休業中。

この地域のクラフト作家の作品も少し販売していた。

↓ガラス作家さんのスタンドグラスのペンダント購入。2400円だった。竹紙にくるんで下さった。

↑対応下さったご婦人の息子さん手製の蕎麦猪口兼お湯呑み、館長のイラスト入り、を (内緒) でくださった!恐縮至極。

館では陶芸の体験もできる。音楽会、学習会などの活動もあるようだ。

ああ、私の住まいの近所にこんな所がほしい。





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最終更新日  2023.07.31 08:29:51
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