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2013.04.04
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テーマ: コラム紹介(119)
カテゴリ: コラム紹介
【新潟日報 日報抄】
20130404

~道に、広い、狭いはない~
県内の大学を退任する先生を紹介する本紙の連載「さよならキャンパス」で、高校生に学問の楽しさを知ってもらおうと取り組んできた教授が紹介されていた。読んでいて一つの後悔を思い出した。

30年ほど前のこと。
通っていた高校でインド哲学・仏教学者の中村元氏(はじめ )が講演した。東大教授などを務め、世界的にも知られた権威。
ただ、当方も含め、中村氏との出会いの価値を分かっていた生徒は多くなかったように思う。居眠りや私語も目立った。

覚えているのは、丸顔に眼鏡の学者が会場のざわめきを気にするふうも見せず、穏やかに話し続けていた姿だけである。
恥ずかしながら講演の内容は抜け落ちている。世界的知性の言葉にもっとしっかり耳を傾けていればとの悔いが残る。

その中村氏は、若い人に「マンダラ的思考」を持ってほしいと説く(「学問の開拓」ハーベスト出版)。


そこから引き出されたのが「マンダラ的思考」だ。
災厄や挫折、失敗は人生につきものだが、何が幸せとなり不幸となるかは分からない。マイナスをプラスに転じていくことはできる。これが中村氏のアドバイスである。

年度が替われば、多くの若者が進学や就職で新しい世界に踏み出していく。
思い描いていた進路という人ばかりではないだろう。でも、他人と比べて縮こまる必要はない。
先の中村氏の著書にはこうある。「夢に、大、小はない。道に、広い、狭いはない」
(3月31日付)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

日を同じくして産経新聞「司馬作品で読む日本史」でも中村先生に関する記載があった。
孫引きになるが、司馬氏は中村先生を評して

「すばらしいお顔だった。どなたでもご自由にお入りください、というふうに、お顔の窓が快くあいていた。」


司馬氏の正鵠を射た評に感服である。誠に持って『人物、人物を評す』に尽きるひと言ではないか。

それにしても、コラム筆者は多感なる高校時代に中村先生の薫陶を受けることができたとは、なんと恵まれていたことか!
惜しむらくは、その時にその価値に気が付かなかったことなのであるが、これには失笑できない。
なぜならば私も同じ経験があるのだ(汗)

コチラは将棋の大山康晴永世名人。

今となっては居眠り半分に聴講したことが悔やまれてしかたがない。
コラム筆者の胸中は察するにあまりあるのだ。

青年よ、一時を漫然と過ごすなかれ。路傍の中年はそう申し上げたいと思います(笑)

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.04.04 06:25:29
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