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2015.03.14
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カテゴリ: 映画/時代劇
【超高速!参勤交代】
20150314

「我らは武芸百般を極めし雄藩。おめえらのような野良侍どは違う!」
「んだ!我らは一人一人が一騎当千!そのような人数で来るどはかたはら痛いわ!」
「飛んで火にいる夏の虫とは貴様らのごどだ!」


昭和を舞台にした作品がすでに古典的なものになりつつある昨今、時代劇なんてなおさら古めかしく感じられるのが現状だ。
ところが『超高速!参勤交代』は、そういう既成概念を取り払ってくれる新しさがある。
内容がコミカルでユニークだからという理由だけではない。
しっかりと練られた脚本、視聴者に安心感を与える演出、癒しのある風景、全てのバランスが良いあんばいに調和されていたと思う。
ついでと言ってはなんだが、学校で習った“参勤交代”を実感できるのもありがたい。
こんな大がかりな大名行列が、年に一度とはいえ、時間とお金をかけて国もとと江戸を往復するのだから、それはもう弱小藩にとっては財政逼迫のガンであったに違いない。
中央には絶対逆らえないようにしくみを構築されているのだから、どうしようもない。
とはいえ、これが徳川泰平の世を長く持ちこたえさせた理由でもあるのだが。

あらすじはこうだ。

ところがその後、徳川八代将軍・吉宗の治める江戸幕府老中・松平信祝より命が下る。
それは、「5日以内に再び参勤交代せよ」というものだった。
藩主・内藤政醇はよくよく考えた末に、策士である家老の相馬に対策を講じさせた。
結果、少人数で近道して走り抜け、幕府の監視がある宿場のみは、これ見よがしに大名行列をくんで、大人数に見せかけることにした。
さらに、戸隠流の忍び・雲隠段蔵を雇うことで、近道の案内役を任せるのだった。

この作品の見どころは、幕府から無理難題を押し付けられた東北の田舎侍たちが、いかにして逆境に立ち向かっていくかであろう。
地方で細々と田畑を耕し、武道を重んじ、日々を切磋琢磨して生き抜いていく侍たちが、中央のパワハラを知恵をしぼって交していくしたたかさは、見ていて清々しいし、爽快である。
また、出演者たちの個性あふれる演技には目を見張るものがある。
単なるドタバタ劇になっていないし、漲る若さとエネルギッシュな演出に脱帽だ。
主役の佐々木蔵之介、この役者さんは30~40代の女性から大変な支持をされていて、ファン層が厚い。
イヤミはないし、素朴でまじめそうな雰囲気は庶民の味方たる藩主役に相応しい。

人気があるのも肯ける。
ヒロインにはフカキョンが採用され、なかなかのハートウォーミングに一役かっている。

「時代劇はちょっと苦手」という人にも、全く問題なさそうな時代劇ドラマに仕上げられていた。

2014年公開
【監督】本木克英



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最終更新日  2015.03.14 12:58:50
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