全28件 (28件中 1-28件目)
1
![]()
「私ね・・・あと何年かすると殺されるの」 またまた、子供の持っていた「ひぐらし」シリーズを読んでみた。今回読んだのは、「ひぐらしのなく頃に(暇潰し編1,2)」(竜騎士07/外海良基: 角川書店)である。 雛見沢のダム建設問題をめぐって、建設大臣の孫が誘拐される。その背後に、雛見沢の住民団体の影が。公安の捜査員赤坂は、調査に赴いた雛見沢で不思議な少女に出会う。その少女古手梨花は、雛見沢御三家の一つで、オヤシロさまを祭る古手家の娘であり、未来の見える力を持っていた。 赤坂は、興宮署の大石刑事と、事件を調べ始める。 自分の未来が見えてしまうというのは、恐ろしいことである。それが、変えようの無い「決まっていること」だとすればなおさらである。 どうして、オヤシロさまの生まれ変わりとされる梨花が殺されなければならないのか。雛見沢にうごめく闇の正体は何か。この物語は、「ひぐらし」シリーズの前編を締めくくる重要なシナリオになっているということである。後半の物語もぼつぼつ出始めているので、子供が買ってきたら、すぐ読むことにしよう。 ← ランキング参加中!「ひぐらしのなく頃に(暇潰し編1,2)」(竜騎士07/外海良基: 角川書店) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 28, 2007
コメント(4)
![]()
「すべての人間は2通りに分けられる。スウィングする者と、スウィングしない者だ!」 日曜日の夜は、フジテレビ系列の「映画スペシャル」で「スウィングガールズ」を観ていた。ご存知「のだめ」で大人気の上野樹里が主演の映画である。2004年の公開だ。 舞台は東北・山形県の片田舎にある山河高校。名前から分かるように、大変のどかな感じのところである。そこの女子生徒たちが、次第にジャズの楽しさに引き込まれ、最後は音楽祭で見事な演奏をするまでのストーリーを描いたものである。 観ていると、どうしても「のだめ」と重なってしまうが、のどかな風景のなかで、女の子達が喋る山形弁がとてもキュートだ。でも、これ、実際の山形弁ではないらしい。 脇役だが、エレキとベースをやってた2人の女の子、女子高生の癖にとても渋いぜ。中古の楽器を修理してくれた、この2人に振られたお兄ちゃんたち、とってもいいやつだね。彼らの歌っていた、「失恋してもラヴィン・ユー」、出だししかやらなかったけど、全部聞きたかったな。 (監督)・矢口史靖 (出演者)・上野樹里(鈴木友子:テナーサックス) ・平岡祐太(中村拓雄:ピアノ) ・竹中直人(小澤忠彦:数学教師) ・白石美帆(伊丹弥生:音楽教師) ・谷啓(音楽教室の先生) ほか 公式HPはこちら⇒スウィングガールズ ← ランキング参加中!DVD「スウィングガールズ スペシャル・エディション 」 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 27, 2007
コメント(14)

広島市内を走る広島電鉄の市内電車と、広島電鉄宮島線の接続駅になっているのが、「広電西広島」駅である。以前は互いに隣接しているものの、市内線の終点にあたる電停が「己斐」で、宮島線の始点となる駅が「広電西広島」であったが、現在は、「広電西広島」に統一され、「己斐」という電停名はなくなっている。市内線は軌道線であり宮島線は鉄道線だが、広島駅と広電宮島口間を直通で走る電車も多い。 「広電西広島」 広電西広島のすぐ側にあるのが、JR西広島駅である。先般紹介した横川駅より、山陽本線で、もう一つ西側の駅である。空模様が悪かったので、写真の写りが悪い。「JR西広島」 広島電鉄は、バスも運行しているが、1999年に西広島駅を基点とするバス事業が分社化され発足したのが、「エイチ・ディー西広島」である。ボン・バス(bon-bus)と呼ばれるバスを走らせている。やはり、空模様が悪いので、写真の写りが悪い。「ボンバス」 また西広島の近くには、太田川の分岐の一つである「太田川放水路」が流れている。昔は、山手川と福島川という川が流れていたが、洪水対策として、この2つの川を合わせて太田川放水路としたものである。「太田川放水路」 ← ランキング参加中! 広島市を歩く(その1)はこちら 広島市を歩く(その2)はこちら 広島市を歩く(その3)はこちら 広島市を歩く(その4)はこちら 広島市を歩く(その5)はこちら 広島市を歩く(その6)はこちら 広島市を歩く(その7)はこちら 広島市を歩く(その8)はこちら 広島市を歩く(その9)はこちら 広島市を歩く(その10)はこちら 広島市を歩く(その11)はこちら風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 26, 2007
コメント(2)
![]()
金曜日の夜は、日本テレビ系列の「金曜ロードショー」で「隠し剣 鬼の爪」を観ていた。先般紹介した「たそがれ清兵衛」と同様、藤沢周平原作の小説を、山田洋二監督で映画化したものである。公開は2004年だ。 新聞のテレビ欄に、藤沢周平の「二つ」の小説を基に映画化と書いてあったので、調べてみると、「隠し剣 鬼の爪」と「雪明り」という作品のようである。 時代は幕末、舞台は東北の小藩・海坂藩。動乱の時代であるが、京や江戸から離れているためか、まだどこかのんびりとしている。平侍・片桐宗蔵のかっての同門・狭間弥市郎は、謀反を企てたとして、牢獄につながれたが、脱獄し、人質をとって百姓家に立てこもった。片桐は、狭間をきるように命令を受ける。片桐は、師から、流派の秘剣・「鬼の爪」を伝授されていた。 基本的には、このあいだ観た、「たそがれ清兵衛」とほとんど同じパターンである。武士の世界では、よくありがちなことなのであろうか。そこに、男女の情愛をうまく絡めている。それにしても、緒方拳演じる悪家老の憎たらしいこと。 ところで、肝心の「鬼の爪」、どうしたんだと思っていたら、最後の最後でやっと出た。これって、剣の技? 思わず、 「あんたは、必殺仕事人かい!」とツッコンでしまった。 (監督)・山田洋二(出演者)・永瀬正敏 (片桐宗蔵) ・松たか子 (きえ)・小澤征悦 (狭間弥市郎)・高島礼子 (弥市郎の妻・桂)・緒形拳 (家老・堀将監) ← 記事の内容が気に入ったらClickしてねDVD「隠し剣 鬼の爪」風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 25, 2007
コメント(8)

この間、本屋に行ったら、「楳図かずお恐怖文庫」(楳図かずお:朝日ソノラマ)というのがずらっと並んでいた。しかし、楳図かずおと言えば、なんと言ってもヘビ女である。ということで、もっとも楳図かずおらしそうなものをということで、「楳図かずおこわい本(蛇1)」を買って来た。 収録作品は、「口が耳までさける時」、「ヘビおばさん」、「蛇女と白髪魔」の3編。どれも1960年代の作品である。少女漫画なので、自分で買って読むことはなかったが、歯医者での待ち時間などに、待合室においてある雑誌に掲載されている楳図作品をこわごわと読んでいたものである。 さすがに、今読むと、時代を感じさせる絵柄である。しかし、最近の技術を使って映像化すれば、ものすごい恐怖ものができると思う。一度観てみたいものである。 ところで、蛇女と言えば、道成寺の清姫の話を連想するが、「道成寺絵巻」で清姫が安珍を追いかけているのと同じようなかっこうで、蛇女が主人公を追いかけていたコマがあったのには少し笑った。だって、怖いと言うより、ちょっとユーモラスなんだもんね。 ← 記事の内容が気に入ったらClickしてね風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 24, 2007
コメント(4)
![]()
尋ねまほしき園原や 旅のやどりの寝覚の床 木曽の棧 かけし世も 心してゆけ久米路橋 くる人多き筑摩の湯 月の名に立つ姨捨山 しるき名所と風雅士が 詩歌に詠みてぞ伝えたる (「信濃の国」4番:作詞:浅井洌、作曲:北村季晴) 以前、「戸隠伝説殺人事件」を紹介したが、この「『信濃の国』殺人事件」(内田康夫:講談社ほか)も同じ、長野県を舞台としたものである。出てくる名探偵は、同じく「信濃のコロンボ」こと竹村警部だ。 長野県には「信濃の国」という県歌があるということである。ほとんどの県では、県歌というものがあるのかどうかさえ分からない人が大部分であろう。しかし、この「信濃の国」は、長野県民に深く浸透しているということである。 かって、長野県は、長野市を中心とする旧「長野県」と松本市を中心とする「筑摩県」に分かれていたらしい。そのため、筑摩県が長野県と合併した後も、地域対立に火種がくすぶり、1948年には、分県案が、あわや県議会で可決されそうにまでなったということである。まさにその時、傍聴席から聞こえてきた「信濃の国」の大合唱に、分県問題が立ち消えになったという逸話があるそうだ。 この作品は、そのかっての分県問題をモチーフにしたミステリーである。 信州毎朝新聞の記者中嶋英俊は、小諸支局への転勤を上司の牧田編集局次長から言い渡され、口論となった。ところがその牧田次長が水内ダムで絞殺死体となって発見される。中嶋は、疑いをかけられるが、その後も、恵那山トンネル、長楽寺、寝覚ノ床で次々と殺人事件が起きていく。新婚の中嶋の妻洋子は、その現場が、「信濃の国」に歌われている場所であることに気付く。 過去の分県問題に始まる因縁をうまく織り込んだ面白いミステリーになっている。 ← ランキング参加中! 関連記事 ⇒ 「戸隠伝説殺人事件」「『信濃の国』殺人事件」( 内田康夫: 講談社) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 23, 2007
コメント(2)
![]()
以前、当ブログで「伊賀の影丸 由比正雪の巻 上」を紹介したが、その下巻にあたる「伊賀の影丸 由比正雪の巻 下」(横山光輝:秋田書店)が出ていたので買ってきた。 正雪配下の忍者達との戦いで、左近丸、岩石入道、源信と影丸の仲間達は次々に倒れていく。しかし、それは、正雪側も同様で、最後は、影丸と正雪の一騎打ち。正雪もまた忍びであった。 それにしても、甲賀者たちの情けなかったこと。何も活躍の無いまま、あっという間に全滅である。同じ公儀隠密なのに、伊賀と甲賀で、こんなに戦力差があって良いのだろうか。 この作品で、影丸は、正雪だけでなく、宿敵・阿魔野邪鬼とも戦い、ついに敗北を認めさせてもいる。でもこの邪鬼、何回も影丸と戦っているのに、今回もまんまと影丸の術にやられている。同じ術には二度とかからないのが、一流の忍者のはずなのに、まったく強いのか弱いのかよくわからない男である。 そういえば、水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」が実写版で映画化される。横山作品は、ちょっと前に「鉄人28号」が映画化されたが、この「伊賀の影丸」も実写版で映画化して欲しいものである。 ← ランキング参加中! 「伊賀の影丸 由比正雪の巻 上」はこちら 横山光輝の他の作品 「鉄人28号」、「新化面の忍者赤影」、「水滸伝」 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 22, 2007
コメント(2)

久しぶりにスーちゃん登場! つぶらな瞳がキュート!! あんまりかわいいので、ちょっとお絵かきソフトでお化粧してみました。 「ネタがないからって、私の顔で遊ばないでよ!」 スーちゃんが、横目で睨んで通り過ぎていきました・・・・ ← ランキング参加中!楽天ブックスで見つけたワンちゃん関係の書籍 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 21, 2007
コメント(10)
![]()
カナ・カナ・カナ・カナ・・・ 夏の夕暮れにもの悲しく鳴くひぐらしは、魑魅魍魎の徘徊する夜の世界が訪れることを告げているのだろうか。 このひぐらしを題名に掲げる人気漫画「ひぐらしのなく頃に」の「鬼曝し編」(竜騎士07/鬼頭えん: 角川書店)を子供が持っていたので、借りて読んだ。子供が、ゲームの方も持っていたのでやってみたが、どうも私の性格には合わないようで、こちらの方は、すぐにやらなくなった。 鬼の血を引くと言われる雛見沢出身の、公由夏美の一家は、どこにでもある普通の家庭であった。夏美も友達とおしゃべりしたり、恋をしたりと、普通の女の子である。 ところが、雛見沢が火山性ガスの噴出により壊滅する。このときから、雛見沢出身の老人を中心に、雛見沢を支配する神である「オヤシロさま」のタタリを恐れての奇行が広がる。夏美の家でも、祖母が、異常な行動を始める。そして、公由家に続く惨劇の連鎖。最後に残酷な真実があきらかになる。 「タタリじゃー!」の科白で有名なのは「八つ墓村」(横溝正史)であった。あれも結構怖かったが、こちらのタタリもかなり怖い。この、鬼曝し編は番外編のような扱いのようである。このシリーズ、子供がまだ、色々持っていたが、以前紹介したもの以外は、話が完結していない。子供が買ったら、又紹介することにしよう。 ← ランキング参加中!ひぐらしのなく頃に(鬼曝し編1,2)(竜騎士07/鬼頭えん: 角川書店) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 20, 2007
コメント(4)
![]()
我が家のパソコンは、相当古い。もう5年半くらい使っている。常識的には、いつ壊れても不思議ではない。途中でよくフリーズするし、電源を切る際に、2回に1回くらいは途中で止まってしまう。しかしまだまだ使える。 まとまった費用もかかるので、なかなか買い換える決心がつかない。おまけに、VISTAが出たばかりなので、最低1年くらいは様子を見たい。ということで、とりあえず、外付けHDを買って、最低限のデータのみ避難させておくことにした。 私の機種は、CD-ROMなら焼けるが、DVDは再生だけ。CDではとても容量が足らないし、何枚も焼くのは面倒くさい。外付けHDなら簡単にコピーして保存しておける。買ったのは、I/Oデータ製の「HDC-U250」と言う機種。何と、250Gの容量がある。今使っているパソコンのHDが60Gなので、ちょっと容量が多すぎる気もするが、容量が小さくても、あまり値段が変わらないし、パソコンを買い換えた時のことも考えてこの機種にした。 とりあえず、「My Document」だけ外付けHDに保存して、一安心である。 ← ランキング参加中!I/Oデータ 250GB HDD HDC-U250(Johsin Web) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 19, 2007
コメント(10)
![]()
「あんたは知らんじゃろが、上州には日なた道と日かげ道があるんじゃよ。」 「伊香保殺人事件」(内田康夫:講談社)は、なんとか「日なた道」を歩こうともがきつつ、遂に果たすことのできなかった夫婦の悲劇を描いた、浅見光彦シリーズのミステリーである。 伊香保温泉は、群馬県渋川市伊香保町にある有名な温泉街である。万葉集にもその名が見える古い温泉であり、明治時代には、多くの文人が訪れた。竹久夢二も伊香保を愛した一人であり、その縁で、伊香保には「竹久夢二伊香保記念館」が建っている。 渋川市に接する吾妻町(現東吾妻町)の古刹雲台寺が炎上し、ローン会社の役員大戸美智雄が焼死体で発見された。その妻世志子も伊香保のロープウェイ駅付近の見晴台から転落して死んだ。世志子は、伊香保と東京に本部を置く、日本舞踊桃陰流清園派の高弟でもあった。 光彦は、浅見家のお手伝い・須美子が、ひょんなことから大戸美智雄を殺した容疑で警察に連行されたことから、この事件に関わっていく。 この物語を一言で表せば、恵まれない育ちを余儀なくされた者達が、なんとか「日なた道」を歩こうとしたために、結局は身を滅ぼしていくというものである。悲しい話だ。 しかし、この話に、竹久夢二まで関わらせるとは思わなかった。竹久夢二の子供と言われる人間が二人も出てくるとは、夢路先生、きっと、草葉の陰でびっくりしているだろう。 最後に、ちょっとしたどんでん返しのようなものがあるのだが、光彦は、そこでも、独自の優しさを見せている。これが彼の最大の魅力だろう。 ← ランキング参加中「伊香保殺人事件」(内田康夫:講談社)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 18, 2007
コメント(2)
![]()
また、横溝正史の本を読んだ。「迷路荘の惨劇」(角川書店)である。 迷路荘の正式名称は「名琅荘」と言うのだが、複雑な迷路が隠されており、人は、「迷路荘」と呼んでいた。この小説は、「迷路荘」を廻る凄惨な物語である。 元々は、明治の元老古館種人伯爵が建設したものであるが、2代目一人伯の時に、悲惨な事件が起きる。そして、没落した3代目辰人の時には、「名琅荘」は、新興の実業家・篠崎慎吾の手に渡る。篠崎は、「名琅荘」をホテルに改装するため、関係者を一同に集め、名残を惜しんでもらおうとしていた。そこで不思議な事件が起き、金田一が呼ばれる。しして、次々と殺人事件が・・・ 最初の殺人事件が起きてから、次の事件が起きるまでに間がありすぎて、だらだらとした感じで、ちょっと退屈な感じがする。もしかすると、殺人事件はこれ一つ?金田一シリーズで、そんなことはないだろうなと思いながら読んでいると、半分以上過ぎたところでやっと次の殺人事件が発生。次の事件が起きてから、解決までは結構早くて退屈はしなかったが。 それにしても、美女の死体が鼠に齧られて、無残な姿にといったシーンを繰り返して使うのには、いかにも横溝作品らしいおどろおどろしさを感じる。真犯人も意外な人物であった。ネタ晴らしになってはいけないので、一言だけ触れると、最も美しい者が、最も邪悪なものだったということである。 しかし、さすがは横溝先生、これで全て解決したと思ったとたん、最後の最後で、もうひとつの謎解きを披露してくれる。前半で冗長な感じを受けるものの、全体としては、複雑な複線をうまく組み合わせた、面白いミステリーである。 ← ランキング参加中!DVD「迷路荘の惨劇」風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 17, 2007
コメント(2)

岩手県久慈では、琥珀が算出するらしい。琥珀とは、木の樹脂が地中で固化したもので、宝石として扱われるものもある。時にその中に、昆虫などを含んでいる。この久慈の琥珀をモチーフにした旅情ミステリーが「琥珀の道(アンバー・ロード)殺人事件」(内田康夫:角川文庫)である。 古代日本では、琥珀が、久慈から、奈良の都まで運ばれていたとのことである。その久慈出身で、単身上京していたOL大岡滝子が、早稲田面影橋で、通り魔に刺し殺された。滝子は、かって、「琥珀街道キャラバン隊」の一員として、この古代の「琥珀の道」を歩いていた。そして、久慈海岸で、同じくキャラバン隊の一員であった本井博正が投身自殺を遂げる。 光彦は、戸塚警察署刑事課長橋本警部の依頼で、事件を調べ始める。 この作品中で、光彦は、本井の投身自殺のトリックを暴くために、久慈署の宮島警部とある実験をする。でも、これはまずいだろう。いつも母親の雪江未亡人から、警察庁刑事局長である兄の陽一郎に迷惑をかけないようにと釘をさされているのに、ばれていたら、大迷惑になったことは間違いない。 また、浅見光彦シリーズといえば、美しいヒロインがつきもので、大体がヒロインに恋心を抱かれるが、光彦の臆病さのため、何事もなく終わってしまうと言うパターンも多いが、どうも今回のヒロイン熊谷美枝子とは、どうも最初から波長がずれているようだった。美枝子を軽井沢に連れて行く車中で、過去の男について告白され、光彦はその男が、てっきり内田センセと勘違いしたのには、笑ってしまったが。 この物語を一言で言えば、「因果は廻る」ということであろうか。これ以上書くとネタばれになるので、詳しくは読んでみてのお楽しみ。 ← ランキング参加中!風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 16, 2007
コメント(2)
![]()
「のだめも缶詰を超えて、大変だったんですから。」 昨日、会社帰りにコンビニに寄ったら、「のだめカンタービレ」(二ノ宮智子:講談社)の17巻が出ていたので買ってきた。久しぶりに「のだめ」と再会である。 千秋の常任指揮者デビュー公演は大成功。そこに現れた千秋の父。評価を問われる二度目の公演で、千秋は・・・ この巻では、千秋ものだめも音楽に真剣に向き合っているものの、お互い少しあせっているようだ。おかげで、二人はすれ違い夫婦? それにしても、オクレール先生と会話がうまくいかないのは、二人ともボケ同士だったからだとは・・・。のだめは、どうもボケたときにすかさず突っ込みを入れて欲しい性格のようだ。だから突っ込みの旨い?千秋が良いのか! そして、あいかわらず、のだめの変態ぶりも健在である。千秋の洗濯物の臭いをかいで恍惚に浸ったり、千秋の寝姿を盗み撮りしたり・・・でも、それがとってもらぶりぃ?・・・ さて、次の発売はいつになるんだろう? ← ランキング参加中!「のだめカンタービレ(17)」(二ノ宮智子:講談社)「のだめカンタービレ1~17巻セット」(二ノ宮智子:講談社) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 15, 2007
コメント(8)

「遠野殺人事件」(内田康夫:角川春樹事務所)を読んだ。 柳田國男の「遠野物語」で有名な、岩手県遠野で、東京のOL河合貴代が殺される。貴代のカメラには、会社の同僚松永貞子が写っていた。そして、貞子も死体で見つかる。 貴代と親しかった、後輩OLの宮城瑠璃子は、遠野警察署の吉田刑事に協力して、事件の真相を暴いていく。 この話の面白さは、瑠璃子が、何重にも張り巡らされたトリックを、解き明かしていく過程にある。そして、意外な真犯人の実態が暴かれていく。 浅見光彦も顔負けの瑠璃子の名探偵振りであるが、どうも男を見る目だけはなかったようだ。見てくれにころっとだまされて、一番悪い男に引っかかってしまっているのだから。 ← ランキング参加中!風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 14, 2007
コメント(4)

ちょっと用事があったので、久しぶりに「横川駅」の周辺を散策してきた。「横川駅」は広島駅から、山陽本線でひとつ西側の駅である。数年前に、再開発され、きれいな駅前になっている。 横川は、明治38年(1905)に、日本最初の国産ガソリン式乗合バスの営業が始まったことで知られている。横川から可部までの、14.5kmを営業していたそうである。当時のレトロバスが平成16年(2004)に復元され、観光に一役買っているらしいが、残念ながら、訪れたときには、見当たらなかった。「横川駅」 この横川駅のすぐ近くにあるのが「三篠神社」である。永録年間(1558-1569)に始まる400年以上の歴史を持つ神社である。狛犬や敷石は、原子爆弾で被爆したものも使われており、貴重な歴史遺産としての役割も担っている。長い歴史の中で、多くの神社を合併したため、伊弉諾尊、伊弉冉尊、大年神、大国主神、宗像神、猿田彦神、八幡神、天満天神とたくさんの御祭神を御祭りしている。「三篠神社」 境内の梅が満開だったが、携帯のカメラでは、良く写らなかった。一応掲載しておこう。「三篠神社の梅」 横川駅の近くには「西区民文化センター」が建っている。コンサートなど、色々なイベントの会場になっている。「西区民文化センター」 ← ランキング参加中! 広島市を歩く(その1)はこちら 広島市を歩く(その2)はこちら 広島市を歩く(その3)はこちら 広島市を歩く(その4)はこちら 広島市を歩く(その5)はこちら 広島市を歩く(その6)はこちら 広島市を歩く(その7)はこちら 広島市を歩く(その8)はこちら 広島市を歩く(その9)はこちら 広島市を歩く(その10)はこちら風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 13, 2007
コメント(4)
![]()
内田康夫の浅見光彦シリーズで、光彦がよく記事を書いている「旅と歴史」の編集部の陣容が判明した。「朝日殺人事件」(内田康夫:実業の日本社ほか)に、編集部は4名で、藤田編集長以下、宮崎さとみ、白沢、川岸という編集者がいることが明記されている。今回は、内田センセ、とうとう、この編集部からも犠牲者を出してしまった。 そういえば、ちょっと前に、「日光殺人事件」で、春日という編集者が出てきた。藤田編集長とキャラが被っていたが、もしかすると、宮崎の後任なんだろうか。 話は、宮崎さとみが住んでいる女性用アパートで、隣に住んでいる女が古い洋服ダンスを運び出しているの目撃したことから始まる。 そして、光彦の母、雪江未亡人が列車の中で、行儀の悪い男と乗り合わせたる。この男、ひっきりなしに大声で携帯電話をかけており、雪江の脇を通るときにバッグを突き飛ばしても謝りもせずに行ってしまう。ところが、その男、島田が、都内のホテルで殺されてしまった。島田は「アサヒのことはよろしく頼みますよ」と列車の中で言っていた。光彦は、雪江の命で事件の真相を調べ始める。 ところが、宮崎が、取材先のホテルで自殺する。一見関係の無い二つの事件の裏に潜むものは何か。 内田センセ、どのように、事件の糸を紡いでいくのかと思っていたが、うまく話をつなげて、楽しめる作品となっている。 ← ランキング参加中「朝日殺人事件」(内田康夫:実業の日本社) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 12, 2007
コメント(2)
![]()
昨日の夜は、フジテレビ系列の土曜プレミアムで「ナースのお仕事 ザ・ムービー」を観た。みんな知っていると思うが、テレビの人気ドラマの劇場版で、2002年の作品ということである。 若葉会総合病院を舞台にした、ドジなナース朝倉いずみとその上司尾崎翔子を中心としたドタバタコメディなのだが、今回は少しシリアスな場面もあった。何と朝倉いずみが撃たれてしまうのである。 若葉会総合病院の外科病棟では、新しい婦長が来て、どうも人間関係がぎくしゃくしていた。そこに、退院したばかりの患者・猿渡が再入院を申し込むが、断られてしまう。すると、彼は、マシンガンを持って、ナースを人質に、ナースステーションに立てこもってしまう。しかし、マシンガンなんかどこで手に入るんだ。普通はせいぜい猟銃だろうとついつっこむ。それにしても、けっこうつっこみどころが多くて面白い。 いずみが、マシンガンを乱射する場面なんかにも、「あんたは朝倉いずみや。星泉やないねん。」なんて、心の中でつっこみながら観ていた。 警察が踏み込んで、いずみが、猿渡のマシンガンを取り上げようとしたとき、警察が狙撃した弾がいずみに当たってしまう。あんなときに普通、狙撃なんかするかいな。 それにしても、観月ありさって、すっかりどたばたのイメージがついている気がするが、綺麗な人なんだとあらためて思ってしまった。(監督・脚本・プロデューサー)・両沢和幸 (出演者)・観月ありさ(朝倉いずみ) ・松下由樹(尾崎翔子) ・赤木まどか(神田うの)・伊藤かずえ(大島冴子)・ウド鈴木(猿渡剛) ほか DVD「ナースのお仕事 ザ・ムービー」 ← 記事の内容が気に入ったらClickしてね風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 11, 2007
コメント(2)
![]()
最近、ミステリーばかりやたら読んでいるので、たまにはもっとさわやかなものをと言うことで、「夜のピクニック」(恩田陸:新潮文庫)を読んでみた。 恩田陸といえば、SF風味の作品や、オカルトぽい作品が多いが、この作品は、全く趣が異なる。噂には聞いていたが、ただひたすら歩くというお話である。 中心となる登場人物は、西脇融と甲田貴子。高校3年生で、同じクラスに属する二人は、異母兄弟である。彼らの通う北高には、「歩行祭」と呼ばれる伝統行事があった。これが、また半端な行事ではない。朝の8時から翌朝の8時まで24時間、途中で休憩や仮眠の時間はあるものの、80kmの道のりをひたすら歩き続けるのである。 歩く最中に起こる様々な出来事、友達と交わす会話、頭の中をよぎる色々な思い。どれも、大人から見れば、この年頃にありがちな,たわいも無いものである。しかしそれが、かえって、読者が自分の高校時代と重ねてしまうような効果を持たせてくれる。 融と貴子は、異母兄弟ゆえに、お互いに複雑な思いを抱いており、ほとんど会話を交わしたこともない。貴子は、歩行祭で一つの賭けをする。そして、アメリカに留学した貴子の親友・榊杏奈のかけた「おまじない」。この「おまじない」には、いかにも恩田陸らしさが出ていると思う。 使い古された言葉かもしれないが、正に「青春のノスタルジー」、過ぎ去った昔を懐かしむような思いをさせてくれる作品である。 もっとも、自分の通っていた学校で、こんな行事があったら、きっと、当日は、急に、腹痛になったり風邪を引いたりして学校を休んでいたに違いないが。「夜のピクニック」(恩田陸:新潮文庫) ← 記事の内容が気に入ったらClickしてね風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら ○関連ブログ記事・itchy1976の日記・日記風雑読書きなぐり・しんちゃんの買い物帳・「本のことども」by聖月 ・日だまりで読書・仙丈亭日乘・日々のつぶやき
February 10, 2007
コメント(18)

広島の誇る偉人と言えば頼山陽である。彼の書いた「日本外史」は、幕末の尊王攘夷運動に大きな影響を与えたことで有名である。 山陽は安永9年(1780)、大阪に生まれた。父の春水が、広島藩に召抱えられたため、広島に住むようになった。当時頼家の人々が当時住んでいたところに、今は、「頼山陽史跡資料館」が建っている。広島市の中心と言っても良いところにあり、ビル街に囲まれた、小さな博物館である。「頼山陽史跡資料館」 中庭も、ビルに囲まれて、こじんまりしている。「頼山陽史跡資料館の中庭」 この山陽先生、若い頃は、結構困った人だったようで、家族に相当迷惑をかけていたようである。一度脱藩を図ったため、廃嫡されて、自宅の離れに5年間も幽閉生活を送っていた。当時は、脱藩と言えば、本人は死罪、家は断絶になってもおかしくないくらいの重罪である。この程度で許されたのは、幸運であろう。 山陽が、幽閉生活を送った離れは、現在は「頼山陽居室」として、国の史跡になっている。原子爆弾により、当時の居室は消失したため、昭和33年(1958)に、現在の居室が再建された。「頼山陽居室」 広島市を歩く(その1)はこちら 広島市を歩く(その2)はこちら 広島市を歩く(その3)はこちら 広島市を歩く(その4)はこちら 広島市を歩く(その5)はこちら 広島市を歩く(その6)はこちら 広島市を歩く(その7)はこちら 広島市を歩く(その8)はこちら 広島市を歩く(その9)はこちら ← ランキング参加中(今何位?)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 9, 2007
コメント(2)

「湯布院」は言うまでも無いと思うが、大分県にある温泉で有名な街である。以前は、湯布院町として町制を敷いていたが、現在は近隣の町と合併し由布市を形成している。紛らわしいのだが、駅名や温泉名は「由布院」と表示する。だから、温泉も「由布院温泉」である。女性の人気が高い温泉の街である。 この湯布院を舞台にしたミステリーが、「湯布院殺人事件」(内田康夫)である。 この物語の主人公は、和泉直人。哲学出身の異色の法律学者と言う設定である。私が読んだ内田作品の中では始めて出てくるキャラクターである。 義憤で大学を退職した和泉は、教え子達からフルムーン旅行をプレゼントされ九州へ向う。九州へ向う列車の中で、少年を湯布院に連れて行くように託される。 一方湯布院では、疑獄事件で、前文部次官秘書が首を吊った事件が起こっていた。和泉が少年を連れて行ったのは、その前次官と関係のある高梨家であった。そこで連続殺人事件が起こる。 この作品のキーワードは「滅私奉公」。今はもう死語になっていると思うが、かっては、そんなことに美徳を感じていた人もいたんだなと思いながら本を閉じた瞬間ふと思った。 「んっ?最初の首吊り事件って、結局なんだったんだ?」○面白かったらポチっと1票! ○姉妹ブログ・「文理両道」・「本の宇宙(そら)」
February 8, 2007
コメント(2)
![]()
三国志をテーマにした漫画は、これまでにもたくさんあったが、蒼天航路(イハギン /王欣太: 講談社)は、その中でも最高傑作のひとつであることは間違いないであろう。 普通は三国志と言えば、大体が、正義の劉備と悪の曹操といった図式で、蜀の劉備を中心にして描かれる事が多い。しかし、この作品の主人公は、魏の曹操なのである。 曹操は、実に魅力的に描かれているが、魅力的なのは彼だけではない。彼を取り巻く、多くの英雄・軍師たちも実にいきいきとしている。誰一人をとっても、スピンオフの物語ができそうなくらいである。 その一方、劉備の方はあまりぱっとしない。一応、ものすごい器の人物と言うことになっているが、漢の王族の末裔に名を連ねていることしかとりえの無いただの小市民という感じである。 これまでの、劉備賞賛の三国志しか読んだことの無い人は、一度読んでみると良い。曹操の魅力に、時間の経つのも忘れて読みふけることになるだろう。 ← ランキング参加中(今何位?)蒼天航路(イハギン /王欣太: 講談社) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 7, 2007
コメント(4)

広島駅から「紙屋町経由広島港行き」の市電に乗り、しばらく行くと、電停の「袋町」と「中電前」の真ん中辺りで平和大通り(百メートル道路)を横切る。その交差点のすぐ近くにあるのが、「白神社」である。 この辺りは、昔は海であり、海に突き出た岩礁の上に白旗を立てて、船の安全をはかる目印としていたということである。その後、この岩礁の上に祠が立って白神社となった。 白神社の岩礁は、昭和59年に、広島市史跡及び天然記念物に指定されている。かっての神社は、原子爆弾で消失したので、現在の神社は、昭和30(1955)の再建である。「白神社」 袋町の電停付近に「旧日本銀行広島支店」がある。広島市内に今残る被爆建物の一つで、爆心地よりわずか380m足らずの位置にありながら、当時の姿をそのまま残している。現在は、日銀広島支店は他の場所に移ったため、この建物は広島市に無償貸与されており、時折、ギャラリースペースなどに利用されているようだ。設計は、建築家長野宇平治が手がけ、広島市指定の重要文化財となっている。「旧日本銀行広島支店」 袋町の電停から、電車通りの一つ東側の細い通りまで歩くと、「広島市立袋町小学校平和資料館」がある。原子爆弾の爆風と高熱で、ここにあった袋町国民学校は、外郭のみを残し廃墟となったが、被爆した人々の避難場所となると共に、コンクリートの壁が、人々の安否を尋ねる伝言板として使用されたと言う。 平成14年(2002)4月、校舎の一部が「広島市立袋町小学校平和資料館」としてオープンし、当時の状況を知らせる資料を展示している。「広島市立袋町小学校平和資料館」 広島市を歩く(その1)はこちら 広島市を歩く(その2)はこちら 広島市を歩く(その3)はこちら 広島市を歩く(その4)はこちら 広島市を歩く(その5)はこちら 広島市を歩く(その6)はこちら 広島市を歩く(その7)はこちら 広島市を歩く(その8)はこちら ← ランキング参加中(今何位?)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 6, 2007
コメント(2)
![]()
今日紹介するのは、「天城峠殺人事件」(内田康夫:角川文庫)である。 伊豆の天城峠と言えば、川端康成の「伊豆の踊り子」の舞台としても有名である。この天城峠の崖下で小林章夫という老人が死んでいるのが見つかる。小林は、毎年7月のお盆に一人で寺社めぐりをし、「下司」と書かれた変わった千社札を貼って歩いていた。今回も寺社めぐりをしていたが、その途中で行方が分からなくなっていたのである。なお、この「下司」の文字は、戦時中の出来事に対する彼の贖罪の気持ちを表したものであるが、事件の本筋とは直接の関係はない。 今回のヒロインは、小林朝美という小林章夫の娘である。美人で、学校の先生という設定である。昔、小林麻美というとても日本的な美人のタレントさんがいたが、彼女を連想させるような名前だ。もしかして、内田センセもファンだったのかな。光彦も、結婚したら、「アサミアサミ」になるんだななんて、勝手な想像をしているのがかわいらしい。 たまたま朝美と知りあい、彼女の父の事件のことを聞かされた光彦は、この事件に興味を持つ。 一方浅見がインタビュー記事を書いた、タレント桜井夕紀がマネージャーと心中事件を起こす。光彦は、夕紀の事件にも興味を持って調べ始める。光彦が訪れた岩手県大船渡市にも、「下司」の千社札が・・・。 一見関係のなさそうな、2つの事件を、うまく結びつけた,楽しめるミステリーである。 ← ランキング参加中(今何位?)「天城峠殺人事件」(内田康夫:角川文庫) 「浅見光彦ミステリー DVD-BOX 」(「天城峠殺人事件」他収録)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 5, 2007
コメント(7)
![]()
昨日の夜は、フジテレビ系の土曜プレミアムで、マトリックスシリーズの完結編である、「マトリックスレボリューションズ」を観た。2003年のアメリカ映画だ。 なんかよー分からん世界に迷い込んでしまっていたネオが、元の世界に戻ることができ、トリニティといっしょに、敵の本拠地マシン・シティに直接乗り込む。 一方、聖地ザイオンは、敵の大攻勢を受け、あわや陥落寸前。ネオは、人工知能「デウス・エクス・マキナ」と対面し、共通の驚異となったスミスを倒すことを条件に、ザイオンへの攻撃をやめさようとする。 相変わらずよー分からん世界観だけど、金がかかっているのは良く分かる。クラゲのお化けの大群がザイオンを襲撃するシーンはすごい迫力だ。 結局、スミスはウィルスで、ネオはワクチンソフトかいと、思わずつっこむ。(監督)ウォシャウスキー兄弟(出演者)キアヌ・リーブス(ネオ) キャリー=アン・モス(トリニティ) ヒューゴ・ウィーヴィング (エージェント・スミス)ほか シリーズ公式サイト ⇒ The Matrix ← ランキング参加中(今何位?)DVD「マトリックスレボリューションズ」風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 4, 2007
コメント(2)
![]()
「画文帯神獣鏡・・・呪いの鏡」 昨日の夜は、フジテレビ系の金曜プレステージで、浅見光彦シリーズの25作目に当たる「箸墓幻想」を観た。実は、原作の方も昔読んだ覚えがあるのだが、既に本は処分してしまったようで、手元に無く、粗筋の方もほとんど記憶に残っていなかった。 「画文帯神獣鏡」とは古代の神獣鏡の一つである。「三角縁神獣鏡」というのはよく聞くのだが、「画文帯神獣鏡」というのがあることは、この作品で初めて知った。縁が、三角縁神獣鏡のように、上にとがっておらず平らになっており、その部分に、画文帯と呼ぶ文様があるのが特徴のようである。 箸墓古墳とは、奈良県桜井市にある前方後円墳で、宮内庁により、孝霊天皇皇女、倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめ)の墓として管理されている。宮内庁は、一切発掘を許していないので、真偽の程は謎だが、邪馬台国の卑弥呼の墓であるとも言われている。 この物語、「箸墓幻想」は、箸墓古墳から出土した「画文帯神獣鏡」を廻る、愛と憎しみの物語である。 老考古学者の小池拓郎が奈良県桜井市の初瀬ダムのダム湖から死体で見つかった。彼は、邪馬台国の特定をライフワークとしており、畿内説の旗頭であった。 光彦は「旅と歴史」の藤田編集長と共に奈良大和路へ、小池の死の真相を求めて訪れる。そして、小池が寄宿していた当麻寺の娘為保有里の協力を得て、事件の真相を調べ始める。当麻寺は、光彦が、卒論製作のため度々訪れていた寺でもあった。 一方、箸墓古墳の近くにあるアカネ山古墳で、一枚の「画文帯神獣鏡」が発掘される。世間は、箸墓古墳が卑弥呼の墓である可能性が高まったと沸き立つ。 しかし、その「画文帯神獣鏡」には、小池の青春時代における愛憎のドラマが秘められていたのであった。 「画文帯神獣鏡」について一応調べてみた。日本や中国で結構出土しているようである。これが1枚出てきたからと言って、「箸墓」=「卑弥呼の墓」というのは無理があるような気がする。もっと論拠についての説明が欲しかったところである。 また、小池が殺された理由も納得できるものではない。数十年も前の、自分の勘違いに端を発し、憎しみを心に抱え、勘違いが分かっても、まだ一層憎しみを募らせ、殺人に至る。まるで蛇のような執念深さにはぞっとする。 しかし、背景となる、大和路の美しさには魅入られてしまう。昔は奈良にも良く行ったものだが、最近は全く行く機会がない。また奈良を訪れてみたくなった。 公式サイト ⇒ 金曜プレステージ 浅見光彦シリーズ第25弾 「箸墓幻想」 ← ランキング参加中(今何位?)「箸墓幻想」(内田康夫:角川書店) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 3, 2007
コメント(4)

広島駅から、紙屋町経由広島港行きの市電に乗ると、広電本社前を過ぎてすぐに御幸橋という橋を通る。太田川の分岐の一つ京橋川にかかる、市電も通る橋である。 元々は、明治18年に(1885)木桁橋として架けられた橋であるが、今の橋は1990年(平成2)に架け替えられた3代目の橋であるという。日清戦争以降、多くの軍人達がこの橋を渡って、広島港から出港していった。原子爆弾で被爆したときにも、多くの人々が、この橋(正確には2代目の橋であるが)を渡って避難して行ったと言う。「御幸橋」「宇品側から御幸橋方面を眺める」 御幸橋には、この以下の写真のようなモニュメントが建っている。(財)多山報恩会によって、<新しい橋の完成と被爆45周年を迎えるにあたり 失われたものへの鎮魂と平和 そして輝く明日への希望を込め>て設置されたものである。「御幸橋のモニュメント」 御幸橋を渡ると、「猫田記念体育館」がある。東京オリンピックから4大会連続でオリンピックに出場した男子バレーボールの名セッター・猫田勝敏氏を記念して設立された体育館である。「JTサンダーズ」の本拠地になっており、バレーボールの国際大会が開かれることもあるらしい。「猫田記念体育館」 広島市を歩く(その1)はこちら 広島市を歩く(その2)はこちら 広島市を歩く(その3)はこちら 広島市を歩く(その4)はこちら 広島市を歩く(その5)はこちら 広島市を歩く(その6)はこちら 広島市を歩く(その7)はこちら ← ランキング参加中(今何位?)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 2, 2007
コメント(6)

内田康夫の小説には、色々な名探偵が出てくる。浅見光彦はその代表であるが、その他にも、「信濃のコロンボ」竹村警部、警視庁きっての名探偵岡部警部などがいる。この「少女像(ブロンズ)は泣かなかった」(角川文庫)にも、魅力ある名探偵が登場する。 出てくる名探偵は、橋本千晶。子供の頃の病気で車椅子生活を余儀なくされているが、頭脳明晰で美しい女性と言う設定である。千晶は、「多摩湖畔殺人事件」で、被害者の娘として登場してくるらしい。らしいというのは、私は、この作品を読んでいないのだが、解説にそう書いてあるからだ。「多摩湖畔殺人事件」も一応岡部警部シリーズの一つということだが、千晶は、明晰な頭脳で、事件解決に大きな貢献をしているようだ。そして、「多摩湖畔殺人事件」で胃潰瘍を押して、捜査を担当したのが、「少女像(ブロンズ)は泣かなかった」でも、千晶とコンビとなって事件を解決している河内刑事である。河内刑事も娘を病気で亡くしており、父を亡くした娘と、娘を亡くした父のコンビは、実の親子以上の絆で結ばれている。 この本は、千晶の活躍を描いた短編を集めた短編集となっている。 収録されているのは、以下の4作品。 千晶と河内が、「越天楽」に誘われて行った駒ヶ岳の箱根神社元宮で死体を発見するという「越天楽が聞こえる」。 千晶の名前をかたって、医者相手の結婚相談書に登録した友人が行方不明となる「ドクターブライダル」。 エアチェック中オーディオに混入した「すみれを埋めた」と言う雑音を聞いたことから千晶が事件に巻き込まれてしまう「踏まれたすみれ」。 表題ともなっている、夜な夜な涙を流す少女像の謎に関する「少女像は泣かなかった」。 いずれも、千晶の鋭い推理が冴えた、良い作品に仕上がってる。このシリーズ、もっと読みたいものである。 ← ランキング参加中(今何位?)風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら
February 1, 2007
コメント(2)
全28件 (28件中 1-28件目)
1


![]()