inti-solのブログ

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2015.01.21
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テーマ: ニュース(95873)
カテゴリ: 戦争と平和
イスラム国邦人人質:日本人2人殺害を警告 ネットに映像
内戦が続くシリアと、イラクの一部地域を勢力下に置くイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」とみられるグループが20日、日本人男性2人を拘束している映像と共に、日本政府に72時間以内に身代金2億ドル(約236億円)を支払わなければ殺害すると警告するビデオ声明をインターネット上に公開した。
菅義偉官房長官は、ビデオが公開された直後の午後2時50分ごろに政府として確認したと説明しており、身代金の支払期限は日本時間23日午後とみられる。
ビデオは約1分40秒。
男は安倍晋三首相に呼びかける形で「私たちの女性や子どもを殺し、イスラム教徒の家を壊すために1億ドルを拠出した」と日本を一方的に非難。さらに「イスラム国の拡大を止めるためにムジャヒディンと戦う背教者の訓練に1億ドルを拠出した」として要求額を1億ドル上乗せした。ナイフをかざしながら身代金支払いの期限を「72時間」と指定し「もしそうでなければ、このナイフがお前たちの悪夢になる」と警告した。

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人質をとって身代金を要求する、つまり営利誘拐ですが、これは言うまでもなく言語道断の暴挙です。
ただ、イスラム国というテロ集団が言語道断の存在であることは、今に始まった話ではありません。
問題は、なぜ今2人の日本人の身代金要求が飛び出したのか、ということです。
声明ビデオによれば、日本がが「私たちの女性や子どもを殺し、イスラム教徒の家を壊すために1億ドルを拠出した」「イスラム国の拡大を止めるためにムジャヒディンと戦う背教者の訓練に1億ドルを拠出した」からだそうです。これ自体は、まったく事実無根の話です。2億ドルというのは、イラク・シリアとその周辺諸国の難民・避難民支援のための費用ですから。
だけど、とにかくイスラム国対策として、日本が2億ドルを拠出すると発表したことは事実です。それに、アラブ諸国(もちろんイスラム国も)が敵視するイスラエルを訪問した。

安倍は、なぜ今、このタイミングでイスラエルを訪問したのでしょう。今回殺害予告の出ているうちの一人は、「イスラム国に拘束されている」という報道は事前にはなかったように思いますが、もう一人の、自称民間軍事会社CEOの方は、昨年イスラム国に捉えられた際に盛んに報道されていましたし、当然日本政府もその事実を認識していたはずです。
にもかかわらず、あえてイスラム国対策として2億ドル拠出を表明し、またイスラエル(この国がパレスチナでやってきたこともまた、ある種のテロのようなものであろうと私は思います)を訪問する、いってみれば、人質のことなど眼中になかったわけです。人質のことなどより、安倍の外遊が国際的に注目を集めることのほうが大事だったのでしょう。

ことは、二人の人質だけの問題にはとどまりません。日本国外で日本人がイスラム過激派に拘束されたり、その結果殺害された事例は過去にもありましたけど、日本が名指しで直接イスラム過激派の標的にされたことは、今までになかったように思います。これからは、日本が直接イスラム過激派の攻撃目標にされることを警戒しなければならないとすれば、安倍のイスラエル訪問の影響は重大です。



田母神と行くイスラエル国防視察団だそうで

「キリストの幕屋」という、イスラエルべったりの右翼系宗教団体もあります。
いくら何でもそんなことはないと思うけど、まさか安倍はネトウヨ支持層へのサービスとしてイスラエルを訪問先に入れた、なんてことはないでしょうね。

それにしても、二人の人質を、日本政府はどうするのでしょうか。なんだか、身代金を払って救出することは、「テロに屈した」みたいな、一銭も払わずに二人が殺されるのが正義であるかのような議論がまかり通っていますが、本当にそうでしょうか。

人質解放は身代金が左右? 米紙報道
米紙ニューヨーク・タイムズは(10月)26日、過激派「イスラム国」がシリアで人質にした外国人のうち23人について過酷な監禁の実態や、身代金支払いの有無が人質の殺害か解放かを左右している状況を報じた。身代金支払いを拒む米英の人質で解放された事例はない。
~米英人は7人いたが、4人が殺害され、ほかも拘束されたまま。殺害されたロシア人1人を除くフランス人やスペイン人など残りは全員解放され、1人当たり平均200万ユーロ以上が支払われたとされる。

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これを読む限り、身代金を払わずに人質を見殺しにするのは米国とイギリスだけで、フランス・スペインその他の国々は、身代金を払って人質を取り戻しているようです。米国とイギリス以外の世界の大勢としては、身代金を払う選択肢もあり、ということです。もちろん、払った事実を外部に公表することは絶対にないでしょうが。それでも、日本は身代金を一切払わずに見捨てるのでしょうか。





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最終更新日  2015.01.21 23:45:02
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