inti-solのブログ

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2016.01.31
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テーマ: ニュース(95873)
日銀、苦肉の「奇策」 マイナス金利導入


ダボス会議から帰国した黒田総裁に日銀幹部が用意していたのは、金融機関が日銀に任意で預ける預金の金利をマイナスにする「マイナス金利政策」だった。欧州中央銀行が一昨年から導入しているが、日銀には経験がない「奇策」だ。
その背景には、近づきつつある現行の緩和策の限界があった。13年4月に大規模な金融緩和を始めた当初、日銀の長期国債購入規模は年50兆円だったが、14年10月の追加緩和で年80兆円まで拡大。それでも、物価はなかなか目標に近づかず、日銀が保有する国債は発行額全体の3割まで占めるようになった。「17~18年には限界が来る」との外部機関の調査報告が相次いでいた。
ただ、29日の金融政策決定会合では、日銀執行部が提案したマイナス金利政策の評決は、14年10月の追加緩和時と同じ5対4と「薄氷」の差だった。石田浩二審議委員は「これ以上の金利の低下が実体経済に大きな効果をもたらすとは判断されない」と主張し、効果に疑問を投げかけた。

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マイナス金利とは、また凄まじい手段をとったものです。
今回の決定は市中銀行が日銀に任意で預ける預金の金利をマイナスにする、つまり預金利子をつけずに預金手数料を取る、ということです。銀行からすれば、日銀にお金を預けることは損になるので、そのお金が融資に回り、経済がより活性化する(だろう)ということです。
あくまでも、日銀の預金利子の話なので、我々一般預金者の金利が「ただちに」マイナスになるわけではありません。ただし、あくまでも「当面のところは」です。長期的にはどうなるか分かりません。一昨年からマイナス金利が導入されているヨーロッパでは、すでに一般銀行の預金利子がマイナスになる例も出てきているとのことです。
もっとも、現状でも銀行預金の金利なんて、ゼロに近い利率ではありますけど。大手都市銀の場合、定期預金の金利は0.025%です。2年以上なら利率は上がりますが、微々たる差です。1億円預けても利子は年に2万5千円、笑っちゃうしかありません。
おそらく、マイナス金利が導入されてしばらく経つと、小額の普通預金など銀行にとって利益にならないような預金の金利がマイナスになることが想像されます。大口で長期の定期預金はマイナスにはならないでしょうが。

つまり、これは国を挙げて国民に対して「銀行にお金を預けることは悪である、だから罰金を取る」とシグナルを発しているも同然ということになります。銀行にお金を預けるより使ってしまえ、あるいはハイリスクハイリターンの投資にまわせ、と、そう言っているわけです。言い換えれば、堅実な生活など送るな、投機的な生活を送れ、ということです。
そういえば、1年半ほど前に、 麻生財務相が、一般家庭のタンス預金や銀行預金を害悪視する発言を行った ことがあります。


ただし、現在は経済的に先の見通しが立ちにくい時代です。そういう中で安全志向の人が増えるのは。いわば生活の知恵による自己防衛というもので、やむをえないことです。「異次元緩和」が永久に続けられるならともかく、そんなわけには行かないことは明らかです。政府の誘導に乗ってハイリスクハイリターンの投資に手を出して、経済情勢の悪化で損をしても政府が補償してくれるわけではありません。だから、いくら政府がこんな誘導をしても、その誘いに乗ろうとは私は思わないし、同様に考える人は多いだろうなと思います。一時的に株価は上がるでしょうが、実際の経済にどれだけの好影響があるかは、きわめて疑問と思います。





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最終更新日  2016.01.31 11:03:12
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