GAIA

GAIA

全て | 報徳記&二宮翁夜話 | 二宮尊徳先生故地&観音巡礼 | イマジン | ネイチャー | マザー・テレサとマハトマ・ガンジーの世界 | 宮澤賢治の世界 | 五日市剛・今野華都子さんの世界 | 和歌・俳句&道歌選 | パワーか、フォースか | 木谷ポルソッタ倶楽部ほか | 尊徳先生の世界 | 鈴木藤三郎 | 井口丑二 | クロムウェル カーライル著&天路歴程 | 広井勇&八田與一 | イギリス史、ニューイングランド史 | 遠州の報徳運動 | 日本社会の病巣 | 世界人類に真正の文明の実現せんことを | 三國隆志先生の世界 | 満州棄民・シベリア抑留 | 技師鳥居信平著述集 | 資料で読む 技師鳥居信平著述集  | 徳島県技師鳥居信平 | ドラッカー | 結跏趺坐 | 鎌倉殿の13人 | ウクライナ | 徳川家康
2009年08月30日
XML
国府犀東氏は湯本万翠楼の書画を延々と描写される。
徂徠、頼山陽の書など興趣をそそるものであったのであろう。
「一滴の酒にはや満面あけに染みたる鈴木氏、さすがに明治の砂糖王とて、上戸にあらで、果然たる第一の下戸らし。・・・一座に上戸の人一人だに見受けざりしぞ、いとめずらしの心地せられし。・・・飯のあとに猪口(ちょこ)一杯の酒を乾せる金原翁、飯すみてさらに菓子の甘きをめずる白仁氏、こは砂糖王の国へ行き住むべき人ならめ。」
というのが面白い。夕食を終えてめいめい温泉につかりに行く。
さて、その後の話が興趣がつきない、ぜひその場にいて聞いてみたかった心地がする。

浴みの人はみな座につきて
金原翁はしきりに、昔しの物語などしつ、大久保利通翁のこと、西郷高森翁の事、三條、岩倉両翁公の事、いづれも維新の当時を思い出されぬ。
古橋氏もこれにつづきて、元田永孚翁の事などを物語り出でつ、さては富田高慶翁が
尊徳翁に教を承けし時
の事に及びぬ。高慶翁が相馬藩侯より興復の事を命ぜられ、野州桜町に尊徳翁を尋ねて、教えを乞わんとしたるに、『さる暇もなければ、いまは逢いがたし』とて、うけがわれず。高慶翁も志堅き人なれば、なかなかに屈せず、逢わるるまではこの地を去らずと心を定め、労役のともがらに交わりて、尊徳翁に逢われん日を待ち、ついに『いかでかこの地を去らざりしや』『何を聞かんためにや』と問われ、始めて深かくその志に感ぜられ、教えをうけてその衣鉢を伝えるにいたりしなり。


この「栢山詣での記 国府犀東」が載ったのは、第1編第7号(明治39年10月23日号)である。おそらくはここの記事がきっかけで古橋氏は「 「富田高慶翁と西郷南洲翁」 「富田高慶翁と西郷南洲翁その2」   を寄稿されたのであろうか。大変貴重な記録といえる。
二宮尊親氏によると、日光仕法書原本を読まれたのは古橋氏一人であると井口丑二氏が伝えている。

巻数は約1万からありますが、ただ1通あるのみでは、万一の欠失も心配されるし、ひろく縦覧に供することもできず、遺憾なりというので、鈴木の篤志で、謄写の業を起し、明治39年1月から筆工約15,6人を入れて、約3年にして成就しました。この書類を通読したる者は、一人もありません。見ても容易に分かりません。ただ一人愛知県の古橋源六郎氏、両3日滞在しましたが、日光ひな形を見て感激し、始めて道理が分かったと喜びました。富田は10年苦学して、治国済民の術を求めて得ず、ついに桜町に行き、実地を学んで、始めて了解したのですが、今この書類を調べると、各地仕法の有様が詳細に分かります。

古橋氏は湯本の宿で報徳の同志にさらにこのようにその心法を伝えたのである。

高慶翁の還りて相馬藩の仕方を立てしとき、禄をも受けず力をもからず、尊徳翁より借り得し金を本とし、己が一身の料には、学問を人に教えて得つる宝をそれに充てしとぞ。
藩侯の禄を受けざりしは、すべて改革を行うとき、その地に禄を受けなば、それがために、さまざまなそねみ、めたみを受けるおそれもあり、事を成すに妨げ多しとの、深き用心に出でたりとは、古橋氏の物語りなり。
高慶翁が家老にいいつけ、綿服(わたいれ)をおくらしめしをさえ受けもせず、『仕法も立たねば、寒きこの頃、着る衣(ころも)なき民も候わん。仕方の立つまでは、綿服を着け候はず』といと雄々しく答えられしとは、高慶翁の教えをうけし、古橋うしが、ものがたられし所なり。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年08月30日 17時41分20秒
[二宮尊徳先生故地&観音巡礼] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: