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2021年07月22日
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カテゴリ: 尊徳先生の世界
二宮翁逸話 2 他人の慈善と組合の慈善

翁は平生陰徳を施すことをもってその心がけとせられたから、一個人で慈善をすることは嫌われ、報徳社のような組合で慈善をするほうがよいと常に教えられた。
それは一個人で慈善をすれば自然恩を着せるようなことがあるが、団体でやればその嫌いは少ないから組合で慈善をすると自ずから陰徳を人に施すことになるからである。
花、自然の画像のようです

「報徳教聞書」
【18】予(鵜沢作右衛門)問う。
野州(栃木県)へ公用で出張した時、夏の暑さがひどく湿り気がなく旱魃(かんばつ)で人々が難渋しておりました。
田畑の作物も枯れて痛んできたそんな時に、夕立が降ってきてまいりまして、
「これでこそ作物が皆よく成長できますね」と二宮に問いかけました。
二宮が答えますに

その見どころを申しますと、作物のうちにも豆などを蒔きつけ、雑草をとって、よくよく手入れをいたして、湿りを祈っているほどの農業に精出している人の畑などには、即座に雨露の恵みを受けて、作物も育つものです。
また同じ日限に豆を蒔きつけてロクロク手入れもいたさないで、草も生え放題にそのままにしておいたならば、同じ日和にあえば、豆はかなり生長するように見えますけれども、雨露の恵みは雑草のほうへ回り、いろいろの草が生長して、つまりは豆のほうはかえって枯れるようなことになります。
 これは人にとってみても同じことで、
いつもは人並みの暮らしをしていても、祖先を敬い、父母を大事にし、仕事に励み人助けなど陰徳を積んでいれば、幸福になり、たとえば宝くじが当たっても、それだけの融通ともなり、繁栄の基礎にもなります。 ところが人によっては心に悪心を持って、金銭を借用しても返済もしない、何事によらず自分勝手で、嘘をつき隠し事をしているようであれば、平日は目立たなくても、
何か宝くじにあたるなど福がまいこんできても、いろんなところから借金の返済の催促を受け、せっかくの金もつまらないことに使いつくすなどということになりかねません。
世間で『宝くじに当たって首くくり』と俗にいうのがこれです。」

○文政12年2月吉日付け母の実家の当主、川久保太兵衛にあてた手紙より
(佐々井典比古氏現代文訳「尊徳の裾野」269ページより)

このたび、相州足柄下郡曽我別所村の私の母方の在所へ、祖父母の仏参に来て
みたところ、はなはだ困窮して昔の形を失い、まことに嘆かわしい姿になっている。
そこでつらつら考えたのは

享保年中から追々困窮して、文政4年には収納が米1005俵余、畑方金127両余と、わずか1000石相当にしかならず、ご勤仕もできないありさまとなったので、ご本家でも捨てておかれず、村柄取直し・収納復古・百姓相続の仕法を私に仰せ付けられたのだ。
そこで文政5年から赴任したところ、天なるかな時なるかな、人民に勤労意欲が出、田畑開発はあらましでき、風俗も立ち直り、年貢米が1900俵余、畑方はまだ集計しないが、存外の成就をみた。
このように功あるこの身は、すなわち父母のたまものであって、全くわが身ではなく、父母の陰徳による。
その父母はどうかといえば、祖父母の陰徳があったからだ。
その本が乱れて末の治まるものがないように、

では、何をしたら孝行になるのか?
このように退転同様になってしまっては、たとえ追善供養をしたところで、いったんの志で仏意を保てるわけがない。
このように信ずるとき、ふと天の命がわが心中に浮かんだ。
それはほかでもない。
桜町の仕法のように家々で子孫が繁盛しているのは、みんなが親を尊んでいることで、それがまた天道への追善供養なのだ。
この身は天から先祖に分身して、また先祖から代々父母に分身して、父母から我へと分身した。
それゆえ、天理にかなうことをしさえすれば、直ちに孝行なのだ。
しかるに川久保家では、代々のうち 奢りが長じ、分を越えて暮らして他人の財宝をむさぼり、天のにくみを受けて、田畑山林家株を天道に取り戻されたのだ。
不思議と子孫男女が息災だが、いのちがあって田畑山林家株財宝衣食を天から受け得たいと願うならば、身をちぢめ、一切七分で暮らし、堅く分限を守り、天下に陰徳を積んで、国家に財宝を施し、人民のために勤めて後、天のお恵みを受けるしかない。
さて、天下の財宝は天下万民の勤行によって生ずる。
万民の勤行は衣食があってできる。
ところが昨年文政11年は、天明の飢饉のような国土一円の凶作で、農民ははなはだ難渋している。
そこで、仏の菩提のため、元金は私が出すから、里から米を買い入れて山家(やまが)へ運び、山家から麦を買い入れて里へ運び、それも一銭も利を取らずに買い入れ値段で売買して、米麦を流通させ、近村隣家の助けになろうと心がけるがよい、
神儒仏の心は一つ。
ただ南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。」





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最終更新日  2021年07月22日 04時09分59秒
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