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2021年08月21日
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「修身教授録」第8講 気品(同著330~334ページ)抜粋
「さて今日は、『気品』という問題についてお話したいと思うのですが、そもそも気品というものは、ある意味からは、人間の値打のすべてを言い表すと言ってもいいでしょう。・・・実際気品というものは、その人から発する、いわば内面的な香りとでも言うべきもので、ここぞと、形の上にいって捉えることのできないものです。・・・
 さて気品というものは、かようにその人の最も深いところから発するものであるだけに、これを得るには一体どうしたらよいかということが、いわゆる知識の修得などのように、簡単にはまいりません。おそらく気品というものほど、われわれ人間にとって得がたいものは、外にないかも知れません。というのも気品というものは、これをその根本から申せば、単に一代の修養だけでは、十分には得られないとも言えるからです。すなわちそこには、遺伝とかあるいは生まれつきとか、とにかくそこには、ある先天的なるものが働いているわけであって、それに対しては、後天的な人間一代の努力や修養だけでは、どこかに及びがたいところがあるといえましょう。・・・
 しかしながら、仮に遺伝と言ってみた所で、ではその遺伝は一体どうして生じたかと、さらにさかのぼって考えてみれば、やはりそれは、祖先代々の修養の集積と言う外ないでしょう。してみれば、真の気品というものは、人間一代の修養のみでは、その完成に達し得ないほどに根深いものおであると同時に、他面また気品を身につけるには、依然として修養によって心を清める以外に、その途のないことが明らかなわけです。・・・
 では、いかなる修養が、人間の気品を高める上に役立つかと申しますと、・・・とくに根本的なものは何かというと、私の考えでは、内心のけがれを除くということかと思われます。すなわち『慎独』、つまり独りを慎むということでないかと思うのです。・・・気品を高める工夫は人格の最奥所、すなわち何人も容易に窺い得ない心の奥底の曇りを拭って、その乱れを防ぐということではないかと思うのです。・・・他人と相対する場合、わが内心の曇りをはらって、常にそのこころの清らかさを保つということも、もとより大切ですが、しかし気品を高める上から申せば、独りを慎むということの方が、ある意味ではより大切と言えましょう。」





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最終更新日  2021年08月21日 18時29分02秒


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