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「女性は子供ができても仕事を」初の6割超、内閣府調査11/15(金) 内閣府が15日に発表した「男女共同参画社会に関する世論調査」で、女性の職業意識に関し「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と答えた人は61%に上った。平成28年の前回調査から6・8ポイント増え、4年の調査開始以降最も高く、初めて6割を超えた。「働く妻」が「専業主婦」より幸福度低い…日本社会の「特殊な状況」11/15(金)(1)働く妻と専業主婦を比較した場合、専業主婦の方が働く妻よりも幸福度が高い。(2)子どもの有無を考慮すると、幸福度の大小関係は、以下のとおりとなる。子どもがいない主婦>子どもがいない働く妻>子どもがいる主婦>子どもがいる働く妻(3)日本の既婚女性は、子どもの有無によって幸福度が大きく影響を受けており、子どもがいる既婚女性ほど、幸福度が相対的に低くなっている。この背景には家事・育児負担が女性に集中するといった社会環境が大きく影響を及ぼしていると考えられる。海外では「働く妻」と「専業主婦」の幸福度に差がない。欧米の研究の中には、むしろ働く女性の幸福度の方が高いことを示すものも存在する。イスタンブール・ビルジ大学のキルマノグル教授とバスレヴェント教授による、ヨーロッパの29カ国を調査したEuropean Social Survey(ESS)を用いた分析では、男女間格差が小さい国ほど、働く女性の方が家事を主に行う女性よりも幸福度が高いこと明らかにしている。この結果は日本とは真逆であり、社会における男女間格差が働く女性の障害になっていることを示唆する。特に男女間格差の小さい国は、アイスランド、フィンランド、オランダ、スウェーデンと北欧諸国が多い。ちなみに日本のジェンダー・ギャップ指数における順位は、2018年で149カ国中、110位であり、先進国の中でも低い。ちなみに日本の共働き家庭を分析した関東学院大学の吉田千鶴教授の研究によれば、妻の年収が世帯所得に占める割合が大きくなるほど、夫の幸福度が低下することが明らかになっている。この問題の解決策は、働く女性を前提とした社会環境の整備だ。具体的には(1)家庭内における考え方の変革と(2)企業の支援だ。 (1)については、「男性(夫)=仕事、女性(妻)=家事・育児」といった性別役割分業を前提とせず、男女ともに仕事と家事・育児に携わるよう家庭内で合意形成できることが重要だ。このような個人の考え方は、育ってきた家庭環境や社会環境によって大きな影響を受けるため、すぐに変えることは難しいが、若年層を中心に変わりつつあるのではないだろうか。 (2)については、限られた企業だけではなく、多くの企業における両立支援策の普及だろう。近年、さまざまな企業において両立支援策が整備されてきているが、その数は限られており、求職者が意識的に探さないと、支援に積極的な企業に巡り合うことができないのではないだろうか。もし両立支援策がどの企業でも標準的に整備されているようになれば、働く女性がもっと幸せになるのかもしれない。
2019年11月16日
収入がないなら「在宅介護」を選ぶしかない現実2016年6月19日のとある新聞の記事に、両親の介護費用が突然倍額になって戸惑う男性会社員の記事が掲載されていました。東京都内在住の男性会社員Dさん(44歳)には、特別養護老人ホーム(特養)で暮らす要介護5の母親(80歳)がいます。費用の安い特別養護老人ホームに入所するために、2010年から4年も待機し、2014年にようやく入所できました。しかし2015年4月の介護保険制度の改正をきっかけに、特別養護老人ホームからの請求額が食事や部屋代、介護保険の自己負担分を含めて、月額約8万円から約17万円へと突然跳ね上がったのです。両親の年金収入は月額約28万円ありますが、実家の借地料(月8万円)と、その実家でひとり暮らしをする父親の生活費や医療費などの支払いがあるので到底足りず、Dさんが毎月4万円の仕送りをしているものの、状況は厳しくなったそうです。2015年の介護保険制度の大幅な改正は、多くの中流家庭にとって非常に厳しいものになりました※。Dさんの両親も、月額約28万円の年金収入があるという理由で、施設の食費・居住費の補助(補足給付)を受けられる条件の対象外になり、多大な負担を強いられるようになったのです。※編集部注・・・介護保険法はその後2018年にも改正され、年金収入等計340万円以上の利用者は、負担割合が2割から3割へ増加した。Dさん自身も住宅ローンや子どもの教育費を抱えており、仕送りだけでも大変です。自治体の生活相談窓口に相談したところ、「国にはもう財源がないから」と担当職員から在宅介護を勧められました。Dさんは、両親を離婚させて2世帯に分け、1世帯あたりの年収を抑えて住民税を非課税にすることで再び補足給付を受けるしかないか――と思い悩んでいるそうです。Dさんの姿は、日本の多くの中流家庭にとって、他人事ではありません。低所得層へのさまざまな救済策が講じられる一方で、財源確保のために、支払い能力のある人々への負担を重くしていこうというのが国の考えだからです。「わが家にはある程度の蓄えもあるし、問題ない」「親は健康だし、月30万円の年金も受け取っているので大丈夫」実はこうした中流家庭の人たちが、必要な介護を受けられない介護難民になってしまうケースが急増しているのです。突然父親が病に倒れ、施設に入所しなければいけなくなったが、比較的費用の安い特別養護老人ホームは、制度改正以降要介護3以上でないと入所できないといわれた――。近隣の介護付き有料老人ホームの入所一時金は1000万円を超え、月額利用料も20万円を軽く超えてしまう――。制度改正による自己負担額の増額で、特別養護老人ホームからの退去を余儀なくされたものの、行くあてもなく、子どもが会社を辞めて在宅介護に専念することになった――。このような介護生活の先に高齢者とその家族を待ち受けるのは、貧困、そして介護破産です。
2019年11月15日
11月11日浅間山が噴火する夢を見て起きてしまった。巨大な噴煙がモクモクとあがっていた。浅間山は今年8月7日22時08分頃、噴火している。桜島は11月8日午後5時25分ごろ、南岳山頂火口で爆発的噴火があり、噴煙の高さが火口から5500メートルに達した。そんな出来事が夢となってあらわれたのであろうか。浅間山の火山活動の状況を一応確認すると<噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)が継続> 火口から500mを超える範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなりました。とある。「おい、みんな、もうだめだぞ。噴火だ。噴火がはじまったんだ。てぐす(蚕?)はみんな灰をかぶって死んでしまった。みんな早く引き揚げてくれ。」(グスコーブドリの伝記)宮沢賢治は「グスコーブドリの伝記」でグスコーブドリは苦難の末、イーハトーブ火山局の技師となり、噴火被害の軽減や人工降雨を利用した施肥などを実現させる。しかし27歳のとき、冷害が襲い、苦悩の末、気候温暖化のための火山の人為的な噴火計画の実行役に志願することを決心し、命と引き換えに火山のふもとに居残ることでイーハトーブを救う物語だ。現在では火山の人為的な噴火は生態系に深刻な影響をもたらすことが分かっているが自然災害(冷害・火山)から農民を守ることは農業技師賢治の切実な願いであった。一応、水と非常食を買っておこうっと(^^)
2019年11月11日
難病患者 れいわ舩後氏初質問 音声変換と文字を瞳で示す2019年11月7日難病のALS=筋萎縮性側索硬化症患者のれいわ新選組の舩後靖彦参議院議員が、7日、参議院文教科学委員会で初めての質問を行いました。大型の車いすを使う舩後氏は、冒頭、チューブ状の装置をかんでパソコンを動かし、あらかじめ入力した文章を音声に変換しました。舩後氏は「質問方法などに配慮をいただきありがとうございました。新人議員で未熟ではありますが精いっぱい取り組む所存です」と述べました。質問は秘書が代読して行われ、障害のあるなしに関わらず、子どもたちがともに学べる教育環境を整えるよう求めました。また質問し直す際には、文字盤の文字を一つずつ、舩後氏が瞳で示し、それを秘書が読み上げていました。このあと舩後氏は、介助者を通じて「質問時間が超過して、迷惑をかけたので改善したい」と述べました。また質問を終えた心境を問われ、「ゆく川の流れを変えて新しき海へと向かう友らとともに」という句を介助者が代読しました。参議院文教科学委員会では、舩後議員が円滑に質問できるよう、対応を検討してきました。これまでに、委員会室に介助者などが入ることや、パソコンなどの持ち込みが認められたほか、法案の賛否を舩後氏の代わりに介助者が表明することや質問を秘書などが代読することも決まっています。また、質問をし直す場合には、舩後氏と秘書などが調整する時間を確保するため、委員長の判断で議事の進行を止めることも申し合わせています。7日の委員会では、改めて質問する際に舩後氏が瞳で示した文字盤の文字を秘書が読み上げて答弁を求めました。委員長も舩後氏に割り当てられた時間が減らないよう質問のたびに、議事進行を止めていました。このため舩後氏の質問の持ち時間は25分でしたが、実際はおよそ45分になりました。参議院では、れいわ新選組の議員2人が円滑に活動できるよう、バリアフリー化が進められています。8月1日の初登院の際には、国会議事堂の中央玄関に、登院したことを示すボードまで車いすで行けるよう、スロープが設置されました。本会議場では、大型の車いすに乗ったまま出席できるよう、出入り口近くの席が改修されました。いすが取り外され、足元の段差をなくし、医療機器などを使う際のコンセントも取り付けられました。2人が所属する特別委員会の部屋にも、車いすで出席できるスペースが設けられました。2人を介助する人は本会議場や委員会室に入れることになり、採決では、代わりに手を挙げたり、ボタンを押したりすることになります。一方、議員活動中も2人が公費による介護サービスを受けられるよう、当面費用は参議院が負担することになりました。参議院は、移動手段として、車いすのまま乗り降りできる福祉車両の導入も決めていて、年明け以降に運用が始まる見通しです。今年度中には、2人の控え室がある参議院本館の3階に、多目的トイレも設けられます。難病のALS患者の舩後靖彦議員は、将来的には、本人に代わって意思表示できる「分身ロボット」の導入も希望していて、今後、与野党間で協議が行われる見通しです。参議院文教科学委員会の与党側の筆頭理事を務める自民党の赤池誠章氏は「憲政史上初めてのことで、舩後議員は十分事前の準備をして質問していたので、まずはよかった。今回は速記を止めたが、諸外国の事例を見ると、質問時間の1点何倍という時間の中で、すべての質疑をしてもらう方式もあるので、舩後議員の要望も聞きながら、与野党で協議していきたい」と述べました。菅官房長官は7日午後の記者会見で「障害や難病のある方々が、仕事でも地域でもその個性を発揮して、生き生きと活躍できる令和の時代を作り上げるため、国政の場でともに力を合わせていきたい」と述べました。そのうえで「バリアフリー法に基づく建物のバリアフリー化や、障害者雇用促進法に基づく障害者雇用の推進の取り組みをしっかり後押ししていきたい」と述べました。
2019年11月08日
3・11炉心融解を予言した医師が警鐘 台風に続く「噴火と地震」医師で作家の石黒耀さん(65)。デビュー作『死都日本』(2002年刊行)は、霧島火山が破局噴火し、南九州が壊滅、日本全土が火山灰に覆われさらには他の火山の噴火をも誘導するという斬新な未来小説だった(破局噴火=破局的噴火。山体が崩壊するほどの爆発的大噴火。超巨大火砕流も発生させる)。日本の火山学会は、そのデータの正確さ、科学的根拠に基づく具体的な記述に衝撃を受け、石黒さんを招いてシンポジウムを催した。第2作の『震災列島』では、東海地震、東南海地震が連動して起こり、浜岡原発がメルトダウン、首都圏から中京圏まで広範囲にわたって日本列島に甚大な被害が出る様子を描いた。そして、『震災列島』の刊行から7年、福島第一原発のメルトダウンが起きる.世界中の火山の7%が集中する火山列島であり、4つのプレートに乗る有数の地震国である日本の未来を誰よりも案じる石黒さんに、「災害国ニッポンの生きる道」について訊いた。──いまも日常的に日本各地で火山の噴火が続いています。富士山をはじめ、日本の火山の活動は活発になってきているのでしょうか。富士山も1707年に大噴火(宝永の大噴火)してから、310年以上が過ぎている、いつ覚醒してもおかしくない。東日本大震災の4日後、富士山直下のマグマ溜まりがあると想像されるあたりを震源に、マグニチュード6.4の地震が発生しています。さらに言えば、宝永の大噴火は、南海トラフで巨大地震が発生して49日後に起きています。私たちは、そういう大火山列島の上で生活しているということを常に忘れない、ということが大事です。──火山の国で暮らす上で、まずやらなければならないことはなんでしょう。石黒:まず一番は、原発を止めることです。日本のような火山だらけの国では、原発は手の打ちようがない。すべて廃炉にするしかない。原発は、停電に弱いですから、大きな地震がくれば必ず停電するし、非常用ディーゼル発電で対応したとしても、いずれ制御が難しくなって、結局、汚染事故を起こしてしまう。そんな原発をいまだ廃炉にできないというのが不思議でならない。
2019年10月30日
津波の教訓頭に 岩手・大槌生まれの男性が台風避難ためらう90代夫婦を説得、命救う10/27(日) 台風19号に伴う夏井川の氾濫で浸水したいわき市小川町高萩で、衣料品販売店を営む碇川寛さん(72)はためらう近所の高齢者夫婦を半ば強引に避難所へ移動させ、命を救った。東日本大震災の津波で、甚大な被害を受けた岩手県大槌町の生まれ。震災の教訓が頭をよぎり「万が一のことがあれば、悔やみ切れない」と動いた。 「あのままでは両親は死んでいた。碇川さんには感謝しかない」。村上高也さん(91)、道子さん(92)夫妻の長女(63)は言う。 行政区長も務める碇川さんは台風が接近した12日午後、2人暮らしの村上さん方を妻の泰子さん(68)と訪ね、避難を勧めた。道子さんは店のお客さん。日頃から気に掛けていた夫婦だった。 しかし、2人は「避難しない」と言う。高也さんは10年前から左半身が不自由。大半をベッドで過ごし、避難所が不安だった。 「早くご飯を食べて寝てしまいな。起きた時には台風も過ぎているよ」。東京に住む長女も自宅にとどまるよう両親に電話で助言していた。碇川さんは長女と電話で話したが「大丈夫だから。避難させないでください」とらちが明かない。 「放っておくか」。一瞬そう思った碇川さんだが「後悔したくない。見殺しにしない」と思い直す。大勢が津波の犠牲になった大槌町のことが頭にあった。 親類の養子に入り、いわき育ちだが生まれたのは大槌。震災対応に当たった碇川豊前町長(68)は実弟だ。震災後に何度も大槌に手伝いに行き、全てを奪い去る水の威力を目の当たりにした。■「最悪」想定して 12日夕、地元の消防署分遣所の職員3人の力を借りて高也さんを抱え上げて車に載せ、自力で歩ける道子さんと一緒に夫妻で地区の高萩公民館に避難した。その夜、夏井川から押し寄せた濁流は市小川支所周辺を襲い、碇川さんの自宅は水没。村上さん方の浸水も2メートル近くに達した。 駆け付けた長女は泥だらけになった実家で「甘く見ていた。災害は今まで被害がなかったら大丈夫と考えては駄目」と反省を口にした。高也さんは市内の福祉施設に一時入所し、道子さんは親類方に身を寄せる。 碇川さんは自宅を片付けながら「避難して何でもなかったら『良かったね』と考えればいいこと。最悪の事態を考えて動いた方がいい」と話した。(佐藤崇)
2019年10月27日
「介護に疲れた」妻の首絞めて死なす…自ら通報2019/10/27 高齢の妻の首を絞めて殺害しようとしたとして、福島県警郡山署は27日、同県郡山市神明しんめい町、無職深谷文幸容疑者(63)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。妻は病院に搬送された後に死亡。同署は殺人容疑で調べている。 発表によると、深谷容疑者は27日午前3時15分頃、自宅の寝室で妻のヒデさん(88)の首を絞めて殺害しようとした疑い。「寝ている妻の首を絞めて殺した」と自ら110番した。調べに対し、「介護に疲れた」と話しているという。深谷容疑者はヒデさんと2人暮らしだった。
2019年10月27日
民主主義指数民主主義指数(みんしゅしゅぎしすう、英:Democracy Index)は、イギリスのエコノミスト誌傘下の研究所エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが世界167ヶ国を対象に毎年発表している、各国の政治の民主主義のレベルを5つの部門から評価した指数である。民主主義指数 2018年版順位 国名 スコア 選挙過程と多元性 政府機能 政治参加 政治文化 人権擁護 政治体制の類型 22 日本 7.99 8.75 8.21 6.67 7.50 8.82 欠陥のある民主主義1 ノルウェー 9.87 完全民主主義2 アイスランド 9.58 完全民主主義3 スウェーデン 9.39 完全民主主義4 ニュージーランド 9.26 完全民主主義5 デンマーク 9.22 完全民主主義6 カナダ 9.15 完全民主主義6 アイルランド 9.15 完全民主主義8 フィンランド 9.14 完全民主主義9 オーストラリア 9.09 完全民主主義10 スイス 9.03 完全民主主義11 オランダ 8.89 完全民主主義12 ルクセンブルク 8.81 完全民主主義13 ドイツ 8.68 完全民主主義14 イギリス 8.53 完全民主主義15 ウルグアイ 8.38 完全民主主義16 オーストリア 8.29 完全民主主義17 モーリシャス 8.22 完全民主主義18 マルタ 8.21 完全民主主義19 スペイン 8.08 完全民主主義20 コスタリカ 8.07 完全民主主義21 韓国 8.00 欠陥民主主義22 日本 7.99 欠陥民主主義23 チリ 7.97 欠陥民主主義23 エストニア 7.97 欠陥民主主義25 アメリカ 7.96 欠陥民主主義日本の全体スコアの結果は、4分類中2番目の「欠陥のある民主主義」に分類され、特に政治参加の部門で低い値を出しているのが目立つ。 政治参加の評価にはどのような点が足を引っ張ったのか。 その評価項目から「国政選挙の投票率」と「女性議員の割合」の2点を見てみると 国政選挙の投票率は「International IDEA」という組織が直近の国政選挙の投票率を国別のランキングで比較すると日本は52.66%(2014年 衆議院選挙)で196ヶ国中158位でした。 女性議員の割合については「inter-Parliament Union」という組織が比較し、日本の衆議院における女性の比率が採用されており、10.2%とのことで193ヶ国中165位です。 ちなみにエコノミストの民主主義指標は2006年から継続的に発表されており、時系列で見ると日本の全体スコアは、据え置きかやや低下傾向にある。
2019年10月23日
ユニクロ柳井会長、「日本はこのままでは滅びる」…韓国の反日感情理解10/16(水)ユニクロの創業者、柳井正ファーストリテイリング会長は、韓国国民が感じる反日感情を理解すると明かした。柳井会長は去る9日付で掲載された雑誌のインタビューで「日本が韓国を敵対視するのはおかしい」として、「日本が韓国に反感をもつようになったのは、日本人が劣化したという証拠だ」と主張した。また、「今までの30年間、世界は急速に成長してきたが、日本はほとんど成長できず、先進国から中進国になっていって、もしかしたら開発途上国に転落してしまうかもしれない」、「本屋で“日本が最高”という本を見かける度に、いつも気分が悪くなる」と憂慮の気持ちを語った。続けて日本に対して「このままでは滅びる」と厳しく語り、大々的な改革を求めた。具体的には2つの改革案を提示したのだが、一つ目は、財政支出を半分に減らし、公務員の数も半分に減らすこと、二つ目は、参議院と衆議院がきちんと機能していないとし、議会を単院制に替えることを主張した。
2019年10月17日
今年6月、元農水次官が長男を殺害したとされる事件以降、オレンジの会に寄せられる中高年のひきこもりの相談件数が、倍以上に増えた。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55850?page=2ひきこもりから復活した事例〇「今の苦しみが永遠に続くわけではない」という「希望」を示すことが、よっぽど重要だ不登校の後に高校を中退、その後3年間ひきこもった。本人のことを尊重する家庭環境だったこともあり、徐々に精神も回復。その後私が経営する塾に通うことになったが、しばらくすると「あの時親に迷惑をかけたから」と「自分のアルバイト代から授業料を出したい」と話すようになった。なぜ子どもはひきこもるのか? 「学校に行きたくない」と思う原因は様々だ。いじめの問題、学校の先生との相性、または思春期に特に出やすい睡眠障害もある。そして、「不登校になる理由」と「不登校が続く理由」も異なる。いじめや先生との相性といった問題で不登校になったとしても、「不登校が続いている理由」は生活リズムの乱れだったり、体力の低下だったり、またはSNSなどを通じて孤独を感じづらかったりといったことがある。そのような原因への対処法の前に、親が覚えておきたいのは、「学校に行かなくても、将来の職業的な自立をする手段はある」ということだ。親が安心し、長い目で子どもの将来を見守ることで、子どもの精神状態も回復する。親はどんな行動をやってはいけないのか。たった二つのこと1:外出しないで、子どものことばかり考える2:自分の力だけで解決しようとする「第三者を頼る」学校にはスクールカウンセラーがいるかもしれない。自治体には不登校の方の相談窓口があるかもしれない。不登校・中退の方を対象とした塾も最近は増えてきた。そのような場所にいる支援者は、家族でないからこそ過度な期待を持たず、「今の目の前の子どもが、どうアプローチしたら元気になれるのか」という1点のみを考え、子どもとコミュニケーションすることができる。基礎的な支援の知識と、多数の過去の事例を経験している支援者であれば、的確な声がけの言葉を選ぶことができる。専門家も人間であるから「合う」「合わない」が必ずあるということだ。だから、仮に始めに相談に行ったカウンセラーや支援者に対して「合わない」と感じたとしても、あきらめずに他の支援機関を探って欲しい。
2019年09月28日
老後資金報告書の撤回決定 金融審、「案」のままHP掲載9/25(水) 金融庁の金融審議会は25日、総会を開いた。95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の蓄えが必要と試算して批判を浴びた老後資金報告書の撤回を決定した。報告書は「案」のまま公文書として残し、金融庁のホームページ(HP)に掲載を続ける。金融審に諮問した麻生太郎金融担当相が報告書の受け取りを拒む異例の事態に発展し、取り扱いが宙に浮いていた。総会では「今後は報告書を議題としない」ことを確認。来春以降に別の報告書の策定を目指すが、公的年金や老後の必要な資金額には触れない。
2019年09月26日
架空請求はがき「印刷拠点」 全国で初摘発、10万枚以上のはがき見つかる毎日新聞2019年9月6日架空請求詐欺に使うはがきを印刷したとして、愛知など4道県警の合同捜査本部は6日、東京都豊島区の無職、村上純一容疑者(35)ら男4人を有印私文書偽造や同ほう助の疑いで逮捕、送検したと発表した。都内の事務所などから10万枚以上のはがきが見つかり、捜査本部は詐欺グループの印刷拠点とみて調べている。はがきを使った架空請求詐欺は多発しているが、印刷拠点の摘発は全国初。他に逮捕されたのはいずれも無職で、埼玉県和光市、横尾直也(26)▽東京都北区、五十嵐優(38)▽埼玉県入間市、川辺忠司(41)――の3容疑者。捜査本部は4人の認否を明らかにしていない。 村上、横尾、五十嵐容疑者の逮捕容疑は4日午後8時50分ごろ、東京都豊島区の事務所で、実在しない「訴訟通知センター」名義で、はがきに「民事訴訟最終通達書」などとうその内容を印刷したとしている。川辺容疑者は村上容疑者らにはがきを提供したとされる。 愛知県警によると、事務所から10万枚のはがきが見つかったほか、都内や埼玉県内の関係先などにも段ボールなどに入った大量のはがきがあった。印刷機23台や名簿データが入ったパソコン1台も押収した。【高井瞳】
2019年09月07日
50歳ひきこもり抜粋2019年7月7日「非正規で長く働いてきました。体に負担のかかる仕事ばかりで、どんなに頑張っても、月給は20万円に届かない。結局、転職の繰り返し。しかも精神疾患を患い、自宅にひきこもりました」「ウチしか居場所がない。年を重ねて、就労が難しいこともわかっている。結婚は絶望的でしょう。これからの生活や老後を考えると、胸が苦しくなる」「アルバイトではなくて、安定して働ける仕事を増やしてほしい。お給料は少し安くても、働くことさえできたら、老後不安も消えていくと思う」
2019年07月07日
認知症で余命1か月と言われた88歳女性 薬を見直すと息子さんから入院前の様子を聞いてみました。 確かに軽度の認知症はあったようですが、家の中での生活はおおむね一人でちゃんとできていました。毎日、家の周りを散歩して、コンビニで買い物をして帰ってくるのが日課だったそうです。 ある日、熱を出してぐったりしているところを息子さんが発見し、病院に連れていきました。 診察と検査の結果、診断名は「誤嚥(ごえん)性肺炎」。その場で応急入院となり、点滴と酸素投与による治療が始まりました。 その日の深夜、息子さんは病院から呼び出されました。お母さんが家に帰るといって点滴や酸素のチューブを外してしまうというのです。病院からは「安全に治療を継続するための投薬」を提案され、自宅に帰るか、投薬するかの二者択一を迫られた息子さんは、投薬による治療継続を選択しました。 お母さんは治療に抵抗しなくなり、肺炎の治療はスムーズに進みました。しかし、徐々に動いたり、話したりしなくなり、そして食事もとれなくなってしまいました。肺炎はよくなっているはずなのに、どんどん元気がなくなっていきます。 そして、ある日、入院主治医から「認知症が進行してしまい、食事を認識できなくなってしまっている。回復の可能性は低い」と説明され、それなら家に連れて帰りたい、と、在宅医療が始まったのです。紹介状の文面から、息子さんが飲ませていた薬を確認すると、いずれも強力な抗精神病薬であることがわかりました。これらは治療するための薬ではなく、お母さんが治療に抵抗できないようにするための薬だったのです。 息子さんに薬について説明し、投薬をすぐに中止するよう指示しました。 それから2日、お母さんは目を開き「のどが渇いた!」とはっきりと言葉を発しました。口から水分が取れることがわかったので、点滴を外しました。食事の量もどんどん増えて、訪問リハビリテーションを開始すると、3か月後には家の中を伝い歩きができるようになり、車いすで外出もできるようにもなりました。 そして、それから3か月後。自分で車いすを押して、いつものコンビニまで散歩しているお母さんの姿がありました。 余命1か月と宣告されていた彼女は、その後11年生き、住み慣れた自宅でご家族に見守られて、穏やかに人生の幕を閉じました。亡くなる前日には、大好きだったウナギを家族みんなで食べたそうです。
2019年07月05日
収入「年金のみ」が半数=高齢者、生活の支え-国民生活基礎調査7/2(火) 厚生労働省は2日、2018年の国民生活基礎調査の結果を発表した。 年金や恩給をもらっている高齢者世帯について、これらの収入が総所得の100%を占めると答えた割合は51.1%と約半数だった。恩給の受給者はごく限られるため、収入源が年金のみの高齢者世帯が相当数を占めるとみられる。 17年の割合は52.2%。過去増減はあるが、13年の57.8%から微減傾向が続いている。働く高齢者が増えたことが影響しているとみられる。 老後の資金をめぐっては、公的年金以外に2000万円の蓄えが必要と指摘した金融庁報告書が注目を集めている。老後への不安が広がる中、高齢者世帯の多くが年金を支えに生活費を確保している実態が改めて浮き彫りとなった。
2019年07月02日
スウェーデンにはなぜ「寝たきり老人」がいないのか(抜粋)2015.9.27介護士のアンナ・ヨハンソンさん「この施設(80歳以上の後期高齢者で、在宅で介護サービスを受け続けることが難しい要介護状態)には40人ほどのお年寄りが暮らしています。8割以上が認知症を患っていますが、寝たきりになっている人は一人もいません。自分の力で起き上がれない人でも、毎朝必ずスタッフが手伝って車椅子に乗せます。そして食堂で一緒に食事を楽しむのです。ここでは、何より本人の意思が一番に尊重されます。散歩に出るのでも普通は誰かが付き添いますが、どうしても一人で散歩したいという人がいれば、家族の同意のもと、GPS付きの携帯を持たせて出かけるのを許可します。それで本人が事故に遭ったとしてもあくまで自己責任なので、施設の責任が問われることはありません。もちろん、ベッドにしばりつけるようなこともありません。私たちが行うのは介護であって拷問ではないのですから。アルコールを飲みたいという人には、よほど健康上の理由がない限り、飲ませます。最後まで人生を楽しめるように助けるのが、私たちの仕事なんです」京経済大学の西下彰俊教授「日本では寝たきり状態にある高齢者が150万人から200万人ほどいると言われています。一方、スウェーデンはそもそも寝たきりになる人がほとんどいない。いたとしても、終末期ケアが行われる数日から数週間の短期間だけです」「スウェーデン料理にはアンチョビに代表される塩蔵、スモークサーモンといった燻製、ニシンのマリネのような酢漬けなど塩分濃度が高いものが多い。日照時間が短く野菜もあまり採れないので、荒れ地でも育ちやすいディルのようなハーブ類を多用します。またアルコール消費量も多く、日本人と比べて健康的な食生活を送っているとはとてもいえません」スウェーデンの高齢者は、子供などの親族と暮らすことをしない。夫婦二人か、一人暮らしの世帯がほとんどで、子供と暮らしている人は全体の4%に過ぎない(日本は44%)。「日本では要介護認定されれば、在宅サービスを利用してもいいし、施設サービスを利用してもいい。これは、当該の高齢者や家族が自由に選べる『選択モデル』です。一方でスウェーデンでは要介護状態になったら、できるだけ在宅での介護が行われます。介護付きの特別住宅に入りたいと申請しても、それを認めるかどうかは『援助判定員』というコミューンの専門職員の判断に任せられる。本当の人生の終末期にしか施設に入ることが許さない、『順序モデル』が基本なのです」「スウェーデンを始めとした北欧諸国では、自分の口で食事をできなくなった高齢者は、徹底的に嚥下訓練が行われますが、それでも難しいときには無理な食事介助や水分補給を行わず、自然な形で看取ることが一般的です。それが人間らしい死の迎え方だと考えられていて、胃に直接栄養を送る胃ろうなどで延々と生きながらえさせることは、むしろ虐待だと見なされているのです」アンナ・ヨハンソンさん「スウェーデンでも'80年代までは無理な延命治療が行われていましたが、徐々に死に方に対する国民の意識が変わってきたのです。長期間の延命治療は本人、家族、社会にとってムダな負担を強いるだけだと気付いたのです。日本のような先進国で、いまだに無理な延命が行われているとは正直、驚きました」「この国では、介護の負担はすべて国や自治体がします。『国は一つの大きな家族である』という発想が定着していて、家族が介護のために経済的負担を強いられるということもありません。また、施設を訪れた家族が、食事や入浴の手伝いをすることもまずありません。家族は一緒に楽しい時間を過ごしてもらえばそれでいいのです」北海道中央労災病院長の宮本顕二氏「スウェーデンの終末医療が日本と根本的に違うのは、たとえ施設に入っても原則的に同じ施設で亡くなるという点にある」「日本の場合だと介護施設に入っても、病状が悪化すれば病院に搬送され、本人の意思にかかわらず治療と延命措置が施されます。施設と病院を行ったり来たりして最終的に病院で亡くなるケースがほとんどです。自宅で逝きたいと思っても、延命なしで看取ってくれる医師が少ない。一方、スウェーデンではたとえ肺炎になっても内服薬が処方される程度で注射もしない。過剰な医療は施さず、住み慣れた家や施設で息を引き取るのが一番だというコンセンサスがあるのです」
2019年06月30日
1500万円の貯金が半年で50万円に・・・倒産寸前に陥った薬局が介護者の拠り所に変わるまで6/16(日)(抜粋)薬剤師の渡邊輝さんは「薬剤師か医者になりたい」中学生の頃の純粋な思いを胸に、社会に旅立ち、薬剤師の資格を得て順天堂大学に勤務するようになった。しかし、いざ勤務してみると、患者との付き合いは患者の病気が治ったら終わり。あとはひたすら調剤する日々。薬剤師として、もっと患者を深く知り、向き合っていきたい。その思いは月日を追うごとに強くなり、迎えた2008年。東京・中野に警察病院が移転すると知り、これは、薬局を設立し長く患者と向き合うチャンス、と捉え、貯金1500万円を元手に警察病院前に「なごみ薬局」を設立した。7軒並ぶ薬局のいちばん端に位置した「なごみ薬局」。患者はまったく来なかった。患者は、警察病院を出てすぐ目の前の薬局に次々と吸い込まれていき、いちばん出口から遠い自分の薬局にまでたどり着かなかった。1500万円あったキャッシュは半年で50万円に。倒産寸前に陥った。彼の経験則によれば、50回に1回くらい、薬の服用方法など処方箋の内容が適切でないと感じることがある。だから、少しでもおかしいと思えば、直接医者に問い合わせ、さらに、患者の症状から別の新しい薬を医者に提案した。やがて、医者の間で「なごみ薬局」は評判になり、患者たちにも口コミで広まり、商店街に広まり、ちかくの老人ホームに広がり、どうにか軌道にのることができた。薬局の設立から3年が経っていた。「介護は患者の未来をつくること」そう信じて、患者に寄り添う薬局を運営。その後、より地域に密着する薬局を目指し、薬を自宅に届けるサービスも始めた。この訪問サービスでのある日の出来事が、彼の考えを大きく変えることになる。いつも訪れる80代の女性宅。インターホンをならしても反応がない。事前に約束をしていたのにもかかわらず、中から物音すらしない。窓から中をのぞいてみると、女性が倒れているのが見えた。ドアノブに手をかけると、カギがかかっていなかったため、急ぎ家の奥に入ると女性は尿にまみれた状態で倒れていたのだった。119番して、女性は病院に搬送された。肺気腫による呼吸困難の症状があった彼女は、彼のとっさの対応のおかげで一命をとりとめた。この場にソーシャルワーカーとともに駆けつけてくれた女性看護師が本来吸うべき薬を飲ませたり、冷蔵庫で保管すべき薬を外に出しっぱなしにしたりと、薬の扱いが間違いだらけだった。「介護は、関わっているひとをトータルでケアしないと、全員が笑顔にならない」と強く感じた。「介護カフェ」でカフェ運営のノウハウを教えてもらい、薬局をカフェにしてみることにした。毎月月末、薬局を「介護カフェ」にして、そのときのテーマに沿う講師に来てもらい、参加者たちと話しあう。「1年は頑張ろう」と思い開催してみると、20人の参加者枠に応募が100人以上。それだけ、このような場を必要としている悩みを抱えた介護者たちがいるということだった。こうして「なごみ薬局」は地域密着をすすめながら、かつ、月に一度、介護の最前線で働くひとたちが集う場へと変化した。「介護カフェ」から得たさまざまな情報、ヒントから、彼はいま「患者の未来」をつくるために「おでかけ介護サービス」をスタートし、力を入れている。介護を必要とする人が買い物や散歩など「おでかけ」をしたいとき、その付き添いは保険外になる。しかし、その保険外のサービスこそが、患者の生活の質を上げていくことにつながるのではないか、と感じたからだ。「誰かが一歩を踏み出さなければ、不幸な現実は1ミリも変わらない。しかし、やれば誰かしらちゃんと助けてくれる。行動すれば、社会が味方になってくれる」
2019年06月17日
「老後もできるだけ働く」は現実的ではない抜粋6/15(土) The New York Timesアメリカでは、長く働けば老後は安心だと思っている人が多い従業員給付研究所によれば、労働者の33%が65歳から69歳の間にリタイヤしようと考えており、34%は70歳以降も働くつもりでいるか一生リタイアするつもりがない。ボストン大学退職研究センターによる最近の研究で、実際には労働者の37%が予定より早くリタイアしている。労働者の21%が66歳以降まで働くつもりだと言っていましたが、そのうちの55%が目標年齢に達する前に働けなくなっていた。60代後半や70代前半にお金を稼げると、多くの利点があります。たとえば、年金受給をその分遅らせて、受給額を増やすことが可能になる。年齢が高くなってから稼ぐお金が多いほど、日常の出費や旅行、医療費など老後に必要なことにお金をかけられる。The New York Timesは、健康問題と失業が、予定より早くリタイヤすることになる2大要因であり、年齢が高くなってから健康とキャリアの両面を維持しながら働けても、不測の病気やリストラに遭遇する。「幸せな人生を送る秘訣」「ハーバード成人発達研究」は75年以上にわたり、2つのグループにおける心と体の健康を追跡してきました。対象となったグループは、1939~2014年にボストンで育った貧しい男性456人(グラント研究)と、1939~1944年にハーバード大学を卒業した男性268人(グリュック研究)です。期間がこれだけの長さに及ぶと、調査に取り組む研究者も一世代ではまかないきれません。第二次世界大戦以前から、研究チームは血液サンプルをコツコツ分析し、脳スキャン技術が登場したらそれを導入し、アンケート回答を丹念に読み込み、もちろん被験者と実際に交流して、調査結果をまとめてきました。ハーバード成人発達研究のディレクターを務めるRobert Waldinger教授によると、重要性において、あるひとつのことが、ほかのすべてに勝っているそうです。「75年間におよぶこの研究が明確に示しているポイントは、良い人間関係が私たちの幸福と健康を高めてくれるということです。これが結論です」
2019年06月16日
なぜ日本でこれだけ引きこもりが増えたのか抜粋6/15(土)2019年3月に内閣府が公表した推計値では、40歳から64歳の中高年の引きこもりが全国に61.3万人いるという。キャリアカウンセラーとして引きこもりや就職困難者の支援を行ってきた小島貴子・東洋大学理工学部生体医工学科准教授―今年3月に内閣府が中高年の引きこもりが約61万人と発表し衝撃を持って受け止められました。小島:内閣府の調査では、約61万人と公表されましたが、私たちは100万人近い中高年の引きこもりがいると推定しているので特に驚きはありませんでした。一口に引きこもりの子どもがいる家庭と言っても、さまざまな状況があるのは承知していますが、なかでも多く見られるのはどのような家庭状況でしょうか?小島:親にある程度の経済力がないと引きこもることはできませんから、一定以上の経済力のある世帯に多い。部長、課長クラス以上の世帯に引きこもりと思われる成人の扶養家族がいる。引きこもりの子どもがいる家庭では、夫婦関係が機能していないケースが目立つ。相談に訪れるお母さんの多くが「子育てに失敗した」「私が悪い」と自責の念にかられている。―夫婦関係が機能していない場合、どうすれば再び機能するようになるのでしょうか?小島:単語だけで会話をする夫婦は機能しているとは言えません。会話量と理解力はイコール。ヨーロッパ、特にフランスやイタリア、スペインなどではカフェなどでよく話している光景を目にします。その理由をイタリア人と結婚した親友に聞くと「争わないため」だと言います。ヨーロッパは有史以来、地理的に地続きで争いが絶えなかったので話し合うことで戦争に発展しないようにしていると言うのです。いまでもパートナーや親しい人たちと頻繁に会話するのは争いごとを避けるためだと言います。日本人は言葉にすると逆に争いごとになると思い会話をしない傾向があります。言葉にしないから相手が何を考えているのか理解できずに、忖度して物事を進め、結果的に子どもが深刻な問題を抱えていることがある。夫婦間の会話がないと子どもも自然と話さなくなります。―なぜ日本でこれだけ引きこもりが増えたのでしょうか?小島:社会に欠損があるからだと思います。特に社会に蔓延する「同調圧力」の強さです。―子どもが将来引きこもりにならないために、子育ての中で意識するとよい点はありますか?小島:子ども自身が考え、決定するトレーニングはしたほうが良い。―もし引きこもってしまった場合にはどうすればよいのでしょうか?小島:第三者である行政やNPOなどに相談すると解決はしやすい。「あの子はできるのに、うちの子はできない」と他の子と比較するのをやめましょう。子どもによって発育も違います。他人と比較し、善悪を判断している限り、子育ては終わらないのではない。
2019年06月16日
「夫婦二人になると話題がなくなる」…夫の定年後に妻のストレスが増す理由6/15(土) 更年期は、子供たちが成長して家を出ていく時期と重なります。更年期を迎えた夫婦たちは、実際、何について話しているのでしょうか?子供が独立していくにつれ、話題は減ってしまいます。 大学入学や就職を機に、子供の世話は一段落。かつてなら、その後も結婚の話で盛り上がり、孫が生まれ、家族の話題が尽きることはなかったでしょう。 ところが最近は、結婚する年齢が上昇し、結婚しない人も増えていますので、家族の話題が増えることはあまり期待できません。そう考えれば、夫婦二人になると話すことがなくなるのは、当たり前のことかもしれません。私が更年期の方たちを診療してきた経験から言えば、子供がいるいないにかかわらず、多くの場合、長年連れ添った夫婦に豊富な話題があるとは思えません。 「定年後は、夫婦仲良く旅行を楽しみましょう!」退職後に奥さんと旅行に行きたいと考える男性はかなり多いようです。しかし、女性はそれほどでもないようです。 夫と一緒に旅行をしても、会話は弾まないし、楽しくないのでしょう。特に、妻に生活を依存している夫と旅行しても、それは「日常生活の延長」なので、くつろぐことはできません。 例えば、夫婦二人で旅行に行ったのはいいが、夫はスタンプラリーのように観光地を巡って、一か所でゆっくりできない……という話を聞きます。移動中も食事中もほとんど会話がなく、口を開けば、「切符買ってきて」とか「ちょっと聞いてきて」とか、妻を召使いのように扱う。これでは、夫と旅行するのが嫌になるのも納得できます。 最近では、女性限定の一人旅のツアーが人気のようです。参加者同士、ある程度の人数で行動しますが、女性の場合は、初対面の人でも気楽に話せる人が多いので、すぐにお友達になるのでしょうね。 これに対し、男性の場合は、仕事の相手とは名刺交換などをしてから会話が始まりますが、定年後に名刺や肩書がなくなると、途端に会話のきっかけを失ってしまいます。気楽な仲間を作るのが苦手なのです。〇パニック症と診断された56歳部長 「先生、一番大変だったのは、実は妻でした」子どもがいない、二人だけの生活。それなのに、彼は仕事のことで頭がいっぱい。もともと母親とは仲がよくて、マザコン状態だったが、母親の病気でさらにお互いベッタリの状態になってしまった。妻としては、当然不満がたまる一方だ。 ある日、I雄さんが仕事から遅く帰り、母親との長電話が終わったところで、ついに、妻がキレた。 「このハゲおやじ! 何、やってんだよっ! そんなに、ママが恋しくてたまらないのっ?」 普段はおとなしい妻の怒声に、I雄さんは、 呆然ぼうぜん とした。妻は怒りにまかせて、「ハゲ!」、「クズ!」、「マザコン!」、「デブ!」と繰り返す。 さすがの彼も、ひそかに気にしていた容姿や、母親とのことを侮辱されて怒りが爆発。 「俺をバカにするなっ! ハゲ、ハゲって言うな!」 と大声でどなり、テーブルを強い力でたたいた。彼の奥さんは突然、歌い始めたのだった。 「♪~これもハゲ、あれもハゲ、たぶんハゲ、きっとハゲ…」奥さんは話したという。 「あなたは、ちっとも私のことを見てくれなかった。私を心配させまいとするのはわかるけど、仕事の悩みも打ち明けてくれない。お母さんの病状も教えてくれない。みんな、自分だけで抱え込もうとしている。私がどれほどさびしかったか、あなたにわかる? 『私とお母さん、どっちが大事?』って尋ねても、あなたは答えをはぐらかすばかり。無視されるより、怒られた方がよっぽどまし。そう思って、さんざん怒らせてみた。あなたが本気で怒ってくれて、ああ、ようやくこっちを向いてくれたって思ったの」 「でも、怒って真っ赤になったあなたの顔を見てたら、この前、友だちとカラオケで歌った曲を思い出したのよ。ハゲ、ハゲって言って悪かったわ。ストレスから来てるんじゃないかって、ずっと思ってた。でも、あなたのことが本当に心配。どうか、自分だけで悩まないでちょうだい。私たちは、二人だけの『夫婦』なんだからね…」〇「人間は、みんな、人間関係を修行するために、この世の中へ生まれ出てきている」そんなことを、私は考えています。そして、この人間関係の修行のなかで最大の修行が結婚、というのが私の持論なんです。なぜ、結婚が人間関係の最大の修行かというと、夫婦というものは、世界で一番相性の悪い者同士が好きあって、ひとつ屋根の下で生活をするからです。こんなことをいうと、世界で一番相性が悪い者同士が結婚するわけがないとご指摘を受けそうですが、そう思いたい方はそう思っていただいて結構です。正しいとか正しくないとかいう話ではなく、あくまで私個人がそう思っているだけのことですから。というわけで、話を続けます。世界で一番相性が悪い者同士が出会った瞬間、カチッと、スイッチが入ってしまうんです。そのスイッチのことを、俗に「気の迷い」といいます。すると結婚してしまうんです。どうしてそうなってしまうのか。それは「気の迷い」スイッチが入ると、脳から特殊なホルモンが出るからなんです。このホルモンが出ると、脳が一時的に錯乱してしまう。私はこのホルモンのことを、"ヘナモン"と呼んでいます。この"ヘナモン"というホルモンは、不思議なもので、相手が変な人であればあるほど、分泌量が増えるのです。だから、周りの人が「あの人は変な人だ」と忠告しているにもかかわらず、結婚してしまったりします。神社の神主さんが新郎新婦を前にムニャムニャいった後、三々九度になるのですが、あのお神酒を飲み干した瞬間、ほら貝が鳴り、「いざ出陣!!」となるわけです。教会で結婚式を挙げた場合は、チャイムがゴング。あのゴングが鳴ると同時に、無制限一本勝負がはじまる。どういうことかというと、結婚するとこの"ヘナモン"が徐々に減り出すんです。すると、目が覚めて、相性の悪い人間と一緒になってしまったことに気がつく。大概、相手は自分が嫌がることをするんです。誤解しないでくださいね、私は、結婚はしないほうがいいと、いっているわけではありません。結婚はしたほうがいいんです。なぜかというと、結婚式をしているときが幸せで、別れたときは倍しあわせ。そのうえ、夫婦でいる間に修行になるんですから。何の修行かというと、人は人を変えられない、という人間関係の修行。そのことを学ぶために、相性の悪い人間同士が一緒に合宿生活するんです。この修行を乗り越えるには、まず、相手に絶対期待しないこと。それから、相手を絶対変えようとしないこと。この二つしかありません。それはなぜかというと、人は他人に自分を変えられたくないんです。変えられたくないから、互いに正当性を主張し合うんですけど、どっちが正しいか、じゃないんです。育ってきた環境とか、生活様式がお互い違うだけなんです。自分が育ってきた場所では正しかったことでも、他人のところではそうではないことがあるんだから、互いが「自分が正しくて、相手が悪い」と、いい合っていたら、キリがありません。人間関係をよくしたいと思うならば、相手を変えるより、自分が変わる以外に術がありません。よく結婚式で、新郎新婦が「言いたいことは言い合える夫婦になりたい」とかいいますが、あれはいけません。夫婦でも、お互いいいたいことをいい合ったら、壮絶なバトルに発展します。夫婦でさえそうなのだから、お互いマナーというものをもって、相手の気持ちを思いやりながら話す、というのをやっていかなくてはいけません。ちょっと気取っていえば、「ウイットのある言葉」というのでしょうか?話す言葉が明るくて笑いがある。斎藤一人・著 ツイてる!より
2019年06月15日
ひきこもり100万人時代 : 中高年層は8割が男性社会 2019.05.29内閣府が40~64歳の中高年層を対象に実施した「生活状況に関する調査」で、ひきこもり状態にある人が全国で61万3000人いるとの推計結果が出た。2015年度に実施した15~39歳を対象にした調査では54万1000人がひきこもりと推計された。調査時期や手法は異なるものの、国内のひきこもりが100万人規模に達している可能性がある。男女比は、男性が76.6%と圧倒的に多い。ひきこもるきっかけ(複数回答)となったのは「退職」が29.1%と最も多い。「中高年ひきこもりは自己責任か?」精神科医・斎藤環が予測する「孤独死大量発生」時代60万超の「中高年ひきこもり」が一斉に年金需給申請をする日「文藝春秋」編集部 2019/05/17source : 文藝春秋 2019年6月号「中高年のひきこもりでは、1日、何もしていない人が半分ぐらいいます。ベッドで横になったり、ソファに座っていたり。頭の中でいろいろ考えて葛藤しているから、退屈は感じないそうです。部屋に籠ってネットやゲームに没頭している印象を持たれがちですが、それは実は少数派。ひきこもっている人は自責的になっており、自分には娯楽を楽しむ資格はないという思いがあるようです。思い詰めすぎた結果、鬱などを発症してしまうケースもあります」「私が案じるのは、そもそもひきこもりの半数以上は、年金や生活保護の受給申請をしないかもしれないということです。役所で手続きをする生活能力の問題もあるし、何より恥だと感じて申請しない人も多いのではないか。その場合、あとは孤独死しかありません。やがて“孤独死大量発生時代”がやってくるでしょう」
2019年06月02日
●10年以上医療機関受診せず ネット環境もなし 引きこもり相当長期か 川崎19人殺傷2019.5.31川崎市多摩区で私立カリタス小の児童ら19人が殺傷された事件で、岩崎隆一容疑者(51)=犯行後に自殺=が、10年以上にわたり医療機関を受診した形跡がないことが31日、捜査関係者への取材で分かった。また、自室にはゲーム機などはあったが、インターネットに接続する環境はなかったことも判明。神奈川県警多摩署捜査本部は、引きこもり生活が相当な長期間に及んでいたとみて動機の解明などを急いでいる。 捜査関係者によると、岩崎容疑者は保険証は所持していたが、10年以上に渡り通院した形跡はなかったという。交友関係も確認されず、世間と断絶した生活を長期間継続していたとみられる。 自室にはテレビやゲーム機などはあったが、スマートフォンやパソコンなどの電子通信機器は所持していなかった。また、インターネットに接続する環境自体がないことも判明、外部との通信をしていなかったとみられる。 一方、岩崎容疑者は伯父夫婦と同居していたが、トイレや食事のルールを作り顔を合わせないようにしていた。伯父夫婦との断絶も相当長期に及んでいたとみられ、県警が犯行後に岩崎容疑者の顔写真を示して身元確認を求めたが、伯父夫婦は本人かどうかの自信を持てないような反応を示していたという。 また、この身元確認の際に、伯父夫婦は「あの人は髪が長い。こんなに髪が短くない」などとも話していたといい、直前に短髪にした可能性もあるとみられる。 岩崎容疑者の自宅の家宅捜索ではノートなども押収されているが、日記などの類いではなく動機につながるものは確認されていない。捜査本部は岩崎容疑者の生活状況などの調べを進め、動機の解明を急いでいる。●引きこもり男、仕事促した母の頭殴る…妹を刺す6/1(土) 5月31日午後5時10分頃、福岡市博多区板付4の路上で、女性が倒れているのを知人が見つけ119番した。駆けつけた警察官が、女性が住む近くの市営住宅に向かったところ、室内で男女2人が血を流して倒れているのを発見。男は腹部から出血しており、間もなく死亡が確認された。福岡県警は男が女性2人を刺すなどした後、自殺を図った疑いがあるとみて、殺人未遂事件として捜査している。 県警博多署などによると、男は40歳代で、路上で倒れていた女性(40歳代)は妹とみられ、胸に刺し傷などがあった。部屋にいた女性(70歳代)は母親とみられ、頭から血を流していた。2人は病院に搬送されたが、重傷という。 この部屋に警察官が駆けつけたとき、室内から煙が出ており、布団の焼け跡が見つかったという。 同署によると、母親とみられる女性は警察官に、「引きこもりの息子に仕事をしなさいと言ったら口論になり、殴られた」と説明。妹とみられる女性も「家に帰ってきたところ兄に刺された」と話しており、部屋から逃げ出し、路上で倒れた可能性がある。 同署は、男が母親と口論になり、頭部を金づちのようなもので殴り、帰宅した妹の胸も刃物のようなもので刺したとみて捜査している。●元農水事務次官、殺人未遂容疑で逮捕 死亡した長男は近所で「姿見かけず」 6/2(日)1日午後3時半ごろ、東京都練馬区早宮の民家で「息子を刺し殺した」と男から110番があった。警視庁練馬署員が駆けつけたところ、男性が1階和室の布団の上で胸などから血を流して倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。同署は男を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。 同署などによると、逮捕されたのは元農林水産省事務次官の熊沢英昭容疑者(76)。亡くなったのは容疑者の長男英一郎さん(44)。「長男を包丁で刺したのは間違いない」と供述している。捜査関係者によると、英一郎さんは仕事をしておらず、自宅にいることが多かった。家庭内で暴力をふるうこともあったという。殺人容疑に切り替えて調べる。 同署によると、熊沢容疑者は妻と英一郎さんの3人暮らし。近所の女性は「息子の姿は全く見たことがない。(熊沢容疑者は)あまり近所では話をしなかったが、腰の低い人だった」と話した。【金寿英、最上和喜】●「仕事に不満」ボーガンで医師の父の頭撃つ 殺人未遂容疑で29歳長男逮捕 北海道毎日新聞2019年5月18日北海道警門別署は18日、ボーガンで父親を殺害しようとしたとして、北海道日高町富川南、介護士、谷井護容疑者(29)を殺人未遂容疑で逮捕した。容疑は、11日午前10時ごろ、住居兼職場の老人介護施設内で、この施設に勤務する医師で父親の広樹さん(59)に向けて至近距離から矢を発射し、殺そうとした疑い。広樹さんは下唇を貫通する裂傷を負ったが、命に別条はないという。同署によると、谷井容疑者は広樹さんの長男で、矢を発射した後に乗用車で逃走。事件から5日後の16日に家族から捜索願を受けた道警が17日夜、日高町から約300キロ離れた森町で谷井容疑者を発見。事情聴取で事件が発覚した。 谷井容疑者は「日ごろから仕事などに不満があり、殺そうと思った」などと供述しているといい、同署が詳しい動機を調べている。矢は広樹さんの下唇を貫通した後、歯に当たって止まった。 施設は家族で運営されている。事件があったのは家族の居住スペースで、利用者に影響はなかったという。【福島英博】
2019年06月02日
〈長崎市で2018年8月、母子2人暮らしのアパートで母親=当時(76)=の遺体が見つかり、息子(48)が死体遺棄容疑で長崎署に逮捕された。関係者によると、息子は無職で長年ひきこもり状態だったという。(中略)「異臭がする」 8月20日午前。県警に匿名のメールがあった。駆け付けた警察官が2階の部屋で女性の遺体を見つけた。遺体はごみの山に埋もれるように横たわっていた。(中略)息子は、「4、5日食事を取らないし、(母親は)やっぱり死んでいたのか。亡くなっていることに気付かなかった」と供述し、容疑を否認しているという。住民らによると、息子は父親の死後、定職に就かず母親の年金などで生活していたとみられる。アパートの周りに大量のごみを放置し、近隣住民とトラブルになっていた〉(前掲書より:改行を省略・以下同)『親の「死体」と生きる若者たち』(青林堂)著者の山田孝明氏(64)が解説する。「この息子の姿は、支援が届かなかった“無援仏”に見えますね。親を弔うという文化さえ壊れてしまっています。結婚せず、就職に背を向け、長い期間ひきこもってきたわけですから、社会から排除されたと思っています。親が死んでも、なんで今さら社会に戻れる、というわけですね。2013年12月、大阪で自分の父親(68)が亡くなったのに、“ひきこもりだから”という理由で息子(34)が通報しなかった事件がありました。ひきこもりだからという言葉は、真摯に彼の内面をとらえているように思えます」 昨年10月にも、同様の事件が起こった。〈自宅に母親(76)の遺体を遺棄したとして、神奈川県警金沢署は2018年11月5日、死体遺棄の疑いで、横浜市金沢区の無職の長男(49)を逮捕した。長男は「10月中旬ごろに母親が倒れた。何もできなかった」などと筆談で説明、容疑を認めている。長男は5年ほど前から母親と2人で暮らしていた。11月4日に自宅を訪ねた妹(45)が、顔にタオルがかかった状態で亡くなっている母親を発見、119番通報した。(中略)妹の説明では長男は「小学生のころから会話をしなくなり、最近はひきこもっていた。母親が買い物などをして面倒をみていた」と話している。長男は調べに筆談で応じ「台所でガタンと音がし母親が倒れていたので、布団に寝かせた」「3日後には死んでいて腐敗臭がしたため、鼻や口にティッシュを詰めた。死亡したのはわかったが、何もできなかった」。なぜ通報しなかったのかと尋ねたところ、「人と話すのが怖い。妹が来ると思っていた」などと説明しているという。〉(前掲書より)「小学生から会話をしなくなり、人と話すのが怖い、という説明が印象的ですね。彼が40年以上も会話をせず、母親が彼と妹さんを抱えて生活を支え、妹さんが独立したあと、彼は母親と生き続ける。終わることのない出口の見えない道を歩き続けたことが推測されます」 山田氏が、ひきこもりの若者を支援するようになったのは1994年。京都市東山区で「ライフアート」を設立した。「大検の予備校に勤務していたのですが、そこにはひきこもりの若者が多かった。教室に入っても不安で座れないとか、電車がしんどくなって10日しないうちに来なくなる。それなら、若者たちに安心できる居場所を与えようと思ってライフアートを始めたのです。どうしたら若者たちが社会的日常生活を送れるようになるか、マニュアルなんかありません。手探りでしたが、ひとつは褒めてやること。子は親に認めてほしいと思っています。学校の成績が良くて褒めるとかではなく、たとえば、髪の毛がきれいだとか、笑顔が素敵。最高の褒め言葉は、生きているだけで嬉しい、ですね。それで安心してコミュニケーションができるようになり、友達ができれば一歩前進です」 ライフアートの設立後、ひきこもりの子を持つ家族の会「オレンジの会」を京都、大阪、神戸、名古屋と次々に立ち上げた山田氏は、これまで数百名ものひきこもりの当事者や家族を支援してきた。「ライフアートやオレンジの会では、無償で支援していますので、中央市場などでアルバイトをして支援費用を稼いでいました」 そして2017年4月、8050問題で苦しむ家族を支援する「市民の会 エスポワール」を主宰する。「20年前から、8050問題が起こることはわかっていましたが、8050にまで行ってしまうと、僕のこれまでの経験から言って、もはや手遅れです。50歳くらいになるまでひきこもった人は、もう固まってしまって、会って話をしても難しい。80代の親は自分を苦しめる子に対して恨みを抱いているし、子のほうは自分がこうなったのは親の所為と思っています。だから親子は一緒に暮らしていても口も利かないで疎遠になっているのです。この苦境から逃れるには死しかない、と」 こういう状況が続けば、悲劇的な結末は避けようがない。
2019年05月30日
行き場のない「核のごみ」 国内最終処分、議論も始まらず5/25(土) 原発保有国の課題である高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分について、政府は各国の知見を共有する会議の設置方針を明らかにした。日本では1万6000トン以上の最終処分が必要になると想定されているが、処分の基準を定める原子力規制委員会の議論も始まっていないのが現状で、政府は各国との研究協力を進めたい考えだ。原発からは必ず高レベル放射性廃棄物が発生する。一義的には、再処理してプルトニウムなどを取り出した後に残る廃液などを指すが、再処理しない場合は使用済み核燃料自体が核のごみとなる。 国は核燃料サイクル政策として、青森県六ケ所村に建設中の再処理工場で再処理を計画した。計画では、フル稼働で年間最大800トンの使用済み核燃料から、約400トンの核のごみが発生する。再処理工場は2021年度上期の完成を目指して規制委の安全審査を受けているが、稼働は見通せていない。 各原発の燃料プールの保管容量は逼迫(ひっぱく)している。燃料プールなどに保管中の使用済み核燃料からは計約1万トンの核のごみの発生があるとの試算もある。 このため規制委は22日の会合で、九州電力玄海原発3号機(佐賀県玄海町)について、プール内の燃料の間隔を詰めて保管量を増やす方法「リラッキング」と、空冷の「乾式貯蔵」施設新設を併用する方針を容認した。電気事業連合会も両方式併用などで保管容量拡大を目指す。ただ、いずれは再処理の有無にかかわらず、最終処分しなければならない。 日本も締結する使用済み核燃料関連の条約は、核のごみの発生国での原則処分を規定している。政府は17年7月、最終処分場選びの基礎資料「科学的特性マップ」を公表し、原子力発電環境整備機構(NUMO)など
2019年05月26日
「あのとき話し合っておけば…」ゲーム依存、息子は引きこもりに 母の後悔5/12(日) 福岡市の住宅街。辺りがすっかり寝静まった午前3時、浩樹(16)=仮名=の自室から怒鳴り声や笑い声が響いてくる。「おまえ行け、おまえ行け」「ほんとうざい」浩樹が高校を休みがちになったのは今年1月。スマートフォンを与えた中学時代からゲームに夢中になっているのは知っていたが、毎日登校し、部活もおろそかにしなかった。だがこの年明け、お年玉で自らタブレット端末を買うと、一気に昼夜が逆転した。 「勉強に付いていけないからやめる」。3月、期末試験も追試も受けず、1年間で高校を中退した。 浩樹が寝るのは毎朝7時。夕方に起き出し、午後7時ごろからゲームを始める。ゲーム仲間と“待ち合わせ”をし、バトル系ゲームに熱中する。100人が最後の1人になるまで生き残りをかけて銃で殺し合うのだという。 この数カ月で体は痩せ顔は青白くなった。浩樹は「悩みはない」と言うが、ゲームにのめり込むことで目の前の問題から目をそらしているように見える。「高校で自分の居場所や楽しみを作れなくて、心の空洞にゲームがすっぽりはまっちゃったのかな」。由紀は推測する。 「夜中はやめて」「そんな生活じゃ働けないでしょう」。ゲームの時間を減らすよう言っても聞かない。「ゲーム依存じゃないの」と向けると、「そう思いたいなら、思えば」。アルバイトで金をためて家を出るよう勧めたが、面接を一度受けに行ったきり、家から出なくなった。 無理やり端末を取り上げることも考えた。でも唯一熱中できるものを失い、無気力になったら。自暴自棄になって荒れたら。そう思うと強く出られない。シングルマザーで、息子が心を閉ざしてしまうことだけは避けたい。3月、福岡市で開かれている不登校や引きこもりの親の会に足を運んだ由紀は、「うちだけじゃない」と感じた。 「『友達も持ってるから』『連絡取るのに必要だから』。そう頼まれて、簡単にスマホや端末をOKしてしまった。あのとき、ちゃんと使い方やルールを話し合っておけばよかった。手遅れですよね」。由紀は後悔を口にした。 引きこもりとゲームの密接な関係。効果的な解決策も、子どもの行き着く先も見えず、親たちには不安ばかりが募っていく。ネットやゲームで生活リズムが崩れていく子どもを間近で見る親はつらい。ネット依存外来を全国で最初に設置した国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)は親の不安を受け止め、対応を学ぶ場を設けている。依存症の診断の有無を問わず、親が参加できる「家族ワークショップ」を3カ月に1回程度開き、治療を終えた家族の体験談などを通して、子どもへの接し方を考えてもらう。 子どもを一方的に責めたり、親の考えを押し付けたりするのではなく、本人が問題に気付き、変わる意欲を持つよう促す接し方が大切という。同センターは「成績低下や不登校、暴力などの問題が生じ、家族が介入しても改善しない場合は、早めの受診を」と呼び掛ける。 福岡市では今年2月、家族のための自助グループ「オルガノン福岡」が発足した。子どもの受診を悩んでいる親や、相談先がなく孤立している親などこれまでに約10人が参加。発起人の一人は「ネット依存は家族も精神的に追い詰める。家族が気持ちを吐き出し、穏やかな生活や健康を取り戻す場になれば」と話している。
2019年05月12日
50代夫婦1000名に聞いた定年対策 実態調査【第1弾】定年後について夫婦で話し合っている わずか4割「定年退職後も夫には外で働いてほしい」86.5% 老後の暮らし方、3割が配偶者との希望に相違あり老後について話し合っている夫婦ほど、老後生活のお互いの希望に相違ないと回答高齢者の就労支援を行う株式会社マイスター60(本社:東京都港区、社長:小倉 勝彦)では、4月22日の「よい夫婦の日」と4月28日の「シニアの日」に合わせ、妻と同居している全国の50代男性会社員500名、および50代男性会社員を夫に持ち現在同居している女性500名、計1,000名を対象に定年退職後の仕事や生活についてのアンケート調査を実施いたしました。老後の暮らしに関しての夫婦間の情報共有状況などの“定活”状況や、定年後に希望する働き方などについて定年退職後の働き方の希望、「今の会社の再雇用制度を活用」が最多、男性47.5%・女性37.4%何歳まで働きたいか、男女共に「61~65歳まで」が最多老後の生活について「自身と配偶者の希望に相違があると思う」31.8%、4人に1人が相手の希望を把握していない実に6割近くの方が老後の仕事や生活について夫婦で話し合っていない実態夫婦で老後についてしっかりと話し合っていると回答した人ほど、老後の生活の希望に夫婦間で相違がないと思うと回答する割合が高い傾向何歳まで働きたいですか?男性・女性ともに「61~65歳」が最多男性500名に、現在働いていると回答した女性275名を加えた計775名を対象に、いつまで働きたいかについて聞いたところ、男女共に最も多かった回答は「61~65歳(39.4%)」という結果になりました。また女性では「年齢関係なく働けるうちはいつまでも」が26.9%と比較的高い結果となりました。退職後も働きたいと思う理由を聞いてみたところ、男女共に最も多かったのは「お金や生活費のため(男性81.6%/女性76.4%)」でした。2位以降は男女で回答に差が出ており、男性は「やりがいや生きがいのため(31.0%)」、女性は「社会や人との繋がりを持ちたいため(41.7%)」と続きました。男女1,000名を対象に配偶者との夫婦仲を聞いたところ、「とても仲がよい(20.3%)」、「どちらかというと仲がよい(40.9%)」を合わせると、61.2%の方が「夫婦仲が良い」と回答しました。一方で、「どちらかというと仲が悪い(8.7%)」や「とても仲が悪い(3.6%)」と回答した方もいました。定年退職後の暮らしや仕事について、配偶者と話し合っているかどうかという質問とクロス集計したところ、夫婦で老後について話し合っていると回答した夫婦ほど仲がよいという傾向も見られました。配偶者には定年後も働いてほしいと回答した403名の女性に対して、定年退職後も外で働いてほしいと思う理由について聞くと、「お金や日々の生活費のため(77.2%)」と回答した方が最も多く、次いで「配偶者にずっと家に居られたくないから(49.6%)」、「配偶者の肉体的健康のため(45.7%)」、「配偶者の精神的健康のため(45.7%)」と続きました。その他の自由回答としては「ボケ防止のため」や「社会との関わりを持ってもらうため」といった回答もありました。
2019年05月03日
<原発のない国へ>再生エネ100%達成 ポルトガルの挑戦力発電所のダム湖の水面に八百四十枚の青色の太陽光パネルがきらめく。ポルトガル北部、スペインとの国境に近いアルト・ラバガン・ダム。水力と太陽光発電を組み合わせた世界初の試みだ。「変電施設が一つで済む。環境への負荷を減らすことこそ、再生可能エネルギーを進める上で重要です」。ポルトガル電力のルイ・テイシェイラ執行役員が強調した。 再生エネの複合システムは二〇一六年十一月末に完成した。年間発電量は水力が約二万八千四百戸分に相当する八五・二ギガワット時、太陽光は百戸分の三百メガワット時を生み出す。仏シエル・テール社製のパネルは防水機能があり、プラスチック製のフロートは耐用年数二十年で再利用もできる。 こうした取り組みを重ねた結果、ポルトガルは今年三月、全人口千三十万人の月間消費量の100%相当を再生可能エネで生み出すことに成功した。 ◇ 日本政府は四年ぶりに決定したエネルギー基本計画で、二〇三〇年度の全電力量に占める再生エネの比率目標を従来通り22~24%に据え置き再生エネ導入が急速に進む世界との差があらためて鮮明になった。四〇年までに再生エネ100%化への完全移行を目指すポルトガルの現場を歩いた。◆太陽と水 組み合わせ 発電量増、世論も後押し 水力と太陽光発電を組み合わせたポルトガル北部のアルト・ラバガン・ダムの発電設備。太陽光パネルを水面に置く効果は高い。パネルの冷却効果で、地上に比べて発電効率は4~10%上昇。湖面から水分の蒸発を抑え、水力発電の敵となる藻類の繁茂も抑えられ、「農業用地も奪わない」(仏シエル・テール社のカミーユ・マルリエールさん)。水力発電所に併設したため、太陽光用の土地開発や送電施設も必要なく、投資総額は四十五万ユーロ(約五千八百五十万円)で済んだ。 ポルトガル電力関連会社の事業責任者ミゲル・パテナさんは「太陽光パネルのおかげで、電力需要に合わせて水力発電の放水をしなくて済む時が出てくる。その分を次回の発電に取っておくことができます」と解説する。再生可能エネルギーは天候や季節に左右されやすい。複数の発電源が補完的に働くことによって、電力をより安定的に供給できる。 ポルトガルでは第二次大戦後間もなく原発の研究が始まった。実験施設の建設は一九五〇年代から進み、五九年には国内最大規模のウラン鉱床が見つかった。だが、アンゴラ、モザンビークなどアフリカの植民地の独立戦争に追われ、経済は疲弊。商業炉建設は進まなかった。 長く続いた独裁政権が七四年に軍事クーデターで倒れると、二年後に初めて公表された原発建設計画に対する反対運動が一気に広がった。七九年三月の米スリーマイル島原発事故で反対運動はさらに拡大。原発はタブー視され、政府も石油や天然ガスの輸入に頼らない国産エネルギーとして、南北に長い海岸線を生かした風力や水力発電を進めてきた。 今年三月には、国の全人口約千三十万人の月間消費量の100%相当を再生可能エネルギーで生み出すことに成功。例年は風力が24%、水力が25%程度だが、四倍近い降水量をもたらした暴風雨がそれぞれ42%、55%に押し上げた。年間日照時間が日本の約二千時間程度に比べて格段に長く、二千五百~三千時間とされる太陽光にも期待がかかる。 非原発を求める国民の声も大きい。隣国スペインには原発計七基があり、うちポルトガル中部との国境近くにある原発には、たびたびポルトガルの市民団体が抗議に訪れる。北部の街ポルトで働くラケル・エイラスさん(27)は「事故が起きたら、スペインだけの問題じゃない」と懸念を示す。「世界で事故が起きているのに、安心なんてできない。イベリア半島から無くしてほしい」 一方で「電気代が高い。少しでも安くなるなら原発でも構わない」との声も。リスボンの下町でクラスパウラ・フェルナンドスさん(52)は「原発を持ってないなんて知らなかった。生活が厳しいから、少しでも安くなれば」と漏らす。 ポルトガルは二〇一一年、財政危機に陥り、欧州連合(EU)に金融支援を要請。その後、財政再建を進めて立ち直りつつあるが、家賃や光熱費、食費などが軒並み上がり、「原発なら安い」と信じる住民も多い。 だが、ポルトガル電力のテイシェイラさんは「原発は高い」と言い切る。「建設や解体、極めて長期間になる放射性廃棄物の管理など、維持費は膨らみ続ける。原発を放棄した選択は正しかったのです」2017年5月21日の国民投票結果スイス、脱原発と省エネへ 国民投票で可決21日、スイスで新エネルギー法の是非を問う国民投票が行われ、賛成58.2%、反対41.8%で可決された。投票率は、42.3%だった。新エネルギー法は、2050年までに脱原発を実現するため、再生可能エネルギーを促進し、省エネを推進する。新エネルギー法は、スイス国内にある原子力発電所全5基を順次廃止し、再生可能エネルギーの促進と省エネを推進する。 今回可決された「新エネルギー法」は、エネルギー転換を目指す改正法案で、「エネルギー戦略2050」をベースとし、スイス国内にある原子力発電所5基の稼動を順次停止しながら、原子力発電所の改修や新設を禁じる内容となっている。スイス政府は、同法案を2011年の福島第一原発事故直後から年月をかけて慎重に策定し、連邦議会は昨年9月に承認した。ところが、右派の国民党が同法案に反対したことでレファレンダムが成立し、今回の国民投票に至ったが、最終的には国民の支持を得た。 新法は、原発に取って代わる再生可能エネルギーを促進し、2035年までに、水力や風力、太陽光、バイオマスなど多様な再生可能エネルギー源を組み合わせる「エネルギーミックス」にし、太陽光や風力発電量を現在の4倍にして電気の安定供給を図る。2050年までに脱原発を達成するため、水力発電(2050年目標、約55.9%)と水力以外の再生可能エネルギー(同年、約30.6%)を拡大し、不足分を天然ガス・化石燃料発電(同年、約13.5%)で補う。 また、それと同時に、2035年までに年間1人あたりのエネルギー使用量を2000年比で35%減らす省エネと、エネルギーの効率的利用の促進を目指していく。節電を促しながら、建物や自動車、電気製品のエネルギー効果を高めて燃料消費を削減し、エネルギー消費全体を抑える。
2019年04月27日
中高年のひきこもりは61万人以上2019年3月29日内閣府は29日、中高年で“ひきこもり状態”にいる人が全国で61万人を超えるとの調査結果を発表した。 若年層を対象にした過去の調査でひきこもりの長期化が確認されたことから、政府は中高年を対象にした調査を初めて実施。この結果、全国の40~64歳の男女で、推計で61万3000人が“ひきこもり状態”にあるという。15~39歳が対象の2015年調査に比べ、中高年の方が7万人以上多く、男女比は4分の3以上(76.6%)で男性が多かった。「ひきこもり」の定義は、自分の部屋からほぼ出ない、外出は趣味の用事や近所のコンビニへ行く程度などの状態が、6カ月以上継続した人のことを指す(仕事をしている人は除く)。 ひきこもりの期間は、「3年以内」が27.7%で「3~5年」が21.3%、「10年以上」が17%で「30年以上」も6.4%いるとされる。きっかけは、「退職」が36.2%で、「人間関係」「病気」がともに21.3%、「職場になじめず」が19.1%など。若年層は「学校」がきっかけとなりやすいのに対し、中高年は「職場」が多い。 また、普段利用しているものについて、「携帯電話での通話」はひきこもりが53.3%でそれ以外が84.4%、「携帯電話でのメール」はひきこもりが36.2%でそれ以外が66.6%、「ウェブサイトの閲覧・書き込み」はひきこもりが14.9%でそれ以外が22.6%、「SNSの閲覧・書き込み」が10.6%でそれ以外が13.3%と、ひきこもり状態の人の割合のほうが低かった。 ドラマなどで描かれがちな、「暗い部屋でパソコン画面に向かう」といったひきこもりのイメージ。BuzzFeed Japan記者の神庭亮介氏は「社会と繋がれていない、繋がる相手がいないからこそ孤立して、SNSに書き込みをしたりネットを閲覧したりする人が少ない」として、「(ひきこもりに)抱いているイメージを変えなければならない」と指摘する。 さらに深刻化しているのが、高齢の親(80歳)がひきこもりの子ども(50歳)の面倒をみる「8050問題」。神庭氏は「今回の調査で問題の根深さが浮き彫りになった。今のひきこもりの支援は“就労支援”が主だが、20~30年と長期に渡ってひきこもり状態の人にいきなり『外に出て働け』と言うわけにもいかない。就労支援以前の、ワンクッション挟んだ支援が必要なのではないか」との見方を示した。 中高年ひきこもりのきっかけとなっている「退職」。神庭氏は、クビや派遣切りにあった人も含まれているのではないかと指摘。「一度退場を余儀なくされてしまった人が、再チャレンジできるような仕組みづくりが必要」とも述べた。(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)◎鈴木藤三郎は「人たるものは上は一国の帝王より、下は一家の下男下女に至るまで、職務を本位として誠心誠意、力のある限り、各自の職に尽くすべきものであるという意味です。」と職務本位主義を唱えた。・今日世間に現存している人間は、天地の恵みと祖先の遺徳とによって、現代の開明に浴している。・人たるものはこの大恩徳を報いる心がけが必要である。・いかなることを為してこの大恩徳に報いることができるかといつと、現代の我々は倍々勤労を積みて、人の幸福となるべきことを拓き、祖先の遺徳に加えてこれを後代に譲り、子々孫々、またかくのごとくにして、数百千代の後には、この世界をして、ついに円満無欠の楽土となすようにつとめること、これがすなわち大恩徳に報いる所以であり、また、人間仲間に、一貫した人生の大目的でなければならない。また、広井勇の信念は「生きている限りは仕事をする。仕事ができなくなった時、その時が自分の死ぬ時である」であった。こうした覚悟を持ち続ければ、たとえ事情があり働けなくなっても「ひきこもる」ことはあるまい。
2019年03月29日
「どのツラ下げて来てんのか」「(会社に)謝るんだよ」 ディズニーランドの“キャラクター出演者”訴訟 原告側が職場復帰時のパワハラ問題を追加提訴3/26(火) 東京ディズニーランド(千葉県浦安市)で“キャラクター出演者”としてショーやパレードに出演していた女性社員2人がオリエンタルランドの「安全配慮義務違反」を訴えている裁判で、原告Aさんが職場復帰時に「どのツラ下げて来てんのか見に行ってやろうぜ」「(会社に)謝った方がいい。謝るんだよ」と先輩らから圧力をかけられたことを陳述し、新たにパワーハラスメント(パワハラ)についても提訴しました。(略)ブラック企業大賞2018が12月23日に発表されました。三菱電機が大賞を受賞しました。 三菱電機では長時間労働を原因として、社員5人が精神障害や脳疾患を発症し、2014年から2017年にかけて相次いで労災認定されました。うち2人は過労自死しています。
2019年03月26日
年金機構、ツイッター広告を削除 「ガチヤバイ」で炎上 共同通信社 2019/03/15 19:27 「ガチヤバイ!? 新社会人のみなさまへ 受け取る年金少なくなってない!?」。日本年金機構がツイッター上に載せた新社会人向けのこんな広告が、不適切だと批判を浴び掲載からわずか1日足らずで15日、削除に追い込まれた。 批判を受けたのは、機構が14日午後に掲載した広告。スーツ姿の男性のイラストとともにメッセージを載せ、「ねんきんネットで確認だ!」と結んでいた。 これに対し、ツイッターでは一般の人から「ずさんな管理してふざけたことを言うな」「少ない収入で納めている身としては不快です」といった投稿が殺到。機構は15日朝、広告を削除した。
2019年03月16日
知的障害の娘を絞殺の疑い、母親を逮捕 「育児に悩んでいた」3/14(木)東京・板橋区の住宅で、知的障害のある6歳の長女の首を絞めて殺害したとして、45歳の母親が逮捕されました。母親は日頃から育児に悩んでいたと話しているということです。 3月13日午後9時20分ごろ、板橋区泉町の住宅に住む男性から「妻が娘の首を絞めた」と通報がありました。警察官が駆け付けたところ、住宅2階の部屋でかずのちゃん(6)が倒れているのが見つかり、病院に搬送されましたが、間もなく死亡が確認されました。警視庁はかずのちゃんの首を手で絞めて殺害したとして、母親を殺人の疑いで逮捕しました。 現場は都営地下鉄三田線の本蓮沼駅から500メートルほど離れた閑静な住宅街で、母親は夫と和希ちゃんの3人で暮らしていました。かずのちゃんは都立の特別支援学校に通っていて、13日は午後2時半ごろに自宅の近くまでバスで戻り、迎えに行った母親と家に帰ってきたのを、1階の仕事場にいた父親が確認しています。その後、午後9時20分ごろに布団の上でぐったりしたかずのちゃんを父親が見つけ、警察に通報しました。この間に母親がかずのちゃんの首を絞め、殺害したとみられています。近所の人は「家族はほほ笑ましい感じだった。(娘は)だいたい5、6歳だと思うが、明るいという感じではなかった」と話していました。 調べに対し、母親は容疑を認めていて「娘の障害が気になり、育児に日頃から悩んでいた。自分も死にたかった」と話しているということです。警視庁は母親に話を聴くなどして、当時の状況などを詳しく調べています。
2019年03月15日
2019年03月11日、東日本大震災から8年が経った。黙とうの合図で1分間黙とうした。死者1万5897人、行方不明者2533人。行方不明者が8年たって、2500人をこえることに驚く。岩手県陸前高田市の農業・吉田税さん(84)は「もう8年か。そうだねえ」と確かめるように言った。 吉田さんらは3年前、海や沼などの再捜索を求める署名を約2万8000筆集めて市長に手渡した。10メートル以上の津波に襲われた同市では200人以上が行方不明のままで、吉田さんの長男で団体職員の利行さん(当時43)も見つかっていない。「県警のダイバーが潜って捜してくれたけれど、水がヘドロで濁って何も見えないと言う。水中の映像も見せてもらいました。何か見つかると期待していたんだけれどね」 あの日、長男の利行さんは人命救助に奔走していた。大地震でぶるぶる震えて動けないお年寄りを1人ずつおぶって市役所の屋上に避難させ、3人目の救助に向かったきり戻らなかった。「市役所の職員らが“行くな!”と制止する中、“あと1人だから”とニコッと笑って屋上から下りていったそうです。どっかで生きているんじゃねえか、きっと帰ってくる、となんべんも思ったけれど、帰ってこねえの」「備える、逃げる、語り継ぐ」教訓刻んだ碑が完成 岩手 釜石2019年3月11日 東日本大震災で1000人以上が犠牲になった岩手県釜石市に教訓を刻んだ碑が完成し、除幕式が行われました。釜石市は、大勢の住民が犠牲になった鵜住居地区の防災センターの跡地に「釜石祈りのパーク」を設けました。11日は市長や遺族の代表らが「備える、逃げる、語り継ぐ」といった言葉を刻んだ碑の除幕を行いました。野田武則市長は「ここが犠牲者への祈りをささげる場となり、次の世代まで震災を語り継ぎ、未来の命を守る施設としての役割を果たす場になることを願っています」と述べました。この施設には、遺族の同意を得た997人の犠牲者の名前が刻まれた慰霊碑も完成し、出席者は花を手向けていました。妻を亡くした三浦芳男さん(73)は、「悲しみはますます深くなります。多くの人が訪れて、ここで悲しい出来事があったことを知ってほしい」と話していました。また、隣接する防災学習の拠点施設「いのちをつなぐ未来館」も公開されました。多くの人たちが犠牲になった防災センターの壁の一部が、津波の跡が残った状態で展示されたほか、多くの子どもたちが助かった一連の避難行動などもパネルで紹介されています。被災地支援のため東京から訪れたという68歳の女性は「間近に見ていろいろ感じることで、ひとごとではなく自分の身に起きたらどうするか、考えることができました」と話していました。サンド伊達が震災8年に思い「人間は忘れてしまう」2019年3月11日サンドウィッチマンの伊達みきお(44)は3月11日にブログを更新した。「宮城県気仙沼市に着きました。あの日を含めると、9年連続で来てるんだな」「8年たって思うこと。震災特番や、それに関連する番組を見たり出演したりすると、比較的明るい話題になってきたなぁと。震災後、他の地域に避難していた人が戻ってきたり、地域の若者が率先して新しい町にしようと頑張っているという話題。ここにきて、若い力が大いに奮闘している地域が確かに多い。復興に、若い力や考え方は絶対に必要な力。5年を過ぎて、明るい話題は増えてきてます」伊達は月1回は主に宮城県の沿岸部を訪れている。「やはり3月11日は特別な1日。違う日に行くのと全く違う。住んでる皆さんの顔つきが違う。もしかしたら、我々もそうなのかも知れない」「報道も減り、人間は、どうしても忘れてしまう。あんなにすさまじい映像を見ても、やはり忘れてしまう。忘れてもいいですが、年に1度は思い出して貰えれば」。
2019年03月12日
労災に遭ったことで会社からは疎まれ、手術後まだ入院中のベットの上から動けない時点で、会社から電話一本で会社を辞めるように言われました。 69歳のパート労働者Aさんは、横浜市のビルメンテンス会社に雇用され、会社がプロポーザル契約を結んでいる税務大学校東京研修所(千葉県船橋市)で清掃労働者として約3年間働いていた。 労働条件は、1年間の有期雇用、時給は1000円で週5日勤務、労働時間は午前8時半から午後2時半までという内容だった。 清掃の仕事は、若い人は敬遠しがちで高齢者ばかりの人手不足の職場が多く、この職場も例外ではなかった。勤続が長いAさんは、他の従業員や施設の職員とも良好な関係を保ち、現場のリーダーのような役割も担っていたという。 しかし、2018年5月16日の業務中、Aさんは現場の階段から転落し、頭部外傷、頚骨骨折、右大腿骨骨折、歯の損傷等、大怪我を負い、踊り場で気絶をして倒れているところを発見され、救急搬送、入院することになる。非常に重大な被害だ。 最初に家族がAさんを見た時には、Aさんの頭部は「おかしな形」に変形し、それにより顔も大きく変形、顔面は紫色に腫れ上がり、右目は開かず、歯はなくなり、首にはコルセットが付けられていた。そのようなこれまでとは変わり果てたAさんを見て、家族は涙が止まらなかったという。 その後、Aさんは懸命のリハビリの甲斐もあり、今年11月に退院をすることはできたが、今も杖がないと歩くことができない。以前は外出することが大好きだったが、今は通行人との少しの接触でも転倒する危険性があり、ほとんど外出できない。 首や足の痛みは未だ完全には消えず、夜は痛みを紛らわすために睡眠薬を飲んで寝る毎日であり、今後後遺症が残ってしまう可能性も医師からは示唆されている。 元々は、年金だけでは持病持ちの80歳近くになる夫を抱えて生活していくのも不安なため、少しでも生活の足しにと働き始めたAさんだったが、これまでとは全く違う人生を送らざるを得なくなってしまったのである。労災手続きに対する不誠実な対応 仕事中に大怪我をしたAさんだったが、労働災害保険の手続きはスムーズには進まなかった。Aさんが最初に会社へ労災事故に遭ってしまったことを伝えた際には、会社からは「労災ではなく、民間保険でやるから大丈夫」と言われたという。 会社はAさんの事故の発覚を恐れ、事故を隠そうとしたのだ。 その後、Aさんが深刻な状況で入院しているため、会社は言い逃れができなかったのだろう。労災の療養補償給付(治療費に対する給付)について会社も手続きをした。 しかし、休業補償給付(休業していることによる賃金補償)の申請に関しては、再三、家族が労災手続きに必要な書類を送付するよう会社へ依頼をしても3ヶ月も放置されたうえ、社長から家族へ「なんで私がやらなきゃいけないの!」などと威圧され、電話で怒鳴られるようになった。 さらには、会社は入院中のAさんに対して、「会社を辞めるように」と連絡をしてきたという。まだベッドから十分動くこともできないAさんに対してである。これまで会社のために頑張って働いてきたAさんはこの仕打ちを受け、悔しさから涙が止まらなかったという。Aさんが記者会見で訴えたメッセージ私は、労災被災当時68歳という年齢になるまで子育てや親の介護をしながら、精一杯社会で働いてきました。 定年後だいぶ経ち心臓と脚の悪い80歳近くになる夫の面倒を見ながら、少しでも年金の足しになるようにと毎日朝早くから一生懸命働いてきました。 しかし、労災に遭ったことで会社からは疎まれ、手術後まだ入院中のベットの上から動けない時点で、会社から電話一本で会社を辞めるように言われました。 まるで、それは「姥捨て山」に捨てられたような、とてもつらく、とても情けなく、屈辱的な、それまで生きてきた人生を否定されたような思いで、ただただ涙が止まりませんでした。 現在も多く社会で懸命に働く高齢の労働者の方に、私のような思いは決してしてほしくないです。
2018年12月22日
「ゴミ清掃芸人」が見た格差社会の強烈な断面12/1(土) 奥さんの妊娠をきっかけに、ごみ収集会社の正社員とお笑い芸人の二足のわらじを履くようになった、お笑いコンビ「マシンガンズ」の滝沢秀一さん。今回はゴミ清掃の現場で働いてわかった、「お金持ち」と「そうでない人」の違いを紹介します。 金持ち地域のゴミと、そうでない地域のゴミには違いがある。もちろん100%ではないし、そのような傾向があるということに留めておくが、あながち的外れではないと思う。■「そうでない地域」のゴミの特徴 まずそうでない地域のゴミを中心にお話します。そうでない地域は酒、タバコのゴミが金持ち地域に比べ圧倒的に多い。特に1月4日、正月明け1発目の回収では信じられないほど、発泡酒の缶や一升瓶が出される。正月以外にもこの傾向は強く、まるで親の敵のように飲酒する。もちろん金持ち地域も出るには出るが、ここまで極端ではない。 まるで賽の河原で1缶飲んでは父のため~、2缶飲んでは母のため~と空き缶を重ね合わせて、積み上げたところを鬼に蹴られているのではないだろうかと心配するほどだ。 そしてタバコ。これも圧倒的にそうでない地域のゴミのほうが目立つ。怒りをぶつけるようにゴミ袋に投げ捨てているのでは? と思うのは気のせいか、水で濡れた吸い殻がよくビニール袋に貼り付いている。多く吸っている人は、いちいち小袋に入れるのが面倒なのか、水道でジャーっと水を灰皿に入れてそのまま大きなビニール袋に入れていると考えられる。 そしてよく見るのが、ペットボトルに入っている吸い殻。水を入れて、吸い殻を目いっぱい入れている。金持ち地域ではペットボトルを灰皿代わりに使っている人は見かけない。ちなみに、この時のペットボトルはなぜかコーラが多い気がする。 飲み物で思い出されるのが栄養ドリンクのビン。これも大量に出る。同じ種類の栄養ドリンクが、これを1人で飲んだの? と信じられない量で出されていることがある。当然1人で飲んだとは限らないが、同じマンションで全員が同じ栄養ドリンクを飲んでいるとも思えない。 考え得るのは近くのスーパーなり薬局で栄養ドリンクの大安売りがあって、この辺り一帯の人が同じドリンクを買ったという事態。 しかし、この地域の人が皆、飲まなくてはならない状況だと考えるとそれもそれで怖い。いずれにせよ、肉体的によほどハードな仕事かブラック企業に勤めている人が多いのかと想像してしまう。■貧すればゴミを大量に出す 大量に出すといえば、そうでない地域のゴミの出し方も特徴があって、一部ではあるが、ゴミを一気に大量に出すのも特徴だ。金持ち地域では大量にゴミを出すことはめったに見られない。 いちばん印象的だったのは、ペットボトル回収時に70リットルの袋パンパンにコーラの詰まった袋が15袋も出されていたことだ。 過度の排出は規定で持っていけないので、清掃事務所に電話をして置いていったが、捨てる時に背負い投げでもしたのではないかというほど、乱雑に置かれていた。なんでペットボトルを背負い投げするんだよと心の中で思いつつも、想像してゾッとした。このゴミが部屋の中にあったということだ。見たところその集積所があったアパートはそんなに広くなさそうだった。 70リットル袋、15袋分のペットボトルが部屋にあったら部屋の中はペットボトルだらけで、ペットボトルの中を軽く泳げるくらいの多さではないか。わざわざペットボトルをペットボトル工場に運ばなくても、ここに各所のペットボトルを運んでペットボトル工場にすればもろもろ手間が省けるのにと思うほどの量だ。のんきに今ならそう思えるが、その時はパニック。清掃員も計算して回収しているので、予定外、予想外の量が出されるとその分清掃車に詰め込めなくなるからだ。 それはさておき、ここでのポイントは同じ人がゴミを一気に大量に出すということだ。そして大量というキーワードの中で特殊ではあるが、こういった例もある。アイドルとの握手券付きCDだ。これらが大量に捨てられているのもそうでない地域の特徴だ。よくそれらのCDが林などに破棄されているというニュースを聞くが、清掃業界でもたまにお目にかかる。 その場合は金持ち地域からではなく、必ずそうでない地域の燃えるゴミor燃えないゴミから排出されることが多い。買い占めると聞くと、一見、金持ちが金にものをいわせて大量購入するイメージだが、それらが金持ち地域で捨てられているのを僕は一度も見たことがない。■「金持ち地域」のゴミの特徴 一方、金持ち地域でも大量に排出されるゴミは、あるにはある。テニスボールだ。古くなったテニスボールがビニール袋に詰め込まれて捨てられていることがある。この理由は単純明快。近くにテニスコートがあるのだ。マダムたちがこのテニスコートに通っているのだろうと想像できる。 ほかにも大量の枝や落ち葉などが可燃ゴミとして出されるが、これは広い土地を持っていることを意味している。しかしいずれの場合でも、年に数回、もしくはある一定の時期だけである。さらなる金持ち地域のゴミの特徴について話したいとは思うのだが、何せ僕自体が貧乏人だから、よくわからないというのが正直なところ。 というのもタワーマンションに回収に行くと、見たことのないラベルのワインが回収箱に詰まっているのだ。金持ちの中では常識なのかもしれないが、初めて見る品物ばかりなので何とも言えない。 そしてウォーターサーバーの大型特殊ペットボトル。これは最近、そうでない地域からも少しずつ出始めているが、金持ち地域は取り入れるのが早かった。可燃ゴミであれば、回転板で袋が破けてお目にかかるのが美容系のゴミ。どれだけ自分に金を掛けているんだよと感心するほど、パッケージやら入れ物が出てくる。そしてきれいにゴミがまとめられている。 ゴミがきれいにまとめられている理由のひとつは、金持ち地域では集積所回収ではなく、戸別回収が多いからだろうと思う。金持ち地域は大きな家が多く、集積所を作ると家から集積所が遠いなど、不便なこともあるので、戸別回収のところが多い。戸別回収とは自分の家の前に自分の家から出たゴミだけを置き、それを回収することをいう。 作業するほうとしては、面倒くさい一面もあるが、戸別回収の優れているのは、ゴミを出す人に責任感が生まれることだ。ゴミを汚く出せば、当然この家のゴミの出し方は汚ねぇなと思われてしまうので、きれいに出す。■金持ち地域に「パチスロ台」はまずない 戸別回収の地域はやはり分別率が高い。分別しないで、家の前にゴミを置かれたままだとその家の人は困る。 ゴミも特定されるので、シュレッダー率も高い。そして、あまり前もってゴミを出すとカラスが荒らしに来るかもしれないので、8時直前に出すことが多い。そこそこ金持ちのいる地域では、清掃車の音を聞いて門から出てくる。わらわらとマダム主婦たちが集まってきては直接、僕ら清掃員に渡す。 これが良い悪いではなく、僕はこの地域の人たちは皆、専業主婦なんだなと感心した覚えがある。専業主婦ということは、旦那さんの稼ぎがそれなりになければ成り立たない。 金持ち地域では、粗大ゴミも、生活に必ずしも必要のない物が出る。健康グッズだ。少し前はやたらとロデオボーイが出ていた。今は落ち着いて、次にワンダーコアがよく出るようになった。健康グッズにも流行があるんだと、清掃員になるまで思いもつかなかった。ぶら下がり健康器もそうだが、まずこれらの器具を置く場所があるんだなと思う。 ちなみに、そうでない地域の粗大ゴミでたまに出る特徴的な物で言えばパチスロ台。パチスロが好きすぎて、家でもやっているのだろうか、これらが金持ち地域から出ることはまずない。滝沢 秀一 :ゴミ清掃員、お笑い芸人
2018年12月01日
薬も多過ぎれば危険 高齢者は特に警戒を11/25(日) 加齢や抱える病状の進行により、複数の薬の服用を続けている人は少なくない。症状が強かったり、発病直後の急性期であったりすれば、治療効果を優先して多くの薬が処方されるのは、ある意味で当然だろう。しかし、症状が安定した後も、漫然と多種類の薬の服用を続けていると、過剰な投与や重複作用による健康への悪影響も予想される。専門医らはこのような問題を「健康被害を生じさせる多剤服用(ポリファーマシー)」と位置付け、特に複数疾患を抱えることが多く、問題が出やすい高齢者を中心に警鐘を鳴らしている。 ◇6剤以上は「赤信号」 「東京大学医学部付属病院の入院患者約2500人を対象にした調査では、6剤以上の服用で薬物による有害事象の発生頻度が大きく増加している。また、東京都内の診療所に通う165人を2年間追跡した調査でも、5剤以上の服用者で転倒事故の発生頻度が大きく増える。特に高齢者ではふらつきや転倒、記憶障害のような深刻な症状から食欲低下や便秘など、高齢者なら珍しくないものまで含め多岐に渡る」 同病院の秋下雅弘副院長(老年病学)は、ポリファーマシーの弊害をについて具体的なデータを挙げてこう説明する。秋下副院長も所属する日本老年医学会は「高齢者の安全な薬物治療ガイドライン」を作成。慎重な投与を要する薬のリストなどを示し、注意を喚起している。◇医師と薬剤師の情報共有を その上で秋下副院長は「医療側では、治療や処方薬物などの提供情報の一元管理とこれに基づいて医師や薬剤師らの多職種が協同して投薬の管理を進めることが重要だ」と強調する。患者側も、高齢者を中心に過度な薬への依存する例がある一方で、本来必要な薬の服用を嫌がる人もいる。秋下副院長は「患者側の意識改革が対策として必要になる」と言う。 ポリファーマシーの中でも問題なのが、認知機能に影響を与える抗精神病薬や睡眠薬、抗不安薬などだ。持病の影響や体調の変化で不眠や入眠困難を訴える高齢者に、症状緩和や生活リズムの維持を目的にしばしば処方されているのが現状な上、複数の疾患をそれぞれ別の医療機関で診察されている場合、重複して処方・服用している事例も少なくないからだ。 ただ病気発病直後や症状が悪化したなど、急性期はもちろん、関節リウマチや脳梗塞の再発防止など慢性期でも十分な投薬治療が必要な患者も少なくない。秋下副院長は「急性期などの患者に対して専門医が処方するなど、多剤を投与せざる得ない場合も少なくない」と補足する。
2018年11月26日
<吃音>男子中学生がいじめ訴え 学校は支援体制を11/19(月)吃音(きつおん)を理由にいじめを受けたとして、福井県敦賀市の市立中学校に通う男子生徒が悩んでいる。十分に考えを伝えられず笑われるなどし、通学も滞りがちという。人口の1%は吃音の問題を抱えるとされるが、教育現場でその支援体制が整っているとは言い難い。中学校の校長は「配慮が足りず、反省している」としている。【高橋一隆】 ◇嘲笑に涙、孤立 同じ一音を繰り返したり、言葉に詰まってしまうのが吃音で、問題を抱える人の多くは「うまく話せなかったらどうしよう」という予期不安を覚える。症状を隠そうとするあまり、コミュニケーションを避ける人もいる。原因は解明できておらず、対応する医療機関も少ない現状がある。 いじめを受けたという生徒は、幼少期から吃音だった。今年春に自己紹介したとき名前を思うように言えず、周囲から笑いの声が上がったという。部活動でも孤立していたといい、「学校には行きたいけど、自然に涙がこぼれてくる」と話しているという。この状況を踏まえて市教委に相談した保護者は、家庭訪問に今月来た担任教諭に「吃音への理解を求めたい」と迫った。 実際に、社会における吃音への理解は乏しい。毎日新聞が当事者団体などの協力を得て2016年に実施した全国アンケートでは、回答した80人のうち50人が「吃音が原因で、学校や職場でいじめや差別など不利益な扱いを受けた経験がある」とした。「吃音への社会的理解や支援は足りていると思うか」との問いには、55人が「不十分」と答えている。 「学校は閉じられた空間でもある。吃音の生徒は我慢もしただろうし、自己主張することへの難しさを感じてきたことだろう」。NPO法人「全国言友会連絡協議会」(東京都豊島区)事務局長の斎藤圭祐さん(37)は言う。 ◇学校支援強化を 吃音を「あがり症」程度に考える人は少なくなく、社会的な偏見は潜在する。学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などは子どもの特性に応じた教育環境の整備が進んでいるが、吃音の生徒を取り巻く状況について、斎藤さんは「市教委や校長らが本腰を入れて意識を変えなければ、改善は望めないだろう」と警鐘を鳴らす。 いじめに遭ったという生徒の保護者は「人の特性をあげつらうような偏狭な社会にしてはならない。そうしたことを学校では教えてほしい」と訴える。保護者の相談を受けた市教委学校教育課は「あってはならないことで、解決に向けて、担任以外の教員も加えたチームでの対応を検討している」としている。11月18日、 NHKの番組で「明日へ つなげよう『悲しいけれど生きる~帰還した人々と柳美里の創作劇~』」が放送されて、放射能汚染で避難した小高地区の目の不自由な人が、避難先の人から小高の人は賠償金がもらえていいと、そねみやねたみの声にたえきれずに元の地区に戻ってきたということがナレーションで話されて、心が痛んだ。「小高の人は賠償をいっぱい貰っているんだから高い魚を買わなきゃと通りすがりのおばあさんが捨てぜりふを吐くようにいう。障碍者は余計賠償金を貰っているのかと露骨に聞く」ステッキで道を探り探り歩くと、かつて幼稚園のあったあたりや子供の声がよみがえる。しかし、子供をかかえた親たちは誰一人この小高の地区には戻って来ない。取り払われた住居あとだけが、広大に続く。かつての武家屋敷のあった旧家の庭先には、二宮金次郎像が見えた。
2018年11月20日
<大阪・高槻>遺書11行 老老介護の苦悩つづる11/17(土)大阪府高槻市の集合住宅で今月4日、高齢夫婦が死亡しているのが見つかった。認知症の妻(70)が衰弱死した直後、長年にわたって献身的な介護を続けてきた夫(75)が自ら命を絶った。「ごめんね。しんどかったやろな」「迷惑かけました。認知症の介護に疲れてしまった」。室内に残された遺書には、妻を思いやる気持ちと介護の苦悩がつづられていた。 「高齢女性が意識なし。呼吸も感じられない」。4日午後11時44分、警備会社の社員から119番が入った。救急隊員が、5階建て住宅が並ぶ団地の一室に駆け付けると、妻が布団の上であおむけに倒れ、夫は風呂場で首をつっていた。 府警高槻署によると、妻の死亡推定時刻は4日午後6時ごろ。その約5時間後に、夫が自殺したとみられる。風呂場には、警備会社につながる高齢者見守り用の非常ボタンがあり、同署は夫が自殺する直前に自らボタンを押したとみている。 夫婦は2007年から、この団地で2人暮らし。子どもはいない。夫は長年スーパーで働き、退職後は年金暮らしで、仲が良い夫婦だったという。近くの女性は「奥さんは庭でガーデニングをするのが好きで、社交的な明るい人だった」と話す。 妻が体調を崩したのは約6年前。パーキンソン病やアルツハイマー型の認知症などを発症した。夫は車の助手席に妻を乗せて病院に連れて行ったり、買い物に出たりして妻を支えた。 ところが、今年に入って妻の病状が悪化し、医師に不眠を訴えた。1人で歩くのも困難になり、4月には夫が市の地域包括支援センターに「妻の体が動かなくなった」と電話で相談。センターは「救急車を呼んでもいいですよ」と促したが、その後連絡はなかった。夫婦は介護サービスの申請をしていなかったとみられ、センター関係者は「申請があれば対応のしようもあったが」と悔やむ。 遺書は居間のこたつの上に置かれていた。A4サイズの便箋1枚に横書きで11行。「寝たきりでしんどかったやろな」「無理やりにでも早く病院に連れて行ってあげたかった」。丁寧に書かれた文面は、妻への思いにあふれていた。【土田暁彦】 ◇相次ぐ高齢者の「共倒れ」 2人暮らしの高齢世帯で、2人同時に死亡しているのが見つかるケースは、全国で相次いでいる。 10月18日、大阪市西成区の市営住宅で高齢の兄弟が死亡しているのが発見された。大阪府警によると、兄(70)が玄関で、弟(65)は居間で倒れており、いずれも病死だった。弟の死後に兄の世話をする人がいなかったという。 埼玉県富士見市の民家では昨年9月、夫婦とみられる男女の遺体が見つかった。妻(71)の介護をしていた夫(74)が先に死亡したという。介護サービスを受ける矢先だった。市の地域包括支援センターの職員が、介護認定調査のために自宅を訪れた際、応答がないため警察に通報して発覚した。 東京都内でも今年2~3月、高齢の夫婦や姉妹らが同時に亡くなっているのが見つかるケースが少なくとも6件相次いだ。 府警によると、世話をしていた家族が先に亡くなり、残された人が外部に助けを求められないまま、間を置かずに亡くなるケースが多いという。【村田拓也、柴山雄太】 ◇抱え込まないで 「認知症の人と家族の会」大阪府支部の木寺喜義代表の話 介護する家族は孤立しがちだ。精神的に疲れ、悩みや苦しみを自分だけで抱え込んでしまうことが多い。公的サービスをどう使えばいいか分からない人も多く、行政や地域の人たちによる積極的な支援が大切だ。今回も、介護サービスを利用していれば負担の一部が軽減された可能性がある。困った時は包括支援センターや支援団体に相談してほしい。
2018年11月18日
2035年、独居老人841万人の衝撃厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、1980年に「子供夫婦と同居」していた65歳以上の高齢者は52.5%だったのに対して、2016年には11.4%にまで減少している。つまり、約5人にひとりが「独居老人」となっているわけだ。国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によれば、2035年に独居老人は841万人にまで増加する。1980年には88万人しかいなかった独居老人は10倍に膨れ上がり、約4割の高齢者が独居老人となる。 この背景には、男性の独居老人の増加がある。女性高齢者の独居率は、2000年に17.9%。15年に21.8%と増加し、40年には24.5%と推計されており、比較的に緩やかな増加傾向をたどる。ところが、男性の独居率は2000年に8.0%だったものが、15年には14.0%に、40年には20.8%に増加すると推計されている。 原因は、男性の生涯未婚率の増加だ。65歳以上高齢者の未婚率は推計で、2015年は男性5.9%、女性4.5%だったが、40年には男性14.9%、女性9.9%に増加する。 核家族化というライフスタイルの変化により、「子供夫婦と同居」する高齢者が大幅に減少し、高齢者世帯は夫婦二人での居住に変化した。男性よりも女性のほうが、より平均寿命は長いので、夫と死別したあとの女性の一人暮らしが独居老人の中心だった。 夫婦二人暮らしで、どちらかが死別したあとに一人暮らしとなるのが、これまでの独居老人となるパターンだったが、これからは生涯結婚をせずに、独居老人となるパターンが増加していくことになりそうだ。「独居老人」には「孤独」というイメージが強いが、これからは生涯にわたり家庭を持たなかった独居老人が増えることで、なお一層、「孤独」のイメージが強まるかも知れない。 事実、「孤独死」は2016年に日本少額短期保険協会がまとめた「孤独死の現状」というレポートによると、60歳代がもっとも多い。ただし、孤独死は、東京都監察医務院では「異常死のうち、自宅で死亡した一人暮らしの人」と定義。厚生労働省では「社会から孤立した結果、死後長時間放置された事例」と定義するなど、一定ではない。このレポートでは、「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った一人暮らしの人」と定義付けている。 このレポートの定義では、60歳代の男女がもっとも高い比率となるが、じつは30歳代や40歳代の女性の比率も高い。これは、孤独死の死因として自殺が含まれることにある。 孤独死の死因の半数以上は「病死」によるものだが、30歳代では半数以上、40歳代でも25%以上が「自殺」が死因となっている。これに対して、60歳代の割合は10%以下でしかない。 むしろ、独居老人に「孤独死」のイメージが強いのは、その発見までにかかる時間によるところが大きい。孤独死の発見者は、親族が約30%、住居の管理会社が約25%、福祉関係者と他人(隣近所の住人など)が約16%、友人が約13%となっている。 つまり、親しい親族や友人といった「気にかけてくれる人」の存在がある場合には、比較的に早く孤独死が発見されるが、「家賃の滞納」や「異臭」などが孤独死の発見のきっかけとなる場合には、発見までの期間が長くなる。 今後は、家族を持たない生涯独身だった独居老人が増加することを考えれば、発見までに時間のかかる「孤独死」は、ますます増加すると思われる。親族だけではなく、地域社会とのコミュニティを強化することで、独居老人の孤独死を防ぐことが求められているのではないか。(鷲尾香一)札幌農学校2期生の広井勇博士は言った。「生きているうちは仕事をしなさい。仕事ができなくなったらお死になさい。」と。死ぬ覚悟と、生きているうちは世の中のために、後の世代のために私たちが前の世代や世の中から受けてきた恵みに報いる仕事や役割をしっかりと果すそういう実践が求められているのだろう。
2018年11月12日
2017.10.11「一人ぼっち」で過ごす定年退職者の哀愁、午前中の図書館、カフェ、ジム…大手ハンバーガーショップの午前中は年配男性の一人客が多かった。おそらくたった100円でコーヒーが飲めて、一人の時間を過ごせるからだろう。席と席との間が狭いので、声をかけるには適している。「最近リタイアされたのですか?」と聞いてみると「そうです。昨年退職してときどきここに来ています」といった会話を交わすことができる。「この椅子だと長い時間座れないので普通の喫茶店に行くことも多い」とか「高級な店でモーニングを頼むのがゆっくりできて一番いい」という人もいた。 混んでいるカフェでも午前中は閑散としているので、高年齢の男性の姿をチラホラ見かける。日刊紙やスポーツ紙などを広げている人、本を読んでいる人、何もせずに煙草をくゆらせている人など、過ごし方はさまざまだ。それぞれの場所における男性定年退職者の特徴を一言で言うと、一人ぼっちだということである。午後になれば高齢者のグループがカフェなどで話している姿を見ることがあるが、それは稀なケースだ。定年退職者を取材した時に、私の問いに正面から答えてくれた人たちのなかには、「毎日やることがなくて困っている」、「一番自由な今が一番しんどい」、「家で居場所がない」、「暇になったのに焦る」、「嫌な上司もいないよりはマシ」などと語られることがある。なかには「このままの毎日が続くと思うと、自分の人生は何だったのかと思うときがある」とまで発言した人もいた。
2018年11月09日
品質不正、日本メーカーに共通点 ガバナンスの欠如、コストダウンで現場負担の増加も10/20(土) 日本を代表するメーカーによる品質不正が後を絶たない。背景には、現場の負担増やガバナンス(企業統治)の欠如、人手不足といった共通点が浮かび上がる。品質を強みとする日本のモノづくりを根底から揺るがす異常事態は一向に終わりが見えず、いつ新たな問題企業が出てきてもおかしくない状況だ。◆迫られる納期順守 油圧機器メーカーのKYBは19日、免震・制振装置の検査データ改竄(かいざん)問題で、不正や不正の疑いがある免震装置が使われている国や自治体の庁舎70件の建物名を公表した。このうち農林水産省が入る中央合同庁舎第1号館や愛知県本庁舎など11件は国の基準に適合しない製品が設置されていた。顧客が要求した基準から外れた物件も17件あった。ただ大半は不正の有無は不明。対象は全国で1095件に拡大。住居や病院は了承が得られず、今回の公表は全体の6%にとどまった。KYBによると、公共性の高い国や自治体庁舎の同意取り付けを優先したという。今後も所有者の了承を得られた段階で物件名を順次公表する。 「(日本メーカーは)激しい競争に直面し、コストダウンを求められる中で人員を削減してきた。余裕がなく、現場がおろそかになっている」 企業論を専門とする政策研究大学院大学の橋本久義名誉教授は、一連の不正の背景をこう指摘する。 昨年10月に神戸製鋼所が公表して以降、不正に手を染めていたことが発覚した企業は三菱マテリアルや東レ、日産自動車、SUBARU(スバル)と枚挙にいとまがない。 多くの不正で直接的原因として挙げられるのが、納期順守の重圧だ。 KYBの不正は少なくとも2003年に遡(さかのぼ)り、検査データ改竄(かいざん)の手口を検査員が引き継いでいた。不適合になると製品の分解や調整に時間がかかってしまい、納期を守れなくなると判断したとみられる。納期順守の重圧は、神鋼や三菱マテリアルの不正でも原因の一つに挙げられている。重圧は、深刻なモラル低下や「基準から多少、外れてもよい」という甘えをもたらした。 KYBには、免震・制振装置の性能をチェックする検査員が1人しかいなかったという。コスト削減を優先する中で人手不足が常態化し、現場に重い負担がのしかかっていた可能性が高く、事実なら適切な人員配置を怠った経営陣の責任は重い。 ◆舞台は非主流部門 一方、不正の多くは非主流部門が舞台となった。 KYBは、連結売上高の約6割を自動車部品が占める。それに対し免震・制振オイルダンパー事業の割合は3%弱にすぎず07年には子会社のカヤバシステムマシナリー(東京都港区)へ事業譲渡されていた。子会社に移ったことで経営陣が目配りできなくなり、ガバナンスは機能不全に陥った。 各社は情報開示でも後手に回っている。子会社でデータ改竄が発覚した東レの日覚昭広社長は「神鋼の問題がなければ不正を公表していなかった」とまで言い切った。 危機管理広報コンサルティング会社、エイレックスの江良俊郎社長は「まったく甘い。企業向けビジネスが中心で、消費者のことを考えていない」と対応を厳しく批判する。
2018年10月20日
「これから子連れ再婚を考えている人にアドバイスすることがあれば教えてください」という質問に、半数以上の人が「子連れ再婚はおすすめしません」と答えていた 「子供が好きだと思っていたのに再婚相手の子を愛せません。意地悪な感情を抱いてしまったり、意地悪をしたりしてしまう自分がすごく嫌です」「継子(原文のママ)が産みの親(元妻)とそっくりで悩まされます」 「初婚でシングルファーザーと結婚しました。いきなり子育てしなくてはならなくなってストレスでした」 「夫と私の実子の関係がうまくいっていないため、いつも板挟みになり苦しいです」 「思春期の子供からの暴言が度々あります。注意すれば無視されるし、ストレスで胃が痛い毎日です」 子供たちの声。「(実の)親でもないのに親面されたくない」「頑張って実の親のようになろうとしなくてもいい」 「パートナーと子供の躾しつけに関する価値観の違いがあります。言いたいのに言えないジレンマがあります。二つの家族が一緒に暮らしていくのは本当に大変です」 「妻と死別したシングルファーザーと再婚しました。家にある仏壇、お墓参りや亡くなった元妻の親戚付き合いなど、もれなくついてくるしがらみは想像以上に苦痛でした」義母むす のような ファミリーになるのは稀有だからこそ、感動を呼ぶのであろうか・・・
2018年09月19日
ネット依存「10歳未満も治療に訪れる」 進む低年齢化 進む低年齢化貞国聖子、河崎優子、張守男2018年9月2日子どものネット依存が急速に広がっている。厚生労働省研究班の調査で、依存が疑われる中高生は5年間で約40万人増え、93万人に上ると推計された。子どものスマホ所持が当たり前になるなか、どのようにネットとつきあい、依存を防ぐか。病院や教育現場で模索が続く。「たった5年でこれだけ深刻化しているとは」 全国で93万人の中高生がネット依存の疑いがあるという推計を発表した31日の会見で、調査に加わった国立病院機構久里浜医療センター(神奈川)の樋口進院長は「未来を担う子どもたちに適切な対策がなされなければならない」と危機感をあらわにした。 同センターは2011年、国内で初めて「ネット依存外来」を開設。現在は年間で約1500人が受診し、約7割が未成年という。患者の低年齢化も進んでおり、昨年は10歳未満の子どもも初診で訪れた。それでも、本人が来院を拒んで家族だけで訪れる人らもおり、実態が見えづらい部分もあったという。 樋口院長によると、受診者のほとんどが「ゲーム障害(依存症)」で、オンラインゲームにのめり込んでいる。患者によっては脳が萎縮して理性をつかさどる機能が低下し、「わかっていてもうまくできない」状態になる。こうした場合は▽朝、起きられない▽遅刻・欠席▽ひきこもる▽物に当たる、壊す▽家族に暴力をふるう――などの症状も現れるという。 受診者には、カウンセリングやデイケア、入院で治療にあたっているほか、親子で話し合ってネットを利用する時間を決めることなどを勧めているが、限界もある。樋口院長は「深夜は未成年がゲームにアクセスできないようにするなど、抜本的な解決策を模索しなければならない」と語る。ネット依存で不登校「変われるよ」少女は星を見て知った山田佳奈2018年7月18日子どものネット依存についての認識が広がるなか、「対策キャンプ」が注目を集めている。スマホなどの電子機器から離れ、自然の中で過ごすことで、ネットと適切な距離を保つきっかけを作ろうという試みだ。 関東地方に住む少女(18)はこの春、東京六大学のひとつに合格した。中学生の時に不登校となり、ネット漬けの生活を送っていたが、ネット依存の対策キャンプに参加したことをきっかけに、立ち直った。 中学3年の6月、突然めまいがして学校で倒れた。病院では「原因はストレスではないか」と言われたが、心当たりはなかった。 同じころ、スマホを買ってもらった。初めは病気で学校を休んだが、次第にゲームやネットサーフィンで一日を過ごすように。昼夜逆転し、家族が寝ている間にご飯を食べ、明け方に再び寝る生活が続いた。学校は100日以上休んだ。 「不登校の原因はネット」だと考えた母親(50)はスマホを取り上げたり、通信を制限したりしようとした。そのたびに抵抗した少女は「毎日混乱していて、当時のことはよく覚えていない」と振り返る。 その年の秋、母子は長野県伊那市の国立信州高遠青少年自然の家で「ネット依存対策キャンプ」に参加した。2泊3日の日程で、スマホなどの電子機器は持ち込み禁止。ほかに2家族と、医師、不登校支援に詳しいNPO法人理事らも加わった。おそらく、日本で初めての試みだった。 「ネットを使うことで、何が起きるのか」。子どもが参加したワークショップで少女は当初、口数が少なかった。だが、会話の中で次第に「人との付き合いが減る」「ネットの世界に集中し、周りが見えにくくなる」と話すようになった。 午後9時半の就寝前には皆で星座を数えた。「星ってこんなにあるんだ」。少女はいつまでも夜空を見つめていた。 高校に進学後、担任の計らいで学校近くの寮に入ることができた。通学時間が短くなり、生活リズムも改善したことで、徐々に学校に通えるようになった。スマホを使った時間を計るアプリを活用し、利用時間は1日2時間へと減らした。新しい友だちもでき、何でも話せるようになった。 今から考えると、中学時代は「学校でも、家でもしんどかった」と話す。友だちとは表面上仲良くしていたが、本当はグループ行動が苦手だった。「しんどさを自分にも隠し、考えると不安になるから、ネットを逃げ場にしていました」 キャンプで生活が一変したわけではない。でも、「現実世界の魅力を感じて、そこでやっていこうと考えるようになれた」と語る。今は大学で法律を学ぶ。将来は、不登校の子どもらを支援し、「変わろうと思えば、変われるよ」と伝えたい。(山田佳奈)
2018年09月03日
赤紙配った、みんな死んでしもうた 軍に背き守った秘密国吉美香2018年8月13日73年前の敗戦時、陸海軍や内務、外務、大蔵各省など日本のあらゆる組織が、機密性のある公文書焼却に血眼になった。軍は警察を通じて全国の役場にも焼却を命じた。だが、命令に背いた人もいた。 「うちに資料がある」。滋賀県長浜市の浅井歴史民俗資料館に、100歳を超えた西邑仁平(にしむらにへい)さんから、そんな話が持ち込まれたのは2006年の夏。倉庫2階には、茶色の薄紙で包まれ、縄で縛られた束が積まれていた。幣原喜重郎「外交五十年」217ページ電車の中で、私は再び非常な感激の場面に出逢ったのであった。それは乗客の中に、三十代ぐらいの元気のいい男がいて、大きな声で、向う側の乗客を呼び、こう叫んだのである。 「一体君は、こうまで、日本が追いつめられたのを知っていたのか。なぜ戦争をしなければならなかったのか。おれは政府の発表したものを熱心に読んだが、なぜこんな大きな戦争をしなければならなかったのか、ちっとも判らない。戦争は勝った勝ったで、敵をひどく叩きつけたとばかり思っていると、何だ、無条件降伏じゃないか。足も腰も立たぬほど負けたんじゃないか。おれたちは知らん間に戦争に引入れられて、知らん間に降参する。怪しからんのはわれわれをだまし討ちにした当局の連中だ」と、盛んに怒鳴っていたが、しまいにはおいおい泣き出した。車内の群集もこれに呼応して、そうだそうだといってワイワイ騒ぐ。
2018年08月14日
【駅に残る戦争の記憶】あの日の惨状「忘れられない」血の海、折り重なる死体 西鉄筑紫駅列車銃撃事件8/12(日) 太平洋戦争末期の1945年8月8日のこと。福岡県筑紫野市筑紫の西日本鉄道筑紫駅付近で、惨劇が起きた。上りと下りの電車が米軍戦闘機の機銃掃射を受け、少なくとも乗客64人が亡くなり、100人余りが負傷した。戦後70年。地元ではあらためて事件体験者の話を聞き、証言集をまとめたり、平和劇を創作したりするなど事件と向き合い、語り継ごうとする活動が行われている。 証言集「語り継ぐ筑紫駅惨劇の記憶-戦後70年」を制作したのは、62~73歳の市民13人でつくる「筑紫駅惨劇の記憶を残す会」。 会員は、地元の筑紫コミュニティセンターが昨年度、開講した市民講座「筑紫駅空爆の記憶を残そう」の受講生が中心。2008年に西鉄筑紫駅列車銃撃事件の被害者や目撃者の証言をまとめたルポルタージュ「筑紫れくいえむ」を出版した元本紙記者坂井美彦さん(83)と児童文学作家ひろ子さん(79)夫婦の指導を受け、昨年7月に取材を始めた。地元を中心に証言者を探したが、体験者がすでに亡くなっているなど難航したという。証言集はA5判カラー刷り97ページ。受講生たちが取材した事件体験者7人の聞き書きを、感想を交えて紹介している。また、講座とは別に事件を調査してきた元中学教諭相戸力さん(61)などの協力で、ほかの体験者4人の証言も収録した。 体験者たちは「電車の中は真っ赤な血の海」「切符売り場に3~4人が折り重なって、頭から血を流している人、腕がもげてお尻まで血だらけの人」などと惨状を証言。受講生たちは「戦争はすべての人がつらい思いを引きずる『あってはならないこと』『忘れてはならないこと』」「平和の中で生き続けることがどんなに幸せなことか」などと感想をつづっている。証言集は千部作成。8日に筑紫コミュニティセンター隣接地に保存されている事件当時の筑紫駅待合所で催される慰霊祭や、同センターで開かれる記念事業で参加者に無料配布するほか、小中学校などに寄贈する。記念事業では証言集を基にした朗読劇も上演する。 会員の真鍋尚義さん(69)は「事件を知る人は少なくなっており、今が最後の機会。胸に迫る生の証言が聴けて貴重な経験だった。事件を忘れず、語り継いでいきたい」と話した。終戦のわずか1週間前のその日、いったい何が 太平洋戦争末期の1945年8月8日、筑紫野市筑紫の西鉄筑紫駅付近で起きた米軍機数機による列車銃撃事件。終戦のわずか1週間前のその日、いったい何が起きたのか。事件の生存者や目撃者にあらためて聴いた。 西鉄の資料によると、その日、下り列車(2両編成)が福岡駅を出発したのは午前9時52分。井尻駅で空襲警報のため約1時間停車し、満員の乗客200人余りは車外に避難した。 列車を運転していたのは、学徒動員により同年2月から大牟田線に運転士として乗務していた旧南筑中(久留米市、現南筑高)生徒50人のうちの1人、当時16歳の江口昭三さん(86)=小郡市在住=だった。 江口さんによると、乗客の多くが軍人で、民間人は3分の1ほどだったという。警報解除後、列車は運転を再開。昼近く、筑紫駅を目前にしたところで、江口さんの隣に立っていた軍人が叫んだ。「敵機来襲!」 江口さんはとっさにブレーキを作動。そこへ米軍機が右斜め前方から急降下し、機銃掃射を始めた。すさまじい爆音と悲鳴。列車は筑紫駅ホームに入ったところで止まった。江口さんは列車を飛び降り、車体の下に潜り込んだ。そこにはすでに幼子を抱えた若い母親と年配の男性がいて、必死に念仏を唱えていた。弾丸にはじかれた石が飛び散り、目も開けられない。 戦闘機が去り、車内に戻った江口さんは惨状に立ちすくんだ。一面の血の海、山と折り重なる死体。家族の名を呼び、泣き叫ぶ声。甘いような、酸っぱいようなにおいが鼻を突いた。 やがて軍のトラックが来て遺体を積み込み始めた。その数、トラック5~6台分もあったろうか。江口さんは突然、憲兵隊に連行された。車掌(久留米高等小女子挺(てい)身(しん)隊員)と上司の乗務区長も一緒だった。訳の分からぬまま翌日昼すぎまで事情聴取を受けた。食事はおろか水一滴すら与えられない。何を聴かれたかも覚えていない。「貴様!」。ただ怒号を浴び続けた。「バシッ」右太ももに衝撃 一方の上り列車。当時15歳で、大刀洗飛行場(朝倉市など)の技能者養成所生徒だった吉野忠利さん(85)=宮若市在住=はその日、甘木駅から乗車し、宮の陣駅で久留米駅発の列車(2両編成)に乗り換えた。車内は満員で、吉野さんは後部車両の乗降口のそばに立っていた。周囲とは肩が触れ合う込み具合だった。 筑紫駅の手前約1キロの地点を走行中、「バラバラッ」と爆音がしたかと思うと、隣の男性が血しぶきを上げ、崩れ落ちた。頭に被弾したのだろう。吉野さんは血しぶきをもろに浴びた。 ほぼ同時に列車は停車。吉野さんは飛び降り、線路脇に伏せた。頭上を米軍機が旋回し、波状的に銃撃してくる。見上げる吉野さんの目に操縦席から下をのぞき込む米兵が見えた。 「バシッ」と右太ももに衝撃を受けた。弾丸が貫通していた。手ぬぐいで締め上げて止血し、必死で近くの森へ逃げ込んだ。 実家が筑紫駅のそばで自転車預かり所を営んでいた藤文枝さん(76)=福岡市南区在住=は当時6歳。その時、実家の表にいた。 「ヒュー、カチカチ」という音とともに下り列車が白煙を上げていた。列車の窓から人が転げ落ち、散り散りに逃げていく。藤さん方にも何人も逃げてきた。 銃撃は数分でやんだが、辺りは負傷した人たちで大混乱となった。血だらけの女性が藤さんを見て「早くこっちに来い」と叫んだ。錯乱し、わが子と見間違えたのか。左肩の背に銃弾が突き刺さった男性が「取ってくれ」と狂ったように叫んでいた。 駆けつけた兵隊や父親たち近所の者が総出で雨戸を担架に遺体や負傷者を運んだ。遺体は宝満川沿いに並べた。数十体はあった。 藤さん方の座敷の白壁には、逃げ込んだ負傷者が苦しんで手を付いた血まみれの手形が残った。壁の表面を削っても、奥まで血がしみ込み、消えなかった。「あの日のことは忘れようにも忘れられない」 江口さんは46年、南筑中を卒業後、西鉄に入社。くしくも筑紫駅に勤務した。毎日水をまき、花を飾り、事件の犠牲者の「み霊安かれ」と祈る毎日だったという。その後も毎年8月8日は妻と2人で筑紫駅へ行き、花を供えて犠牲者の冥福を祈った。夫婦のひそやかな法要は戦後50年の節目まで続いた。 「あの日のことは忘れようにも忘れられない」。江口さんは絞り出すように話す。今は地元行政区が毎年8月8日に慰霊行事を催す。「西鉄が法要すべきだ」。江口さんは訴える。 藤さんの実家の近くには、下り列車に乗って銃撃に遭い、片脚を失った若い女性がいた。戦後、何年もたった頃、藤さん方にその女性が立ち寄った。ふと戦争の話になった。「戦争の話はやめて!」。女性は声を荒らげたという。死者数、身元、襲撃した部隊 筑紫野市教委が調査へ 西鉄筑紫駅列車銃撃事件は公式な調査記録がなく、犠牲者数など不明な点が多い。事件から70年を機に、筑紫野市教育委員会が調査に乗り出している。 西鉄の資料では、死者数は上り列車が乗客約20人中8人、下り列車が乗客約200人中56人とされる。 だが、上り列車に乗っていた吉野さんは「車内は満員で乗客は100人以上いたはず。死者が8人だけというのはありえない」と話す。市教委の聞き取り調査では死者数が「150人以上」との証言もあるという。市教委は人数だけでなく、犠牲者の身元の特定についても調査を進めている。 銃撃した米軍戦闘機部隊の特定も課題の一つ。事件当日の午前、旧八幡市(北九州市)などがB-29爆撃機の大編隊による空襲を受けており、時間経過からその護衛戦闘機が帰還の「ついでに」列車を襲撃したというのが通説だ。市教委が米軍資料を調べたところ、その日の八幡空襲の護衛機は「P-47」だった。 だが市教委の聞き取り調査で、襲撃機は「P-51」だったとの複数の目撃証言があるという。P-51とP-47では機体の形状が大きく異なる。襲撃機がP-51なら、八幡空襲とは別の部隊だった可能性も生じる。(この記事は2015年8月6日付と7日付で紙面に掲載、内容は当時のものです)西日本新聞社
2018年08月12日
除草剤で末期がんに、米裁判所 モンサントに約320億円の支払い命じる8/11(土) AFP=時事】米カリフォルニア州在住で末期がんと診断されている男性が、がんになったのは農薬大手モンサント(Monsanto)の除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」のせいだと同社を提訴した裁判で10日、陪審はモンサントに約2億9000万ドル(約320億円)を支払うよう命じた。陪審は全員一致で、モンサントの行動には「悪意があり」、除草剤「ラウンドアップ」とその業務用製品「レンジャープロ(RangerPro)」が、原告のドウェイン・ジョンソン(Dewayne Johnson)さんの末期がんの「実質的」な原因だったと結論付けた。モンサントは上訴する意向を示した。 8週間の裁判で、サンフランシスコの裁判所の陪審は懲罰的損害賠償金2億5000万ドル(約280億円)と補償的損害賠償金やその他の費用を合わせた計約2億9000万ドルを支払うようモンサントに命じた。 グラウンドキーパーとして働いていたジョンソンさんは2014年に白血球が関与するがんの非ホジキンリンパ腫と診断された。同州ベニシア(Benicia)にある学校の校庭の管理にレンジャープロのジェネリック製品を使用していたという。 世界保健機関(WHO)の外部組織である「国際がん研究機関(IARC)」は2015年にラウンドアップの主成分であるグリホサートを「おそらく発がん性がある可能性がある」物質と指定し、カリフォルニア州が同じ措置を取った。これに基づいてこの裁判は起こされた。 モンサントは声明で「ジョンソン氏と家族に同情する」と述べた一方、「過去40年、安全かつ効果的に使用され、農業経営者などにとって重要な役割を担うこの製品を引き続き精一杯擁護していく」として上訴する意向を示した。■同様の訴訟 相次ぐ恐れ 今回の裁判はモンサント製品のせいでがんを発症したと提訴した最初のケースだった。モンサントが敗訴したことで最近ドイツの製薬会社バイエル(Bayer)に買収されたばかりの同社を相手取って数百件の訴訟が起こされる可能性が高まったと専門家らは指摘している。 法廷で頭を垂れて座るジョンソンさんの後方に座っていたジョンソンさんの弁護団の一員で故ロバート・ケネディ(Robert Kennedy)元司法長官の息子に当たるロバート・ケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr)氏は、「この評決をきっかけに今後新たな裁判が次々に起こるだろう」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News☆山田正彦 日本の農業はモンサントに支配される日本のおコメが消える日 日本のおコメが消える日が近づいています。おコメのタネを守ってきた「主要農作物種子法(種子法)」が4月に廃止されるからです。種子法がなくなれば、やがて日本のおコメの値段は10倍にもはね上がり、味が不味くなり、種類が減り、やがて市場から姿を消していくことになるでしょう。☆世界最大の“農業マフィア”が隠したい真実 除草剤の欠点を指摘した研究者たちを口封じか巨大バイオ企業、モンサント。同社が売り出す除草剤の「影響」に対して追及の声を上げた研究者が、賞賛どころか、苛烈な非難の声にさらされている。さらには、当局や除草剤を使用する農家との間での対立構造も深刻化しているという。ヴェトナム戦争で使用された枯葉剤をつくった農薬メーカーとして知られ、除草剤に耐性をもつ遺伝子組み換え作物(GMO)の開発で、いまや世界屈指の“農業マフィア”に成長したバイオ化学企業モンサント。同社はこれまで、GMOと除草剤のセット販売に加え、栽培農家によるGMO種子の採種・再利用を禁じる契約で、世界の種子市場における独占的な立場を確立してきた。こうした背景から「欲望から生まれた悪魔の種子」といった批判がつきまとう同社に、新たな農薬の欠点を指摘した研究者たちとの間で深刻な不和が生じていることを、『NPR』をはじめとする米メディアが報じている。遺伝子操作の“マッチポンプ”1970年にモンサントが開発した「ラウンドアップ」は、グリホサートを主成分とした非選択性除草剤で、農作物や雑草を無差別に枯らす性質をもつ。この除草剤とセットで販売されているのが、遺伝子操作によってラウンドアップへの耐性を有した大豆や綿花、トウモロコシのGMO種子「ラウンドアップレディー」だ。しかし、長年にわたるラウンドアップの過剰散布は、世界中でグリホサートに耐性をもつ雑草を生み出す結果を招いた。そこでモンサントは、数年前から除草剤の主成分に従来のジカンバを採用した新たな戦略へ移行している。課題はジカンバの揮発性にある。ジカンバは散布された土壌や作物から蒸発しやすく、植物に有毒な雲を形成しながら予測不能な方向へ拡散することが報告されている。そこでモンサント、BASF、デュポンの3社は、ジカンバの揮発性を抑えた新たな化学式を考案した。これがすべての騒動の火種となった。モンサントが打ち出した低揮発性の化学式は、特許製品であることを理由に、各大学の研究者による科学的な裏付けが一切なされていないのだ。つまり、揮発性による近隣農家への影響や安全性が、公平な観点から保証されないままに市場へ放たれたことになる。さらに問題視されているのが、改良型ジカンバの販売承認を得る前に、モンサントがジカンバに耐性のある新たなGMO種子を売り出してしまったことだ。これによりジカンバ耐性型GMO種子だけを手にした農家が、旧式のジカンバ除草剤を違法に散布してしまう状況は想像に難くない。実際、アーカンソー州では広範囲に拡散したジカンバにより、新型GMO種子へ移行していない農家が実害を被ったケースがいくつも報告されている。なかにはジカンバの被害が原因で、銃撃事件に発展した農家もあったという。一際背の高い「シロザ」(英名:pigweed)は、大豆農家にとって大敵となる雑草のひとつだ。広がる被害騒動はこれだけに留まらない。2017年の夏、ジカンバの新たな化学式が承認されたことで、ほとんどの農家がジカンバ耐性型GMO種子の大規模な作づけを開始した。ところが、揮発性を低下させたはずのジカンバ除草剤による農作物への被害は、依然としてなくならなかったのだ。アーカンソー州、ミズーリ州、テネシー州を中心に、大豆をはじめとした野菜だけでなく、果樹園への損害も報告されている。この状況にもモンサントは何ら懸念を示していないようだ。ミズーリ大学で雑草を研究するケヴィン・ブラッドレー教授によると、全米でジカンバの拡散で被害を受けた農地は、推定で3,100万エーカーに上るという。それにもかかわらず、研究者の追及を受けたモンサントの重役は、栽培農家が適切な使用方法を遵守しなかったことが主な原因であるとの主張を崩そうとしていない。それどころか、実験によってジカンバの揮発性が農作物へ与える悪影響を立証してみせたブラッドレー教授に圧力をかけるほか、ジカンバの使用禁止を提案したアーカンソー州の監督官を告訴するなど、自社に不利益となるあらゆる人物を攻撃しているという報道もある。また、モンサントは、他社の非ジカンバ製品を推奨する研究者の訴えに耳を貸さないよう、各州の監督官に対して公式声明[PDF]を出している。善意と利権ジカンバの問題を指摘する研究者の存在を快く思っていないのは、何もモンサントに限ったことではない。それまで良好な関係を結んできたミズーリ州の農業コミュニティ全体が、核心に迫ろうとするブラッドレー教授を糾弾しはじめたのだという。それほどに莫大な金銭と利権が絡んでいるということだろう。「わたしの発言がミズーリの農業にとって悪影響だと言われるのは受け入れがたいです。名誉や金銭的な報酬のためではなく、地元の農家を手助けしたいと願っているだけなのに」(ブラッドレー教授)米環境保護庁は先日、来年もジカンバの使用を認可すると発表した。除草剤の散布を許可された使用者や時期について、いくつか付け加えられた制約はあるものの、これまでに報告されたジカンバの揮発性による農作物の被害がなくなるとは到底考えにくい。また、ブラッドレー教授のような真実を追求する者たちは、今後こぞって口を閉ざすかもしれない。世界の農業を制した大帝国は、誰も逆らえない黄金の巨人を生み出してしまったのだろうか。
2018年08月11日
第10代日大総長・瀬在幸安氏「田中理事長の辞任を改めて要求する」…「バイキング」にコメント2018年8月7日7日放送のフジテレビ系「バイキング」(月~金曜・前11時55分)では、日大アメフト部の危険タックル問題で騒動となっている日大の第10代総長・瀬在幸安氏(88)が番組に宛てたメッセージを紹介した。 火曜MCのタレント・柳原可奈子(32)は、瀬在氏から番組に「直接番組に電話があった」と説明。3日に同大の田中英寿理事長(71)が、公式ホームページ(HP)に今回の騒動に対する謝罪文を掲載したが、瀬在氏は「今回ほど怒りを感じた時はない。田中理事長のHP上の謝罪文からは何も伝わってこない。人ごとのように感じられる。彼らのせいでアメフト部が秋に復帰出来なかった。田中をはじめ執行部が辞めないと日大は変わらない」とメッセージ寄せた。 また、田中理事長の辞任を求めた上で「私を含め第11代総長・小嶋勝衛氏、第12代総長・酒井健夫氏と3人の歴代総長(現総長の大塚吉兵衛氏は第13代)で会見を行う。そこでさまざまな証拠をつきつけ田中の辞任を改めて要求する」と会見を行う予定があるというコメントを紹介した。 MCの坂上忍(51)は「日大が先に解決するのか、日本ボクシング連盟が先に解決するのか、それとも新たな不正が」と相次ぐスポーツ界の騒動を嘆いた。
2018年08月07日
元WBC王者・木村悠、「奈良判定」の前は「日大判定」 アマボクシングのいびつな実態暴露2018/8/ 2「ボクシングはムラ社会と言われるがアマチュアボクシングは集落のような狭さだ その社会独特のルールに縛られて個人の自由が尊重されない 権力を武器に会社の命令が絶対になり上にものを言えなくなる 日本のサラリーマン社会とよく似てる そんな世界じゃ人も育たないし努力するのがバカバカしくなる」「競技人口も異動も多くなく、強豪は同じ監督・コーチが長年つとめることが多いです。すると、実力ある選手もそうした指導者のいるチームを選び、勢力図が変わりづらい。上位陣も長く同じ顔ぶれになりますし、リング外でも噂や何かがあると一瞬で界隈に広まります。そういう点で『集落のような狭さ』という印象がありました」「当時の連盟会長は日本大学の元監督で、日大選手には『日大判定』と言われるものがあるほど優遇されていた、というのはありました。選手の間でも噂レベルではなく、日大判定があるのを前提に試合をしていたんです。自分と同じ出身の選手を優遇する点では、『奈良判定』と近いものはあります」「プロに行った選手は『アマチュア追放』のような扱いになります。私と近い世代でも、八重樫東(あきら)選手(35)、山中慎介選手(35)、内山高志選手(38)ら、世界王者にまで上り詰めた選手は多かった。でも一度プロになったら、引退後に指導者などでアマチュアに戻ることは基本的にできません。文書や口頭で言われるわけではありませんが、古い日本特有の『暗黙の了解』です。非常に残念だと思います」「村田選手の件はかなりモメたと思います。五輪金メダリストは日本史上2人しかおらず、アマチュア界からすれば至宝。その選手がプロに行くというので、相当引き留めたとも聞いていますが、結局『破門』のような形になりました。古い会社組織のようです。同じ業界では転職できないとか、そもそも転職自体が難しいといったような構造が、根深く残っていると感じます」「JOCから人材を派遣できればいいと考えます。たとえば日本のバスケットボール界は、トップリーグが2つに分かれ、国際団体(FIBA)からも改善要請があった中、サッカーのJリーグ発足に大きく関わった川淵三郎氏を招聘した結果、新たにBリーグを創設して統一に至りました。カリスマ性がある人物、組織を本当に良くしようという気概のある人物が入る必要があるでしょう。会社もそうですよね。社外取締役や社外監査役という、外部の公平・公正な『目』を入れる。アマチュアボクシング界も同じようなことができればと思います。組織を変えるには、より大きな別の組織から人を呼びたい。するとJOCからの人材が候補になるでしょう」「プロは1か所に権力が集中していません。一方、アマチュア界は連盟という1か所に集中しているので、言ってしまえばトップが好きなように運営できてしまいます」「ある意味チャンスです。アマチュアボクシングはプロボクシングの陰に隠れ、五輪以外ではなかなか脚光を浴びませんでした。それが、こうして世に出て議論が起きている今こそ、ガラッと体制を変えることで、ボクシング界全体の変革もできるのではないでしょうか」
2018年08月04日
日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題に絡み、日大経営トップの田中英寿理事長(71)が3日、日大のホームページに「学生ファーストの理念に立ち返って」と題する謝罪文を掲載した。 田中理事長が公に謝罪するのは初めて。7月30日に日大側に提出された第三者委員会の最終報告書で「学生ファーストの精神が見失われていた」と指摘された部分が「心に突き刺さった」と表現。謝罪の言葉を並べながらも、理事長にとどまって大学再生に取り組む意欲を示している。田中理事長の謝罪文の全文は以下の通り。 ■学生ファーストの理念に立ち返って(日本大学理事長 田中英寿) アメリカンフットボール部の反則タックルをめぐる問題について、調査をお願いしていた第三者委員会から7月30日に最終報告書を受け取りました。一読して、わたくしの心に突き刺さった一言があります。「日大において学生ファーストの精神が見失われていた」 それは、鋭い痛みでした。もとより、大学の基本理念は「学生第一」であります。本学も例外ではありません。だが、長い歴史の中で、おろそかになっているという極めて厳しい指摘です。大学を代表し、統括しなければならない立場にあるものとして、これ以上、心に響いた言葉はありませんでした。 反則タックルから始まった一連の出来事を顧みれば、すべての根底には、「忘れられた学生ファーストの精神」があったと思います。理事長として、この指摘を受け止め、深く反省し、改めて学生ファーストの精神に立ち返って今後の大学運営を行っていくことを、学生諸君、保護者の皆様に宣言いたします。教職員の皆様も、わたくしの決意を受け止め、行動していただきたい。 第三者委員会は、アメリカンフットボール部の前監督とコーチによる反則行為の指示があったことを認定しております。誠に遺憾というだけでは、済まされない行いだったと思います。関西学院大学アメリカンフットボール部の関係者、反則タックルによってけがをされた選手、保護者、反則するよう指示を受けた本学の選手と保護者に対し、深くお詫びをいたします。さらに、関東学生アメリカンフットボール連盟、他大学のアメリカンフットボールチーム関係者、アメリカンフットボールに関わる多くの方々に不安とご迷惑をかけたことを重く受け止め、深く謝罪をいたしたいと思います。 報告書の中では、あるまじきことか、元理事でアメリカンフットボール部のOBによる口封じがあったことが示されています。いかなる理由があろうとも、断じて許されないことです。なぜこんな卑劣な行為があったのか、驚愕と激しい怒りがこみ上げました。二度とあってはならないことです。田中英寿理事長が大学HPに謝罪文掲載 学生ファースト見失った指摘「心に突き刺さった」 理事長辞任は否定 日大アメフト8/3(金) 関東学生アメリカンフットボール連盟は、本学が提出したチーム改善報告書では不十分として、出場停止の処分解除はできないとの決定を下しました。その結果、本学アメリカンフットボール部の4年生は、最後のプレーをする大切な機会を失うことになりました。学生諸君には、誠に申し訳ないというしかありません。この残念な事態を招いたのは、すべて我々の責任です。もし、来シーズンまで待つという選手がいれば、出場ができるように最大限の支援をすることを約束します。 関東学生アメリカンフットボール連盟の決定書は、「理事長が組織改革は必ずやり遂げるとの強力なメッセージを発していれば、印象は違ったものになったであろう」とまで言いました。第三者委員会も、「この件は教学だけの問題に止まるものではない」と理事長の責任に、結論で触れました。私はこれらの言葉を、心に深く受け止めました。 日本大学は多くのやらねばならない課題、宿題をいただきました。競技部へのガバナンス強化が柱です。保健体育審議会の組織改革を急ぎ、日大競技部を新しい姿に変えていく。こうした努力のなかで、アメリカンフットボール部は「強くたくましい、フェアプレーのお手本となるチーム」として再生していくことになります。いかねばなりません。 大学運営のトップである理事長として、教学のトップである学長と歩を一にして、これらの改革に取り組んでいく覚悟です。そのことにより、耳を大きくし、より広く意見を聞き、自由闊達で開かれた大学を目指します。 日本大学は来年、創立一三〇周年を迎えます。今回の事件では数々の不手際、対応の遅れから社会問題となり、日大の信頼を大きく損ないました。このようなことは二度と繰り返さないことを誓い、この教訓を踏み台に日大再生を進める覚悟です。山根会長、暴力団が脅迫と主張「3日以内にやめろ」8/3(金) 山根会長は出演の冒頭で、自身の息子、孫、ひ孫の名前をフルネームで呼びかけ、「教育の一環として43年間アマチュアボクシングの一会員としてやってきた。法人の会長として、身内に対しても、騒ぎが起きたことに責任を感じています」とも語った。 放送終盤、加藤から会長職の進退について問われると「この問題で進退というのは考えていない。連盟に落ち度はありません」「なぜ今、進退について話さなければならない」と挑発的に話した。 また、「生出演した理由がある」とし、元暴力団幹部の名前も挙げた上で「昨日、私の知人を呼んで、3日以内に引退しないと山根の過去をばらすぞと脅迫を受けました。だから僕は立ち上がったのです」と、放送時間ギリギリまで主張を続けた。「辞めるつもりはない」「山根の過去をバラすぞとヤクザに森田組に脅されて出演を決めた」山根会長告発した鶴木氏「どう喝するの何度も見た」[2018年8月2日日本ボクシング連盟に対し、都道府県連盟の幹部や歴代オリンピック(五輪)選手ら333人から告発状が出されている問題で、渦中の山根明会長(78)が2日午前、フジテレビの電話取材に応じ、そのもようが同日、「プライムニュース イブニング」で放送された。 同番組には、告発状を作成した「日本ボクシングを再興する会」会長の鶴木良夫氏が生出演した。新潟県ボクシング連盟理事長でもある鶴木氏は、山根会長が出身の奈良県連の選手に有利な判定が下るよう圧力をかけた“奈良判定疑惑”を否定したことに対し「意に沿わない審判に直接、どう喝を加えているのを何度も見ている。処分も下している」と証言した。 鶴木氏は、審判の配置などについて「最終責任は審判長。会長がどれだけ関わっているか分からない」と口にしたが、その上で「私が聞くところによると、最終確認は会長に見せ、GOサインを出していると。ストップを出すこともあると思います」と言及した。 さらに「審判控室で怒鳴りつけている。その辺に座らせたり…何回も見ています」と、山根会長の圧力が随所に及んでいたことを示唆した。審判に関してはA級からC級までランク分けされており、最上級のA級は全国大会の審判が出来るというが、鶴木氏は「A級のライセンスを持っていても呼ばれない。良心を捨ててまで審判をやりたくないと、辞めている審判も何人もいます」と明かした。 自らと山根会長との関係については「会長と(自分は)一理事でスーパーバイザー。私は怒られたことはないです。気持ちはきちんと伝えてきたので、もの(おもてなし)はないです」と説明した。「山根会長」山口組系組長と50年の付き合い!大阪府の暴排条例に抵触
2018年08月03日
「これ以上黙っておれない!」 激白! ボクシング山根会長8/2(木) 不正疑惑に揺れる日本ボクシング連盟の山根会長が、FNNの単独インタビューに応じた。疑惑の判定や数々のおもてなしリストの存在を真っ向から否定した。日本ボクシング連盟・山根 明会長は「山根 明を支持していただいている全国の皆さんに対して、ハッキリしなくては駄目だなと。そういう決心から、わたしは前に出ます」、「全部がうそだね、作りのね、だから受けて立つ」と話した。2日、FNNの単独取材に90分にわたって応じたのは、疑惑に揺れる日本ボクシング連盟の山根 明会長。関係者の告発状で指摘された、ジャッジへの介入や数多くのパワハラ疑惑について、真っ向から否定した。山根会長は「(おもてなしなどの要求は?)ありません! 要求の文書が来たと言っていますけど、連盟からこういうことをしなさいと文書を出したことはありません。VIPの部屋とか、そういう請求も一切しておりません。椅子は大きな椅子にしてと要求した覚えはありません。一切! 椅子があったら僕は座るだけ! パイプ椅子でも!」と話した。そして、あのおもてなしリストについては。山根会長は「『カンロ飴』なんて、120円ですよ。ミネラルウオーターなんて、なんぼすんねん。何百円のものが豪勢ですか。一般の市民でも飲んでいるでしょ。開催県からどうのこうの言われること、させていませんよ! 僕自身も奈良県の地方出身の組織でありましたから、地方連盟の都道府県の気持ちは全部酌んでいるんです。だから、わたし自身、無理はさせていません」と話した。奈良判定について山根会長は、「あぁ奈良判定。それは絶対ありません! わたしは一切そういうことにタッチしていません。面白半分テレビで言っているから、怒りを感じるし、もうこれ以上、黙っておられない」と、完全否定。そして、リオオリンピックに出場した成松大介選手に交付された助成金240万円から、別の2人の選手に、あわせて160万円が不正に流用されたことについては。山根会長は「成松の件は、私自身が3等分しなさいと言いました。3人が一緒に受けられたらいいなと思ったんですけど」、「(それはやってはいけないという決まりでは?)それは知らなかったですよ。160万積むようなお金ありませんから。1人息子から買ってもらった時計を、息子に内緒にして売りました。ロレックスです」と、事実を認めた一方で、違反であることを知らなかったと主張した。山根会長は「村田がね、古き人はもう引退してもらうような...そういう表現でわたしに対して言ったことに関して、大きいショックを受けたね」と話した。疑惑が発覚してから初めて口を開いた山根会長。今後、日本ボクシング連盟として会見を検討しているという。山根会長、村田諒太の批判に「大きいショックを」8/2(木) 日本ボクシング連盟に対し、都道府県連盟の幹部や歴代オリンピック(五輪)選手ら333人から告発状が出されている問題で、渦中の山根明会長(78)が2日午前、フジテレビの電話取材に応じ、そのもようが同日、「プライムニュース イブニング」で放送された。山根会長は、12年にはロンドンオリンピック・ミドル級で金メダルを獲得したWBA世界ミドル級王者村田諒太が28日に更新したフェイスブックで「そろそろ潔く辞めましょう、悪しき古き人間達、もうそういう時代じゃありません。新しい世代に交代して、これ以上、自分達の顔に泥を塗り続けることは避けるべきです」などとつづったことに「大きなショックを受けた」と語った。 山根会長は「村田がね、『古き人は引退してくれ』と言ったことに大きいショックを受けたね。あの子には愛情を与えて金メダルを取らせた」と失望をあらわにした。その上で「連盟がしっかりしないとメダル取れない。『山根会長のおかげで取れた』と言って金メダルを首にかけてくれて、私は泣いた。そう言った人間が、なぜにそういう談話を出したか?」と批判した。 そして「私は選手に、愛を持って接している。選手、役員も会長にピリピリしている…そんなことはない。愛情を注ぐのが一番大事」と強調した。
2018年08月02日
試合用グローブ・販売できるのは1社のみ 振込先は“山根” 独占販売の実態8/1(水) 告発代理人・戸田裕典弁護士は、「日本ボクシング連盟のマークがついたグローブなり、ヘッドギアでないと、公式試合に出られませんというような決まりになって、それを扱えるのが事実上1社だったというようなことから、利益、利権が集中してしまったかなと」と述べた。日本のアマチュアボクシングの試合では、連盟公認マークのついたグローブを使用しなければならない。しかし、日本ボクシング連盟は、このグローブの購入先を1社に限定。告発状は、この点を問題視している。新潟県ボクシング連盟・鶴木良夫理事長は、「8,000円から1万2,000円ぐらいで買えるという人もいますけど、うちらで実際買っているのは、2万1,000円から2万2,000円ですから。普通の2~3割は高い。(連盟公認の)認証シールも、ちょろっと貼れるやつで、1回試合するとはがれるんですよ」と語った。さらに、ボクシング用品店からは、「何の加工もされていないステッカーを5,000円から7,000円の検定料を取るなど、単なるボッタクリです」との声が。実はこのグローブ、すでに国際基準をクリアしたもの。あらためて日本で検定することに、疑問が生じている。さらに疑問を深めたのが、納品書に書かれた振込先。そこには、「山根」の文字が。これは、一体...。このことについて、5月の連盟の総会で言及された。総会出席者「山根会長に関係ある方ですか? 口座振り込みの名義が、そうなっていたということで...」山根会長「山根はワシの孫」「山根 明が、そのグローブ販売したからって、何も違反じゃないですよ。山根 明会長が、なんで商売したらあかんの?」「タテ社会の人間関係」インドはカースト制で、英国は階級制。同じ階層でつながる機能をもつヨコの関係に対して、日本の社会は常にタテになっている、と。論文では分析する用語として「資格(属性)」と「場」を設定しました。どの社会にも資格と場はあり、インドや英国では資格が重要なのに対し、日本ではどんな職業かという「資格」より、○○会社の構成員という「場」が重視される。他の国であったならば、その道の専門家としては一顧だにされないような、能力のない(あるいは能力の衰えた)年長者が、その道の権威と称され、肩書をもって脚光を浴びている姿は日本社会ならではの光景である。しかし、この老人天国は、決して日本人の敬老精神から出てくるものではない。それは、彼がその下にどれほどの子分をもっているか、そして、どのような有能な子分をもっているか、という組織の社会的実力(個人の能力ではない)からくるものである。 (『タテ社会の人間関係』 131ページ)
2018年08月01日
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