見たまま、感じたまま、思ったまま

PR

Profile

Dr.悠々

Dr.悠々

Calendar

Freepage List

この歌が好きだ!


月の祭り


グッドバイ


て~げ~


de RACINES


エアジン・ラプソディ


都市生活者の夜


このマンガが好きだ!


自虐の詩


私が選んだマンガ20


博多っ子純情


我が指のオーケストラ


ぼくんち


家栽の人


子連れ狼


龍(RON)


狂四郎2030


大好きな豊田勇造さん


(1)行方不知


(2)大文字


(3)夜を重ねて


(4)背中


(5)雲遊天下


(6)ギターが友達


2003年ライブ前


(7)うさぎ


2003年勇造ライブ開始


2003年ライブ第1部


2003年ライブ第2部


仕事のデッサン


2004年ライブ


勇造ライブ2006年


勇造ライブ2005年


私の音楽遍歴(その1


その(2)中学時代


その(3)高校時代


その(4)大学生時代


(その5)その後~現


ある開業医のつぶやき


服を脱がない人たち


お金を払ってくれない


時間外に来る人達


点滴をしたがる人達


このドラマ、映画が好


(1)男たちの旅路


蝉の脱皮


日記自薦集(1)


日記自薦集(2)


お気に入りのレコジャ


子供の病気のお話


(1)インフルエンザワクチン(2003年)


(2)嘔吐下痢症


突発性発疹とリンゴ病


麻疹と風疹


喘息について


手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱


インフルエンザ(2004年)


ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)


医者の心得集425より


悠々先生の音楽夜話(日記より)


この映画が好きだ!


TATTOO(刺青)あり


鬼畜


祭りの準備


私のLASIK体験記


LASIK術前検査


LASIK本番


心に残る日記・お友達編


リレー日記「心の帰れる場所」


Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

聖書預言@ Re:楽天ブログも終わったな(06/06) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
beer@ Re:発泡酒は嫌いだ(06/20) 嫌いです。変なの開発したのはビールに対…
のどまる。@ Re:映画ドライブマイカーを見た(03/25) 本は いつか映画を見るまでに と 何度か…
Dr.悠々 @ Re[1]:セロリが好きだ(05/05) のどまる。さんへ え?葉っぱの方が食べや…
のどまる。@ Re:セロリが好きだ(05/05) セロリ  大好物です。 香りも しゃくし…
Dr.悠々 @ Re[1]:セロリが好きだ(05/05) かやねずみの家さんへ 佃煮かあ、今度試…
かやねずみの家 @ Re:セロリが好きだ(05/05) パリッパリのセロリ美味しそうです! こん…
Dr.悠々 @ Re[1]:青春の行方(04/19) ミドリツブコさんへ この茶店は、1日中薄…
Dr.悠々 @ Re[1]:青春の行方(04/19) のどまる。さんへ のどまるさんらしいコメ…
ミドリツブコ @ Re:青春の行方(04/19) 映画のひとこまのような。 この店で小編…
2004.12.27
XML
<追記>
電子ブック としてweb上でご覧になる事ができるようです。

スラチャイの書いた素晴らしい「日本の皆様へ」という序文を読んでみてください。

~~**~~**~~**~~**~~**~~**~~**~~**

雑誌「雲遊天下」を出しているビレッジプレス社から、「カラワンソングブック」が出た。


カラワンソングブック(森下ヒバリ編 ビレッジプレス)

ソングブックをCDブックと勘違いして購入(笑)。
あれ?CDが無いぞ~と思って、両者の違いに気づいたわけ。


70年代の前半に、タイの民主化運動の波の中から生まれた「生きるための歌」を歌うグループである。
日本において、学生運動からフォークソングが生まれたようなものだろう。

初めて歌った唄は「人と水牛」で、これは知り合いの結婚式で歌われたそうだ。

  人は耕す 人は水牛と耕し続けてきた
  人と水牛の絆は 長い間にはぐくまれ
  ともに一生懸命働き
  よろこびと幸せを培ってきた

  暮らしは貧しく涙も枯れ果てた
  こころは怨みにはりさけそう
  太陽は照りつけても ひるむことはない
  鍬をかついで さあ野に出よう


  人間性が奪われ 貧富が社会を二つに分ける
  農民はますます貧しく 農民は野蛮と見下される
  確かな事は 死に往くことだけ


おとなしい歌謡的なタイの歌しか知らなかった、正装した列席者は目が点になったそうだ。

その後もカラワンは、民主化の波に乗り多くの学生や農民の支持を得ながら、生きるための歌を唄うタイの人気グループへと成長していく。


この間に、タイ共産党に合流して行動を共にするが、その非独立的教条主義に失望し、軍部の抑圧が緩まったのを機会に、数年間の森でのゲリラ生活に終止符をうち森から出てくる。そして、再びメンバーが揃って、また生きるための歌を歌い出すのだ。

その当たりの事情は、メンバーの一人で今は文筆業に専念しているウィラサク・スントンシーが書いたこの本に詳しい。



カラワン楽団の冒険(晶文社)

(この本は、このソングブックを手にしてから、カラワンのことを検索していくうちに見つけた本だ。
こういう風に広がっていく読書と言うのは楽しい。)

この本の冒頭、「日本のみなさんへ」と言うタイトルで、カラワンの事実上のリーダーであるスラチャイが、素晴らしい序文を寄せている。このカラワンと言うグループの性格と言うかなりたちが一目で分かる言葉だ。
少し長いが引用してみよう。

「問題・・世界中いずこと言えども問題の無いところはない。どの神様もまだ解決してくれた事がない。よく言うではないか、生きている限り問題があり、問題があるからこそ生きているのだ。学んで、考えて答えを探し出さねばならない。よりよい生活を得るには、すすんで考え、すすんで行動し、すすんで死を賭し、すすんで闘う。生まれながらにして貧困と負債のくびきに繋がれ、何らかの圧力のもとに置かれることに満足する人は居ない。闘って、生きる事への光を見いださなくてはならない。それがささやかな光であっても、暗闇よりはましだ・・。」


彼らの「生きるための歌」とは、汚された砂浜の歌、出稼ぎ農民の歌、反戦の歌、民主闘争の歌、よりよい生活を願う歌、正直な愛の歌など、自分たちが生きている現実の世界の嬉しいこと、悲しいこと、腹の立つことを唄った歌である。

どっかで聞いた台詞だ・・。
そう思ったら、勇造さんがいつも言ってる事と同じである。

「オレの中には、生きることはもっと素晴らしい事やと思う気持ちがあって、生きることがもっと素晴らしくなるのを拒む力に腹が立ちます。この拒む力をオレは撃って行きたい。オレの外側、内側の両側に向かって撃って行きたい。撃つことと生きることの両方のバランスを楽しみながら、オレは生きていきたい。手段と目的の距離を縮めながら生きていきたい・・」(歌旅日記のあとがきより)

そんな勇造さんとカラワンとが出会うのはある意味必然的だったのだろうと思う。

83年に水牛楽団の招きで初来日したカラワンのステージに触れた勇造さんは深く感銘を受けて、彼らと親交を重ね、85年には友部正人さんと一緒にタイへ渡りカラワンのツアーに参加する。
この旅がきっかけとなり、タイが好きになり、タイのイサーンに住み、タイと日本を往復しながら、タイのミュージシャンの日本ツアーをプロデュースしたりして、タイに関わってかれこれもう20年になる。

勇造さん自身も、「人と水牛」などカラワンや、タイの「生きるための歌」を唄うミュージシャンの作品をライブでよく唄う。

カラワンが唄って、勇造さんが自分のレパートリーにしている「満月」(望郷がオリジナルのタイトル)はその代表だろう。
歌詞だけ聴くと、一見牧歌的に聞こえるこの歌は、軍事政権に追われて森へ逃げたメンバーが、故郷を思い唄った歌である。今ではタイでは知らない人の居ないぐらいのポピュラーな歌になっているらしい。枚方のライブだったか、勇造さんがこの歌を唄うと、ライブに来ていたタイの留学生?の女性達が、涙を浮かべながら一緒にこの歌を唄っていた。

勇造さんはかなり歌詞をシンプルにしているが、オリジナルの歌詞を掲載しておく。

  満月は冴え冴えと輝き
  月光に染まる空の美しさよ
  風は涼やか
  柔らかな月の光に 
  ふるさとの地に思いをはせる
  住んでいた家 いろりの火 囲い場の水牛

  火はまだ消えていないだろうよ
  月よ風に伝えておくれ
  囲炉裏の火を絶やさず 寒気を払ってくれと
  我が家の兄弟達が 暖かく安らかに眠れるようにと

  蝉の鳴く声は お前が呼んでいるかのようだ
  風よささやいておくれ 私は待ち続けると
  遠く離れても 故郷への思いは消えることはない

  風よ 故郷タイへ伝えておくれ
  この想いを
  山に 川に たんぼに
  遠く離れたわが子は やがて母の胸に帰ると



再び精力的に活動を再開したカラワンは、89年に時代の役割を終えたとして解散したが、中心人物のスラチャイとモンコンはそれぞれソロ活動を継続しており、何度も来日も果たしている。
そして、結成20年、25周年と節目の年にはオリジナルの4人が集まりツアーを続けてきた。
今回結成30周年ツアーを日本で行うに当たり、これで4人が揃うのは最後だろうと感じた、タイに魅せられた旅行作家の森下ヒバリさんが、渾身の思いを込めて制作したのがこのソングブックである。そして勇造さんがその序文を書いている。

確か、大阪の勇造さんのライブで売られていたカラワンのカセットを購入したことがあった。
当時のカセットを捜したがどこに行ったのか見つからない。
何枚かCD化されたアルバムもタイの流通事情からか見つけられない。どこかで彼らのアルバムに出会ったら、このソングブックを片手にじっくりと彼らの歌を聴いたみたい。

自分にとっての生きるための歌を見つけるために。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004.12.28 14:01:50
コメント(10) | コメントを書く
[読書、映画、テレビなどのこと] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: