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2025.11.13
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カテゴリ: 報徳記を読む
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二宮翁夜話巻の3

【40】尊徳先生がおっしゃった。

「咲けば散り 散ればまた咲き 年ごとにながめ尽せぬ 花の色々」、

困窮に陥って、どうともするべき方法がなくて、売り出す物品を、安い物だと悦んで買う。
また不運が極ってよんどころなく、家を売って裏店へ引っこめば、表店へ出てめでたいと悦ぶ者も、絶えずある世の中である。

「増減は器傾く水と見よ こちらに増せばあちら減るなり」、

物価の騰貴に、大きい利を得る者があれば、大損の者がある。



苦楽・存亡・栄辱・得失、こちらが増すとあちらの減るほかはない。

皆これは自他を見る事ができない半人足の、寄合い仕事である。

「喰へば減り 減ればまた喰ひ いそがしや 永き保ちのあらぬこの身ぞ」、

屋根は銅板で葺いて、蔵は石で築けるが、三度の飯を一度に喰いおく事はできない。

やがて寒さが来るとて、着物を先に着て置くという事もできない人身である。

そうであれば長くは生きられないのは天命である。

「腹くちく 喰うて つきひく女子等は 仏にまさる悟りなりけり」、

我が腹に食満れれば寝ているのは、犬猫を始め心無き物の常の情である。

それなのに食事を済ますと、すぐに明日食べる物をこしらえるのは、未来の明日の大切なる事をよく悟るためである。

この悟りこそ人道に必要な悟である。

この理をよく悟れば、人間はそれだけで事足りるであろう。

これが私の教えであり、悟道の極意である。

あたかも道を悟ったような類の悟りは、悟っても悟らなくても、知っても知らなくても、ともに害もなく益もなない。

「我というその大元を尋ねれば食うと着るとの二つなりけり」、

人間世界の事は政事も教法も、皆この二つの安全を計るためだけである。

その他は枝葉のみであり、潤色のみである。

二宮翁夜話巻の3

【40】翁曰く、
「咲ばちりちれば又さき年毎に詠(なが)め尽せぬ花の色々」、
困窮に陥り、如何ともすべき様なくて、売り出す物品を、安ひ物だと悦んで買ひ、又不運極り拠(よりどころ)なく、家を売りて裏店(うらだな)へ引き込めば、表店(おもてだな)へ出て目出度しと悦ぶ者、絶へずある世の中なり、
「増減は器(うつは)傾く水と見よ こちらに増せばあちらへるなり」、
物価の騰貴に、大利を得る者あれば、大損の者あり、損をして悲しむあれば、利を得て悦ぶ者あり、苦楽・存亡・栄辱・得失、こちらが増すとあちらの減るとの外になし、
皆是自他を見る事能はざる半人足の、寄合ひ仕事なり、
「喰へばへり減れば又喰ひいそがしや永き保ちのあらぬ此の身ぞ」、
屋根は銅板(あかがねいた)で葺(ふ)き、蔵は石で築づくべけれ共、三度の飯を一度に喰ひ置く事は出来ず、やがて寒さが来るとて、着物を先に着て置くと云事も出来ぬ人身なり、
されば長くは生られぬは天命なり、
「腹くちく喰ふてつきひく女子等は仏にまさる悟りなりけり」、
我が腹に食満れば寝て居るは、犬猫を始め心無き物の常情なり、
然るに食事を済ますと、直に明日喰ふべき物を拵(こし)らへるは、未来の明日の大切なる事を能悟る故なり、
此の悟りこそ人道必用の悟りなれ、
此の理を能じゅ悟れば、人間は夫れにて事足るべし、
是れ我が教、悟道の極意なり、
悟道者流の悟りは、悟るも悟らざるも、知るも知らざるも、共に害もなし益もなし、
「我といふ其の大元を尋れば食ふと着るとの二つなりけり」、
人間世界の事は政事も教法も、皆此の二つの安全を計る為のみ、
其の他は枝葉のみ潤色のみ。





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最終更新日  2025.11.13 00:00:07


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