ねこっぽ雑記

ねこっぽ雑記

2004年12月24日
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(25日更新。お待たせしました。)
 今日はクリスマス・イブ。大学に入ってからはクリスマス・イブに友人と歌舞伎を見るのが恒例となっていまして、今年も歌舞伎座昼の部を観劇することにしました。とはいうものの手元にチケットはなし。しかも昨日電話したところ前売り分は売り切れたとのこと。そんなわけで幕見をすることになり、ちょっと気合を入れて9:00から並びました。「前売りが売切れるくらいだから幕見もそれなりに入るんだろう」と予想して9:00から並ぶことにしたわけですが……2・3幕目はともかく1幕目はさほど混んでいなかったです。ちょっと拍子抜け。でも開演までの2時間の間久々に友人とゆっくり話ができたのでよかったな、と。何しろ彼女と会うのは約半年ぶりだったので。
 さて歌舞伎の感想ですが、まずはじめは「八重桐廓話」(やえぎりくるわばなし)。金太郎のお母さんの話です。大学1年のとき、市川猿之助さんの著書『夢みるちから』を読んで「歌舞伎について知りたい!」という衝動に駆られた私は「とにかくまずは生の歌舞伎を観てみよう」と思い歌舞伎座へ。その月に上演されていたのがこの「八重桐廓話」。そんなわけで私にとってはとても思い出深い演目なのです。今回歌舞伎座の昼の部を観ることにしたのも「八重桐廓話」が観たいから、というのが一番の理由でした。
 後に金太郎の母親となる八重桐を演じるのは福助さん。当たり前といえば当たり前なんですが、非常に福助さんらしい八重桐でした。変な表現ですけど、粘りつつも発散している感じ。一方前回見た時蔵さんの八重桐はおおらかでさらっとした印象を与えるものでした。そしてこれもまた変なたとえなのですが、もし4面障子張りの部屋があったとしたら、時蔵さんはその空間の中できれいにまとめて見せる面白さ。一方福助さんは与えられた空間に納まらずに障子紙にボコボコ穴を開けてみせる面白さ(笑)。客席の反応としてはやはり後者の方が良かったように思います。でも私は初めに観た印象が強いせいか時蔵さん八重桐の方が好きです。
 あとはどうやら時蔵さんの時と福助さんの時ではやり方が多少違っているようで、時蔵さんがご自分で言っていた台詞を、福助さんは竹本に取らせたりしていました。もう3年前に観た演目なのに観出すと結構思い出すもので、驚きでした。
 まだまだ書きたいことはあるのですがこれ以上長くなるのも気が引けるので次の演目へ。
 二つめの演目は「身替座禅」。座禅をすると偽って浮気相手の花子に会いに行く山陰右京。しかし妻・玉の井は右京の身替りになって座禅をしていた太郎冠者を見つけ、すべてを聞き出してしまいます。太郎冠者に代わって座禅をする玉の井に向かい、そうとは知らない右京は花子との逢瀬を語りますが…。結局最後は妻→怒り心頭、夫→平謝り、で幕。山陰右京は勘九郎さん、玉の井は三津五郎さん。
 感想は……なんかもっとはじけた舞台になるのかと予想していたのですが、案外そうでもなくて「あれ?……ふーん。」 という感じ。筋書のインタビューで勘九郎さんが「今回は本当に何もしないで上品につとめたいと思っています」と答えていらっしゃいますが、確かにそんな感じ。正直言ってちょっと物足りない印象を受けました。だからといってじゃあはじけた勘九郎さんがいいのかというと一概にそうも言えないと思うのですけど。
 三津五郎さんの玉の井は、やはり筋書のインタビューで三津五郎さんが「ただ怖い奥方ではなく、ご亭主の右京が好きで、その愛情があふれてつい怖くなる。そういう風に玉の井を演じたい。」と仰っていますが、これまた納得。私は亡くなった澤村宗十郎さんの玉の井が大好きなのですが、宗十郎さんの玉の井も演じる方向としては同じだったのではないかと三津五郎さんの玉の井を観て感じました。演じ方は決して似ていないのだけれど、目指す方向は同じだったんじゃないかな、と。あとは三津五郎さんは踊りの上手な方なので、動き方に神経を使っているような印象を受けました。

 そういえば今回楽しいハプニングがありました。米八が丹次郎のところにやってきて仇吉の悪口を言う場面があるんですが、勘九郎さん「米八が…」「仇吉が…」と言っているうちにどっちがどっちだかわからなくなってしまったらしい。とうとう「仇吉が」と言うところを間違って「米八が……違う!仇吉が」と言ってしまい、勘九郎さんご本人も明らかに笑いを堪えていたんです。そしたらそれに対して段治郎さんが「訳の分からないことを言うんじゃねぇよ」と一言。これには客席も大受け(笑)。でもこの段治郎さんの一言が笑いを取った一方で話もうまくまとめ、芝居は元の軌道に戻っていったのでありました。あれって段治郎さんのアドリブだったのかなぁ。そうだとしたら本当にすごいと思うんですが………どうなんでしょう?
 12月歌舞伎昼の部に関しては以上。
 その後、友人とお茶でも飲もうということになり、歌舞伎座のある東銀座を出発して彷徨ううちにいつのまにか日比谷へ。結局日比谷シャンテ内のモロゾフでクリスマス限定ケーキを食べました。

クリスマス@Morozoff


甘さ控えめだし見た目にもきれいだし美味しかった~。ちなみに日比谷シャンテは目の前が東京宝塚劇場なので、他のお客さんの会話が思いっきり宝塚の話だったりして、なんだか懐かしくなってしまいました。一方私たちは紅茶を飲みつつ『演劇界』(歌舞伎専門誌)を読んでいたりしたのですが(笑)。
 やがて帰ることになり日比谷から銀座へ向かって歩いていた私たち。そしたら……なんだか道路の向こう側がやけに明るい。何かと思ったら、東京ミレナリオだったんです。図らずも点灯初日に見ることになりました。

東京ミレナリオ


生で見るのは初めてだったんですが、なかなかきれいでした。でもミレナリオを通り抜けて一般道に戻った時はなんとも空しいものがありましたね(泣)。





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最終更新日  2004年12月25日 22時09分58秒
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