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今年のヤシャブシの実の収穫を行った。ヤシャブシの木は海岸から少し上がった丘を切り開いた道の両側に生い茂っている。地域の人がハギシバとかハゲシバリと呼ぶのは、切り開いた山の崩れそうな土手を縛るようにして早く成長するのから「はげ山を縛る木」という意味から来ているという(^^足元に落ちているその果実は、松ぼっくりを小さくしたくらいで親指の先の大きさ、まだ開いてはいない。9月末から10月ころ、冬の木枯らしが吹くまでに収穫すると、実の中に種がある。これがあるものが染めで良く発色する。実は乾燥すると黒くなるが種が落ちて無くなると染まる色は薄くなる家の裏にあるヤシャブシの木(左端)と右側の木の熟柿が美味かった秋の晴れた日に山道沿いに長枝切鋏を伸ばしていると、通りがかりの車から「栗の実泥棒がいる」と言われそうな気がする(笑)ので我が家の裏に5本ほど大葉ヤシャブシとヤシャブシの木を植えたのが5年前。今では、どの木も大きく育って実を沢山つけている(^^この実を乾燥させて保存し、年間を通じて草木染めに使用する。乾燥した今年の実だけを使用すると良いように思われるが、カタログ掲載などで追加注文がくると季節によって同じような色相や濃度に染めることができない。そこで、今年の分100g、去年の分100g、それ以前の分100gというような割合を決めて、使う地下水を同じ量、同じ水温、同じ時間数で煮出すと、毎年ほぼ同じような色相と濃度になる。なので、今年も、去年と同じようにしてヤシャブシの実を収穫して保存するのだった。その液で絹ストールに染めと鉄媒染を繰り返し絞りとロウケツ模様を施す工業試験場の試験でグレーは3級~黒で5級以上の結果を得た。好みの色を求める場合は液を濃くしたり他の植物液を染め重ねたりする。自然には不可思議な部分が多く解明できない私が居る。足元にある植物たち、ひとつひとつ丁寧に向き合うものなのだと思うのだった。▼能登の手の日々 カテゴリー ●全て ●日々 ●街中ギャラリー ●染色 ●能登、そして、この町 ●絵・美術について ●CG ●食べもの ▼能登の手の作品集 (写真・CG) ▼リンク ●ようこそNotoNote オリジナルのデザイン・あつらえの着物。染色・草木染めの専門ページです。 ▼お気に入り ブログ・その他 ●Water-Colour ひろろdecさん ●紅の水絵日記 M-Crimsonさん ●MoMo太郎日記 MoMo太郎009さん ●Kleine Erfrischung kamoppieさん ●考え事ほか vissel-篤胤さん ●地元力向上委員会 hanami73さん ●今日の空 つるまる5さん ●Que sera sera 五右衛門0563さん ●染工房えむ koubou-mさん ●バンブーおじさん奮闘記 幸達さん ●てんてん日記 もえぎさん染色の専門サイト★能登の手へのメール
Oct 14, 2016
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集落のお婆ちゃんたちと一緒に草木染め教室を20年近く続けてきた原点は、きっと限界芸術の中にある喜びのエネルギーだったんだと思う(^^ そのエネルギーは、更に次の一枚を染めさせる力になった。草木染めの絞りの魅力は括りと絞りの糸を解くときの緊張感不安と期待の入り混じった瞬間には、子どものように歓声をあげて喜ぶこともある。手絞りで美しい表現ができたとき、皆が「喜んだ心に、何かの素があった」。60歳から80歳越えた生徒さんの合同制作 草木染めの四季教えるほうも教室で学び考えてミスを乗り越えて染めも絞りも改良した。染めの裾野が広がった教室は地区の活動になり他の町からの参加者も受け入れて、絞りの工夫や染めの改良を重ねる実験場でもあり、発表の場になった。限界芸術は生活文化のなかにある。限界芸術にも生活文化にも、質の違いはあるがレベルの高低を争うことはない。人の心の夫々の喜びの大きさは、比べられるものではない。かつては文化をレベルの高低という基準の比較で評価した時代もあったようだ。だが、今の時代の文化は価値観の違いも認める。多種多様な生き方を認め「人々が暮らしていく中で、ある価値観を、集団で共有し、長期間にわたって、活動し続けることによって生み出されるもの」になっている。それが支えられるものは、それぞれの日常の暮らしだ。きっと生活と芸術の境界線にある「喜びを感じられるモノゴトに、ときめく心」なのだと思う。それは、どこに暮らしていても、こんな限界集落に暮らしていても得られるものだ。限界集落に暮らして限界芸術かぁ・・・そんなオチ?違う違う、ネタじゃない(--;限界芸術でもアートでも文化でも・・・なんでも良い (^^お楽しみでも苦しみでも悩みであっても何でも「喜びを感じられるモノゴトに、ときめく心」があれば、この先の老後も生きていけるような気がする(笑▼能登の手の日々 カテゴリー ●全て ●日々 ●街中ギャラリー ●染色 ●能登、そして、この町 ●絵・美術について ●CG ●食べもの ▼能登の手の作品集 (写真・CG) ▼リンク ●ようこそNotoNote オリジナルのデザイン・あつらえの着物。染色・草木染めの専門ページです。 ▼お気に入り ブログ・その他 ●Water-Colour ひろろdecさん ●紅の水絵日記 M-Crimsonさん ●MoMo太郎日記 MoMo太郎009さん ●Kleine Erfrischung kamoppieさん ●考え事ほか vissel-篤胤さん ●地元力向上委員会 hanami73さん ●今日の空 つるまる5さん ●Que sera sera 五右衛門0563さん ●染工房えむ koubou-mさん ●バンブーおじさん奮闘記 幸達さん ●てんてん日記 もえぎさん染色の専門サイト★能登の手へのメール
Oct 7, 2016
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昨年の夏に(2015年7月20日)鶴見俊輔氏が亡くなって思い出したのが、氏の「限界芸術論」だった。芸術の限界ではなく限界芸術という言葉が、不思議なニュアンスを伴って私の記憶に残っていた。若い頃、勤めていた京都の染色会社の寮の一室では毎晩のように酒飲みトーク会が行われていた。先輩の話を聞いても何のことか、殆ど分からなかった18歳の私。理解するには「その手の本を読むしかない」と思った(笑で、「美術手帳」「芸術新潮」をはじめ「美学入門」や「粋の構造」などなど、今でも何度読んでも分からない本を読み漁ったが(^^ゞ その中の一冊が限界芸術論だった。「限界芸術論」の中で、鶴見俊輔氏は芸術を3つに分類している。「芸術とよばれている作品」を「純粋芸術」(Pure Art)。「純粋芸術に比べると世俗的なもの、非芸術的なものなど」を「大衆芸術」(Popular Art)。「さらに広大な領域で芸術と生活との境界線にある行為や作品」を「限界芸術」(Marginal Art)としている。「限界芸術」の例として、盆栽や生花、茶の湯などがあり、日常生活の落書き、ゴシップ、盆踊りや墓参り等も入れられている。今で言うと漫画、麻雀やゲーム、カラオケもそうかもしれない。「間」の概念、「省略の美」や「単純化の美」という図形や言葉。今では消えそうな「粋」や「わび」「さび」「渋み」の概念なども生活の中にある美といえる。芸術と言うか・・・アートと日常生活の境界線のぎりぎりアート側の内容かな。「たのしい経験となるような記号」が芸術の限界領域にある。それは生活の中にある心ときめくような話であったり、行為であったりする。早い話、日常の趣味や娯楽の中にある楽しさが、芸術や美の源、生活文化の素といえる。京都から能登に戻って10年ほどの頃、草木染めを発表し始めた頃に、集落のお婆ちゃんたちの希望で草木染め教室を始めた。趣味の草木染め教室で当時75歳の生徒さんが絞って染めたタペストリーこの教室の活動に関してはブログにも何度か書いたので省略(^^)あのとき、日々に進化する草木染め教室の手ごたえが凄かった。お婆ちゃんたちは多忙な生活の中でも根気よく絞りを施して、何度も何度も染めを重ねて完成させる姿に喜びがあふれていた。趣味の教室のお婆ちゃんたちは販売を目的として商品を作ったこともない。もとより「純粋芸術」を目指したわけではない(笑)いうならば「純粋な限界芸術」だったような気がする(^^染めることを楽しみ、売る事もしない。ただ出来上がりを喜ぶという行為。ある意味、純粋に過ぎたような気もする(^^ゞ長くなったので次回に続く。▼能登の手の日々 カテゴリー ●全て ●日々 ●街中ギャラリー ●染色 ●能登、そして、この町 ●絵・美術について ●CG ●食べもの ▼能登の手の作品集 (写真・CG) ▼リンク ●ようこそNotoNote オリジナルのデザイン・あつらえの着物。染色・草木染めの専門ページです。 ▼お気に入り ブログ・その他 ●Water-Colour ひろろdecさん ●紅の水絵日記 M-Crimsonさん ●MoMo太郎日記 MoMo太郎009さん ●Kleine Erfrischung kamoppieさん ●考え事ほか vissel-篤胤さん ●地元力向上委員会 hanami73さん ●今日の空 つるまる5さん ●Que sera sera 五右衛門0563さん ●染工房えむ koubou-mさん ●バンブーおじさん奮闘記 幸達さん ●てんてん日記 もえぎさん染色の専門サイト★能登の手へのメール
Oct 5, 2016
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「また耐光堅牢度、やるのか?」という声が聞こえそうだ(笑能登の植物を使って品質の良い染めを行いたい。それが私の仕事だから(^^逆に、何で堅牢度を調べないで売ることができるの?・・・まぁ他人の仕事の話ではなく、あくまでもウチの工房での話。染め終わって販売していない布が幾つもの箱に入っている。試験に出して耐光3級未満だった染め布だ。試験結果・・・3級未満の染めが多いのは草木染めの現実だが、5級以上という結果も出る!!!堅牢度を高めるための染め方がある!・・・知っている人は知っているが(笑)濡れたまま連続して染めと媒染を重ねるよりも、一旦乾燥させてから染めと媒染を重ねるほうが良い結果が出る。そして、染料液も少なくて同じ濃度になる・・・まぁ、全ての色で良くなる訳ではないが(^^ゞ耐光堅牢度が良くても摩擦で色落ちする色もある。多くは1回で濃く染めた色や色素粒子の大きい藍や墨などで、洗ったとき湿ったときに他の布に色移りしやすい。これを移染(いせん)というが、摩擦でも乾燥と湿潤の試験がある。化学染料でも同じで、1度に濃く染めるより薄い色を染め重ねるほうが堅牢度は良くなる傾向がある。費用的にも時間的にも効率よく試験をして無駄をなくするために、耐光堅牢度試験の結果がよかったものを耐摩擦試験に出せばよい。抽出と染めのデータを採っておき、再現できるように試験布と同じ染め布を保存すれば良い(^^だが使用する水、染料濃度、染色時間など染める条件が異なると結果は同じとは言えない。だから、「Aという植物の堅牢度は良いですか?」と私に聞かれても「ウチでは良かったけど、他で染めたのは分からない」と答えることにしている(^^; それぞれの人、染め方が違うから自分で試験に出すことをオススメしている。耐光堅牢度3級以下の試験の代金はというと、実は意外と安い(^^石川県工業試験場への持込み代金は、試験布合計20枚まで1990円だから1枚分は100円♪耐光だけならば10cm×30cmの面積があれば十分で、湿潤と乾燥の摩擦を行ってもA4の大きさで良い。(試験する機関、会社によって多少の差はあるので事前に確認のこと)余計なお世話かもしれないけど、草木染めを販売しようとする人は、試験を受けてみることをお勧めしたい。耐光堅牢度3級の壁を越えた試験結果が届いたとき、それはそれは、とてもとても嬉しいものなのだ(^^▼能登の手の日々 カテゴリー ●全て ●日々 ●街中ギャラリー ●染色 ●能登、そして、この町 ●絵・美術について ●CG ●食べもの ▼能登の手の作品集 (写真・CG) ▼リンク ●ようこそNotoNote オリジナルのデザイン・あつらえの着物。染色・草木染めの専門ページです。 ▼お気に入り ブログ・その他 ●Water-Colour ひろろdecさん ●紅の水絵日記 M-Crimsonさん ●MoMo太郎日記 MoMo太郎009さん ●Kleine Erfrischung kamoppieさん ●考え事ほか vissel-篤胤さん ●地元力向上委員会 hanami73さん ●今日の空 つるまる5さん ●Que sera sera 五右衛門0563さん ●染工房えむ koubou-mさん ●バンブーおじさん奮闘記 幸達さん ●てんてん日記 もえぎさん染色の専門サイト★能登の手へのメール
Oct 3, 2016
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