2024年02月18日
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藤山一郎さんの数え切れない代表曲の一部を収録したコンパクト盤。

藤山一郎さんと言えば独特な唱法で歌っているイメージです。
このコンパクト盤の1曲目「酒は涙か溜息か」は日本で初めてクルーナー唱法を用いた歌手としても有名。
クルーナー唱法はビング・クロスビー、フランク・シナトラ、ナット・キング・コール、
ディーン・マーティン、ペリー・コモなど錚々たる歌の神様たちが使っていた唱法です。
もちろん藤山一郎さんも歌の神様の一人である事は当然です。

戦前の歌謡曲は昔から好きでいろいろ集めて聴いていました。
ディックミネさんや田端義夫さん、淡谷のり子さん、東海林太郎さんの事ぐらいしか
書いていなかったかも知れないけど、藤山一郎さんの楽曲も買ったレコードやCDを250曲ほど

藤山一郎さんの事を初めて書くので、書きたい事が多過ぎてかなり長くあるかも。






A面
1曲目「酒は涙か溜息か」
作詞 高橋掬太郎さん  作曲 古賀政男さん  編曲 佐伯亮さん

このコンパクト盤に収録されてるのは昭和40年代のセルフカバーヴァージョン。
ギターに古賀政男さんとアントニオ古賀さん二人の音が収録されています。
これをオリジナルと思ってる人も多いのかも知れない。
1960年代なのでもちろんステレオ録音でスクラッチノイズもないので、ラジオなどでも
このヴァージョンが流れる事も多かった。
1931年(昭和6年)ヴァージョンは、リレコーディングよりも若干テンポも速く、
古賀政男さんのギターとヴァイオリンのみの演奏で物悲しさがより感じられる。

後にノイズ処理してリマスターしたのかも知れませんが。
オリジナルは1931年10月発売で、この一つ前のシングルが「須川小唄」ですが、
この曲も良い状態で残されています。
「酒は涙か溜息か」の次のシングルが「別れのワルツ」ですが、
この曲はノイズがけっこう酷いものしかないようです。

楽曲もアレンジも完全なアメリカの世界でビッグバンドの演奏も素晴らしく、藤山さんの歌は
洋楽に何の違和感もなく混ざり合って素晴らしいの一言です。
「酒は涙か溜息か」のような曲ももちろん良いのですが、アメリカの曲を歌っても最高です。


2曲目「丘を超えて」
作詞 島田芳文さん  作曲 古賀政男さん  編曲 甲斐靖文さん
演奏 明治大学マンドリン倶楽部

この曲も1931年(昭和6年)作品。
この曲は元々、古賀政男さんが明治大学マンドリン倶楽部のために書いた「ピクニック」題されたインスト曲でした。
そこに歌詞をつけて藤山一郎さんが歌いました。
この曲を聴いて「イントロ長っ!!! 歌がいつ始まるの?」って思った人が多いと思う。
そして間奏もかなり長いのはマンドリン合奏曲として作られてたため。
マンドリンとアコーディオンとチューバのみの演奏っぽい。
インスト部分の多さも含めこの曲は本当に良く出来ててワクワクしてしまう曲です。

少し話が逸れるのですが、この曲をカヴァーしてるまだ10代の演歌歌手の人がいます。
「石原まさし」さんと言って、最近かなり石原まさしさんの歌をアルバムもシングルも買って、
よく聴いています。
これがまた素晴らしい歌唱で藤山一郎さんの生まれ変わりなんじゃないかと思うほどの
気持ち良いほどに真っ直ぐな歌唱で初めて聴いた時は全身鳥肌でした。
「これ、本当に18歳が歌ってるのか??」って真剣に思ってしまった。
石原まさしさん戦前、戦後の歌謡曲を本気で愛してる少し変わってる青年^^;
本気で好きじゃないとあんな風には絶対歌えない!
最近の10代のアーティストではこの前、すごい熱量で書いてしまった「d4vd(デイヴィッド)」と
石原まさしさんの二人がずば抜けて気に入っています。
そう言えば石原まさしさんの事も一度も書いていなかった。
昭和歌謡を愛してる人は、石原さんの「丘を超えて」や「東京ラプソディー」を聴いてほしい。
その上、石原まさしさんはアコーディオンの弾き語りで歌います!
これも藤山一郎さんそのもの!



B面
1曲目「キャンプ小唄」
作詞 島田芳文さん  作曲 古賀政男さん  編曲 甲斐靖文さん

1931年(昭和6年)7月発売。
この曲が古賀政男さんと組んだ初めての曲です。
「丘を超えて」もこの曲があったからあんな形で完成されたと思う。
ヘッドフォンで大きめな音で聴いたら気づくのですが、かなり後ろで鳴ってるフルートが
スケールアウトしてるように聞こえて気になるんだけど、あの音が正しいのなら斬新。


2曲目「なつかしの歌声」
作詞 西條八十さん  作曲 古賀政男さん  編曲 佐伯亮さん

この曲は「酒は涙か溜息か」同様に1960年代に録音されたセルフカバーヴァージョンです。
オリジナルは1940年(昭和15年)で二葉あき子さんとのデュエット曲でした。
1番を藤山一郎さん、2番を二葉あき子さん、3番を二人ユニゾンという歌唱構成。
このコンパクト盤に収録されてるヴァージョンは藤山一郎さん一人なのでキーもあげて歌っています。
映画「春よいずこ」の主題歌でした。
映画タイトル曲の「春よいずこ」もこの次のシングルとしてリリース。
昭和15年で「春よいずこ」ってタイトルだけで胸が苦しく感じる。
このシングルの前のシングルが「南洋行進曲」です。
この時代の歴史はわかってるけど、想像はまったくできない。
「南洋行進曲」は勇ましい曲ですが、やはり悲しくなるのはその頃幼かった両親から
聞かされてたその頃の話と交差するのもある。

(東宝映画「春よいずこ」のシーン。藤山一郎さんと霧立のぼるさん)








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最終更新日  2024年02月18日 04時30分18秒
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