2024年02月19日
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2023年6月発売の石原まさしさんの1stアルバム。
石原まさしさんは2020年3月に「田原 城山 草枕」でデビュー。沖縄出身。
昨日の藤山一郎さんの事を書いた中にも石原まさしさんの事を書いたのですが、
10代とは信じられない歌唱で初めて聴いた時は本当に驚いた。
演歌系の若手歌手は民謡からの高音の伸びが気持ち良く感動させる歌手と
1970年代以降の演歌から影響を受けた歌手など歌唱力のある人は多くデビューしています。
でも、その中でも確実に異質な1930年代(昭和一桁代、戦前)から1960年代の歌手を彷彿させる
のが石原まさしさん。
唱歌のような歌唱法から昭和演歌の正統派な歌唱まで自在に使いこなせるのが凄い。






その若松宗雄さんが代表取締役をしている「エスプロレコード」からデビューしました。

自分が石原まさしさんを知ったのはyoutubeをいろいろ観てた時に、
まだ子供のような若い子が藤山一郎さんの歌を歌ってる動画が上がってて、
それを観て聴いてびっくり!でした。
また16才(その映像が上がってる年齢の時)なのに、話し方は30代ぐらいの若手演歌歌手の
丁寧な話口調。ちょっとそこには笑ってしまったんだけど昭和20年代の16才が現代に
ワープしてきたかのように思えた。

初めて観たyoutubeが小畑実さんの「高原の駅よさようなら」でした。
この曲のチョイスも渋すぎるし難しい曲を完璧に近い形で歌い上げてる動画に鳥肌でした。
小畑実さんの繊細のやや細めの美しい高音とは違って、高音も太い声で歌っていました。
小畑実さんの高音はファルセットっぽい部分もありました。

特に感動したのは霧島昇さんの「誰か故郷を想はざる」(1940年)、
青木光一さんの「柿の木坂の家」(1957年)、三橋美智也さんの「リンゴ村から」(1956年)
など、まだ16才の時の動画でした。
その頃でも上手いのですが、今の方が遥かに歌唱も安定して昭和歌謡にバッチリはまる声質に
なっています。


そして今ではアコーディオンを弾きながら藤山一郎さんの楽曲を歌っていて驚きです。
アコーディオンも見る度に上手くなっていて感動させられる。

この1stアルバム「石原まさし昭和歌謡を唄う」は、これまでの2枚のシングル曲と
昭和歌謡のカヴァーで構成されています。このアルバム用の新曲も1曲収録。

1曲目「プロローグ」(蛇味線(三線)演奏 石原まさしさん)
2曲目「田原 城山 草枕」(2020年3月10日発売 デビュー曲)
3曲目「函館の女」(1965年 北島三郎さんのカヴァー)
4曲目「ギター仁義」(1963年 北島三郎さんのカヴァー)
5曲目「柿の木坂の家」(1957年 青木光一さんのカヴァー)
6曲目「高原列車は行く」(1954年 岡本敦郎さんのカヴァー)
7曲目「丘を越えて」(1931年 藤山一郎さんのカヴァー 2022年2ndシングルのカップリング曲)
8曲目「青春サイクリング」(1957年 小坂一也さんのカヴァー)
9曲目「十代の恋よさようなら」(1958年 神戸一郎さんカヴァー)
10曲目「高校三年生」(1963年 舟木一夫さんのカヴァー)
11曲目「白い花の咲く頃」(1950年 岡本敦郎さんのカヴァー)
12曲目「東京ラプソディー」(1936年 藤山一郎さんのカヴァー)
13曲目「誰か故郷を想はざる」(1940年 霧島昇さんのカヴァー)
14曲目「龍馬維新の志」(2022年11月22日発売 2ndシングル)
15曲目「希望は叶う」(2020年デビューシングルのカップリング曲)
16曲目「男の山河」(2023年6月18日アルバム用の新曲)
17曲目「エピローグ」(蛇味線(三線)演奏 石原まさしさん)

2曲目「田原 城山 草枕」
まだ16才が唄うには曲も歌詞も難しいすぎるように思うけど、何の違和感もなく歌ってるのに
驚く。昭和30年代に三波春夫さんが歌っていそうな曲です。
16才って言われなければ絶対に30代以上の演歌歌手が歌っているように思うはず。
売れ線ではない楽曲だけど、この曲がデビュー曲って事だけで箔が付く。
浪曲っぽさもあり歌詞も歌うのも難しそうな楽曲です。

3曲目「函館の女」4曲目「ギター仁義」は比較的、最近に思える曲。
北島三郎さんの事も尊敬しているそうなので、この2曲のチョイスだったのだと思う。

5曲目「柿の木坂の家」は青木光一さんヴァージョンも島倉千代子さんヴァージョンもiPodに
入っててよく聴く曲。
かなり前にも書いたけど「♪思い出すなァ〜」と「♪ 懐かしいなァ〜」の独特な歌い回しは
島倉千代子さんも同じように歌っています。
石原さんもその部分はオリジナル歌唱を生かして歌っています。
オリジナルはもっと語尾がセリフのようになるのですが、そのまま歌うとモノマネになってしまうからちょうどいい感じかな。

6曲目「高原列車は行く」は歌い回しや発音、声質も聴き間違えるほどに似てる。
現代の10代の若者が歌っているとは信じられないクオリティーで歌っています。
もっと売れたらオケもビッグバンドをバックにレコーディングできれば良いのにと思ってしまう。
ここまで歌えるのなら打ち込みなしのビッグバンドでレコーディングさせてあげてほしい。

7曲目「丘を越えて」
この曲はオリジナルと同じく明治大学マンドリン倶楽部OBがレコーディングに参加しています。
半端ないクオリティの歌唱です。
最近のyoutubeでライブで歌っている動画を観たのですが、このレコーディング時よりも
さらに歌唱も素晴らしくなってて驚きでした。




8曲目「青春サイクリング」と9曲目「十代の恋よさようなら」もなかなか渋めのチョイス。
10曲目「高校三年生」も青春歌謡の王道。この曲もクオリティ高い。
青春歌謡なら美樹克彦さんのカヴァーとかも良さそう。
美樹克彦さんをカヴァーする人って少ないと思うし。
「行こうぜ東京」「恋の台風第一号」「俺の涙は俺がふく」「花はおそかった」「赤いヘルメット」など、凄いキャッチーな曲だし「花はおそかった」以外はほとんどカヴァーされていないと
思う。

11曲目「白い花の咲く頃」
このアルバムのカヴァーの中で一番渋い選曲。現在は一番知られていない曲かも知れない。
岡本敦郎さんの事も知らない人が多いように思う。藤山一郎さん、青木一郎さん、神戸一郎さん、
霧島昇さんは比較的今でも知られてるように思う。

12曲目「東京ラプソディー」
このカヴァーもとんでもなく高いクオリティで歌われています。
フルバンドをバックに歌った方が石原まさしさんの歌唱は映えると思う。
ビッグバンドもどんどん減ってきているので、難しいのかも知れないけど。
アロージャズオーケストラと昭和歌謡で共演とか盛り上がりそう。
梅田にアロージャズオーケストラ専用のライブハウスもあるし。

13曲目「誰か故郷を想はざる」
この曲も名曲中の名曲。10代の若者がカヴァーするとは思えない曲です。
改めて良い曲だと思わせてくれたカヴァーでした。

14曲目「龍馬維新の志」
2ndシングルも10代の若い演歌歌手が歌うには曲も歌詞も難しい曲です。
デビュー曲の「田原 城山 草枕」に続き日本が大きく動いた歴史を歌っています。

15曲目「希望は叶う」デビュー曲のカップリング曲。
人生の応援歌です。昭和40年代の水前寺清子さんを彷彿させるような楽曲。
昭和歌謡を歌う時とはまた違うド演歌な歌唱です。
このド演歌な歌唱も凄く良いと思う。こぶしがまた凄く良い!

16曲目「男の山河」
3rdシングルのカップリング曲にも収録されています。
メイン曲でもじゅうぶんなクオリティの楽曲です。

これからどうなって行くのか楽しみな歌手の一人です。
まだまだ試行錯誤しながら歌手・石原まさしの形を作って行くのだろうと思う。
歌の上手い若手演歌歌手は多くいるけど、上手いだけじゃなく個性の点でずば抜けてるのは強い。





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最終更新日  2024年02月19日 05時55分48秒
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