2024年04月04日
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松任谷由実さんの1979年発表作品。







「ツバメのように」
作詞・作曲 松任谷由実さん  編曲 松任谷正隆さん

1979年7月20日発売のアルバム「OLIVE」のA面3曲目に収録されている曲。
じっくりとユーミンを聴いて来た人なら明るいPOPな曲が中心ではない事がわかってるけど、
それは荒井由実時代からアルバムを通して聴けばわかる。
心の奥にずっしりと入ってくるような重い曲も数え切れないほどある。
この「ツバメのように」も10代半ばで初めて聴いて、これまでに感じた事のない不思議な感覚で
聴いたのをおぼえてる。

曲調は完全なレゲエです。
ノリは最高に気持ちいいのですが、テーマは重すぎるもの。
重苦しいバラードじゃないのがさらに寒く感じる。
歌詞の中に「♪なんて肌寒い午後でしょう」ってあるのですが、そこが今でもゾクゾクする。

「♪もう会えない 彼女の最後の旅 
  サイレンに送られて遠ざかる」で始まるこの曲は、ユーミンの無機質な声質にハマって
悲しみや虚しさや怖さを浮き上がらせる気がする。

「♪高いビルの上からは 街じゅうが
  みんな みんな みんな ばからしかったの
  ああ 束の間彼女はツバメになった In Rainy Sky
  なんて肌寒い午後でしょう」


ヒプノシスの中心人物のStorm Thorgersonが監督で長編の映像作品「コンパートメント(TRAIN OF THOUGHT)」を制作。
1984年にこんな作品を作るとはユーミンは既にかなり先を行ってた。
内容なSFの世界で次元や時空を超えるように場面がどんどん展開していく。
ヒプノシスの美しい映像で作り上げられた素晴らしい作品です。













アルバムを通して聴くと「青いエアメイル」と「最後の春休み」の間にこの「ツバメのように」が

10代半ばではリアルに想像できた「青いエアメイル」と「最後の春休み」、何か遠い場所で
起きている事のように思えた「ツバメのように」なのに不思議にその曲だけ浮いてるようには
思えなかった。
あれから何十年も経つと今は「ツバメのように」の方が近いリアルな物に思えるように変わった。
自分だけなのかも知れないけど、友人、知人に自殺で亡くなった人が多いように思う。
睡眠薬、飛び降り、自傷行為からの首吊り。
バンド関係、学生時代の友人、同じアーティストのファンで一緒に追っかけとかした仲間、
数ヶ月連絡取り合ってないなと思ってたら亡くなったって連絡が来るのがほとんど。
毎回、「なんで?」って思うけど、自分もそこまで追い込まれてたのなら誰にも相談せずに
消えることを選ぶように思う。
自殺されて残される者の哀しさと虚しさは何年経っても薄まって来ないように感じる。



母親を10代で自殺で亡くした友人がいます。
その友人は霊魂などの話には凄い拒絶反応を見せます。
お盆やお彼岸などもまったく意味がない事だと語る。
突然の事だったようで理由も意味もわからなかったと。
会いに来てくれる事が一度もないのなら、そんなモノは存在しないと。
10代で母親を自殺で亡くすなんて想像するだけで胸が引き裂かれるように思える。
何が原因だったのかも怖くて知りたくないと自分も思うだろうな。

同じように逆縁も深い悲しみに襲われる。
親よりも先に子供を亡くすのは、ましてや自殺で亡くしたりしたら辛さは想像できない。
昨夜も書いたけど宝塚歌劇団宙組の娘役さんが酷いイジメで追い込まれ自殺しました。
残された家族、友人たちはどんなに辛いのかと考えるだけでしんどくなる。
電飾や派手な衣装に包まれた華やかな世界の怖いほど深い闇の奥底で苦しんでる人が
今、現在もいるのじゃないかと想像できる。

・・・最近、友人を亡くし(自殺ではない)、気分的にナーバスになりがちで、
何十年も観てきた宝塚歌劇の最悪な対応に汚れた愚かさを強く感じる。
一人の人間の死を軽く思ってるとしか思えない劇団の対応。


他にも自殺をテーマにした楽曲は数え切れないほどある。
アリスの「帰らざる日々」は睡眠薬を飲み意識が遠ざかっていくさまを淡々と歌っていて
シャンソンのようです。
シャンソンといえば「暗い日曜日」が自殺を促す歌だとよく語られています。
最愛の恋人を亡くし後追いするような内容です。
有名な所ではエルヴィス・プレスリーの「ハートブレイクホテル」は自殺者の遺言から
歌詞が作られています。
「フランシーヌの場合」は政治活動家が焼身自殺した事を歌っています。
中島みゆきさんの「十二月」は自殺そのものを歌っています。
歌詞では睡眠薬自殺ですが、この曲を初めて歌った1989年の夜会ではこの曲を歌い終えると
高い舞台セットの上から後ずさりしながら飛び降り自殺します。あれは衝撃的すぎた。
飛び降りた後は全てのライトが消え暗転の中、2分近い激しいギターソロが続く。怖すぎた。
中島みゆきさんは「鳥になって」や「砂の船」などもそう受け取れる歌詞があります。
松任谷由実さんは「コンパートメント」で睡眠薬の自殺を歌っています。
オジーオズボーンの「Suicide Solution」は自殺の歌ですが、この曲を聴いて少年が自殺したと
言いがかりをつけられ裁判になった。裁判はもちろんOZZYが勝った。
日本語のタイトルは「自殺志願」でした。
この曲は急性アルコール中毒で亡くなったAC/DCのボン・スコットを偲んで書かれた曲。
飲み過ぎは自殺行為だとのメッセージだけどOZZYも当時は異常な量を飲んでた。
あの頃、死なずに今も歌っていられる事が奇跡のように感じる。
QUEENの「Don't try suicide」も自殺をテーマにした曲。
日本語タイトルはなぜかまた「自殺志願」・・・自殺を止めようとしている曲なのに。
他にもまだまだあるけど、これからも無くなる事のない楽曲のテーマになると思う。

















そのままダンススタジオで次元を超えたように眠ってしまっている。
この後、ダンススタジオの場面での「DESTINY」が始まりユーミンは曲に合わせてレッスンを受けている





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最終更新日  2024年04月04日 05時48分07秒
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