おしゃれ手紙

2017.01.26
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カテゴリ: 父の麦わら帽子
お供え餅


今から60年以上前の正月は、静かだった。
暮れに忙しく仕事 ■をしていたので正月は、ゆっくり休んだ。
特に大人は日曜も祭日もなく働くので、正月は、気兼ねなく、ゆっくり休める時だった。
だから、父は三が日が過ぎて、七日になっても
「まだ、正月気分が抜けん」と言っていた。
「小正月(こしょうがつ)が来にゃぁ、正月気分が抜けん」とも言っていた。

「小正月」とは1月15日のことを言った。


私たちの住んでいた集落の一番北の端、隣村との境に火の見櫓があり、
火の見櫓の下には小さな小屋があって、その中には消防自動車が置いてあった。

火事の時には、勇ましくサイレンを鳴らして出動し、火の見櫓の半鐘がカンカンと鳴った。

消防が活躍するのは、火事の時と1月15日の初出だった。

青年団などからなる消防団員が
河原に集まり、消防自動車が河原に出て、川の水を一斉に放水する。

放水した水に太陽が当たってきれいだった。
虹が見えると、見物人は大喜びだった。

当時は、テレビもなかったので、消防の初出は、いい娯楽だった。

初出が終わると、大人たちは、長い正月休みから、我に返ったように、本気で働き始めるのだった。

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Last updated  2017.01.26 18:19:21
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