『福島の歴史物語」

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2014.08.11
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     馬車鉄道敷地買上げの件

 三奉馬車鉄道敷設に付ては田村安積両郡長が各戸長へ命令を下して為る丈けの世話に為る趣きなるが安積郡郡山戸長役場にては線路に当れる地所買上げの相談を遂ぐるが為め去る七日より今日に至るまで毎日地主を招喚して相当代価にて其地所を売渡すべしと談じ付けしに承諾せしは僅々四、五名にて其余は大概不承知を唱へ居る由何故に地主は不承知を唱えて地所を売らざるかと其訳を尋ぬれば、

(1)東北鉄道線路に当りし地所を売渡せしとき其代金を受取らんと
   て安積郡役所に向け数回請求するも同郡に限り容易に渡さざり
   しを以て今回も亦た其恐れあらんとの疑を懐けること 

(2)戸長役場にては単に相当代価代価といふのみにて一反歩に付金
   何円といふことを明言せす而して地主の求める代価には応せさ
   るに付果して一反歩を何円にて買取るの意か知るに由なきと以
   上の二点が其相談の纏らさる重なる原因にて尚其他にも種々の
   事情阿る事なれは地主は容易に承諾せざるべしといふ。

     平馬車鉄道敷設の件

 三春郡山間の馬車鉄道は其工事に着手するも遠きにあらざるべし同工事は遅くも一年間には成功せしめんとの見込なりと聞けば該工事の竣工するや否や工夫及び諸器械等まで移用するに於いては諸事手軽に工事を起こすことを得且つ三春平の間は之を水戸平の間に比して里程の近きのみならず乗客の福島仙台の若くは束京の諸方に向って旅行せんと欲する者必ずこれに乗すべし又平地方より差出する食塩、魚類、紙類、藍等は概ね岩瀬安積安達信夫伊達及び会津地方に輸出することなれば是等の諸荷物は大に運搬の便利を得膏に価格を低廉ならしむることを得て花客先きを多からしむるのみならず産出高を多くして地方の利益を来ること少なからず故に三春まで敷設して以て三春馬車鉄道線に連結せしめん (後略)

     命令書

第一条 今般許可スル処ノ馬車鉄道ハ福島県下田村郡三春町ヨリ安積
    郡山町日本鉄道会社停車場ニ至ル在来ノ国県道ニ拠り之ヲ布
    設シ運輸ノ用ニ供スルモノトス

第二条 馬車鉄道営業年限ハ満三十カ年トス 但シ時宣ニ拠り満期後
    継続営業ヲ許可スルコトアルヘシ

第三粂 発起人ハ本書下附ノ日ヨリ三カ月以内ニ下ノ各項こ準拠シ線
    路実測図面工事方法書及工費予算書ヲ調製シ県庁ノ許可ヲ受
    クヘシ 但シ工事中又ハ将来営業中其一部タリトモ変更セン
    トスルトキハ其の都度更ニ認可ヲ受クヘシ

 第一 軌道ハ両側人家連担ノ場所ニ於テハ道路ノ中央ニ之ヲ布設シ
    其他ハ道路ノ一方ニ偏路シテ路端ヨリ弐尺弐寸ノ地ヲ余シテ
    之ヲ布設スヘシ 而シテ敷地ハ一般ノ道路ヨリ高低セシムヘ
    カラス両側連綿ノ場所ハ其軌道間こ木石を填メ鉄軌面卜道路
    面卜高低ナカラシムヘシ

 第二 線路ノ山麓ニ係ル所ハ山方ニ沿フテ布設スヘシ 但シ曲線ノ
    部ニ於テ半径制限ノ都合ニヨリ谷方ヲ通過スルヲ要スル場合
    ハ比限リニアラス

 第三 道路ノ一方ヨリ他ノ一方ニ軌道線ヲ移ス箇所又ハ横断スル箇
    所ハ担当ノ踏切ヲ設置スヘシ
 第四 鉄路ノ幅員ハ内法弐尺五寸トス

 第五 軌道ヲ布設道路ノ幅員三間二満タサルモノハ拡築ヲ要ス 両
    側人家連担ノ箇所ハ四間以上

 第六 鉄道複線ヲ設クル所ハ道路ノ幅員四間以上ノ場所こ限ルヘシ 
    其両側人家連担ノ場所ニ係ルトキハ五問以上トス

 第七 街路二於テハ屈曲ノ半径ヲ二十四尺トシ其他ハ四十尺ヲ以テ
    最小限トスヘシ

 第八 勾配ハ二十五分ノ一ヲ越ルヘカラス

 第九 路面並ニ鉄路内ハ雨水ノ貯留セサル様充分こ排除ノ方法ヲ設
    クヘシ

第四条 発起人ハ前条ノ許可ヲ得タル後ニアラサルハ社中ヲ以テ株式
    金ヲ募集スヘカラス

第五条 外国人ヲ以テ株主トスヘカラス

第六条 鉄路布設ハ第三条ノ認可ヲ得タル日ヨリ三カ月以内二者手シ
    着手ノ日ヨリ十二カ月以内二竣功セシムヘシ 但災害又ハ正
    当ノ理由アリテ期限内ニ義手又ハ竣功スルコト能ハサルトキ
    ハ相当ノ延期ヲ与フルコトアルヘシト言えトモ 其期限ハ予
    定期限ノ半ヲ超ユルコトヲ得ス

第七条 会社ハ身元保証金トシテ実地起工前布設費額ノ二十分ノ一ニ
    当ル金額若クハ此金額ニ相当スル有価証券ヲ県庁ニ差出シ置
    クヘシ 県庁ハ工事竣功検査済ノ後之ヲ還付スヘシ

第八粂 天災又ハ正当ノ理由ナクシテ第六条ノ期日内ニ竣功セス或ハ
    半途ニシテ工事ヲ廃シ又ハ中止シテ満一カ月ヲ過キ起工セサ
    ルトキハ特許ノ効ヲ失フモノトス此場合ニ於テ他ニ特許権ヲ
    引受クルモノアルトキハ之ヲ引受ケシムルカ又ハ原形ニ復セ
    シムルモノトス 其原形ニ復セシムルノ費用ハ身元保証金ヲ
    以テ之ニ充テ剰余アレハ之ヲ還付シ不足アレハ之ヲ徴スヘシ

第九粂 鉄路ヲ布設スルニ当り該線路こ係ル橋梁幅員ノ狭矮ナルヲ拡
    メ又ハ脆弱ニシテ架換ヲ要スル等ノ費用ハ会社ノ負担タルヘ
    シ 尤狭矮ナルト脆弱ナルトハ県庁ノ鑑定二依ルヘシ 前項
    ノ工事ヲ要スルトキハ精細ナル図面及工事仕様書ヲ具シ県庁
    ノ認可ヲ受クヘシ

第十条 要悪水路ノ疎通ハ関係者卜協議シ該関係者指定ノ場所こ溝渠
    又ハ暗渠ヲ設置スヘシ但其費用ハ会社ノ負担トス

第十一条 鉄路ノ全部若クハ一部ノ工事竣工シ旅客並荷物ノ運輸ヲ開
     業セントスルトキハ県庁ニ届出ツヘシ

第十二条 県庁ハ前条ノ届出ニヨリ監査員ヲ派遣シテ工事方法書ニ照
     ラシテ工事ヲ監査シ完全ナリト認ムルトキハ開業ヲ許可ス
     ヘシ 若シ不完全卜認ムルトキハ其改築修理ヲ命スヘシ尤
     此場合二於テハ監査員ノ復命ヲ会社ニ示スヘシ会社ハ前項
     ノ許可ヲ得スシテ運輸ノ業ヲ開クコトヲ得ス

第十三粂 県庁ハ鉄路布設中臨時監査員ヲ派遣シテ工事ヲ監査セシメ
     危険ナリト認ムルトキハ其改築修理ヲ命スヘシ 尤此場合
     二於テハ監査員ノ復命書ヲ会社ニ示スヘシ

第十四粂 第十二条・第十三粂ノ改築修理ヲナシタルトキハ更こ監査
     ヲ受クヘシ

第十五粂 旅客荷物ノ運送賃ハ運輸開業二先チ県庁ノ認可ヲ受クヘシ

第十六粂 運送賃ノ変更改正ヲ必要卜認ムルトキハ之カ変更改正ヲ命
     スルコトアルヘシ会社ニ於テ前項ノ変更改正ヲ要スルトキ
     ハ県庁ノ認可ヲ受クヘシ

第十七条 非常又ハ公益ノ為メ巳ムヲ得サル事故アルトキハ県庁ハ相
     当ノ賃銭ヲ会社二給与シテ該鉄路及車馬ノ全部若クハ一部
     ヲ専用シ又ハ相当代価ヲ以テ買上クルコトアルヘシ

第十八条 前条買上ノ場合ニ於テハ前三カ年ノ純益平均額ヲ以テ特許
     残年数ニ乗シ使用材料其他必要アル附属品等ノ時価ヲ加へ
     買上代金トス

第十九条 臨時特殊ノ場合ニ於テハ県庁ハ会社こ命シテ一時通車ヲ停
     止セシムルコトアルヘシ 但停止ニ付別ニ補償ヲ給セス

第二十条 営業年限中下二掲ケル所ノ箇所ハ会社ニ於テ堅牢ナル構造
     法ニ拠り 其修営及掃除ヲ負担スヘシ

 第一軌道内及其左右一尺五寸通り

 第二 踏切及其前後五尺

 第三 橋梁及横切下水ハ第一ノ割合こ準シ工費ヲ支弁スヘシ

第二十一条 県庁ニ於テ道路橋梁其他公共ノ工事ヲ起ストキハ工事中
      其支障ナル箇所こ限り其材鉄軌道等ヲ撤去セシムヘシ

第二十二条 会社ハ半年毎ニ営業ノ報告ヲ調整シ四十日以内こ県庁ニ
      差出スヘシ

第二十三条 県庁ハ監査員ヲ派シテ営業ニ関スル事項ヲ監査セシト命
      令ニ違イタルトキハ之ヲ督責シ其事ヲ了スル迄営業ヲ停
      止セシムルコトアルヘシ

第二十四条 其材鉄軌其他ノ道路二布設スル物品ハ県庁ノ許可ヲ得ル
      ニアラサレハ他人ニ抵当トシテ金穀物件等ヲ借用スルヲ
      許サス

第二十五条 会社ニ内務省ノ許可ヲ得ルニアラザレバ特許ノ権利ヲ他
      ニ売渡シ若クハ譲渡スルコトヲ得ス 但工事竣功ニ至ラ
      サル間ハ売渡若クハ譲渡ノ許可ヲ請フヲ得サルモノトス

第二十六条 天災又ハ正当ノ理由ナクシテ満六カ月営業ヲ中止シ再興
      ノ見込ナク 且他人ニ売渡若クハ譲渡ノ手続ヲ為ササル
      トキハ公道ニ係ル部分ハ其材鉄軌等総テ県庁二於テ公売
      ニ付シ 此場合こ於テ剰余アレハ之ヲ還付シ 不足アレ
      ハ之ヲ追徴スルモノトス
      前項公売代金ノ当否ハ県庁ノ査定スル所こ拠モ此場合ニ
      於テ会社ノ損失ヲ生スルコトアルモ之カ要求ヲ為スヲ得
      ス

第二十七粂 免許年限中該馬車鉄道ノ全部又ハ一部ニ並行又ハ接近シ 
      若クハ之ヲ横断交叉スルトニ拘ハラス道路、橋梁、溝渠、
      運河、気缶車鉄道(官設民設ノ別ナク)ヲ布設シ若クハ
      他ノ馬車鉄道ヲ交叉スルコトアルモ会社ハ之ヲ拒ムヲ得
      ス

第二十人条 営業年限間該営業ニ関シ公衆ノ安全若クハ公益上必要ナ
      リト認メ 其設備ヲ命スルコトアルトキ会社ハ之ヲ阻拒
      スルヲ得ス

第二十九条 他日往来繁劇車馬幅捧ヲ加へ通行危険ナリト認ムル場合
      ニ於テハ此命令ヲ修正スルコトアルヘシ

第三十条 県庁二於テ道路ヲ変更シ魔道ノ処分ヲ要スルト認ムルトキ
     ハ 会社ヲシテ悉ク皆自費ヲ以テ該鉄路ヲ新道路又其他ニ
     移サシムルコトアルヘシ

第三十一条 営業年限満期ニ至ルトキハ公道ニ係ルモノハ県庁ノ指定
      スル期限内二於テ自費ヲ以テ悉ク皆取払ヒ原形ニ復セシ
      メ 或ハ相当代価ヲ以テ官又ハ地方ニ買上ルコトアルへ
      シ

第三十二条 此命令書二掲クル条件ノ外法律命令ヲ以テ定メラレタル
      諸条件及将来定ムル所ノ諸件ハ総テ之ヲ遵守スヘシ

第三十三粂 此命令書ニ掲クル条件ニ違背シタルトキハ内務省ハ其営
      業ヲ停止シ又ハ免許ヲ解キ第二十六条こ準シテ処分スル
      コトアルヘシ

 明治二十四年五月二十六日
                内務大臣伯爵 西郷従道





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最終更新日  2014.08.21 20:55:39
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