ミステリの部屋

ミステリの部屋

2009年07月23日
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それが当店の「陰謀」なんです。

「螢坂」
すべてを捨てて戦場カメラマンをめざした頃のあの坂道は、どこに消えたのだろうか。
「猫に恩返し」
世田谷線の線路に面して建てられた黒猫ゴン太の顕彰碑。その裏側に、女の顔が浮かぶという噂が……。
「雪待人」
3代続いた画材屋が、いよいよ店を畳むという。待ち続けた1枚の絵は、いつ完成するのだろう。
「双貌」
カウンターの向こうから見つめてくる男の姿が、記憶の底を刺激する。
「孤拳」
若くして逝った「脩兄ィ」の最期の願い 幻の焼酎・孤拳を探し求めてドアを開けた、香菜里屋で明かされた衝撃の事実。
(出版社より)



螢坂/猫に恩返し/雪待人/双貌/孤拳



「香菜里屋」という名のビアバーを舞台にしたシリーズで、『花の下にて春死なむ』、『桜宵』(  感想  )に続く、第3弾の短編集です。

三軒茶屋の奥まった場所にある「香菜里屋」。
訪れる客は、度数の違う4種類のビールと、マスターおまかせの料理に舌鼓を打ちながら、いつしか自分が抱える謎を話し始めます。

話を聞くだけで、謎の答えを見つけてしまうのが、ワインレッドのエプロンをしたマスター工藤です。

答えは決してハッピーなものではなく、苦いものだったり、切なかったりするけれど、わからないよりは わかった方がいい。
もう待ち続けることもなく、きっと前に進むことができますから。

落ち着きのある優しさで包んでくれるような 店の雰囲気も素敵で、私も常連客という妄想でカウンターに座ります……もちろん謎を抱えた美女として……ところがお腹がすいてよだれが出そうになり、すぐに離脱(笑)

北森さんほど、料理を美味しそうに描くことのできる人はなかなかいません。

香菜里屋を知っていますか 』では、その謎も明かされるのでしょうね。

「香菜里屋」やマスターに会えなくなるのは寂しいので、早く知りたいような、知りたくないような、複雑な気持ちでいます。














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最終更新日  2009年07月24日 15時32分10秒
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