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月升沧海 Love Like the Galaxy (第13話)第40話「首謀の尻尾」梁尚(リャンシャン)殺害事件は私事として袁(ユエン)夫人が審理を取り仕切ることになった。曲泠君(チューリンジュン)は無実を主張、あの日、夫の部屋に食事を届けたのは自分の外套を来た侍女・幼桐(ヨウトン)だったという。そのため下僕たちはてっきり夫人が部屋に入ったと誤解したのだ。程少商(チォンシャオシャン)は審理を見守っていたが、自分に調べさせて欲しいと嘆願し、袁夫人も認めてくれる。すると袁慎(ユエンシェン)がまた難癖をつけて少商を挑発した。「自分を有能だと思っているのか?…学もないのに捜査したいとは笑わせる、ふっ」しかし少商は言い返しもせず、袁夫人に拝礼して出て行ってしまう。「おい!本気なのか?!」肩透かしを食った袁慎は自分も調べてくると母に断り、慌てて少商を追いかけた。袁慎は相変わらず減らず口を叩いていたが、内心では女子の身で現場に入った少商が心配だった。「あいつの捜査を待ったらどうだ? …それにしても穏やかになったな、以前ならすぐ言い争いになったのに」「子晟(ズーション)のおかげね、彼は私を溺愛し、大切にしてくれる、だから私も他人と争わなくなった 彼に嫁ぐなんて想像もできなかったけれど、でも考えてみたの もし彼と出会えなければ一生の心残りだとね…って、あなたに言っても無駄よね」少商は袁慎も早く妻を見つけるよう勧めた。意中の相手がいないため、自分たちのように仲睦まじい夫婦が気に食わないのだという。「あ、でも理想は下げた方がいいわ、私のような優秀な娘は見つからないから」袁慎の気持ちを知ってか知らずか痛い所を突く少商、すると捜査の妨げとばかりに袁慎は部屋から追い出されてしまう。少商は現場の部屋が外観に比べてやけに狭いと気づいた。そこで回廊を歩いて外周を図ってみたところ26歩、しかし部屋の中は20歩だと判明する。「残りの6歩はどこ?」壁には梁尚が大事にしていた金石で作った彫刻が飾られていた。その頃、凌不疑(リンブーイー)は真犯人に目星をつけ、梁家の男全員を集めていた。「梁尚は梁家家主、家主が死んで夫人が犯人となれば梁尚の子は家主の座を継げない つまり取って代われる者こそ、犯人の可能性がある…梁州牧(シュウボク)、あなたが真犯人では?」「私は梁家の養子に過ぎぬ、梁尚に代わり家主を務めているだけ 梁尚と梁遐(リャンシア)は同腹の兄弟で梁太公の血脈だ 梁尚を埋葬してから家主の位は三弟の梁遐に引き継がれる…」梁無忌(リャンウージー)は三弟に話を振ろうとしたが、梁遐はいつの間にか姿を消していた。少商は壁を叩きながら歩いているうち、音が違う場所を見つけた。そこで力一杯、壁を押してみると、隠し部屋に潜んでいた梁遐に引き込まれてしまう。「三公子…あなたが犯人ね?」隠し部屋には血だらけの衣があった。梁遐は凌将軍の捜査が自分に及ぶと恐れて密かに隠し部屋へ戻り、証拠となる衣を処分しようとしたのだろう。すると梁遐は少商の首に短刀を突きつけ、少商を殺して逃げると言い出した。少商は咄嗟に自分を人質にして交渉すれば逃げられると提案したが、梁遐は信じようとしない。その時、突然、外から凌将軍の号令が聞こえた。「部屋を壊せ!」現場を捜査していた少商がこつぜんと姿を消した。報告を受けた凌不疑は黒甲衛(コクコウエイ)に離れを破壊するよう命令、追い詰められた梁遐は仕方なく少商を人質にして外へ出る。驚いた袁慎は思わず身を乗り出したが、袁夫人は息子を止めた。「君子、危うきに近寄らずよ…行っては駄目」すると凌不疑はちょうど集まっていた梁一族を包囲し、少商を放せば一族も母親も見逃すと条件を出す。その時、少商が真犯人は三公子だと暴露した。退路を失った梁遐は少商を道連れにすると言い放ち、母親など殺せばいいと開き直る。そこで凌不疑は梁母を引きずり出し、目の前で腕を捻り上げた。母の悲鳴を聞いた梁遐はさすがに気が動転、その隙を突いて凌不疑が短剣を放ち、見事に梁遐の手に命中させる。少商は梁遐の手が離れた瞬間に逃げ出し、不疑は無事に少商を奪還した。↓少商、いつの間に護身用の刀を出したの?黒甲衛は梁遐の両膝に矢を放ち、逃亡を阻止した。老夫人は溺愛する梁遐に抱きついて悲しみに暮れたが、当の息子は母が自分のために何もしてくれなかったと嘆く。父は養子である長兄の無忌を州牧に推挙し、家主には二兄の梁尚を指名した。これも一族に有能な子弟がいなかったせいだが、梁遐は嫡子で志もある自分だけ何も手に入らなかったと母に八つ当たりする。「俺がこうなったのもお前のせいだ!いちいち騒ぎ立てるから収拾がつかなくなっただろう?!」凌不疑も少商も梁遐が誰かにそそのかされて急に事を起こしたと分かっていた。そこで不疑は廷尉府に梁遐を連行し、首謀者の名を聞き出すことにする。しかし梁遐が何か言いかけた時、上階から梁無忌が放った矢が喉を貫通した。皇帝は梁州牧が証人の口を封じをしたと知り激怒した。これでは自ら首謀者だと明かしているようなものだが、梁無忌はこの件を追及しても大局にとって利なしだと訴える。皇帝も子晟もその意味を悟っていた。そこで皇帝はひとまず梁州牧を下げる。「子晟…首謀者はもしや太子妃の従兄では?別院の警護を任されておるし」「孫勝(スンション)ならもう捕らえました、解放すれば数日も生きられないでしょう 首謀者が誰なのか、陛下もすでにお気づきかと…」その夜、越姮(ユエホン)は永楽宮に三兄を呼びつけ、厳しく追及した。「亡き大兄の半分でも知恵があったら太子を陥れようなんて愚かなことはしない!」「不服だったのだ… もともと饟(ジョウ)県越氏は安泰だったのに、なぜ文(ウェン)氏と共に造反せねばならなかったのか」小越侯は妹から何度、諌められても諦めがつかず、恨み言を漏らした。本来なら妹が皇后となり、三皇子が世継ぎとなって次の皇帝になれたはずだという。しかし越姮は三兄が自分たち母子のためではなく、自分が国舅(コッキュウ)になりたいだけだと分かっていた。「霍翀(フォチョン)に代わって不満を言える立場?! 三兄、なぜ孤城に遅れて到着したの?瘴気(ショウキ)を口実に霍翀を死に追いやろうとしたのでは?」「言いがかりだ!」すると越姮は凌不疑のこと、貨幣の鋳造の件も韓武(ハンウー)に刺客を送り込んだことも、少なからず証拠を揃えているはずだという。それでも上奏しないのは越氏の面子を考えて三兄の自首の機会を与えてくれたのだろう。「なぜ瘴気に毒があると言いながら馬だけは無事だったの?なぜ軍報には記されてなかったの? 答えなさいっ!」「…救援の要請を受け出征後、道中で前方に瘴気があると知ってな しかし調査した斥候が瘴気は問題ないと報告した ちょうどその頃、乾安(ケンアン)王の軍も急いで向かっていた そこで考えた、乾安王の救援の時間を遅らせることができたら陛下は宣(シュエン)氏を咎めるとな だから斥候を殺した」その話を皇帝と凌不疑が聞いていた。凌不疑は越妃の公正な判断のおかげでついに小越侯の尻尾をつかんだ。あの時、乾安王は長年、不仲だった小越侯を信じられず、自ら一隊を率いて瘴気を調べに向かったという。やがて配下の彭坤(ポンクン)から乾安王が瘴気に侵され、密林で死んだと報告を受けた。しかし瘴気に毒はなかったはず、つまり彭坤がこの機に乗じて乾安王を殺害し、兵権を奪ったのだろう。一方、孤城は雍(ヨウ)王が兵器をすり替えたせいで10日は持ちこたえられる所、2日で陥落していた。孤城の惨劇は奇しくもそれぞれの私心が重なり招いた結果だった。小越侯は武器のすり替えなど知らなかったと否定、確かに援軍が遅れるよう画策したが、たとえ数日、遅れても間に合うと確信していたからだという。「乾安王を殺してなどおりません!ましてや兵器のすり替えなど… 陛下、私は孤城陥落とは無関係です!」しかし15年前ならいざ知らず、皇太子を失脚させるべく罠にはめたことが皇帝の逆鱗に触れた。兄との今生の別れを覚悟し、そっと目を閉じる越姮。すると皇帝は越氏一族の忠誠と生き残った兄妹に免じて命は奪わず、爵位を剥奪して皇陵の墓守を命じるという。越姮はむしろ皇帝の優柔不断さに驚いたが、凌不疑は反発する様子もなく、ただ黙っていた。凌不疑が長秋宮に戻るとまだ少商がいた。少商は今日のことを両親が知れば説教されるため、帰らなかったという。「無茶をするなと言ったのに、なぜ危険を侵す?」「私でなければ誰が皇后と太子の汚名をそそぐの?…助けたかったの、だから怒らないで」「はぁお、責めないよ、でも君に何かあったら自分を許せない」すると少商は凌不疑の眉間の皺を伸ばした。「孤城の件は決着したのに嬉しくないの?」「少商…家族を傷つけた相手を法で裁けないとしたらどうする?」「まだ敵がいるの?」「いや、仮定の話だ」「私はやられたら必ずやり返す、家族を傷つけた人は許さない、千倍にして返すわ」「ではもし復讐することで愛する人を傷つけるとしたら?」「…人生は取捨選択、重要な方を選ぶ」その答えを聞いた不疑は思わず少商を抱きしめた。一方、屋敷へ戻った袁夫人は息子に妻を選ぶよう勧めていた。母の思わぬ言葉に驚く袁慎、実は夫人は息子の意中の相手が程娘子だと気づいたという。袁慎は少商が婚約してから何度も縁談を探したが、満足する相手が見つからなかったと話した。「今になって思えば、面影が重ならぬからかも…一手の遅れが運の尽きでした しかし程少商が成婚しても私は日々を生きていかねば」↓(´ω`)しょぼん凌不疑は越妃に呼ばれて再び永楽宮を訪ねた。実は越姮が兄を誘導して処罰させたのは霍家と霍兄、そして何より子晟のためだという。「兄に対する処罰に不満でしょうね… でもあなたには長年のわだかまりを捨て成婚して欲しい、普通の暮らしをするべきよ」しかし不疑は小越侯の処分に不満はなかった。舅父は小越氏の手で死んだわけではなく、越氏とて大勢が亡くなっている。「皇帝が厳罰を避けた心情を子晟も理解できます 今後は越氏に償いは求めません、ただし黒幕の罪は一生を費やしても償いきれないでしょう」すると不疑は帰ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)うわっ!不吉な予感!w子晟、どうやら黒幕を知っているみたいだねそれにしても袁慎がらしくなくてちょっとつまらないw
2023.10.30
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第12話)第39話「積もる痴情のもつれ」皇帝に呼ばれて参内した小越(ユエ)侯。すると崇徳(スウトク)宮には杖刑で負傷した凌不疑(リンブーイー)の姿もあった。「越卿、実はそちに相談があってな…五公主とそちの末息子を早く成婚させたい」小越侯は困惑した。今や都中が五公主の噂でもちきり、そんな中で成婚すれば越氏まで影響を受け兼ねない。しかし皇帝は越氏があえて今、五公主を嫁に迎えることで噂が嘘だと示し、五公主の名誉を守りたいという。小越侯は皇帝の命に背くこともできず拝命するしかなかったが、これが凌不疑の差し金だと分かった。一方、皇太子の想い人だった曲泠君(チューリンジュン)は旧友と積もる話もできないまま慌ただしく宮中を出た。夫・梁尚(リャンシャン)が曲泠君をぞんざいに扱う様子を目の当たりにした五皇子妃は、かつて仲良く遊んでいた友の境遇が気がかりでならない。しかし程少商(チォンシャオシャン)は常識的で誠実だと評判の梁(リャン)州牧(シュウボク)が義兄なら夫人も大丈夫だと安心させた。その頃、梁尚は苛立ちながら曲泠君を連れて城門を出ようとしていた。すると東宮の使いが現れ、辞別の品を届ける。曲泠君は夫の手前、辞退したが、使いは皇太子が別れを惜しんで自ら授けた品だと釘を刺した。そこで代わりに梁尚が化粧箱を受け取ったが、中身が皇太子の手巾だと知るや馬車に乗り込むなり曲泠君に暴行してしまう。走り去る馬車から漏れ聞こえる曲泠君の悲鳴、皇太子妃はその声を城楼で耳にしながらほくそ笑んでいた。そんなある日、凌不疑が長秋宮にやって来た。少商はちょうど皇后や皇太子夫妻と談笑していたが、驚いたことに曲泠君が夫を殺したという一報が入ったという。「廷尉府が捕らえに向かいました、殺めたのは昨日の午の時の頃だとか 曲泠君が食事を届け、その後、刺された梁尚を下僕が発見しました」しかし皇太子が殺したのは曲泠君ではないと断言した。実はその時間、皇太子と曲泠君は紫桂(シケイ)別院で会っていたという。一方、梁府では廷尉府侍郎である袁慎(ユエンシェン)が舅父・梁無忌(リャンウージー)と対峙していた。袁慎は不明な点が多いため廷尉府が遺体と容疑者を預かると決めたが、公にしたくない舅父に邪魔されてしまう。「お前の母も梁家の嫡女だ、母方の名声にも関わる、連行はさせられん」結局、袁慎は伯父に阻まれ断念、改めて人を遣わすことにした。皇太子妃は皇太子と曲泠君が密会していたと知り深く傷ついた。「それほど彼女は魅力的ですか?再会しただけで理性を失わせ、醜聞を引き起こすとは… しかも死人まで出して、とても取り繕えない」皇太子妃は曲泠君が皇太子と復縁するため夫を殺したと決めつけると、ついに皇太子は堪忍袋の尾が切れた。「彼女と会ったのは梁尚から十余年も乱暴されていたからだ 曲泠君の悲惨な境遇もそなたのせいだ!答えよ、余の手巾がなぜ曲泠君の手に?」実は皇太子妃の嫌がらせは今日に限ったことではなかった。皇太子は皇太子妃がこの十余年、自分の名義で梁家に事ありげな品を贈り続けていたことを把握していたという。これでは梁尚が自分たちの関係を疑い、乱暴するのも当然だった。少商は衝撃の事実に驚愕、その時、初めて東宮を訪れた時のことを思い出し、はっとする。あの時、確かに皇太子妃は自分のかんざしを外し、梁夫人に渡すよう指示していた。しかし皇太子妃は原因なら皇太子にあると反発する。「曲泠君にとってこの十余年は生き地獄だったしょう、では私はどうだったと? 枕を同じくしても殿下の心は遠く離れていた…私の心が痛まないとでも思いますか?」「縁は切れたと言ったであろう?!成婚した時に誓った、そなたと余生を歩むと… だかそなたは改めもせず、結果、今に至り、余が好まぬばかりか、宮中の誰にも尊敬されぬ」すると皇太子は皇太子妃に最後の機会を与えた。「望むなら曲泠君のために陛下の前で余と一緒に嘆願するのだ 望まぬのならすぐに消えうせろ!」「…曲泠君はまるで私と殿下の心に刺さる棘のよう あんな女、今すぐ廷尉府の牢に入れられ死ねばいいのよ!絶対に嘆願などしない」皇太子妃は積年の恨みをぶちまけ、皇后に拝礼して長秋宮を出た。その夜、皇太子は父皇に事情を説明し、廷尉府に曲泠君の潔白を証明してほしいと嘆願した。皇帝は臣下の妻と密会していた皇太子に激怒、すぐ廃することもできると怒号を響かせる。「男女が別院で密かに会いながら潔白だと主張して誰が信じるというのだ?! 天下の見本になるべき太子が男女の情などで己の名声を壊すとは!」すると皇后が矢も盾もたまらず、涙ながらに母として子を信じると訴えた。「陛下は父として息子を信じてくださいますか?」結局、皇帝は東宮と天下のために示しをつけるとし、子晟(ズーション)に真相解明を命じた。凌不疑は拝命して寝殿を出た。すると物陰で聞き耳を立てている少商を見つける。ばつが悪い少商だったが、調査に行くなら一緒に行きたいと頼んだ。本当のところ不疑は嫁選びを誤り、自分の首を絞める結果になった皇太子に呆れているという。しかし少商は皇太子の果敢な決断に敬服すると言った。「太子が自分の名誉のために曲泠君の苦難を見過ごせば、それこそ失望するわ …ねえ、行ってもいいでしょう?」「分かった、だがかき乱さないと約束してくれ」「いつ私がかき乱したの?」「いつもだろう?」凌不疑は黒甲衛(コクコウエイ)を引き連れ、梁家の捜査にやって来た。梁州牧と梁尚の同腹の弟・梁遐(リャンシア)が現場となる部屋に案内したが、まだ生々しい血の痕が残っている。不疑は同行した少商を気遣い、曲泠君の様子を見て来るよう頼んで外へ出した。「私は梁州牧に話がある、事は梁府の男全員に関わる…全員に同席してもらおう」その頃、曲泠君は子供たちと引き離され、君姑から容赦ない制裁を受けていた。「お前を打ち殺してくれる!息子の敵討ちだ!」驚いた侍女・幼桐(ヨウトン)は咄嗟に主に覆い被さってかばったが、そこへ少商が駆けつけ止めた。「老夫人、調査中なのに私刑に処すとは…」しかし老夫人は少商が皇后付きだと知り、皇后が息子を助けるため送り込んだと誤解してしまう。「自分の息子は大事で、私の息子は死ねばいいというの?そんな理不尽なことがあると?」老夫人は興奮して再び曲泠君を打ち据えろと叫んだが、その時、袁慎が母を連れてやって来た。袁夫人は早速、長老を呼び集め、嫡女として一族の掟に従い審理を始めた。当時はまだ父の側女だった庶母、寒門の出なのはともかく、狭量で私心しかなく、到底、父の妻とは認められないという。すると老夫人は正妻となっても一族に見下されていたと不満を漏らした。溺愛する梁遐を仕官させたくても一族が推挙してくれず、家主にしようとしても年功序列だと言って機会を与えてくれなかったという。しかし袁夫人はそもそもこんな騒動となった発端は老夫人にあると指摘した。実は老夫人が正妻になったのは梁尚を産んだ時ではなく、梁遐を産んだ時だったという。そのため老夫人は梁尚が庶出だと知られるを嫌って梁遐にばかり目をかけ、そのせいで梁尚は神経質で疑り深い性格に育っていた。「末子に家主を継がせたいから曲泠君の断罪を急いだのね 梁家がなければ甲斐性なしの2人の息子の命など何の価値もないけれど…」袁夫人は聡明な曲泠君がなぜ虐げられても訴え出なかったのか訝しんだ。実は曲泠君は何度か離縁を申し出たが、梁尚から皇太子との醜聞を言いふらすと脅され断念したという。子ができてからも離縁を考えたが、出て行くなら子を置いて行けと迫られ諦めていた。すると袁夫人は事件当日、梁尚に食事を届けたのは誰なのか確認する。「侍女の幼桐です」その頃、凌不疑は梁家の男たちを集め、この中に犯人がいると踏んでいた。女が背後から一太刀(ヒトタチ)で胸を刺し、命を取るのは難しい。しかも梁尚は交友がなく、終日、部屋に閉じこもって金石の彫刻に没頭していた。「彼に恨みがあり、利害を争うのは外部の人間ではない、梁家の者だけだ 本件は太子に関わり、たった1日で都中に広まった 犯人の手際がいいのも呼応する者がいたからだ それに梁尚は梁家家主、家主が死んで夫人が犯人となれば梁尚の子は家主の座を継げない つまり取って代われる者こそ、犯人の可能性がある…梁州牧、あなたが真犯人では?」つづく( ゚ェ゚)… ←皇后も所在なさげw
2023.10.28
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第11話)第38話「愛を叫んで」凌不疑(リンブーイー)の企みにより情夫を囲っていたことが都中に知れ渡ってしまった五公主。程少商(チォンシャオシャン)は五公主の噂をわざわざ皇后の耳に入れた皇太子妃に憤ったが、皇后は皇太子妃の胸中をおもんばかった。思えば皇太子妃は五公主から日常的に侮辱を受けており、平静でいられないのも仕方がない。何より寿誕の宴で美しい曲泠君(チューリンジュン)の姿を見れば心中、穏やかではいられないだろう。実は皇太子にはもともと想い人がいた。曲泠君は皇太子妃より家柄や品格に優れ、当時は頻繁に宮中に来て皇太子ら兄妹と遊んでいたという。「2人が想い合っていることは誰の目にも明らかだった ただ陛下が故郷にいた頃に婚約を決めていたの、権力を得た後に破棄すれば信用を失う だから太子は約束通り孫(スン)氏を娶るしかなかった」「太子は約束を守らなければ良かったのに…」「子晟(ズーション)も同じことを言ったわ… 幼いながらも私や陛下にこの縁談は太子にとって害になるとね」しかし結局、皇太子は孫氏を娶り、曲泠君も別の人に嫁いでしまう。「聞くけれどあなたは心から子晟のことが好きなの?」「…好きです、以前は彼のことを天上の明月のような遠い存在だと思っていました でも彼も私と同じように血が通い、喜怒哀楽もある、想いは深まりました」「陛下は子晟が身を固めぬことを案じ続け、余は子晟を理解できる者が現れるだろうかと案じた 子晟があなたを選んだのは正解だったわ」その時、翟(ジャイ)媪(ウバ)が血相を変えて寝所に駆けつけた。「皇后!大変です!十一郎が陛下を怒らせ、杖(ジョウ)刑に処されると…」少商が駆けつけるとちょうど凌不疑が皇帝から叱責されていた。何でも不疑は少商を落水させた八家の息女を突き止め、その父兄を殴打したという。実は皇帝は五公主に加担した息女たちが普段から傍若無人に振る舞っているのではと懸念した。そこで父兄らが権勢を笠に着ていないか調査させていたが、賄賂をもらっていたことが発覚する。すると不疑はこの機会を利用し、廷尉府を無視して自ら制裁を加えていた。皇帝は皇権を乱用した私刑だと激怒、厳しく罰すると怒号を響かせた。驚いた少商は許しを乞うたが、不疑は嘆願なら必要ないと冷たい。「己の罪は己で償う…君と同じように私にも矜持(キョウジ)がある、これが凌不疑だ」少商は自分への当てつけだと気づき、無茶をして婚約を台無しにするつもりかと言いかけた。その時、不疑の口から思わぬ言葉が飛び出す。「辞官して君と隠居したい、君の求める田舎でな」凌不疑の無謀な行動は全て少商のためだった。そこで少商は昨日、自分と言い争ったことが原因だとかばったが、かえって皇帝からなぜ喧嘩ばかりするのかと責められてしまう。「今度、言い争ったら何だ、朕の崇徳(スウトク)殿を襲うのか?!」すると皇帝は罰として杖刑100回後、流刑に処すと命じた。少商は何とか見逃してもらおうと必死だったが、不疑はあっさり拝命すると告げて出て行ってしまう。「ちょ…凌不疑っ!」刑場はちらちらと雪が舞い始めた。少商は皇帝と共に城楼から刑の執行を見守ったが、やがて耐えられなくなり刑場へ降りてしまう。すると知らせを聞いた皇后と越(ユエ)妃が城楼へ駆けつけた。皇后は皇帝の非情な仕打ちに心を痛めたが、越姮(ユエホン)はこれが皇帝の謀だと気づく。実は軍営での杖刑には一見、血みどろに見えても大して支障のない打ち方があった。そうとは知らず刑場に入ろうとした少商は衛兵に止められながら、なりふり構わず叫んでいる。「子晟!誓うわ!2度とあなたと喧嘩しない! いくら私に怒っていても自分の身体を犠牲にしてまで意地を張るなんて馬鹿なことしないで!」そこで皇帝は少商を止めている衛兵の手を緩ませ、子晟に近づかせるよう命じた。少商は執行台へたどり着くと、杖を振り下ろそうとした衛兵を突き飛ばして刑を止めた。「子晟、今後は何事もあなたに相談すると約束するから… これからは真心をあなたに捧げる、私のために馬鹿な真似はやめて、いいわね?」すると少商は思わず凌不疑を抱きしめた。「もうとっくにあなたを愛していた…なぜ気づかないの?」「…今、何と言った?朕は聞こえなかったぞ?!何だって?!」城楼では皇帝が少商の気持ちを確認しようと必死だった。しかし越姮は聞こえずとも見れば分かると呆れる。安堵した皇帝は刑の中止を命じたが、皇后は皇帝のやり方に反発して帰ってしまう。凌不疑は幼い頃に過ごした長秋宮で静養することになった。夜になっても不疑が心配で落ち着かない少商、しかし皇后は医官がついているとなだめる。「翟媪に安神薬を用意させたわ、ずっと泣き続けて声も枯れたでしょう? 薬を飲んで早く眠りなさい」しかし少商は矢も盾もたまらず、こっそり不疑の部屋へ行ってしまう。不疑は少商の姿を見ると嬉しそうに身体を起こした。負傷した割には元気そうな不疑、少商は思えばあの時、子晟があまりにあっさり皇帝の罰を拝命したことに気づく。「負傷したのは芝居なの?」「なぜ芝居だと?」「私が心を傷めれば目的を果たせる」「…少商に心を痛めてもらえるなんて、こんな幸せはない」少商は子晟が愛しくなり、おでこに口づけした。すると2人は見つめ合い、自然と顔を近づけて唇を重ねる。「こんなことは成婚まで待つべきか?」「それは私の台詞でしょう?」少商は子晟に笛を吹いて聴かせた。すると不疑は灯会(トウエ)で初めて少商の顔を見た時のことを思い出す。「あの時も今のように君は美しかった」「だったらなぜ後日、会いに来なかったの?」「あることを遂げるまで娶る決断ができなかった」「一目見ただけで娶ると?」「一目で十分だ…一度、見ただけで分かった、余生を共にするのは君だけだとね」「この先、欺かれない限りこの少商、あなたを裏切らないわ」こうして何度もぶつかり合いながら愛が深まった少商と不疑。その頃、曲陵(キョクリョウ)侯府では蕭元漪(シャオユエンイー)がなかなか戻ってこない嫋嫋(ニャオニャオ)に苛立っていた。少商は皇后から賜った外套を母に届けたが、蕭元漪は皇后に懐いてすっかり母を忘れた娘からの贈り物に見向きもしない。程始(チォンシー)は思わず失笑し、会えなくなると気がかりになるのかと揶揄した。「夫人、嫋嫋は凌不疑と一緒になってから、さほど問題は起こしていない」「そうね、誰が予測できた?凌不疑の方が嫋嫋より常軌を逸しているなんて…」凌不疑が報復した八家のひとりは御史中丞だった。皇帝は不疑が乗り込んでめちゃくちゃにした御史台の修理を命じたが、不疑はこの機に乗じて15年前の越氏の軍報を持ち出すことに成功する。すると予想通り軍報には戦馬の損傷は記載されていなかった。「恐らく兵の死因も瘴気ではない、小越侯は嘘をついている」しかし証人の軍医が死んで韓武(ハンウー)も殺され、当の小越侯は狡猾でなかなか尻尾を出さない。「奴がボロを出さねば…仕向けるまでだ」つづく( ˘ω˘ )さすがに真心うんぬんはもう飽きてきた…それにしても今回は上手い人が多いね~
2023.10.24
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第10話)第37話「報復の流儀」程少商(チォンシャオシャン)は池に落ちてびしょ濡れになった五皇子を長秋(チョウシュウ)宮で着替えさせることにした。五皇子は誰かに見られたらあらぬ誤解を受けると心配したが、嫌な予感は的中する。「あらあら、本当に皇兄と程娘子が密会していたのね~」五公主の勝ち誇った顔を見た少商はこれが五公主の仕業だとすぐに分かった。五公主は父皇と母后の前で五皇子と少商を追及した。焦った五皇子は五公主の取り巻きから鏡心(キョウシン)池で佳人が待っていると聞いたと訴えたが、肝心の証人の姿がない。少商も池に落ちた五皇子を助けただけだと釈明したが、五公主はそんな言い訳を誰が信じるかと鼻で笑った。「ごぅら(够了)っ!」皇后は思わぬ騒ぎに不快感をあらわにし、宴に戻らず長秋宮に帰ってしまう。皇帝は祝宴を台無しにされ怒り心頭だった。しかし皇后の寿誕に免じて今日のところは不問に付すという。こうして一同が引き上げ、五皇子も逃げるように帰って行った。すると凌不疑(リンブーイー)がやっと少商に声をかける。「大丈夫か?」「私を信じる?」「もちろん」「よかった、私は皇后のところへ行くわね」少商はそれ以上、何も言わずに急いで戻って行った。皇后は結局、寝付けないまま朝を迎え、付き添ってくれた皇帝を見送りに出た。するとまだ夜が明けたばかりというのにどこへ出かけていたのか、少商が長秋宮に戻ってくる。「少商、宴の準備で大変だったわね…早く支度して家に帰りなさい」「ありがとうございます、陛下、皇后」その時、五公主が凄まじい剣幕で長秋宮に乗り込んできた。「程少商!殺してやる!」五公主はなぜかびしょ濡れで、全身が真っ黒に汚れていた。五公主は息女たちと飲み明かし、朝方に瓏園(ロウエン)へ戻った。しかし息女が扉を開けた途端、仕掛けてあった桶が飛び出し汚水をぶちまけ、さらに勢いよく放たれた荊が身体を打ち、最後には灰を浴びせられたという。五公主は全て少商の仕業だと訴えたが、皇后は証拠がないと退けた。これに五公主は憤怒、なぜ娘ではなく少商の肩を持つのかと嘆く。そこへ越(ユエ)妃が現れた。「母后の干渉を嫌がって公主府で悠々自適に暮らし、孝行することもなかったくせに 何を今さら…」越姮(ユエホン)は自分の瓏園で起きた騒ぎのため座視できないという。すると五公主は日頃の越妃への鬱憤が爆発、暴言を吐いた。「母が皇后だと忘れている!四六時中、父皇と睦み合い、長秋宮を…」その時、越妃が五公主を平手打ちした。「私を叩いたわね…ワナワナ」「母親の寿誕の宴で程少商を陥れたのよ?ぶたれて当然では?」「嘘よ!証拠があるの?!」「あるとも!」凌不疑が五皇子を池に誘い出した息女を連行した。すでに息女は全て五公主の所業だと白状したという。「五公主は我が新婦が池に行くと知り、五皇子を誘い出して彼女の名声を辱めようとしました」しかし御前に突き出された息女は恐怖のあまり、証言する前に気絶してしまう。五皇子は全て五妹の指示だったと告発した。これに激怒した五公主は兄である五皇子を″雑種″呼ばわりしてしまう。「父皇、私は長秋宮の嫡出、なぜ卑しい者の言葉を信じるのですか?!」皇后は傍若無人な娘の姿に唖然とし、全ては自分の過ちだと嘆いた。「余は若い頃、苦労を重ねた分、子には楽をさせたかった…まさかここまで思い上がるとは… 兄弟への情がなく、越妃に不敬を働き、父皇も尊ばない しかも余の寿誕の宴で少商を陥れるなんて…誰かっ!」驚いた五公主はひざまずき、悪いのは何の因縁もない自分に報復した程少商だと訴えた。しかし五皇子が因縁ならあるとばらしてしまう。「先日、息女たちと程少商を池に落としたくせによく言うよ」何も知らなかった凌不疑は驚愕、少商がまた独りで行動を起こしたと知った。少商は自分が罠を仕掛けたと認めて謝罪した。確かに五公主に池に落とされたが、皇后の寿誕の宴を目前に控えていたため、終わるのを待って報復したという。「池に落とされたから汚水をかけ、宴をぶち壊しにしたから″荊の杖を背負う罰″を負わせたのです 五公主、少しは目が覚めました?…どうやら無駄だったようですね」「程少商っ!こんなことなら毒蛇を放って殺しておけば良かった!(はっ!)」激情に駆られた五公主はうっかり口を滑らせたが、開き直って武将の娘など死なせれば済むことだと言い放った。「公主の私が殺すのは蟻を潰すも同じ、彼らの命に価値はない! 父皇、母后、娘ではなく他人に味方するのですか?!」「…お前はどうかしている、どうかしているぞ!」増長した五公主の悪辣な行動は皇帝と皇后の逆鱗に触れた。皇后はすぐに消えろと叫び、怒りのあまり卒倒してしまう。そこで皇帝は五公主を皇陵に閉じ込め半日ほど反省させるよう命じ、今後は許可なく公主府を出るなと厳命した。皇帝は人払し、皇后を心配して寝殿に入った。すると越姮が引き上げようとした駱済通(ルオジートン)を引き止める。「五公主は帝后が罰する、では密会だと騒ぎ立てた春笤(チュンティアオ)は?」「心ある奴婢を留めて置くことはできません、父兄に頼んで辺境へ売ってもらいます」「ふっ…あなたを侮っていたわ、これほど果敢だったとはね」凌不疑は少商を連れて長秋宮を出た。「あの夜、泣いていたのは辱められて悔しかったからだったのか…いつまで隠すつもりだった? なぜ自分だけで動く?私が信じられないのか?」不疑は縁談が決まった時、これからは少商の後ろ盾となり、知己となって、少商の恐怖や孤独を共有しようと思っていたという。しかし結局、少商にとって自分は恐れ多く、近づきがたい存在のままだった。「楼垚(ロウヤオ)なら君は怯えずに済み、自由気ままでいられた だが私は君を宮中に閉じ込め、恐れを抱かせてしまう…嫌悪感すらも…」不疑は今さらながら少商を留めるべきではなかったと後悔し、独りで行ってしまう。「凌子晟(ズーション)!私は一匹狼、やられたらやり返す!そんな私が好きなのよね?! なのになぜ急に変われと強いるの?!私は程少商よ!凌子晟の新婦というだけじゃない!」すると不疑がふと立ち止まって振り向いた。「分かっている、そのままでいい」少商は皇宮も不疑も受け入れているつもりだった。…それなのになぜこのままの私を受け止めてくれないの?…少商は長秋宮に戻り、改めて皇帝と皇后に謝罪した。すると自分がめちゃくちゃにした瓏園を凌不疑がすでに配下に命じて修復させたと知る。驚いた少商は自分で責任を取ると言ったが、その時、ふせっていた皇后が身体を起こした。「少商、子晟があなたの未婚夫なら余と陛下はあなたの君姑(クンコ)であり君舅(クンキュウ) 誰かに陥れられたのに相談もせず自分で動くとは… 私や陛下を親とも思わず、子晟に愛も注がぬのなら、皆の心を失望させるだけよ?」「…もっと早く教えてくださればいいのに、今さら手遅れです(ボソッ」少商は思わず恨み言を漏らしたが、皇帝は不疑への真心を学ぶことなら今からでも間に合うと諭した。一方、凌不疑は五皇子を待ち伏せし、少商を池に落とした息女たちを全て教えるよう迫った。すると不疑は宮中にいる息女の父親を次々と捕らえ、引き回しの刑にしてしまう。「世に知らしめなければならぬ、これが我が子を躾けぬ親の末路だとな」その夜、曹(ツァオ)常侍(ジョウジ)は皇帝の命で五公主を公主府まで送り届けた。しかし五公主に反省の色は見えず、父皇と母后の容赦ない罰もしょせんは自分を怯えさせたいだけだと侮っている。その余裕も屋敷に入るまでだった。前庭には公主をそそのかして愚行たらしめた罪により死を賜った幕僚たちの亡骸が並んでいる。五公主はようやく自分の過ちの大きさに気づき、その場で泣き崩れた。五公主の″情夫″に死を賜るよう上奏したのは凌不疑だった。そのせいで都中に五公主が情夫を囲っていたと噂が広まり、小越侯は将来の君舅として面目丸潰れとなる。怒り心頭で酒楼に閉じこもった小越侯、すると番頭の田朔(ティエンシュオ)が現れ、いずれ吉報が届くとなだめた。「三皇子は品行方正で厳正中立、陛下も絶賛しておられるとか 君子とは真っ直ぐで邪のない者、三皇子は天子になる運命かと…」「…だが太子という邪魔者がいるかぎり、吉報が届くのは無理だろうな」皇太子と皇太子妃は母后を見舞った。すると皇太子妃が五妹の悪い噂が都に広まっていると報告、皇太子と少商は眉をひそめる。「…母后、どうか気に留めないでください」皇太子は五妹も少しずつ改めるはずだと安心させたが、皇太子妃は罰してこそ教訓になるため溺愛は禁物だと諫言した。「儲妃、少し遠慮しては?良かれと思っても、その言い方は人を不愉快にさせるだけ 慈悲深い皇后は怒りませんが、もし越妃だったらどうなると?」見かねた少商が釘を刺すと、皇太子妃は気まずくなって口をつぐんだ。皇太子妃は東宮に戻ってから皇太子に叱責された。いくら五妹と確執があるとは言え、父母が娘のことで胸を痛めている時に火に油を注ぐなという。皇太子妃は失言を詫びたが、皇太子はあきらかに悪意があったと指摘した。すると皇太子妃は報復するとすれば相手は五妹ではなく、我が子を死なせた曲泠君(チューリンジュン)だという。「曲泠君と殿下が怪しい仲でなければ、私も体調を崩して子を失いませんでした… 彼女は宴であなたに何度か視線を向けた、それだけでこの数日、殿下は心ここにあらずです」皇太子妃はそもそも自分を娶ったのが間違いだと嘆いた。曲泠君に未練があるなら入内(ジュダイ)させて良娣(リョウテイ)に封じれば自分も苦しまずに済むという。皇太子は疑心暗鬼に陥った皇太子妃を持て余し、無益な争いは好まないと言い捨て出て行った。つづく( ゚ェ゚)え?また振り出しに戻るの?ってか今さら阿垚を持ち出すとかエェェェ…そもそも不疑ソックの不具合が原因なのに…w
2023.10.22
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第9話)第36話「負けず嫌いの涙」凌不疑(リンブーイー)は宮中に留まる程少商(チォンシャオシャン)を気遣い、曲陵(キョクリョウ)侯府から少商の荷物を運び込んだ。少商は届いた荷物を見ると家が恋しくなる一方だとぼやいたが、皇后は単に宮中での暮らしが窮屈なだけだと見抜く。思わず顔を見合わせて失笑する皇后と少商、しかしそこへ五公主が現れ、寝殿のなごやかな空気は一変した。五公主は珍しく殊勝な様子だった。「どんな貴重な礼品も父皇と母后の権勢を借りて得たもの そこで自ら舞人を招いて演舞を編成し、長く練習しました」「母后はあなたの孝心を知っているわ」少商の前で褒められ得意げな五公主、しかし喜んだのも束の間、母后から弘農(コウノウ)郡で広大な田畑を荘園にしたことを咎められてしまう。「でも放置されている荒れ地です 荘園にして水路を開き流民に開墾させれば、食糧も増え、民も安心かと…」「天下は王の領地ゆえおのずと開墾する民もいる、心配には及ばない」しかし五公主は少商のすることには援助しても自分は叱責されると恨み言を漏らした。皇后は少商なら自腹であり私欲でもないと呆れ果て、話をそこで終わらせてしまう。病み上がりの皇后は五公主が宴に招いた世家の息女たちが煩わしく、越(ユエ)妃の永楽宮へ預けることにした。少商は駱済通(ルオジートン)と一緒に五公主たちを瓏園(ロウエン)まで案内することになったが、庭園の橋を渡っている時、五公主の取り巻きに突き飛ばされて池に落ちてしまう。すると五公主は少商を怖がらせようと池に蛇を投げ込ませた。驚いた少商は必死に逃げ惑いながら岸に上がったものの、足首をかまれてしまう。蛇には毒がなく少商は無事だった。五公主はびしょ濡れのまま逃げるように長秋宮へ戻った少商の姿を見て溜飲を下げ、駱済通に口止めしておく。「嫁ぐ前に公主を怒らせて騒ぎを起こせばどうなるかしら…」思わず口ごもる駱済通、その時、物陰から音が聞こえた。「何の音?!出て来なさい!」全てを見ていた五皇子は申し訳なさそうに姿を現したが、嫡子の五公主には頭があがらない。五公主も父皇が過って宮人に産ませた五皇子など歯牙にも掛けず、余計なことは言うなと釘を刺しておいた。少商が湯浴みから上がる頃にはすでに夜になっていた。すると急に凌不疑が訪ねてくる。「宮中なら昼夜、会えると思ったが、君はずっと忙しくて差し入れも使いをよこす 以前よりも会うのが難しくなるとはな…それで今夜はどうにも恋しくなって会いに来た」少商はかろうじて笑みを浮かべたが、涙があふれそうになって背を向けた。「今や朝堂では誰もが私を羨む、賢恵な女子を妻にできると… 陛下すらも君が賢く有能だと褒めた、長秋宮を見事に差配しているとね 君は誰かに尽くすと決めたら全身全霊でその人のために献身する、たとえ自分が辛くても…」不疑の称賛の言葉を聞いた少商はかえって悔しさと惨めさが募り、ついに泣き出した。「嫋嫋(ニャオニャオ)?どうした?」少商は思わず不疑に抱きつき、泣きじゃくってしまう。驚いた不疑は少商を強く抱きしめながら理由を聞いたが、少商は家が恋しいだけだと嘘をついた。凌不疑はそれ以上、追求しなかった。その代わり少商を抱き寄せる口実に、背中にある急所・命門(メイモン)の場所を教える。「…他に教えられることがある?例えば誰かに虐げられた時、応戦する方法よ」「私がいる、誰も虐げない」「でもいない時は?!」「何を学びたい?」「こんな風に後ろから押されたら?」少商が不疑の背中を押そうとすると、不疑はあっさり避けて少商の腕をつかんで見せる。「じゃあこうしたら?」すると不疑は攻撃を華麗にかわし、少商を捕まえて寝台の上に押し倒した。「どうだ?」「…使えるのは手一本よ」「はお」不疑は片手だけでも軽々と少商の手を封じてしまう。「手一本も使わないで」そこで不疑は両手を使わず、少商に覆い被さった。思いがけず唇と唇が触れ合いそうなほど接近してしまう2人…。少商は恥ずかしくて視線をそらしたが、その時、不疑が少商の手を取って自分の背中に回した。「この先、私の命門は君に託した…嫋嫋、何が起きたんだ?」「…ひとつお願いがあるの」「君が望むなら全て叶える」皇后の寿誕を祝う宴、少商は見事に取り仕切って見せた。最初の余興は意表をついて凌将軍が琴を披露、実は不疑は皇帝に頼まれても腕が鈍っているからと断り続けて来たという。どうやら不疑を弾かせる気にさせるのは少商だけらしい。次に三皇子がちょうど皇后の寿誕前に封土で新たな鉱脈を発見したと報告した。「これも母后の福がもたらしたものでしょう」皇帝が上機嫌になったところで今度は皇太子と皇太子妃が西域で購入した玉麒麟(ギョクキリン)一対を献上した。しかし皇太子妃がうっかり銀銭をつぎ込んだと口を滑らせ、失笑を買ってしまう。倹約を推奨する皇帝の前での失言に顔を引きつらせる皇后と皇太子、その時、少商が助け船を出した。少商は皇太子妃の隣にひざまずき、皇太子からの祝いは他にもあると上奏した。実は今日の酒は皇太子が西域から取り寄せた種から実った果実で作ったという。「果実酒なら浪費にならず存分に飲めます」また料理も皇太子が求めた胡桃の油を使っていた。「胡桃は腹持ちするため欠かせぬ食物なのです、太子に感謝します」少商の機転で皇太子は面目を保ち、皇帝も民の心が分かる皇太子だと喜んで褒賞を授けた。安堵して席に戻った皇太子、しかしふいに向かいの席にいる想い人に気づく。2人はしばし見つめあったが、それを見た皇太子妃は激しい嫉妬に苛まれた。五公主は二公主と駙馬(フバ)が奏でる音楽に合わせて群舞を披露した。しかし人数が多すぎたせいか途中でぶつかり合い、転んでしまう。皇帝は意気消沈する小五を慰めるため褒美を出すと言ったが、宴席は何とも言えない微妙な雰囲気に包まれた。凌不疑と少商からの祝いの品は書簡だった。皇后は献上された書簡を早速、開いてみると、それが亡き父が記した詩文だと分かり、思わず涙ぐむ。宣(シュエン)太公は詩文を好んでいたが、記した詩文を惜しむことなく友に贈り、屋敷には書簡が残っていなかった。「…父の墨宝は2度と見られないと思っていたわ」皇帝は心がこもった礼品だと感激し、皇后も子晟(ズーション)と少商が自分を心から気にかけていることを知っていると感謝した。宴席で並んで座る凌不疑と少商はすでに夫婦のように仲睦まじかった。皇帝はそんな2人の様子を見て目を細めたが、袁慎(ユエンシェン)や駱済通は内心、穏やかでない。そうとは知らず、少商と不疑は同じ杯の酒を分け合いながら飲んでいた。その時、少商は不疑の右薬指に巻いた包帯に気づき、琴の練習のせいかと尋ねる。しかし不疑はなぜか黙ったまま何も答えなかった。少商はふいに昨夜、不疑が自分を押し倒した時のことを思い出し、何とも言えない愛おしさが湧き上がる。すると少商は衝動的に不疑の横顔に口づけし、照れくさそうに宴席を出て行った。駱済通の侍女・春笤(チュンティアオ)は五公主が取り巻きの娘を呼んで悪巧みしていることに気づいた。すると令嬢が早速、五皇子に何やら耳打ち、五皇子は千鳥足で宴席から出て行ってしまう。春笤はこっそりあとをついていくと、五皇子が庭園で少商を待ち伏せしていた。五皇子は酔った勢いで少商にちょっかいを出そうとしたが、少商は凌不疑を真似て五皇子の腕をつかむと池に落としてしまう。「俺は泳げないんだぞ!助けてくれ!」しかし少商は泳げなくても岸へたどり着けることを知っていた。すっかり酔いが覚めた五皇子は激怒、少商の悪辣さは凌不疑と同じだと批判した。実は五皇子は幼い頃から凌不疑にいじめられていたという。「奴は陰湿で必ず報復する、手段も選ばない、そなたとお似合いだな!冷酷で無慈悲だ!」出自のせいで卑屈な五皇子は少商まで軽視すると嘆いたが、少商は五皇子が独特な見解を持っていると知っていた。「五皇子は異国の風土の話がお好きだとか? …朝堂に無益と知りながら探求しようとするのは純粋な心からです 誰にも称賛されないからって何です?自分が好きならそれでいい その点で私と五皇子はよく似ています」「…そこまで言うならもう難癖はつけまい」「はお、では今日から私たちは友ですね」駱済通はせめてもの思い出に凌不疑と別れの杯を交わしたかった。そこでちょうど少商が席を離れた隙に凌将軍に声をかける。「北西に嫁いだら今度はいつ会えるか…私から将軍に一献を…」すると春笤が慌てた様子で戻ってきた。「大変です!…五皇子と程娘子が鏡心(キョウシン)池で密会しています!」つづく。゚(∩ω∩`)゚。 にゃおにゃお〜それにしても3も5も声が上手いわ、意地悪だけどw
2023.10.16
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第8話)第35話「月と星の関係」袁慎(ユエンシェン)は程少商(チォンシャオシャン)と凌不疑(リンブーイー)の婚約の宴から追い出される汝陽(ジョヨウ)王妃と城陽(ジョウヨウ)侯夫人を目の当たりにした。「程娘子の婚約は慶事と言えなくもないが、汝陽王にとっては大慶事だな…」「″言えなくもない″って何よ?」少商は回廊にいた袁慎の失礼な物言いを聞き逃さなかった。「そんなに嫌味ったらしいのは嫉妬しているから?前の縁談が潰れてもすぐ次が決まった 善見(シャンジエン)公子なんて子晟(ズーション)と同年代なのに妻もいない 今日は世家の娘が大勢来ているから私が取り持ってあげましょうか?」すると憤慨した袁慎は低俗だと言い捨てて行ってしまう。万松柏(ワンソンバイ)が凱旋、匪賊を討伐して無事に人質だった王隆(ワンロン)を解放した。事情を聞かれた王隆は、持ち場を勝手に離れたのも父・王淳(ワンチュン)の軍令に従ったからだと釈明したという。皇太子は自分が慎重に調査すると申し出たが、その時、廷尉(テイイ)府・紀遵(ジーズン)が自分たちに任せて欲しいと嘆願した。「善見、陛下にご挨拶を…」仕官した袁慎は御前で拝礼し、見解を述べようとした。すると凌不疑が話を遮り、実は昨夜のうちに調査を済ませたという。実は王隆への軍令は文修君(ウェンシウジュン)が夫の文として偽造し、印章も偽物だった。しかも文修君は寿春(ジュシュン)にいる弟・小乾安(ケンアン)王を援助するため、銭の鋳造をそそのかしたという。皇帝もこれ以上かばい立てできず、文修君の封号を剥奪して自害を命じ、また王父子は官位を剥奪され庶民に落とされた。朝議が散会した。すると朝堂を出た凌不疑に少商からの差し入れが届く。何とも微笑ましい様子に紀遵は目を細めたが、袁慎は内心、面白くなかった。「善見、お前もいい年だ、身を固めないのか?」「縁談に興味はありません」↓善見ザマアァァァwww王姈(ワンリン)は長秋(チョウシュウ)宮へ駆けつけ、皇后に母の命乞いを続けた。しかしちょうど母の見舞いに来ていた五公主が現れ、立ち去らなければ宮廷を騒がせた罪で打ち据えると脅す。驚いた少商はそこまでせずとも自分が追い払うと約束し、王姈を助けた。「死にたくなければ黙って…事は重大よ、私たちでは何もできない」その夜、少商は寿春料理を作って皇帝に届けた。皇帝は舌鼓を打ちながら老乾安王を懐かしんだが、少商が遠回しに嘆願に来たと見抜く。すると少主は嘆願が皇后のためでもあると言った。「皇后は乾安王に養育されました 文修君がどれほど横暴で不敬な態度でも耐えて来たのは、ひとえに故人を偲んでのこと 文修君が死を賜ることになり、皇后はまた病に伏されました、きっとお辛いはずです」皇帝は子晟からも同じことを言われたと明かした。老乾安王は霍(フォ)兄のために亡くなり、文修君と弟はその乾安王が残した唯一の血脈だという。「…いいだろう、幸いひどい事態は招いておらぬ、死は免じよう」 王姈は彭坤(ポンクン)へ嫁ぐことが決まり、その前に生涯軟禁となった母を訪ねた。夫や娘を顧みず大罪を犯した母、しかし未だ過ちを認めず、気概がない娘を引っ叩いてしまう。すると王姈はついに母を見限った。「阿母、舅父は陛下への書状で全ての罪を阿母に着せたわ 自分は貨幣のことも知らず、軍を動員したこともないと… 最初、陛下は自害を命じた、でも皇后に免じて監禁に留めてくださったのよ」結局、文修君は自分が守ろうとした弟に裏切られ、恨んでいた相手に命を救われることになった。それでも文修君は弟をかばい、全ては大局を考えてのことだと訴える。王姈は哀れな母に深くし失望し、寿春へ行ったら毎日、皇帝と皇后のために祈ると言った。「あなたは永遠に実現しない夢を見ながら、この部屋で一生、過ごすのね」五公主は病み上がりの母后を訪ね、寿誕の宴を自分に任せて欲しいと頼んだ。父皇は少商を指名したが、母后から推薦して欲しいという。しかし皇后は娘が宴の予算に目をつけ、自分の懐を潤すつもりだと分かっていた。五公主は悪びれる様子もなく、幕僚たちを養う元金が必要だと訴える。その時、どこからともなく甘い匂いが漂って来た。「(クンクンクン…)何の匂いですか?」少商が新しい甘味を作っていると、皇后と五公主が様子を見にやって来た。「また子晟に食べ物を?」実は大臣たちも少商が子晟の馬車に差し入れを運ばせているのを目撃し、今や賢妻と評判になっているという。「でも孝行者とは聞かないわね~」皇后が遠回しに嫉妬すると、少商は今回の試作が皇后のためだと教えた。早速、試食した皇后は甘くて美味しいと笑顔、そこへ皇帝が凌不疑を連れてやって来る。「…誰かさんは朕より皇后を喜ばせられるようだな」少商は皇帝にも新しい甘味を勧めた。飴糖(イトウ)は高価なため甘蔗(カンシャ@サトウキビ)を絞り、小豆と糖汁を煮詰めたという。すると少商は五公主を尻目に不疑にも甘味を渡した。「ご安心を、甘蔗は自腹で買いました、皇后を喜ばせるため一文なしです、ふふふ~」「そなたは孝行者だな、子晟、お前の新婦は出来がいい」皇帝は喜んで不疑に食邑200戸を授けたが、少商はなぜ自分ではなく不疑が褒美をもらえるのか分からなかった。↓(๑・᷄ὢ・᷅๑)何でなん?五公主は娘の自分を差し置いて父皇と母后に寵愛される少商が面白くなかった。すると帰りの道すがら回廊で偶然、駱済通(ルオジートン)と出くわす。「あなたは私の伴読を務め、翟(ジャイ)媪(ウバ)を支えて宮中の雑務を行って来たわ でも母后は差配を程少商に任せるそうよ? …母后はあなたを十一郎に与えると思ったのに、まさか先を越されてしまうなんてね~」駱済通は寛容な対応を見せたが、内心は少商に激しく嫉妬していた。その気持ちを見透かすように侍女の春笤(チュンティアオ)は皇后の寵愛があっさり少商に移ったことに不満を漏らす。しかし何にせよ誰が皇后の意向に異論を唱えられるというのか。その夜、少商は皇后に今日の皇帝の褒賞について尋ねた。「陛下は私を褒めたのに、子晟に褒美を与えました… 200戸が惜しいわけではなく、私の出来が良かったのになぜ子晟の手柄になるのですか?」すると皇后はかつて楼(ロウ)家で少商が皇帝から表彰されたのは子晟が願い出たからだと明かした。当時、子晟は自分の褒賞を求めず、少商が楼家で見下されぬよう嘆願したという。何も知らなかった少商は驚いたが、ただ周りから子晟の妻としか見られず、自分自身がないことに納得できなかった。皇后はならば皇帝の麾下(キカ)である将士や大臣たちなど自分の居場所すらなくなるという。「良策を立て戦に勝利しても陛下の領土を広げただけ、自分たちとは何も関係ない 策が悪く、破れれば陛下の落ち度になる…でも古(イニシエ)よりこの満天の星の下では 合従(ガッショウ)や連衡を唱えて来た名将や策士も同じ星の河に名を連ね、明るくその輝きを放つ…」皇后は孤独に育った少商がこれまで自分の栄辱ばかり考えて来たが、成婚すれば別のやり方が必要だと諭した。「…皇后の言うとおりです、郎君が陽光で万里を照らすなら、私たち女は明るい星、星河に輝く」少商は日月と星河に高低は関係なく、互いが欠かせない、共存することでこの天地を成すのだと理解した。程家では一家が宮中から戻らない嫋嫋(ニャオニャオ)を恋しがっていた。嫋嫋がいない食卓は火が消えたようだったが、老夫人だけは気にかける様子もなく食欲が落ちることもない。すると朝餉の時間というのに突然、凌不疑が尋ねて来た。実は少商が皇后の寿誕の宴を仕切ることになり、皇帝に命じられて宮中に留まることになったという。「宴が終われば帰れるかと… それで少商が暮らしに困らぬよう、使い慣れた小物を取りに伺いました」程始(チォンシー)は了承したが、凌将軍は全ての荷物を運び出し、少商の部屋は空っぽになってしまう。つづく( ゚ェ゚)そしてまた独り消えた…ようやく原題の意味が出て来ましたね
2023.10.14
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第7話)第34話「役者揃う婚約の宴」婚約前に程少商(チォンシャオシャン)を母に会わせた凌不疑(リンブーイー)。しかし急に錯乱した霍君華(フォジュンホワ)から激しく手を噛まれてしまう。少商は中庭で手当てしながら、不疑がなぜ冷酷無情で親不孝と噂されても城陽(ジョウヨウ)侯と夫人を嫌うのか分かった。「子晟(ズーション)、あなたは無情なんかじゃない… それに心配しなくても阿母(アームウ)のそばには優しい叔父(シューフー)がいるじゃない」その叔父とは崔祐(ツイヨウ)将軍だった。実は将軍は霍君華を娶ると心に決めながら、母親に成婚を強いられて諦めたという。結局、夫人は難産で亡くなり、程なくして霍君華も凌益(リンイー)から離縁された。「それで崔叔父は誓ったのだ、後添えは取らず、母のために独り身を貫くと…」「そんな一途な郎君がいるのね…その篤い情義は万金でも代え難い」「少商、君への情義もかくの如しだ」不疑は今後、頻繁に母に会う必要はないと安心させた。しかし少商は未来の君姑(クンコ)に覚えてもらえるよう杏花(キョウカ)別院を訪ねたいという。不疑はそんな少商の気遣いが嬉しかった。すると少商はこれから宮中への送迎なら不要だと断り、代わりに自分が早起きして宮門で落ち合おうと提案する。「だがそれでは君が早起きしないと…」「皇后の前で居眠りすればいいわ」「私のために支障が出たら…」「心は2つに割れない、宮中の任務だけに捧げるか、あなたに捧げるか、あなたが選んで」「私に捧げてくれ」不疑はそんな少商が愛しくなり、明日にでも婚約の宴を開きたいと言った。「いいわ」「ふっ、ちょっとからかっただけだ、さすがに宴の準備には最低でも3日はかかる 早く当日になって欲しい、婚約すれば安心できるよ」「安心?どうかしら、以前も大勢の人を招いたのに、結局、縁談は…」その時、突然、不疑が少商に口づけした。「もし耳障りな話をしたら、また口を塞いでやる」( *´꒳`* )ふふふ… ←勝手に参加している気分w屋敷に戻った少商は婚約の宴が3日後に決まったと報告した。蕭元漪(シャオユエンイー)や程姎(チォンヤン)は慌ただしすぎると難色を示したが、少商は全て凌不疑に任せれば大丈夫だと太鼓判を押す。すると耳ざとい城陽侯夫人・淳于(チュンユー)氏が早速、曲陵(キョクリョウ)侯府にやって来た。淳于氏はすっかり態度を軟化させ、婚約の宴について相談したいと切り出した。どういう風の吹き回しかと思えば、礼品として少商に2人の侍女を贈るという。「城陽夫人って面白い人…ふふ 私が子晟の寝所も触っていないうちから美しい侍女と夫の寝所を享受しろと?」淳于氏の魂胆は見え見えだった。呆れた少商は城陽侯夫人が姉も同然だった霍君華から夫を寝取ったと言い放ち、淳于氏は激怒して帰ってしまう。蕭元漪は娘がわざと城陽侯夫人を挑発したと分かった。しかし凌不疑の実母でなくても名義が立つため、家に面倒を招くかもしれないと嫌味を言う。侍女・蓮房(リエンファン)も未婚妻が婚約の宴で門前払いされたら笑い物になると心配した。「阿母、昨日、霍夫人に会いました、あの人のせいで子晟母子は苦しんでいます 私は横恋慕が大嫌い、あんな人におべっかは使えません …見てなさい、どちらがどちらの家で門前払いされるか」婚約の宴の当日、淳于氏は少商に凌府の敷居をまたがせまいと意気込んで出かけた。しかし婚約の宴が行われるのは曲陵侯府、しかも招状を持っていなければ入れないと知る。その頃、曲陵侯府にはすでに多くの招待客が集まっていた。凌不疑の姿はまだなかったが、その時、蓮房が宴席にいる女公子の元へ駆けつける。「凌将軍から伝言です、すぐ着くので焦らなくて良いと、それから… ″今日、誰に会い、何が起きても怖がらず、好きなだけ啖呵を切れ″と…」少商は何のことか分からなかったが、その意味をすぐ知ることになった。曲陵侯府に袁慎(ユエンシェン)の馬車が到着した。従者は賑やかな場所を嫌う主がなぜ他人の婚儀の見物に来たのか分からなかったが、袁慎は師匠として弟子を苦海から救いに来たという。「この世で人を溺れさせるのが成婚、このまま危険に飛び込ませられぬ」公子の屁理屈に呆れる従者、その時、ちょうど汝陽(ジョヨウ)王妃が淳于氏を連れて曲陵侯府にやって来た。門衛は招状を確認しようとしたが、王妃の侍衛に追い払われてしまう。「…これで私が手を出すまでもないな、ふっ」宴席に汝陽王妃と淳于氏が乗り込んできた。汝陽王妃は少商を見つけるなり跪けと命じ、未来の君姑である淳于氏への無礼を罰するという。しかし少商は拒否、蕭元漪と万萋萋(ワンチーチー)が咄嗟に盾となって少商を守った。「君姑なら2日前にお会いしました、今は杏花別院で療養中です 今日、来た君姑とはどなた?…ああ~外従兄の寝床に入り込んだ人のこと?」「何て言い草なの?!しかと指導してやらなくては…誰が私を阻めると?!」「叔母(シュームウ)?…余(ヨ)が阻むと言ったら?」その時、皇后が現れた。↓( ๑≧ꇴ≦)アルソック皇后!少商は皇后の顔を見ると自然と笑顔になった。その様子を見た蕭元漪は2人の間に深い絆があると気づき、何とも複雑な気分になる。「今日は子晟と少商の婚約を祝いに来ました 程伯夫人、他に静かな場所はある?ここでは客人たちの興を削いでしまうわ」「はい、ご案内します」「叔母、城陽侯夫人(フーレン)、行きましょう…少商、あなたもよ?」「はい」蕭元漪が偏殿を出ると戸が閉まった。程家も客人たちも露台に集まり固唾をのんで見守ったが、その時、皇帝が越(ユエ)妃や凌不疑を連れてやって来る。慌てて平伏する程家と客人たち、すると皇帝は礼を免じて偏殿に入った。汝陽王妃は皇帝に程少商の無礼を告発、放任してはならないと訴えた。ちょうど汝陽王も一緒にいたことから自分に加勢するようけしかけたが、けんもほろろに断られてしまう。汝陽王妃は仕方なく数日前、城陽侯夫人を辱めた落とし前をつけるよう少商に迫った。その時、越姮(ユエホン)が凌不疑の未婚妻である少商に立つことを許す。皇帝も目配せして少商を立たせた。「感謝します…陛下にお答えします、私は事実を述べたまで、辱めたりしていません」「陛下!本当です!命を懸けて誓います!」焦った淳于氏が泣きつくと、汝陽王妃も城陽侯夫人の方が信頼できるという。「…王妃、それは違います 私は目上の方に従い婚約しました、自ら画策して嫁いだ人とは違います 長年、霍家の世話になりながら機を見てその地位を奪った… 私の誓いは信じられても、あの方は信じないように」「程少商にここまで侮辱される謂れはありません、陛下が咎めぬのなら私は命を断つしか…」「城陽侯夫人…十数年前もなぜ同じように振る舞わなかったのですか? そうすれば霍夫人も離縁されず、様々なことが今とは違っていたのに…」越姮は少商の言葉に深く感銘を受けた。確かに霍君華とは因縁があったが、成婚後の霍君華は凌家に尽くし、夫にも情義は深く、惜しみなく支えていたという。それに比べ凌益は妻子が行方知れずとなって1年も経たずに淳于氏と深い仲になった。「母子でさまよっていた時、霍君華は皮衣を子晟に着せ、わずかな食物も子晟に与えた 戻った時の霍君華は骨と皮だけで誰か分からないほどだったのよ? 良い母親だったことに違いない」越姮は淳于氏を嫌って参内を禁止すると命じた。しかし汝陽王妃が反発、自分の命の恩人である淳于氏への侮辱は自分への侮辱だと訴える。「もし納得のいく説明がなければ…」「(はっ!)死ぬのか?死ぬのか?それは良かった!」汝陽王は早合点して喜ぶと、王妃は外で嘆願するだけだと慌てて否定した。汝陽王はもはや癇癪持ちの王妃に耐えられなかった。「陛下、ご覧の通り、手がつけられません! 少しでも気に食わぬと叫びまくる!当時もそうでした」実は汝陽王が修行に出たのは皇帝からの提案だった。当時、皇帝は糟糠(ソウコウ)の妻を捨てないよう汝陽王を説き伏せ、修行と称して別居させたという。しかし王妃は相変わらず、汝陽王も我慢の限界だった。「縁を切る!これで終わりだ!」「こんな仕打ちをするとは!」王妃はひとしきり汝陽王を叩きまくると、その場で泣き崩れた。すると皇帝は儒教が盛んな今、離縁を持ち出せば儒生たちに非難されるのは必至だと叔父をなだめる。その時、越姮に名案が浮かんだ。「世俗を好む叔父が修行してどうします?むしろ叔母が三才観で修行すべきでは?」皇帝は汝陽王妃が耄碌(モウロク)して暴挙を重ね、御前で失態を犯すに至ったとし、三才観での静養を命じた。また淳于氏は禁足を命じられ、今後は屋敷から出られなくなってしまう。程家の面々は偏殿から連れ出される汝陽王妃と城陽侯夫人の姿を見送りながら、少商の無事を確信して胸を撫で下ろした。つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャアァァァァァァ〜!ウーレイ!思うところは色々あったのですが、ウーレイがカッコよすぎて全て吹っ飛びましたwww
2023.10.09
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月升沧海 Love Like the Galaxy (第6話)第33話「夫婦のあり方とは」皇帝から虎符の管理を任された皇太子。しかしその重責から寝食もままならなくなってしまう。見かねた皇太子妃は人の多い宮中ではなく、紫桂(シケイ)別院に預けてはどうかと提案した。皇太子は妙案だと喜んだが、これが思わぬ事件を引き起こしてしまう。凌不疑(リンブーイー)に叱られた程少商(チォンシャオシャン)は書卓で考え込んだままいつのまにか眠っていた。すると朝の支度にやって来た侍女・蓮房(リエンファン)が床で倒れている少商を見つける。「女公子?どうしたんですか?そんなところに寝て…今日は凌将軍とお出かけですよね」「…行かない」「また喧嘩ですか?…ふふ、都で誰もが知る″鉄面将軍″と喧嘩できるのは女公子だけですよ~」そこへ使用人の符登(フードン)が現れた。皇太子妃の使いから連絡があり、すぐ参内して欲しいという。皇太子は皇太子妃の従兄・孫勝(スンション)に命じて虎符を別院へ運ばせた。しかし道中で虎符が紛失、万(ワン)将軍の出征は2日後に迫っている。知らせを聞いた凌不疑は慌てて東宮へ駆けつけた。「なぜ動かしたのですか?!東宮に置くよう念を押したはずです!」不疑は全て皇太子の身びいきが招いた結果だと呆れたが、そこへ皇太子妃が現れた。「私たちにはお手上げでも、陛下が溺愛する子晟(ズーション)なら造作ないのでは?」「確かに難しくはない、ですが太子妃から陛下に謝罪してください 全ては己の過ちで太子を巻き込んだと…」その話をちょうど東宮に到着した少商が聞いていた。「男が揃って責任転嫁ですか?」「少商?休みの日だろう?なぜ東宮に?…出ていろ」不疑は皇太子妃がこの大事に少商を巻き込んだと知って驚き、思わず語気を強めた。すると憤慨した少商は自分を呼んだのは皇太子妃だと反発、焦った皇太子妃は母后から信頼されている少商に力になってもらいたかったとかばう。「私のせいで争わないで…少商、行きましょう」皇太子妃は少商を連れて回廊へ出た。自分を追い出した凌不疑への不満を漏らす少商、すると皇太子妃は同情を引くため自分が罪を認めれば済むと漏らす。「殿下には想い人がいたの、私が座を譲れば想いを遂げられるわ…」「儲妃…」少商が何か言いかけた時、不疑が回廊に現れた。しかし不疑は黙って城門の方へ歩いて行ってしまう。珍しく不疑に無視された少商は困惑、急いで後を追いかけたが、城門で待っていたのは馬車だけだった。梁邱起(リャンチゥチー)は若主公から命で少商を送ると伝えた。若公主は王隆(ワンロン)救出の件で万将軍に呼ばれたという。しかし少商は車に上がる踏み台がないことに気づいた。「なぜ踏み台がないの?」「踏み台があると若主公が若女君を抱き上げることができません…ぁ!」梁邱飛(リャンチゥフェイ)は慌てて口をつぐみ、自分の背中を使うよう促した。困惑した少商は必要ないと拒否、歩いて帰るという。するとふいに引き返して来た不疑が少商を片手で抱え、馬車まで連れ戻した。「うわっ!りんぶーいー!降ろして!」「…少商、君を責めたことは謝る、ただ虎符の件は一大事だ 語気を荒らげたのも君を巻き込まないため、この件は私に任せてくれ、いいな?」しかし少商は横暴な不疑に憤慨して返事もせず、宮中に戻ってしまう。( ・ノェ・)コショッ<若女君、怒ってる?@飛(# ー̀ωー́ )<シッ!@起梁兄弟は2人の仲を心配したが、不疑は簡単に納得したら少商ではないと言った。「東宮を見張れ、特に儲妃をな…」少商は長秋(チョウシュウ)宮を訪ねた。すると寝殿からちょうど皇后と翟(ジャイ)媪(ウバ)の昔話が聞こえてくる。皇后は二子三女を出産したが、皇太子が生まれた時は皇帝の大業がまだ道半ばで、10時(トキ)もの難産でようやく生まれたという。「陛下が虎符を授け、異論がある者を震撼させた…これで太子の座も安泰ね 確かに太子が後継者にふさわしいとは思わない でも廃された皇家の子の末路は自害するか殺されるかよ お腹を痛めて産んだ子が後継争いで非業の死を遂げたら、私の余生もそこで終わりとなる…」少商は敬愛する皇后を案じ、結局、そのまま引き返して太子妃を訪ねた。「虎符の形を見たことはありますか?」いよいよ万将軍が匪賊討伐へ出征する朝、皇太子は皇帝の前で万将軍に虎符の片割れを授けた。その様子を遠目から少商と皇太子妃が固唾をのんで見守っている。すると小越(ユエ)侯が万将軍を呼び止めた。「虎符には磁石が入っており、ぴたりと合う…念のため調べてはどうか」小越侯は明らかに虎符が偽物だと疑っていたが、不疑が皇太子の虎符と万将軍の虎符を合わせると、驚いたことにぴたりと吸いついた。皇太子は大役を果たし、万将軍を見送った。しかし少商は困惑する。…私が作った虎符は形だけが同じで磁石は入っていない、なぜぴたりと合ったのかしら…その時、少商は点将(テンショウ)台にいた凌不疑と目が合った。『私に任せておけ』昨夜、凌不疑は梁兄弟から少商がやはり東宮を訪ねたと聞いた。『彼女らしい、自分の敵は許さず、よくしてくれた者に報いる…』実は小越侯は孫勝を抱き込み、難なく虎符を手に入れていた。不疑はもはや皇太子では収拾できないと考え、かつて皇帝が溺愛する霍(フォ)家だけに授けた虎符を使うことにする。『若主公、霍将軍の唯一の遺品ですよ?渡せば霍氏の遺物がなくなってしまいます』梁兄弟はさすがにそこまでする必要があるのかと訴えたが、不疑は虎符が偽物だと露呈すれば少商に行き着くと分かっていた。『少商と約束した、何をしようと私が守ると…そしてこたびも例外ではない』少商は再び凌不疑に救われた。しかし2人の関係は一進一退、自分の意思を通すこともできず、もはや成婚そのものに疑問が湧いてくる。そんな中、少商の堂姉・程姎(チォンヤン)にも縁談が舞い込んでいた。実は22話で姎姎に一目惚れした班嘉(バンジア)が毎日のように屋敷を訪ねて来るという。蕭元漪(シャオユエンイー)は良縁を喜んで姎姎の気持ちを確認したが、姎姎は自分の意思で何かを決めたことがなかった。「好きな人には好かれていないし…(ボソッ)でも伯母が嫁げというなら喜んで嫁ぐわ」(・Д・)<それでいいの?!@嫋嫋一方、万萋萋(ワンチーチー)と少商の二兄・程頌児(チォンソンアル)は口づけ以来、急接近、2人は婚姻の約束を交わしていた。萋萋は自分が嫁ぐのではなく婿を娶ると話し、夫唱婦随(フショウフズイ)ならぬ婦唱夫随だと笑う。( ー̀ωー́ )<…聞くだけ無駄だった@嫋嫋すると萋萋はあれこれ悩むなど少商らしくないと鼓舞し、男女の間柄など本来は至極、単純なものだと諭した。「好きなら一緒にいる、嫌いなら別れる…で、凌不疑が好きなの?よく考えてみて 相手といる時、嬉しいと感じる方が多いか、それともあんたを怒らせる方が多いか」少商は早速、良いことと悪いことを順番に思い出しながら数え始めた。しかし早々に萋萋から止められてしまう。「ちょっと~それじゃ不公平よ? 惚れた弱みにつけ込んで相手だけ尽くすのが当然のことだと思っているの?」萋萋は命を懸けて少商を救った凌不疑と比べれば、少商の不満など大したことではないという。姎姎も自分が危険な時に命を顧みず救ってくれたり、助けがない時に守ってくれる人なら好きになるに値する人だと言った。「絆を築くのは真心を捧げ合うことよ?深い情を無下にしないで」少商は萋萋と姎姎の言葉で目が覚めた。そこで慌てて凌不疑に会いに行こうと決めたが、門を飛び出すと不疑の姿がある。少商は今さらながら不疑がこうしていつも自分を見守っていたのだと気づいた。「これまで妥協して譲歩した気でいた、でも妥協して譲歩していたのはあなたの方だったのね」「私が好きなのは勇敢な君なのに、君を束縛して干渉してしまった… 嫋嫋、私が好きなのはありのままの君だ」「…実はふたつ伝えたいことがあったの、この先は精一杯、あなたによくする」「はお、ひとつ目は覚えておく、でふたつ目は?」「共白髪になるまであなたの優しさと今日のことを忘れない」すると不疑は少商を抱き寄せ、婚姻を早めたいと言った。凌不疑は少商を連れて杏花(キョウカ)別院の母を訪ねることにした。「少商、中に入って何を見聞きしようと、まずは黙って合わせてくれ あとで説明するよ、いいね?」屋敷に入った2人はちょうど中庭にいる霍君華(フォジュンホワ)と崔祐(ツイヨウ)を見つけた。しかし不疑は母を女公子と呼び、甥として挨拶する。どうやら霍君華は錯乱し、自分が16歳だと思い込んでいるらしい。「待ってるがいいわ!越姮(ユエホン)の顔に泥を塗って笑い物にしてやる!」少商は越妃の昔話を思い出し、2人の間に因縁があったのが事実だと分かった。そこで崔祐は天下には文(ウェン)兄以外にも男がいるとなだめる。「他の男にも嫁げるぞ?」「そうね、あの″凌″って男、顔は見るに堪え得る… でも田舎から避難して来て薬代もままならないほど貧乏よ あ、兄長が援助すればいいわ!兄長?…兄長はどこかしら…兄長…(はっ!)兄長は死んだ!」霍君華は兄が亡くなったことを思い出し、急に興奮した。すると不疑を凌益(リンイー)だと勘違いして激高、不疑の手に噛みついてしまう。崔祐は慌てて霍君華を不疑から引き離すと、あとは自分に任せて手当てをしろと言った。つづく( ๑≧ꇴ≦)念願の片手抱っこ来たわ!やっと想いが通じ合いめでたしめでたし?とはいかないのでしょうな〜
2023.10.07
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