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2021.10.24

第10話

玲瓏(ﾚｲﾛｳ)たちは瞿如鳥(ｸｼﾞｮｳﾁｮｳ)を操っていた黒幕を捕まえるため、洞穴へやって来た。
しかし繭(ﾏﾕ)の中で息を潜めていた傲因(ｺﾞｳｲﾝ)が突然、飛び出し、玲瓏たちは逆に傲因筋の網で捕縛されてしまう。
一方、璇璣(ｾﾝﾁﾞｰ)は禹司鳳(ｳｼﾌｫﾝ)がただ怒っているだけだと誤解し、何とか機嫌を直してもらおうと必死だった。
情を絶たねば死んでしまう司鳳はこれ以上、耐え切れないと庵を飛び出したが、追いかけて来た璇璣がちょうど飛んできた少陽の伝音符(ﾃﾞﾝｵﾝﾌ)を受け取る。
「大変だわ！玲瓏が危ない！」

璇璣と司鳳は洞穴で網に捕らわれた４人を見つけた。
しかし４人を助けようとした璇璣も傲因筋に捕まり、璇璣を助けようとした司鳳は傲因の鋭い爪で肩をつかまれ倒されてしまう。

「いっ一体、何者だ？！」
「お前ごときが私に口をきけるとでも？」
「２つの星は融合する、天虚堂は止められぬぞ！」
傲因は璇璣に襲いかかったが、璇璣は凄まじい功力で傲因をあっという間に消散させてしまう。
するとなぜか璇璣は司鳳に襲いかかった。
「璇璣…私だ、璇璣…」
司鳳の声を聞いた璇璣は急に我に返り、そのまま意識を失ってしまう。
咄嗟に璇璣を抱き留めた司鳳、すると璇璣への感情に情人呪が反応した。

鐘敏言(ｼｮｳﾋﾞﾝｹﾞﾝ)は咄嗟に璇璣は陽厥功(ﾖｳｹﾂｺｳ)第７～８層を修練中のため不安定だと取り繕った。
恐らく焦りで気が暴走したのだろう。
結局、洞窟の炉には何も残っていなかった。

司鳳はともかく各門派に伝えて警戒を促すことにしたが、その時、鐘敏言が何かがうごめくのを見つけた。
すると司鳳はちぎれた傲因筋を乾坤袋の中に捕らえる。
傲因筋は血肉を好むため、妖魔を捕縛する縄に使えるという。

璇璣が悪夢にうなされて目を覚ますと、すでに宿に戻っていた。
そこで鐘敏言は玲瓏に璇璣と話があるため、先に村人たちの酒宴に行くよう頼む。

その頃、傲因の洞窟に軒轅(ｹﾝｴﾝ)派・霊石(ﾚｲｾｷ)の姿があった。
「…祝余草を燃料にしたのか、なるほどな」

鐘敏言は玲瓏が鹿台山の洞窟で蠱雕(ｺﾁｮｳ)を倒した時のように傲因を退治したと教えた。
しかし司鳳にまで攻撃し、危なかったという。
驚いた璇璣は確かに自分が殺戮を繰り返して血まみれだった夢を見たと話し、己を抑えられないことに愕然となった。
「もし私が理由もなく人を殺すような怪物になったらどうしよう？
　…鏡の破片で見た情景を重ね合わせると…まるで…まるで…」
璇璣は急に怖くなった。
以前、鮫人は自分が不完全だと言っていたが、将来は夢や鏡で見たような姿になるかもしれない。
実は師兄・昊辰(ｺｳｼﾝ)から万劫八荒鏡(ﾊﾞﾝｺｳﾊｯｺｳｷｮｳ)を探すなと命じられていた。
鐘敏言は璇璣がまだ破片を持っていると知り、それが原因だと疑う。
「破片を壊せば影響は消えるだろう」

望仙(ﾎﾞｳｾﾝ)鎮の民は妖魔を退治してくれた司鳳たちに感謝し、酒宴を設けた。
しかし陸嫣然(ﾘｸｴﾝｾﾞﾝ)は酔った玲瓏と口げんかになり、出て行ってしまう。
何とか司鳳と璇璣を遠ざけたい嫣然、何か方法はないかと歩いていたが、そこで偶然、璇璣の部屋の戸の隙間から鏡の破片を割ろうとしている鐘敏言の様子を垣間見た。
なかなか鏡が割れずに苦戦しているようだったが、やがて鐘敏言の術で鏡がこっぱみじんになる。
「危ない！」
鐘敏言は咄嗟に璇璣をかばうように抱きしめたが、その時、嫣然が密かに術を放った。
すると鐘敏言と璇璣は寝台に倒れ込み、そのまま動けなくなってしまう。

嫣然は宴席に戻り、黒い影を見たと嘘をついて司鳳たちを誘き出した。
しかもその黒い影は璇璣の部屋に入ったかもしれないという。
驚いた玲瓏は璇璣を守るため部屋に飛び込んで行ったが、そこで璇璣に覆い被さる鐘敏言の姿を見た。
司鳳も寝台にいる２人の姿を見て呆然、すると急に動けるようになった鐘敏言が慌てて立ち上がる。
「誤解だ！私と璇璣はただ…」
「よくも妹妹を辱めたわね！」
激高した玲瓏は剣を招喚したが、璇璣は六師兄なら何もしていないと訴えた。
その時、璇璣が持っていた匕首が落ちる。
玲瓏は鐘敏言が未来の妻に授けると言っていた家宝の匕首だと気づき、呆然となった。
「旭陽(ｷｮｸﾖｳ)峰に行く前に六師兄からもらったの…」
何も知らない璇璣は素直に教えたが、玲瓏は全てを理解した。
「将来は鐘家に嫁ぐのね…大事にするのよ」
玲瓏は匕首を璇璣に渡し、逃げるように出て行ってしまう。

司鳳たちも退散した。
「小銀花(ｼｮｳｷﾞﾝｶ)、これで満足か？…余計なことを」
司鳳は小銀花の仕業だと分かっていたが、その時、璇璣が追いかけてくる。
慌てていた璇璣はうっかり段差で転び、手のひらを切った。
「行かないで！話があるの！」
璇璣は司鳳を引き留めるため誤って乾坤袋を引っ張ってしまう。
すると璇璣の傷の血のに反応した傲因筋が飛び出し、璇璣と司鳳の手首に巻きついて離れなくなった。

小銀花は何としてでも傲因筋を切ろうと必死だった。
しかし傲因筋が自ら離れようとするまで無理だと分かる。
若玉(ｼﾞｬｸｷﾞｮｸ)は博識の柱石(ﾁｭｳｾｷ)掌門なら解決方法が分かると提案、司鳳は明日、軒轅(ｹﾝｴﾝ)派を訪ねようと決めた。

その夜、司鳳はやむを得ず璇璣と同室で休むことになった。
すると璇璣は帳(ﾄﾊﾞﾘ)越しに玲瓏がなぜ六師兄に激怒したのか分からないと相談する。
司鳳は璇璣の話を聞きながら煉獄(ﾚﾝｺﾞｸ)塔での苦しみを思い出し、やがて肩の傷がうずき始めた。
「鐘敏言の話を聞く暇はない、眠くないのなら出ていけ」
「おう、寝る寝る！ε=┏( ・_・)┛」
璇璣は慌てて寝台に横になると、イケメン師兄に伝音符を送ることにした。
…妖魔と遭遇し２日間、連絡できませんでした、でも退治したので２日分の報告をします
…１つ、司鳳に会いました、私に冷たくてすぐ離れようとします
…でも今は動けないので嬉しいです、大切な友だちを取り戻したい
…２つ、玲瓏と六師兄が大げんかしました
…玲瓏が言うには性格が合わないからすぐけんかになると
…心配無用と言うけど、やっぱり２人にはいつも仲良くして欲しい
璇璣は何気なしに伝音符を送ったが、その時、腕を動かしたせいで傲因筋がろうそくの火にあぶられ、突然、縮んでしまう。
肩の傷を手当てしていた司鳳は咄嗟に傲因筋をつかむと、引っ張られた璇璣が帳の向こうから飛び出して来た。
「何をした！」
「火に当たると短くなるみたい！ほら？」
璇璣はまた傲因筋を火に当てて見せると、司鳳が止めようとしたはずみで２人は抱き合ってしまう。
「痛っ！（手っ！手っ！）」
「（はっ！）傷が痛むの？」
璇璣は司鳳の肩の傷が治っていないと知り、思わず襟をはだけて傷にふーっと息を吹きかけた。

相変わらず男女の別がない璇璣の安易な行動に心臓が飛び出すほど動揺する司鳳、ふと冷静になり慌てて璇璣を突き放す。
「鐘敏言の許嫁だろう？みだりに近づくな！」
その時、司鳳は失くしたと嘘をついた伝音鈴を落とした。
(＾ꇴ＾)＜やっぱり持ってた～ふふふ～
( ｰ̀ωｰ́ )＜どっどこかで紛れ込んだだけだ
結局、傲因筋は時間が経つとまた元の長さに戻り、璇璣は寝台に戻った。

一方、昊辰(ｺｳｼﾝ)は璇璣から届いた伝音符を読んでいた。
すると天虚堂の傲因が星の話をしていたが意味は分からなかったとある。
昊辰は何やら指で数えながら、なぜか厳しい顔になった。

司鳳との再会が嬉しくて仕方がない璇璣、しかし目の前にいるのになぜか司鳳が恋しいと訴えた。
「司鳳？」　←もういい加減、寝ろっ(￣▽￣;)
璇璣は帳を出ると、司鳳は慌てて寝たふりをする。
「司鳳？…仮面が以前とは違うのね」　←今さら？(￣▽￣;)
( ｰ̀ωｰ́ )＜触るな
起きてたっ！(ﾟﾛﾟﾉ)ﾉ
「あなたの顔はもう見られないの？以前の私たちには戻れない？」
司鳳は璇璣への恋心を思い出し、必死に耐えた。
「褚璇璣…なぜつきまとう？君にだけは会いたくなかった…２度とな」
「なぜ？」
「なら教えてくれ、なぜ鐘敏言を選んだ？…なぜ鐘敏言が好きなんだ？」
「ああ～六師兄を好きな理由ね？優しい人だから会いたくなるの～
　一緒にいると楽しくてそばにいたい…それにね、彼とは秘密を共有してるの、ふふ」
「もうたくさんだ！やめてくれ、分かった」
情愛を知らない璇璣は無邪気に答えたが、自分がいかに司鳳を傷つけているのか分からない。
すると司鳳は璇璣に休むよう命じ、情に傷つかないよう必死にこらえていた。

つづく

( ๑≧ꇴ≦)すふぉん～！せんぢー鬼過ぎるっw

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