【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay最終話「愛を貫いて」周瑩(シュウエイ)は西太后と光緒(コウショ)帝に拝謁した。最初は上々だったが、最後にうっかり″変法″の標語を引用してしまう。「太后のご不興を買ったかも…」謁見を終えた周瑩は趙白石(チョウハクセキ)に申し訳なさそうに伝えたが、そこへ崔(サイ)太監が駆けつけた。皇太后が周瑩を気に入って褒美に東阿阿膠(トウアアキョウ)を与え、さらに爵位を授けると命じたという。周瑩は安堵すると、次は趙白石が拝謁する番となった。趙白石はこの機に沈星移(シンセイイ)から託された日昌和(ニッショウワ)の仕訳帳を提出、これを見た西太后と皇帝は郡王が戸部を利用して私腹を肥やしていたと知る。憤慨した西太后はこの件について他言無用と告げ、帰りに汴梁(ベンリョウ)を通る際に対策を講じると言った。趙白石は別院に周瑩を訪ねた。ついに皇太后が郡王を排除するという。周瑩はこれで死んだ人たちも浮かばれると感慨無量だったが、話はそれだけではなかった。「もう1つ、深刻な知らせだ… 沈星移が涇陽(ケイヨウ)の街で目撃された、奴から連絡は?」フル(・_・ ))(( ・_・)フル周瑩は沈星移が自分に会いに来ると期待したが、趙白石は恐らく狙いは皇太后と皇帝だと教えた。皇太后と皇帝の暗殺を企てている組織があるが、その組織の中心人物が沈星移だという。「いいか、これは一大事だ、決して感情で動くなよ? 沈星移の情報が入ったらすぐに知らせろ もし両陛下が東院で暗殺されれば、我らや懐先(カイセン)はもちろん、 呉家にいる全ての人間が打ち首になる」すると趙白石は懐先を自分の屋敷に連れて行くと決めた。「にゃん?!」「一緒に行って」「明日、両陛下が発御されたら懐先を返す」周瑩は没落した沈家を訪ねた。しかし荒れ果てた実家に沈星移の姿はない。周瑩は侍女として暮らしていた沈星移の寝殿に入ると、しみじみあれからずい分と遠くへ来てしまったと実感した。その頃、呉家の厨房に野菜を搬入する使用人の姿があった。男は野菜を届けると、こっそり身を隠す。その使用人とは西院の呉沢(ゴタク)だった。その夜、周瑩は胸騒ぎがして眠れなかった。なぜか沈星移が来る気がしてふと戸の前に立ってみたが、その時、使用人になりすました沈星移が本当に入ってくる。2人は固く抱き合い、再会をかみしめた。しかし周瑩はふと冷静になり、暗殺を思いとどまるよう説得する。「星移、革命のために私や自分を顧みずとも、他の人のことは考えて 暗殺は止めないけど、東院では手を下さないで」周瑩は呉家の人間が皆殺しになると心配したが、沈星移は策なら考えてあるという。「君や懐先はもちろん、東院の者にも害は及ばない…」すると突然、沈星移は短刀で周瑩の肩を突き刺し、衝撃を受けた周瑩に口づけした。沈星移は怪我をした周瑩を椅子に座らせ、縄で縛り始めた。これなら暗殺事件が起こっても、周瑩が責められることはない。しかしその時、夜回りしていた趙白石が周瑩の部屋の灯りに気がついた。「周瑩、まだ起きているのか?」「ぁ…もう休むわ、大哥も休んで!」「分かった、では行くよ」一方、時を同じくして、呉沢も西太后を暗殺すべく、東院へ向かっていた。沈星移は周瑩を縛り付け、ついに出て行くことにした。しかし戸を開けると、帳(トバリ)の内側で待ち構えていた趙白石が剣を突きつけ入ってくる。趙白石は先ほど周瑩が懐先のことを何も聞かなかったため、異変を感じたという。「趙白石、戸を閉めろ」すると沈星移は趙白石に銃を向けた。趙白石は仕方なく戸を閉めて剣を捨てた。そこで沈星移は正房まで案内するよう脅したが、趙白石は自分を撃てという。驚いた周瑩は沈星移にあきらめるよう訴えた。趙白石の性分なら自分の命に代えても暗殺を阻止するだろう。周瑩はこれ以上、家族を失いたくないと訴え、このままでは二人とも死んでしまうと嘆いた。「大哥、これは私からの最初で最後のお願いよ、星移を逃してあげて」周瑩の悲痛な叫びに沈星移は銃を下ろし、趙白石も沈星移を逃すと決める。しかし趙白石が戸を開けると、帳の向こうから官兵たちが刺客が現れたと話している声が聞こえた。(#≧ꇴ≦)もぉぉぉ!呉沢ーーーっ💢刺客が別院へ逃げ込んできた。趙白石は自ら刺客と剣を交え、刺客の覆面を外したが、その正体が呉沢だと知る。すると呉沢は趙白石が驚いて手を止めた隙に、周瑩の部屋に逃げ込んだ。趙白石は焦って官兵たちを制止、自分に任せろと叫んで部屋に入る。こうして周瑩の寝殿には奇しくも沈星移と呉沢、そして趙白石が揃うことになった。趙白石は呉沢を突き飛ばし、軽率な行動をとがめた。「呉家の人間が東院で暗殺だと?!」「陛下を救う最後の機会だ、行かせてくれ、皇上が政権を握れば国は救われる」しかしすでに屋敷は官兵が包囲していた。呉沢はもはや殺されるか捕まるかの二択しかない。このまま呉家の人間が刺客として捕まれば一族連座となり、呉家が滅ぼされること必至だ。「もう誰も逃げられぬ」趙白石は最悪の事態を覚悟したが、その時、沈星移が方法があると言った。沈星移は呉沢の覆面を外して自分の顔につけ、呉沢の剣を手にした。そして趙白石に銃を投げ渡すと、いきなり手刀で趙白石の首を突き、意識を失わせる。「星移…行ってはダメよ…」しかし沈星移は何も言わず、いきなり外へ飛び出してしまう。周瑩は呆然としたまま庭から聞こえる剣戟(ケンゲキ)の音や、官兵たちの怒号に胸が痛んだ。やがて外は静かになる。周瑩は沈星移の最期を悟り、ひとり涙に暮れた。翌朝、呉家一族は西太后と光緒帝の見送りに出た。すると皇太后はひざまつく周瑩に気づき、声をかける。「何年、寡婦を貫いた?」「お答えいたします、太后、14年です」「…私は39年だ」西太后は共に女として一族を支えてきた周瑩の苦労に共鳴し、呉家をあとにした。趙白石は呉沢を人知れず呉家から出し、埠頭まで送った。呉沢や呉家数百人の命を救った沈星移、趙白石はそんな沈星移の死を無駄にしないよう、これからは自身を大切にしろと助言する。「お前は?まだこの泥沼の中を漂い続けるのか?」「これからもこの道で踏ん張り続けようと思う」「…行くよ」「元気でな」周瑩は懐先(カイセン)の見送りで上海の埠頭にいた。すると一緒に来ていた趙白石から端郡王・載漪(サイイ)一家が新疆(シンキョウ)へ流刑処分になったと聞く。周瑩はふとあの時、東院でもし皇太后が殺されていたら、懐先をどうしていたのか尋ねた。しかし趙白石はただ懐先を我が子同然に思っているとだけ答える。そこへ懐先が戻ってきた。「にゃん!舅舅!そろそろ乗船します!」周瑩は懐先を船の入り口まで送ったが、複雑な心境だった。「私はこれまで多くの別れを経験してきたの、呉聘(ゴヘイ)、父上、私の父、そしてあの人… 今度はあなたとお別れするのね」「安心してください、僕はまた帰って来ます」「早く帰ってきて」「母上、2年などあっという間です!その時には僕もこの国も変わっているはずです!」こうして懐先は旅立って行った。…周瑩は1869年、陝西三原(センセイサンゲン)県の周家に生まれた…幼い頃から才知と人徳を兼ね備え…17歳で涇陽(ケイヨウ)安呉堡(アンゴホウ)村の呉家に嫁ぎ、呉聘の妻となる…結婚後は夫と義父を相次いで亡くし、幼い養子の懐先を抱え、呉家の商いを一手に担った…周瑩は仁義や信用を重んじ…人材を上手に使う柔軟な経営手腕で呉家東院を比類なき大商家にのし上げる…また学業支援や廟の建築、道路および橋の修繕、造船などに貢献…さらに災民や貧民を救済し、多くの慈善事業を行った…そして1908年、周瑩は40歳でこの世を去り、一品の誥命(コウメイ)夫人に封じられる…周瑩が商売で起こした奇跡や人助けの心…それらは陝西商人の新しい道を切り開く勇気や、信用を守る精神として今日まで伝えられている完( ๑≧ꇴ≦)長かった~!女子学堂の開校で終わりで良かったと思うな〜それにしても上海埠頭が小さ過ぎない?←最後の感想がこれかw
2020.04.21
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第73話「行幸を仰ぐ」ついに涇陽(ケイヨウ)女子学堂の開校日を迎えた。周瑩(シュウエイ)は来賓の陝甘(センカン)総督・趙白石(チョウハクセキ)を出迎え、控え室に案内する。すると趙白石は縁談の件を考えてみたかと聞いた。周瑩はまだ冷静に考えられないとはぐらかし、ちょうど千紅(センコウ)が呼びに来たことから出て行ってしまう。千紅は縁談をどうするつもりか聞いた。しかし周瑩はどこか歯切れが悪い。「多分、応じるべきだわ、だって彼ほど呉家に尽くしてくれた人はいない 添い遂げることが一番の恩返しになるわ」周瑩の心には沈星移(シンセイイ)がいたが、もう会えないと分かっていた。しかし千紅は愛していないなら、良い人だろうと無意味だという。「じゃあ、趙大人との結婚に反対なの?」「あなたの好きにすればいい、嫁ぎたければ嫁げばいいし、嫌なら断ればいい これぞ本当の自由よ?」( ゚д゚)ピコーん!@周瑩いよいよ開校式が始まった。すると周瑩は彭(ホウ)学堂長が挨拶している間に、隣に立っていた趙白石にふと返事をする。「決めたわ」「今ここで返事をするのか?」「ええ…申し訳ないけど、お断りする」趙白石は理由を聞こうとしたが、ちょうど理事の挨拶となり、周瑩は壇上へ行ってしまう。周瑩は王世均(オウセイキン)が準備してくれた原稿を読み始めた。しかし時候の挨拶だけであきらめ、結局、自分の言葉で話すことにする。「なぜ私が女子の学堂を建てたか…私にもよく分からない、友人の願いだったの こう言ってたわ、女子が学べば国は救われると… 私もこれだけは確信してる、人は勉強すれば悟れるようになる それにより見識が広まり、能力も身に着く 有能な者はいじめられない、男も女も同じよ、国も同じかも? …学堂を建てた理由が少し分かった気がする 能力があれば自分で自分を養え、好きなように生きられる 例えば毎日、何を食べたり飲んだりするか?どこで誰と話をするか? 嫁ぐ相手だって選べるかも…(あっ)」ザワザワ>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ「話がそれたわ…私は自分の人生に悔いはない 評判が悪く、家族を次々に亡くしたけど、己の意思には背かなかった みんなも同じように生きて欲しい 欲しい物は手に入れ、欲しくなければ拒否するの 愛したい人を自由に愛し、痛快な人生を送るのよ!」趙白石はそれが周瑩の答えだと知り、自然と拍手を送っていた。…1900年8月、義和団の反乱を鎮圧するため、8カ国連合軍が北京を占領西太后は光緒(コウショ)帝と共に西安へ逃れた…巡撫(ジュンブ)・端方(タンホウ)は富商を集め、皇太后と皇帝のための寄付を募り、その額に応じて爵位を申請すると言った。爵位がもらえると聞いた各地の商家は続々と寄付を申し出たが、周瑩だけは手を挙げない。「呉夫人?どうしますか?」「大人、陝西は春から虫害や干ばつに見舞われ、農家の大半が不作です 呉家は数十万両も投じて災民を救済して来ました また銀子を差し出せと言われても、これ以上は無理です」西太后と皇帝が西安に到着し1ヶ月が経った。そんなある日、趙白石は端方と共に行宮へ呼び出される。端方の話では皇太后と皇帝の支出がすでに30万両にも上っていた。しかし陝西の富商から寄付を募ったので急場はしのげるという。すると端方は恨みがましく、呉夫人が銀1両すら出さなかったと訴えた。何も知らなかった趙白石は自分から話してみると持ちかけたが…。趙白石と端方が拝謁した。西太后は行宮と呼ぶには小さ過ぎるとご立腹、他にもっとゆったり過ごせる場所はないかと聞く。そこで趙白石は、南院門通りにあるかつての巡撫署なら部屋が100室以上あるためくつろげると上奏した。すると西太后は今すぐ移ると言い出す。とは言え長らく空き家だった巡撫署、趙白石は片付けや掃除で3日はかかると答えた。「まだ3日もここで耐えろと?」「太后、私に妙策がございます」端方は寄付をしなかった周瑩に格好の仕返しを思いつく。「富商が多く住む涇陽という街があります 中でも有名な呉家東院は紫禁城を真似て建てられたらしく、間取りも庭も広いとか よろしければそこで数日、過ごされては?新居の片付けが終わるまでです」慌てた趙白石はむやみに動くのはかえって危険だと反対したが、端方は陝甘総督が護衛すれば逆賊も近づけないと押し付けた。しかもかつて県令を務めた趙白石なら涇陽の地理に詳しいと、今回の行幸の責任者にと推薦する。こうして端方にまんまとはめられた趙白石は急いで織物工場にいる周瑩を訪ねた。周瑩は寄付を断ったことが原因で大変なことを押し付けられることになった。何と皇太后と皇帝が呉家東院に滞在することになったという。しかし趙白石の心配をよそに、周瑩はあっさり了承した。「だって婆婆と大兄弟でしょう?」「太后が婆婆?皇上が大兄弟?」実は周老四(シュウロウシ)は周瑩から出自を尋ねられると、周瑩の本当の正体は皇女で、偽皇太子とすり替えられたと話していた。「な、何の話だ?!」↓まさに鳩に豆鉄砲w呉家東院は皇太后と皇帝を迎えることになり、その準備に追われた。趙白石は部屋割りを決め、灯籠などの飾り付けや掃除を指示し、警備上の下調べなどを済ませたが、まだ一番の懸念事項が目の前にいる。それは周瑩だった。趙白石は呉家の大当主である周瑩が皇太后に呼ばれることを想定、予行練習をさせることにした。「私、周瑩が太后にご挨拶申し上げま~す」「こっちを見るな!お顔を見るなどもっての外だ!」「分かったわ~ヤレヤレ…」「それもダメだ!お許しが出るまで上体を起こすな!…よしそれでいい」「…(ドッコイショ)」「立つ時はきちんと立て!」すると趙白石は答える時は必ず″お答えします″という前置きを忘れるなと釘を刺した。「もう終わった?」「家に帰るまでが遠足だ!」←正確には″六椽庁を出たら終わりだ!″そしてついに皇太后と皇帝が呉家東院へやって来た。周瑩は予想外に早く皇太后に呼ばれた。さすがに春杏(シュンキョウ)も心配して歩き方に気をつけるよう助言し、見送る。趙白石はぎりぎりまで周瑩に不興を買わぬよう釘を刺し、外で待つことにした。周瑩は六椽(ロクテン)庁で皇太后と皇帝に拝謁した。すると皇太后から年齢を聞かれ、周瑩は数え年で32になると答える。次に出自を聞かれたが、周瑩は正直に拾われたので分からないと言った。皇太后はそこで下がるよう命じ、周瑩の謁見は早々に終わる。しかし周瑩が立ち上がろうとした時、皇帝が急に咳払いをした。驚いた周瑩は慌ててひざまずくと、珍しく皇帝が口を開く。「そなたは若くして寡婦となり、没落した呉家を一手に担って見事に再興したとか… 」「お答えします、家を斉(トトノエ)ねば天下は収まらずと言います 私は家を担うのみ、国を担っておられる太后と陛下には遠く及びませぬ」皇太后は周瑩に学があると知って驚き、どうやって家業をここまで大きくしたのかと聞いた。そこで周瑩は″変″を心がけたと答える。「今や天下とは世界です、古いやり方にとらわれていては衰退の一途をたどります 時勢に応じて変化できる柔軟性が大切かと…」すると皇太后に実権を握られている光緒帝はきまり悪そうな表情になった。皇太后にとって耳の痛い話だったが、周瑩の手腕に興味を持ち、立って話すことを認めた。「そなたが当主になった時、男たちも従ったのか?」「とんでもない!…でも私がたくさん稼ぐようになると承服してくれました」「やはりな〜そなたは時勢に応じて変化すべきだと申したが、祖法は必要ないということか?」「銀子を稼ぐのに役立つなら必要ですが、そうでなければ不要かと…」「現実的だな」「長年の商いの経験から申しますと、西洋人のやり方の方が祖法より役に立つことも…」そこで周瑩は例として呉家が扱っていた手織り綿布が数年前に廃れ、今はイギリスの機械で洋布の生産をしていると説明し、呉家で一番の収益だと話した。「他にはどんな商いの秘訣が?」「他に挙げるとすれば…権限を手放すことです」さすがにこれには皇太后も皇帝も動揺を隠せない。しかし周瑩は家は1人のものではないと話し、呉家では使用人や番頭も店の株を持っていると教えた。商いに関して誰もが意見を述べ、周瑩は利益になる意見なら採用し、不利益となるなら耳を貸さないという。「株を分けるのは求心力を高めるためです、もうけを独占しても銀子しか残りませんが、 株を分ければ家業は栄え、例え3割の持ち株でも数万両の収入になります …民を尊べば国がよく治るのと同じです(はっ)」「…下がるがよい」「感謝いたします、太后、皇上…」周瑩は決して背を向けず、外へ出た。趙白石は無事に周瑩が戻り、安堵した。しかし周瑩は皇太后の不興を買ったかもしれないという。「何の話をした?」「当主の心得とかよ、ただ″変法″の標語だった言葉をうっかり引用しちゃって…」「どの言葉だ?」「民を尊べば国がよく治るよ…」つづく(  ̄꒳ ̄)皇太后、けっこう好きだわ、でももっと毒毒しくても良かったw
2020.04.20
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第72話「積年の願い」沈星移(シンセイイ)は没落した沈家に戻った。屋敷は荒れ果て、かつての面影もなかったが、なぜか祖廟だけきれいに片付けられ、ろうそくが灯っている。誰かが手向けたらしい香はすでに半分の長さになっていた。沈星移はともかく香を手向け、霊位に叩頭する。「父上、母上、お祖母様、戻りました…必ずこの手で朝廷を覆して郡王を倒し、敵を取ります」その時、沈星移は人の気配を感じて外を見た。しかしやはり誰もいない。沈星移は立ち上がろうとしたが、ふと座布団の下に紙包みがあることに気づいた。引っ張り出してみると、包みの中には日昌和(ニッショウワ)の仕訳帳が…。沈星移はある人を追ってかつての自分の寝殿にやって来た。このまま周瑩(シュウエイ)を娶ることができたらどんなに幸せだろうか…星移はふと寝台に腰掛けて目をつぶると、婚礼衣装姿の周瑩が現れる『あなたは必ず戻ると分かっていたわ』『君がここで待っていると分かっていた』『以前、誓ったわね、必ず私を妻にすると…私はここにいるわ』『嫁いでくれるのか?』『ずっと望んでいた』『幸せにはできない』『あなたとならどんな日々も幸せよ…』『命さえ危うい』『あなたは私の命よ』『では妻になってくれ』『これからは私はあなたの妻、あなたは私の夫ね…生きるも死ぬも永遠に一緒よ』『約束する』『2度と離れない』『離れるものか』すると外から花火が上がる音が聞こえた2人は中庭に出て花火を楽しみ、幸せな時を過ごす…沈星移と周瑩は再会を果たしたが、愛し合いながらも別々の道を進むことになった。「もう行かないと…心は君と共にある」「あなたには2万両もの懸賞金がかかっている…星移、自分の身は自分で守るのよ?」「君もだ、身体を大事にしろ」すると星移は志ながらもやり残した″女子学堂″を周瑩に託した。革命がいつ終わるのか分からないが、必ず成功させるという。そして最後に周瑩を優しく抱きしめ、去って行った。沈星移は父が残した仕訳帳を趙白石(チョウハクセキ)に送っておいた。…陝西(センセイ)布政司(フセイシ)趙白石殿…この文が届く頃、私は反逆の徒となっています…臨終に父が残した帳簿を贈ります…書かれた内容は貴兄に役立つことでしょう…国と民を救う気持ちは貴兄も同じはず、道は違えど我々の志は同じです…家も家族も失い、革命に身を投じる私はすでに死も恐れません…生きて戻れても余生はわずかでしょう…ただひとつ気がかりなのは彼女のこと…貴兄の彼女に対する想いは私もよく存じています…学んでも悟ることができずにいましたが、命の瀬戸際を経て儒教の道理をようやく理解しました…誰より愛しながらも、私と彼女との縁はすでに尽きています…だか貴兄と彼女にはまだ未来がある…くれぐれも彼女を大切にしてください周瑩は沈星移の志を継ぎ、早速、女子学堂の建設に乗り出した。女子は母として家庭の中心になり、家族の支えとなる。母の知識や見識は家族の利となり、ひいては国民と利となる、沈星移はそう考えていた。趙白石は再び沈星移を逃した周瑩を軽率だと叱ったが、周瑩はこれで最後だという。「多分、私たちは2度と会えないわ…」それにしてもなぜ沈四海(シンシカイ)は即刻、刑に処されたのだろうか。すると趙白石は、沈四海が監察御史と通じて証拠を上奏しようとしたため、それが郡王の耳に入ったと教えた。「証拠って?」「日昌和は他の銭荘より利息が高いため、多くの王侯貴族が顧客となった 特に貼票(チョウヒョウ)には皆が殺到した 郡王は利ざやを稼ぐため、戸部の資金までつぎ込んでいたのだ 沈四海がすべてを記録した帳簿が証拠となる」「その帳簿は今どこに?」「…私の手元だ、沈星移が送ってくれた」趙白石は時機を見計らって白日の下にさらすと言った。女子学堂の完成が半年以内と目星がつき、教師の招へいも順調だった。しかし肝心の生徒が1人も集まらない。まだまだ女子が外へ自由に出て行くことに偏見があり、女子に学問は不要だと思われていた。中には興味のある女子もいたが、応募しようとしても家族が連れ戻してしまう。結局、女子学堂の記念すべき生徒第1号は身重の千紅(センコウ)だった。周瑩は女子が学ぶ利点を教えるため、求人広告を張り出した。民たちは張り出された広告に早速、群がると、年棒と賞与で年1万両支給という高収入に沸く。しかし良く見ると募集しているのは女子だけ、しかも文字が読めて良識があり、算術が達者という条件だった。「妹に学問をさせておけばよかった」民のそんな嘆きを聞いた趙鴻伍(チョウコウゴ)は女子学堂に入れば3年で一人前になれると宣伝した。女子学堂は12人の入学希望者が集まった。しかし周瑩は第1期生に20人は必要だという。そこで呉家の奉公人や顧客たちのなかで娘がいる家の名簿を作らせ、自ら訪ねることにした。「応募していない者とその理由が知りたいわ」使用人の中には娘がいても病気の妻や小さな弟の面倒を見てもらうため、学堂に通わせることができなかった。そこで周瑩は学費を免除し、手伝いを雇えるよう補助金を出してやる。一方、顧客は裕福だったが、若い娘が表を出歩き、男の教師に教わるなど恥知らずだと偏見があった。周瑩はならば自分は涇陽(ケイヨウ)一の恥知らずかと憤慨、取り引きを中止すると脅す。驚いた童(ドウ)老板は考えを改め、明日には娘の入学手続きを済ませると約束した。趙白石は沈星移と周瑩の縁が切れたと知り、胸の奥にしまっていた周瑩への想いが再燃した。そこで呉家中院に呉蔚全(ゴイゼン)を訪ね、周瑩との縁談を申し込む。呉蔚全は趙白石がずっと周瑩に想いを寄せていたと知り驚いたが、2人の仲を取り持つことにした。趙白石は女子学堂の準備で忙しい周瑩を訪ねた。しかし縁談の話を切り出す間もなく、周瑩から扁額の書を頼まれてしまう。「立派な書だわ〜これを写して彫らせようっと」「…待て」「そうだ!1日の開校には必ず官服で来てね!総督が参列すれば学堂に箔がつくもの!」「分かった」「約束よ!」「ぁ…」結局、趙白石は縁談の件を言い出せなかった。周瑩が別院へ帰ると、ちょうど呉蔚全と夫人の朱(シュ)氏が待っていた。何でも今日、趙白石が訪ねてきて、周瑩との縁談を申し込んだという。すると呉蔚全は今まで呉家に尽くしてくれた周瑩をこれ以上、束縛することは出来ないと話し、2人の縁談に賛成すると言った。すでに鄭(テイ)氏にも相談したが、周瑩の思うようにするよう認めてくれたという。「祖廟で立てた誓いをとやかく言う者はこの私が黙らせる」呉蔚全は自分と鄭氏の印を押した離縁状を出し、今からもう周瑩は呉家の人間ではないと言った。「自由になれ」「趙大人に嫁ぎなさい、これ以上、独りでいる必要はないわ」「そんな…」周瑩が陝甘総督府の外で待っていると、趙白石の輿が到着した。趙白石が中へ入って行く様子を見たが、周瑩は結局、石段の陰に座り込んでしまう。するとそこへ趙白石がやって来た。「なぜ中に入らぬ?」「考えが決まらない…」趙白石は周瑩と並んで地面に座り込んだ。周瑩はなぜ自分を嫌っていた趙白石が縁談を申し込んだのか分からなかった。しかし趙白石は嫌っていたのはずっと昔のことだと話し、自分の思いを告白する。「鄭氏の銀子を盗んだそなたを打った、あの時から私の気持ちは変わったのだ そなたがさらわれたと聞き、大いに動揺したが、自分の想いにはまだ気づいていなかった そなたが韓三春(カンサンシュン)に捕らわれて初めて気づいたのだ、救いようがないほど愛していると… 道義や世間の視線を恐れる私は自分の気持ちを抑え、一線を越えまいと努めた だが世の中は大きく変わり、今や家法は足かせに過ぎない ただ変わらぬのはそなたを守りたいという想いだけだ」周瑩は困惑した。確かに趙白石にはこれまで良くしてもらったが、まさか自分を慕っているからだと考えたこともない。すると趙白石は周瑩以外は誰もが気づいていたと言った。「呉漪(ゴイ)がそなたを陥れたのは私の出世のためと嫉妬のためだ 沈星移は帳簿に添えた文でそなたを私に託すと言ってくれた、周瑩、私の妻に…」「考えたこともない…」「考えてみてくれ、急がずとも良い、待っている」つづく(  ̄꒳ ̄)何と言おうか…
2020.04.17
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第71話「男のけじめ」沈月生(シンゲッセイ)殺しの下手人は査坤(サコン)だった。周瑩(シュウエイ)は趙白石(チョウハクセキ)から査坤の洋剣を受け取り、予想外の結末に驚きを隠せない。趙白石も以前は沈四海(シンシカイ)が息子の敵を討つため郡王に助けを求めた結果、呉家の冤罪が生まれたと思っていた。思えば当時、呉蔚文(ゴイブン)を使って左(サ)大人(ダーレン)の弾圧を狙っていた郡王にとって沈四海は渡りに船だったのだろう。つまり郡王は沈四海に関係なく、初めから呉家東院を陥れる気だったのだ。こうして真相が明らかとなり、周瑩はあの世で呉聘(ゴヘイ)も沈月生も趙白石に感謝しているはずだという。そこで査坤の洋剣を抜いてみたが、その剣先を見てふとある絵を思い出した。周瑩は慌てて別院へ駆けつけ、呉聘の遺品の中から一枚の紙を取り出した。呉聘が密かに持っていた紙には剣先の絵が描かれていたが、確かに査坤の洋剣の物だと分かる。そこで周瑩は福来(フクライ)を呼び、当時の様子を聞いてみることにした。福来は確かにあの時、査坤もいたと証言した。実は危うく査坤と呉聘の用心棒が乱闘になるところだったという。結局、誤解と分かったが、査坤の飼っていた鷹が突然、暴れたため、呉聘の用心棒が査坤の奇襲だと思い、互いに武器を出したという。「査坤の武器とはこれね?」「そうです!少爺は興味を示し、質問していました!」「余計なことを…」周瑩はついに呉聘が杜明礼(トメイレイ)に殺された理由を知った。周瑩は呉聘の墓参りに出かけ、必ず敵を討つと誓った。するとその帰り、呉蔚文(ゴイブン)の墓にいる沈四海(シンシカイ)の姿を見つける。沈四海は紙銭を燃やして弔いながら、必ず呉蔚文と沈月生の敵を討ち、名誉を回復させると誓った。そこへ周瑩が現れる。周瑩は郡王の権力が絶大なため、呉蔚文と沈月生の敵討ちは簡単ではないと言った。しかし沈四海は重々、承知の上で、死んでも一矢を報いるという。日昌和(ニッショウワ)は無事に小口客への払い戻しが完了した。そこで沈四海はいよいよ行動を起こすことにする。手元にはすでに日昌和の開業以来からの郡王名義による取引の詳細、及び郡王の収支の流れや預金状況など、詳細にまとめた帳面があった。杜明礼の消息は依然、不明だった。しかし趙白石は隆昇和(リュウショウワ)で張長清(チョウチョウセイ)から届いた文を見つける。内容はただの時候の挨拶だったが、杜明礼が寝返った証拠には十分だった。これを知った郡王は激怒、杜明礼の抹殺を命じる。張長清は合肥(ゴウヒ)の蘆江(ロコウ)にいた。確かに今、杜明礼を救えるのは郡王の敵である李(リ)大人だけだろう。そこで趙白石は密書で皇太后に進言すると周瑩に教えた。「郡王の子・溥儁(フシュン)を太子に立てるため、同治(ドウチ)帝の後継とするように… 郡王の子が太子となれば、誰もが賢明な選択をするだろう」「でもそんなことになれば郡王はさらに権力を増すわ」「人は地位が高いほど足をすくわれやすくなる」「…権力が災いを招き、悲惨な末路をたどると?(ふっ)大哥はなかなかの策士ね?」すると趙白石は昔の自分とは違うと寂しそうに言った。深手を負った文(ブン)先生はまだ陝西(センセイ)の県署で療養していた。面倒を見ていた趙白石は隆昇和の事後処理なら全て済ませ、この件には誰も触れないと安心させる。杜明礼には罪名を与えたため刑部が手配書を出し、恐らくすぐ捕まるだろう。すると趙白石が最近、ある詔に対して違和感があると持ちかけた。「皇上が太后に出したものです ″来年の元旦、朕は寧寿(ネイジュ)宮にて太后に叩頭し、王公及び文武百官は皇極門外にて叩頭を行う 祝いの式典に至ってはすでに中止を命じた、当日、朕は乾清(ケンセイ)宮にて祝辞を受ける″と…」趙白石は皇太后が光緒(コウショ)帝の廃位をためらっていると気づいた。これも西洋人の反対があるせいなのか。文先生はその通りだと認め、この膠着状態に郡王も頭を悩ませていると言った。そこで趙白石は養子の件を提案、これなら西洋人を怒らせず、時間はかかるが郡王も全てを手にできるという。喜んだ文先生は早急に奏状をしたため、郡王に見せて許可が出たら提出するよう指示した。「趙大人、この案が採用されれば陝甘(センカン)総督の椅子はお前のものだ」趙白石は郡王の配下となり5年、ついに陝甘総督となった。するとある夜、驚いたことにかつての恩師・張長清が訪ねてくる。何の面下げて来たのかと思えば、郡王の配下となった趙白石に自分を郡王に推挙して欲しいと頼んできた。張長清は李大人に尽くして来たが甲午(コウゴ)農民戦争後、情勢を見誤って不適切な処置をしたとして冷遇されていた。表面上は信頼しているふりをして、養生させるという名目で自分1人を合肥へと追いやったという。「お前には味方がおらぬゆえ、何かあっても誰も助けてくれない だが私を郡王に紹介してくれれば、共に郡王に仕える身となり、互いに助け合える」趙白石は呆れながら、李大人の幕僚だった張長清が郡王の信頼を得るのは困難だと難色を示した。すると張長清はもちろん郡王が喜ぶ贈り物があるという。「杜明礼だ」「あなたのところに?」実は杜明礼も李大人に頼るため、ある手土産を持って張長清に会いに来たという。まさに渡りに船、趙白石は確かに杜明礼を差し出せば上手くいくと言った。その頃、沈四海は監察御史の江(コウ)大人と面会していた。そこで端郡王・載漪(サイイ)の不正を訴え出たが、江大人は郡王に報告してしまう。一方、趙白石は張長清に郡王からの伝言を伝えた。杜明礼を捕縛できたら張長清に褒美を与えるという。ただし自分の配下になるなら李のそばに留まってこそ、本領を発揮できると言った。「まずは半年の辛抱です、6月以降に朗報があるでしょう…」それを聞いて安心して気が緩んだのか、張長清は杜明礼と15年来の付き合いだと話し、主人は違えど協力したこともあったと漏らした。趙白石は2人が手を組んだのは呉家の軍需品事案だと気づく。「そうだ、あれは本来、解決済みの事案だった だが例の偽の血竭(ケッケツ)が再調査のきっかけとなり、 沈四海の証言によって呉蔚文の罪が確定したのだ」杜明礼は呉蔚文に左大人が西洋人から仲介料を得たと証言すれば命は助けると条件を出したが、呉蔚文が拒み、最後は口封じに殺されたという。こうして左大人を命に代えて守った呉蔚文、しかし非情にも左大人は呉蔚文を裏切っていた。しかし数ヶ月後、左大人も福州の軍営で亡くなり、真相は闇の中だという。張長清は屋敷に戻ると、杜明礼にこれからすぐ李大人に会いに出かけると伝えた。そこで馬車に乗って出発したが、郊外に出たところで張長清は急に腹痛を訴え、馬車を止めて用を足しに行ってしまう。すると趙白石が官兵を引き連れ、馬車を取り囲んだ。趙白石はその夜、捕縛した杜明礼の元へやって来た。「郡王の命でお前を都へ護送する、裏切りの末路は心得ているな? 今、お前が一番憎いのは張長清のはずだ 奴はお前を手土産に郡王の配下になろうというのだからな」張長清の罠だったと知った杜明礼は怒りに震え、涙を浮かべる。すると趙白石は護身用の短刀を出した。「張長清は今、東側の2つ目の部屋で己の出世の夢を見ている …お前に機会をやる、奴を殺し、復讐を果たすがいい」趙白石は杜明礼を張長清の部屋の前まで連れて行った。杜明礼は足で戸を蹴飛ばし、部屋に乗り込むと、驚いて起き上がった張長清をいきなり刺した。そして昆曲を歌いながら、最後は自ら首を切って絶命する。すると趙白石は虫の息となったかつての恩師の元へ向かった。「張先生、申し訳ない、不注意で杜明礼を逃してしまった…外に逃げもせず、復讐を果たすとは」「私も驚いたよ…お前がこんなに腹黒い人間だとは…」「師であるあなたから最後に教わったことです」「お前は変わってしまったな…」「ええ、かつての私は善良で国と民に尽くしたが、結局、最愛の人を守る力すらなく、 彼女が投獄された時は何もできなかった…あの時から私は変わったのです」張長清は最後に何か言いたげだったが、そこで事切れた。趙白石は杜明礼の私物を確認すると、張長清と杜明礼の骸と一緒に内密で都へ送った。すべてが片付いた趙白石は早速、呉家東院に周瑩を訪ね、杜明礼の死を報告する。「敵は討った、これで約束はほぼ果たせたな?」「謝謝…」しかし周瑩はどこか納得できない様子だった。なぜなら悪の元凶である郡王が未だ処分されていない。すると趙白石は悪事を働いた者には必ず天罰が下ると言った。「なぜ天に任せるの? 悪の限りを尽くした郡王は生きてる、貴族だって罪を犯せば裁かれるはずよ? 本来ならその場で摘発され、処罰されるべきなのに! 郡王のような人間がいる朝廷など守る必要ないわ!」「皇上と太后は英明だ」「…やはり沈星移(シンセイイ)は正しかった」「小妹!口を慎むのだ、朝敵とみなされるぞ?」「大哥、相変わらず世事に疎くて融通が利かないのね?」趙白石は思わず大きなため息をつき、すでに少年だった頃の自分を裏切っていると言った。しかし周瑩は昔も今も趙白石は何も変わっていないという。そんなある日、欽差(キンサ)大臣が官兵を引き連れ、沈家に乗り込んだ。すると沈四海が西洋人と結託して外国と通じた罪により連行されてしまう。趙白石はまた郡王の配下の欽差大臣が現れたと聞き、かつて呉家で起こった悲劇が繰り返されたと知った。織物工場にいた周瑩は王世均(オウセイキン)から突然の訃報を聞いた。昨日の午時、沈四海が処刑場で斬首されたという。沈夫人も首を吊り、後を追っていた。「少奶奶は沈家を許しましたが、沈家は天罰を免れなかった…」「…彼は?」「消息不明です」しかしその頃、没落した沈家の前に1人の男が現れた。つづく( ๑≧ꇴ≦)文先生のチラ見せはいらない!ってか周瑩、洋剣を持ったまま屋敷内をフラフラしないで~w
2020.04.16
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第70話「勝負の行方」廃屋となった胡(コ)宅に杜明礼(トメイレイ)の姿があった。すでに郡王には趙白石(チョウハクセキ)と周瑩(シュウエイ)の裏切りを報告、さらに機器織布局は全種類の洋布の値下げに踏み切っている。杜明礼はこれで胡咏梅(コエイバイ)の敵を討てる、そう思っていた。周瑩は杜明礼が値下げをしたと知り、昔の胡咏梅と同じ手法を使ったと呆れた。あの時は韓三春(カンサンシュン)が株を手放して助けてくれたが、今回は趙さんや周さん、呉さんに鄭(テイ)さん、王さんもいる。王世均(オウセイキン)は誰のことか分からなかったが、それは呉家の顧客たちのことだった。商人たちは機器織布局の大幅値下げに浮き足立ち、呉家に押しかけた。しかし周瑩はしょっぱなから値下げはしないと告げる。ただし3ヶ月耐えてくれれば織布局の値より5分値下げすると約束、その代わりこの3ヶ月くら替えしないという条件で、なおかつ前金として購入額の半分を支払って欲しいと頼んだ。巡撫(ジュンブ)にいきなり郡王の幕僚・文(ブン)先生が現れた。郡王が最近の趙白石に不満だという。「郡王の配下でありながら、機器織布局の劣勢を黙認しておる 陝西(センセイ)の巡撫でありながら、日昌和(ニッショウワ)の窮地に無策であった 郡王は陝西での蓄えを失いかけた!」趙白石は杜明礼の密告だと気づき、以前、沈星移(シンセイイ)から受け取った沈家と隆昇和(リュウショウワ)の仕訳帳を見せた。すると文先生は杜明礼の着服を知り愕然となる。実はこんなこともあろうかと、趙白石はすでに郡王への報告書を書いていた。「機器織布局の損失の内幕や取り付け騒ぎの経緯についても全部そこに… これでお分かりでしょう?なぜ杜明礼が私を陝西から追い払いたいのか」文先生はすぐ郡王に報告すると言った。そんなある日、周瑩に香港から電報が届いた。確かに宛名は周瑩だったが、なぜか伝言はなく白紙のまま…。しかし周瑩はそれがある人の無事の知らせなのだと気づいた。周瑩が顧客に3ヶ月後の値下げを確約、その額が機器織布局より安値のため商人たちも納得して取引きを継続した。これで景気は低迷していても前金を集めたので操業は維持できている。「郡王には3ヶ月以内に競合を潰すと宣言した、このままではこっちが潰されてしまう」杜明礼は在庫の山を前に動揺した。「もって何日です?」「これらの在庫を安値で売りさばけば損はあれど銀子は入る… 本来なら3ヶ月は維持できた、だがここひと月の売り上げは数百両のみ、長く持って7日だろう」査坤(サコン)は顔を歪め、奥の手を使おうと覚悟した。しかし杜明礼はその前に沈四海(シンシカイ)に相談してみるとなだめる。それにしても不可解だ。郡王ならすでに自分の文を読んだはず、なぜ趙白石はまだ処罰されないのか…。杜明礼は日昌和(ニッショウワ)の仮店舗を訪ねた。そこで沈四海に30万両を貸して欲しいと頼んだが、あっさり断られてしまう。杜明礼は周瑩が200万両を預けたはずだと食い下がったが、沈四海は小口客の払い戻しから優先するよう条件がついていると教えた。「見捨てるなど許さんぞ!」「助けたくともできないのです」「沈四海…忘れたのか?誰のおかげでのし上がれたのか?」「忘れていません」しかし沈四海は座って湯呑みを取ると、それが客人を追い返す合図だった。機器織布局に戻った杜明礼と査坤だったが、もはや手立てはなかった。3割も値引きすれば在庫がさばけ、十数万両は回収できるはずだったが、誰も買い付けに現れず、もはや綿花を買う銀子もない。在庫は10万反、許容損失額は20万両、しかし損失はすでに25万両に及んでいた。その時、突然、思わぬ助け舟が現れる。工員が駆けつけ、新疆(シンキョウ)の商人が在庫の10万反を全て買い取ってくれると報告した。ただしさらに1割の割引きが条件だという。憤慨した査坤は追い返せと怒鳴ったが、杜明礼が止めた。「10万反、全部、売る」周瑩は巡撫に趙白石を訪ねた。実は機器織布局の在庫を全て買い取り、前金を払ってくれた顧客にこれを渡すという。趙白石は周瑩がついに杜明礼と決着をつけるつもりだと分かった。そこで最近、杜明礼が1人である場所へ行っては半日、過ごしていると教えてやる。「どこへ?」趙白石が渡した紙には″胡家″と書いてあった。←なぜ急に筆談?w周瑩は荒れ果てた胡宅にやって来た。すると杜明礼が胡咏梅の寝台で横になっている姿を垣間見る。その時、うっかり物音を立ててしまい、驚いた杜明礼が部屋から出てきた。「何しに来た?!」「胡家の屋敷を買った人がいると聞いて見に来たの、誰かと思いきやあなただったのね」「周瑩、好奇心が旺盛だな」「ええ、性分なの」「その好奇心がいずれ命取りになるぞ?」周瑩は思わず鼻で笑い、まだ無事なようだと言った。しかし杜明礼は今のうちだけだという。「確かに人はいずれ死んで行く、でも私は正々堂々と生きたわ 犬のように生きるあなたと違ってね?」周瑩は商人として正当な手段で金を稼いできた。だが杜明礼は悪事の限りを尽くしたのに結局、何か得たのだろうか。すると杜明礼は人の一生は金に変えられないと答え、他にも多くの幸せがあると言った。「あなたの幸せとは人を操ることでしょう? (ふっ)杜老板、でも操られているのはあなたの方なのよ? 自分の感情を表に出せず、所帯も持てない、将来すら決められない… 何もないわ、全ては郡王次第」「ふん、卑しい女め」「オホホ~こんな卑しい女でも好きなことをして思うまま生きてる、でもあなたは? 想い人に告白もできず、黙って見ていただけ そして彼女の死後に屋敷を買い、彼女の衣を守ってる… 胡咏梅を慕っていたのね、隠しても無駄よ? 好きだったのならなぜ娶らなかったの?彼女が思いつめる前に救いの手を差し伸べ…」「黙れ!私とて結ばれたかった、助けたかったとも!夢見るほど願っていた! 身分を変えられたら彼女のためにどんなこともした!…だが無理だった 私が何の苦労もせず、気楽に生きて来られたとでも?勘違いするな お前には分からない、私が生きるために何を犠牲にしたか だからこそ、ここで負けられぬ、絶対にな」「おめでとう、杜老板、大勢の屍を踏みつけて生き延びたのね… でも苦労して勝ち取った人生ももはやここまでよ」周瑩は機器織布局の在庫を買い取った新疆の商人が自分の手の者だとバラした。もともと25万両の洋布を13万両で買って14万両で売りさばいたという。まんまと騙された杜明礼は呆然となり、もはや返す言葉もなかった。「そうそう~趙大人が私と郡王を会わせてくれるみたいよ? …でも実は迷ってるの、郡王と手を組めば弊害も生じるから 郡王が要求をのめば迷いは消えるけど…」「どんな要求だ?」「夫を殺した者を差し出してもらうこと…杜老板? 呉聘(ゴヘイ)は死ぬ直前、あなたと食事したわね?覚えている?」「…覚えていないな」「郡王はご記憶かも…」「胡咏梅が毒殺したのでは?」「下手人は別にいたの~ 望みはたくさんあるけど、最も叶えたいのは呉聘の敵を討つこと、必ず成し遂げるわ」動揺を隠しきれない杜明礼は郡王なら応じないと強がった。しかし周瑩は一年で200万両もの利益を上げる織物屋工場を贈ると言えばどうかとけん制する。「郡王にとってあなたにはいくらの価値が?」「私の忠誠心を銀子で量れるものか…」「(ヤレヤレ…)忠誠でも犬に過ぎない、価値はないわ しかもその犬は沈家の配当をかすめ取り、商人から見返りをもらい、工場の経営すら失敗した 救いようがないわ」周瑩は話を終えて帰ろうとしたが、杜明礼は思わず殺してやると叫んで追いかけた。そこへ韓三春が現れ、あっさり倒されてしまう。「杜老板?観念しなさい」杜明礼は屋敷に戻ると、査坤に自分たちの財産がどのくらいあるか聞いた。実は査坤は沈四海に知られないよう日昌和以外の銭荘に預けていたため影響はなく、30万両あるという。杜明礼は十分だと安堵し、すぐ逃げる準備をするよう頼んだ。「周瑩が郡王と手を組む、あの女は私たちの秘密を知り過ぎている」査坤は女を始末すれば解決すると言ったが、杜明礼はあの韓三春に勝てるはずないと止めた。そこでかつて手を組んだ張長清(チョウチョウセイ)を頼ろうと思いつく。しかしその頃、すでに文先生は王府の侍衛から4人の精鋭を連れて巡撫に到着していた。杜明礼は査坤を先に逃がすことにしたが、ついに文先生が現れた。そこで査坤は咄嗟に物陰に姿を隠す。すると文先生はにこやかに郡王から話があるので一緒に来て欲しいと言った。杜明礼は思わず大事な商談があると訴えたが、文先生は隆昇和なら今後は自分が仕切るという。「長年、ご苦労だったな、もう交代だ」杜明礼は4人の侍衛に囲まれて外へ出た。すると隠れていた査坤が飛び出し、後ろの侍衛2人に斬りかかり杜明礼を救う。「お逃げを!」査坤は残りの2人の侍衛を阻んだが、杜明礼は逃げるなら一緒だと留まった。そこで文先生は自ら剣を抜き、杜明礼に襲いかかる。驚いた査坤は侍衛らを退け杜明礼を助けに向かったが、そこで文先生と刺し違えることになった。そこへ侍衛たちが加わり、中庭は修羅場と化す。すると深手を負った文先生は侍衛たちが応戦している隙に逃げ出そうとした。その姿に杜明礼が気づき、すぐ追いかけることにする。しかしその時、護衛を全て片付けた査坤が崩れ落ちるように膝をついた。査坤は侍衛に刺され、もはや手遅れだった。「早くお逃げに…早く…」「逃げろと言ったのに…なぜ残っていたぁぁぁ!」「老板こそ…逃げずに留まった…すぐに人が来ます…早く逃げてください…早くしないと…捕まり…」「査坤!…」査坤はそこで事切れた。「お前の敵は必ず討ってやる…」趙白石が涇陽(ケイヨウ)県署で待っていると、文先生が血まみれで戻って来た。驚いた趙白石は直ちに隆昇和へ駆けつけたが、中庭に侍衛と査坤の亡骸が転がっている。すると殺された侍衛の刺し傷を見た趙白石は驚愕した。この傷口は沈月生(シンゲッセイ)の検死で見たあの珍しい刺し傷と同じ…。趙白石は査坤の横に落ちていた洋剣を確認し、全てを察した。翌日、趙白石は沈家に沈四海を訪ねた。10年前は沈月生殺害の真相を解明できずにいたが、当時、凶器だけは身体の傷口から予想がついていたという。そこで趙白石は沈四海に当時、描いておいた凶器の絵を見せた。実は昨日、隆昇和で死傷者が出る騒ぎがあり、犠牲者の傷口が沈月生の傷と全く同じだったという。現場の検分によると手を下したのは査坤だと判明、すでに骸となった査坤の手元には剣が落ちていた。趙白石は証拠となる査坤の剣を渡すと、沈四海は剣先を見て愕然となる。「月生を殺したのは査坤だったと?」「沈家も胡家も呉家も偽の血竭(ケッケツ)には関わっていなかった、査坤が仕掛けた罠だったのです」あの軍需品の入札は呉家東院を陥れるためのものだった。そのため沈家が呉家より安値で入札したが落札できず、本物を納めても偽造だと訴えられたのだろう。そして事件の晩、査坤は呉家をはめるため蔵に偽の血竭を忍ばせた。しかし運悪く沈月生が現れ、現場を目撃されてしまう。つまり沈月生の死の真相は査坤による口封じだったのだ。沈四海は全てを知り、息子の霊位を手に自分の愚かさを嘆いた。まさか息子の敵討ちを殺した本人に頼んでいたとは…。しかも敵のために必死で稼ぎ、貢いできたのだ。「月生よ…この恨みは必ず晴らす ここに誓おう、あの杜明礼とその後ろにいる奴らに命をもって償わせると…」つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)コンさん〜ちょっと待った!よく考えたら趙白石が血竭を張長清に渡したせいじゃないの?( ๑≧ꇴ≦)
2020.04.15
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第69話「守りたい命」資金繰りに困窮した沈四海(シンシカイ)は取引先の銭荘の天成亨(テンセイキョウ)・宝豊隆(ホウホウリュウ)・正通銀号(セイツウギンゴウ)から資金を融通してもらうことにした。そこで周瑩(シュウエイ)は王世均(オウセイキン)を天成亨へ、江福祺(コウフクキ)を宝豊隆へ行かせることにする。こうして翌朝一番、王世均は預けていた25万両を全て引き出した。天成亨は大口の預金がなくなり、沈家に融通するつもりだった20万両がなくなってしまう。一方、江福祺は沈家を助けないよう番頭・秦奮林(シンフンリン)を説得していた。しかし秦奮林は同業として知らぬふりはできないと突っぱねる。江福祺は仕方なく、外で待たせている宝豊隆に口座を待つ顧客や使用人たちを見せた。「私が合図すれば全員で店に押しかけ、銀子を引き出しますよ? あ、そうそう、少奶奶が検討中なんですよね~涇陽(ケイヨウ)織物工場の売り上げをどこに預けるか…」驚いた秦奮林は考えを改め、日昌和(ニッショウワ)に融資ができないと伝えるよう命じた。沈四海が日昌和へやって来た。しかしまだ融資が届いていないという。そこへ北京の日昌和から電報が届いた。「北京の日昌和が…休業した…」どうやら不穏な噂を聞きつけた王府の使用人たちが店に押しかけ、1度に大勢の者が金を引き出し、休業に追い込まれたという。悪い知らせは続いた。今度は正通銀号の番頭が取り付け騒ぎの噂を聞き、飛び火は困るので資金を融通できないと断ってきたという。すると天成亨も融通できないと連絡があり、宝豊隆は本店から許しが出ないと断ってきた。さらに上海の日昌和からも休業したとの電報が届く。万策尽きた沈四海はついに終わりだと悟った。「なぜこんなことに…一体、何者が…どこのどいつだ…沈家をいたぶるとは!」その頃、杜明礼(トメイレイ)は保身のため、趙白石(チョウハクセキ)を頼っていた。郡王の預金は10万両だったが、結局、8千両しか払い戻せていないという。そこで口実を作って沈家の屋敷を差し押さえて欲しいと訴えた。趙白石は差し押さえるのなら店になると話し、9万両くらい売り上げから回収できるだろうと余裕を見せる。「ところで郡王は日昌和の騒ぎについて私の責任を問うなど仰せでしたか?(汗」「北京の日昌和の休業を太后と皇上に知られ、郡王は対応に追われている 涇陽(ケイヨウ)に気を配る暇はない」すると趙白石は郡王が沈四海では頼りないと不満で、別の相棒として呉家に目をつけていると吹き込んだ。杜明礼は周瑩が受け入れるはずないと顔を引きつらせたが、趙白石は如才ない商人の周瑩なら敵味方を臨機応変に変えられるという。「永遠の友は銀子だけさ…」北京と上海の日昌和が休業して8日となった。都の王公や貴族も日昌和に預金しているため、沈四海に家財を売ってでも賠償しろと迫るだろう。周瑩はこれで沈家も破産すると確信した。すでに呉家に手を貸した王継高(オウケイコウ)は電報局を退職、天津へ向かっている。確かに罠を仕掛けたのは周瑩だったが、沈四海はその欲深さにより自分の首を締めることになった。すると若奥様に来客だと知らせが来る。名前を名乗らないが、周瑩の旧友だとか…。周瑩はとりあえず連れてくるよう頼むと、外套を目深にかぶった男が現れた。その頃、趙白石は日昌和に乗り込んでいた。「郡王の命で差し押さえる」しかし朝廷のお尋ね者がここ涇陽に現れたという急報が届く。驚いた趙白石は後を任せて日昌和を飛び出して行ったが…。周瑩に会いに来たのは康卓文(コウタクブン)と名を変えた沈星移(シンセイイ)だった。沈星移は沈家の失墜が周瑩の復讐だと気づき、沈家と父に情けをかけて欲しいという。「康先生?あなたは見知らぬ他人よ?父親など知るわけないわ」「…沈星移に免じて」「沈星移?(ふっ)私がやり直したいと懇願した時、あなたはこう言ったわ ″家族を守るには康卓文でいるしかない″…それなのにまた沈星移に戻ったと? 沈少爺、その誠実さと孝行心には感動するわ 確かにお父様と沈家を追い込んだのは私よ、すべて綿密に計画したこと 今さら手を緩めるなんてできないわ」「無理を承知で頼んでいる、私は沈家の息子だからだ…」すると周瑩は沈星移を祖廟へ連れて行った。「私の義父よ、十数年前、獄中で亡くなったわ、東院の没落はあなたの父親のせいよ!」沈星移は父もやむを得なかったとかばった。恨みが募り、金に目がくらんだが、根は悪い人ではないという。確かに悪いのは沈家だが、長男は早世し、今や破産寸前、没落が目的ならもう果たせたも同然だ。しかし周瑩は意地を張り、まだまだだと挑発する。「命まで奪うつもりか?」「私が今の沈家のように破産寸前だったら? あなたの父親や杜明礼、その後ろにいる郡王は簡単に許すかしら?命は助けてくれる? これはすべて我が身を守るためよ」周瑩の言い分はもっともだった。初めから断られることなど予測していた沈星移、しかも今やお尋ね者だ。それでもこうして訪ねたのは、後悔したくなかったからだという。その時、王世均がやって来た。「趙大人が来ました、兵が大勢いるので阻めません」周瑩は沈星移を連れて祖廟を出た。しかし乗り込んできた官兵にあっという間に囲まれてしまう。そこへ趙白石が現れ、沈星移を引き渡すよう迫った。「呉沢(ゴタク)の件は大目に見ただろう?わきまえろ! 奴はお尋ね者だ、戊戌(ボジュツ)の政変のあと孫文(ソンブン)の仲間になった」今や沈星移の罪は呉沢より重く、皇太后も皇帝も恨み骨髄に徹するという。しかし周瑩は無謀にも沈星移をかばった。その時、王世均が韓三春(カンサンシュン)たちを引き連れ駆けつける。沈星移は自分に構うなとなだめたが、周瑩は呉家の客人を自分の同意なしに連行させないと言った。すると周瑩は江福祺(コウフクキ)が持っていた剣を抜き、抵抗する構えを見せる。驚いた趙白石は韓三春に周瑩を押さえるよう頼んだが、韓三春は主人にしか従えないと断った。「主人は錯乱しているんだぞ!」「では共に錯乱するまで」「その通り、我らは一蓮托生です」王世均たちは覚悟を決めた。「趙大人!命をかけて戦わないと罪人を捕らえられないわよ?」「趙大人!我ら3人はウマが合う、共に死ねるなら願ってもない」沈星移に挑発された趙白石はついに剣を抜いた。しかしそこへ再び急報が届く。何でも日昌和の休業に耐えかねた民が店に火を放ち、関係のない店まで襲撃され、街中は大騒ぎだという。趙白石は仕方なく沈星移をあきらめ、騒乱を鎮めるため引き上げていった。安堵した周瑩はともかく急いで沈星移を逃がすよう頼み、力が抜けてその場にへたり込んでしまう。周瑩は街の様子を見に行った。すでに日昌和は全焼し、預金を失った民たちが悲しみに暮れている。その中には工場で働く朱少君(シュショウクン)の姿もあった。「少奶奶…日昌和は他の銭荘より利子が良かったので全財産を預けていました… まさか店がなくなるなんて…嫁を娶るため5年もためていたのに…うわ~ん」沈家に番頭たちが集まっていた。沈四海は誰の仕業であろうと、天の裁きが下ったことに変わりはないという。「当然の報いだ…これで沈家はおしまいだ 私は貧乏を最も恐れて来た、金を稼げるならどんな苦労もいとわない いかなる屈辱でも耐えられたし、何でも売り渡せた…良心でさえな だがどうあがこうと、やはり結局、何もかも失ってしまった…」しかし沈四海は今になって貧乏暮らしが思ったほど怖くないと分かったという。それよりもっと悲惨なことは、これまで金儲けのために払って来た犠牲がことごとく無意味だったと気づいたことだった。すると使用人が駆けつけ、呉家の若奥様が来たと知らせた。「大事な相談があるとか…」こうして周瑩は懐かしい沈家に足を踏み入れた。沈四海はすべて周瑩の仕業だと気づいた。「呉蔚文(ゴイブン)の敵を討つためであろう」「その通り」周瑩は素直に自分が仕掛けたと認めたが、なぜか持ち直すのにいくら必要か聞いた。「銀200万両で足りる?生糸5千袋を担保に…」「復讐しに来たのでは?」「ええ、十数年前から願っていたわ… でもあなたを倒すため、民にまで重い代償を払わせてしまった、破産した人もいるの 想定外だったわ」しかし周瑩には条件があった。まず呉蔚文をどのように陥れたかつぶさに記し、名誉を回復させること、そして200万両は民への賠償を優先させることだという。番頭たちは固唾をのんで主人を見守った。「…分かった、約束しよう」周瑩が沈家を救済すると知り、呉蔚全(ゴイゼン)は驚いた。「沈四海は大哥と呉家の敵だぞ?情けをかけるのか?」「4叔、これも懐先(カイセン)のためです」周瑩も若い頃なら容赦しなかったはずだ。しかし母となり、子供にはお金で変えない幸せや喜びを残してやりたいという。「恨みの連鎖はここで断ちます」中庭では懐先と王二虎(オウニコ)が楽しそうに遊ぶ声が聞こえていた。日昌和は臨時の小屋を建て、営業を始めた。中には感謝して番頭にひざまずく民までいる。周瑩は遠目からその様子を見て安心していた。そこへ趙白石がやって来る。「沈四海を許せば杜明礼も助かるぞ? 日昌和が倒産しなかったゆえ、杜明礼は郡王から責任を問われずに済んだ 私が推察するに、杜明礼は今頃、反撃の準備をしているはずだ」「受けて立つわ」趙白石の予想通り、杜明礼は郡王に虚偽の奏状を書いていた。趙白石と周瑩が結託し、郡王の財産を横取りしようとしていると…。そして機器織布局の全種類の洋布の値下げに踏み切った。呉家は沈家に融通して資金不足のはず、余裕がないので値下げできないと踏んだのだろう。「フン、杜明礼も月並みね~昔の胡咏梅(コエイバイ)と同じ手法を使うなんて…」確かあの時は韓三春が株を手放して助けてくれた。王世均は今回は韓三春を頼れないと告げる。「でも趙さんや周さん、呉さんに鄭(テイ)さん、王さんもいるわ」「誰のことです?」つづく(  ̄꒳ ̄)んー結局、韓三春に嫁いだ千紅の一人勝ち?
2020.04.14
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第68話「復讐の狼煙」沈四海(シンシカイ)は今月の帳簿を見るため、銭荘・日昌和(ニッショウワ)にやって来た。そこへちょうど杜明礼(トメイレイ)が現れ、静かな場所で話したいという。実は郡王が戸部(コブ)に会計を報告することになったが、赤字続きの機器織布局の帳簿ではとても見せられない。しかも今回は皇太后と皇帝が見るため、ひとまず日昌和から資金を移し、黒字になったら戻すという。沈四海は眉をひそめた。確かに日昌和の業績はまずまずだが、利益の半分は隆昇和(リュウショウワ)のもの、また郡王や役人への付け届けに上納金、手元に残る銀子はわずかしかないという。杜明礼は織布局の収益が郡王の業績であり、郡王の顔を潰すつもりかと揺さぶったが、都合する銀子がない以上、沈四海にはどうしようもなかった。すると激怒した杜明礼は7日以内に金を送らねばどうなっても知らないと脅し、帰ってしまう。呉家の涇陽(ケイヨウ)織物工場は無事に操業を開始、今や生産高でも利益でも機器織布局を超えた。そんな中、王二虎(オウニコ)が今月も織布局の工員が何人も王徳根(オウトクコン)を訪ねて来ていると報告する。実は機器織布局では何ヶ月も給料が出ておらず、織物工場で働きたいという。周瑩は機器織布局の報告書を見たが、朝廷に報告した前四半期の業績は上々の利益を上げていた。しかし江福祺(コウフクキ)は顧客数や市場の占有率からすると、この半年は赤字のはずだと首をかしげる。どうやら誰かが資金を補助しているらしい。すると王世均(オウセイキン)はすぐ日昌和だと分かった。日昌和は資金繰りのため貼票(チョウヒョウ)を発行することにした。話を聞いた周瑩は早速、王二虎に貼票を買いに行かせる。「例えば10両払うとこの紙を渡され、 1ヶ月後には北京、上海、西安、どの日昌和でも12両に換金できるとか もう大人気ですよ~」周瑩は沈四海の苦肉の策だと気づき、ただの一時しのぎに過ぎないと呆れた。沈四海は日昌和を訪ね、また機器織布局に20万両ほど送るよう指示した。しかし蒲(ホ)番頭は今や2万両すら出せないと訴え、帳簿には200万両の欠損があるという。貼票を売って補ったところで焼け石に水、来月には240万両余りの支払いがあった。そんな時、店から思いがけず200万両も預けていった客が現れたと報告が来る。喜んだ沈四海はこれも貼票の人気のおかげだと考えた。そこでこのまま貼票の発行を継続すると決める。まさかこれが周瑩の復讐の狼煙だとも知らずに…。周瑩は趙鴻伍(チョウコウゴ)に電報局の職員を調べさせた。3人の職員のうち1人は正直者で1人は忠義者、しかし王継高(オウケイコウ)だけが酒と賭博が好きな遊び人で、常に借金があるという。すると周瑩はいくら銀子を使っても良いので、その王継高と親しくなるよう頼んだ。「ただの知り合いでなく、親友になってちょうだい」「はあ?」一方、杜明礼にも思わぬ儲け話が転がり込んだ。とある広東の商人が家庭の事情で急に銀子が必要になり、割安で上質な生糸を5千袋すべて買い取って欲しいという。杜明礼はさすがに5千袋は多すぎると難色を示したが、商人は全て買い取ってくれるなら杜明礼に手数料を払うと言った。「1袋5両で…」杜明礼はすぐ沈四海を訪ね、生糸を5千袋ほど仕入れるよう頼んだ。しかしそれだけ買うには100万両は必要、沈四海はようやく危機から脱したというのに、資金繰りに窮したら困ると拒否する。そこで杜明礼は本当に窮したなら郡王が戸部から銀子の都合をつけてくれると出まかせを言った。その時、上海からクラウディの電報が届く。実は生糸の先物相場が17シリングに高騰、4千袋欲しいという。沈四海はまたしても渡りに船、生糸を5千袋すべて購入した。廖(リョウ)老板が呉家東院に報告にやって来た。「沈四海は生糸5千袋をすべて買いました」支払いは日昌和で、杜明礼への手数料は渡してあるという。「いよいよね…」準備は整った。周瑩は祖廟に向かうと、呉蔚文(ゴイブン)と呉聘(ゴヘイ)に呉家と沈家の争いに決着をつけると報告する。そして王世均に日昌和に預けた銀子を引き上げるよう命じた。日昌和で問題が起こった。知らせを受けた沈四海が駆けつけると、今朝80万両余りを引き出した客がいたという。すると正午に北京と上海の店からそれぞれ電報が届き、同様に今朝、多額の引き出したあったと分かった。こうして総額200万両が引き出され、今や3店舗合わせても5千両しかないという。何か裏があると気づいた沈四海だったが、引き出した客は預ける際に印だけで氏名を残さず、分らなかった。ともかくすぐ各店に電報を送るよう命じ、この件は他言無用とし、引き出しの客を待たせ、回収できる銀子は全て回収するよう指示する。そこで星月(セイゲツ)貿易からクラウディに生糸をすぐ納品し、値引きしてでも銀子で払ってもらうことにした。また各商いの銀子が全部で3千両あり、それを全て日昌和へ送るよう命じる。「皆には心配いらぬと伝えてくれ、銭荘(センソウ)にこの程度の危機は付き物だ…」周瑩は次に買い占めておいた日昌和の貼票のうち満期になった2万両分を換金するよう指示した。「断られたら5千両分を安値で売るのよ、いいこと?必ず3店舗、同時にね? 対策する余地を与えないで、それから沈四海には見張りを」王世均はすでにつけていると報告すると、そこへ趙鴻伍が飛び込んできた。「王継高からです、沈家がクラウディへ電報を頼んだと、クラウディには送信していません」「王継高には3千両振り込んだわ、沈家に返事を送れば5千両を渡すと伝えて」翌朝、日昌和に貼票の換金の客がやって来た。確かに満期を過ぎていたが、沈四海は時間稼ぎのため担当者がいないと断って追い返すよう指示する。しかし期待していたクラウディから予想外の返事が来た。手持ちの銀子がないため今は支払えず、しかも今年は欧州の生糸が豊作で顧客が減ったため、200袋で十分だという。その頃、店の前では換金を断られた客が日昌和の貼票を値引きして売り始めていた。やがて換金できないのは潰れる前触れだと噂になり、換金を求める客が店に殺到してしまう。沈四海はともかくかき集めた銀子で換金を認めたが、ただし手続きを引き延ばし、未時で店を閉めろと命じた。沈四海はもはや杜明礼を頼るしかないと決めた。そこへ日昌和が危ないと知った杜明礼が現れ、郡王が預けた金を返せという。驚いた沈四海は何者かが自分たちを陥れ、日昌和を潰そうとしていると説明した。挽回するには郡王の力が必要で、確か資金繰りに窮した時には戸部から銀子を都合してくれる約束だという。しかし杜明礼はしらばくれ、郡王の銀子を返せの一点張りだった。「ないものはない!」沈四海は声を荒げ、見れば分かる通り換金も払うと見せかけて引き延ばしているだけだと苛立つ。すると査坤(サコン)が沈四海の胸ぐらをつかみ、実力行使に出た。「まず銀子を出せ」「王爺から預かったのは10万両です、だが我々には8千両しか…」「あるだけ出せ!」沈四海は仕方なく蒲番頭に命じて杜明礼に銀子を渡した。沈四海の行動は周瑩に筒抜けだった。その夜、王世均は周瑩に沈四海が店を出た後、日昌和と取り引きのある銭荘3軒を回ったと報告する。そのうち天成亨(テンセイキョウ)と宝豊隆(ホウホウリュウ)は呉家とも取り引きがあった。 天成亨には預金があり、宝豊隆には顧客の口座も多い。しかし正通銀号(セイツウギンゴウ)は日昌和と同様に貼票を発行していた。「好都合ね…」なかなか寝付けなかった沈四海は、ふと中庭に出て屋敷を見回した。すると夫人が気づいて外へやって来る。沈四海は明日を乗り切ったら黒幕を暴いて返り討ちにすると安心させた。「乗り切れますか?」「天成亨・宝豊隆・正通銀号ともに融資してくれた 銀子が届くのは明日だが、届きさえすれば必ず乗り切れる」「何よりです…老爺、明日どうなろうと私がいます、家もあります」「夫人…今までお前に幸せを与えられず、不安にばかりさせていた、すまない」「老爺、水臭い」沈四海はようやく気づいた。命を減らすような日々に何の意味があるのか、巨額の銀子を稼いでも、自分の苦労に見合うのかと。すると夫人は家族が一緒に暮らすことが何より大事だと言った。つづく(´・(ェ)・)沈パパも改心したけど…間に合うかしら…
2020.04.11
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第67話「呉家一族の絆」心臓の発作で倒れた呉蔚武(ゴイブ)はもはや手の施しようがなかった。家族たちに見守られながら必死に何かを訴えようとする呉蔚武、その様子を見た呉蔚全(ゴイゼン)は周瑩(シュウエイ)を呼んでいると気づく。周瑩は急いで枕元へ駆け寄ったが、呉蔚武は話すこともままならなかった。しかし周瑩は叔父の思いを察し、呉沢(ゴタク)のことなら全力で守ると伝える。すると安堵した呉蔚武はうっすら笑みを浮かべ、そのまま息を引き取った。一方、杜明礼(トメイレイ)は沈四海(シンシカイ)を呼び出し、沈星移(シンセイイ)が相変わらず精力的に変法を広めていると追及した。すると沈四海は星移とは縁を切ったゆえ、杜明礼の好きなようにしてくれという。そうは言いながら付け届けを渡し、息子を守ることを忘れなかった。(^ꇴ^)トメさんカイさんその頃、正宜(セイギ)学堂の沈星移は沈家の家職・霍鑫(カクキン)から隆昇和(リュウショウワ)の仕訳帳を受け取っていた。「老爺が内密に渡すようにと…前々から老爺は隆昇和と手を切りたがっていたのです」星移は父が頭では分かっていながら、決断する勇気がないのだと気づいた。呉沢は喪にも服さず、帰京することになった。驚いた周瑩は馬車に乗り込もうとする呉沢を止め、急に帰る必要がるのか尋ねる。すると呉沢は今が変法の最も大事な時期だと訴え、皇帝の力にならなければならないと言った。周瑩は盲目的な呉沢を心配し、多くの人が変法に反対していると伝える。呉沢もすでに分かっていたが、無知な民はともかく、趙白石(チョウハクセキ)や沈星移でさえ、自分と一線を画すと嘆いた。「なら考えてみて、自分のやり方が正しいかどうか」周瑩は焦りは禁物だと忠告したが、呉沢は全て国と民のためだと思い込み、耳を貸さなかった。趙白石が正宜学堂を訪ねると、沈星移は荷造りしていた。呉沢たちのような詔だけで情勢を変えようとするやり方では失敗に終わると見切りをつけたという。趙白石は忠告に来たつもりだったが、そんな心配はいらなかったようだと笑った。しかし沈星移は場所を変え、また学堂を開くという。国を一新するなら数年の教育では足りない、30年以上は必要だ。すでに正宜学堂は人に頼んだが、ただ作りかけの女子堂が棚上げになるのは残念だという。すると沈星移は頼まれていた隆昇和の仕訳帳を渡した。趙白石は感謝して帰ることにしたが、ふと思い出して足を止める。「お前にひとつ、伝えることがある、周瑩の死罪が決まった時、牢で伝言を頼まれていた ″来世があるなら、あなたの妻となり、生涯、添い遂げる″と…」沈星移はようやく手に入れた周瑩の真心を踏みにじることになった。祖母の危篤で帰国した沈星移、すると祖母は呉家の寡婦と結ばれてはいけないと遺言を残してこの世を去る。沈四海も星移が周瑩のために死にかけ、そんな息子を救うために沈家は家財の大半を投げ打ったと話した。確かに沈家は呉家に負い目があったが、これで両家の怨恨は断ち切れたという。すると沈四海はこれでもまだ星移があの寡婦と関係を続けると言うなら、郡王に頼んで呉家を潰すと脅していた。沈星移は物陰から母の後ろ姿に別れを告げ、涇陽(ケイヨウ)を去った。その船を周瑩は埠頭で見守っている。「道中気をつけて…」1989年、9月21日の早朝、西太后は光緒(コウショ)帝を軟禁して訓政を行い、103日にわたる維新運動は失敗に終わる。こうして皇太后と郡王は権勢を取り戻し、趙白石も巡撫(ジュンブ)に返り咲いた。周瑩の織物工場は無事に操業の日を迎えた。しかし突然、役人が現れ、工場は閉鎖されてしまう。「涇陽織物工場は呉沢主導で建設され、朝廷の政策に反し、秩序を乱すゆえ、封鎖を命ずる」驚いた周瑩は慌てて趙白石を訪ねた。皇太后は変法を口実にして民を煽った者たちを捕縛し、その蔓延を防ぐよう詔を出していた。すでに6人が斬首され、同党の者の手配書も出回っていたが、その中には呉沢の名前もあるという。実は涇陽織物工場が呉沢の変法の手本だったと密告があり、残存勢力を取り除こうと工場を封鎖したのだ。しかし周瑩は呉沢に工場が変法を借りての売名行為だと罵られたことを思い出し、自分を告発する奏上を出すと息巻いていたと話す。すると趙白石はその奏上があれば織物工場を救えるかもしれないと気づいた。それにしても呉沢はどうしているのか。周瑩は何か分かったら知らせると約束して帰った。その夜、韓三春(カンサンシュン)が慌てて周瑩を呼びに来た。何事かと思えば、呉家東院のまき小屋にお尋ね者となった呉沢が隠れている。ともかく周瑩はそのまま呉沢をかくまった。しかし翌朝、県令が西院を捜索したと知らせが来る。「次は東院です」そこですぐ呉沢を逃がそうと門へ向かったが、運悪く県令はもう門の前にいた。仕方なく周瑩は再び呉沢を屋敷へ戻し…。高文登(コウブント)が官兵を引き連れ、呉家東院にやって来た。周瑩は客間に駆けつけ、出迎えもせずに申し訳なかったと謝罪する。すると高大人(ダーレン)はこの付近で呉沢の目撃談があったと言った。周瑩は確かにここへ来たと認めたが、少し話した後、父親の墓の前で泣いて夜明け前には出発したと嘘をつく。しかし高大人は東院の者を全員、中庭に集めろと命じた。高大人はまず全員を右側に集め、給金の帳簿を持って来るよう命じた。これから帳簿上の名前を読み上げたら、呼ばれた者は左側へ移動しろという。こうして1人、また1人と呼ばれたが、結局、怪しい人物は見つからなかった。周瑩はこれで信じてもらえたはずだと話しながら、それとなく趙鴻伍(チョウコウゴ)と王二虎(オウニコ)に目配せする。「せっかくお越し頂いたので何か贈らせてください、私からのささやかな気持ちです」そこで趙鴻伍と王二虎がザル一杯の銅銭を運んできた。するとわざと転んで銅銭をぶちまけてしまう。官兵たちは思わず銅銭に群がり、その間に官兵になりすましていた呉沢は物置小屋へ戻った。県令たちは引き揚げていったが、周瑩はいずれかくまっていることがバレると分かっていた。しかし街中に呉沢の人相書きがあり、涇陽の城門には官兵が張り付いて検査しているという。埠頭も山の関所も封鎖され、もはや呉沢を逃がす手立てがなかった。高文登は趙白石に呉沢に逃げられたと報告した。呉家東院、中院、西院、しらみつぶしに捜索したが、見つからなかったという。帳簿にある名前と本人を見比べてみても、変装している者はいなかった。しかし杜明礼は関所で目撃されていない以上、まだ涇陽にいると断言する。「私があなたなら周瑩を見張ります」杜明礼はこれで周瑩が隠避(インピ)の罪で捕まれば織物工場が完全に閉鎖され、郡王にも趙白石の誠意を示せると言った。周瑩は珍しく春杏(シュンキョウ)以外の侍女を連れて馬車に乗った。そして途中で盛隆全(セイリュウゼン)に立ち寄り、積荷の薬材を引き取って埠頭へ向かう。その情報はすぐ巡撫に届いた。趙白石は早速、埠頭へ向かうことにしたが、杜明礼は念のため査坤(サコン)を同行させる。その頃、埠頭では官吏が検査のため周瑩たちの積荷を止めていた。しかし積荷は王府が注文した特製の薬剤のため、検品後に封じた箱は王府の許可なく開封できないという。「この封印紙が破られたら王府から責任を追求されます」仕方なく官吏は荷物を認めたが、そこへ突然、趙白石が現れた。趙白石は積荷を確認すると言い出した。驚いた周瑩は光に当たると貴重な薬剤の効果が薄れると訴え、頑なに拒否する。そこで趙白石は周瑩を引っ張り、こっそり呉沢を引き渡せと言った。周瑩は呉沢を全力で守ると二叔父と約束したと教え、必ず守り抜くという。「お忘れなきよう、呉沢は漪妹妹の実の兄です」しかし趙白石は私情を挟まないと告げ、仕方なく周瑩の荷物を全て開けた。積荷の中は確かに薬剤だった。その時、埠頭に急報が届く。何者かが嵯峨(サガ)山の関所を抜けたというのだ。趙白石は周瑩が自分を埠頭におびき寄せ、その間に呉沢を逃したと気づく。「撤収だ!」こうして趙白石は兵を引き揚げ、埠頭を後にした。周瑩は侍女に扮していた呉沢を馬車から降ろし、着替えさせて船に乗せた。「趙大人と査坤が罠だと気づく頃にはもう陝西(センセイ)を出て安全な所にいるわ」周瑩はかつて池に沈められた時、呉沢が味方してくれた恩があると言った。ただし皇帝に味方するような真似はやめて欲しいと忠告する。しかし呉沢は結局、その忠告は聞けないと言って旅立った。Σ( ̄。 ̄ノ)ノ韓三春が屋敷に戻って来た。周瑩は急いで出迎えると、韓三春が500里も駆け回って趙白石たちを振り回したと知る。そこへいきなり趙白石が官兵を引き連れ乗り込んできた。すると趙白石は自ら周瑩を捕らえ、巡撫に収監してしまう。周瑩にしてやられた趙白石、しかし気がつくと、その見事な手腕に大笑いしていた。翌朝、趙白石が周瑩の牢にやって来た。実は呉沢の居宅で周瑩を弾劾する奏上が見つかり、これで織物工場と呉沢が無関係だと証明できるという。しかし趙白石は周瑩が逃したせいで呉沢は一生、追われる身になったと指摘した。自分に引き渡していれば命が保障された上に、数年の牢暮らしで済んだという。周瑩はそれでも家族を裏切れないと言った。つづく(^ꇴ^)初めて知る張さんの名前w埠頭までのシーンはカットされてましたが、多分、薬材を受け取っている時に呉沢と侍女が入れ替わったのだと思います
2020.04.10
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第66話「政治改革の余波」周瑩(シュウエイ)は名を変えて生きていた沈星移(シンセイイ)に思いの丈をぶつけ、夫婦になりたいと告白した。しかし拒絶され、疫病神だと罵られてしまう。周瑩の心はずたずたになり、あてもなく歩いているうち沈星移の墓にたどり着いた。翌朝、春杏(シュンキョウ)は寝所に周瑩の姿がないことに気づき、別院は大騒ぎになった。そこで手分けして探すことになり、懐先(カイセン)は春杏と屋敷を飛び出して行く。やがて2人は沈星移の墓に寄りかかって眠っている周瑩を見つけた。「にゃん!にゃん!早く起きて~あちこち探したんだよ?!」「懐先…」すると懐先は冷たくなった母の手をこすり、息を吹きかけて温めてやる。そんな息子の姿に周瑩は心を打たれ、母として前を向いて歩かねばならないと実感した。懐先は沈星移の正宜(セイギ)学堂に通い始めた。最近は至るところで学生たちが変法を訴え、沈星移も一度は死んだ身ながら、街に出て変法を広めている。そんな新式の学堂の噂は趙白石(チョウハクセキ)の耳にも届いた。そんな中、周瑩が織物工場を建設すると知った杜明礼(トメイレイ)が巡撫(ジュンブ)を訪ねた。もし工場が建てば機器織布局の利益に影響するため、郡王と敵対することになるという。そこで趙白石が自ら表に立って中止させるよう頼んだ。「王爺は趙大人と周瑩の間柄も熟知されています 趙大人が郡王の利益を顧みなければ、一体どう思われるか?」周瑩が工場の敷地を見学していると、趙白石がやって来た。「ここにいると聞いてな…実は杜明礼に建設を中止させろと脅された」「フフ…工場建設は機器織布局を潰して杜明礼から郡王の信頼を奪う狙いもあるの」「分かっている、それを予測して奴もあらゆる手で阻止して来るな」すると趙白石は巡撫の名で命令を下し、建設準備を禁じるつもりだと教えて帰って行った。沈四海(シンシカイ)は杜明礼に隆昇和(リュウショウワ)の第4半期の配当と帳簿を届けにやって来た。すると杜明礼が郡王の反対する変法について沈星移が演説したり、新聞を配っていると教える。沈四海は確かに息子は変法を推進しているが、皇帝の詔に従ってのことだと言った。しかし杜明礼は沈家の主人は郡王だという。「皇上ではありません」一方、趙白石は変法を勧める康卓文(コウタクブン)に興味を持ち、正宜学堂を訪ねた。そこでようやく康卓文の正体が沈星移と知る。趙白石はこの学童も郡王の意向なのかと牽制したが、星移は金にならない学童など郡王は気に入らないと失笑した。沈星移は実は日本に留学していた。その時、日本の強さが実は軍備ではなく教育だと知ったという。日本は識字率が高く、西洋の思想や知識を受け入れていた。星移は救国への道が険しいのは無能な上層部の腐敗と民衆の無知が要因だと気づく。そこで教育で国を救うため学堂を開いたのだ。趙白石は沈星移の志に感銘を受けたが、星移は郡王の手先にくら替えした趙白石に辛辣だった。中庭で遊んでいた懐先は母の義兄に気づき、挨拶に来てすぐ戻った。沈星移は趙白石が周瑩と義兄妹の契りを結んだと知って驚き、実は周瑩を救うために郡王の配下になったと知る。「周瑩はお前が生きていると知っているのか?」「…一度、会った」「では二人は…」「もう会う気はない、ところで何か用でも?」すると趙白石は今度こそ手を組んで杜明礼を排除しようと持ちかけた。実は周瑩が間もなく織物工場を建設するが、杜明礼が許すはずがない。二人はいずれ生死を賭けて戦うことになり、沈星移の協力が必要だと訴えた。「…俺は何をすれば?」欽差(キンサ)大臣・呉沢(ゴタク)は趙白石が工場建設の中止を命じたと知って巡撫に駆けつけた。「皇上が変法に熱心なのに時流に逆らうのか?!誰かの差し金なのか?!」激怒した呉沢は撤回せねば皇帝に奏上して趙白石を弾劾せねばならないと脅す。実は趙白石の目的はそれだった。「私は愚か者だ、見逃さないでくれ、皇上に私を訴えるのだ そして私の背後の人物を追及しろ、頼む、できるだけ早くだ」その夜、沈四海は学堂に息子を訪ねた。学堂長室には変法を推奨する檄(ゲキ)が山のように積まれている。ちょうど実家に顔を出そうと思っていた沈星移は、沈家と隆昇和の配当金の帳簿を借りたいと頼んだ。すると沈四海は拒否し、すぐ日本へ戻れという。郡王は変法に反対しており、星移が推進派だと分かれば命に関わるからだ。「当然です、変法の趣旨は民のための政(マツリゴト)です 議員設立や民権が実施されれば役所はすべての実権を失い、郡王の利益を脅かす」星移は変法が成功すれば郡王は権力を振るえなくなり、沈家も解放されると訴えた。しかし郡王の恐ろしさを目の当たりにした沈四海は危険すぎると怯え、決して許さないという。星移はそれでも国を救うためだと告げ、これだけは断じて譲れないと拒んだ。「沈家が2度と立ち上がれなくなるぞ!」「父上、これも民を苦しみから解放するためなのです すべての人が裕福になって自由に暮らし、平等に生き、尊厳を持てるようにしたい!」沈四海は星移の信念を知った。そしてついに自ら親子の縁を切ると告げ、帰ってしまう。呉沢の上奏もあり、皇帝は民間工場を阻止する官吏を叱責する詔を出した。その官吏の中にはもちろん趙白石の名前があったが、趙白石の黒幕まで叱責している。郡王も密命を出し、これで当面は工場の中止に誰も言及できなくなった。趙白石は周瑩に今のうちに準備を進めるよう勧め、実は沈星移に会ったと教える。しかし周瑩は星移との事はもう過去の事だと言った。沈星移は懐先に周瑩への荷物を託した。ただし自分からとは言わないよう頼む。懐先は母の書斎の机にそのまま置いておくと、周瑩は中を開けて驚いた。帳面には日本の産業に関わる新聞の切り抜きがびっしり張られ、注釈が書き込まれている。…30年前、日本は紡績の西洋機器を導入し始めた…工場建設と技術の普及はあらゆる変法推進の結果、数年で効果を上げ…日本は産業が盛んになり、国力は強まった…西洋の屈辱的な条約の撤廃だけでなく、国家主権を刷新…アジアならびに世界の強国になったのだしかし急進派の呉沢たちが成果を焦り、朝廷内でも変法に賛同していた官吏たちが次第に反感を持ち始めた。周瑩の工場もあと1ヶ月で正式な操業が可能となった。しかし呉沢は2ヶ月経っても目に見える変法の成果がなく、10日以内に操業しろと無理難題を押し付ける。周瑩は機械の設置もまだだと訴え、職人の養成や工程の調整もあると説明した。すると呉沢は15日までに操業できなければ、周瑩を告発すると脅して行ってしまう。呉蔚武(ゴイブ)は息子に激怒したが、急に胸の痛みで立ちくらみを起こした。周瑩は巡撫に助けを求めたが、趙白石も混乱を極めていた。陝西(センセイ)での人員削減は300人を超え、科挙の廃止で書生たちも混乱、次々と届く詔は溜まっていく一方だという。そこで趙白石は呉沢に直接、掛け合おうと決めた。趙白石は呉沢のあまりに強引なやり方に苦言を呈し、皆が奔走して疲れ切っていると現状を憂慮した。毎日10通以上の詔が届き、多方面に渡って自分でも処理し切れないほどだと言うのに、下級役人や民ならなおさらだろう。趙白石は法令の公布を見合わせて数を減らすよう提案したが、呉沢は聞く耳を持たなかった。「変法と言うものは全部が変わるからこそ意味があるのだぞ?」「3ヶ月以内に大混乱になる!」「大いに乱れればいい!」呉沢は大乱のあとに世は繁栄すると持論を展開した。驚いた趙白石は積年の問題を数日で解決できないと反論する。すると呉沢は疲労と怠慢を言い訳するなと叱責し、趙白石が勅命に逆らって変法を邪魔していると奏上することにした。趙白石が罷免された。これに怒った呉蔚武はすぐ息子を訪ね、変法をやめるよう説得する。このままでは今まで変法を訴えて悲惨な末路をたどった商鞅(ショウオウ)、呉起(ゴキ)、王安石(オウアンセキ)たちのようになってしまう。「科挙を廃止し無駄な役人を切る、事を起こし恨みを買い、趙白石のようないい役人を罷免する… 一体、何がやりたいのだ?!」しかし呉沢は父の話に耳を傾けず、趙白石は頑固で大局を知らないと批判し、罷免は正義のためだと断言した。「これが変法か?従わぬ者は排除するのと何ら変わらぬ!」呆然となる呉蔚武だったが、呉沢は父に追い打ちをかけた。もし織物工場の操業が間に合わなければ次は周瑩のことを奏状に書くという。これに逆上した呉蔚武は思い切り机を叩いたが、そのまま意識を失って倒れてしまう。つづく( ತ _ತ)呉沢…無駄に長く勉強したわね…〓お詫び〓65話のコメント、管理人の返信もろとも消してしまいましたたんたんと一緒に陰鉄を探す旅に出ます…探さないでください
2020.04.09
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第65話「愛よもう一度」光緒(コウショ)帝は国是を定める詔を下した。…この数年、国中の臣下が時勢を重んじ、富国と改革に努め、朕は近頃多くの詔を発した…特科を設け、武科制度を改め、兵数を減らし、大小の学堂を設立…そして諸大臣は無論、王公から庶民に至るまで、各自、意欲的に向上に努めるようこうして戊戌(ボジュツ)の変法が推し進められる中、西院の呉沢(ゴタク)が欽差(キンサ)大臣となって帰郷を果たした。変法を監督するために戻ってきた呉沢は、成果を見届けるまで帰らないつもりだという。呉家から四品(ホン)の官位を賜る高官が輩出され喜びに沸く周瑩(シュウエイ)たち、しかし呉蔚武(ゴイブ)は出世してすっかり様子が変わった息子に戸惑っていた。周瑩は変法で民が工場を立てることを奨励していると知り、早速、朝議で提案した。実は今や機器織布局は活気を失い、顧客や職人に探りを入れたところ、呉家が織物工場を作れば必ずくら替えすると断言したという。関中(カンチュウ)は昔から綿花の産地、涇陽(ケイヨウ)は洋布の商いの拠点、職人や商人たちの期待まであるなら、成功しないわけがない。しかし江福祺(コウフクキ)が工場の設立には銀30万両が必要だと話し、余剰金は15万両しかないと言った。周瑩は西洋人の銀行なら工場を抵当にして融資が受けられると教え、未来の工場を担保にするという。今や銭荘も西洋の銀行のやり方を真似て取引の幅を広げていた。すると次々と賛同者が手を挙げ、呉蔚全も賛成する。こうなっては呉蔚武も賛成せざるを得なくなり、工場建設が決まった。周瑩はまた英国の織物工場の本を見せてもらおうと、久しぶりに英国人宣教師・ジョゼフを訪ねた。するとジョセフは2日後に帰国すると教える。そこで周瑩はジョセフから本と世界地図を譲ってもらうと、若くして亡くなった夫にこの地図を見せたかったと漏らした。ジョセフは自分の薬の効果がなかったのかと驚いたが、周瑩は薬の効果はてき面だったと教える。「実は毒を盛られたの、ヒ素よ」「ヒ素か…私が薬を飲ませてやれたら命を救えたかも…」「無駄よ、鼻や口から血を流して一瞬で息絶えたから」「血を流した?いやいや、そんなはずはない、ヒ素は呼吸器系を侵して死に至る 血を流して亡くなったのなら胃腸が傷つけられたのだろう、ヒ素ではない」驚いた周瑩は屋敷に戻り、福来(フクライ)に呉聘(ゴヘイ)が死ぬ直前、どこに行ったのか聞いた。すると福来は陽柳居(ヨウリュウキョ)という店で隆昇和(リュウショウワ)の杜老板と会っていたという。周瑩は呉聘を殺した本当の犯人を知り、巡撫(ジュンブ)の趙白石(チョウハクセキ)を訪ねた。「呉聘はナツメ餅を食べる前に毒に侵されていたの」しかし周瑩は母となり、以前のように無謀な行動はしないという。「英気を養っておくわ、10年後に復習しても遅くはないから」周瑩が別院に戻ると、ちょうど鄭(テイ)氏が現れた。懐先(カイセン)が3日も学堂をさぼっていると文が来たという。驚いた周瑩は懐先の部屋へ駆けつけると、懐先はちょうど宿題していた。その頃、西院でも学堂をさぼった玉進(ギョクシン)と玉林(ギョクリ)がひざまずいていた。呉蔚全は激怒し、どちらが言い出したのか追求、すると玉林は咄嗟に懐先だと嘘をついてしまう。別院に呉蔚全がやって来た。周瑩は懐先を連れて出て来たが、呉蔚全はいきなり仕置棒で懐先を叩こうとする。この前の盗みも周瑩が大目に見たことから、厳しくしつけなければ後悔すると訴えた。驚いた周瑩は必死に懐先をかばい、盗みの件も懐先ではないという。呉蔚全は仕方なく引き下がることにしたが、甘やかせば将来、子に泣かされると捨て台詞を吐いて帰った。懐先は自分を信じてくれた母に感謝した。そこで実は学堂をさぼって別の講義を受けていたと白状する。実は梁(リョウ)先生のお決まりの講釈に嫌気が差し、玉林たちと別の学堂へ行っていた。その先生の講義は意外に面白く、1日だけのつもりが結局、3日も続けて通ってしまったという。「娘、新しい学堂に通ってはダメ?梁先生は良い先生だけど内容が時代遅れなんだ」周瑩はひとまず懐先と一緒に新しい学堂を見学してみることにした。正宜(セイギ)学堂では日本留学帰りの康卓文(コウタクブン)が演説しているという。周瑩は人だかりをかき分けて前に進んだが、そこにいたのは沈星移(シンセイイ)だった。講義が終わり、学生たちが役所へ向かうと、誰もいなくなった学堂で周瑩と沈星移は固く抱き合った。まさか沈星移が生きていたとは…。すると星移は1時後に川のほとりでと伝え、学生たちを追った。「娘?どうしたの?」懐先は泣いている母を見て心配する。「大丈夫よ、うれしいだけ」周瑩は上海に行く時に作った衣を引っ張り出してめかし込み、甘い再会になると期待した。しかし沈星移は2人の芸妓たちを呼んだ席で、楽しく酒を飲もうという。周瑩は何が起こっているのか分からなかった。沈星移の墓に埋葬されたのは重病の囚人だった。父が大金を払ったおかげで星移は罪を免れたが、身代わりを立てて死んだことにされ、釈放されたという。その後、日本に留学して戻らないつもりだったが、祖母が危篤となって郡王から帰国を許されていた。久しぶりに戻ってみると世間で変法が騒がれ、沈星移は興味が湧いて残ると決めたという。「奶奶を亡くしたのに、またお前と接触すれば両親が何をしでかすか… 周瑩、今は幸せだろう?細かいことは気にするな お前なら察しがつくだろう?耳障りな話を聞きたいのか? 私はお前のために犠牲を払って来た、死にも直面したが何とか生きている 本名は名乗れないが家には帰れるし…頼むからもう解放してくれ」沈星移は昔のことを蒸し返すなと訴え、無理なら会うのはこれきりだとあしらった。 周瑩は黄泉で沈星移に会えるよう、これまで早く死にたいと天に祈って来た。ところがやっと再会できた愛する人はまるで別人のようになっている。沈星移は今や月を見ながら酒さえ飲めれば幸せだと言った。すると深く失望した周瑩は怒りが収まらず、卓をひっくり返してしまう。「永遠に会わない方がよっぽど幸せだったわ!」周瑩は出て行った。不本意ながらも周瑩を傷つけた沈星移は芸妓たちを追い返し、日が落ちる頃に虚しくひとりで帰ることにする。しかし道すがら、突然、周瑩が現れた。「星移、私を娶ってちょうだい、必ず手に入れると宣言したでしょう?」あの頃は若すぎて星移の真心が理解できずに拒み続けたが、ようやく星移こそが一番、大切な人なのだと気づいたという。「星移…愛しているわ」星移は周瑩を突き放そうとするが、周瑩はあきらめきれず抱きついた。「もっと早く目覚めるべきだった…駆け落ちすればよかったと… 生きて再会できたのなら2度と離れたくない 別人のようでもいいわ、遊び人だって構わない、一緒になりましょう?あなたと添い遂げたいの もう一度、機会をちょうだい、やり直しましょう?お願いよ…」「…ごうら!」星移は周瑩の腕を振りほどいて怒鳴った。周瑩は星移が何を言っても出まかせに過ぎないと信用しなかった。仕方なく星移は心を鬼にして周瑩を愚弄する。「お前は生娘じゃないだろう?名家の令嬢か?娶れるわけない しょせんお前は侍女で寡婦だからな、どこの馬の骨だか分からない女だぞ?」「…何ですって?」「思い出せ、お前が沈家に来るなり私は父に打たれ、兄は何者かに殺されたよな? お前が呉家に行くと、老爺も少爺も亡くなった…変だと思わないか? 私は名を変えて生き延びられ幸運だと思っている、まだ私に取り憑くのか?」「何が…言いたいの?」「お前は疫病神だ」すると周瑩は思わず星移を引っ叩いた。「死んでたらよかったのに…」「墓に眠ってると思っておけ」周瑩は逆上して何度も星移の胸を叩きつけると、後悔すると捨て台詞を吐いて帰って行った。沈星移は周瑩の姿が見えなくなると、その場にへたり込んだ。ついに周瑩の心を手に入れたが、それに応えることは叶わない…。一方、周瑩はいつの間にか沈星移の墓にたどり着いていた。つづく( ತ _ತ)また謎の交信…w周瑩…分からないでもないけど…いや〜見てられなかったわ~それより梅ちゃーん( ๑≧ꇴ≦)
2020.04.08
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第64話「生きる理由」狼に追われる懐先(カイセン)と周瑩(シュウエイ)。2人は必死に逃げていたが、足をかまれた周瑩は次第に意識が遠くなり、やがて倒れて坂を転げ落ちてしまう。「娘!にゃーん!早く起きて!にゃーん!早く!」懐先は狼が周瑩に近づいてくることに気づき、必死に呼びかけた。…周瑩の前に呉聘(ゴヘイ)と周老四(シュウロウシ)が現れた周瑩は呉聘が迎えに来てくれたと喜び、手を伸ばす『手を貸して』呉聘は優しく微笑みながら手を差し伸べたが、結局、周瑩の手を握らずに引き返してしまう…狼が周瑩に迫っていた。懐先は周瑩を救うべく坂道を滑り降りると、松明を拾って無我夢中で振り回す。「にゃん!早く目を覚まして!」その時、周瑩はようやく気がついた。「懐先!1人で逃げて!早く!」「だめだ!娘と逃げるんだ!にゃんが死んだら僕はどうなるの?!」周瑩はふと思い出した。あの時、呉聘は男が生まれたら名前は懐先がいいと言った…。周瑩は目の前にいる子どもこそ懐先なのだと悟り、思わず息子に抱きついて狼から守る。そこへ2人を探していた韓三春(カンサンシュン)たちが駆けつけ、狼を矢で射抜いた。王世均は朝儀のため六椽(ロクテン)庁にやって来た。するとこれまで抜け殻のようだった周瑩が以前の活気ある商人に戻っている。王世均は思わず涙ぐみ、そんな顔を見られたくなくて慌てて出て行ってしまう。一方、鄭(テイ)氏も春杏(シュンキョウ)から周瑩の変化を聞いていた。恐らく周瑩は出て行くのを思い留まったのだろう。何より懐先が自分を命がけで守ってくれた周瑩を母と認め、跡取りとしての自覚を持ち始めていた。その頃、郡王の配下になった趙白石(チョウハクセキ)は陝西(センセイ)巡撫(ジュンブ)に返り咲いていた。再び涇陽(ケイヨウ)機器織布局の局長となった趙白石だったが、今回は杜明礼(トメイレイ)を副局長に任命する。しかし機器織布局は副局長が周瑩から楊世祥(ヨウセイショウ)の代になってから顧客が激減、工員も辞め、業績もじり貧になっていた。趙白石はそんな織布局を杜明礼に任せると決め、これで郡王も安心すると告げる。杜明礼はやけに物分かりのいい趙白石に戸惑いながらも、ありがたく拝命した。呉家にも趙白石が巡撫に返り咲いた知らせが届いた。周瑩は安堵したが、王世均が以外にも副局長が杜明礼だと教える。一方、西院でも知らせを聞いた呉蔚武(ゴイブ)と陳(チン)氏が娘婿の復職を喜んでいた。陳氏はこれで呉漪(ゴイ)のことも許してもらえると思ったが、呉蔚武は頑として娘などいないという。しかしこっそり娘に会っていた陳氏は、呉漪が身重で、もう産み月だと教えた。周瑩は趙白石が郡王の配下に入ったと知り、巡撫へ駆けつけた。まさか尊敬していた趙白石が栄華のために正義を捨てるとは…。しかし趙白石は本意ではないと言った。「嫌ならやめればいいじゃない?!」「そなたのためだ!」趙白石の変節は周瑩を助けるためだった。郡王の配下には武人や商人は多いが文官は少なく、渡りに船だったのだろう。郡王は呉家の銀子以外に趙白石を所望したという。趙白石は敬愛して来た張長清(チョウチョウセイ)も実は郡王や杜明礼と何ら変わりなかったと話し、これまで筋を通してきたつもりが、利用されたていただけだったと嘆いた。結局、どの派閥にいようと同じ、生き延びたければこだわりを捨てればいいという。「郡王のために働くのも悪くない… 劉秉璋(リュウヘイショウ)の罷免、李瀚章(リカンショウ)の弾劾、我が師の失脚まで、全て私の手柄だ」「何も知らずに、ごめんなさい」「こんな自分に嫌気が差すが後悔していない、少なくとも大切な人を守ることはできた」趙白石はむしろ周瑩に怒鳴られてホッとしたという。かつてのようにがむしゃらで無鉄砲な周瑩が戻って来たからだ。すると周瑩は中院の玉成(ギョクセイ)を養子に迎えたと報告し、懐先と名付けたと教える。「母親になったら考え方も急に変わったの ずい分と長い間、生きる意欲を失っていたけど、でも懐先がいるから頑張らなきゃ あの子と前に進まなきゃね…」周瑩は再び生きる理由を見つけたようだった。趙白石は周瑩を見送るため、戸を開けた。すると中庭にお腹の大きい呉漪の姿がある。実は趙白石が呉漪に周瑩が来たと知らせていた。「そなたに話したいことがあるそうだ…」しかし周瑩は目も合わさず、黙って帰ってしまう。呉漪を無視して屋敷に戻ったものの、周瑩はどこか後悔していた。そこで春杏に子供の衣の作り方を教えて欲しいと頼む。そんなある日、仁寿(ジンジュ)堂に帰って来た呉蔚武はそこで偶然、呉漪と鉢合わせになった。陳氏は呉漪の心臓が弱っているため、呉(ゴ)先生の診断を受けさせたくて呼んだと説明する。すると呉先生は血が足りぬまま出産を迎えると難産になると警告した。驚いた呉蔚武は娘を療養させるため、西院に住むことを認める。父の許しをもらった呉漪は思わず母に抱きつき、安堵の涙を流した。こうして呉漪は久しぶりに実家へ戻った。すると呉漪の寝台に可愛らしい赤子の服が置いてある。陳氏は周瑩が作ってくれたと教え、春杏の話では幾晩も寝ないで縫ったとか。また煎じ薬に使う当帰(トウキ)も甘粛(カンシュク)まで人をやり、一番、上等な物を買ってくれたという。呉漪は思いがけず周瑩の恩情に触れ、安心してお産を迎えることになったが…。いよいよ呉漪のお産が始まった。しかし難産で出血が激しく、知らせを聞いた周瑩は慌てて西院へ駆けつける。庭先で待っていた呉蔚武は残念ながら子供は助からなかったと報告した。また心臓に負担がかかった呉漪も、もはや手の施しようがないがないという。周瑩は呉漪の枕元に座って呼びかけると、虫の息となった呉漪がうっすらと目を開けた。「嫂子…私を許してくれる?本当にごめんなさい」「いいえ、私が悪いの、意地を張って…」「昔の私たちに戻れる?」「もちろん、昔のままよ…」周瑩は呉漪の手を握りしめた。すると安心したのか、呉漪は大きく深呼吸して笑みを浮かべる。「衣をありがとう…お裁縫は下手ね…フッ」呉漪は再び目を閉じた。驚いた周瑩が何度か呼びかけると、ふいにまた目を開ける。「嫂子…趙大人は?婚礼の申し込みにいつ来てくださるかしら?」「…すぐよ、もう西院の門に着いたわ」「彼は…本当に私のことが好きだと思う?」「趙大人も一目であなたを好きになったそうよ…」「…よかった…うれしい…」それが呉漪の最期の言葉となった。趙白石は呉漪の臨終に間に合わなかった。翌朝、周瑩は葬儀の準備のため趙白石を訪ねたが、趙白石は一番いい支度をしてやる以外に何も思いつかないという。「生きている間はいい思いをさせてやれなかった…何ひとつ」「大哥…自分を責めないで、漪妹妹も最期は微笑んで逝ったわ」すると趙白石は呉漪が自由奔放な周瑩に憧れていたと話し、実は呉聘と周瑩が理想の夫婦だったと教えた。周瑩も辛い過去など水に流し、もっと早く会いに来るべきだったと悔やむ。しかし誰が想像しただろうか、呉漪が突然、いなくなると…。周瑩は過去を取り戻す時間などたくさんあると思い、趙白石もこれからずっと一緒だと信じて疑わなかった。「人の世は無常ね、過ちは繰り返したくない…過ぎたことは忘れなくては」その頃、沈家の墓地に1人の男が現れた。外套を目深にかぶった男は沈星移(シンセイイ)の墓石を見ていたが、すぐに引き返していく…。つづく(꒦ິ⌑꒦ີ)漪めいめい〜管理人は良いことも悪いことも忘れちゃう派え?ボケてるのかって?違うわ!w ←まさかの1人ノリツッコミでも人間って嫌なことほど記憶に残っちゃうのよね〜これは生物としての機能だから仕方ない…何だそのまとめ( ̄▽ ̄;)
2020.04.07
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第63話「息子の教育」呉家東院の養子になった懐先(カイセン)は自分の部屋に案内されるなり大暴れ、周瑩が縫ってくれた布団を寝台から放り投げた。その夜、布団なしで寝ると啖呵を切った懐先だったが、やはり寒くて目が覚めてしまう。そこで箪笥からありったけの服を引っ張り出して布団代わりにした。しかしどうしても寒くて眠れず、結局、周瑩が縫ってくれた布団を拾い上げ、ようやく眠りに落ちる。すると放任しておくつもりだった周瑩も懐先を心配し、夜が更けるとこっそり様子を見に行った。同じ頃、療養中の呉漪(ゴイ)は激しく咳き込んで目を覚ましていた。すると書斎で寝ていた趙白石(チョウハクセキ)が現れ、水を飲ませてくれる。「…罪深き私に優しくしないでください」「私とて同罪だ…」趙白石は郡王の配下に入ったとは言えなかった。「今、私がやっていることを知ったら、君は失望するだろう」「どうしました?」しかし趙白石は話を中断し、これからは互いをいたわり合い、本物の夫婦になろうという。そして久しぶりに呉漪と一緒に横になった。呉漪は夫の身に何かあったと分かったが、趙白石は何か起こっても後悔しないという。「今後どうなろうと、あなたのおそばにいます」呉漪は夫の肩に手を乗せると、趙白石は黙って呉漪の手を握りしめた。翌朝、懐先が目を覚ますと、なぜか散らかし放題だった服が片付けられ、ちゃんと布団をかけて寝ていた。そこへ春杏(シュンキョウ)が起こしにやってきたが、聞き分けのない懐先に手こずらされる。しかし周瑩は朝から大騒ぎする懐先に仕置するわけでもなく、春杏に書斎へ連れて来いと言った。周瑩は懐先の前にずらりと本を並べ、まずは半時、読むよう命じた。その後、学堂へ行き、終わったらまた書斎へ戻れという。戻ったら王世均(オウセイキン)から帳簿の見方を教わり、学堂のない日は趙鴻伍(チョウコウゴ)が店を案内するというのだ。懐先は眠る時間がないと猛反発、すると周瑩は毎日、亥時に就寝、卯時3刻に起床だと教える。あまりの厳しさに懐先は呆然、その場に寝転んで中院に帰りたいと泣き出した。懐先は中院を訪ね、祖母の朱(シュ)氏を見つけて戻りたいと訴えた。「東院で何か嫌なことをされたのかい?」「僕にたくさん本を読ませようとするんだ!」「それはいいことじゃないの(笑」「それから将来は東院の看板を背負えって」「ぷっ、バカな子ね~もっと喜ばしいことじゃないの」結局、祖母にも中院に戻ることはあきらめろと言われ、東院へ帰るしかなかった。翌日、東院にまた呉漪から料理が届いた。しかし周瑩は返すよう指示する。すると王二虎(オウニコ)が現れ、学堂の梁(リョウ)先生から懐先が来ていないと連絡があったと報告した。学堂をサボって遊んで帰ってきた懐先は王二虎に捕まり、周瑩の前に引っ張り出された。すると周瑩は東院の家法で怠学1日につき竹打ち20回だと教える。懐先は思わず中院では5回だと訴えたが、周瑩はここは東院だと言って王二虎に仕置きを命じた。王二虎は袖に隠していた仕置棒を出し、懐先に手を出すよう告げる。しかし懐先は後ろ手にして拒否した。「怠学するなら仕置を覚悟すべきよ?」周瑩に挑発された懐先は竹打ちには慣れていると強がって手を出す。そこで王二虎は周瑩と目配せしながら仕置棒を大げさに振り上げると、懐先は悲鳴を上げた。「誰かーっ!助けてーっ!」「待って!」周瑩は王二虎を止めると、痛みが分かっているなら今回は許すと言った。見逃してもらった懐先は困惑し、母なら許さないとこぼす。すると春杏は母は周瑩だと叱った。その夜、周瑩は思い出の木に登って物思いにふけっていた。すると偶然、東院から逃げ出そうとした懐先が荷物を背負って登って来る。「塀を乗り越えるの?その登り方では無理よ?そこに左足をかけ、右足はここにかけるの そして塀を伝い、あの外の木に飛び移ればいいわ」「…やったことがあるの?」「いいえ、ある人が越えるのを見たの」周瑩は沈星移(シンセイイ)がこの木から東院に忍び込んだ日のことを思い出していた。そこで周瑩は中院に戻らず、東院にいて欲しいと懐先に頼む。子供がいれば東院も活気づき、それに年を取った鄭(テイ)氏も孤独を感じなくなるだろう。「私のことだけど…気にしないで、もうすぐ出て行くから」「どこへ行くの?」「まだ決めていない、でもここにはいられないの… みんないなくなった、私1人ここにいても何の意味もないわ」周瑩は急に涙があふれ出し、慌てて袖で拭った。すると驚いた懐先が周瑩のことを嫌いではないと言ってくれる。「僕にとても優しいから」「そう?」「勉強も嫌いじゃないけど、無理強いされるのが嫌なんだ」「仕方ないの、あなたを立派な跡継ぎにしなければ私は出て行けない」そこで周瑩は学堂へ行って勉強すると約束すれば、遊ぶ時間をあげると条件を出す。懐先は了承し、ひとまず東院に残ることにした。翌日、学堂の休み時間、玉林(ギョクリン)は玉成(ギョクセイ)に周瑩を怒らせたか聞いた。しかし懐先は暴れても別に怒られないという。そこで玉林はもっと嫌われる方法を教えてやると言ったが、懐先は東院も悪くないと断った。玉林は玉成を追い出すことに失敗し、別の策を講じた。そこで玉成に会いに来たという口実で鄭氏に挨拶に向かうと、その後、懐先の部屋を訪ねる。一方、玉成が真面目に学堂へ通っていると知った呉蔚全(ゴイゼン)と朱氏は、周瑩のしつけが上手いと感心していた。そんなある日、懐先の部屋の寝台の下から金仏(カナブツ)が出てきた。春杏が見つけた金仏を見た張(チョウ)媽は鄭氏が探していたものだと気づいて困惑する。そこで学堂帰りの懐先を捕まえて夫人房へ連れて行った。しかし懐先は金仏など見たことないと反発し、濡れ衣だと訴える。鄭氏は罪を認めない懐先に憤慨、手癖が悪いと分かっていたら養子にしなかったと言った。「僕だってごめんだよ!」「何て言い草なの?!」呆れた鄭氏はすぐ呉蔚全を呼び、中院にこの親不孝者を返すと決めた。「間違えを認めない子は追い出すまでよ」「自分で出て行くさ!」懐先は学童のかばんを捨て、部屋を飛び出してしまう。一方、王世均は店を見回っていた周瑩に懐先用の椅子を見せた。これを各店に置けば懐先も帳簿の勉強ができるという。「少奶奶の性格なら分かっています ある日、突然、出て行くでしょうから必要なことは今、話しておきます 少奶奶?私が呉家を守るのでどうかご安心を、もし帰って来たくなったらいつでもどうぞ ここは何も変わりません、私も、仲間たちも、あなたの帰りを待っています」周瑩は王世均が全てお見通しなのだと分かった。周瑩が屋敷に帰ると、懐先が出て行ったきり戻って来ないと聞いた。その時、懐先がいないと知った呉蔚全と朱氏が駆けつけ、なぜこんな騒ぎになったのかと責められてしまう。周瑩はともかく手分けして懐先を探すよう命じ、自ら松明を片手に山へ入った。すると山道で懐先の履物を見つける。やがて周瑩は狼に追われ、木の上に避難した懐先を見つけた。周瑩は松明で狼を追い払い、懐先の無事を確認して安堵する。しかし再び狼が現れ、周瑩は懐先を連れて逃げ出した。周瑩は高台に逃げることにした。そこで懐先を先に登らせていたが、飛びかかって来た狼に足を噛まれてしまう。「私に構わず早く逃げなさい」「にゃーん!早く!」懐先は周瑩を置き去りにできず、必死に手を引っ張った。やがて狼は急な坂道を登りきれずにあきらめ、周瑩たちは難を逃れる。しかし狼はまだ下の道を走って追いかけて来た。懐先は周瑩の手を引っ張り、懸命に走っていたが、やがて周瑩が倒れ、坂を転げ落ちてしまう。「にゃーん!」つづく
2020.04.05
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第62話「養子選び」周瑩(シュウエイ)は呉家の孫世代から養子を選ぶことになった。しかし甥たちとはたまにしか会ったことがなく、誰を選べばいいのか皆目見当もつかない。そこで鄭(テイ)氏は5人の孫たちを東院に呼んで、腕比べさせることにした。西院の呉蔚武(ゴイブ)には玉勝(ギョクショウ)と玉同(ギョクドウ)が、中院の呉蔚全(ゴイゼン)には玉進(ギョクシン)、玉林(ギョクリン)、玉成(ギョクセイ)がいた。玉勝は養子に選ばれる自信があったが、陳(チン)氏は一番年上なので難しいかもしれないという。一方、中院の3人は養子など興味がなかった。できれば辞退したいところだが、祖父が許してくれそうにない。特に一番年下の玉成は兄たちに養子に行きたくないと訴え、腕くらべより2日後に孵化する小斑鳩(コイカル)の卵が盗まれないか心配していた。腕くらべ当日、まずは王世均(オウセイキン)が″商いの道″という題目で作文を書かせた。子供たちは皆、良く書けていたが、そんな中、玉成だけは絵を描いてしまう。呉蔚全は不真面目な玉成を叱りつけると、玉成は養子になどなりたくないと訴えた。しかし玉成の絵を見た周瑩は、子供には子供のやり方があると理解を示し、次のお題に移る。次は江福祺(コウフクキ)の計算問題だった。「私は銀8両で鶏1羽を買い9両で売りました それを10両で買い戻し、また11両で売りました、私はいくら稼ぎましたか」正解したのは玉林と玉進だったが、玉成はまたしても数字ではなく文字を書いた。「″江先生、君はおしまいだ″…どう言う意味ですか?」「鶏に8両も使うなんて、僕が主人なら江先生をクビにする!」周瑩は思わず失笑し、いよいよ最後のお題になった。すると趙鴻伍(チョウコウゴ)が皆に銀子を20両ずつ渡し、2時間以内に使い切りるよう指示する。この銀子を最も有効に使った人が勝者だ。街に出た子供たちはのどが渇いたと訴え、年長である玉勝が冷茶をおごってやることにした。すると玉林は自分の冷茶に何かを入れ、玉勝に前に置く。玉勝は気づいていたが、知らないふりをして飲み干し、ここで別れて買い物を始めようと言った。その時、玉成がお願いがあると引き止める。実は自分の20両を分けてみんなで使って欲しいと言うのだ。そこで4人は5両ずつもらうと、玉成は小斑鳩の雛を見てくると言って帰ってしまう。最初に戻って来たのは玉林だった。玉林は20両で腕輪を買い、別の店で80両で売っていたと告げる。「それに玉は時間がたつほど価値が出ます、2年後には200両で売れるかと…」確かに玉林には目利きの才があるようだった。次に戻ったのは玉進だった。玉進は薬材でも値が高騰している人参(ニンジン)と当帰(トウキ)を買って来たという。今買えば当然、損するが、玉進は顔色が悪くて痩せてしまった周瑩のために買ったと言った。鄭(テイ)氏は何と優しい子なのかと感激し、周瑩も顔がほころぶ。そこへようやく玉同が駆け込んで来た。しかし買って来たのはおもちゃやサンザシ飴、自分が楽しければ有効だという。すると張(チョウ)媽は思わず散財ぶりが誰かに似ていると笑った。なぜかしっかり者の玉勝が遅れて戻ってきた。急な腹痛で何度も厠へ駆け込んだという。そんな玉勝が買ったのは馬草だった。涇陽(ケイヨウ)では馬草が安いが、興平(コウヘイ)で売れば3両は稼げるからだ。すると玉勝はまた腹が痛くなり、慌てて厠へ向かった。玉成はなかなか戻って来なかった。やがて韓三春(カンサンシュン)が玉成を抱いて連れて来たが、よその子供と喧嘩していたという。呉蔚全は喧嘩と聞いて驚き、何があったのか聞いた。「小斑鳩の雛を食べられた!せっかく生まれたのに…」Σ( ̄。 ̄ノ)ノ 食べた?!「勝ち目のないケンカはするな!」「負けても戦う!」すると趙鴻伍は20両で何か買えたか聞いた。しかし玉成はみんなの買い物が終わったなら自分の分を使い切ったという。「有効に使ったよ?僕の銀子ならみんなに分担してもらった」呉蔚全と朱(シュ)氏は孫の失態に怒り心頭だったが、ともかくこれで腕比べは終わった。玉成はのんきに玉同からもらったサンザシ飴を食べていた。すると周瑩が驚いたことに玉成を東院の養子にすると発表する。喜んだ朱氏は玉成からいきなりサンザシ飴を取り上げると、早く周瑩を母上と呼ぶよう強要した。何が何だか分からなかった玉成だったが、自分が養子に選ばれたと知る。「うわーん!嫌だ~!養子になりたくない!勘弁して~!うわーん!」呉蔚武は納得がいかなかった。腕比べでは優れた者が選ばれるはず、玉成はすべてのお題で一番劣っていたという。しかし周瑩は玉成に常識外れな天性の才能があると言った。「玉成は作文で絵を描きました 大きな木の下に家族が集まっている絵は、自分が大木になり家族を守るという意思の表れ つまり善良で責任感が強い、商人の基本です 計算問題でも玉成の答えは不正解とも取れます、でも人並み外れた見識を備えているとも言える 独創的な発想は商人に欠かせません 最後のお題で4人は物にお金を使いましたが、玉成は人にお金を使ったのです まだ幼いのに人を使うなんて驚きでした」こうして周瑩は枠にとらわれず能力を発揮した玉成を選んだ。玉成が養子を嫌がっていることも分かったが、周瑩は腕比べに参加した以上、今さら後戻りはできないと告げる。「これは″母″からの最初の教訓よ、この世の大半のことは思い通りにならない 受け入れるしかないの」鄭氏や春杏(シュンアン)は周瑩の様子が変わったと感じ、これで東院に残ってくれると期待した。中院に戻った玉成は物陰でひとり涙に暮れた。偶然、通りかかった玉林は東院に行きたくないと訴える弟のため、思い切り暴れて周瑩を怒らせればいいと吹き込む。そうすれば周瑩の気が変わって中院に戻れると言うのだ。春杏は夜更けになっても灯りがついている書斎に向かった。すると周瑩が玉成に学ばせる書物を選んでいる。「これが1年目、これが2年目、3年目、この帳簿も…学ぶべき所に印をつけたわ」「慌てなくてもまだ先のことです、ふふ」「出て行くから悠長にしていられない …玉成が早く独り立ちできるよう、お膳立てしてやれば安心して去れる」春杏は周瑩が本当に出て行くつもりだと知り、落胆した。翌朝、玉成が東院へ越してきた。春杏は使われなくなって久しい学徒房へ玉成を連れて行くと、そこで周瑩が待っている。「ひざまずいて…私にではなく関羽(カンウ)像に向かって」像の横には大きく″誠″と″信″の字が刻まれていた。周瑩は第3話で呉蔚文(ゴイブン)から教え込まれた通り、玉成にも戒めを教え込む。「″誠″とは確かな品で正しい値であり、″信″とは高い信用と名誉よ!」すると周瑩は最後に新しい名前を授けると言った。「今日からあなたは″懐先(カイセン)″、字(アザナ)は″念昔(ネンセキ)″よ」「ヤダヤダヤダヤダーッ!名前は変えたくない!」しかし周瑩は無視して帰ってしまう。懷先は自分の部屋に案内されるなり暴れ出した。裁縫が苦手な周瑩が自ら縫った布団も寝台の外へ投げ捨ててしまう。春杏は手こずったが、そこへ周瑩が現れた。「懷先?今夜、布団なしで寝るの?」「なしでも寝てやる!」「好きにして」すると周瑩は出て行ってしまう。春杏はなぜ玉成を選んだのか分からなかった。他にも利口で素直な子がたくさんいたのに…。「懷先は誰かに似ていると思わない?昔、この東院にいたわ 懷先と同じようにここから出て行くことばかり考えてた」「言われてみれば…東院に来た頃の少奶奶に似ています」「私だけじゃない…」「四叔?」「まだいるわ…」しかし周瑩は名前を出さなかった。つづく(TㅅT)学徒房のシーン、泣けたわ〜
2020.04.03
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第61話「絶望のどん底」周瑩(シュウエイ)は沈星移(シンセイイ)を失ってから商売にも身が入らず、まるで抜け殻のようだった。別院には呉漪(ゴイ)から好物のひょうたん鶏が届いたが、周瑩はそのまま返してしまう。一方、周瑩を救うため郡王の配下に入った趙白石(チョウハクセキ)は都に呼ばれていた。すると郡王の幕僚・文(ブン)先生から杜明礼に留意して欲しいと指示される。実はここ数年、杜明礼から上がって来る収益が激減していた。呉家では陝西(センセイ)で最も売れている一座を招き、一族で京劇を楽しんでいた。すると周瑩は座長が演じる李慧娘(リケイジョウ)の歌を聴いているうち、急に沈星移が踊っているような錯覚に陥る。驚いて思わず席を立つと、まるで沈星移と2人だけの世界にいるような白昼夢を見た。しかしふと目が覚めると現実に引き戻され、周瑩は悲しみに堪え切れず、出て行ってしまう。↓女装した沈星移とかぶるのね~と思いきや、こっちに寄せてきたか!w周瑩は水廊でひとりたたずんでいた。そこへ出番を終えた座長が現れる。「夫人は途中で席を立たれましたが、私の歌が良くなかったのでしょうか?」「いいえ、素晴らしかったわ、私が勝手に李慧娘に同情して悲しくなっただけよ…」「私が演じる物語にご自分を重ね合わせたのですね」すると周瑩はふと思い出した。「あなたの演技を見たのは十数年前、あの頃は義父や呉聘(ゴヘイ)もいて、彼も生きていた 当時の私は怖いもの知らずの小娘だったわ…そう、私が呉聘に嫁いだ侍女なの」座長もその時の騒ぎをよく覚えていた。「2回目に舞台を見た時、呉聘は亡き人に…」「あれは六椽(ロクテン)庁でしたね」「そしてみんな…いなくなった、今日は私1人で舞台を見ることに…」「永遠に変わらぬものはない、人生は悲喜こもごも、月の満ち欠けと同じです」「でもどうしてなの?みんな逝ってしまった…私だけを残して」その頃、鄭(テイ)氏は千紅(センコウ)の席まで赴き、周瑩を励まして欲しいと頼んでいた。千紅は自分の励ましでは不興を買うと遠慮したが、鄭氏は周瑩が立ち直るなら構わないという。こうしてわだかまりがあった2人は思いがけず並んで舞台を見ることになった。千紅が別院を訪ねると、周瑩は雪が舞う庭でひとりしゃがみ込んでいた。そこで自分なりに発破をかけたが、かえって周瑩を追い詰めてしまう。「まだ沈星移のことを?自業自得よ?彼が生きてた頃は冷たくあしらってたくせに 今さら恋しがってもどうしようもないわ」千紅は後悔しているなら性格を改め、今度こそ心がときめく相手に出会ったら、妙な意地など張るなと助言した。しかし周瑩は呉聘と沈星移を亡くした今、心を完全に失ったという。「もう誰にもときめかないわ…」何を言っても周瑩の絶望は変わらず、千紅はあきれて叱咤した。「そんな陰気な面構えじゃ、関わる男はみんな死ぬかもね!沈星移と一緒に!」千紅はこれで周瑩も言い返すと思ったが、黙ったままだった。←一番やっちゃダメなヤツw千紅は鄭氏を訪ね、自分なりに励ましたが周瑩は相変わらず意気消沈していると報告した。そこで言い聞かせるより人が必要だと助言する。周瑩は呉聘を失って打ちのめされたが、沈星移のおかげで立ち直ったのだろう。今回も同じように男の人をあてがえばいいのだ。鄭氏が思わず黙り込むと、千紅はやはり聞くに堪えない話だったかとぼやく。しかし鄭氏はふと千紅の言う通りだと言った。「本当に周瑩を立ち直らせてくれる人なら願ってもない、でも、そう簡単には…」すると話を聞いていた張(チョウ)媽がふいに思いついた。「夫人、必要なのは大人の男とは限りません…」張媽は周瑩が子供を宿したことがあると言った。一方、周瑩は中院を訪ねていた。周瑩は自分が疫病神かどうか占って欲しいと頼み、呉蔚全(ゴイゼン)と夫人・朱(シュ)氏を唖然とさせる。「私が疫病神だから東院に次々と災いが…呉聘が亡くなり、爹が亡くなり、東院は没落した… なぜ私の爹や沈少爺まで死んでしまったんです?」呉蔚全と朱氏は皆の死と周瑩は関係ないと否定したが、周瑩は自分でもいずれ中院にまで災いが降りかかることが分かると警告した。「お願いですから占ってください、どうすれば私という厄難をはらえるか…」「周瑩、正直に話そう、お前が投獄された時、もう2度と卦(カ)を立てぬと誓ったのだ 私を信じろ、この世に疫病神などおらぬ」周瑩は結局、心が晴れないまま帰って行った。趙白石が都から戻った。しかし呉漪には世話をさせず、そればかりか今日から書斎で寝るという。「安心しろ、離縁はしない、君は永遠に趙夫人だ…」呉漪は書斎を訪ねたが、趙白石は無視していた。すると呉漪は雪が激しくなった中庭にひざまずき、全てを告白する。「老爺、なぜ私が嫂子を陥れたか知っていますか?あなたの復職もそうですが、他にも理由が…」呉漪は周瑩に嫉妬し、憎んでいたと言った。確かに周瑩が呉家に来た当初は尊敬し、暇があれば訪ねたという。呉聘とも仲睦まじく、うらやましいと思うと同時に、自分も理想を抱くようになった。 「将来、私もあの2人のような夫婦になりたいと…その後、あなたに出会ったのです」その頃、書斎では趙白石が筆を置いて呉漪の話を聞いていた。呉漪は誘拐された自分を助けてくれた趙白石に恋をした。しかし兄がとりなしても、自ら告白しても応えてもらえず、途方に暮れたという。そんな時、周瑩が祖廟で永遠に嫁がないと誓いを立て、呉漪は偶然、趙白石が血が滲むほど手を握りしめていたのを見た。呉漪は趙白石の心にいるのが周瑩だと気づき、自分も心から血を流したという。「あなたは結ばれない運命でも彼女を諦めず、私の想いなど、まるで眼中になかったのです! …今だから正直に言います あの日、大哥の合格祝いに用意した料理の中に酔いを促す薬を入れました ←酒だと思ってた! あなたが酔うと、続けて媚薬も飲ませました…だから…あなたは間違いを起こしたのです」呉漪はこんな危険を冒してまで趙白石に嫁ぎたいと願い、結局、策は成功した。これから幸せな生活が待っている、そう思っていたが、すぐにそれが間違いだったと気づいたという。妻の座は得たが、趙白石の心は周瑩から離れなかったからだ。呉漪は趙白石が周瑩からもらった布を密かに肌身離さず持っていたことを知っていた。心から尽くせば変わるはず、強い意志があればいつか趙白石の心を動かせる、そう信じてきたが、結局、趙白石は周瑩を守るため恩師と袂を分かち、自分の家庭や前途すら犠牲にしてしまう。「私は絶望の中で、あなたの一途な心を思い知らされた 周瑩は何も悪くない…理性ではそう分かっていながら、彼女への憎しみが抑えきれなかった いっそのこと彼女が消えればいいと考えるように…そんな時、趙夫人にそそのかされたのです」呉漪は周瑩を窮地に追い込めば趙白石も周瑩に失望し、嫌悪すら抱くようになって愛も冷めると期待した。こうして道を踏み外し、最後は色々な人に大きな代償を払わせることになる。呉漪はこんな自分を永遠に許せないと嘆いたが、それでも趙白石を愛したことは後悔していないと言った。「たとえこの愛で身を滅ぼしても、自分自身を見失おうと、それでもあなたのことを…」そこで呉漪は倒れてしまう。呉漪の言葉が途切れ、心配した趙白石は中庭に飛び出した。趙白石は倒れた呉漪を腕に抱くと、呉漪はやっとあの日に戻れたという。「あの日も、こんな風に私を抱いてくれた…」すると趙白石はここまで自分を想ってくれていた呉漪が愛おしくなり、自分が悪かったと言った。「すべての原因が私にあるのなら、一緒に罪を背負おう」一方、思い詰めた周瑩は鄭氏を訪ねた。「にゃん…お願いがあります、呉家東院から出て行かせてください」「どうして?」「自分が疫病神に思えて仕方がないんです…私が呉家にいると、またみんなに迷惑をかけてしまう」「あなたは疫病神じゃないわっ!」「ではなぜ私の周りの人が次々と死ぬのですか? みんながいなくなって私だけ残っても意味がありません…」そこで鄭氏は出て行くなら1つ条件があると言った。東院には後継がいないため、周瑩に誰かを養子にして欲しいという。孫ができれば将来その子に東院を任せられるからだ。すると周瑩は了承した。「あなた自身が選ぶのよ?あなたのように東院の看板を背負っていける子を…」「…約束します、必ずいい子を選ぶと」鄭氏は西院の夫人・陳(チン)氏と中院の夫人・朱氏を呼び、孫の世代から養子をひとり欲しいと頼んだ。2人はもちろん賛成したが、東院の跡継ぎとあって思いがけず言い争いが始まってしまう。陳氏は当然、呉聘の葬儀で″孝子″を務めた玉勝(ギョクショウ)だと決めつければ、朱氏は呉聘に子がいなかったので代役を務めただけだと反論した。困惑した鄭氏は孫たち全員に資格があるとなだめたが、2人は怒ったまま帰ってしまう。つづく|ω・`)え…媚薬って…フリだと思ったら、本当に事が起こっていたとは…白石と呉漪はもう好きにしてって気がしてきた(笑そして危うし!トメさんとコンちゃんのへそくり!
2020.04.02
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第60話「何に代えても」沈四海(シンシカイ)は知らせを聞いてすぐ都へ向かい、杜明礼(トメイレイ)に箱一杯の賄賂を差し出した。一方、趙白石(チョウハクセキ)は刑部の旧友・庭敬(テイケイ)と接触、周瑩(シュウエイ)が″猶予付きの死罪″になったと知る。何でも上層部から″重罪を科してこそ世の戒めとなる″とお達しがあったとか。そこで趙白石は庭敬に何とか周瑩に合わせて欲しいと懇願した。趙白石は庭敬のツテで銀子を使い、周瑩との面会が叶った。「こんなことになったのも私のせいだ」趙白石は周瑩に出資させたことを後悔したが、周瑩はそもそも自分が東院に残ると決めたのが災いの種だったと吐露する。「死を前にして分かったんです、こうなったのも大志を抱いたせいだと…」周瑩は間違った世の中を自分なら変えられると思っていたが、いかに甘かったか身にしみていた。しかし趙白石は闇に打ち勝つ力が自分に足りなかったせいだと訴え、陥れた相手も手口も分かったのに罪をすすげないと自分に苛立つ。すると護身用の短刀を出し、戒めにいきなり自分の足を刺した。「夫人、刑の執行までまだ間がある、この刀に誓おう、必ず救い出すと…」「やめてください!もう十分です、私を救おうとした沈星移(シンセイイ)は生死すら不明です これ以上、友を失いたくない」趙白石は周瑩が自分を友と呼んでくれたことが嬉しかった。周瑩はこれが最期だと覚悟し、趙白石に義兄妹になって欲しいと頼んだ。「大哥と呼べたら本望です、ぁ…厚かましいお願いですね」趙白石の本当の気持ちを知らない周瑩は図々しい申し出だったと遠慮したが、その時、趙白石が拱手して誓いの言葉を告げる。「天の名の下に今日ここで周瑩と契りを交わし、義兄妹となる 生まれた日は違えども、同じ日に死すことを願わん この後は苦楽を共にせんと、ここに誓う」「地の名の下に趙白石と義兄妹の契りを交わす 同じ日に生まれることも、共に死ぬことも望まず ただ大哥の長く安らかんことを…大哥!」「小妹!」周瑩はすでに覚悟はできていたが、沈星移のことだけが心残りだった。すると趙白石は沈星移も杜明礼の罠にかかったと教える。しかし杜明礼たちの目的は財物のため、沈四海がすでに付け届けを渡しているはずだと教えた。周瑩は沈星移の無事を知って安堵し、来世は沈星移の妻になって一生添い遂げると伝言を託す。「必ず伝える…待っていろ!」涇陽(ケイヨウ)から駆けつけた呉蔚武(ゴイブ)と呉蔚全(ゴイゼン)は客桟で趙白石の帰りを待っていた。やがてようやく趙白石が現れ、実は張長清(チョウチョウセイ)が関わっていたと知る。すると呉漪(ゴイ)は自ら関与を告白した。慌てた趙白石は呉漪に下がるよう命じたが、呉漪はその場でひざまずいてしまう。「私のせいです、嫂子の部屋に偽の文を隠しました…」趙白石は咄嗟に自分を元の職に戻すとだまされたとかばったが、呉蔚武はこらえきれず娘を引っ叩いてしまう。「ひとまず命だけは助けてやる…どうしてくれよう!」呉蔚武の怒りは治らなかったが、趙白石はともかく周瑩を救うのが先だとなだめた。その頃、沈四海は杜明礼の計らいで郡王府にいた。平伏して謁見を待つ沈四海の前に現れた郡王、すると洋刀を抜いていきなり沈死海の頭に突きつける。「頭を上げよ」沈四海は恐る恐る頭をあげたが、郡王の洋刀はやがて沈四海の額を傷つけた。しかし郡王はそこで洋刀を離し、杜明礼は沈四海にお許しが出たのだと教える。沈四海は額から血を流しながら感謝していたが、結局、見えたのは郡王の足だけだった。郡王の許しをもらった沈四海は星移を救うため、都の銭荘(銀行)を回って金を工面した。一方、趙白石は呉蔚武と呉蔚全から銀票を受け取ったが、今の状況では付け届けを渡す手段がない。そこで杜明礼に目をつけた。趙白石は杜明礼の屋敷を見張っていた。そんなある日、郡王の機嫌も直って鼻歌交じりに帰って来た杜明礼の輿にいきなり趙白石が飛び乗り、短刀を突き付ける。「何の真似だ?」「このまま王府へ行け」趙白石は査坤(サコン)と似たような衣と剣を持っていた。趙白石は査坤のふりをしてまんまと王府にもぐりこんだ。しかし途中で文(ブン)先生と鉢合わせになる。杜明礼は直接、郡王の耳に入れたいことがあると説明しながら、密かに指で合図を送った。それを見た文先生は郡王を連れてくるので書斎で待つよう指示する。2人は書斎に入ったが、やがて侍衛たちが駆けつける声がした。趙白石は騙されたと知って杜明礼を殴りつけ、咄嗟に姿を隠す。そこへ知らせを聞いた郡王がやって来た。郡王は杜明礼に激怒し、その刺客は誰かと聞いた。すると梁(ハリ)に登っていた趙白石が飛び降り、自分だと告げる。郡王は目の前に現れた刺客に刺されると思ったが、趙白石は刀を置いて叩頭し、これが拝謁する唯一の手段だったと訴えた。「罰を受ける所存です、ただ周瑩だけはお助けください 呉家から郡王へは銀500万両と生糸の商い10年分の利益を…」趙白石が銀票と契約書を差し出すと、郡王は呉家の誠意は分かったと受け取った。「ただもう1つ欲しいものが…お前だ」趙白石の捨て身の策により周瑩はついに釈放された。刑部の外では趙白石が馬車を用意して待っている。「大哥、私のために何を?」「それは…聞くな、家に帰ろう」「大哥、あの人は?」「涇陽に戻ったら会いに行こう」周瑩はついに呉家に戻った。鄭(テイ)氏は両手を広げ娘を抱きしめると、もう大丈夫だと安心させる。すると周瑩は沈星移の姿を探して歩き始めた。一番後ろにいた呉蔚は周瑩の姿を見るとひざまずいたが、周瑩は何も言ってくれない。周瑩は趙白石の元へ引き返すと、趙白石はただ会いに行こうと言った。周瑩たちが出かけると、呉蔚武はひざまずいている呉漪の姿に気づいた。呉漪は父に許して欲しいと声をかけたが、呉蔚武はもう遅いと言う。「父上…」「私に娘はおらぬ…」趙白石は周瑩を連れて沈家の墓地に来た。「ひと月以上、前だった…獄中でおこり(マラリア)にかかり亡くなったのだ…」「嘘でしょう?」「沈四海自ら遺体を引き取って帰り、涇陽に葬ったとか」沈家は手を尽くし放免を待つばかりだったが、沈星移はその日を待たずして逝ってしまったという。「小妹…」「ひとりにさせて…私をひとりにして」周瑩は墓地の中でまだ新しい墓石を見つけた。そこには確かに沈星移の名前が彫られている。周瑩は崩れ落ちるように膝をつき、なぜ独りで逝ってしまったのかと泣き崩れた。「星移…どこへ行ったの…私を置いていかないで… お願いだからそばにいて、お願いよ、私の声が聞こえないの?」趙白石はどうすることもできず、ただ遠目から周瑩の悲しみに暮れる姿を見守っていた。沈家は涇陽・北京・上海に銭荘の日昌和(ニッショウワ)を開業した。呉家も手をこまねいていられないが、肝心の周瑩は人が変わったように商いに身が入らない。すると朝議を早々に話を切り上げ、帰ってしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)郡王、ちょっと!意地悪そうなイケメンが出てくるのかな〜と思ったら…じーさんかーいwww
2020.04.01
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第59話「堕ちた偶像」趙白石(チョウハクセキ)と王世均(オウセイキン)は刑部の外で周瑩(シュウエイ)を待っていた。今日の審理で周瑩が罪を認めれば、罰金刑で釈放される手はずになっている。そこへ周瑩を心配した沈星移(シンセイイ)が涇陽(ケイヨウ)から駆けつけた。しかし城門が閉まる時間になっても周瑩が出てくる気配はない。さすがにおかしいと気づいた趙白石は役人である自分が様子を探ると伝え、沈星移と王世均には宿で待つよう頼んだ。趙白石は恩師の張長清(チョウチョウセイ)を頼った。すると張長清は結審まで順調に行くはずだったが、郡王の横槍が入ったと教える。「突然、郡王が現れてこう言ったそうだ、周氏の案件は非常に複雑ゆえ、自ら再審すると…」結局、過去の審理は白紙に戻され、周瑩は再び収監されていた。趙白石は周瑩との約束を違えるわけにいかないと訴えたが、張長清は自分たちに非はなく、郡王を怒らせた周瑩が悪いという。「郡王は去り際に言ったそうだ、周氏が西洋人と結託して人を欺いた罪は厳罰に値すると…」張長清は2度とこの件には関われないと伝え、先に株を譲渡させて正解だったと思わず本音が出た。客桟に戻った趙白石は沈星移たちに最悪の事態を伝えなければならなかった。周瑩の案件は郡王が持ち去り、″厳罰だ″と言ったという。しかしその厳罰が命に関わるのかどうか、趙白石にも分からなかった。驚いた沈星移は沈家なら多少なりとも郡王とつながりがあると気づき、自分が周瑩を助けるという。趙白石は朝政を知らない沈星移が軽率な行動を取るなと咎めたが、沈星移は飛び出して行ってしまう。王世均もどのみち金が必要だと悟り、涇陽(ケイヨウ)へ戻って金の工面をして来ると言って出て行った。呉漪(ゴイ)は自責の念に苛まれ、その場で崩れ落ちるようにひざまずいた。趙白石は呉漪が周瑩を心配して憔悴したと思い、自分が何とかするとなだめる。「…私なんです」呉漪は周瑩の書斎に偽造された証拠を置いたのは自分だと告白した。しかもその証拠を渡したのが張長清の夫人だという。するとそれまで呉漪に寄り添っていた趙白石は、急に嫌悪するように離れた。「なぜそれを実行した?」「言う通りにすればあなたが官職に復帰できると…」呉漪は張夫人から周瑩なら叱責を受けるか罰金を払う程度だと聞いていたと話し、命に危険が及ぶと分かっていたら断ったと泣き崩れた。趙白石は周瑩の逮捕を仕組んだのが張長清だと気づいた。そこですぐ屋敷へ駆けつけると、ちょうど輿に乗って帰って来た張長清を見つける。「あなたが呉漪を利用して周瑩を売ったのか?」「そうだ」「周瑩を投獄したのはあなただったのか?!」「あの女は気性が激しすぎる、これぐらいせねば従わんだろう」趙白石は恩師が変わってしまったと失望した。しかし張長清は昔から実利主義だったと否定し、趙白石が求める清廉潔白で公正な師を演じていただけだという。趙白石が敬愛して止まない恩師は幻想だったのだ。ともかく真相を明かして周瑩を解放するよう迫ったが、張長清は一方的に切り上げてしまう。「この世に真相など存在しない、あるのは利益だけだ」趙白石はまだ話は終わっていないと食ってかかったが、護衛に取り押さえられ道に投げ捨てられた。一方、沈星移は杜明礼を頼った。そこで周瑩を釈放してくれるなら星月(セイゲツ)貿易会社の株7割を渡すと条件を出す。すると杜明礼は明日にでも郡王に聞いてみると答えた。杜明礼は早速、文先生を訪ねた。しかしある者が一足先に周瑩から機器織布局の全株を奪い取ってしまい、機嫌が悪い郡王と交渉するのは無理だと言う。仕方なく杜明礼は文先生に沈星移の条件を話し、年に6~7万両の利益になると言った。文先生はそれだけでは郡王の怒りは収まらないと頭を悩ませたが、ふと沈家に目をつける。「沈家の財産は?」「一千万両以上かと…」「では我らは一石二鳥だな」趙白石は自暴自棄になり、道端で泥酔していた。すると客桟へ戻る途中の沈星移が偶然、趙白石を発見して客桟へ連れて帰る。そこへちょうど杜明礼からの使いがやって来た。沈星移は杜明礼から郡王の命令書を受け取り、すぐ客桟へ戻った。趙白石はまだ酔いつぶれていたが、呉漪にこれで周瑩を救えると伝える。「広安門の外で待っててくれ、申時には合流できると思う」呉漪はほっと胸をなでおろし、必ず周瑩を助けて欲しいと頼んだ。沈星移が刑部に到着すると、なぜかすでに役人が待っていた。「沈公子か?郡王の命令書は?」「はい、これです」するとその役人は沈星移を連れて周瑩の牢まで連れて行った。周瑩は上海で別れを告げて以来、初めて沈星移と再会した。「なぜ来たの?」「前に言ったはずだ、君を諦めないと… だからたとえ君が盗賊の根城にいようと、牢の中にいようと、必ず救い出す」すると牢の扉が開き、周瑩は手枷と足枷を外される。「私、死ぬのかと…」「前に誓っただろう?君を妻にすると、それまでは絶対に死なせないよ …君を愛している」2人は手に手を取り、牢獄から出て行った。その頃、呉漪は周瑩を迎えに行く準備をしていた。すると趙白石が目を覚まし、何をしているのかと聞く。呉漪は沈星移が刑部へ行ったと教え、郡王の命令書で周瑩を救うと説明した。「沈星移と郡王はどんな駆け引きを?」「星月貿易会社の株7割を差し出したそうです」しかし趙白石は貪欲な郡王がそんな条件で周瑩を解放するとは到底、信じられなかった。周瑩はついに釈放され、沈星移と一緒にもう少しで門を出るところだった。その時、突然、脱獄だと叫ぶ声が聞こえ、2人は官兵に包囲されてしまう。周瑩と星移は互いを守るため官兵に応戦し、2人の間には自然と強い絆が生まれていた。しかし沈星移は周瑩をかばって刺され、やがて2人は引き離されてしまう。ちょうど刑部に駆けつけた趙白石だったが、あと一歩という言うところで門は硬く閉じられた。周瑩は再び収監された。しかし深手を負った沈星移がその後、どうなったのか分からず不安が募る。一方、捕らわれた星移の審理が始まった。星移は周瑩を救うため郡王の命令書を偽造したと濡れ衣を着せられ、罪を認めるよう強要される。しかし弁が立つ星移は何を言われても正論で返し、決して罪を認めなかった。「そもそも私のような一介の民が堂々と刑部の門をくぐり、 牢の中まで入って周瑩を救い出すことができますか? 刑部の見張りはどうなってるんだっ?!」審理官は苛立ちを隠せず、ついに拷問を命じた。星移はその場で両足の足首を棍棒で挟まれ、激痛に顔が歪む。それでも星移は決して罪を認めなかった。するとやがてあまりの痛みに耐えきれず失神し、そこで供述書に勝手に押印されてしまう。つづく|ω・`)うーん、なぜここにきてこの演出なのか急に現実離れしちゃうと見ている方が困惑しちゃうわそれにしても趙ダーレンが門へ走ってくるシーン笑った~「閉めないで~!」からの「ぁ…(フニャ)」( ๑≧ꇴ≦)
2020.03.31
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第58話「揺らぐ信念」機器織布局で仕事中だった周瑩(シュウエイ)はいきなり罪人として拘束された。巡撫(ジュンブ)・董廷旭(トウテイキョク)は私欲から裏帳簿を作って配当を懐に入れたと罪状を伝えたが、周瑩はその証拠となる帳簿を見て呆れ果てる。それは誰が見ても改ざんされているのは明白だった。「でっちあげじゃないですか?」すると董廷旭は揺るぎない証拠が必要なら呉家東院を捜索するという。周瑩は何も心配していなかったが、まさか自分の目の前で書斎の机から証拠が発見されるとは夢にも思わなかった。涇陽(ケイヨウ)は呉家東院の若奥様が捕まった話題で持ちきりだった。しかし趙白石から聞いた呉漪(ゴイ)はまさかの大事に愕然となる。趙白石はすで調査を始めたが、驚いたことに呉家東院の周瑩の書斎で不正の証拠が見つかっていた。一方、周瑩の話を聞いた沈星移(シンセイイ)は、また父と杜明礼(トメイレイ)の策略だと疑った。そこで実家に駆けつけ父を追求したが、沈四海(シンシカイ)は今回ばかりは関係ないと否定する。「我々が手を下す前に他の連中に先を越されてしまったようだ」←もはや隠す気なしwすると沈星移はいつか同じように憂き目に遭うと警告した。「貝勒(ベイレ)爺が永遠に守ってくれるとでも?」しかし沈四海は実は貝勒が郡王に封じられたと教え、沈家は今後も繁栄するはずだと信じて疑わない。沈星移はそんな父をあざ笑うかのように言った。「もっと搾取されますよ、郡王の意のままにね…」趙白石は張長清(チョウチョウセイ)を訪ねたが、なぜか都に発っていた。その頃、呉家も周瑩がすでに北京へ移送されたと知り、激震が走る。肝心の趙白石とも連絡が取れず、手をこまねく呉家…。江福祺(コウフクキ)の話では織布局の執務室が封鎖され、内部はめちゃくちゃ、全て押収されたという。帳簿や文書が押収されれば改ざんされるのは必至、王世均(オウセイキン)は面倒なことになると分かった。すると騒然とする東院に突然、沈星移が乗り込んでくる。しかし韓三春(カンサンシュン)が中庭で沈星移を取り押さえた。そこで駆けつけた王世均がまたしても沈家の仕業かと迫る。「軍需品偽造をでっち上げ、今度は少奶奶に不正の罪を着せた、全く同じやり方だ!」「違う!本当にうちとは無関係なんだ!」沈星移は周瑩を陥れた者が他にいると訴えたが、当然、誰も信じてくれない。そこへ趙白石が現れた。「締め上げても無駄だ、沈家の仕業ではない」趙白石は目星がついたと教え、呉家と無関係の沈星移を追い出した。趙白石は自分が原因だったと話し、必ず周瑩を助け出すと約束した。呉蔚武(ゴイブ)は娘婿を信じて任せることにしたが、趙白石はひとつ釈然としないことがあるという。実は董廷旭が探し出した証拠品に周瑩と仲介人との文や口利き料の証書があり、しかも周瑩の書斎から見つかっていた。呉蔚全(ゴイゼン)はでっち上げだと憤慨し、王世均もきっと罠だと訴える。そこで王世均たちは誰の仕業かすぐ調べることにした。趙白石が呉家東院を出ると、待ち伏せしていた沈星移が現れた。沈星移は趙白石の仕業だと疑い、輪船招商(リンセンショウショウ)局と同じ体(テイ)だと指摘する。「設立時は民間に出資させ、利益が伸びると役所が商権を奪った 周瑩が捕らえられたのは輪船招商局の時の再現だったわけか」趙白石は勝手な憶測だと憤慨し、自分が罷免されたのは株の買い戻しに反対したからだと教えた。すると沈星移は周瑩を救ってくれるならどんな条件でものむという。しかし趙白石は交換条件などなくても必ず助けると言った。呉漪は周瑩の処遇を心配し、門前で夫を待っていた。慌てて帰ってきた趙白石は王世均と都に行くと話し、支度を頼む。「かなり厄介なことになっている」驚いた呉蔚は正直に打ち明けようとしたが、急いでいる趙白石に言いそびれてしまう。趙白石は都で張長清と面会した。そこで周瑩に株を手放させることを条件に寛大な処分を嘆願する。張長清は初めから趙白石が適切に動いていれば大事にならなかったと苦言を呈し、どうやら周瑩が上層部を怒らせたようで、痛い目を見ると言った。驚いた趙白石は周瑩が織布局設立時に尽力した功績に免じて助けて欲しいと懇願、何とか協力を取り付ける。「ただし上層部を説得できるかは分からんぞ」しかし趙白石は恩師の力を信じていると言った。天牢に囚われた周瑩のもとに趙白石と王世均がやって来た。趙白石は織布局の株を全て手放せば罪状が軽くなると教えたが、周瑩は権力者の横暴に我慢ならず、断固拒否する。しかし張長清が李(リ)大人(ダーレン)の前で株を取り戻すと豪語した以上、決して諦めるはずがない。趙白石は周瑩が自分の置かれた状況をまだ分かっていないと焦った。「この世では潔白など何の役にも立たない」「奴らの自由にはさせないわ」「彼らなら可能だ…」周瑩はようやくその意味を悟る。「…最悪でも死ぬだけよ」「毎日どれだけ冤罪で人が死んでいるか分かるか?!そなたはその一人に過ぎぬ! そなたも罪を着せられたまま死ぬんだぞ!」周瑩は義父もこうして無念の中で死んでいったと思うと胸が痛んだ。そこで趙白石は生きていれば一矢報いる日も来ると説得し、呉蔚文(ゴイブン)の冤罪を証明できるのは周瑩だけだと鼓舞する。果たして自分の命か信念か、周瑩は苦渋の決断を迫られた。すると急に力が抜けたようにしゃがみ込み、珍しく弱音を吐く。「昔に戻りたい…父さんと街で芸を売って過ごした日々に… 食べる物にも事欠いてたけど自由だった…誰にも気兼ねせず、傷つくこともない」しかしもう昔には戻れない。今や呉家の大当主なのだ。周瑩には呉家三院にいる200人以上の家族と100人を超す番頭、500人もの使用人がいる。「少奶奶に何かあれば呉家は離散に…二爺と四爺にも再三、念を押されました 何に代えても助け出すようにと…あ、そうだ」王世均は鄭(テイ)氏から預かってきた呉聘(ゴヘイ)の形見である名帖(メイチョウ)を取り出し、柵の間から差し出した。「見てください、少奶奶!夫人いわく、夫も息子も亡くした今、娘まで失えないと…少奶奶!」周瑩は呉聘に合わせる顔がなく、思わず目を背けてしまう。すると趙白石が実は沈星移に郡王と袂を分かつよう諭したが、聞きれてもらえなかったと教えた。ところが出発前に沈星移が現れ、周瑩を助けるならどんな条件ものむと言ったという。「周瑩、彼だけじゃない、世の人々はそなたが生きて戻るよう無事を願っている だから意地を張らず、彼らのためにも譲歩して欲しい…」「はお…言う通りにするわ」沈星移の話を聞いた周瑩はまだ生きたいと願い、屈辱的な条件をのんだ。趙白石は張長清に株の譲渡協議書を渡した。すると張長清は手はずなら整えたと安心させ、数日後には刑部長官の計らいで周瑩は放免になると教える。また上層部にも張白石を元の職位に戻すよう頼んでおいたと話し、最後に″亡国の陰に女子あり″だと戒めた。都に戻った杜明礼は久しぶりに文(ブン)先生と面会した。文先生の話では郡王が趙白石の免職を不審に思っているという。普通なら密告されれば反論するがずだが、まさかさらに追い討ちをかけるとは意外だった。杜明礼は趙白石が最近、反抗的らしいと話し、それで排除されたのだと推察する。「私にも良く分かりませんが、この騒ぎに乗じて郡王は陝西織布局を手中に収めるでしょう」王世均は趙白石から刑部の審理が終われば周瑩が放免になると聞いて安堵した。しかし偽造の文を書斎に置いた者は未だに分からない。王世均の話では別院の使用人に裏切るような者はおらず、新入りにも疑わしい者はいなかったという。そこへ突然、呉漪が現れた。呉漪は周瑩が心配で来たと話した。すると今しがた決着がついたと聞いてほっと胸をなでおろす。その姿を見た趙白石は周瑩の言っていた通りだと微笑んだ。「周瑩いわく、東院で呉聘の次に呉漪と親しい仲だったと、どうりでな」「自分でそう言ったの?」「ああ、君を大切にしろと何度も言われたよ」呉漪は嫉妬ばかりにとらわれていた自分を恥じ、周瑩との絆を思い出す。こうして心が晴れてみると自然と夫の優しさに触れ、初めて素直に幸せを感じていた。沈星移は韓三春からその後の進展を聞いた。趙白石からの知らせでは、周瑩を救い出しても織布局は厳しいという。しかしすでに3日も経ったことから星移はいてもたってもいられず、都へ行こうと決めた。そこで沈家の家職に金を出すよう脅したが、沈四海に見つかってしまう。「お前は沈家のためにあの女を忘れるはずでは?」←そうだった?w「無理です、忘れるなんて…」星移は自分には生涯、周瑩だけだと訴えた。逆上した沈四海は思わず机にあった算盤を投げつけ、星移の頭に直撃してしまう。星移は一瞬、めまいがしたが、その場でひざまずいた。「父上、お願いします、周瑩にしてやれる最後のことです」しかし沈四海は認めなかった。「父上、これが最後…今回だけです、誓います、金輪際、関わりは断つと… 周瑩への借りを返せば、戻ってから孝行息子となり、家業も継ぎます!いいでしょう?」すると息子が家に戻ると聞いた沈四海は仕方なく妥協し、2千両を融通することにした。「郡王の昇進祝いで杜老板が都に行ってる、訪ねるがよい 星月(セイゲツ)貿易会社の株7割も持っていけ」「謝謝、でぃえ!」つづく(TㅅT)周瑩の説得シーンは感動的だったでもあらすじを書こうと思って見返したらジワジワ来るwどうみても檻に入ってるのが趙白石と王世均側周瑩のドゥーン!( ๑≧ꇴ≦)涙を返せ〜
2020.03.29
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第57話「理想と現実」周瑩(シュウエイ)は叔父たちに張長清(チョウチョウセイ)から機器織布局の全株を売るよう迫られたと報告した。呉蔚全(ゴイゼン)は理不尽だと憤慨したが、呉蔚武(ゴイブ)はあらかじめ関係各所に付け届けしなかったことを悔やむ。周瑩は呉蔚武の助言通り安全を銀子で買うしかないと考え、趙白石(チョウハクセキ)に打診することにした。そこで早速、巡撫(ジュンブ)府へ向かったが、門衛に公務中で会えないと追い返されてしまう。実はその時、巡撫府では刑部侍郎・那桐(ダトウ)が勅命を読み上げていた。趙白石は機器織布局の株を全て周瑩に売ったことが職権乱用と疑われ、調査されるという。するとその夜、恩師の張長清が訪ねて来た。今回の件を密奏したのは陝西(センセイ)道監察御史・察哈爾(チャハル)で、激怒した皇后と皇帝が貝勒(ベイレ)に処理を命じたらしい。趙白石は何も後ろ暗いことはないと自信を見せたが、張長清は貝勒の従兄弟である監察御史と、父が貝勒の配下である那桐と言えば筋書きは明らかだと教えた。「敵の目的はお前をつぶすことだ」そこで張長清はこの機に乗じ、機器織布局の株を全て回収すれば助けられると懐柔する。趙白石はそんな恩師のやり方に驚き、深く失望した。「初めて会った日、先生は″我々は縁がある″と仰せに… ″師弟の名を合わせると清白となる、人は白き石のごとく潔白であれ、清らかな志を長く保て″と… 先ほどの話とは矛盾しませんか?」「形勢や他人の思惑を読めと言っているのだ!後ろ盾なしに上には昇れぬ!」張長清は″水清ければ魚住まず″だとなだめ、意地を張れば最後にはすべて失うと警告した。しかし不正を認めない趙白石の心は決して揺らぐことなく、恩師を追い返してしまう。同じ頃、那桐は隆昇和(リュウショウワ)にいた。杜明礼(トメイレイ)は3年ぶりの再会を喜び、すでに準備していた訴状を渡す。これは沈四海(シンシカイ)ら富商十人余りの訴えで、趙白石による呉家の優遇を不正だと主張していた。すると杜明礼は意外にもあっけなく趙白石を片付けることに成功する。張長清が何の手も打たなかったため、趙白石は早々に職権乱用の罪で巡撫の職を追われたのだ。上機嫌の杜明礼は沈四海を食事に招き、貝勒はすでに自分の配下を巡撫に据えたと教える。次は周瑩を倒すだけでなく、機器織布局の利権を手に入れる番だ。機器織布局に突然、新たな局長がやって来た。寝耳に水だった周瑩は新任の巡撫・董廷旭(トウテイキョク)に戸惑うが、役人に従うしかない。その夜、慌てて巡撫府に駆けつけてみると、趙白石はすでに荷物を運び出しているところだった。周瑩は付け届けを申し出たが、趙白石は狙いは機器織布局自体だという。その黒幕は貝勒だった。周瑩は株を手放さなかった責任を感じたが、趙白石は貝勒が自分を李(リ)大人(ダーレン)の配下だと見て攻撃してきただけだと教える。「張長清は機器織布局を狙っている、次に狙われるのはそなただ」そんな親密そうな二人の様子を、すでに馬車に乗っていた呉漪(ゴイ)が窓から見ていた。味経(ミケイ)書院に沈四海が現れた。沈星移(シンセイイ)は趙白石が職権を乱用し、織布局の全株を呉家に売ったとして数日前に罷免されたと聞く。しかも涇陽(ケイヨウ)の商家が連名で訴えたと知り、星移は父が筆頭だと気づいた。「また杜明礼の指示でしょう? 嘘の証言で事実を歪曲し人を陥れる…どんな悪事も平気なんですね?」すると逆上した沈四海はいきなり息子の頰を引っ叩いた。星移は父に幻滅し、もう杜明礼と手を切れとは言わないと諦める。「今、分かりました、父上は杜明礼と同類の人間ですから…」沈四海は深く傷ついたが、それでもこの世にあるのは善悪ではなく権力のみだと言った。生きるためにはこうするしかない。しかし星移は生きるだけなら悪事は必要ないと告げ、いつか必ず後悔すると警告した。「星移…私は悪人だが、お前の父親だ…戻ってくれ、私も老いた」←認めちゃった( ๑≧ꇴ≦)「…いいえ、今、家に帰れば杜明礼を倒せません」星移は相手が誰であろうと、機会をつかんで必ず倒すと宣言した。「私が世の中を変えてみせますよ…」侍女・玲瓏(レイロウ)が沈星移の世話に来た。星移は父に居場所をばらしたのか玲瓏だと気づいている。すると玲瓏は夫人が思い悩んで寝込んだこともあり、気の毒で話してしまったと白状した。そこへ動けるようになった夫人までやって来る。息子の哀れな生活を見た夫人は連れ帰ろうとしたが、星移は無理を言うならまた姿を消すと脅した。「今はここで静かに勉強したいんだよ」夫人は仕方なく玲瓏に世話を頼むと、玲瓏はどさくさに紛れて数日おきに来ると決めてしまう。趙白石は理不尽な世の中に憤り、剣術の稽古に没頭しては憂さ晴らしした。そんな夫の姿に呉漪は心を痛めたが、できることは神頼みしかない。すると観音廟からの帰り道、張長清の夫人が偶然を装って現れた。夫人は才能ある趙白石が前途を断たれたことに同情し、夫が今ならまだ挽回できると言っていたと吹き込む。そこで周瑩を織布局の副局長の座から降ろせば趙白石が助かると助言し、ある方法を教えた。その頃、周瑩は趙白石を訪ねていた。周瑩はもう1度、交渉させて欲しいと頼み、趙白石が再起できるなら株4割でも渡すという。しかし趙白石は2度と張長清と関わる気はないと言った。すると周瑩は呉漪の様子がおかしかったことを思い出し、時間ができた今、相手をしてやって欲しいという。屋敷では呉聘(ゴヘイ)の次に親しい仲だった呉漪のことが本当に心配なのだろう。趙白石は周瑩から想い人と添い遂げられることは幸せだと言われ、何とも複雑な気分になった。一方、呉漪は張長清の夫人からある策を聞いたが、自分にはできないと断って帰っていた。しかし屋敷で周瑩と夫が話している姿を見ると激しい嫉妬にかられ、再び出かけてしまう。呉漪は結局、張長清の夫人を頼り、ある文を手にした。例え周瑩が罠にはまっても、お咎めを受けるくらいだという。呉漪は夫を助けるためにはこの方法しかないと思い込み、その足で呉家東院を訪ねた。呉漪はまず叔母を訪ねた。鄭(テイ)氏は母親の陳(チン)氏と呉漪にまだ孫ができないと心配していたと話し、呉漪は立場がない。「母上ったら…」「母親なら当然よ〜…?うまくいってるの?」「もちろんです」すると呉漪は久しぶりに周瑩に挨拶したいと席を立った。鄭氏は出かけていると教えたが、呉漪は待たせてもらうと言って別院へ行ってしまう。「何だか今日は様子がおかしいわね…」呉漪は別院を訪ね、書斎で周瑩の帰りを待たせてもらうと頼んだ。そこで誰もいないうちに張夫人からもらった文をこっそり机の上に置いて帰ってしまう。そんなある日、機器織布局に突然、官兵たちがなだれ込んできた。すると董廷旭は事務所に乗り込み、罪人の周瑩を捕らえろと命じる。つづく
2020.03.28
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第56話「正義の裏側」沈四海(シンシカイ)は杜明礼(トメイレイ)の指示通り訴状を書いた。それでも趙白石(チョウハクセキ)と周瑩(シュウエイ)は精力的に活動していたが、杜明礼の話では噂も流してあるので年明けには変化があるという。そこで沈四海は周瑩さえつぶせば2年から3年以内に貝勒(ベイレ)から命じられた銭荘(センソウ/銀行)の開業資金を調達できると約束した。一方、沈星移(シンセイイ)は味経(ミケイ)書院で働くうち、″変法″に興味を持った。それに気づいた劉光蕡(リュウコウフン)は仕事時間以外に読むよう本を貸してくれる。そんな沈星移に目をつけたのが趙白石の恩師・張長清(チョウチョウセイ)だった。ある日、涇陽(ケイヨウ)巡撫(ジュンブ)に現れた張長清は、趙白石に沈星移を仲間に引き入れるよう命じる。実は沈星移は上海で星月(セイゲツ)会社を開業、かなり稼いでいたようだが、ある時、杜明礼に買い付けた生糸を差し止められ、西洋人との取り引きに失敗したという。おそらくこれを脅迫材料にして杜明礼は何かを要求したのだ。趙白石は沈星移の性格では脅しに乗らないと言ったが、確かにその後、沈星移は上海から姿を消して星月貿易会社の業務は停滞しているという。しかし最近になって生糸が星月貿易会社に返され、同時に星月貿易会社の株主に″隆昇和(リュウショウワ)″の名が加わっていた。張長清は沈星移の憤りを利用し、貝勒と沈家を反目させれば自分たちに有利になるという。そこへ呉漪(ゴイ)が手作りの菓子の差し入れに現れた。呉漪はすぐ下がったが、夫が沈星移を見つけて説得してみると話しているのが聞こえる。そこで呉漪は張長清が帰ってから、兄の話を教えた。趙白石は味経書院に沈星移を訪ね、隆昇和が星月貿易会社の株主になったと教えた。恐らく杜明礼の支配から逃れるため上海で開業したが、杜明礼が不当な手段で星月貿易会社の株を得たのだろう。そこで自分と手を組み、杜明礼を排除すれば沈家が貝勒から解放させると持ちかけた。しかし沈星移は結局、主人が貝勒から張長清に変わるだけに過ぎないと拒否する。杜明礼を排除したところで沈家は救えない、救えるとしたら国が根本的に変わるしかないのだ。沈星移はまだどうやって変えればいいのか答えは見つかっていないが、少なくとも趙白石たちのうわべの改革では国も沈家も救えないとやり込める。そんな中、織布工場では周瑩と趙白石が抱き合っていたと実しやかに囁かれていた。趙白石は郊外で張長清と面会し、機器織布局の業績報告書を見せた。また沈星移から協力を拒まれ、どうやら沈星移の言う改革とは今の朝政を覆すことだと説明する。趙白石は確かに一理あると思ったが、張長清は李(リ)大人(ダーレン)が掲げる西洋に学んで国を繁栄させる理念と比べれば、変法など学者たちのただの気勢にすぎないと一蹴した。「どんな手を使ってでも仲間に引き入れろ」すると張長清は織布局の利益のうち呉家の取り分が8割だと気づいた。趙白石は公募時の約束で国が2割、出資者が8割だと説明したが、張長清は納得できない。聞いてみれば呉家の大当主は女子だという。そこで張長清は直接、周瑩と会って話したいと頼んだ。周瑩はようやく工場で自分と趙白石が密通しているという噂が流れていると知った。しかもそのおかげで呉家が織布局の民間の株を独占できたという。周瑩はバカバカしくて放っておくことにしたが、春杏(シュンキョウ)は噂を聞いた呉漪の気持ちを察した。春杏の指摘にハッとする周瑩…。しかしそこへ巡撫府から招待状が届く。周瑩は呉漪から食事の招待だと知り、やはり噂など関係ないと喜んだ。沈星移の居場所を突き止めた沈家の侍女・玲瓏(レイロウ)が押しかけて来た。しかし追い返そうにも玲瓏は居座って動こうとしない。そこで仕方なく繕い物と掃除だけ頼み、家族に居場所を教えないという条件で月1回だけ来る事を認めた。そろそろ玲瓏も年頃、星移は自分から母に相談して沈家から出してやることにする。星移のそばを離れたくない玲瓏は拒否したが、星移は自分に仕えてくれた奉公人たちには幸せになって欲しいと言った。周瑩は巡撫府で久しぶりに呉漪と再会した。呉漪の複雑な心境を知る由もない周瑩は相変わらずだったが、そこへ趙白石が張長清と夫人を連れて現れる。すると張長清は周瑩のするどい眼力と心意気に心から敬服すると伝え、同じ志を持つ仲間だと言った。周瑩はすっかり張長清と意気投合し、この食事会は10年の読書に相当すると感激する。そこで趙白石はまだ話し足りないという張長清のため、周瑩と3人で書斎へ移動した。書斎に移ると張長清の態度は変わった。実は呉家が持つ織布局の全株を売り渡して欲しいという。驚いた周瑩は呉家が持っている株は9年後に返すという契約だと訴え、洋務派なら西洋人を見習って契約を守るべきだと言った。しかし張長清は″国の興亡 民に責あり″、国のために織布局を譲るべきだと持論を展開する。趙白石は恩師と周瑩の対立に困惑し、時間をかけてじっくり検討してはどうかと割って入った。そこで周瑩はまた日を改めようと言って部屋を出てしまう。周瑩は帰り際、張夫人と談笑している呉漪を呼んだ。そこで変な噂を聞いても信じないで欲しいとだけ伝えておく。それにしても呉漪はやせたのか、少し元気がなかった。周瑩は原因が自分だとは夢にも思わず帰ったが、呉漪は周瑩が触れた頰を手巾で何度も拭う。その様子を張夫人が見ていた。趙白石は最も困難な時に助けてくれた周瑩を追い出すなど、義理を欠くと恩師を諌めた。「これではまるで強奪です!」しかし張長清は国が富むことが第一で商人が富むのは二の次だと訴える。趙白石はこれでは沈家の財を搾取する杜明礼と何も変わらないと抗議し、国を救う大義を掲げて民の利益を損ねては、逆に国の損失になると声を荒げた。「お前は頑固すぎるっ!」「商売で国を繁栄させるなら、周瑩のような人材は大切にせねばならない! 先生のやり方はそれに反しますっ!」「朝廷の決定だっ!」「間違っていますっ!」回廊にいた呉漪と張夫人は夫たちの言い争う声に驚いた。2人は何事かと書斎の様子をそっとうかがったが、何やら夫たちがもめている。「この件は私が処理する!」「絶対に阻止してみせます!」「血迷ったか!」「公平を期すためです!」「公平だと?!」すると激怒した張長清は思わず趙白石と周瑩の噂を聞いたと言い放った。周瑩をかばうのは私情を挟んでいるからだという。何も知らなかった呉漪は愕然となり、激しい嫉妬に駆られた。つづく(  ̄꒳ ̄)春杏の助言は聞いておけって
2020.03.26
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第55話「栄華の回復」呉家の船が浸水、茶葉は全て水に浸かったが以外にも美味しいと分かった。周瑩はこれを新しい茶葉として販売すると決め、東院の侍女たちに裕隆全(ユウリュウゼン)の店頭で売り込みさせようと思いつく。そこで早速、妓楼にいた千紅(センコウ)から客のもてなし方や化粧を学ばせ、皆でお揃いの華やかな衣装も新調した。趙白石(チョウハクセキ)に嫁いだ呉漪(ゴイ)は愛する夫によく尽くしていた。しかしそんな呉漪の想いはなかなか趙白石に届かない。そんなある日、呉漪は居眠りしている趙白石の袖口から小さなは布切れを発見した。一方、呉漪の兄・呉沢(ゴタク)は沈星移(シンセイイ)が住み込みで働く味経(ミケイ)書院にいた。上京を前に先生たちに熱く豊富を語る呉沢、星移は面が割れないようにうつむき加減で茶をつぎ足し、足早に部屋を出る。しかし呉沢の話は興味深かった。「役人の不正が横行し、秩序や道徳が崩壊寸前、かくも悪しき時世は前代未聞ですよ! だから今の伝統的な体制は改革すべきだと思うのです!」思わず廊下で立ち聞きしていた沈星移だったが、厨房を手伝うよう呼び戻されてしまう。するとその後ろ姿を見た呉沢は、どこか見覚えのある男だと分かった。蒙古の茶商・布和(プハ)たちは結局、割高でも沈家茶葉店で仕入れることにした。しかしこれまで下手に出ていた番頭の謝上徳(シャジョウトク)は急に横柄になり、列に並べと指示する。仕方なく布和たちは店の外に出て最後尾に並んだが、謝番頭がいきなり昼休みだと言って店を閉めさせた。茶商たちは沈家の横暴さに不満を漏らすが、茶を仕入れるには我慢するしかない。するとそこへ呉家の裕隆全で新茶が出たと知らせが来た。沈家の外で並んでいた茶商たちは慌てて裕隆全へ駆けつけた。布和は店の前で新茶を入れている周瑩に気づき、早速、試飲させてもらうことにする。「金花茯茶(フーチャ)です、以前の茯茶とは別物ですが…」すると試飲した茶商たちはその美味しさに驚き、以前より品質が良くなったと絶賛した。茶葉にはカビが生えていたが、周瑩はそれが金花だと嘘をつく、「(クンクン…)どことなく花の香りがするな~」←思い込み怖いwww布和たちは値段も以前と同じだと知り、5千箱ほど買うと決めた。念のため周瑩は品質が変わったので売る時に説明が必要になると警告したが、布和はこの味なら心配ないと快諾する。その頃、昼食を食べて悠々と店に戻って来た謝番頭は、もう少し客を待たせることにした。どうせ泣きついて来たのは呉家を贔屓にしていた客ばかり、屈辱を味わわせてやることにしよう。しかし奉公人はもう誰も並んでいないと報告した。(*^ꇴ^)<またまた~そんなわけ…グビグビ…( ゚д゚)<って、ほんまや!店の外にいたのは犬1匹だけだった。呉家の新茶は評判を呼び、沈家に流れた茶商たちが戻って来た。謝番頭は慌てて裕隆全の様子を見に行ったが、その時、ちょうど顔(ガン)番頭が布和たちの見送りに出てくる。布和は謝番頭の姿に気づき、聞こえよがしに5年契約ではなく10年契約すると言った。「帰ったら他部族の商人にも宣伝しておくよ!茶を買うなら隆裕全だとな!」沈四海(シンシカイ)は謝番頭から報告を聞いて唖然とした。例え湖北(コホク)で買い付けたとしても運搬には数日かかるはず、しかも呉家の金花茯茶は沈家の茯茶よりまろやかで渋みが少ないという。追い詰められた沈四海は杜明礼(トメイレイ)を頼ったが、杜明礼は貝勒(ベイレ)の命で銭荘を開業するよう指示した。すると沈四海は現状を知らない杜明礼に帳簿を渡し、沈家がもはや傾きかけていると教える。「沈氏茶葉店は裕隆全に顧客を奪われ、半年も赤字続き、十数万両分もの在庫を抱えています 薬材の市場は呉家に6割も占められ、沈家はたった1割、在庫は数十万両分にも膨らんでいます 毛皮の市場は呉家が5割を占め、沈家は多くても2割、同じく十数万両分の在庫が…」何も知らなかった杜明礼は愕然としたが、星月(セイゲツ)貿易会社があると思い出した。しかし沈星移の大口の顧客もすでに周瑩に奪われていたという。憤慨した杜明礼は寡婦を始末せねばならないと決めた。そこで沈四海にある指示を出す。「いくつかの商家と連盟で訴状を書いてください、内容は…」呉家はかつての栄華を取り戻した。年末には呉家の屋号の番頭たちが今年の売上と帳簿を持参し、挨拶にやって来る。その日は盛大な祝宴が開かれたが、周瑩は番頭たちの家族を賓客として招いていた。すると周瑩は全員が揃ったところで卓に上がり、乾杯の音頭をとる。「最初の1杯はこの土地の祖先に捧げましょう! 私たちは祖先から苦労に耐えうる精神と向上心を与えられ、この1年で山ほどの銀子を稼ぎました! 来年も祖先に見守られ、大きく稼げることを祈りましょう!」はお!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<乾杯!「2杯目は親御様に捧げます!番頭たちは商いのため親孝行もせず各地を飛び回っていました!」そこで周瑩は自分が実の親に孝行できないため、呉家で働く兄弟たちの親を自分の親と思い、その場で叩頭して父母の無病息災と幸せを祈った。「3杯目の酒は兄弟に捧げます!兄弟だから甕(カメ)ごと飲むわ… 皆さんは呉家の屋号の番頭であり、呉家の株主、そして私の兄弟です! 番頭に贈る言葉は″人を使うならば疑わず″、株主には″死なばもろとも″、 そして兄弟にはこの一言を!苦楽も禍福も分かち合いましょう!乾杯!」はお!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<乾杯!番頭たちは周瑩の心意気に敬服し、誰もが呉家に忠誠を誓った。宴もたけなわ、すると江福祺(コウフクキ)が若奥様からの贈り物として金子を渡した。また周瑩は孔子廟の修復にあたり高額の寄付をしたが、その際、名義を番頭たちの名前にしていたという。番頭たちは廟の碑文を配られ、そこに自分の名前が刻まれていると知った。「金子はこの1年の労を労う少奶奶からの褒美ですが、 廟の修復は地域への貢献であり、後世に残せる功績です!」番頭たちは周瑩からの貴重な新春の贈り物に感激し、周瑩のためなら水火も辞さないと声を上げた。王世均(オウセイキン)はふと会場に周瑩の姿がないことに気づいた。するとちょうど門から出て行く姿が見える。周瑩は千鳥足で祖廟へ向かうと、呉聘(ゴヘイ)の霊位を義父・呉蔚文(ゴイブン)の近くに置いてから香を手向けた。「今年、呉家は400万両もの銀子を稼いだの!東院は栄華を極めているわ あなたも父上も嬉しいでしょう?みんなも大喜びよ? なのに私ったら…グスン 呉聘…あなたを失ってから、どんな喜びも一瞬で過ぎ去るの でも悲しみはずっと私の心から消えてくれない 今だってそうよ、多くの品を売りさばき、山ほど銀子を稼いだ それなのに…心から喜べないの…ウッ…」祖廟の前では王世均が周瑩の嘆きを聞いていた。つづく。゚(∩ω∩`)゚。…呉聘でも祖廟が火事になるんじゃないかとドキドキしたわw
2020.03.25
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第54話「沈家との闘い」上海から戻った沈星移(シンセイイ)は父と再会するなり、呉家東院を陥れたのかと問い詰めた。すると沈四海(シンシカイ)はこれも長子・月生(ゲッセイ)の敵討ちのためだという。星移は呉家に兄を殺す理由はなく、どこにも証拠はないと呆れた。そこで父の関与を周瑩から聞いたと明かし、一緒に呉家東院へ行って罪を認め、東院の名誉を回復し、一緒に下手人を探そうと提案する。「過ちを認めて真摯に償えば状況は変えられます」「そう簡単にはいかぬ!罪を認めたら終わりだ!許しを請おうと、あの寡婦が許すはずがない この話をした時、あの女は他に何と言った?」「…″この敵は必ず討つ″と」「そうだろう?(ほ~ら)だとしたら戦うしか道はない」沈四海はこれほど深い恨みは結局、どちらかが倒れるまで決着はつかないと話し、自分の力だけでは倒せないが貝勒(ベイレ)がついていると自信を見せた。星移はようやくこの事件に貝勒がからんでいると気づいたが、実は自分が牢から出られたのも貝勒のおかげだと知る。周瑩も事情を知って真っ先に趙白石(チョウハクセキ)に訴えたはず、それでも沈家に何の害も及ばないのは貝勒がいるからだった。↓「それ見たことか」なパパ「分かったか?あこぎな杜明礼(トメイレイ)に従い、″隆昇和(リュウショウワ)″に搾取されても手を切らぬ訳がな 全ては沈家の安泰のためだ!」「どこが安泰だ!」星移は思わず感情的になり、取り返しのつかないことになると警告した。「今ならまだ間に合います」しかし沈四海は自分の非を認めず、首を横に振る。すると星移は星月(セイゲツ)貿易会社の印や株式を渡し、外套を脱ぎ捨てた。「私はお断りです… 息子として最後の忠告を、杜明礼は本物の悪党です、それに周瑩を侮らないほうがいい…」星移は父に深く失望し、少爺の物は全て置いて出て行った。沈四海は星月貿易会社を引き継ぎ、杜明礼に株3割を譲るだけでなく、これまでの配当まで献上した。杜明礼は沈星移が出て行ったと知って内心、勝ち誇り、役所で差し押えていた星月貿易会社の生糸を返すことにする。「ところで星移が話していました 呉家東院の寡婦は軍需品偽造の裏で我々が動いていたことを知っているようです」「知って何ができると?」杜明礼は他の事件ならともかく、この件に限って超白石に勝算がないことを知っていた。そこで周瑩を倒すためにはまず先に後ろ盾である超白石を倒すよう助言する。「だが奴は二品の巡撫という高位にある、簡単にはあしらえません…」「ふふふ~だから貝勒爺は私を涇陽(ケイヨウ)に置いているのです」(  ̄꒳ ̄)<おぬしも悪よのぉ~沈星移は身ひとつで家を出たため、まずは仕事探しを始めた。そこで月200文の給金しかもらえないが、住み込みで食事付きという味経(ミケイ)書院の雑用係として働き始める。しかし沈という家名は使わず、小三(ショウサン)と名乗り、家もないと言った。打倒沈家を掲げた周瑩が顧客に新たな提案を発表して半年が過ぎた。すでに沈家の顧客のほとんどが呉家と取り引きを始め、王世均(オウセイキン)の話では今の状態が続けば沈家に巻き返す力はないという。周瑩は沈星移が家を出たと聞いたが、今どこにいるのか、なぜ出て行ったのかも分からなかった。沈家では取引先が呉家に奪われ、顧客は半激した。家職・霍鑫(カクキン)はさすがに焦って沈四海に報告、周瑩の手法に苛立ちを隠せない。「呉家のみと取引する客には株を渡すことで客離れを防いでいます うちとも取引する客には商品2割分を優遇し、10両買えば2両分の商品を贈る 新規の顧客が品を買う場合、三月先の支払いも可です」霍鑫は多くの客が株に引かれて去って行ったことから、沈家も株を贈るべきだと提案した。しかし沈四海は他の優遇は認めても、呉家の基盤を揺るがしかねないとして株には反対する。そこへ謝(シャ)番頭がやって来た。実は沈家の大口の取引先である蒙古の茶商・布和(プハ)たちが来年分の茶は買わないと言って来たという。するとやはりこの取引も呉家から横槍が入っていた。沈四海は謝番頭に直接、布和らに会って値下げを持ちかけるよう命じた。そこで早速、涇陽客桟(キャクサン/宿)を訪ねたが、そこで奇しくも呉家の顔(ガン)番頭と出くわしてしまう。2人は互いに条件を出し合って牽制していたが、最後は毛皮店の株をちらつかせた顔番頭が布和との取り引きを勝ち取った。顔番頭の努力で布和たちは呉家と5年契約を結んだ。王世均は蒙古の茶商が固定客になれば涇陽の磚(タン)茶市場の8割が呉家になると喜ぶ。「沈家は1割のみです」フル(・_・ ))(( ・_・)フル<1割だって渡さないわ ←鬼っw沈四海は大口の蒙古の商人まで奪われ、窮地に立たされた。すると謝番頭が自分に考えがあるという。実は呉家が仕入れた磚茶が明日、涇陽に届き、龍駒寨(リュウクサイ)で水揚げして陸路で蒙古に運ぶ算段だという。そこで磚茶をすぐ水揚げさせずに一晩、船に留めて欲しいと頼んだ。翌日、呉家の磚茶が港に届いたが、運び手がいないため水揚げは明日になった。何でも沈家が原綿を武漢(ブカン)に運ぶため、人手を借り切ってしまったという。報告を聞いた周瑩は数日の遅れなど平気だと言ったが、その夜、大変な事態になった。まだ夜明け前だと言うのに周瑩は突然、緊急事態だと起こされた。慌てて埠頭へ駆けつけてみると、船に穴を開けられ浸水、積み荷の茶葉が全て水に浸かったという。周瑩は仕方なく呉家東院に布和らを呼んで事情を説明した。布和らも今回ばかりは沈家で茶を仕入れるしかなく、ただし株はもらえるので来年は必ず取引しようと約束して帰って行く。周瑩は茶商らを見送ると、韓三春(カンサンシュン)に誰の仕業か聞いた。すると王世均は沈家に決まっていると呆れる。「その通り、泳げる者の仕事です 船底に穴を開ける間、潜っていられる人間は黒龍(コクリュウ)堂の者しかおりません 黒龍堂が明かしたところによると、涇陽の謝という男の依頼だそうです」″謝″と聞いた王世均はすぐ沈家茶葉店の謝上徳(シャジョウトク)だと分かった。謝番頭は沈四海に黒龍堂に銀千両も支払ったと報告した。しかし沈四海は5千箱の茶葉がさばけるなら千両の価値はあるという。すると予想通り呉家に奪われた茶商たちが押しかけ、ついに大口の布和らがやって来た。沈四海は足下を見て条件を変え、納得しないなら手ぶらで帰らせろと命じる。そこで謝番頭は沈四海に言われた通りの値を伝えた。布和らはてっきり客桟で聞いた1割引きで買えると思っていたが、5分も値が上がっている。しかも仲介料はなし、さらに5年契約をしてもらうと言って来た。布和は憤慨して店を後にしたが、大量の品を納めることができるのは確かに沈家しかない。蒙古の茶商たちは諦めて沈家で買うしかないと説得したが、布和は考えさせてくれと言った。周瑩は無駄になった大量の茶葉の始末に追われていた。すると急に奉公人の老伯(おじさん)が水揚げした茶葉をどうするのかと尋ねる。周瑩は捨てると教えたが、なぜか老伯は捨てるなら少し欲しいと頼んだ。「老伯?これは水に浸かったからもう飲めないわ。お茶が好きならいいのをあげる」「不不不…!これが欲しいんです」「うぇいしぇんむぁ?」「うまいんです~これが~♪飲めばわかります!」(*^ꇴ^)<またまた~水に浸かった上に陽にさらされてカビまで生えて…グビグビ…( ゚д゚)<って、ほんまや!何と水に浸かった茶葉は普通の茶葉より香りが豊かでまろやかな味になっていた。老伯の話では一昨日、茶が飲みたくなったが船に茶葉がなく、間に合わせに水に浸かった茶を入れたところ、これが美味しかったという。「また飲みたくなる美味さです!」周瑩は老伯の言う通りだと気づき、 顔番頭に茶葉を一箱も捨てるなと命じた。「まさか売る気ですか?」王世均は浸水のことを皆が知っていると心配する。しかし周瑩は策を講じると安心させた。↓なぜか悪巧みに見えるwつづく(^ꇴ^)今回はさんまちゃんオチでw
2020.03.24
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第53話「残酷な真実」周瑩(シュウエイ)は急きょホテルを引き払って新しいホテルに移った。そこで早速、王世均(オウセイキン)を連れて沈星移(シンセイイ)が紹介してくれたクラウディに会いに行くことにする。あいにくクラウディは接客中だったが、何やら言い争う声が…。周瑩は先客が沈星移だと気づき、出直すことにした。しかしふと思い直し、やはり待たせてもらうことにする。別室に通された周瑩と王世均は沈星移がどうやら生糸を調達できなくなり、もめていると分かった。「沈少爺が…」「分かってるわ…でも彼と私はもう関係ない」沈星移がクラウディに追い出され、帰って行った。そこで周瑩はクラウディと面会し、生糸を扱う自分なら力になれると申し出る。「だが1袋につき310両までしか出せない、それを超えると赤字だ」「クラウディ先生、その値ではうちも損失が出ますがお受けします その代わり10年契約を結び、契約期間はうちだけと生糸の取引を…」周瑩は今回と同質の生糸の卸値が市価を超えた場合、他の業者への乗り換えを許可するとし、この契約の範囲内なら自分たちだけと取引して欲しいと頼んだ。何やら考えを巡らせていたクラウディ、するとまずは今回限りの契約を交わし、取引が成功したら10年契約を交わすという。「ごほごほ…」王世均はわざとらしく咳をして警告を発したが、周瑩は無視した。「分かりました、まずは今回限りの契約を…」クラウディと契約を交わし会社を後にした周瑩、実は呉家で生糸の取り扱いなどなかった。そこで早速、産地の湖州(コシュウ)で仕入れると決めたが、王世均は湖州では値が310両以上すると困惑する。しかし周瑩は今回、大損しても10年契約できれば損失を補えると言った。慎重な王世均はクラウディの会社が倒産する可能性もあると警告したが、周瑩はこの街で繁盛している店を見れば問題ないという。「他に心配事がある?」「沈少爺への弁解は?」「…商いを横取りする理由が私にはある、他には?」「最後に一つ、生糸の仕入れ金70万両はどう工面するので?」すると周瑩は沈星移が案内してくれた香港上海匯豊(ワイホウ)銀行であっさり資金を調達した。↓ァァァ〜西洋人しかいません@慎重派王世均は無事にクラウディに2千袋を納めてホテルに戻った。そこですぐ周瑩に報告したが、実は検品でひと綛(カセ)分の色むらが見つかったという。しかしクラウディからは何も言われなかった。「許容範囲だったということ?」「…それは分かりません」すると周瑩は急に外套を手にし、出かけてしまう。クラウディはちょうど積荷を船に運び始めたところだった。周瑩は色むらのある生糸が混じっていると話し、もう一度、検品したいと頼む。クラウディは了承したが、ひと綛くらいの不良なら問題ないと言った。その時、王世均が不良品を見つけ出し、周瑩が確認する。クラウディは気になるほどではないと言ったが、周瑩は不良品を売れないと頑なに拒んだ。「私は上質な生糸のみを売りたいのです」周瑩は袋ごと交換すると決め、王世均に2時間以内に新しい物と交換するよう指示した。さらに交換となった一袋は無料にすると伝えたが、クラウディは代金なら支払うと申し出るだけでなく、10年契約を結ぶという。「私は5年間ずっと君のような商人を探していた、ようやく見つけたよ」周瑩は今夜、契約を祝ってクラウディと食事の約束をした。するとクラウディが商工会の友人も紹介してくれることになり、周瑩はここで呉家を売り込もうと画策する。本当なら″彼″の前で着るために新調した衣をまとって…。周瑩は王世均の助力で西洋人に自分たちがどんな商品でも売買できると思い込ませることに成功した。しかしふとクラウディが心配して周瑩に尋ねる。「あれから沈星移がまた私の所へ来て生糸を提供できると言って来た だが君と契約したことを理由に断ったよ…とても失望していた 君たちの友情に亀裂が入らないか?」「いいんです、私と彼の間に友情などいりませんから…」そんな中、中国人に対して偏見があるボースマという西洋人がいた。ラーウィルとビリーは呉家との取り引きを熱望したが、ボースマが中国人は融通が利かず、信用できないと吹き込んで止めている。クラウディから話を聞いた周瑩は沈星移からダンスが西洋の交流法だと教えてもらったことを思い出し、ボースマをダンスに誘った。ボースマはワルツまで操る周瑩に脱帽、柔軟な対応に中国への印象も変わる。「踊りはどこで覚えたんだい?」「この踊りは昔の友人に教わりました…」周瑩は上海で商機をつかみ、帰郷することになった。乗船を待ちながら、王世均は生糸の商談があるため、自分だけ武漢(ブカン)で下船すると告げる。周瑩はそれが終わったら湖南へ行き、ビリーとボースマの品を確保するよう頼んだ。すると王世均は値が妥当なら3ヶ月分の生糸と茶葉も確保するという。そこへ突然、沈星移が現れた。「少奶奶と2人きりで話がしたい」沈星移は周瑩に商いを横取りされ、自分はお払い箱になったと言った。西洋の商人なら他にもいるのに、なぜ周瑩が自分の取引相手を奪ったのか。「君はなぜ上海に来た?」「…商いのためよ」「違う、私に会うためだ…絵を贈った時、君は嬉しそうに笑った 偶然、電報局で会った時は涙ぐんでたな?そして私と踊っていた時はうっとりした目をしていた!」「そうよ!認めるわ、確かに心が動いた、でももう冷めたの、軍需品事案の真相を知ったから…」周瑩は趙白石から届いた文で衝撃の事実を知る。実は呉家東院を陥れ、義父を死に追いやったのは、誰であろう星移の父・沈四海(シンシカイ)だった。一度は無罪となった義父を匿名で密告したのは沈四海だという。しかも沈四海は呉蔚文(ゴイブン)が共謀を拒んだ沈月生(シンゲッセイ)を殺せと指示したと証言していた。「義父を陥れたのは胡志存(コシソン)だとばかり… でも卑劣な手段で呉家東院を陥れ、義父を死に追いやった張本人はあなたの父親だった もしあなたが私だとしたら? この真相を知っても敵の息子と愛し合い、将来を語り合えるかしら?」周瑩は星移への想い以上に呉家へ恩があると言った。何より自分たちの間には祖廟での誓いと身内を殺された恨みという大きな壁がある。周瑩は星移と今後一切の関わりを断つと宣言、別々の道を進むと決意した。「ここからが始まりよ、帰ったら父親に伝えて、私が生きているうちにこの敵は必ず討つと…」突然の別れ話に沈星移はただ呆然としていた。やがて船は出港し、次第に上海から遠ざかって行く。星移は甲板に立つ周瑩の背中をずっと見送っていたが、周瑩が振り返ることはなかった。仕事に追われていた趙白石(チョウハクセキ)がようやく屋敷に戻ってきた。呉漪(ゴイ)は泥だらけでクタクタになった夫の姿に驚いて慌てて世話を始めたが、そこに周瑩が訪ねてきたと知らせが届く。すると趙白石は疲れているにも関わらず、着替えもせずに出て行ってしまう。周瑩は上海から戻った足でそのまま巡撫(ジュンブ)へやって来た。「…趙大人?その格好は一体…」「(はっ!)実は漢江が氾濫して処理に追われていた」すると趙白石は自分が送った文を見て周瑩が駆けつけたと知る。やはり軍需品案件には裏があった。沈四海の告発内容は矛盾しているにも関わらず、呉蔚文を断罪する決定打になっている。佟(トウ)番頭の証言は強要されたもので、胡志存の供述も他の者と矛盾していた。しかし趙白石は再調査が不可能だと教える。こんなでたらめな供述でも刑部の役人が証拠として採用したのは、再調査を主導した貝勒(ベイレ)の強い意志があったからだ。貝勒と言えば涇陽(ケイヨウ)の隆昇和(リュウショウワ)という店を持っている。周瑩は沈家が隆昇和と合資関係にあると気づき、息子を殺されたと逆恨みしている沈四海が貝勒と手を組んで呉家東院を陥れたのだと気づいた。引退した家職・楊之渙(ヨウシカン)も言っていた通り、沈家が呉家東院没落後に取り引き先を全て奪い取っていることから、趙白石も合点がいくという。周瑩は怒り心頭だった。すると趙白石は貝勒が以前にも増して強い権力を持っているため、今は刃向かう時機ではないという。しかし周瑩は正義を貫くため、都へ赴き直訴すると息巻いた。「正義は勝つと信じています!貝勒の影響力なんて関係ない!何が何でも正義を貫くわ!」「それでも身を滅ぼしたら元も子もないだろう?!」趙白石は興奮する周瑩をなだめ、いつか必ず呉家東院の潔白を証明すると約束した。ただし今はその時ではない。周瑩は仕方なくあきらめて帰ることにしたが、奪われた商いは全て取り返すと言い放った。(๑•̀ㅂ•́)و✧<海賊ぉ…沈家をぶっ潰す!六椽(ロクテン)庁の朝議、周瑩は早速、沈家に宣戦布告した。呉蔚武(ゴイブ)は沈家の後ろに貝勒がいると知って及び腰だが、周瑩は公正な商いをする呉家には手出しできないと自信を見せる。すると呉蔚全(ゴイゼン)は占いで周瑩が成功すると出たと教え、心配いらないと笑った。結局、呉蔚武が折れて同意すると、周瑩は早速、王世均に指示を出す。「すべての顧客に新しい提案を発表して」(  ̄꒳ ̄)懲りないな~4叔wその頃、沈四海は沈氏茶葉店にいた。すると上海にいるはずの沈星移が急に現れる。「呉家の軍需品事案に関わりが?」「…何のことだ?」「父上の役回りですよ…父上が呉家東院を陥れたのですね? 呉家東院は偽造などしていない」つづく( ̄▽ ̄;)だってあの髪型にスーツじゃねえ…そりゃ西洋人もなかなか信用できませんよ(笑
2020.03.22
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第52話「上海での一夜」上海で成功した沈星移(シンセイイ)の星月(セイゲツ)貿易会社に突然、杜明礼(トメイレイ)が訪ねて来た。杜明礼はどんな商売をしているのか探りを入れたが、星移は杜明礼の狙いに気づき、商売と呼べるほどではなく、倒産寸前だとあしらう。杜明礼はひとまず引き下がって帰ったが、査坤(サコン)に貿易会社を調査させることにした。査坤は沈星移が西洋人と取引していることを突き止め、輸送業者から情報を得た。すると今年の上半期、湖北(コホク)から上海に生糸を5千袋、輸送したと分かる。仮に1袋320両とすると全部で160万両、西洋人に売って2割の収入なら32万両が懐に入る計算だ。どうやら陶(トウ)番頭の情報は正しかったらしい。実は沈星移は来月も輸送業者を手配、やはり湖北から生糸2千袋を輸送する予定だと分かった。沈星移が出勤すると、杜明礼が自分の椅子にふんぞり返って座っていた。杜明礼はすぐ席を立ったが、早速、貝勒(ベイレ)との提携を持ちかける。「二少爺はよく分かっているはずだ 契約で隆昇和(リュウショウワ)は沈家全株の3割を保有するとなっていると」「私は沈姓ですが、追い出された不肖の息子だ 星月貿易会社は関係ありません、隆昇和とも…」沈星移は簡単に首を縦には振らず、杜明礼は仕方なく隆昇和と提携すれば徳をすると説得した。それでも沈星移は一筋縄ではいかない。「ここは租界(ソカイ)という場所で私は西洋人との交流がある さすがの貝勒爺でもここでは通用しないかと…」すると杜明礼は説得をあきらめ、次の手段を講じるべく帰って行った。苛立った沈星移は思わず壁を叩きつけ、右手を負傷してしまう。その頃、巡撫(ジュンブ)の趙白石(チョウハクセキ)のもとに都から密書が届いた。すると目を通した趙白石は周瑩の上海の宿を調べるよう頼む。そこで早速、周瑩に知らせを出すことにしたが…。一方、上海に到着した周瑩たちは見るもの全てが珍しかった。街を散策していた周瑩はどの店も参考にできると喜んでいると、やがて上海電報局の前を通りかかる。周瑩はふと沈星移から届いた電報を思い出し、自然と足が向いていた。すると驚いたことに、ちょうど周瑩に電報を打っている沈星移を見つける。星移は手を怪我していたため、代筆する局員に口頭で伝えていた。「…君を想うと眠れず、胸が締め付けられる…君と出会ってこの上なく幸せだ でも今は遠く離れている…この胸の内を君に伝えたい…再び巡り会い、春を迎えよう」周瑩に会えない寂しさにうつむき加減の星移、しかしふと振り返ると笑顔の周瑩が立っていた。( *´꒳`* )なんて素敵な再会な…って辮髪とスーツ!(;꒪ꈊ꒪;)感動の再会を果たした周瑩と沈星移、そこで星移は周瑩たちに上海を案内した。西洋の銀行では株を担保に入れて銀子を借りることができると知ったり、初めて見る海に驚き、この先に世界地図で見た国があると実感する。すると星移は周瑩たちを洋食の店に連れて行くことにした。沈星移は洋食店で周老四(シュウロウシ)が亡くなったと知り、衝撃を受けた。しかし四叔が死んでも自分がいると周瑩を励ます。実は星移が上海に来たのは隆昇和と無関係の新しい販路を求めたからだった。「自分の会社も大きくして多くの銀子を稼ぎたかった そうすれば何事でも父上と交渉できる、愛する人との結婚も…」その時、星移の取引相手・クラウディがテーブルにやって来た。星移は周瑩が凄腕の商売人だと紹介し、新しい取引先の開拓に来たと説明する。そこでクラウディは名刺を渡し、訪ねて来るよう告げた。すると星移とクラウディが仕事の話を始め、周瑩は興味津々、何でも15日に出航する船に乗せる生糸は江西(コウセイ)に到着し、必ず期限までに間に合うという。沈星移が西洋人と取引していると知った周瑩は驚いた。しかし星移は西洋人が合理的で誠実だと話し、契約で署名さえすれば最後まで守ってくれるという。すると急に生演奏が始まり、今度は見知らぬ西洋人の娘が現れ、星移にダンスを申し込んだ。周瑩は2人が踊る姿を見て傷ついていたが、やがて星移が戻ってくると、周瑩をダンスに誘う。「これはワルツと言って、西洋では交流方法でもあるんだ」「無理よ!人が多いし…」「怖いのか?」負けず嫌いの周瑩は悔しくて思わず星移の手を取った。こうして周瑩は星移の先導で初めてワルツを体験する。初めて甘い時間を過ごす周瑩と星移、そんな2人の姿を王世均(オウセイキン)だけは複雑な思いで見つめていた。沈星移は周瑩たちをホテルまで見送ると、また明日と言った。「面白いところへ行こう、西洋人の仲間を紹介する」そして赤いバラを一輪、贈る。「この花を西洋では愛する女性に贈るそうだ」周瑩は忘れていた心のときめきを取り戻したかのように思えた。しかしホテルに届いた趙白石からの文を読んだ周瑩は一転、沈星移から受け取ったバラの花を捨ててしまう。翌朝、沈星移がホテルまで迎えに行くと、すでに周瑩たちは発ったあとだった。星移はわけが分からなかったが、仕方なく会社へ戻る。すると老張(チョウ)が江西の役所に生糸を差し止められたと報告した。星移はとにかく手を尽くして役所に許可させろと命じたが、嫌な予感が的中する。「生糸を差し止めさせたのは、この私です」やはり邪魔したのは杜明礼だった。「上海では貝勒爺の助けは必要ないと言いましたね?だが租界の外では? いったん租界を出てしまえば清の地です」杜明礼は星月貿易会社の株を3割で手を打つと言ったが、それでも星移は同意しなかった。杜明礼を追い返した沈星移は取引先のクラウディを訪ね、生糸が到着しないと説明した。複雑な事情で罠にはめられ、銀子でも解決できない。そこで賠償金を支払うと提案したが、クラウディは生糸がどうしても必要だと訴えた。調達できなければ競争相手に付け込まれ、欧州での信用を失ってしまうという。「君だけは違うと思っていたのに、まさか信用できない人間だったとは…」激怒したクラウディは契約書を破り捨て、出て行けとどなった。沈星移は会社に戻ると、割高でも湖州(コシュウ)から生糸を調達することにした。すると老張は損失が差し押さえを除いても最低7〜8万両になると警告し、賠償金を払った方がいいと勧める。しかし星移は信用を失いたくないと言った。沈星移は再びクラウディを訪ね、湖州で仕入れてくるので期限までに間に合わせると約束した。確かに損はするが、約束を守らないペテン師と思われたくないという。「私たちの民族も誠実だと証明するために、必ずや2千袋の生糸を届けてみせる」「…沈、君は本当にいい人だ、さっき言ったことは取り消すよ しかしあの後、ある人が生糸を提供してくれた、だからもう必要ないいんだ」「そんなに早く?」「私も驚いたよ、もともと生糸を主に扱っている商人だからツテがあるとか…」「誰だ?!」「ほら、君が紹介してくれた友だち…呉家の夫人だよ」つづく
2020.03.20
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第51話「悲痛な結末」周老四(シュウロウシ)は呉家東院を出ていくと決めた。周瑩ははなむけに義父と娘だけの酒宴を用意したが、やはり寂しくてふてくされてしまう。すると周老四はサイコロを持ち出し、勝負に負けた者が勝った者の言うことを聞くと決めた。最初の勝負は周瑩が勝ち、周老四に必ず無事に戻るよう約束させた。すると二番勝負は周老四が勝利し、周瑩にいきなり再縁しろと言う。「お前は男に頼らずとも生きていける、だが連れ合いは必要だ お前にふさわしいのは酒が飲めて賭けを恐れず、お前を楽しませる奴だ 沈星移(シンセイイ)なんかぴったりだと思うぞ?奴に決めろ!」周老四は周瑩も実は沈星移が好きだと見抜いていた。確かに呉聘(ゴヘイ)は良くしてくれたが、沈星移も周瑩に尽くしているという。何より沈星移は生きている、死人より生きた人間を大事にすべきだと言うのだ。しかし周瑩は再び真心を差し出すことに躊躇した。「怖いのよ…」「まったく!」周老四は人の一生など短いと訴え、自分にとって価値ある人生を送るよう励ました。周老四は呉家東院の奉公人たち全員に見送られ、周瑩と馬車で出発した。張(チョウ)媽から手作りの靴をもらい嬉しそうな周老四、やがて街外れまで来ると馬車を止め、周瑩を降ろす。「いつか別れの時は来る、ここまででいい」「道中気をつけてね」しかし周老四は周瑩の姿が見えなくなると、御者に寄りたい場所があるので引き返してくれと頼んだ。周瑩は郊外まで出たついでに呉家の墓地へ寄った。すると偶然にも胡咏梅(コエイバイ)が呉聘の墓参りに来ている。「もうすぐあなたと会えるわ」「…で、呉聘に会ったら何て話すつもり?″あなたを殺したのは私よ″とでも言うの?」「何ですって?」「呉聘を殺したでしょう?」周瑩は呉聘に手を下したのが実は胡咏梅だったと教えた。「ナツメ餅に毒を入れたわね? 呉聘はナツメ餅が私の好物だと知って、毎日のように買って来てくれた あなたはそれを知って劉氏の店を買い取り、ナツメ餅に毒を盛った…私を殺す目的でね でも私はつわりが重く、あの日は一口も食べられなかった だから呉聘は私が勧めるまま少しだけ食べたのよ…」胡咏梅はこれまでなぜ周瑩が死ななかったか分からなかったが、ようやく合点がいった。しかしこの期に及んでも呉聘の許嫁は自分だったと訴え、卑しい周瑩などふさわしくないと蔑む。周瑩は自分が確かに卑しい出自だと認めたが、清廉潔白だと言い返した。「だけどあなたは?陰険で卑劣極まりない、それでも呉聘と釣り合うと?!」「お黙り!」胡咏梅は思わず周瑩に襲い掛かったが、あっさり突き倒されてしまう。胡咏梅は取り乱し、呉聘の墓前にすがりつくように泣きわめいた。「なぜお前はしぶとく生きているの?!」「なぜか知りたい?呉聘が私を愛し、見守ってくれているからよ! だから何度、陥れられても無事だったでしょう?「違う!そんなはずない!うわ~ん💦」「夫は亡くしたけど、私は人生に価値を見出したわ、あなたはどうなの? 最愛の人を殺し、胡家の身代も潰した!お金や家族、心の安らぎすら失ったのよ! 胡咏梅!一生、苦しむのね!」周瑩はそこで引き上げたが、胡咏梅が落ちていた枝を拾って後ろから襲いかかった。周瑩は背中をいきなり殴られ、倒れた。「なぜ嫁いだの!お前が現れなければ呉聘哥哥は私を娶ったはず! 私だって人を殺めずに済んだのに!全部お前のせいよ!」胡咏梅は何度も周瑩を枝で殴りながら口を滑らせた。「やっと殺害を認めたわね!」「そうよ…私よ…私がナツメ餅にヒ素を入れたの…まさか呉聘哥哥を殺すことになるなんて…」しかし胡咏梅は悪いのは自分ではなく、呉聘にナツメ餅を食べさせた周瑩だと責任転嫁、再び周瑩に襲いかかろうとする。その時、突然、周老四が現れ、胡咏梅を突き飛ばして荷物をぶつけた。周老四は周瑩がなぜ女ひとりに手こずったのか分からなかった。すると周瑩はこれも殺害を白状させるためだったと教える。それにしても義父はなぜここにいるのか。実は周老四は墓守の小屋を盗品の隠し場所にしていたため、取りに戻ったところだった。しかし2人が話に気を取られている間に胡咏梅は周老四が放り投げた袋の中から落ちた短刀を発見、背を向けた周瑩を再び狙う。周老四はいち早く気づいて咄嗟に周瑩を逃したが、代わりに胡咏梅に胸を刺され、倒れた。全てを失い絶望した胡咏梅は後ずさりしながら呉聘の墓前の前で倒れると、ついに自分の胸に短刀を突きつける。「呉聘哥哥…私を愛していたなら許すわよね?全てあなたのためだったの そうよ、悪いのはあの卑怯者よ、呉聘哥哥…今、行くわ…」結局、胡咏梅は最後まで己の過ちを認めないまま、自ら胸を刺して絶命した。周瑩は息も絶え絶えとなった周老四に人を呼んで来ると伝えた。しかし周老四は残された時間がわずかだと悟り、周瑩に遺言を伝える。「お前を拾ったのは三原(サンゲン)県孟店(モウテン)村…大金持ちの家だ…姓は周…教養ある農家だった…」すると周老四は静かに息を引き取った。周瑩は別院の池のほとりで義父を弔った。すると張媽が去りたくなかったのになぜ出発したのかと涙する。実は以前、周老四は娘を生涯、見守ることが一番の望みだと言っていた。てっきり東院が息苦しくて出て行ったと思っていた周瑩は驚き、引き止めなかったことを悔やむ。しかし張媽はこれが周老四の運命だったのだと漏らし、落ち込まぬよう慰めた。「…私の出自は詳しく聞けなかったけど、もう決めたの 私は父さんの娘、現世でも来世でも私はずっと父さんの娘よ」周瑩の心は決まった。そこでまず祖廟で呉聘の霊位に香を手向け、義母に報告する。周瑩は王世均(オウセイキン)、春杏(シュンキョウ)、福来(フクライ)を連れて上海へ行くことにした。鄭(テイ)氏は周瑩がやり手だと分かっていたが、それでも親は旅に出る子供を心配するものだという。「好きなことをやりなさい、でも約束して、無理せず自分を大事にすると 困難にぶつかったら、この家にいつでも戻って来るのよ?」「はい、にゃんは永遠に私のにゃんです…」周瑩は初めて母の愛と言う物を知り、幸せを実感した。一方、趙白石(チョウハクセキ)に嫁いだ呉漪(ゴイ)は自慢の手料理を用意して夫の帰りを待っていた。しかしようやく戻ってきたかと思えば、周瑩が来たと聞いて慌てて出て行ってしまう。趙白石はしばらくして戻ってきたが、どこか上の空だった。実は周瑩は趙白石に上海に行くと報告していた。戻るのはひと月か半年かもしくは…。ともかく留守の間の副局長は呉蔚武(ゴイブ)に任せると伝え、上海の機器織布局を見学したいと相談した。趙白石は自分の友人が勤めているので訪ねるよう勧めたが、そのまま黙って引き上げてしまう。呉漪は周瑩の話が何だったのか尋ねた。すると趙白石は遠出すると知らせて来たことを伝えたが、急に食欲がなくなったと言って席を立ってしまう。その夜、杜明礼は査坤(サコン)と一緒に胡家の前にいた。人知れず門の前で胡咏梅を葬った杜明礼は、かつて自分が行き倒れになった石段に腰掛ける。「あなたは恩人だ、助けてやりたかった、本当に…しかし、私のような者になす術がなかった あなたの敵は私が憎み続けます…私にできるのはこれくらいですから」すると杜明礼は叩頭し、胡咏梅との関係を終わらせた。「貝勒(ベイレ)爺の命令だ、上海の沈星移を訪ねる」つづく。゚(∩ω∩`)゚。 でぃえ~厄介者だけど愛されキャラだったのに~
2020.03.19
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第50話「愚かな裏切り」周老四(シュウロウシ)が胡家で盗んだ小箱には胡咏梅(コエイバイ)の思わぬ秘密が入っていた。何も知らずに胡咏梅は木箱を必死に探していたが、胡家職の知らせでそれどころではなくなる。実は客が商品を引き取りに来ないと言うのだ。「前金を捨てる気かもしれません、周瑩(シュウエイ)がこんな話をしているとか ″古月(コゲツ)から乗り換えれば前金分は負担する″と…」周瑩の作戦が功を奏し、古月洋布店に奪われた顧客が徐々に戻って来た。また機器織布局で民富(ミンフ)洋布を受け取る大口の顧客は無料配送のため、一緒に茯茶(フーチャ)や薬材も売り込む。やがて機器織布局は生産が追いつかぬほど忙しくなり、同時に毛皮や茯茶、薬材の売り上げまで伸びていた。気がつけば古月の客の大半が周瑩に奪い返されていた。楊金鱗(ヨウキンリン)との契約条件は年に100万反の販売、平均で3ヶ月に24反は仕入れなくてはならない。しかし最初こそ10万反仕入れたものの、この2ヶ月は月に2千反も売れていなかった。胡咏梅はそれでも周瑩への恨みに固執し、たとえ損をしても絶対に負けないと息巻く。そこで店の前に『民富洋布は粗悪品、上品のご用命は古月へ』と書いた大きな立て看板を置き、子供達に民富洋布の悪口を歌わせて広めた。胡咏梅が仕掛けた中傷戦略に呉家東院の面々は怒り心頭だった。しかし周瑩は挑発には乗らず、正攻法で決着をつけることにする。王二虎(オウニコ)は道ゆく人たちを店の前に集め、これから噂が本当か調べるために民富と古月の品比べをすると言った。そこで各店の2種類の布を地面に敷き、ロバが引く粉挽きで踏みつける。もし民富の布が先に擦り切れたら銀10両を、ただし古月の布が先に擦り切れたら銅銭1文を見物客に進呈すると言うのだ。こうして早速、品比べが始まり、街はこの話題で持ち切りとなる。やがてこの噂は趙白石(チョウハクセキ)と杜明礼(トメイレイ)の耳にも入ることになった。ロバが歩き始めて4時間、ついに古月の布が先に擦り切れた。これで国産である民富洋布がいかに優れているかが見事に証明され、評判が急上昇する。六椽(ロクテン)庁の朝議、王世均(オウセイキン)はあれから300万反を受注したと報告した。昼夜体制で生産を続けても、納品が完了するのは来年の年末になるという。機器織布局の成功に呉蔚武(ゴイブ)と呉蔚全(ゴイゼン)は笑いが止まらなかったが、その影で胡咏梅は窮地に追い込まれていた。杜明礼は取り乱す胡咏梅を必死になだめていた。「私がいる…」思わず口から飛び出した言葉だったが、胡咏梅から20万両ほど貸して欲しいと迫られてしまう。すでに店も土地も抵当に入れてしまった胡咏梅は、この店だけはどうしても手放したくなかった。「助けてくれるわよね?…お願いだから力を貸して!」しかし杜明礼ははっきり約束できない。そこで隆昇和(リュウショウワ)に戻り、査坤(サコン)に銀子がいくらあるのか聞いた。査坤は20万300両だと教えたが、すでに負けてしまった以上、助ける意味はない。それより今は貝勒(ベイレ)への釈明を考えなければならなかった。「生涯、あなたに寄り添うのは、銀子とこの私だけです…」胡家には期限前だと言うのに取り立てがやって来た。恐らく胡咏梅に返済能力がないと見限ったのだろう。胡家職が何とか追い返してくれたが、胡咏梅はもはやなす術がなかった。そこで藁にもすがる思いで杜明礼を訪ねたが、査坤に追い返されてしまう。やがて外は激しい雨になった。杜明礼は査坤からまだ胡咏梅がいると聞くと、仕方なく自分で追い払うことにする。「力にはなれぬ」「いいえ、古月の配当が10万両はあるはずよ!」「力になる気はない…もうここへは来ないでくれ」「恩を仇で返すと?私はあなたの恩人でしょう?私がいなければ死んでいたのよ!」「…違う、私が生き延びたのは食べかけの饅頭(マントウ)のおかげじゃない! 情を捨て、利益だけを考えてきたから、今の私があるのだ」杜明礼は胡咏梅の未練を断ち切るように暴言を吐き、屋敷に戻って行った。そんなある日、周瑩は突然、巡撫(ジュンブ)に呼ばれた。するとそこに周老四(シュウロウシ)の姿が…。実は周老四は民富洋布の人気を利用し、人を騙していた。甘粛(カンシュク)から民富洋布を仕入れに来た商人3人は、納期が来年と聞いて困っていたという。すると周老四が現れ、副局長の父親なので融通できると持ちかけて来た。3日以内に品を渡すと言う約束で3人は千両を払ったが、周老四がその後、姿を消してしまう。そこで織布局に尋ねてみたが、自分たちの注文が通っていないと分かり、周老四を捕まえて引っ立てたのだ。しかし県令も知府もなぜか裁きたがらず、巡撫まで来ることになったという。周瑩は千両を返金し、賠償としてさらに千両払うことで示談にしてもらったが、趙白石は厳しく戒めなければ過ちを繰り返すとして周老四に棒打ち3回を命じた。周瑩は罰を受けた周老四を連れて別院へ戻った。そこで義父に分別を持って欲しいと言い聞かせ、自分の後ろにいる人間まで巻き添えになると訴える。すると周老四はもはや自分がただの厄介者に過ぎないと痛感した。周瑩が副局長になってから滅多に顔も見られず、一緒に酒を飲むこともままならない。潮時だと感じた周老四は出て行こうと思ったが、さすがに腰が痛くて立てなかった。「イテテテテ…お前が苦労していても俺は力になれないばかりか迷惑をかける 今のうちに出ていくべきかもしれんな~」周瑩は気ままに暮らしたいなら止めないが、当てつけなら行かせないと釘を刺した。一方、査坤は沈家の番頭・陶大通(トウダイツウ)から沈家の様子を聞いていた。沈四海(シンシカイ)は沈星移が物にならないと追い出し、今は上海で遊んでいるとか。しかし査坤はどうも腑に落ちなかった。すると陶番頭がある話を思い出す。「数日前に帳場で聞きました、上海では2ヶ月で30万両も稼げる商いがあるとか…」査坤はすぐ杜明礼に報告した。調べてみたところ沈星移はどうやら上海で生糸を西洋人相手に商っているらしい。杜明礼はぴんと来た。合資の契約で生糸の商いは含まれず、上海での稼ぎなら帳簿に載らないため隆昇和への配当もない。沈四海に自分たちと手を着る勇気があるとは思えないが、隠れてそろばんを弾いていることは確かなようだ。そこで杜明礼は上海での稼ぎに目をつけ、これで織布局での失敗を補おうと考える。「30万両の3割とすると…9万両ですか?! キラーン(๑✪ω✪人」査坤は確かにこれで貝勒の怒りも解けると喜んだ。周老四は周瑩と久しぶりに街に出た。周瑩を侍女として沈家に売るきっかけになった王大嘴(オウダイシ)の賭場、涇陽で最初の宿、大道芸で小銭を稼いでいた市…。すると周瑩は昔を懐かしみ、ナツメ餅が食べたいと言った。「よし!欲しいだけ買ってやる!」そんな父の言葉がふと愛しい呉聘(ゴヘイ)の言葉と重なる周瑩…。…好きなら毎日、買って来させるよ(^ꇴ^)呉聘は仕事帰りに必ずナツメ餅を買って来てくれた。そう言えば甘い物など食べない呉聘が周瑩に勧められて珍しくナツメ餅を味見したこともある。…ナツメ餅の風味は私たち夫婦の味わいだなしかし市にはもうナツメ餅の露店はなかった。周瑩たちがナツメ餅の店を探していると、饅頭の店主が劉(リュウ)さんの店なら裏通りに移ったと教えてくれた。すると確かに劉さんはまだ店をやっていたが、今は涼皮(リャンピー)を売っている。実は薬材店の胡家の娘からナツメ餅の店と屋号を全部、買いたいと言われ、売ってしまったという。しかし結局、露店は数日で閉めてしまい、今になって思えば2代続いたナツメ餅の看板を売ったのは惜しかったと嘆いた。「…老劉頭?その小姐が露店を買ったのはいつのこと?」周瑩は胡咏梅が店を買ったと聞いて驚愕した。「そうだな~8年前になるかな?」「じゃあ…呉家東院の呉聘少爺を覚えている?」「もちろんさ!毎日、買いに来て下さってた、ご自分では食べないが奥さんへのお土産なんだ」その時、周瑩は全てを悟った、呉聘がなぜ毒殺されたのかを…。「私だけが…食べるはずだった」確かにあの日はナツメ餅を食べない呉聘が味見をし、いつも食べている周瑩がつわりで食べられなかった。胡家では胡咏梅が途方に暮れていた。すると周瑩から会いたいと文が届く。文を見た胡咏梅は逆上し、髪を振り乱してビリビリに破いてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)胡家職の憂鬱…そして安定の査坤w
2020.03.18
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第49話「捨て身の策略」呉家西院の呉沢(ゴタク)が郷試に合格、その日、西院で盛大に祝宴が開かれた。望まぬ縁談を強いられた呉漪(ゴイ)はこの機会を利用し、千紅(センコウ)に教えてもらった卑怯な手を使う。予想通り兄は居宅で趙白石(チョウハクセキ)と2人だけで祝杯をあげていた。そこで呉漪は得意の料理を差し入れ、西院特製の梅酒を持参する。呉沢は喜んで呉漪も自分たちの酒に付き合えと同席させた。すると呉沢は趙白石のように一発合格なら宴に参加して周囲の祝福を受けられたと訴える。しかし合格するまでに時がかかり過ぎたため、人から浮かれていると思われたくないという。「呉沢よ、人生は短いのだぞ?嬉しい時は喜ぶべきだ」「では来年、会試に合格したら、その時は己の欲望に従う!」「欲望に従うだと?私もそれができれば苦悩などなくなる」2人は笑って梅酒で乾杯し、やがて酔いつぶれた。周瑩(シュウエイ)は義母と一緒に祝宴で京劇を鑑賞していた。すると鄭(テイ)氏はふと周瑩の横顔を見ながら、後れ毛を直してやる。「周瑩、一緒に暮らして何年になる?」「(ん…?)数えたこともありませんよ~」「私もよ」鄭氏はしみじみ時が経つのは早いと告げ、今や周瑩を嫁と言うより娘同然に思っているという。「これ以上、呉家に縛りつけたくない… もしこの先、良い人と出会ったら呉聘(ゴヘイ)のことは忘れていい でも必ずいい人を選んでね?沈星移(シンセイイ)のような男だったら嫁がせないわよ?」周瑩は義母の気持ちが嬉しい反面、改めて呉聘が戻らないと実感して悲しくなった。|ω・`)にゃん…趙白石が目を覚ますと、なぜか乱れた姿で寝台に寝ていた。すると部屋には泣いている呉漪の姿がある。「漪姑娘?どうしました?」「ご自分が何をしたか覚えていますよね…」「(フルフル)私は酔いつぶれたので?…何かご無礼を?」しかし呉漪は泣きながら逃げるように出て行ってしまう。趙白石は慌てて追いかけると、回廊の椅子で寝ている呉沢がいた。そこで呉沢を揺り起こし、酔いつぶれたあとに自分が何をしたのか聞いてみる。「お前は…″欲望に従う″とか何とか…ムニャムニャ」呆然となった趙白石は部屋に戻ってみると、床に血のついた手巾が落ちていた。|ω・`)それ月の…ゲフンゲフン一方、胡咏梅(コエイバイ)から軍需品の事案と父親の関わりを知りたいと言われた杜明礼(トメイレイ)は、偽証した佟(トウ)番頭の供述書を見せた。胡咏梅はやはり呉家東院が父を陥れたと信じ、愕然となる。そこで杜明礼は確かに趙白石が軍需品の事案の再調査を上奏したが、胡志存(コシソン)が真犯人と匂わせるような内容だったと嘘をついた。罪悪感からか結局、奏状は取り下げたものの、周瑩が趙白石を支持して織布局を設立したのは再調査を頼むためだったのだろう。胡咏梅は怒りに震え、周瑩の洋布が売れないよう邪魔してやると息巻いた。呉漪の捨て身の策が成功した。趙白石は身に覚えがないものの、自分の失態を認めて西院に縁談を申し出る。呉蔚武(ゴイブ)は喜んで冷(レイ)家との縁談を破棄、知らせを聞いた呉漪は天にも昇る心地だった。楊金鱗(ヨウキンリン)は古月(コゲツ)洋布店が1年で100万反を売ることを条件に値下げに同意した。機器織布局の年間生産量が60万反、古月が100万反も売れば当然、民富(ミンフ)洋布は売れない。胡咏梅は周瑩の見本からして原価は恐らく3両程度と読み、楊金鱗から3両で仕入れ、そのまま3両で売ると決めた。もし周瑩が値段を下げたら自分も下げるつもりだが、織布局のために私財を投げ打った呉家東院に値引きする余裕などないだろう。しかし胡家職は100万両の保証金を払えという楊金鱗の要求を忘れないで欲しいと釘を刺した。100万反売らなければ保証金は返って来ない、1反の売れ残りも許されないのだ。すると杜明礼が後押しする。機器織布局の洋布が3ヶ月も売れなければ貝勒(ベイレ)が趙白石を弾劾、趙白石が失脚すれば機器織布局も閉鎖になるという。自信をつけた胡咏梅は胡家職の心配をよそに、店や父が残した土地を抵当に入れてまで保証金を用意すると決めた。「大道芸あがりの女がっ、私に勝つなんて100万年早いのよ!」←本当は百年w呉漪は念願叶って趙白石に嫁ぐ日を迎えた。寡婦のため祝宴に出られない周瑩は花かごが到着する前に祝福に駆けつけ、付き添いの千紅を残して帰って行く。すると千紅はわけ知り顔で呉漪に聞いた。「あの手を使ったの?」「…分かってるくせに」千紅は趙白石のような男には″あれ″が一番効くと笑い、自分は口が硬いので安心しろと言った。別院に戻った周瑩は回廊で楽隊の音を聞いた。「花嫁が出発した頃かしらね…」すると春杏(シュンキョウ)は周瑩の輿入れを思い出し、思わず失笑してしまう。実はあの時、周瑩は空腹で拝礼の儀の時にお腹が鳴っていた。2人は昔を懐かしみ笑ったが、ふと周瑩は呉聘が2度と目覚めることがないと寂しくなる。義母は急に″いい人と出会ったら呉聘を忘れていい″と言った。機器織布局の商いは予想以上に繁盛し、他の商いも順調だ。周瑩は自分の役目がもう終わったのだと感慨深い。「少奶奶、他に行きたい所でも?」「…上海よ」春杏はその理由に気づき、行くべきだと後押しした。こうして呉家東院を再建させ、恩を十分に返し、何より沈星移は周瑩を想い続けている。「何を迷う必要が?」しかし周瑩は沈星移に会うのが怖かった。沈星移に会った時に自分がどんな気持ちになるのか、想像もできない…。そんなある日、民富洋布が全く売れなくなった。しかも胡咏梅が納品した2万反を全量、返品してきたという。実は古月が数日前に5割も値を下げ、涇陽(ケイヨウ)や西北部の客まで殺到していた。民富洋布より2割も安いとなれば、客を取られて当然だろう。憤慨した周瑩は周老四(シュウロウシ)と護衛の韓三春(カンサンシュン)を連れ、早速、胡家に押しかけた。ちょうどその頃、胡咏梅は書斎で例の文を処分しようとしていた。そこへ胡家職が止めるのも聞かず、周瑩が乗り込んでくる。胡咏梅は仕方なく木箱に文をしまい、咄嗟に棚に置いた。「一度交わした商談をなぜ反故にしたの?!」「父の敵など信用できない!…よく聞きなさい、損失も顧みず半値にしたのはあなたを潰すため …私の目的はただひとつ、あなたから家財を剥ぎ取り、再起不能にすることよ!」周瑩は頑な胡咏梅の態度に呆れ、そこで帰ってしまう。韓三春と千紅は別院を訪ね、自分たちが持っている東院の株2割を差し出した。これを金に変えて胡咏梅を打ち負かして欲しいという。周瑩は2人の善意に心から感謝していたが、そこへ周老四が帰って来た。「春杏!例の木箱を持ってこい!」しかし周瑩の姿に気づき、慌てて春杏を止めようとしたが間に合わない。すると春杏が周老四に木箱を渡した。実は周瑩と一緒に胡家に乗り込んだ時、こっそり盗んで来たという。怒った周瑩はすぐ返せと迫って木箱を奪おうとしたが、うっかり落としてしまう。その時、偶然にも中から文が飛び出した。韓三春は木箱に入っていた文に見覚えがあった。これは当時、牛寿娃(ギュウジュア)に届いた文で、三寿幇(サンジュホウ)が周瑩を誘拐するきっかけとなった証拠だという。しかし趙白石は牛寿娃の死後にこの文は消えたと言っていた。一体、なぜ胡咏梅がこの文を持っていたのだろうか。その時、韓三春は古月洋布店に飾られた書の字を思い出し、胡咏梅が書いた文だと気づいた。周瑩も胡咏梅の筆跡を思い出し、合点が行く。そこで早速、巡撫に持って行ったが、趙白石は慎重を期して口外しないでおくと言った。「あともう一つ、織布局が稼働して長らく効果が出ないのは古月が市場を独占しているからだな?」「すでに策は練ってあるので、ひと月後には成果が出るかと…」周瑩はまず王世均(オウセイキン)に洋布を3等級に分けるよう指示した。古月の質をはるかに上回る布は従来の値で、若干いい布は古月と同じ値に、質が同等の布はさらに5分安くするという。さらに乗り換えてくれる客がいれば古月に払った前金を商品代金から引くことにした。また今年、民富洋布から仕入れた量が昨年の古月より多い客には、来年分の商品代金を割り引きする。まとめて10反以上買った客には裁断のおまけを、2千反以上買った客には運送費を負担することにした。「それから小売客には″民富券″を売る、券は1枚につき1両で売り、1枚で2両分も品が買えるわ ただし2反につき1枚が限度、釣り銭は出さない」これならちょうど2~3割の割引に相当する。周瑩はこの方法なら必ず顧客を取り戻せると自信を見せた。つづく( ゚д゚)まさか福来の担保だった狛犬って、あの巨大なやつ?…(´゚艸゚)∴ブッ
2020.03.17
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第48話「民富洋布の誕生」陝西(センセイ)布政使(フセイシ)・趙白石(チョウハクセキ)が陝西巡撫(ジュンブ)に任命された。この失態で杜明礼(トメイレイ)は貝勒(ベイレ)から棒打ちの罰を受け、機器織布局が稼働する前に何としても潰すよう命じられる。杜明礼は息も絶え絶えに拝命したが、文(ブン)先生が帰ると意識を失った。一方、趙白石は30歳という若さで巡撫に昇進し、側近の薄(ハク)と郭(カク)は祝辞を述べた。昇進は機器織布局の効果が出てからだと思っていたが、まさかこんなに早く詔が下るとは…。すると趙白石は、それも例の軍需品事案の再調査の要請が阻まれたおかげだと教えた。しかし諦めたわけではない。趙白石は薄先生に刑部にいる同期に文を出すよう頼み、軍需品の事案について密かに探ってもらうことにした。その頃、沈星移(シンセイイ)はすっかり上海に馴染んでいた。今日も待ちきれず自ら上海電報局を訪ねるが、やはり周瑩(シュウエイ)からの返事はない。実は周瑩も電報局の早馬を見かけると、つい目で追っていた。呉家東院の奉公人たちは株を手にしたことで店への愛着も湧き、仕事熱心になった。やがて呉家西院の番頭まで株欲しさに東院へくら替えしてしまう。しかも東院は客引きもうまく、新しい客ならまだしも、西院のお得様まで奪っていた。一方、呉蔚全(ゴイゼン)は東院の事務所を訪ね、合資した分の清算を求めた。江福祺(コウフクキ)は屋号別の売上げなら計算できているが、決算がまだだという。そこで帳簿を渡して確認を頼み、誤りがなければ決算すると言った。呉蔚全は早速、帳簿に目を通したが、信じられないと驚きの声をあげる。すると急に慌てて飛び出して行った。西院の得意先を横取りされた呉蔚武(ゴイブ)は周瑩に苦情を申し立てた。そこで周瑩はすぐ調査し、確かに楊(ヨウ)老板から受注したと報告する。しかし今さら断ることもできず、売り上げを西院に渡すと約束した。呉蔚武は銀子の問題ではなく規則だと訴えたが、周瑩は10両の利益で5両の配当が出るため、皆が売り込みに必死なのだと説明する。「私も呆れるほどです」「お前も呆れる?」周瑩は謝罪して2度と問題を起こさないと約束したが、そこへ呉蔚全が現れた。「納得の行く説明をしてもらうぞ!」何でも物も値も看板も同じなのに、なぜか東院だけ合資していた時よりはるかに売上が伸びているという。すると呉蔚全は呉蔚武にも帳簿を見せ、今や東院は西院と中院の10倍以上だと教えた。小細工していると疑われた周瑩は言いがかりだと否定、そもそも合資の解消を決めたのは叔父たちだと言い返す。察しがついた呉蔚武は自分たちも東院を見習って株の制度を取り入れると決め、また3院で手を組み商いをしようと言った。またしても二兄に裏切られた呉蔚全は言葉を失い、悲鳴をあげて逃げ帰ってしまう。その頃、沈星移は星月(セイゲツ)貿易会社を正式に開業、今後は西洋の商人と生糸の取引を始めることになった。そこで早速、電報で周瑩に知らせることにする。一方、周瑩も機器織布局の再建が順調に進んでいた。仕事の合間、時折、沈星移からもらった絵を眺める周瑩、その時、急に呼ばれて立ちがり、うっかり袖に隠した紙を落としてしまう。その紙を拾ったのはちょうど工場にやって来た趙白石だった。周瑩は趙白石の姿に気づいて駆けつけたが、なぜか趙白石の手に沈星移の絵があった。「なぜこれを…」「ぁ…今来たところだ」2人は何となく気まずくなって絵の話には触れず、事務所で仕事の話を始めることにする。そこで周瑩は完成した見本をいくつか見せると、ある布地を切って手に巻きつけて柔軟性を説明した。趙白石はその端切れをもらって確かめ、さすがだと感嘆の声を上げる。周瑩から洋布に命名して欲しいと頼まれた趙白石は、民の富のために機器織布局を設立したことから、″民富(ミンフ)洋布″と名付けた。すると周瑩は賛成し、再び工場へ戻って行く。事務所で1人になった趙白石は周瑩がくれた切れ端を小さくたたみ、そっと袖口にしのばせた。査坤(サコン)は車椅子の杜明礼を連れ、遠目から陝西機器織布局を見ていた。こうして稼働したとしても、洋布が売れなければ意味がない。売れなくするためには巧妙な策が必要になるだろう。「洋布は洋布で制す…査坤?胡咏梅(コエイバイ)はまだ私の話に耳を貸すだろうか?」査坤はあの文で脅せば何でも言うことを聞くと教えた。胡咏梅が店に帰ると、周瑩が待っていた。驚いたことに周瑩は古月(コゲツ)洋布店と取引したいという。先に話を聞いていた胡家職も、民富洋布の見本が店の洋布と比べても品質が劣らないと話した。周瑩はどこの業者の卸値よりも1割安く提供すると約束し、前金も保証金も必要ないという。すると胡咏梅は周瑩に何か企みがあると疑い、奥の部屋で2人で話すことにした。「何のつもり?」「…私たちの間には誤解が生じているようね?」胡咏梅に逆恨みされている周瑩は、趙白石に軍需品の事案の再調査を頼んだと教えた。真相が明らかになれば義父たちの死の謎も解ける、お互いの恨みにもけりがつくという。「その日が来るまでいくら言い争っても無意味よ、それより一緒に有意義なことをしない?」周瑩は洋布にいち早く目をつけた胡咏梅の手腕に感心していたと吐露し、そのおかげで機器織布局に自信が持てたからこそ、民富洋布を生産できると言った。 「だからあなたの店を最初の得意先にしたいの 私が洋布を生産し、あなたが店で売る…安くて良い物を作れば市場は開拓できる 機器織布局の生産高は3年で数倍となり、古月洋布店は全国に支店を出せるわ」胡咏梅は黙って手を出し、見本を受け取った。その代わり必ずどこよりも安く下ろすと約束して欲しいと条件を出す。「いいわ」「いつの日か、父の死があなたのせいだと証明されたら、この手で殺してやるから」「…もし私に非があれば好きにしていいわ」周瑩は義母に織布局の洋布の評判が上々だと報告していた。すると鄭(テイ)氏は呉蔚全の妻・朱(シュ)氏が訪ねて来たと教え、どうやら合資関係の解消を後悔しているという。何でも西院との合資関係を復活させるなら、中院も加わりたいのだとか…。周瑩は素直になれない四叔にため息を漏らしたが、機器織布局の設立当初、両院に大損させたこともあり、断る理由はないと了承した。食事の用意が整い、周瑩は義母と食卓を囲んだ。すると鄭氏は箸についていた担保の紙が剥がれていることに気づく。張(チョウ)媽は今月の配当が出て損する恐れがなくなり、皆が担保の紙を外していると教えた。「持ちやすかったのに残念ね…また紙を巻いて?」鄭氏の戯言に笑いが起こり和やかな食事となったが、そこへ再び上海からの電報が届く。機嫌が良かった鄭氏の顔色は一変、そこで周瑩は自ら電報を破り、春杏(シュンキョウ)に捨てるよう渡した。鄭氏はそんな周瑩に信じていると言葉をかける。するとその夜、春杏がまた密かに周瑩に電報を届けてくれた。…周瑩、上海は万事を寛容に受け入れる土地だ…勢いが盛んで商機は至る所にある…上海から世界各国に行くことも可能だ…東院の繁栄を願うなら涇陽(ケイヨウ)を出て見聞を広めろ胡家職は周瑩から第一陣の洋布を半年以内に届けると連絡を受けた。確かに呉家の卸値はどこよりも安かったが、胡咏梅は父に申し訳がたたないと後ろめたい。しかし胡家職は周瑩の言い分にも一理あると言った。「うちの老爺も呉蔚文(ゴイブン)老爺も濡れ衣を着せられのやも…」そこへ突然、杜明礼から荷物が届いた。杜明礼の荷物の中身は例の手紙だった。驚いた胡咏梅は店を飛び出し、杖をついて帰って行く杜明礼に追いつく。実は杜明礼がこの手紙を取り戻すために大怪我を負ったと知り、胡咏梅は涙を流して感激した。こうして再び胡咏梅の信頼を得た杜明礼、しかし査坤は少しも疑われなかったと聞いて驚いた様子…。すると杜明礼はずっと胡咏梅のためを考えて来たのは事実であり、同時に己がすべきことをやったまでだと言った。「そうだ、咏梅が軍需品の事案と父親の関わりを知りたいと…」そんなある日、呉家西院に合格通知が届いた。屈折十数年、呉沢(ゴタク)はついに郷試(キョウシ)に合格、呉家からやっと仕官する者が出る。西院では盛大に祝宴が開かれ、周瑩も義母と一緒に祝いに向かった。周瑩は呉漪(ゴイ)を見つけて駆け寄ったが、愛想がいい呉漪がなぜかニコリともしない。しかし理由を聞く間もなく陳(チン)氏に席を勧められ、仕方なく周瑩はその場から離れた。周瑩の背中をにらみつける呉漪、そこへ侍女の荷香(カコウ)が戻ってくる。「小姐、大少爺と趙大人は居宅で酒盛りを…」すると呉漪はどこかへ行ってしまう。周瑩は呉漪の変化に気づき、陳氏に縁談のことを聞いてみた。すると婚儀の日取りが決まったと知る。つづく|ω・`)めいめい…そしてついに辮髪にスーツという管理人の苦手なスタイルにw
2020.03.13
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第47話「驚きの新機軸」周瑩(シュウエイ)は呉家東院の奉公人たちに担保をつけて株を売った。噂を聞いた呉蔚全(ゴイゼン)が慌てて大嫂を訪ねると、すでに部屋のあらゆる物が担保になっている。ちょうど朝餉だった鄭(テイ)氏は、株主の名前が貼られた自分の箸を見せた。「これのこと?朝起きたらこうよ…」呆れた呉蔚全はすぐ二兄と相談するので心配ないという。しかし鄭氏は東院のことに口出ししないでくれと断った。「老爺(ラオイェ)の大事に、あなたたちと違って周瑩は戻って来てくれた 一番つらい時に寄り添い、私を支えてくれたのは周瑩よ? やりたいことがあるなら応援してあげたいの」鄭氏はこれも東院のためだと腹をくくっていた。↓(TㅅT)ありがとう、にゃん!妓楼の女将からようやく逃げられた周老四(シュウロウシ)が別院へ戻ってきた。結局、正月までに150両払うと約束して何とか解放されたという。自分を見捨てて帰ってしまった周瑩に怒り心頭の周老四、思わずもう娘だと思わないと言い放ったが、周瑩はせっかく孝行しようと西鳳(シーフォン)酒を買ったのに残念だと笑った。酒に目がない周老四は仕方なく、自分は娘だと認めないが、親孝行するなとは言っていないという。「きっ、気が向けば許すかも知れん」周瑩の奇策が功を奏し、ついに銀10万1千両を集めた。そこで機器織布局に趙白石(チョウハクセキ)を呼んで銀票を渡し、今回は中古の機械を買おうと提案する。趙白石は早速、手配すると喜んだが、周瑩から思わぬ申し出があった。趙白石は周瑩の要望通り、まだ収監されている打ち壊しの首謀者たちに織機を渡せば許すと通告した。すると織機は半日たたずにあっという間に集まる。周瑩は早速、趙白石の案内で織機を見に行くと、首謀者たちも呼んでくれと頼んだ。しかし連行された職人たちは周瑩たちの姿を見るなり、これが呉家東院の敵討ちではないかと気づく。案の定、周瑩たちは職人たちの大事な織機をいきなり棒で叩き壊した。職人たちは仕事ができなくなると嘆いたが、周瑩は織布局を壊してくれたお返しだという。「これで公平だわ、つらいでしょう?分かるわ、私も同じ気持ちを味わったのよ?」王徳根(オウトクコン)は周瑩に騙されたと知って憤慨し、気が済んだなら解放してくれと訴えた。しかし周瑩は家に帰っても織機がないのにどうやって生活するのかと聞く。その時、銀子と書類を載せた机が運ばれて来た。周瑩は必ず機器織布局を再建すると宣言、もし働く気があるなら工員として雇うと持ちかける。「王徳根?腕がいいそうね?1日に3尺も織ると聞いたわ」それでも昼夜なく働いて稼げたのは銀10両、しかし機械を操作して織れば1年で150両は稼げると教えた。朱少君(シュショウクン)は今まで1年働いても7両程度だったが、機械で糸を紡げば1年で100両も稼げると知る。(^ꇴ^)/<やります! ←裏切るの早いwすると噂を真に受けた秦大鵬(シンタイホウ)は、機械が手や足を喰うらしいと訴えた。そこで周瑩は稼働する前に技師が操作の指導をしてくると話し、自分の目で事実かどうか確かめればいいと勧める。「噂が事実なら辞めればいいわ!」周瑩は織布局で働きたければ今ここで契約書に署名と母印を押すよう伝えた。給金はひと月5両以上を保証、もし働く気がないなら織機を壊した賠償として5両を渡すという。その時、誰よりも早く張長天(チョウチョウテン)が手を挙げ、契約書に署名した。すると職人たちの間に動揺が広がる。そこで趙白石は打ち壊しによる東院の損失が20万両に及ぶと教え、朝廷からは暴動として処罰の沙汰があったと脅かした。本来なら首謀者は流罪、共犯者も重罰だが、周瑩が皆のために刑の免除を求めてくれたという。驚いた職人たちは周瑩の寛大さに心を打たれ、次々に契約を申し出た。しかし王徳根だけは頑なに拒み、たったひとり5両をもらって帰ってしまう。王徳根が家に帰ると、妻と子供たちが元気に出迎えた。これまで飲まず食わずだろうと心配していたが、実は東院から食料が届いていたという。妻の翠花(スイカ)から話を聞いた王徳根は自分の過ちに気づき、すぐ周瑩を訪ねて謝罪した。「今日ここで少奶奶に誓います、機器織布局を邪魔するものは俺が許しません!」一方、上海に到着した沈星移(シンセイイ)は見るもの全てが新鮮だった。街には西洋人も多く、夜になれば電灯がつき、人々は活気にあふれている。やがて星移は上海電報局が目に留まり、中に入ってみた。「電報とは何ですか?」「電気で言葉を伝えるものです、一瞬で届きますよ」驚いた星移は早速、周瑩に電報を届けてみることにした。陝西(センセイ)の涇陽(ケイヨウ)なら西安局に打てば、局の人が届けてくれるという。電報はすぐ呉家東院に届いた。しかし受け取ったのが夫人房の侍女だったせいで鄭氏の手元に届いてしまう。鄭氏は周瑩宛の電報だと分かったが、上海からと聞いてピンときた。上海から電報が届いていると聞いた周瑩は心踊らせ、夫人房へ受け取りに行った。しかし義母からあの沈星移からの電報かと指摘され、寡婦を貫くと誓ったばかりの周瑩は気が引ける。そこで疑われないよう義母に中を確認して欲しいと頼んだ。鄭氏は早速、開封したが、やはり沈星移からだと分かってビリビリに破いてしまう。(TㅅT)ぁぁぁ…にゃん…周瑩は義母の手前、何も言えず別院へ戻った。すると春杏(シュンキョウ)が夫人が捨てた電報をこっそり拾って別院に持って来る。実は春杏はあの夜、周瑩を昔のように笑らせてくれたのが沈星移だと気づいていた。周瑩の呉聘(ゴヘイ)への気持ちはよく分かっているが、ただ周瑩が生涯、寡婦でいることを呉聘が喜ぶとは思えないという。「私には学も才能もありませんが、韓夫人の言う通りだと思います このまま独り身を通すのはおかしいです」(TㅅT)春杏…春杏が下がると、周瑩はちぎれた電報を並べ直してみた。…周瑩、無事に上海についた…ここは賑やかで、初めて見聞きするものばかりだ…自分の無知を思い知らされたよ…世界は広く、驚きに満ちている…機器織布局は再建するんだろう?…途中で困難にぶつかったら、西安から電報を打ってくれ…上海まで一瞬で届くそうだ…私が必ず力になる (๑•̀ㅂ•́)و✧<海賊王になる!(←しつこい?w織布局に織機が到着した。しかし今回は中古を購入したため技師の派遣がなく説明書のみ、しかもその説明書が英語だと分かる。そこで周瑩は英国人宣教師・ジョゼフを連れて来た。すると工員たちは西洋人に魂を吸われると怯え、近づこうとしない。王世均(オウセイキン)は現に周瑩が近くで話していると安心させたが、工員は陰の気が強い女だからだと訴えた。中にはあまりの怖さに工場から逃げ出してしまう者まで現れ、周瑩も手に負えない。ちょうどその時、趙白石がやって来た。周瑩は趙白石に証明してもらおうと思いつき、いきなり手を握ってジョゼフの元へ引っ張って行く。そして趙白石の手をジョゼフの手に乗せた。「趙大人だって西洋人と手を握っても何ともないわ、生きてるでしょう?」?>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<?ところが趙白石は周瑩と手と手が触れ合い、放心状態になってしまう。見ろ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<魂が抜けてる!工員たちが騒ぎ出し、驚いた周瑩は慌てて趙白石に声をかけた。「(はっ!)あ…よろしく」さすがに趙大人が無事なら安心だと分かったのか、工員たちはジョゼフのもとに集まった。( ๑≧ꇴ≦)趙だーれんwww一方、呉家西院ではすでに呉漪(ゴイ)の嫁入り支度が始まっていた。何も知らずに母に呼ばれた呉漪は新しい衣だと知って笑顔になったが、喜び事だと聞いて動揺する。「喜び事って?」「冷(レイ)家との縁談をまとめたわ」すると呉漪はいきなり衣を投げ捨て、勝手に決めるなと怒鳴って出て行ってしまう。呉漪は一刻たりとも猶予がないと焦った。そこで恥を忍んで千紅(センコウ)に知恵を借りることにする。千紅はまさか自分を毛嫌いしていた呉漪が頼ってくるとは思いもよらず、自分を姉と呼ぶなら助けると言った。「…ぅ…っ…あーもう!じぇじぇ!」「あははは~いい子ね」つづく( ๑≧ꇴ≦)ダメだ~どうしてもジョゼフがゼペット爺さんに変換されてしまうwそれにしてもみんな都市伝説が好き過ぎるわ(笑でも始めから工員にするって言えばよかっ…ゲフンゲフン
2020.03.13
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第46話「誓いの言葉」軍機処(グンキショ)に陝西(センセイ)機器織布局は商人の利益を損ねるとして排除し、暴徒の刑も軽減すべきだと誰かが上奏した。報告を聞いた趙白石(チョウハクセキ)は驚き、同治(ドウチ)帝の時代から苦労を重ねた末にようやく日の目を見た事業、後戻りはできないと憤る。一方、うまく事が進んだ杜明礼(トメイレイ)は上機嫌だった。機器織布局で起きた暴動と黄(コウ)大人の奏状で洋務派は苦しむことになる。まだ詔は下りていないが、皇太后が貝勒(ベイレ)に接見しているだけで十分な効果だった。趙白石は諦めがつかず、機器織布局に出向いた。すると周瑩(シュウエイ)たちがめちゃくちゃにされた工場の中から、まだ使えそうな備品を集めている。そこで趙白石は暴徒たちの主導者が王徳根(オウトクコン)で、扇動したのは叔従父の陶大通(トウダイツウ)だと報告した。実は陶大通は沈家綿花店の番頭で、しかも沈四海(シンシカイ)の相棒である杜明礼には貴族の後ろ盾があるという。つまり今回の暴動の裏には複雑な事情が隠されており、趙白石は再建には時間が必要だと言った。しかし周瑩は織布局が国や民の利益になると思うなら、諦めてはならないと鼓舞する。「他人が何と言おうとやり遂げるべきです」周瑩はまた横槍が入ろうと、機器織布局は絶対に再建させるべきだと訴えた。その熱意に趙白石も突き動かされ、まずはお互いにできることをやろうと告げる。そのためにはまず資金が必要だった。沈四海は息子と王(オウ)大人の令嬢との縁談をまとめた。するとまだ怪我が完治していない沈星移が血相を変えてやって来る。しかし星移が怒っているのは縁談話ではなく、請願書の件だった。沈四海は自分が書いたと素直に認め、実はこれまでも誰かを陥れるためにあらゆる手段を使ったと告白する。「すべては沈家のためだ」「でぃぇ、そのうち沈家も報いを受けますよ?!」「分かっておる!…だが手を切れぬ、私と杜明礼は同類だからだ」父に失望し、言葉を失う星移…。そこで沈四海は話題を縁談話に変えた。杜明礼を頼るのは一夜で没落した富豪たちの二の舞にならないため、もとより沈家は地位も名声もなく、別の後ろ盾を得るためには星移の婚姻を利用するしかない。「私は沈家のために人の道に背くことすらやって来た、今度はお前が沈家を救う番だ」沈四海は黙って令嬢を娶るよう言い聞かせたが、星移が首を縦にふることはなかった。「私は彼女を忘れられません、父上が杜明礼と手を切れないのと同じことです! 私も彼女を諦められない!」すると沈四海はならば上海へ行けと命じた。沈星移が屋敷から出ると、いきなり待ち伏せしていた周老四(シュウロウシ)が殴りかかって来た。「お前の婆さんのせいで周瑩が寡婦を貫くと誓いを立てちまったんだぞ!」すると駆けつけた天石(テンセキ)と天玉(テンギョク)が慌てて医者を呼び、周老四は大げさだと呆れる。しかし実は星移が数日前に周瑩を守って骨折したと聞いた。理由を知った周老四は星移に謝罪し、何としてでも周瑩の誓いを自分がぶち壊すと約束する。そこで星移はもうすぐ涇陽(ケイヨウ)を離れると話し、上海に行く前に一度だけ周瑩に会いたいと頼んだ。「肋骨を折られてもいいのか?(´゚艸゚)∴ブッ」その夜、周老四は沈星移をこっそり別院の庭に入れ、春杏(シュンキョウ)に腹が減ったのですぐ油茶(ヨウチャ)を作ってくれと声をかけた。周瑩は自分の世話はいいので行ってこいと命じたが、なぜかまたすぐ戸が開く音がする。「春杏?早かったわね」しかし後ろに立っていたのは沈星移だった。周瑩はまた周老四の手引きだと分かった。沈星移は切られた木がもう伸びていたと教え、どうしても周瑩に会いたいと周老四に頼んだという。周瑩は祖廟での誓いを聞いたはずだと言ったが、沈星移は分かっていると答えた。「だが旅立つ前に会って別れを言いたかった」「どこへ?」「上海だ」「いつ戻るの?」「分からない…」周瑩は一抹の寂しさを感じながら、改めて織布局で自分を守ってくれたことに感謝した。しかしそんな命の恩人に、自分は何も望む物をあげられないと謝罪する。すると沈星移は謝るのは自分の方だと言った。「私はお前を傷つけた… 以前の私はお前を愛することに満足し、お前の気持ちや立場を考えてやれなかった 今、気づいたよ、私はお前を幸せにするどころか、多くの苦しみを与えていたんだと…」数年前、ここで周瑩にひどく罵られたことがあった。思えばあの言葉がきっかけで銀子を稼いで立派な男になろうと決意したという。「でも今の私はお前に家すら与えられない、お前を娶ると言っておいて実現できずにいる 今の私にお前を愛する資格などない」「星移、あんたは愛する人を間違えただけよ」「いや、私がふがいない男なだけだ、上海へ行ったら必ず独り立ちしてみせる そしていつか周囲の反対を押し切ってでも、お前を沈家の嫁に迎えてみせる」「フフ…私が誓いを立てたことを忘れないでよね」「だったらここで誓おう、″私、沈星移は一生かかってでも周瑩を妻にしてみせる″」 (๑•̀ㅂ•́)و✧<海賊王になる!(←それは別の話w周瑩は感激して涙があふれそうになった。すると沈星移はふと思い出し、自分で書いた周瑩の絵を贈る。それは迪化の時に見た花吹雪の中に立つ周瑩の姿…。星移はあれ以来、花が舞い散る様子を見る度にあの時の周瑩の姿を思い出していた。「(´゚艸゚)∴ブッ!なんて醜いの?!顔がデカすぎるwww」↓沈星移画伯周老四に夜食を作り終えた春杏は厨房を出た。慌てた周老四は繕い物も頼むと引き留めたが、周瑩の部屋から笑い声が聞こえて来る。<あはははは~♪春杏は誰かがいると気づいたが、久しぶりに聞く周瑩の笑い声に心が和み、そのまま放っておいた。そして沈星移は船で上海へ…やっぱり海賊王か?(←違うw沈四海は星移が上海へ行って新天地を切り開けば、この先、杜明礼に左右されずに済むと期待した。周瑩は機器織布局の再建のため、10万両は必要だと考えた。しかしもはや逆立ちしても金はない。行き詰まった周瑩は周老四と街をぶらつきながら、何か金を工面する方法はないかと相談した。すると妓楼の女将が現れ、周老四を捕らえて90両のツケを払えと迫る。何でも呉家東院が機器織布局の暴動で没落寸前だと聞き、催促に来たというのだ。周瑩は遊び人の周老四を懲らしめようと高みの見物、そこで追い詰められた周老四は自分を使えば大いに稼げると取り繕う。「200両貸してくれるなら、それを元手に稼いで3割をやるよ! 口で稼いだ分なら4割、身体で稼いだ分は5割でどうだ?300両に達したら俺を解放してくれ!」女将はそんな与太話など信じなかったが、周瑩はおかげで資金を集める方法を思いついた。周瑩は鄭(テイ)氏から了解をもらい、呉家東院の奉公人を全て集めた。そこで呉家東院が経営する店の株5割を奉公人たちに売り出すと知らせる。早速、江福祺(コウフクキ)は株がどんなものか説明を始めたが、奉公人たちは数字の羅列にちんぷんかんだった。「…例えば銀5千両稼ぐ綿花店を銀子換算すると3万両になる それを株に換算すると、一株10両として合計3千株だ そのうち韓三春(カンサンシュン)が600株、少奶奶が900株を持ち、残りの1500株をみんなに売り出す 店が3千両稼げば配当金は一株につき1両、6千両稼げば2両とする」ざわざわ…>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ザワザワ…すると福来(フクライ)が分からないながらも、綿花店に出資すれば自分も老板になれるのかと尋ねる。江福祺は確かに配当をもらうだけの老板になれると教えた。福来のおかげで株の価値が何となく分かったのか、奉公人たちは一斉に株に興味を持ち始める。しかし周瑩の期待に反し、株はほとんど売れなかった。周瑩は福来が母から反対されて株を諦めたと知った。母の話では店に損失が出れば株主も損してしまうため、危ない橋を渡りたくないという。そこで周瑩は株主が損した場合の保証をつけると決めた。東院の中にあるものを担保とし、損が出た場合は担保を譲ることにする。「だったら…門前に置かれている狛犬がいいな~」「いいわよ」東院が奉公人に店の株を売ったという話はすぐ西院と中院の知るところとなった。呉蔚全(ゴイゼン)は家職から東院で働く自分の兄弟も馬店で3株買い、今や使用人であり株主だという。しかも馬が担保に入っているため、損失が出ても馬をもらえるというのだ。一方、呉蔚武(ゴイゼブ)も東院では門番までも株主だと聞いて驚いた。しかも大門まで担保に入っていると知り、憤慨する。新入りの侍女2人すら各自5両出して絹織物店の株を買い、王世均と江福祺に至っては500両と600両だして綿花店の株を最も多く買っていた。つづく(  ̄꒳ ̄)沈星移も大人になったのね〜切った木が伸びたって言うのも感慨深いわそれにしても福来の欲しいものが狛ちゃんとは…(笑
2020.03.12
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第45話「真心を捧げて」職人たちの暴動に巻き込まれ、周瑩(シュウエイ)は喀血して倒れた。昨夜、知らせを受けていた呉蔚全(ゴイゼン)はまさかこんな大ごとになるとは思わなかったと後悔し、何らかの手を打てたかもしれないと嘆く。趙白石(チョウハクセキ)は周瑩が心配で呉家で待っていたが、王世均(オウセイキン)から頭に血が上っただけだと報告を受け、一安心して帰ることにした。その時、ちょうど呉漪(ゴイ)が母・陳(チン)氏と一緒に別院にやって来る。2人は気まずそうに挨拶を交わして別れたが、超白石はふと足を止めた。「漪小姐、夫人のことを頼みます」胡咏梅(コエイバイ)は周瑩がまたしても助かったと知って驚いた。しかし陝西(センセイ)機器織布局はめちゃくちゃに壊されてしまったという。胡家職は同情したが、胡咏梅は呉家が数年分の稼ぎを失ったと知り、胸がすく思いだった。一方、杜明礼(トメイレイ)は沈四海(シンシカイ)を訪ねていた。実は明日にでも数人で役所へ行き、織布局の操業停止を求める請願書を出して欲しいという。しかし沈四海は職人たちが人の財物を壊した罪人だと指摘、英雄扱いすることはできないと断った。すると杜明礼は貝勒(ベイレ)の目的が趙白石を陝西から追放することだと教え、すでに沈四海も貝勒の配下だという。驚いた沈四海はあくまで合資関係を結んだに過ぎないと訂正したが、杜明礼が見逃すはずがない。これまで数々の軍需品を受注できたり、各地の関所をすんなり通れたり、入手困難な物が買えるのも、全て貝勒の威光を利用したおかげだろう。沈四海はそれでも遠回しに拒否したが、沈四海は沈星移を持ち出して強要した。「機器織布局が襲撃された時、二少爺が趙白石を助けようとしたとか…深手を負ったそうですね?」息子が逆らったと貝勒に知られたらどんな末路が待っているか、それを誰より分かっているのは沈四海だった。沈星移は肋骨を骨折したが、幸い肺は無事だった。そこで沈四海は病床の息子に寡婦を助けに行ったのか、趙白石を助けに行ったのか確認してみる。沈星移は皆のためだと答えたが、この騒動に杜明礼が絡んでいると察しがついた。息子のおかげでまた窮地に立たされた沈四海、しかし沈星移に良心のある者なら自分と同じことをしたと言われ、返す言葉もなく帰ってしまう。周瑩は床を離れたが、大夫から完治まで半月からひと月かかると言われた。しかし自分を守って怪我をした沈星移に責任を感じ、非難を覚悟で見舞いに行くと決める。すると小藕(ショウグウ)が慌てて飛び込んできた。沈家の大夫人が周瑩に会いに来たという。周瑩が表門へ出て行くと、先に対応に出ていた鄭(テイ)氏が困惑していた。「どうしました?にゃん?」鄭氏は横柄な大夫人の侍女に憤慨していたが、周瑩は冷静に何の用かと聞く。するとようやく輿から大夫人が姿を現し、周瑩に暴言を吐いた。「女狐のような風貌だね~よくお聞き?夢を見るのは今日でおしまいにして 星移は遊び人だけど、沈家に嫁入りできるのは名門名家の生娘だけだよ」そこへ韓三春(カンサンシュン)たちが駆けつけ、大夫人たちを追い出そうとした。しかし大夫人の手には皇帝から賜った二品の爵位の勅書があり、うかつに手を出せない。「お前のような容色の衰えた淫乱な女が、私の孫を誘惑できるとでも?」「なんて言い草なの?!」さすがに鄭氏は反発したが、周瑩はバカバカしくなり、黙って別院に帰ることにした。「沈家の者は皆、清廉潔白よ!後ろ暗い呉家東院とは違う!」大夫人の暴言は続いたが、周瑩は無視して歩いていた。「孫の沈星移は公明正大!強欲で好色な呉聘(ゴヘイ)とは違う!」その言葉を聞いた周瑩はふと足を止め、急に引き返して来た。呉聘を悪く言われた周瑩は激怒し、立ちはだかる侍女を突き飛ばしたかと思うと、大夫人が抱えていた勅書を放り投げた。「目上だと思って遠慮してたら、ますますつけあがって、爵位を買えば清廉潔白だとでも? へそで茶を沸かすわ!金持ちなら人を侮辱してもいいって言うの?」「うぉ(我)…」「よく聞きな!らお・たい・ぽぉ! お金で虚勢を張る沈家なんぞ、こっちから願い下げだっつーの!」周瑩に凄まれた大夫人はその迫力に驚き、その場で卒倒してしまう。沈星移は祖母が呉家で周瑩に罵倒され倒れたと聞き、怪我を押して駆けつけた。「奶奶?!大丈夫ですか?」しかし実は祖母が周瑩を罵りに行ったと知り、星移は焦燥する。「なぜ余計なことを…」一方、大夫人に威勢良く言い返した周瑩だったが、寝殿に戻ると悔しさと寂しさで号泣した。騒ぎを聞いた千紅(センコウ)は別院に様子を見にやって来たが、周瑩を好きなだけ泣かせてから部屋に入ってみる。そこで千紅は沈星移が軽薄そうに見えて実は頼り甲斐があると話し、周瑩に対して本気なのだと分かると言った。「今日の騒ぎはそのうち涇陽(ケイヨウ)中に知れ渡る 何もせずにいたら名誉を傷つけられて終わりよ?」するとそこへ春杏(シュンキョウ)がやって来る。沈星移が訪ねて来たと言うのだ。沈星移が周瑩に会いに来たと知り、鄭氏も別院に乗り込んだ。すると沈星移が自分の誕辰を書いた紙を渡し、正々堂々と求婚する。鄭氏は激怒して紙をビリビリに破いて捨てたが、星移はひるまなかった。「分かっている、お前は私を友だちとしか思っていないと…だから戸惑っている 返事は急がない、ただ私の真心を伝えておきたかった …沈家の態度がどうあれ、お前を必ず私の妻にしてみせる 図爾丹(トゥーアルダン)に言ったんだろう?お前の心は呉聘と共に土の下に埋まっていると ならば私が自分の心を差し出す」しかしそんな星移の強い思いがかえって周瑩を追い詰めた。周瑩は王世均(オウセイキン)になぜか全員を祖廟に集めるよう頼み、趙白石にも来てもらうよう告げる。一体、何を始めるつもりなのだろうか。祖廟に呉家の人間が揃い、やがて趙白石も到着した。そこで周瑩は趙白石に片付けておくべき問題があり、立ち会って欲しいと頼む。趙白石が了承すると、周瑩は先祖たちの位牌を前にひざまずき、突然、誓いの言葉を述べた。「祖先の名において、呉家第5代・呉聘の妻・周氏がここに誓いを立てます 今後は誰にも嫁がず、寡婦を貫き、呉家の名で死にます 誓いを破れば地獄に落ちても構いません」沈星移は呆然とたちすくんでいた。すると周瑩が立ち上がり、自分の答えを聞いた沈星移に帰るよう告げる。深く傷つき祖廟をあとにする沈星移、その後ろ姿を見ながら周瑩は人知れず涙を流した。しかしその一方で、呉漪は衝撃的な事実を目撃する。趙白石がまるで怒りを堪えるかのように握りしめたこぶしを震わせていた。その目線に先にいるのは周瑩…。呉漪は気になって韓三春を訪ねた。当時、韓三春が周瑩と間違えて自分をさらったが、趙白石が自分を助けてくれた時に何か言っていたか聞いてみる。すると韓三春は確か″夫人を離せ″と言っていたと教えた。翌日の朝議、周瑩が寡婦を貫くと誓いを立てたことから、呉蔚武(ゴイブ)と呉蔚全は呉家の大当主の座と式易堂大印(シキイドウダイイン)を周瑩に返した。また機器織布局の副局長も周瑩に引き継ぐことにする。周瑩は改めて呉家の商いを必ず繁盛させてみせると誓うと、真っ先に機器織布局の再建を提案した。確かに大損害を受けたが、機器織布局なら速やかに損失を補えるという。呉蔚全はまだ懲りていないのかと猛反対、しかし呉蔚武は黙っていた。「二叔?何かご意見は?」「周瑩や、式易堂大印はお前の手にある…好きなようにやりなさい」周瑩は安堵したが、呉蔚武の話にはまだ続きがあった。「だが私は参加しない」呉蔚武は織物業から西院は手を引くと言った。西院の残りの財産だけは何としても守らねばならない。すると呉蔚全も手を引くと言い出し、結局、3院の合資関係は解消となった。つづく( ๑≧ꇴ≦)待ってました〜らおたいぽぉ!あ〜スッキリしたw
2020.03.11
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第44話「打ち壊し事件」呉家中院の織物工房が閉鎖され、職を失った王徳根(オウトクコン)は生活が困窮していた。すると叔従父の陶(トウ)番頭が差し入れを持ってやって来る。陶番頭は機器織布局が操業を始めた上海や武漢でも多くの職人が路頭に迷い、自害したり盗賊に身をやつす者まで出たと不安をあおった。「私なら動く、織布局が稼働する前に自分で活路を見出す 皆で団結すれば状況は変えられるはずだ」そんな中、布政局に張長清(チョウチョウセイ)が訪ねてきた。張長清は陝西(センセイ)機器織布局が稼働して利益を上げれば、趙白石(チョウハクセキ)を陝西巡撫(ジュンブ)に推挙するという。まだ新しい巡撫が赴任されたばかりだったが、その新任では自分たちの足手まといだった。すると張長清は、呉家東院の軍需品偽装の件を蒸し返さぬよう釘を刺す。これは複数の勢力に絡む案件で、うかつに動けば痛い目に遭うという。真相を探れば自分も趙白石も災いは免れず、他の者まで巻き添えになるのだ。「もう言うな」張長清は趙白石が再調査を求めた奏状を軍機処(グンキショ)から取り戻しておいたと告げ、本人に返した。趙白石はこの件に恩師も絡んでいると気づき、鬱憤ばらしに呉家西院に呉沢(ゴタク)を訪ねた。話を聞いた呉沢は趙白石の師が張長清と知り、朝廷の闇の深さを思い知る。その時、偶然、呉漪(ゴイ)が部屋の前を通りかかった。趙白石が来ていると分かった呉漪はふと千紅(センコウ)の言葉が頭をよぎる。…私なら今すぐ好きだと伝えるわ、″私はもうあなたのものよ″ってね…そこで呉漪は得意な料理で告白しようと決心した。呉漪は何食わぬ顔で兄の部屋を訪ねた。「まあ、趙大人(ダーレン)、お越しでしたの?」すると妹の気持ちを察し、呉沢は息抜きして来ると断って出て行ってしまう。そこで呉漪は兄に新しい料理の味見を頼むつもりだったが、代わりに趙白石から感想を聞きたいと言った。最初の料理は簡素な青菜だった。すると呉漪が料理の名前は『青青子衿 悠悠我心 但为君故 沉吟至今(曹操の″短歌行″から)』だという。…青々とした襟元の君、私の思いは尽きることなく、だだあなただけを思い、今に至る…次の料理は羹、名前は『溯洄从之 道阻且長 溯游从之 宛在水中央(詩経の秦風″蒹葭″から)』と言った。…流れに逆らって追えば道は遠く険しく、流れに従えば水の中央にあなたが見えるだけ…そして最後に出したのは魚の蒸し料理だった。「相濡以沫(夫婦となってお互い助け合いましょう)」趙白石は呉漪の自分への恋心に気づき、何と感想を述べるべきか分からず口ごもった。しかし呉漪は遠慮なく言って欲しいという。そこで趙白石も料理の感想になぞらえて返事をした。最初の料理は″青青″にかけて″青菜″だったが、″大根″に変えたらもっと引き立つという。次の羹の味わいも格別だった。ただ名前は『曾經滄海難爲水(元稹の″离思五首″から、大海を渡れば川は珍しくもない)』だろう。そして最後の魚料理の名前は『相濡以沫』だったが、趙白石は荘子の原文を持ち出した。「荘子は″魚は江湖に相忘る″と言っています、私も同感だ」※″相濡以沫″の原文は『相濡以沫不如相忘于江湖』『相濡以沫』は水が枯れて魚が唾液で互いにぬらし合う様子を表現したもので、ここだけが成語となり、困難な状況の中で互いに助け合うという意(主に夫婦の情)、しかし本来は情などのしがらみより、自然のままに悠々と生きることを説いている(あくまで管理人の私感w)呉漪は趙白石の答えに落胆した。「料理の良し悪しは腕ではなく、心を込めるかどうかです けれど、作り手が心を込めたとしても、残念ながら伝わらないこともありますね」趙白石は自分には料理を評する資格などないが、呉漪にも必ず知音(チイン)が見つかると断った。(꒦ິ⌑꒦ີ)メイメイ…陝西機器織布局に織物機が入り、あとは最終確認を残すのみとなった。趙白石が工場に駆けつけると、周瑩(シュウエイ)は興奮気味に技師たちが大きな機械を思い通りに動かしていると話す。しかしまだ工員の応募者が思うように集まらなかった。それも西洋の機械が指を噛み切るというデマのせいだろう。趙白石は心配したが、周瑩はしばらくは技師たちが働いてくれるため、自然と安全性が分かれば応募も増えると期待した。開業日を前に、周瑩は工場を見ながら感慨深げだった。しかし周瑩の本当の夢なら叶わない。その夢とは過去に戻ることだった。呉聘(ゴヘイ)がいる東院に来たばかりの頃、始まりのあの頃に…。もちろん周瑩はそれが叶わぬ夢だと分かっていた。だからもう1つ夢がある。かつて呉聘と話した2人の夢、それは東院の商いを世界の隅々まで広めることだ。思いがけず周瑩の夢を聞いた趙白石は、その志の大きさに敬服する。「これが夢の始まりだと期待しています」「きっとそうなるに違いない」趙白石は周瑩の背中を見ながら、胸の奥に秘めた熱い想いを募らせた。その夜、王徳根は綿布の職人や商人たちを集めた。そこで陶番頭は広東の南海に製糸工場ができた時の話だとして暴動を起こすようそそのかす。実は大勢の職人たちで工場の停止を訴えても効果がなく、進退きわまった職人たちが集団で工場を打ち壊したところ、役所が事態を重く見て工場の稼働を禁止、職人に味方したという。義昌(ギショウ)で商いをする西洋人が上海に紡績工場を建てた時も、反対意見が受け入れられず集団で打ち壊したが、事が大きくなって総督自ら処理に乗り出し、工場が閉鎖されたというのだ。王徳根は同じように大きな騒ぎを起こせば解決できると思い込み、工場を打ち壊そうと奮起する。すると陶番頭は西洋の機械を壊せば役所が味方するはず、捕まることはないと吹き込んだ。夜も更けた頃、呉家西院に織物工房の職人だった李長文(リチョウブン)がやって来た。寝込んでいた呉蔚全(ゴイゼン)は知らせを聞くと、てっきり困窮して自分を頼って来たのだと思い、小麦を持たせて帰すよう指示する。李長文はありがたく受け取ると、伝言を頼んで帰って行った。「明日、皆が騒ぎを起こします、″老爺に十分ご注意を″と…」応対した家職は伝言を伝えたが、呉蔚全は騒いだところでどうにもならないと気にしなかった。ついに陝西機器織布局、開業の日がやって来た。しかし祝いに頼んだ楽隊や獅子舞に商人たちが紛れているとは誰も気づかない。その頃、仕事に出ていた沈星移(シンセイイ)がちょうど沈家綿布店に帰って来た。すると奉公人が1人しかいない。何でも皆、お祭り騒ぎを見に行ってしまったという。こんな早く開業だと知らなかった星移は慌てて出かけようとしたが、奉公人が止めた。「手織り綿布の職人や商人が武器を手にして暴動を起こすそうですから危険です」「何だと?」周瑩や趙白石たちが工場へ入り、いよいよ操業を開始することになった。しかし機械が動き始めたちょうどその時、韓三春(カンサンシュン)が危険を知らせにやって来る。驚いた周瑩が外へ出てみると、王徳根を筆頭に職人たちが織布局を閉めろと声を上げていた。趙白石はすぐ兵を呼ぶよう命じ、韓三春に周瑩と呉蔚武(ゴイブ)を屋敷まで連れ帰るよう頼んだ。そこで1人で職人たちの説得を始めたが、職人たちは生活がかかっていると反発する。すると趙白石が問題を起こせば引っ立てると脅し、驚いた周瑩は戻って話し合うことにした。しかし職人たちに紛れていた陶番頭が打ち壊せと扇動し、職人たちは工場へなだれ込んでしまう。暴徒化した職人たちは工場で機械を打ち壊し始めた。野次馬の中で様子を見ていた査坤(サコン)はうまく行ったとほくそ笑み、陶番頭も1人でこっそり帰ってしまう。一方、工場では周瑩が椅子の上に乗り、話を聞いてくれと叫んでいた。すると王徳根は椅子を蹴り飛ばして周瑩を落下させ、倒れた周瑩に向かって棒を振り下ろす。その時、突然、沈星移が現れ、周瑩の盾となった。激しく背中を打たれる沈星移、しかし決して周瑩を離さず守っている。そこへ趙白石が駆けつけ、周瑩を助け出そうとしたが、趙白石まで背中を打たれてしまう。沈星移は趙白石も身を投げ出して周瑩を助けたことに驚愕し、趙白石の想いを悟った。ようやく官兵が到着し、暴徒化した職人たちは捕まった。周瑩は工場から運び出される沈星移を見送ると、放心したまま壊れた機械の中を歩き始める。心配していた趙白石は少し距離をおきながら見守っていたが、周瑩は急にふらついたかと思うと血を吐いてしまう。査坤から報告を聞いた杜明礼(トメイレイ)は上機嫌だった。あとは時機を見て有力者に働きかけ、声を上げさせればいい。すると査坤が織布局を守ろうとする者がいたと報告した。「沈星移です…」「沈家の二少爺か…これも肝心なところでいい働きをしてくれた」つづく( ๑≧ꇴ≦)職人さんにポン◯ライオン発見!ようやく二少爺を見直した!
2020.03.10
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第43話「寡婦の誓い」迪化(テキカ)に帰ることになった図爾丹(トゥーアルダン)は呉家に残してあった結納金を引き上げに来た。周瑩(シュウエイ)は別れの杯を交わすと、亡き夫への愛以外にも友情を大切にしていると告げる。しかし図爾丹は周瑩と友だちになるのは無理だと落胆した。「気持ちにケリがついたら会いにも来られるが…恐らくこれが今生の別れになるだろう」すると未だ亡き夫の愛に縛られている周瑩に苦言を呈す。「例え商いで成功しても君は女だ、連れ添う伴侶がいなければ一生、幸せにはなれない」図爾丹は自分からも周瑩に一献を捧げ、別れを告げて馬にまたがった。「周瑩、自分の心を取り戻せ!」そう言い残し、図爾丹は思いを断ち切るように駆けて行ってしまう。周瑩は図爾丹の言葉が胸に刺さった。すると見送りにも出てこなかった周老四(シュウロウシ)が別院の回廊にいる。その手には大きな金子が…。「父さん!」「はっ!こりゃあ大変だ~金子が街に出たがってる~」周老四は悪びれる様子もなく、遊びに行ってしまう。縁談騒動が落ち着き、周瑩は再び仕事に戻った。その日は裕隆全(ユウリュウゼン)の店で帳簿を確認していたが、その抜群の記憶力で取引先に割引していないと見抜く。「くれぐれも取引先に気を使ってね」顔(ガン)番頭は呆然となり、冷や汗をかいて失態を詫びた。店を出た周瑩は若奥様らしい振る舞いから解放され、急に元気になった。そこでせっかく街に出たついでだと羊肉麺を食べていくことにする。春杏(シュンキョウ)と福来(フクライ)は大喜び、3人は露店に陣取った。そこへ偶然、沈星移たちが現れる。周瑩は沈家の撤退で株を買い占められたと感謝し、羊肉麺をご馳走した。するとふと星移と商いで勝負していることを思い出す。「でどちらが勝ったと思う?」「そうだな~お前の勝ちだ」星移は素直に負けを認め、約束を果たすことになった。周瑩たちが待っていると、女装した沈星移が現れた。主人の情けない姿に目も当てられない天石(テンセキ)と天玉(テンギョク)、一方、春杏と福来は笑いが止まらない。「福来?この街で最も人が多い場所はどこ?」「鐘楼(ショウロウ)です」「鐘楼?…じゃ向かいの五味(ゴミ)酒楼を予約して、春杏はおつまみの注文ね(ニヤリ)沈少爺?行きましょうか?」周瑩たちは五味酒楼の2階席を陣取り、通りで見世物になる沈星移を見下ろした。「私は女に負けた~勝負して負けた~」星移は恥も外聞も無く、女装姿で舞を披露する。その様子を見ながら周瑩は腹を抱えて笑い、いつのまにか屈託のない笑顔を取り戻していた。沈星移は周瑩を娶ることを諦めなかった。そこで再び祖母を説得することにする。「奶奶?彼女は美しいう上にとても商才がある、彼女が嫁いで来れば沈家は一生、安泰だ 本当ですよ、ないない~約束します!彼女を娶ったら年寄り孝行し、ひ孫もたくさん作ります そこら中、走り回りにぎやかですよ」大夫人は仕方なく先ずは夫人と相談すると言葉を濁した。六椽(ロクテン)庁の朝議、呉蔚武(ゴイブ)は西洋の織機が陝西(センセイ)に着いたら中院の織物工房は閉めると言った。手織りの綿布はすでに時代遅れ、職人には規定通り5両、渡して暇を出すしかない。しかし呉蔚全(ゴイゼン)は長年、苦楽を共にしてきた職人たちへの情が深く、難色を示した。呉蔚武は呉蔚全の気持ちを理解できたが、すでに20万両も出資してしまったからには3人で団結しようと訴える。仕方なく呉蔚全は少し時間が欲しいと頼み、この話はひとまず終わった。すると王世均(オウセイキン)が趙白石(チョウハクセキ)に返答しなくてはならない要件があると報告する。実は趙白石が朝廷の許可を得て織布局の局長を兼任することが決まり、株主の呉家から副局長をと要求があったという。周瑩は自分がやりたいと手を上げたが、呉蔚武は通常、呉家の大当主が担うべき役割だと言った。落胆する周瑩だったが、そこで呉蔚武は呉蔚全と相談した結果、大当主の座を周瑩に返すことになったと報告する。「だからお前が副局長になればいい」「じぇんだーっ?!」周瑩は願ってもない申し出に目を輝かせた。しかし呉蔚武は返す代わりに呉家の神堂で生涯、呉家に留まり、再縁しないと誓いを立てて欲しいという。商いとは言え寡婦が出歩けば世間の話題となる。誓いさえ立てれば軽薄な男は近寄らなくなり、妙な噂も流れなくなるという。周瑩は黙って聞いていたが、やはり誓いを立てるのは無理だと答えた。「誓いません…将来のことなど誰にも分からないわ」何より縛られるのが嫌いな周瑩は猛反発した。「ァィャ~二叔、四叔、今後も呉家を裏切ることは絶対にしません 必ず呉家を繁栄させると約束します」「だがお前はしょせん、よそ者だ」呉蔚全の言葉に周瑩は愕然となる。呉家に対する自分の気持ちがまだ分からないのか。すると呉蔚武はもちろん分かっているとしながら、誓いを立ててくれれば安心できると訴えた。呉蔚全も一生、呉聘のために貞節を守り通すなら、周瑩を本当の身内だとみなすという。「私を信じていないのですね…私は望まないことはしません」頑固な周瑩の説得に失敗した呉蔚武は見切りをつけ、仕方なく副局長は自分がやると言った。一方、沈家では大夫人が孫の縁談の件で夫人を訪ねていた。自分に2度も頭を下げたところを見ると、どうやら沈星移は本気で寡婦を娶りたいらしい。ただし押さえつければ逆効果のため、星移を他の場所へ行かせるよう勧めた。寡婦に会わなければ気持ちも冷めるはず、その間に令嬢との縁談をまとめてしまえばいいという。呉蔚武は副局長の件で趙白石を訪ねた。しかし正直なところ自分には肩の荷が重いと吐露し、実は周瑩に条件を出したが断られたとこぼす。趙白石は無理強いは良くないと言ったが、呉蔚武から周瑩を説得して欲しいと頼まれた。この職には周瑩が適任であり、仕事で出歩く周瑩の名節を守るためだという。周瑩は春杏を連れて呉聘の墓参りに来た。墓前で洋布の織機が涇陽に着けば機器織布局が稼働すると報告したが、実は悩みがあると告げる。「呉聘、あなたは私が寡婦でいることを望む? 千紅(センコウ)に言われたの、今のままではダメだと…私はどう生きればいいの? 商い以外に私に何ができる?…もう分からない トゥーアルダンに言われたわ、自分の心を取り戻せと…呉聘?私は心を取り戻せるかしら?」周瑩が馬車へ戻ると趙白石が待っていた。呉蔚武から周瑩に機器織布局の副局長になるよう説得して欲しいと頼まれたという。すると周瑩はその必要はないと断った。「私が再婚したいと思えば誰にも阻めない、だから誓いなど何の意味もないのです」だからと言って事業を傍観する気など毛頭なかったが、また趙白石に無作法だと怒られるのだろう。趙白石は誤解されたままだと慌て、長く接するうちに周瑩が意志の強い女子だと分かったと言った。「その率直さがいいのだ、今後も変わらないで欲しい」「だったら、過去の件を蒸し返してもいいですか?」周瑩は呉家東院の軍需品偽造の罪は濡れ衣だったと訴え、再調査を嘆願する。趙白石はまだこだわっているのかと驚いた。「趙大人、あの墓に眠るのは私の愛する人と尊敬する人です、2人が商いの心得を教えてくれた 彼らが偽造を働いたと言うなら、私が呉家を守ることに意味はない」そこで周瑩は趙白石をある人物に合わせることにした。周瑩はかつて呉家東院の家職だった楊之渙(ヨウシカン)を訪ねた。実は周瑩は今でも毎月、楊之渙に贈り物や薬を届けている。すると楊之渙は趙白石に牢獄で一度だけ呉蔚文(ゴイブン)を見かけたが、変わり果てた姿だったと証言した。恐らく拷問で自白を強要されたのだろう。胡志存(コシソン)が血竭(ケッケツ)を松脂(マツヤニ)で代用したのは呉蔚文だと証言したと言うが、そもそも呉蔚文が松脂と知っていたら血竭の値で支払うはずがない。周瑩ももし呉家東院が偽造しようとしたなら、外部に知られないために東院自ら松脂を手配すると言った。楊之渙は沈月生(シンゲッセイ)を殺したのも呉家東院ではないと訴え、誰も指一本、触れていないと断言する。確かに当時、趙白石は証拠がないため呉家東院を無罪にしていた。なぜ再調査が行われたのか。趙白石はふと席を離れて考え始めた。役所に戻った趙白石はすぐ軍需品事案の資料を取り寄せることにした。しかし刑部直轄の事案だったため、証拠資料は都に送られてしまったという。ただ薄(ハク)先生は潔白という確証はないものの、多くの謎があるのは事実だと怪しんだ。すると趙白石は決心し、朝廷に再調査を奏上するという。呉蔚全は西院の織物工房を閉鎖することになった。しかし職人たちから給金を減らしてもいいので残して欲しいと泣きつかれる。涇陽の織物工房はほとんど閉鎖され、職人たちには他に働き口がなかった。呉蔚全はどうしてやることもできず、ただその場を逃げ出してしまうが…。一方、査坤(サコン)は沈家の陶(トウ)番頭から信頼を得ることに成功していた。そこでちょうど商売を始めたがっている陶番頭に杜明礼(トメイレイ)の仕事を請け負えば一生分、稼げると教える。「沈四海1人だけでは対応しきれなくてな」実は陶番頭は織物職人たちと仲が良かった。つづく(๑´ω`๑)楊家職…周瑩のこういうところが好きそれにしてもあの記憶力、メンサかw
2020.03.07
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第42話「怪我の功名」沈星移(シンセイイ)は朝一番で母を訪ね、縁談を申し込みたい女子がいると打ち明けた。夫人は息子が身を固める気になったと喜んだが、相手を知って驚愕する。実は求婚したいのは呉家東院の寡婦で、しかも以前、側女にし損ねて逃げられた侍女だと言うのだ。星移は急がないと他の男に嫁いでしまうと訴えたが、夫人は猛反対する。「他のことなら許すわ、でも呉家当院の寡婦なんてあり得ない!」「お言葉ですが…もし許されぬのなら、一生、嫁は娶らない!」夫人はどうしたら良いのか分からず、老爺と大夫人に相談することにした。一方、呉家では周瑩(シュウエイ)が叔父たちを待たせたまま姿を見せなかった。王世均(オウセイキン)は別院へ呼びに行かせたが、実は図爾丹(トゥーアルダン)に会いに行ったと分かる。呉蔚武(ゴイブ)と呉蔚全(ゴイゼン)は周瑩が一体どんな結論を出すのか分からず、動揺を隠せないが…。その頃、周瑩は図爾丹を連れて呉家や取引先の店を回っていた。周瑩の商才に舌を巻く図爾丹、そこでもう少し綿布が欲しいと頼むと、周瑩は古月(コゲツ)洋布店に案内した。図爾丹は確かに洋布は素晴らしいと話し、昔は今より7~8倍も値が高かったので売れなかったものだという。そこで周瑩は実は古月の3分の1の値段で作れる方法があると持ちかけた。周瑩はなかなか帰って来なかった。呉蔚武は何の手立てもなく、ただ待つほかない。しかし短気な呉蔚全はすぐ手を打つべきだと訴え、中院の奉公人たちを連れて周瑩を探しに行ってしまう。周瑩は酒楼の個室で図爾丹と食事しながら、一緒に機器織布局へ出資しないかと誘った。図爾丹は自分に嫁いでくれるなら幾らでも出すと言ったが、周瑩は困惑する。すると図爾丹は周瑩のそばでひざまずき、思いの丈を訴えた。「寝ても覚めても、商いの最中ですら君のことが頭から離れない 本当なら9月に来る予定だったが、とてもそれまで待ちきれなかった… しかも沈星移が涇陽(ケイヨウ)に戻った、彼が君を見つめる瞳は私と同じだ 正直な話、君を奪われるのが怖い…」図爾丹は改めて妻になって欲しいと懇願したが、その時、突然、呉蔚全が武器を持った奉公人たちを連れて乗り込んできた。呉蔚全は図爾丹を剣で脅し、周瑩を連れて帰ることにした。すると図爾丹が口笛を吹いて奉公人を呼び、入り口をふさいでしまう。「周瑩を勝手に連れ去るのは許さん」「周瑩は呉家の人間だぞ!」「私のものだ!」「どちらでもないわ!周瑩は思わず2人を黙らせ、呉蔚全に自分が本当に嫁ぎたければ四叔にも止められないと言った。そして図爾丹にも、不本意な状況ながら本心を打ち明ける。「トゥーアルダン、私はお金が大好きよ、羽振りのいいあなたに嫁ぎたかった 最初の計画ではあなたの求婚に応じ、2万両をせしめて株を手に入れたら別れようと… でも亡き夫が言うの、″人を騙すな、信頼を裏切るな″って だから正直に言うわ…愛していない」「…私が至らぬせいか?」「あなたは良い人よ?豪快で男気もある、10年早ければ何が何でも嫁いでた、ふふ」「では、なぜ今はダメなんだ?」「…人を愛するには心が必要よ、私の心は夫と共に土に埋まってるの 私を妻にしても抜け殻でしかない…それでもいいの?」「構わない」「そうだとしても私が嫌なの、嫁ぐのなら愛する人でないと…あなたにも私にも正直でいたい」「そう言うことなら出資はしない…すべての取引も中止する」図爾丹は周瑩を忘れるためだと言った。もちろん周瑩も図爾丹が自分を脅しているわけではなく、傷つくのが怖いのだと分かっている。「私も同じよ…」周瑩が店を出ると、東院の仲間たちが駆けつけていた。王世均たちは四爺が周瑩を拘束したと勘違いし、解放するよう迫る。「少奶奶、我々がついています、どこへでもお供しますよ」「ありがとう、みんな…でもどこへも行かないわ、帰りましょう」沈家では夫人の話を聞いた沈四海(シンシカイ)が怒り心頭で少爺房にやって来た。慌てた沈星移は玲瓏(レイロウ)に祖母を呼んでくるよう命じ、何食わぬ顔で庭へ出る。どうやら沈四海は星移と周瑩が恋仲だと疑っていた。考えてみれば三寿幇(サンジュホウ)に2人がさらわれたのも一緒にいたからだろう。迪化(テキカ)行きも示し合わせたに違いない。「お前たちがこっそり付き合う分には見て見ぬ振りをしてやろう、しかし… 嫁にとして我が家に迎えることは絶対に許さん!」「それなら一生、嫁など娶りません!」星移は思わず口答えすると、激高した沈四海は仕置棒を持って来いと命じた。しかしそこへ大夫人が現れ、沈四海は孫に甘い母に体良く追い出されてしまう。寡婦の話はすでに大夫人の耳にも届いていた。しかし昔から星移は手に入れるまでは一生懸命だが、手に入ると眼中になくなると知っている。「どうせ娶ったあとで飽きるだけだよ、お前の性分は分かってる」大夫人はとにかく諦めろと言い聞かせたが、星移はどうしても嫌だと聞かなかった。「奶奶!ないな~い、協力してください」孫に甘えられると嫌とは言えない大夫人、ひとまず考えておくと答えておいた。呉蔚全が周瑩を連れて呉家に帰ってきた。心配して待っていた呉蔚武は周瑩が縁談を断ったと聞いて安堵する。しかし周瑩はこれで図爾丹が全ての取引を引き上げれば、自分たちは餓死するかもしれないとため息をついた。すると呉蔚武はかえって踏ん切りがついたのか、機器織布局へ出資しようという。「本当に1年で投資が回収、2年で利益が出れば、図爾丹との取引を失っても困らない」そこで早速、家の物を売るなり、担保に入れるなりして資金をかき集めようと言った。まさに怪我の功名、周瑩は夢が叶って大喜びだったが、二兄に裏切られた呉蔚全は憤慨して帰ってしまう。呉蔚武が中院を訪ねると、妻の朱(シュ)氏が嫌がる夫を無理やり引っ張り出してきた。何でも呉蔚全が合資をやめると言い出したという。呉蔚武は怒ると暴走する四弟のこと、必ずそう言い出すと分かっていた。しかし負けず嫌いの自分でも、周瑩の商才は自分たちよりはるかに上だと認めざるを得ないという。大当主となってからと言うもの、呉蔚武は商いのことで食事も喉を通らず、夜も眠れなくなった。「周瑩のやり方を見てみると、着想や交渉など、どれを取っても見事な手腕だ そこで気づいた、ここ数年の両院の発展は周瑩の功績だとな」焦った呉蔚全は思わずその場で賽を投げて運勢を占うと、バツが悪そうに出資に賛同した。陝西(センセイ)布政司(シセイシ)では趙白石(チョウハクセキ)が新たな出資者を募るため説明会を開いていた。実は3年前に広東でも織布局を開くため織機を発注したが、両広(リョウコウ)総督が移動となって棚上げされ、当時の織機を安く譲ってもらえることになったという。これで10万両あれば機器織布局の設立が可能になったが、突然、周瑩が乗り込んで来た。趙白石は話を中断して周瑩に対応、すると驚いたことに呉家が20万両を全て出資するという。これで旧式の織機を使う必要は無い、最新式が買えるのだ。一度は頓挫したはずの陝西機器織布局の設立が思いがけず復活した。知らせを聞いた胡咏梅(コエイバイ)は宿敵の周瑩が全て株を買ったと聞いて悔しさを滲ませる。一方、沈家でも沈星移が父に報告していた。「趙白石の勝ちですね~出資していれば今ごろ沈家が鼻高々だったのに…」しかし沈四海はまだ分からないと言った。「禍福ははかり難いものだ…吉と出るか凶と出るか」その頃、杜明礼(トメイレイ)は周瑩に出し抜かれ、憤慨していた。沈家と胡咏梅を抑えれば出資はないはずだったが、まさか呉家が出て来るとは…。注視していなかった査坤(サコン)は申し訳なさそうに、呉家三院で資金をかき集めたらしいと報告した。そこで杜明礼は手なづけておいた沈家の陶(トウ)番頭を利用しようと思いつく…。沈星移は迪化に帰ることになった図爾丹のため酒宴を開くことにした。しかし図爾丹は周瑩に振られたのがよっぽど応えたのか、準備もできていないうちから酒をあおり始めてしまう。星移はまだ周瑩に嫁ぐ気があっただけましだと励まし、自分などいくら金を積んでも脈がないとこぼした。「でも奶奶には頼んである、近々、縁談を持ちかけると…私に気がなくても最大の誠意をみせるさ」すると図爾丹はなぜこれほど傷ついているのか話して聞かせた。「彼女は心を失っているんだ、彼女の心は夫と共に土の下に埋まっている…」「…彼女がそう言ったのか?」「ああ、私の心は砕けた、粉々にな…」つづく。゚(∩ω∩`)゚。視聴者の心も土の中です…
2020.03.07
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第41話「愛かお金か」呉家の婦人たちは芸妓だった千紅(センコウ)に偏見があった。そこで周瑩(シュウエイ)は千紅と義姉妹の契りを結び、花見の席で今日から千紅は自分の姉だと宣言する。するとその夜、千紅が別院にやって来た。千紅は周りを黙らせるため義姉妹になってくれたと分かっていたが、周瑩は自分にも下心があったという。「私はひとりで育てられたから姉妹に憧れてた、一緒に笑い、愚痴を言い合える仲のね」周瑩は義姉ならどこにも行かずにそばにいて欲しいと訴え、千紅を引き止めることに成功した。しかし義母たちの顔も立て、千紅に振る舞いには気をつけて欲しいと頼む。千紅には何が悪いのか分からなかったが、周瑩からその衣がまぶし過ぎると指摘された。驚いた千紅はむしろ周瑩が地味過ぎると反論し、寡婦という身分に縛られず、目をつけた男は逃すなと助言する。「妹妹(メイメイ)、あなたはまだ若いわ?こんなに美人だし、呉聘(ゴヘイ)のために寡婦を貫くなんて…」千紅は当たり前のことを言ったつもりだったが、周瑩は思いも寄らない言葉に呆然となった。呉家の大当主となった西院の呉蔚武(ゴイブ)は息子の呉沢(ゴタク)に商いを手伝って欲しいと頼んだ。やはり3院を1人で束ねるのは困難、人手が足りない。そこでいい加減に科挙を諦めるよう説得したが、呉沢はあと1回、受験したいと懇願した。「今度、落第したらきっぱり諦めます」呉漪(ゴイ)は夜の挨拶に両親の部屋へ向かっていると、ちょうど兄の姿を見つけた。そこで趙白石(チョウハクセキ)の件を聞いてみたが、今は機器織布局のことで頭がいっぱいなのだという。「また尋ねてみよう、機器織布局の問題が片付いたらな」兄の言葉に安堵した呉漪、しかし両親の部屋の前で偶然、自分の縁談話を聞いてしまう。そんなある日、図爾丹(トゥーアルダン)が突然、呉家にやって来た。しかし応対したのは呉蔚武と呉蔚全(ゴイゼン)、実は周瑩ならもう大当主ではないという。実は図爾丹の来訪を聞いた周瑩は六椽(ロクテン)庁へ駆けつけたが、呉蔚武と呉蔚全が出入りを禁止し、足止めを食っていた。すると図爾丹は遠路はるばる来た自分に周瑩が顔も見せないとぼやき、落胆する。呉蔚武と呉蔚全は大口の取引先である図爾丹を怒らせるわけにいかず、結局、周瑩を呼びに行かせた。周瑩は図爾丹との再会を喜んだ。実は図爾丹は早く周瑩に会いたくて他の用事を後回しにして駆けつけたという。そこで周瑩は早速、相談したいことがあると切り出した。「大量の銀子が必要だと言ったら?」「いくらでも出すぞ!」「(´゚艸゚)∴ブッ」周瑩は思わず失笑したが、図爾丹はいささか戸惑っていた。そもそも周瑩が大当主だからこそ信頼して商いを託したが、他人任せでは安心できないという。驚いた呉蔚武は咄嗟に2人の話に割って入り、図爾丹の商いは周瑩が仕切っていると嘘をついた。その夜、呉家は図爾丹を歓迎してささやかな酒宴を開いた。すると図爾丹はある目的で涇陽(ケイヨウ)まで来たと話し、その目的が遂げられたら長く留まるが、遂げられなければ直ちに帰るという。呉蔚武は呉家にできることなら手伝うと約束したが、その目的を聞いて驚愕した。「周瑩?私はまだ独り身だ、君を娶りたい…」しばし呆然とする周瑩たち、そこで図爾丹は従者に結納品を運ばせ、金2万両と、珍しい雪蓮花を見せる。「この雪蓮花は私が自ら天山の頂上へ行って取ってきたのだ」呉蔚武は怒りをあらわにする呉蔚全をなだめながら、周瑩が呉家の寡婦だと教えた。しかし図爾丹は知っているという。「夫を亡くしたなら私が新しい夫に…結婚してくれ」突然のことに混乱した周瑩は急に酒をあおりはじめると、少し考えさせてくれと答えた。宴は散会した。周老四(シュウロウシ)は酔った周瑩を別院へ連れ帰ると、図爾丹の財力に目がくらみ、嫁げとけしかける。「…懲りないのね?また娘を売って稼ぐつもり?」呆れた周瑩は千鳥足で部屋に入ってしまう。一方、呉蔚武は周瑩がすぐ断らず、曖昧な態度を取ったことが気がかりだった。そこへ話を聞いた鄭(テイ)氏と未だ怒りが収まらない呉蔚全がやって来る。なんとか図爾丹を怒らせずに求婚を取り下げてもらうにはどうしたらいいのか。すると呉蔚武はこの件の鍵を握るのは周瑩だと気づき、まずは周瑩の気持ちを聞くべきだという。確か娘の呉漪が周瑩と仲が良かったはず、そこで呉漪に探ってもらうことにした。翌日、呉漪は早速、別院を訪ねることにしたが、偶然にも犬猿の仲である千紅と一緒になった。呉漪は不本意ながら千紅と同席する羽目になったが、千紅が周瑩に呉家を出るのかと聞いてくれる。すると周瑩は金2万両に目が眩んだと打ち明けた。金2万両は銀子で20万両の価値があり、機器織布局の開設資金にできるという。千紅は好きでもない男に一生を捧げるくらいなら死ぬほうがましだと呆れ、嫁ぐなら心から愛せる相手でなければ駄目だと豪語した。しかしその言葉が思いかげず呉漪の心を揺り動かす。「ただし本当に好きなら、しっかり捕まえておきなさい」「どうやって?!ぁ…」呉漪が思わず口を挟み、千紅は急に何事かと驚いた。「あなたはおとなしく親が決めた相手に嫁ぐことね~私たちのように苦労する必要はない」図星だった呉漪は思いつめた表情になり、急にうつむいてしまう。周瑩は何か悩みがあると気づき、力になれるかもしれないと言った。そこで呉漪は高陵(コウリョウ)の冷(レイ)家から縁談の申し入れがあったと話し、面識もなければ好きでもないという。「別の想い人がいるのよ~」千紅はあっさり呉漪の悩みを言い当てた。聞いてみれば呉漪の想い人はあの趙白石、ただ今は機器織布局で頭がいっぱいだと断られたという。周瑩は名案が浮かんだ。「機器織布局に出資するよう父上を説得して! 機器織布局さえできれば趙大人は縁談を考えられるし、私は嫁ぐ必要がなくなる!」しかし千紅は回りくどいと揶揄した。「私なら今すぐ好きだと伝えるわ、″私はもうあなたのものよ″ってね 回りくどいことしてたら、他の女に横取りされちゃう」「ここは妓楼じゃないのよ?」「男を振り向かせる話でしょう?」千紅に指摘され、男女の機微にめっぽう弱い周瑩はあんぐりしていた。西院に戻った呉漪は兄を頼った。すると父が機器織布局への出資を阻止していると知り、呉沢は説得を買って出る。「さもないと国益を損ねる!」「謝謝、哥!」「…なぜ礼を?どうやらお前の目的は別のところにあるな?」一方、図爾丹は沈星移(シンセイイ)を訪ねた。再会を喜んだ星移はこの機会にどこへでも連れて行くと言ったが、図爾丹は重要な目的を果たさないうちは動けないという。しかしどんな目的かは教えてくれなかった。星移は兄弟も同然の自分を疑うのかとしつこく問い詰め、図爾丹は根負けしてついに白状する。「周瑩に求婚した…」「私の想い人が周瑩だと知っているよな?」「承知だ」図爾丹は沈星移が周瑩を幸せにするなら邪魔しないが、そもそも周瑩が沈星移に好意を持っていないと言った。憤慨した星移は席を立ち、周瑩は必ず自分を好きになると断言する。「必ず?将来のことなど誰にも分からない 好きな女子には求婚する、それが男の誠意だ、違うか?」図爾丹の言葉は確かに正しかった。すると星移は苛立って盃を床に投げ捨て、今日限り兄弟ではないと絶交して帰ってしまう。「お前が言えって…why?」沈星移はその足で呉家を訪ねた。韓三春(カンサンシュン)が案内すると、ちょうど周瑩が図爾丹からもらった結納金を見ている。「周瑩!図爾丹の求婚に応じたのか?」すると沈星移は図爾丹が金2万両を持って来たと知り、自分ならもっと出すという。しかし周瑩は金額ではなく沈星移には嫁がないと声を荒げた。沈星移はならば好きにしろと言い放ち、周瑩が誰に何度、嫁いでも、いずれ心から自分に嫁ぎたくなるはずだと断言して帰ってしまう。「…チッ、図爾丹に金子を贈られたら感動するのに、 なぜ沈星移が同じことをしようとすると腹が立つのかしら?」「少奶奶の心の中で2人の重みが違うからでしょう」韓三春は思わずそう言った。つづく(  ̄꒳ ̄)うむ…ネタがない図爾丹のターンw
2020.03.05
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第40話「傲慢と偏見」沈家と胡家が急に出資を引き揚げたせいで趙白石(チョウハクセキ)の陝西(センセイ)機器織布局の計画は暗礁に乗り上げた。何しろ各設備や輸送費、保険料を考えるとどうしても20万両は必要、出資者なしでは立ち行かない。趙白石は陝西の富商たちはなぜ時機が読めないのかと苛立ち、過去に固執し頭を使わぬ愚か者だとぼやいた。すると話を聞いた周瑩(シュウエイ)は呉家が2千株すべて買うと申し出る。もちろん株が暴落する可能性もあるが、思い切って洋布事業に賭けてみることにした。周瑩は早速、六椽(ロクテン)庁に叔父たちを集め、出資の話を伝えた。しかし事後報告で聞いた叔父たちは反発、呉蔚全(ゴイゼン)に至っては西洋人の真似事だと頭ごなしに拒絶する。呉蔚武(ゴイブ)は冷静だったが20万両と言えば呉家の全財産、到底、賛成はできないと言った。そこで周瑩はすでに趙大人に買うと言ってしまったと訴え、今さら撤回したら報復が待っていると脅してみる。すると呉蔚武が少し考えたいと言った。趙大人が周瑩の後ろ盾と知って無下に突っぱねることができなくなった。そこで呉蔚武は周瑩が呉家の大当主でなければ、何を言っても個人の考えで済ませられるという。しかし大当主をすげ替えると聞いた呉蔚全は難色を示した。周瑩が大当主になったからこそ呉家は身代を持ち直し、図爾丹(トゥーアルダン)のような取引先もできたという。呉蔚武も確かに周瑩の商才と度胸は認めていたが、呉家の商いが軌道に乗った今、それがかえって危険だと訴えた。「商才も度胸もあり過ぎて利しか目に入らず、慎重さに欠ける」軽率で非常識な人物などもってのほか、新しい大当主は穏健で堅実であることが重要だ。一方、周瑩は東院で叔父たちの結論を待つことにした。すると趙鴻伍(チョウコウゴ)がそもそも銀子の管理をしているのは江福祺(コウフクキ)だと言って後押しする。王世均(オウセイキン)も道理には反するが、周瑩に従うと言った。確かに以前の周瑩なら迷うことなどなかったが、今は呉家の大当主、下の者に示しがつかないことはできないという。そこで叔父たちを納得させるため、西洋式の工場の良さを知ってもらうことにした。しかしこれが思わぬ結果になる。周瑩は講師として英国人宣教師・ジョゼフを招いたが、叔父たちは西洋人を屋敷に招いたと激怒した。これが呉家の名に泥を塗る非常識な行為だと判断され、周瑩は大当主の座から引きずり降ろされてしまう。布政司(シセイシ)に呉家から文が届いた。銀子が調達できないため株の購入は撤回するという。趙白石は周瑩らしからぬ行動に戸惑ったが、実は文を送ってきたのは呉家の新しい大当主・呉蔚武だった。大当主を降ろされた周瑩は仕事を取り上げられ、暇を持て余していた。春杏(シュンキョウ)は困難を乗り切った途端に手のひら返しだと怒り心頭だったが、周瑩の魂胆に気づく。はた目からでは大当主がいかに大変な仕事か分からないものだ。周瑩は老爺たちが手に負えなくなって頼ってくるまで傍観しているつもりなのだろう。それにしてもこの機会を逃したのは惜しかった。趙白石の前で大見得を切ってしまった手前、撤回すれば何を言われるか分からない。すると周瑩は急に鄭(テイ)氏に呼ばれた。商いから解放された周瑩だったが、奥にも問題はあった。実は屋敷の中の物がいくつか見当たらず、鄭氏は元盗賊だった韓三春(カンサンシュン)を疑う。周瑩は憶測に過ぎないと否定し、この件は自分に任せて欲しいとなだめた。しかし鄭氏はどちらにしても韓三春と千紅(センコウ)には出て行って欲しいという。「盗賊に屋敷をうろつかれては安心して暮らせないわ!…人の本性は変わらない」「以前、私を裏切った王世均は今では誰より忠実です、私だって東院に入るまでは与太者でした でも(ほら)変わったでしょう?」「なら韓三春はいいけど、千紅はダメ!あの女人がいては東院の風紀が乱れるわ」「千紅が何か?」「…口にするのも嫌よ、自分で確かめて」周瑩はまず周老四を窃盗の件で問い詰めた。すると周老四はうっかり隠し場所なら教えないと口を滑らせてしまう。周瑩は何年も暮らしてきた家の物を盗むなと叱ったが、周老四は所詮、人の家だという。「いつか俺と一緒に出て行く気になるさ、その時のために蓄えを作っておかないとな」「だとしても呉家の物を盗むのは絶対に許さない!」周瑩は周老四に2度と盗まないと誓わせたが、今度は韓三春の方から屋敷を出ると言ってきた。何でも千紅が″見ず知らずの土地がいい″と言い出したという。周瑩はその意味に気づき、自分が千紅と話すので待って欲しいと頼んだ。趙白石は″問題があって機器織布局の計画を延期する″と奏上した。無事に任務を果たした杜明礼(トメイレイ)は安堵し、次に査坤(サコン)へ沈家の陶(トウ)番頭に近づいておくよう命じる。陶番頭といえばかつて古月(コゲツ)を打ち壊す根回しをしたが、いつか使えそうだ。査坤は了解して下がることにしたが、杜明礼の話はまだ続く。「貝勒の目はうまくごまかした、だが我々の希望は…泡と消えた」「何のことです?」すると杜明礼は胡咏梅(コエイバイ)から届いた文を出した。「渡した2割の株は引き上げる、私とは絶交すると…」「…住む世界が違う、縁のない人です」「査坤…長年、打たれ慣れて痛みなど感じぬと思っていた… だがこの文を見て激しい痛みを覚えたっ」「…諦められないと?」「分からない、でも咏梅の存在はぬくもりを与えてくれた 彼女は私の心まで温め、生きていると感じさせてくれた 諦めらきれぬのは人でなく、あの感覚かもしれぬ…」しかし杜明礼はこれで良かったのだと自分に言い聞かせた。配当の銀票で例の箱は5年でいっぱいになる予定だったが、今となっては幻に終わる。すると査坤は急に貝勒に収める銀票をつかみ取り、帳簿を書き換えるよう頼んだ。「宦官で終わる気はありません…」「(査坤…)」沈家でも機器織布局が頓挫したと知り、沈四海(シンシカイ)は早く手を引いて良かったと安堵した。いくら趙白石が布政使でもやはり杜明礼には叶わない。すると沈星移(シンセイイ)は国と民のための計画を潰され、これは悲劇だと反論する。「でぃえ、そのうち巻き添えを食いますよ」しかし趙白石はまだ諦めたわけではなかった。実は趙白石は出資者を探すため、漢中(カンチュウ)と安康(アンコウ)へ出かけると決める。「志半ばで諦めはせぬ、意思を貫く粘り強さがあれば、どんな壁も乗り越えられるはずだ(キリッ」呉家では呉蔚武が大当主となり、東院から仕事を引き継ぐことになった。しかし帳簿は山のようにあり、思わず呉蔚武は煩雑だとこぼす。それもそのはず、図爾丹から入る品は13品目24種類、さらにこれらの買い手が各地に37店、図爾丹には36店の45品目を代理販売していた。輸送業者も複数関わり、支払う時期も手数料も異なる、同じ品でも販売先によって条件は違う、当然、帳簿を分けねば管理しきれない。また王世均が口頭で引き継ぐ仕事はさらに面倒だった。いつもの輸送業者が休業したので別の業者を手配したり、購入した馬が輸送中に死んで保証を求めたり、不良品の返品の交渉をしたり、とにかく厄介な問題が多い。さすがに呉蔚武も周瑩が毎日これをこなしていたのかと驚いた。「この倍はあります、まず急ぎの事項だけお伝えしています」王世均は涼しい顔で言った。周瑩は呉家の夫人たちのお花見に千紅を呼び、仲を取り持つことにした。しかし夫人たちに馴染めない千紅は、妓女のように花園にいた奉公人の男たちと親しげに話している。それを見た夫人たちは品がないと蔑み、屋敷の恥だと呆れた。すると呉漪(ゴイ)が席を立っている間に周瑩が千紅を座らせたことから、戻って来た呉漪と千紅が喧嘩になってしまう。もはや親しくなるどころか、夫人たちと千紅の溝は深まるばかり…。そこで周瑩は千紅と別の机に移動し、義姉妹にならないかと提案した。「ねえ、今いくつ?」「物心が付く前に売られたから知らないの…」「奇遇ね、私も子供の頃に捨てられて年を知らない」周瑩は急に草を引っこ抜き、千紅にどちらか選べと言った。「長い草を引いたら義姉、短い草が義妹ね」すると千紅は長い草を引く。「漪妹妹?紹介するわ、千紅姐姐よ、これからは漪妹妹もそのつもりでね、分かった?」周瑩が大当主を降りて1ヶ月が経っていた。叔父たちは慣れない仕事で悲鳴を上げていると聞いていたが、まだ呼び戻してもらえない。いずれ大当主に戻れたとしても、誰かに株を買われてしまった後では意味がなかった。周瑩は何とかして叔父たちを後悔させようと思い立つ。その時、千紅が訪ねて来た。つづく(^ꇴ^)周老四…まだ盗んでいたとは…前にも「ここは呉家だ、お前の姓は周だぞ?」って言ってたし、シビアなのね
2020.03.04
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第39話「夢から醒めて」沈星移(シンセイイ)と胡咏梅(コエイバイ)が陝西(センセイ)機器織布局の公募株を買い占め、周瑩(シュウエイ)は完全に出遅れた。そこで沈星移を食事に誘い、株を譲ってもらえないか交渉する。しかし沈星移の条件は自分の女になること、当然、周瑩は断り、からかって帰って行った。そんな中、隆昇和(リュウショウワ)に突然、貝勒(ベイレ)の幕僚・文(ブン)先生が現れた。一体、何事かと緊張して出迎える杜明礼(トメイレイ)と査坤(サコン)、実は趙白石(チョウハクセキ)が進める機器織布局の件だという。実は貝勒は西洋にならって勢力を拡大する洋務派と対立していた。そこで巡撫(ジュンブ)の肖朝徳(ショウチョウトク)に陝西を死守するよう命じていたが、趙白石が巡撫や総督を飛び越え、朝廷から直接、許しをもらってしまったという。文先生は今や杜明礼と査坤が頼みの綱だと訴え、何としても陝西機器織布局の設立を阻止するよう命じた。「″関中(カンチュウ)を得た者は天下を掌握する″と言う 貝勒爺は涇陽(ケイヨウ)を重視してお前たちを置いている もしお前たちが趙白石を抑え込めず、陝西に機器織布局が設立されたら、 貝勒爺の腹を刀で突き刺すも同然だ…どんな報いを受けるか、言うには及ばぬな?」杜明礼は咄嗟にもちろん承知していると答えた。すると文先生は趙白石が自分たちの手なずけた牛寿娃(ギュウジュア)を官軍も使わず始末したことを注視、侮れない相手だと警告する。「慎重を期すのだぞ?」「肝に命じます!」杜明礼と査坤は丁重に拝命し、文先生を見送った。まさか趙白石が肖朝徳の反対を押し切って勝手に動いていたとは予想外だった。杜明礼と査坤は自分たちが出資に関与していると貝勒に知られるわけにはいかない。そこで杜明礼は直ちに古月(コゲツ)洋布店に胡咏梅を訪ね、機器織布局の資本から撤退するよう頼んだ。「貝勒爺を敵に回してはダメです!お願いです、貝勒爺を怒らせないほうがいい」しかし胡咏梅は断り、それより隆昇和をやめて古月洋布店を手伝って欲しいと持ちかけた。人手も足りず、何より相棒が必要、ならば唯一、信用できる杜明礼しかいない。「出会いと別れは人の常、主人と番頭も例外ではありません 隆昇和では雇われ店主だけど、古月洋布店では主人の1人です …一生、貝勒爺の下にいるおつもり?自分の店を持ちたいと思ったことはないの? 生涯貫くと?独り身を…」「咏梅、そんなことは考えたことがない…」「では今から考えてみては?」胡咏梅は機器織布局の株を持っていれば短い期間で大金を稼げると訴え、思わず将来は2人で一緒に何でもできると言ってしまう。愛しい人からの夢のような誘いに杜明礼は心が揺れ、考える時間が欲しいと言って帰って行った。杜明礼は査坤に今すぐ貝勒と縁を切ることは可能かと切り出した。実は胡咏梅に引き抜かれたという。話を聞いていた査坤の顔はみるみる険しくなり、思わず貝勒を裏切ればどんな悲惨な末路が待っているか分かっているはずだと声を荒げた。「老板?貝勒爺と我らは主人と番頭ではない、主と奴婢なんですよ!」「奴婢は嫌だ!分かるか?!」「我らに選ぶ権利があるとでも?」査坤は貝勒に逆らうことなどできないと説得した。そこで杜明礼は今回の大仕事をやり遂げたら解放してもらおうと決める。「咏梅と一緒ならどこへでも行く…」しかし査坤の一言がうつつを抜かす杜明礼の目を覚させた。「ふっ…己の正体を隠したままで? 胡咏梅が真実を知っても受け入れてくれると思いますか?…杜太監(タイカン)? 我らは誰も娶れません、女子とは永遠に縁がないのです…早くお目覚めに、これが運命です」杜明礼が急に沈家にやって来た。沈星移は機器織布局の件だと勘繰り、父について行くことにする。「父上、分け前を奪われないように」「…分かっとる」杜明礼の話は案の定、機器織布局のことだった。しかしいきなり理由もなく出資をやめるよう圧力をかけられてしまう。星移は当然、猛反発したが、父に下がるよう言われて仕方なく出て行った。そこで沈四海(シンシカイ)は息子の無礼を詫びつつ、確かに機器織布局を諦めたら沈家では今後、反物を扱えなくなると訴える。すると杜明礼は仕方がないことだと恫喝した。「金と命、どちらが大事ですか?荒稼ぎしていた呉蔚文(ゴイブン)はどうなりました? 貝勒爺のひと言で、訳が分からぬまま死にました…あなたも同じ目に遭いたいと?」沈四海は貝勒のため諦めるしかなかった。しかし沈星移は確かに貝勒から恩恵を受けてはいるが、代償もあったという。軍需品の件では沈家の名声を危険にさらし、綿花の取引では利益を奪われただけ、綿布の在庫問題では妙案も出してくれなかった。それなのにようやく訪れた好機を諦めろとは…。そこで星移は今度こそ隆昇和と手を切るよう迫った。「私たちは後ろ盾がなくてもやって行けます!」「星移…隆昇和と完全に手を切れるのは…沈家が破産した時だ」「なぜです?」「…知らぬ方がいい」沈四海はそこで話を終わらせた。杜明礼が再び古月洋布店にやって来た。嬉しそうに微笑む胡咏梅だったが、杜明礼の話を聞いて顔色が一変する。杜明礼はやはり貝勒の元を離れられないと伝え、改めて機器織布局への出資を諦めて欲しいと迫った。すでに沈家も撤退させたという。「私はあなたと再会してから、あなたが望むことには何でも尽力して来た でも今回だけは私の言う通りに…」「…断ったら?」「あなたの身に何が起きても助けられません!」しかし胡咏梅はどうしても譲らず、杜明礼を追い返してしまう。沈星移は呉家東院を訪ね、周瑩に機器織布局の株を譲ると言った。驚いた周瑩は何か魂胆があると疑ったが、実は沈家が撤退すると知る。何でも父が杜明礼に頭が上がらず、出資するなと命令されたという。「お前に譲ることがせめてもの慰めだよ…」しかし周瑩は即決できなかった。確かに自分が大当主だが、千両以上の取引は叔父たちと相談すると決めている。すると星移は早くしないと横取りされると急かして帰ることにした。「分かったわ!ひとつ借りね!」査坤は杜明礼の指示通り噂を流した。輪船招商(リンセンショウショウ)局や江南(コウナン)製造局の株の暴落はすでに知れ渡り、安慶軍械(アンケイグンカイ)所の爆発や汽車の衝突、各地で相次ぐ機械による事故の件も広める。こうして洋務派の足を引っ張っていた杜明礼だったが、胡咏梅のこととなると怯んだ。しかし趙白石を阻めなかった巡撫の肖朝徳が罷免されたと分かり、もはや胡咏梅の気が変わるのを待っている余裕はない。査坤は二品の高官でもこうして簡単に切り捨てられるなら、自分たちが貝勒を怒らせたら殺されると怯えた。「我らは生きるために大きな代償を払った…女のために命を捨てるのですか?」「いいや…生きることが肝心だ」「では他に道はありません」「だが咏梅といると…幸せを感じるのだ」査坤は苛立ちを隠せず、思わず身分を隠しているせいだと訴えた。しかし杜明礼は黙って出て行ってしまう。見かねた査坤はある切り札を持ち、独断で古月洋布店に乗り込んだ。胡咏梅はちょうど沈家が手放した株を買取に行くところだと見栄を張った。すると査坤は自分の話を聞けば気が変わるという。実は査坤は胡咏梅がかつて牛寿娃宛に書いた文を持っていた。そこには呉家東院が巨万の財産を持つことや、大当主・周瑩の普段の行動などが詳しく書いてある。「資本を撤退するなら、この文は闇に葬ると誓いましょう ですが貝勒爺に逆らうなら、こちらにも考えが…」査坤は名家の令嬢が盗賊と関わっていることが表沙汰になったらどうなるかと脅した。その時、胡咏梅は査坤が自分に文を書かせるため、あの時、わざとお茶をこぼして杜明礼が火傷したと気づく。まさかあれが全て罠だったとは…。「あの人も全て承知なの?」「(´゚艸゚)∴ブッ!ハハハ~どう思います?」「…消えて!出て行って!」査坤は何も知らないくせに傲慢な胡咏梅を笑い、帰って行った。趙白石は周瑩が訪ねてきたと聞いて動揺した。何とか冷静さを保とうと集中していると、そこへ周瑩が現れる。実は沈家が撤退したと知り、呉家も参入できるはずだと迫った。「100株、買います、きっちり1万両よ!」しかし趙白石は受け取れないという。周瑩はまたしても出遅れたのかと驚き、呉家や自分の何が気に入らないのかと責め立てた。すると趙白石は呉家にも周瑩にも偏見はないと釈明し、機器織布局の設立が中止になったと教える。( ゚д゚)はあ?つづく( ๑≧ꇴ≦)査坤の高笑いが~そして奇しくも宦官ネタかかぶるという…どちらも切ない(TㅅT)
2020.03.03
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第38話「商機をつかめ」呉(ゴ)家東院では家職・王世均(オウセイキン)たちが総出で周瑩(シュウエイ)たちを出迎えた。あの王二虎(オウニコ)も今や立派な東院の一員となり、王家職の下で商売を習っている。さらに驚いたことに釈放された韓三春(カンサンシュン)と千紅(センコウ)の姿があった。2人は王世均の用意してくれた家に住み、護衛の仕事を任されているという。こうしてひとしきり再会を喜んだ一同は屋敷へ入ることにしたが、周瑩はそこでやっと王世均の姿を見つけた。王世均は元気な姿の周瑩を見て、またこっそり涙を拭っている。「私の文は届いた?」「はい、綿布は売り尽くしました また図爾丹(トゥーアルダン)が東院と取引すると聞き、以前の屋号を全部、登録し直しました」「さすが抜かりないわね」王世均は万事、順調だと伝え、夫人には中で待ってもらったと教えた。一方、趙白石(チョウハクセキ)も役所で周瑩が無事に戻って来たと聞いた。思わず馬を駈けて呉家東院へ駆けつけてみると、屋敷から賑やかな声が外まで漏れ聞こえる。すると趙白石はふと冷静になり、結局、顔も見ずにそのまま引き返して行った。その夜、周瑩は東院に呉蔚武(ゴイブ)夫妻と呉蔚全(ゴイゼン)夫妻を招き、迪化(ウイグル)の料理・羊の丸焼きを振る舞った。同じ頃、迪化に残った沈星移(シンセイイ)は図爾丹との飲み比べに勝利し、約束通り商品を買い取ってもらうことになる。ようやく任務を終えた沈星移、酔い冷ましに1人でふらふら中庭に出ると、花吹雪に気づいて思わず顔をほころばせた。周瑩は久しぶりに酔っ払って別院へ帰った。するとひとまず肩の荷が下りて気が緩んだのか、呉聘(ゴヘイ)の幻影が見える。あの時、こうして2人でひざまずき、義父に許しを請うた…。あの夜はこの石段に一緒に座って月をながめた…。寝台に横になれば、すぐそこに愛しい人の顔がある…。確かにここで蜜月を過ごした2人…。しかし周瑩はふと1人だと気づき、急に酔いが覚めてしまう。眠れなくなった周瑩は結局、起き出し、帳簿に目を通してそのまま朝を迎えた。。゚(∩ω∩`)゚。周瑩は久しぶりに三原教堂を訪ねた。そこで英国人宣教師のジョゼフと再会、西洋の織物工房の様子を教えて欲しいと頼む。ジョゼフは快く教会の中へ案内し、資料を探しに行った。周瑩は再び世界地図を目にすると、呉聘と夢を語り合った時のことを思い出す。するとジョゼフが西洋の織物工場の写真が載っている本を見せてくれた。「この機械はどこで買えるの?」「聞いておくよ」上海では準備に長年かけていた機器織布局がついに操業を始めることになった。布政使(フセイシ)となった趙白石は巡撫(ジュンブ)に肖朝徳(ショウチョウトク)を訪ね、陝西(センセイ)も上海を見習って西洋の織機を入れ、織布局を操業したいと提案する。関中(カンチュウ)は綿花の生産量も多く、涇陽(ケイヨウ)は昔から綿布の商いの拠点、工場を作る条件は揃っていた。しかし肖大人は反対し、西洋から武器の製造や兵の訓練技術を見習っても、日用品の製造まで真似るようでは国の士気が下がるという。趙白石は洋布が国産の綿布を遥かにしのぐ手触りと美しさで価格も安いと訴えたが、かえって心象を悪くした。「なおさら反対だ、洋布が広まれば地元の生産者はどうなる? 暴動でも起きたら責任を問われるのは私だぞ?」肖大人は2度とこの話はするなと言った。呉家の六椽(ロクテン)庁の朝会、王世均は去年度の会計報告を行った。経費を除いた綿布の利益は銀4万3,412両…。呉蔚武も呉蔚全も予想以上の利益に喜び、これも周瑩のおかげだと称賛した。しかし周瑩は今年は運が良かっただけと謙遜し、来年になれば迪化でも洋布が普及すると懸念する。そこで呉家布業も洋布に乗り換えたいと訴えた。しかも西洋人と取引するのではなく、呉家で洋布を織って売りたいという。「実は洋布の工房を作りたいんです」一方、趙白石は呉家西院に盟友の呉沢(ゴタク)を訪ねていた。話を聞いた呉沢は趙白石が人柄も才能も一流なのに行動力に欠けると指摘、自分なら障害があろうと道を切り開くと助言する。「巡撫がダメなら総督に談判し、総督でダメなら尚書を訪ねる それでもダメなら軍機大臣に掛け合い、皇太后や皇帝陛下に奏上することも辞さぬ! 簡単に諦めるな」確かにこれだけ何度も科挙を落ちていながら諦めず、自分の力を信じている呉沢の言葉には説得力があった。趙白石はすっかり感化され、必ずや陝西機器織布局を設立すると誓う。そこで呉沢は妹・呉漪(ゴイ)が趙白石を慕っていると切り出したが、趙白石は公務が忙しいので他のことを考える余裕がないと断った。ついに沈星移が涇陽に戻ってきた。周瑩は沈星移が大勢の楽隊を連れて得意満面で帰ってきたと聞き、商売がうまく行ったのだと知る。しかし出迎えた沈四海(シンシカイ)は鳴り物入りで現れた息子に冷ややかだった。そこで星移は綿布の在庫を全部さばき、銀20万両の商いも取り付けたと報告する。大夫人と夫人は大喜びだったが、沈四海は番頭として真っ先に店に報告すべきだと小言を並べた。「まっすぐ屋敷に戻るとは自覚が足りんな、帳場に報告したら陝西布政司(シセイシ)へ行け 趙白石に呼ばれた、また寄付の話だろう」「趙白石が布政使に?」沈星移は趙白石があの三寿幇(サンジュホウ)の一件で昇格したと知った。趙白石は富商たちを集め、上海にならい陝西機器織布局を設立する予定だと話した。そこで朝廷の監督の下に民間の出資者を募りたいという。1株が銀100両で総額20万両分、2千株の公募で総株8割を占める。「手元に配った申し込み要領をよく読んでくれ …受付は15日まで、ただし期限前でも早い者勝ちだ」富商たちは皆、いったん帰って考えることにしたが、沈星移がひとり残っていた。すると沈星移は千株ほど出資すると即決し、帰って行く。しかしその日、趙白石はなぜか周瑩を招待していなかった。布政司を出た胡咏梅(コエイバイ)はその足で杜明礼(トメイレイ)を訪ねた。そこで投資の話を相談し、どれだけ買えばいいか聞いてみる。すると杜明礼は全部だと助言、胡咏梅は早速、布政司に引き返した。一方、洋布の工房を作りたいと考えた周瑩だったが、国の決まりが立ちはだかった。民間の工場設立は禁じられているため、織機が手に入っても生産はできないという。そこへ突然、沈星移がやって来た。「周瑩!周瑩!出てこいよ!」「あら沈少爺?」「すぐ趙白石の所へ行け!またとない良い話だ! 機器織布局の出資者を募ってる、公募株の半分は私が買った」周瑩は寝耳に水だった。しかし飛びつくにしても残り千株で銀10万両では今の東院には手が出ない。すると沈星移が元ならすぐ取れるので借りれば良いと教え、早くしないと売り切れると急かした。↑やっと前髪がなくなった!w呉家東院をあとにした沈星移は急いで屋敷に戻った。息子の投資話を聞いた沈四海は今回ばかりは星移の独断が正解だったという。その頃、周瑩は布政司にやって来た。すると回廊でばったり胡咏梅と出くわす。周瑩は久しぶりと挨拶したが、胡咏梅は未だ父の死の原因が周瑩だと逆恨みしていた。呆れた周瑩は相手にせず先を急いだが、急に胡咏梅が声をかける。「投資の話で来たのね?…気の毒だけどもう遅いわ、あなたに機会を渡すものですか」そう言って胡咏梅は帰って行った。趙白石は予想通り周瑩が来たと聞いて胸を躍らせた。そんな自分を戒めるため、壁に飾られた書を読んで精神統一する。「趙だーれん!」そこへ周瑩が元気な声で入って来た。周瑩は機嫌が悪そうな趙白石を見ると、また女だてらに出かけたことを咎められると勘違いする。「目障りでしょうから要件を手短に、陝西機器織布局の株を買いに来ました」「…夫人、その話なら2千株は全部、売り切れた」周瑩は胡咏梅の言葉の意味に気づき、出遅れたと分かった。「お役人のくせに不公平じゃないの!一度つぶれたからって呉家はのけ者扱い? なぜ連絡してくれなかったの?!バン!@机(チッ)1人の力で三寿幇を捕まえたとでも?あなたと私はっ……はぁ~もういい!」「(ぁ…)帰るのか?!」「他に用でも?罰を受ける前に退散するわ!」周瑩は嵐のように去っていった。「行ってしまった…」思わずそう呟いた趙白石はまた壁にかけた書を見る…。つづく御託を並べる呉沢…( ̄▽ ̄;)>″
2020.02.29
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第37話「過去の清算」盛隆全(セイリュウゼン)を語る詐欺師は、かつて夜逃げした呉家南院の一人息子・呉遇(ゴグウ)だった。周老四(シュウロウシ)と一緒に捕らわれた周瑩(シュウエイ)は、呉遇が自分を両親の敵と逆恨みしていると知る。すると呉遇は周瑩を殺してケリをつけると息巻き、周瑩に短剣を向けた。先に胸を刺された周老四はもはやこれまでと観念したが、そこへ突然、沈星移(シンセイイ)たちが現れる。「やめろ!」沈星移が蔵に乗り込み、周瑩と周老四は九死に一生を得た。しかし呉遇は隙をついて1人で逃亡してしまう。すると周瑩は沈星移の姿を見てぽかんとしていた。「帰ったんじゃなかったの?」「…ああ、帰る予定だった でもお前との勝負を思い出して負けてなるものかと思ってな 私も迪化(ウイグル)へ綿布を売りに来たのさ」実は周瑩をずっとつけていたのは沈星移だった。変装した周瑩が盛隆全を出て紅運(コウウン)館に入って行くのを見た沈星移は妙だと気づき、調べてみると周瑩が波斯(ハシ)国の富商に化けていることが分かったという。そこで周瑩が何を企んでいるのか気になり、行動を見張っていたのだ。周老四の傷は浅く、軽症だった。すると命の恩人である沈星移に感謝し、今後は星移を困らせる者は自分が許さないという。「(フフ)もしそれがあんたの娘だったら?」「例外はない!」「聞いたか?」周瑩は呆れて無視、呉遇の蔵で証拠を回収して街に戻った。図爾丹(トゥーアルダン)はすでに盛隆全の者を全て引っ捕らえていた。もうすぐ約束の日没、図爾丹は全員を砂漠へ捨てて来いと命じたが、そこへ周瑩が現れる。周瑩は盛隆全の番頭を装って偽薬を売った男を突き出すと、図爾丹の従者が確かにこの男が″呉″だと認めた。さらに証拠として呉遇たちがつけていた帳簿を渡し、そこに偽薬を売った相手や利益などの詳細が書かれていると教える。すると図爾丹は潔く誤解だったと認め、黒幕の呉遇が逃げたと知ると捜索を命じた。図爾丹は人質たちを解放し、改めて盛隆全に謝罪に行くと決めた。しかしまだ周瑩が自分を殴って監禁した借りを返していないという。「お前は人を殴るのが好きなんだろう?」すると図爾丹は使い手の男を4人呼び、周瑩に棒を渡した。「ここにいる誰か1人を倒せたら涇陽(ケイヨウ)へ帰してやる できなければ…私の屋敷で一生、奴婢として働くのだ」驚いた沈星移は咄嗟に自分が代わると名乗りを上げた。主人として侍女を助けるのは当然だという。「周瑩は呉家の大当主でもあり私の侍女でもある、ここにいる父親が当時、沈家に娘を売ったんだ」「あ?あ~そうだ、借金があって仕方なく…」周老四が事情を説明している隙に周瑩は沈星移に自信があるのか確認したが、星移はないと笑う。そこで周瑩は仕方なく自分で決着をつけると言った。「ここにいる誰か1人を倒せば解放してくれるのね?」「是」果たして周瑩は格闘技の王者や天(テン)山一の力持ち、迪化一の猛者、そして素手で3匹の狼を殴り殺したという強者相手にどう戦うつもりなのか。すると周瑩は棒を握って威勢のいい声を上げたかと思うと、いきなり自分を殴って倒れた。「ゥゥゥ…ここにいる誰か1人を倒したわ、これで解放してくれるでしょう?」図爾丹は大胆で機智に富む周瑩が気に入り、仲直りの宴を開いた。すると周瑩は呉家の大当主として呉遇の尻拭いをすると宣言し、その場で番頭・徐仁傑(ジョジンケツ)に指示する。「明日、市場に告知を出して、盛隆全の名で出回っている偽薬と本物の薬を無償で交換するとね」薬材の商いは誠実さも必要、何よりこの偽薬騒動に乗じて盛隆全の知名度があがると計算した。図爾丹は商売人としての周瑩もずる賢くて誠実だと感心し、呉家の綿布を全て買い取ると約束する。しかも周瑩に信頼を置き、自分の中原(チュウゲン)での商いを全て任せると決めた。周瑩が富商・図爾丹と大口の商談をまとめるのを目の当たりにした沈星移は、負けじと他の富商への売り込みを始めることにした。そんな星移の前に笑顔の周瑩が現れる。2人は静かな場所に移り、久しぶりに穏やかに語り合った。周瑩は助けてくれたことに感謝すると、星移は改めて呉聘(ゴヘイ)を殺していないと訴える。すると周瑩は信じると答えたが、沈月生(シンゲッセイ)を殺したも呉聘や東院の人間ではないと否定した。とは言え、東院が軍需品偽装の罪を沈家に着せようとしたのは事実、到底、星移は信じられない。しかし周瑩は罪を着せられたのは沈家ではなく結局、東院だったと反論した。「なぜ言い切れる?」「だって東院のおかげで今の私があるの…私を信じる?」東院が誰に陥れられたのか見当もつかないが、周瑩は必ず東院の無実を証明すると誓った。そこで星移は東院ではなく周瑩を信じようと決め、自分も兄を殺した犯人を必ず見つけ出すという。「(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン 私も呉聘を殺した下手人を必ず見つけるわ…」「ぁ、そうだ、私が山塞で言った言葉を覚えているか?」「…(まさかあの″うぉあいにー″か!)」「お前を娶りたい!」実は周瑩は横暴で傲慢な沈星移が嫌いだった。池から救われても、その気持ちは変わらなかったという。綿花の商いで邪魔された時は殺意すら覚えたものだが、確かに沈星移は変わった。「今の私たちは数々の困難を共にした盟友ね!永遠に!」「盟友?」星移はあっさり振られたが、それでも必ず周瑩を手に入れるとたんかを切った。周瑩は盛隆全に別れを告げ、いよいよ帰ることになった。すると馬車に乗り込もうとした時、急に図爾丹が見送りにやって来る。周瑩に魅了された図爾丹は滞在を伸ばすよう引き留めてみたが、周瑩は商いが第一だと断った。そこで図爾丹は今度は自分が涇陽を訪ねると約束し、最後に贈り物を渡す。それは砂漠で捕らえた呉遇だった。帰途についた周瑩はゴビ砂漠で馬車を止め、呉遇を解放した。てっきり亡き者にされると思っていた呉遇は困惑し、また復讐に行くと脅す。すると周瑩は八つ当たりしたい気持ちは分かるが、自分たちの間に怨恨はないと言った。「呉遇、憎しみを背負って生きるのは辛いわよ?」しかし呉遇は結局、南院へ戻る道を拒み、ひとりで砂漠に消えた。一方、呉家西院では呉漪(ゴイ)が兄・呉沢(ゴタク)に得意の手料理を差し入れていた。今度こそ兄が郷試(キョウシ)に合格できるよう、幸運の料理で運気を味方につけて欲しいという。しかし呉沢はすぐ妹の魂胆に気づく。呉漪は趙白石(チョウハクセキ)がどんな学生だったか尋ねたあと、最後にこう言ったのだ。「大哥?彼は結婚してないの?」呉沢は妹の気持ちを汲み、2人の仲を取り持ってやろうと決めた。その頃、趙白石は恩師・張長清(チョウチョウセイ)と会っていた。朝廷では李(リ)大人が北洋艦隊の建設資金を、皇太后が宮殿の修築費をそれぞれ求め、海軍の大臣であり皇帝の実父である醇(ジュン)親王が板挟みに遭って身動きが取れないという。恩師はどうとりなすべきか頭を悩ませていたが、唯一の救いは趙白石が孤軍奮闘し、激動はらむ陝西(センセイ)で血路を開いたことだった。趙白石は涇陽でアヘンを禁止し、三寿幇(サンジュホウ)を投降させた功績が認められ、李大人の後押しもあって布政使(フセイシ)に昇進する。すると趙白石は韓三春(カンサンシュン)の供述を思い出し、押収したはずの文が知府・英賢(エイケン)の元へ送られたあと消えたと報告した。2人は牛寿娃(ギュウジュア)と通じていたのは貝勒(ベイレ)派だと確信、恐らく牛寿娃は英賢を待って投降するはずだったが、趙白石と韓三春に先を越されたのだろう。張長清は昇進した趙白石には何かと邪魔が入るはずだと警告し、十分に用心しろと言った。「苦労するのもいいが、時には駆け引きも覚え、計略を巡らすのだ」しかし清廉潔白な趙白石は恩師の思わぬ助言に困惑してしまう。隆昇和(リュウショウワ)では査坤(サコン)が胡咏梅(コエイバイ)からもらった配当金を箱にしまっていた。「いつかこの箱を銀票でいっぱいにしたいです!(✪ω✪)キラーン」すると杜明礼(トメイレイ)はそれが叶ったら何をしたいか聞いてみる。(* ॑꒳ ॑*人♪もし〜も〜査坤が〜家を〜建てたな〜ら〜西湖の〜あたりに〜建てたでしょぉぉぉ〜杜明礼はいつかかなうと告げ、自分は今とは全く違う生活が送りたいと言った。「どんな生活です?」「…人間の生活だ」杜明礼はそう言うと古月(コゲツ)洋布店へ行くと伝えた。「周瑩を憎む胡咏梅は我らの同志、それに我らは株主でもあるからな」査坤は黙って見送ったが、杜明礼の胡咏梅への想いを危惧する。「夢を見なければいい」古月洋布店に杜明礼がやって来た。胡咏梅は上海から届いたばかりの見本を見せたが、その時、うっかり手巾を落としてしまう。それは以前、杜明礼が泣いている胡咏梅に貸したものだった。「あ…お返しするのを忘れてしまって…」「もしよければ差し上げます」すると胡咏梅は恥ずかしそうに手巾を受け取った。2人の距離は少しずつ短くなっているように見えたが…。つづく( ๑≧ꇴ≦)査坤の可愛い夢~
2020.02.28
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第36話「捕物大作戦」迪化(ウイグル)にある呉(ゴ)家西院の薬材店・盛隆全(セイリュウゼン)に到着した周瑩(シュウエイ)一行。しかし早々に事件に巻き込まれる。突如、店の前に現れた富商の図爾丹(トゥーアルダン)が盛隆全に偽薬を売りつけられたと騒ぎ出したのだ。周瑩は店の中で様子を見ていたが、図爾丹が番頭・徐仁傑(ジョジンケツ)を脅し始めたところで思わず口を挟んでしまう。「老板?盛隆全は偽物など売りません、何かの誤解では?」図爾丹は見慣れぬ女に主人でないなら口を出すなと言ったが、周瑩は呉家の大当主として見て見ぬ振りはできないと言った。そもそも迪化にある盛隆全はこの店だけ、買い付けた品は本当に盛隆全の薬材なのか。そこで図爾丹は馬から降りて証拠となる品を放り投げた。周老四(シュウロウシ)は横暴な態度に我慢ならなかったが、周瑩が制止する。すると周瑩は店から同じ商品を持って来るよう頼んで2つの品を図爾丹の前で広げて見せた。「老板、これこそ盛隆全の品です、こんな粗悪品は扱いません」「…こっちは見本、こっちが納入された品だろう?包装が同じだからな」しかし周瑩には切り札があった。実は包装に挟む盛隆全の保証書には偽物対策として隠し文字があり、それを知っているのは一族だけだという。周瑩は店の保証書のホコリを払って透かしてみると、確かに文字があった。「偽物も同じ保証書をつけていますが、隠し文字は真似できないわ、ほら? ??え?どちらにも文字がある…」その瞬間、図爾丹は鞭で周瑩のかんざしをいきなり弾き飛ばした。「いいか、3日後の日没前に賠償金を持って来い! もし間に合わなければ今度、落ちるのはかんざしではない…お前の頭だ」図爾丹は迪化一の商人だった。西域各地に店を持ち、流通する茶葉や皮革、水タバコ、塩、鉄、薬剤、反物の大半を扱っている。どうやらとんでもない男を敵に回してしまった周瑩、しかし盛隆全の窮地を救うため、まずは街に出て調査することにした。周瑩たちはたまたま通りかかった薬材店・任喜堂(ニンキドウ)に入ってみた。するとなぜか盛隆全の薬材も全て扱っていると知る。店主の話では迪化の薬材店は協力し合い、こうして盛隆全や他の店の薬材を代理販売しているという。ともかく周瑩たちは薬材を購入して帰ったが、保証書は本物でもやはり中身は粗悪品だと分かった。しかし徐番頭は代理販売など認めたことはないと否定する。周瑩はこれだけではまだ潔白を証明できないと考え、確かな証拠を探すことにした。「父さん、済南(サイナン)での事、覚えてる?」「あれか?皇女に化けた時のことか?」街に艶やかな女富商が現れた。女富商は扮装した周老四が道端で売っている珍しくもない翡翠の指輪をいきなり3千両で買取り、買い物客たちを驚かせる。すると後から来た従者に今年の運勢で緑は禁忌だと言われ、富商はあっさり指輪を物乞いに恵んだ。街はこの豪快な女豪商の話題で持ちきり、何でも波斯(ハシ)国から仕入れに来た富豪の寡婦で、夫は国王の弟だという。今は亡き夫の遺産と商いを引き継いで色々な物を買い付けており、夫人と取引ができれば一生、安泰だとか。こうして予想通り噂を聞いた商人たちが女富商が滞在している紅運(コウウン)館に押しかけた。しかし期待していた盛隆全を語る商人は現れず、結局、周瑩の計画は無駄骨に…。周瑩は紅運館の裏口から出てこっそり盛隆全へ戻った。約束の期日は明日…。周老四も徐番頭も今のうち逃げるよう提案したが、周瑩はまだ時間があると言った。その時、呉と名乗る商人が紅運館に現れたと知らせが来る。周瑩はほら来たとばかりに周老四に目配せすると、急いで紅運館へ向かった。すると道すがら、周瑩はなぜか誰かに見られているような気がしてならない。ふと足を止めて振り返ってみたが、付近に人影はなかった。紅運館の一室に戻った周瑩は面紗をつけて準備した。春杏(シュンキョウ)は周瑩を呼びに行かせる間、盛隆全の小柳(ショウリュウ)に時間稼ぎさせたと報告する。「上出来よ」「全部、少奶奶から学んだのです」呉と名乗る男が薬材の取引にやってきた。男は盛隆全では上物しか扱わないと売り込み、見本を見せるという。しかし周瑩は亡き夫から見本を信じるなと忠告されていると断り、蔵を見たいと訴えた。男は渋っていたが、仕方なく明日、迎えに来ると約束して帰る。外で待機していた周老四と福来(フクライ)は紅運館から出た男のあとをつけたが、途中でまかれてしまう。翌朝、周老四も変装して周瑩に同行することにした。しかし女富商の噂を聞いた図爾丹が突然、紅運館に現れる。部屋の前では変装した盛隆全の阿三(アサン)・小柳・大石頭(ダイセキトウ)が控えていたが、図爾丹は自分の従者に3人を連れて茶を飲んで来いと命じ、半ば強引に入ってしまう。驚いた周瑩は慌てて背を向けた。周老四は得意の話術で図爾丹をうまく追い返すことにしたが、どこか変だと気づいた図爾丹が最後にかまをかける。「ところで…国王の母上はお元気かな?」「王太后ですか?まだピンピンしておられますよ!」しかし国王の母親はすでに亡くなっていた。図爾丹は夫人の正体が盛隆全の大当主だと見破った。激怒した図爾丹は今から一緒に来るよう迫ったが、周瑩は時計を見てすでに例の男が迎えに来ていると気づく。そこでひとまず従うふりをして、図爾丹が背を向けたところで燭台で殴り倒した。邪魔が入った周瑩と周老四だったが、無事に男の馬車に乗った。中庭で茶を飲んでいた小柳たち3人も2人が出て行く姿を確認し、適当な理由をつけて撤収する。やがて図爾丹の従者たちは主人の戻りが遅すぎると、部屋の様子を見に行った。すると大きな衣装箱の中に監禁されている図爾丹を発見する。これに激怒した図爾丹はすぐ盛隆全に乗り込んだが…。呉を語る男の蔵にあった薬材は確かに逸品だった。仕方なく周瑩は前金を払い、品物を受け取った時に残金を払うと約束する。男は丁重に2人を見送ったが、納得がいかない周瑩は途中で馬車を降り、従者を待たせて引き返した。周瑩と周老四は物陰から蔵を監視していた。するとまた誰かに見られているような気がしてならない。落ち着かない周瑩だったが、その時、蔵の前に荷馬車が止まった。周瑩たちはこっそり馬車に近づいて積荷を調べると、そこで粗悪品の薬材と隠し文字がある盛隆全の保証書を発見する。ついに確証を得た周瑩、しかし運悪く戻ってきた御者に見つかってしまう。2人は適当にごまかして逃げようとしたが、周瑩は蔵から出てきた男にぶつかった。「?!呉遇(ゴグウ)?」「周瑩?!」呉家南院を夜逃げした呉遇は思いがけず両親の敵と再会、周瑩と周老四を捕らえた。盛隆全を語っていた詐欺師とは夜逃げした呉家南院の一人息子・呉遇だった。確かに呉遇なら保証書に隠し文字があると知っていても不思議はない。すると呉遇は周瑩が焚きつけさえしなければ二叔父が帳簿を調べようとはせず、両親も生きていたはずだと八つ当たりした。「今や呉家南院の跡継ぎだった私まで詐欺まがいのことをするはめに…全部お前のせいだぞ!」そこで周瑩は両親の罪と呉遇とは関係ないとなだめ、自分と涇陽(ケイヨウ)に戻るなら今回の件は水に流すと懐柔した。「呉家は今、三院の合資で商いをしているの、南院も加わればいい、きっと盛り返せるわ」しかし呉遇は周瑩への恨みをいっそう募らせ、両親を殺した相手と手を組めるかと拒んだ。周老四は思わず周瑩を責めるのはお門違いだと指摘したが、激高した呉遇にいきなり刺されてしまう。「父さん!…ちょ呉遇、ご両親は自ら死を招いたのよ?」「災いの元凶はお前だ…」周瑩は過去を忘れて早く立ち直るべきだと言い聞かせたが、もはや何を言っても呉遇の耳には届かなかった。「お前を殺さねば私はケリをつけられない!」呉遇はついに周瑩を刺そうとしたが…。つづく_(:3 ⌒゙)_ ポリポリ…ちょっと飽きてきた(笑
2020.02.27
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第35話「消せない疑惑」趙白石(チョウハクセキ)と呉家東院の周瑩(シュウエイ)救出作戦は、三寿幇(サンジュホウ)の頭領・韓三春(カンサンシュン)が投降したことにより成功した。平定した山塞で必死に周瑩を探し回る趙白石…。やがて元気な姿を見つけたが、周瑩は沈星移(シンセイイ)を介抱していた。趙白石は2人の親しげな雰囲気に動揺して立ちすくむと、周瑩が気づいて駆け寄って来る。すると周瑩は助けに来てくれたことに感謝し、改心した韓三春に寛大な処置を求めた。しかし趙白石はなぜか不機嫌そうに行ってしまう。周瑩は春杏(シュンキョウ)と福来(フクライ)、王二虎(オウニコ)を連れて山塞から出た。外で待っていた王世均(オウセイキン)は周瑩の無事な姿を見て安堵し、うっかり泣きそうになってしまう。そこへ周老四(シュウロウシ)たち呉家東院の仲間が駆けつけた。すると周瑩は帰ったら殺された御者の宋(ソウ)を手厚く葬り、家族を見舞って欲しいと頼む。そして二虎を弟分だと紹介し、東院の一員になるので仕込んでやってくれと託した。また、東院の利益2割を韓三春に渡す契約書を用意するよう指示、もし涇陽(ケイヨウ)に残るなら仕事と家の用意を、どこかへ行くなら住所を聞いて毎年の利益を送るという。「韓三春が解放されるまで千紅(センコウ)の面倒を見てあげて」二虎はそんな周瑩を見ながら、やはり信頼できる優しい人だと再確認した。周瑩は迪化(ウイグル)行きをあきらめていなかった。王世均が驚いていると、ちょうど馬にまたがった沈星移たちが通りかかる。「王世均!父上に私は無事だと伝えてくれ!」沈星移は自分も迪化に行くと告げ、一足先に出発した。周瑩も遅れを取らぬよう発つことにしたが、危険な目に遭わせた春杏にはここで帰るよう指示する。しかし春杏はお供すると訴え、結局、周老四も同行することにした。一方、杜明礼(トメイレイ)は韓三春が寝返って牛寿娃(ギュウジュア)を殺したと聞いて驚いた。ともかく査坤(サコン)に命じ、趙白石が押収した戦利品と文書をまず西安(セイアン)知府に送らせ、すぐ英賢(エイケン)に連絡して自分たちと貝勒(ベイレ)に関わる品を回収しなくてはならない。「少しも証拠を残すな!」迪化への旅を再開した周瑩と沈星移たち。共に苦難を乗り越えたことから、周瑩の沈星移への態度もすっかり軟化していた。沈星移は宿舎で周瑩たちを食事に誘うと、今回は周瑩も素直に応じる。「まず顔を洗え、汚れた衣も着替えろよ?支度ができたら食堂へ」そこで周瑩は久しぶりに一張羅を着ると決めたが、急に福来が話があると言ってやって来た。実は呉聘(ゴヘイ)が襲われた時の話だという。福来は少爺を襲ったのが沈星移だと確信していた。証拠がないのでうやむやになっていたが、昨日、三寿幇に殺されそうになった時、呉聘が襲われた時と全く同じ声を聞きたという。…すぐ逃げろ!周瑩は結局、着替えないまま食堂に現れた。しかしこれまでの笑顔が一転、席に着くなり急に呉聘の話を始める。「当時、あんたは天石(テンセキ)と天玉(テンギョク)を連れて呉聘を殺そうと殴りかかり、 5日間も生死の淵をさまよわせた、言ってみなさいよ、″快跑″って…」「くぁぃぱお?」「顔を隠した凶徒が口にした言葉よ?福来が声を覚えていたの 昨日、あんたは同じ言葉を言った、あの時と同じ声でね…」もはや言い逃れできなくなった沈星移は自分が襲ったと認めたが、先に呉聘が兄を殺したせいだと反論した。すると周瑩は毒を盛ったのも沈星移だと疑う。「私を手に入れるために殺したの?」「…そうとも!呉聘が憎くて襲ったのは認める!だが毒は盛っていない!」「失敗して諦めるとは思えない!」「私は自分がしたことは必ず認める人間だ!」「襲っただけなら認めても大した罪じゃない、でも殺しは大罪だものね?!」憤慨した星移は思わず立ち上がり、呉聘を殴ったが絶対に殺していないと断言する。周老四は咄嗟に間に入って2人をなだめたが、周瑩の疑いの眼差しに耐えられなくなった星移は机をひっくり返し、出立した。一方、県署に戻った趙白石は韓三春の供述書を受け取った。周瑩を2度も襲ったのは、どちらも″周瑩をさらえば銀子が取れる″と牛寿娃がそそのかしたという。実は牛寿娃は涇陽のある人物から密書で情報を得ていたが、文に署名はなく、韓三春は会ったこともなければ名前も知らなかった。ただその情報は今回の討伐も含めて正確だったため、牛寿娃は非常に信頼しており、韓三春も疑わなかったという。そこで趙白石はその密書がどこにあるか聞いたが、押収品を探してみても見つからなかった。「韓三春は″内輪もめがあった″と証言している 朝廷に懐柔された牛寿娃が韓三春の首で忠誠を誓う気だったのだろう…ますます面白い 牛寿娃を懐柔したのは誰だろう?」しかし手がかりを知る牛寿娃と土蜂子(ドホウシ)は韓三春に殺されていた。胡咏梅(コエイバイ)は杜明礼に配当金を届けに来たが、そこでまたしても周瑩が無事だと聞いた。「なんて悪運の強い女なの…ギギギ」杜明礼は胡咏梅の悔し涙を見て咄嗟に手巾を差し出し、うっかり袖口から傷が見えてしまう。驚いた胡咏梅はどうしたのか心配すると、杜明礼は査坤が剣の稽古中に不注意でと説明した。「患部を覆ったほうがいいわ、包帯はあります?」「ぁ…あります」杜明礼は仕方なく席を立って引き出しから包帯を出したが、気づくと後ろに胡咏梅が立っている。「貸してください…」すると胡咏梅は自ら杜明礼の傷に包帯を巻き、ふと思い出して3ヶ月分の配当を渡した。「私の気持ちです、優しさに報いたいのです」思わぬ胡咏梅の言葉に杜明礼は後ろめたさを感じ、思わず自分を買いかぶっていると漏らす。しかし胡咏梅は頼れる人もなく孤独な自分を助け、そばにいてくれたと感謝した。見つめ合う杜明礼と胡咏梅…。そこへ査坤が現れ、2人は慌てて距離を取った。胡咏梅を見送った杜明礼はしばし夢心地だった。しかし査坤から胡咏梅が何をしに来たのかと聞かれ、慌てて真顔に戻る。「配当を持って来てくれた」査坤は早速、確認すると、その金額に顔をほころばせた。すると杜明礼は思わず、もっと他の物が手に入るのではないかと欲を出してしまう。しかし査坤は自分たちのような人間が銀子以外に何を手に入れられるのかと現実に引き戻した。「ぅ…で、物は回収したか?」査坤が取り戻して来た証拠品の中には胡咏梅が書いたあの文もあった。「胡咏梅が私に利用されたと知ったら、どうするだろうか?」「…利用されるだけましです、我々だって利用価値があったからこそ今、命があるのです」査坤の言葉で杜明礼は目が覚めた。そこですぐ証拠を燃やすよう命じたが、やはり胡咏梅の書いた文だけは取っておくことにする。趙白石は久しぶりに呉家西院の旧友・呉沢(ゴタク)を訪ねた。すると呉漪(ゴイ)が現れ、助けてもらったお礼に料理を振る舞うと告げる。趙白石を想い続けていた呉漪は丁重に挨拶して早々に退室したが、興奮冷めやらず部屋に駆け込んだ。趙白石は許されぬと分かっていながら諦められない周瑩への気持ちに葛藤し、珍しく深酒した。そのせいか県署へ戻ると、ここで啖呵を切った周瑩の幻影まで見てしまう。何事にも乱れぬ心を持つのは何より難しい。動揺した趙白石は書物を読んで平静さを取り戻そうとした。あれ以来、周瑩たちと沈星移たちが合流することはなかった。周瑩はどこか物足りなさを感じながら、ようやく無事に迪化の盛隆全(セイリュウゼン)に到着する。すると半月前に呉蔚武(ゴイブ)から文を受け取っていた番頭・徐仁傑(ジョジンケツ)が出迎えてくれた。「ご到着が遅いと案じておりました」「途中、面倒に巻き込まれてね~」しかし挨拶もそこそこに突然、外から罵声が聞こえてくる。「盛隆全の呉め!出てこい!卑怯者め!」徐番頭は仕方なく周瑩たちを待たせて店の外へ出た。店の前にいたのは馬にまたがった豪商の図爾丹(トゥーアルダン)だった。何でも図爾丹は盛隆全の呉と名乗る男から偽薬を高値で売りつけられたという。徐番頭は仕方なく阿三(アサン)・小柳(ショウリュウ)・大石頭(ダイセキトウ)を呼び、これで店の者は全員だと教えた。「商談に伺った者がいますか?」従者は確かにこの中にはいないと確認したが、図爾丹は隠したに違いないと言いがかりをつける。呆れた徐番頭は偽薬とは心外だと訴え、何より信用を重んじている店に対し侮辱にもほどがあると反発した。すると図爾丹は自分を悪者にしたと憤慨し、命が惜しくないのかと脅して来る。周瑩はさすがに我慢できなくなり…。つづく(  ̄꒳ ̄)老板の夢も希望もあっさり砕く査坤wそう言えばこのトゥーアルダンが如懿の旦那さん?←うろ覚えw
2020.02.26
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第34話「決死の救出作戦」再び収監された周瑩(シュウエイ)は沈星移(シンセイイ)にもう一度、逃げ出そうと持ちかけた。しかし沈星移はどのみち沈家から身代金が届くため拒否、解放されたら周瑩の分も払ってやるという。すると突然、三寿幇(サンジュホウ)の頭領・韓三春(カンサンシュン)がやって来た。韓三春は身代金がまだ届かず、明日の日没前までに届かなければ皆殺しだと脅す。そこで周瑩は王二虎(オウニコ)から聞いた韓三春の身の上を利用し、一か八か揺さぶってみることにした。周瑩は誘拐という商いでは経費もかかるだろうと切り出した。「私は使用人に給金を払えばいいけど、あんたは食事や分け前を与えなきゃならないもの…」何より商売なら失敗してもやり直せるが、誘拐が失敗すれば首を切られ、2度とやり直せない。「私にとっては茶葉を売るのも誘拐も同じ商い、でもくら替えを勧めるわ あんたの商いは命の他にも失うものがある…良心よ、あんた、元兵士なんでしょう?」かつて韓三春は兵士として各地を転戦、名を挙げた。当時は″韓猛将″と評判だったが、盗賊を平定すると戦が終わり軍隊も解散、路頭に迷った韓三春は三寿幇に身を落とす。そこで周瑩は武芸に長けた韓三春なら他にできることがあるはずだと説得した。「うるさい!」これまで冷静だった韓三春が急に声を荒げた。沈星移は韓三春が動揺したことに気づき、面白くなったとほくそ笑む。「集団で人を襲い、割りに合わない商いをしているあんたは忠義を知らぬ愚か者よ!」「黙れ!知ったかぶるな、兵士にとっての″忠″とは将軍のために命を捧げることだ そして″義″とは役人を昇進させるために血を流すこと…ふっ だが忠義を尽くした結果、戦が終わればお払い箱だ!」韓三春はあまたの激戦を経て生き延びた兵士たちが家路につく中、寒さと飢えで次々と死んで行く様を目の当たりにした。自分にとっての良心とは兄弟たちに飯を食わせてやること、そして忠義とは自分が生き延びることだという。すると憤慨した韓三春は帰って行った。「ふっ、ずいぶん怒らせたな」「私の言葉が聞いた証拠よ…」周瑩の話を聞いた韓三春は確かに一生、盗賊のままでいいのか迷いが生じた。そんな中、牛寿娃(ギュウジュア)に師弟の査坤(サコン)から密書が届く。牛寿娃は配下の土蜂子(ドホウシ)に沈星移だけ内密に解放するよう命じ、官兵が来たらどさくさに紛れて韓三春と一味、寡婦たち人質を皆殺しにすると教えた。沈星移は周瑩の身代金も自分に任せろと言った。困惑した周瑩は盗賊から助けようとしてくれただけで十分だと感謝したが、まさかの事実を知り激高する。「礼には及ばない、実は…捕まったのは私のせいなんだ つまり…馬だ、馬が食べる草に下剤を混ぜたっ(´゚艸゚)∴ブッ」「アンタだったの…?!」周瑩は沈星移を蹴飛ばしたが、そこへ土蜂子が現れ、沈星移だけ連れて行ってしまう。沈星移はなぜか門から放り出され、自由になった。ともかく一刻も早く沈家へ知らせなくてはと思ったが、ふと枯葉が舞う様子を見て足を止める。沈星移はふと花吹雪の中で立つ周瑩を見た時の気持ちを思い出し、やはり引き返すことにした。「…つまりあの寡婦を解放せねばお前も帰らないってことか?」「そうだ」しかも沈星移は周瑩が死ぬなら自分も死ぬという。牛寿娃は情にほだされたのかと呆れ、自ら死を選ぶというならかなえてやると嘲笑した。解放されたはずの沈星移が牢に舞い戻って来た。周瑩はなぜ戻ったのか分からず困惑したが、沈星移はなぜか嬉しそうに自分を見ている。「私はバカだ(フッ)盗賊に気づかされた…」「何を?」しかし沈星移は理由も言わず、いつまでも笑っていた。一方、超白石(チョウハクセキ)は周瑩を助け出したい一心で呉家東院の有志たちと一緒に松坪溝(ショウヘイコウ)へ駆けつけた。すると案内していた周老四(シュウロウシ)が道に落ちているかんざしや留め具を見つける。「趙大人!この方向です!」江湖を生き抜いて来た周老四と周瑩は、万が一の時はこうして目印を残そうと決めていた。そのおかげで趙白石はついに三寿幇の巣窟を発見する。そこでまず峠に人形を置いて旗を挿し、まるで官兵が大挙して押し寄せているように工作した。三寿幇の山塞に見張り役から官兵が向かっていると報告が来た。周瑩たちは外が騒がしいと気づいたが、そこへ韓三春が血相を変えて駆けつける。「どっちの家が役所に通報した?!俺が死んだらお前たちも生きて帰れぬぞ!」そこで周瑩は自分たちを解放してくれたら、今後、呉家東院の商いの2割の利益を譲ると持ちかけた。「私は商いを始めてたった3ヶ月で8千両のもうけを出したわ! (*゚▽゚)*。_。)ウン<本当の話@星移 順調なら4万両のもうけを出せるの、そして来年の目標は20万両よ!」周瑩は投降するよう説得を試みたが、そこに子分が駆けつけ、官兵が峠を越えたと報告した。すると韓三春はいきなり二虎の胸ぐらをつかんで引き寄せ、戦が終わったら一番に殺すと脅して出て行ってしまう。周瑩たちは驚いたが、しかし二虎は短剣を持っていた。「頭領が僕に…」趙白石たちはわずかな人数しかいないため、三寿幇に察知される前に速やかに決着をつける必要があった。そこで趙白石は正面から攻める隊と横から急襲する隊に分けて突撃する。一方、韓三春は牛寿娃に自分が青牙(セイガ)門を守ると伝え、もし破られたら逃げろと言った。「俺が死んだら千紅(センコウ)を頼む!」すると牛寿娃は自分たちの未来はこれからだと励まし、頭領と別れた。牛寿娃は知府・英賢(エイケン)の官兵が到着したと思っていた。なぜなら仲間でなければこの巣窟を見つけることなどできない。そこで安心して土狗子(ドクシ)に山塞の大門を閉めるよう命じ、土蜂子に人質を威虎(イコ)堂へ連れてくるよう命じた。青牙門に向かっていた韓三春は何か変だと気づいた。確かに大砲の音は聞こえるが砲弾が落ちてこない。峠に見える大軍を使えば自分たちを倒せるはず、なぜ攻めて来ないのか。そこで韓三春は子分に″賭けに出る″と牛寿娃に伝えに行かせ、内外で呼応して官兵を挟み撃ちにすると決めた。一方、周瑩たち人質は縄をかけられ、威虎堂で処刑されることになった。二虎は頭領からもらった短剣でこっそり縄を切り始めたが、もはや間に合いそうにない。すると牛寿娃は死ぬ前に何か言いたいことはあるか聞いた。「あるっ!周瑩…愛してる!」「沈星移?しっかりしてよ…」周瑩は沈星移が恐怖のあまりおかしくなったと思ったが、星移は死ぬ前に本当の気持ちに気づいたのだという。「愛する女と死ねるなどこれ以上の幸せはない!…周瑩ーっ!愛してる!愛している!」しかしその時、韓三春の伝言を伝えに来た子分が牛寿娃の裏切りを知り、背後から襲いかかった。山塞は頭領派と牛兄派の激しい争いとなった。ようやく縄が切れた二虎は周瑩たちを解放、落ちていた剣を拾って門へ向かう。するとその途中、牛兄の配下が千紅を無理やり連れて行こうとしているところに出くわした。二虎たちは千紅を助け、牛兄が裏切ったと教える。そこで沈星移が一緒に逃げようと誘ったが、千紅は韓三春の元へ行くと言い張った。二虎も頭領を見捨てられないと訴え、結局、周瑩たちも応戦しながら韓三春を探しに向かう。沈星移たちは周瑩たちを先に高台へ逃した。すると千紅は眼下で官兵たちと戦う韓三春を見つける。周瑩は韓三春がまだ裏切られたことを知らないと気づき、千紅に説得してもらおうと考えた。「韓三春に投降を勧めてくれたら東院の利益を2割、譲るわ そうすれば今後、韓三春は正真正銘の商人となり、あなたは立派な韓夫人よ」二虎も親代わりの頭領と千紅の行く末を心配し、周瑩を信じて欲しいと訴えた。青牙門の前では韓三春と趙白石の直接対決の様相となった。やがて韓三春がついに趙白石の首に剣を突きつけるが、その時、高台から二虎の叫び声が聞こえる。「牛寿娃が裏切り、頭領の配下を殺してるよ!戦いをやめて投降して!」すると今度は愛しい千紅の声が聞こえた。「もうやめて!」しかしその声で牛寿娃たちに居場所がばれてしまう。そこで周瑩は春杏に千紅を任せ、二虎と一緒に沈星移たちの援護に向かった。千紅は必死に自分の思いを告げた。「韓三春!早く投降して!私はあなたと添い遂げたいの!ずっと付いていくから! それに…あなたの息子だって産みたい!」そこで剣を突きつけられた趙白石は、投降するなら命は保証すると約束した。一方、周瑩は応戦している沈星移の元へ駆けつけた。2人は互いに死を覚悟したが、極度の緊張感の中で周瑩は思わず″馬に下剤はなし″と訴える。すると星移は周瑩が先に自分の馬を逃したせいだと反論した。そこへ敵が切り掛かり、星移は周瑩をかばって腕を斬られてしまう。「大丈夫?!」「ああ、平気だ…私の心配を?」「……」「あはっ、死んでも悔いなしだ!はははは~!」死んでも悔いなし!>(((*≧□≦)(≧□≦*)))<死んでも悔いなしっ!周瑩も福来(フクライ)たちも気がつくと半ばヤケになって叫んでいた。趙白石は必死に韓三春を説得した。そこへ子分が現れ、牛寿娃が裏切って兄弟たちが殺されていると報告する。すると趙白石が自分を殺して牛寿娃に殺されるか、投降して生き延びて兄弟たちの敵を討つか、どちらか1つだと迫った。その時、千紅の叫び声が聞こえる。「韓三春!投降して!」韓三春はついに投降を決め、趙白石と手を組んで山塞になだれ込んだ。青牙門が破られると牛寿娃は官兵が英賢ではないと分かり、慌てて銀子を持って逃亡することにする。しかし裏門を出たところで韓三春が現れた。「路頭に迷ったお前を俺が拾ってやった! 義兄弟の契りまで交わしておいて裏切るとはな!なぜ兄弟を殺した?!」「えへへ~殺さなきゃ俺は功臣になれないだろう?!」2人は剣を抜いて駆け出し、その場で決着をつけることになった。すると韓三春は牛寿娃が振り下ろした剣を肩に受けながらも相手の腹を刺し、最後に首を斬って止めを刺す…。つづく(  ̄꒳ ̄)ん?結局、日本語字幕で見ても意味が分からなかった(笑英賢はグルよね?だったら初めから趙白石に知らせる必要なくない?
2020.02.25
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第33話「命の値段」三寿幇(サンジュホウ)にさらわれた周瑩(シュウエイ)と沈星移(シンセイイ)たち。春杏(シュンキョウ)は咄嗟に周瑩が自分の侍女だと嘘をついたが、周瑩は自分こそ周瑩だと言った。結局、韓三春(カンサンシュン)は粗暴な周瑩が侍女だと判断、春杏に呉家が2万両を払えば解放すると条件を伝える。「だが通報しようものなら…」韓三春がそう言いかけた時、いきなり牛寿娃(ギュウジュア)が見せしめに御者の宋(ソウ)を刺し殺した。「こうなると思え!」周瑩たちは衝撃で言葉を失ったが、春杏はこの恐怖の中でも気丈に判断する。「ならこの2人に文を届けさせて、うちの薬材店の番頭よ、信用できる、この侍女も古株なの」春杏は馬車で周瑩が話していた筋書きを覚えていた。周瑩と沈星移は春杏の機転で身分を偽り、早速、呉家まで知らせに向かうことになった。しかし威虎堂(イコドウ)を出たところで思いがけず頭領に嫁いだ元芸妓の千紅(センコウ)とすれ違う。星移はとっさにうつむいたが、千紅はどこか見覚えがある男だと気づいて2人を止めた。「あの人たちは誰?」「呉家東院の侍女と番頭だ、身代金を要求するため呉家に使いに出す」韓三春から話を聞いた千紅は改めて顔を確認に行くと、2人が沈家の二少爺と呉家の少奶奶だと暴露してしまう。韓三春は牛寿娃を呼びつけ、沈家の若旦那までさらって来たことを褒めた。牛寿娃が加わってからというもの財源に事欠くことがない。しかし御者を殺したことに触れ、以前にも言った通り三寿幇では殺しはしないと忠告した。「二度とするなよ…」三寿幇は呉家東院と沈家の門戸に矢文を放った。東院は周瑩の身代金2万両を、沈家は星移の身代金1万両を要求され、両家はそれぞれ大騒ぎになる。銀子が手元にない沈四海(シンシカイ)は杜明礼(トメイレイ)を頼り、5千両ほど貸して欲しいと訴えた。杜明礼は了承したが、自分が協力したことを決して他言しないよう約束させて帰す。そこですぐ査坤(サコン)を呼び、なぜ沈星移までさらわれたのか問い詰めた。しかし査坤も分からないと首をかしげる。ともかく杜明礼は知府・英賢(エイケン)に寡婦がさらわれたと知らせるよう指示、ただし沈星移には触れるなと命じた。周瑩と沈星移は脱出に失敗、結局、一行はそろって同じ牢で朝を迎えた。そこへ突然、千紅が手下を連れて現れ、自分の身請けを拒んだ沈星移への恨みを晴らす。「娶る約束でしょう?よくも門前払いしたわね!@1話」「いや、酔った勢いで言ったことだろ?…あ~すまない!悪かった!」千紅はこの一件で世間の笑い者になり、輿入れを焦ってしまったという。慎重さを欠き韓三春の嘘を見抜けず、陝北(センホク)の富商で大勢の使用人を抱え、広大な土地や豪邸を持っているという話を信じてしまったのだ。嫁いで見れば使用人とはここにいる子分たちのこと、広大な土地は占拠する山で、豪邸はこの巣窟だった。山から出られない苛立ちも相まって千紅は沈星移を殴る蹴るはの大騒ぎ、散々、憂さを晴らして帰って行く。すると周瑩と視聴者はボコボコにされた沈星移に大笑い、たまらなく愉快だと転げ回った。英賢は三寿幇が人質を取って身代金を要求していると知り、すぐさま県令・趙白石(チョウハクセキ)を呼び寄せた。約束の3ヶ月を過ぎたと言うのに平定するどころかこの体たらく、しかし趙白石は目下、再犯は確認されていないと報告する。すると英賢は憤慨し、三寿幇が呉家東院の寡婦を人質にして呉家に金を要求してきたのも知らないのかと怒鳴った。「しぇんむぁ?」呉家東院では西院と中院も巻き込んで周瑩の身代金を集めていた。鄭(テイ)氏はついに屋敷を売ると決心したが、そこまでしても2万両にはほど遠いと分かり断念する。そこへ命からがら逃げて来た周老四(シュウロウシ)が現れた。周老四は通報すれば周瑩が殺されてしまうと訴えたが、驚いたことに趙白石が現れる。仕方なく周老四はすべて報告し、沈星移も一緒だと教えた。すると趙白石は通報しなかった呉家に激怒し、身代金を渡しても周瑩の命は救えないと声を荒げる。ともかく身代金の受け渡し場所と日時を確認し、周老四が根城へ案内すると申し出た。趙白石はこれで出兵すれば周瑩も救出できると期待したが…。巡撫(ジュンブ)は出兵を見送ると断った。追い詰められた趙白石は恩師・張長清(チョウチョウセイ)を訪ね、その人脈で派兵を懇願する。話を聞いた張長清は貝勒(ベイレ)と三寿幇が裏で通じていれば英賢は手を出せないと考えた。三寿幇も英賢が治める西安には近寄らない、もしかすると英賢の方に事情があるのやも…。そこで趙白石をすぐ四川に転任させ、三寿幇の討伐は別の者に任せると決めた。しかし周瑩を助けたい一心で趙白石は興奮し、討伐しかないとまくし立ててしまう。驚いた張長清は冷静になれと叱り、なりふり構わず取り乱すなど言語道断と呆れた。王世均(オウセイキン)は居ても立ってもいられず県署の前で趙白石の帰りを待った。するとようやく趙白石が戻って来たが、出兵を拒まれ、自分も兵を持っていないと肩を落とす。王世均は失望し、呉家東院の者を率いて三寿幇と戦うとたんかを切って帰って行った。その言葉を聞いた趙白石は沈家を訪ね、協力を要請する。「人質を救出する手立てはあります!沈家の男衆を動員してくだされば必ず成功します」しかし沈四海は何の話か分からないと白を切り通した。「…星移の件は沈家で解決しますのでご心配なく」趙白石は沈四海を説得できず、仕方なくあきらめた。一方、牢の周瑩は沈星移と協力し、見張りをおびき寄せて脱出することにした。そこで周瑩が腹が痛いと苦しみ出し、星移たちは見張りに急病人をみてくれと訴える。仕方なく見張りの子分2人が入って来たが、星移たちが襲いかかる前になぜか子分の1人がもう1人を殴って気を失わせた。「姐姐?俺だよ、忘れたのか?」なんとその子分は王二虎(オウニコ)だった。二虎は周瑩が連行された時にすぐ気がつき、助ける機会をうかがっていたという。こうして周瑩たちは二虎のおかげで牢から脱出、外へ出た。しかし酒盛りしていた牛寿娃がお気に入りの春杏をはべらせようと牢へ行ってしまう。二虎の案内で周瑩たちは門までやって来た。そこで二虎がまず門番4人を一箇所に集め、そこを狙って周瑩たちが取り押さえたら馬を盗んで逃げることにする。しかし門番を片付けたところで牛寿娃が子分を引き連れ駆けつけた。周瑩たちは仕方なく投降、再び威虎堂に連行された。韓三春は恩知らずな二虎に激怒し、買収されて裏切ったのかと問い詰める。すると二虎は物乞いだった時、周瑩に銀子を恵んでもらい、母と弟が死んだ時には葬儀代を出してくれた恩人だと訴えた。「金より人情が大事だと頭領から教わりました!過ちであっても恩人を見殺しにはできない!」しかし牛寿娃は掟によると人質を逃した奴は斬首だと言い出した。そこでいきなり剣を抜いたが、韓三春に手を打たれ、思わず剣を落としてしまう。結局、二虎は半年間の監禁となり、韓三春は自分の指導が甘かったとして、今回の分け前は返上すると宣言した。牛寿娃は思わずにんまりして頭領の英断を称えると、身代金と関係ない侍女をくれと頼む。二虎を見逃してもらった手前、韓三春は特別に了承、喜んだ牛寿娃は無理やり春杏を連れて行こうとした。すると周瑩が落ちていた剣を拾い、いきなり牛寿娃の首に突きつける。「韓三春!あんたの武芸は認めるけど、私だって芸を売って生きて来た この男を道連れにして死ぬ覚悟くらいあるわ!」さすがの牛寿娃も命は惜しい。そこで春杏をあきらめると約束してゆっくり剣から離れると、周瑩も剣を投げ捨てた。一度は大人しく剣を拾った牛寿娃、しかし急に周瑩に斬りかかろうとする。しかしまたしても頭領に手を打たれ、面目をつぶされたまま断念するしかなかった。周瑩は一緒に監禁された二虎になぜ三寿幇にいるのか聞いた。なんでも母と弟を埋葬したあと、同郷の人がここへ連れて来てくれたという。周瑩がずっと行方を捜していたと知った二虎は喜び、しみじみ良い人だと感激した。そこで周瑩は頭領がどんな人なのか聞いてみる。二虎の話では根は悪い人ではないようだが…。杜明礼は査坤に沈家から銀票が届いたと知らせ、師兄に沈星移を解放するよう文を出せと指示した。「そのあと英賢に討伐させる、趙白石より先に動くのだ 盗賊を討伐するどさくさに紛れて師兄に韓三春と寡婦を始末させろ」査坤は承知して銀票をしまおうとしたが、杜明礼がそれは貝勒に送るなと言った。「報告する必要な~い」「つまり…これは私たちの銀子だと?(キラーン」「その通り」査坤は銀票をまじまじと見つめ、何ともこそばゆい感じがした。「査坤、覚えておけ、私たちはこの世で一番、哀れな人間だ…」「哀れみなど不要です」「我らは何も持っていない」杜明礼は別の箱を出して銀票をしまった。「だが、これからは…」「銀子があります!(キリッ」つづく( ๑≧ꇴ≦)ギャハハハハ〜査坤wwwもう周瑩と星移がどうでもよくなってる(笑
2020.02.22
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第32話「迪化への旅」呉氏布業の綿布は胡咏梅(コエイバイ)の洋布に到底、太刀打ちできず、周瑩(シュウエイ)は追い込まれていた。苛立ちから使用人たちの喧嘩にまで乱入、二叔・呉蔚武(ゴイブ)と四叔・呉蔚全(ゴイゼン)から体裁に関わると厳しく叱られてしまう。そんなある日、周瑩は偶然、張(チョウ)媽と周老四(シュウロウシ)の何気ない会話を耳にした。呉聘(ゴヘイ)の祖父が商売を始めたのは繁華な場所だったが、徽州(キシュウ)や山西(サンセイ)の商人に勝てず、西の地へ向かったという。「甘粛(カンシュク)から四川(シセン)、さらには西蔵(チベット)まで手を広げた方なので山にも登ったとか…」周瑩はこの手があったとひらめいた。そこで早速、王世均(オウセイキン)に涇陽(ケイヨウ)の洋布の販路を調べるよう指示する。また趙鴻伍(チョウコウゴ)には綿農家への支払いを遅らせてもらえるよう頼み、江福祺(コウフクキ)には銀500両を用意できるか聞いた。「300両なら」「…いいわ」一方、ミイラ取りがミイラになった杜明礼(トメイレイ)。胡咏梅の説得に失敗したと聞いた沈四海(シンシカイ)は古月(コゲツ)を打ち壊すと息巻き、すでに陶(トウ)番頭が下請けに根回ししてあると教えた。しかし杜明礼は古月を潰しても綿花が売れないことに変わりはないと説き伏せ、貝勒(ベイレ)に注文を出してもらうことで手を打ってもらう。周瑩は王世均のおかげで涇陽の綿布の卸先が瓜(カ)州までだと分かった。つまりそこから先はまだ洋布が普及していない。周瑩は叔父たちを呼び、西の迪化(ウイグル)へ綿布を売りに行ってくると伝えた。呉蔚全(ゴイゼン)は無謀すぎると反対したが、周瑩は迪化には西院の薬材店もあると訴える。すると呉蔚武(ゴイブ)が実は盛隆全(セイリュウゼン)ならパッとしないので閉めるつもりだったと言った。確かに迪化で布が売れるという保証はない。しかし周瑩は最後の悪あがきだとしても行くと決断した。周瑩が迪化へ行くと聞いた周老四が慌てて別院へ駆けつけた。「行ったら帰れないと言われる道だぞ?玉門(ギョクモン)関を越えればゴビ砂漠だ、道すらない、 松坪溝(ショウヘイコウ)を越えたら三寿幇(サンジュホウ)の縄張りだ」「分かってる、でも三寿幇が狙うのは商人の荷よ?人を訪ねるふりをすれば私たちは襲われない」「あぁ?私たち?」「そうよ!父さんは娘の私と迪化で商売している婿を頼るって筋書き~」しかし周老四は命が惜しいと断り、出て行ってしまう。すると頼もしい春杏(シュンキョウ)が代わりに一緒に行くと申し出た。周老四は憂さ晴らしに沈星移(シンセイイ)の金で飲み食いしながら、周瑩が迪化へ行くと口を滑らせた。すると星移は思わぬ盲点だったと気づき、金だけ置いて帰ってしまう。星移は早速、父に迪化に行くと伝えた。これしか道がないと言われた沈四海は別の者に任せることにしたが、星移から思わぬ決意を聞く。「後継ぎの私が家の難を救うのは当然です!」「…お前もやっと大人になってくれたか…」星移は父の言葉に感激し、調子に乗ってもう一度だけ隆昇和(リュウショウワ)との合資を考え直すよう進言しておいた。周瑩は念のため王世均たちに″万が一の時は義母の面倒を頼む″と伝えた。そしていよいよ出発の朝、いざ出立するという時になって周老四がさっさと馬車に乗り込む。「四叔?行かないって言ってたのに…@春」「こういう人なのよ(クス」こうして周瑩は一族の期待を背負い、春杏と福来(フクライ)を連れて旅に出た。ところが安呉(アンゴ)鎮を出てしばらくすると、なぜか″二少爺″と呼ぶ声が聞こえてくる。周瑩は窓から顔を出してみると、驚いたことに沈星移が天石(テンセキ)と天玉(テンギョク)を連れ、馬で駆けてきた。「偶然だな!どこへ行くんだ?私は迪化に行くんだ~!」どうやら沈星移も迪化へ綿布を売りに行くらしい。きまりが悪い周老四はしらばっくれていたが、周瑩は養父の仕業だと分かっていた。周瑩たちは道すがら酒楼を見つけ、食事にした。すると店には一足先に到着していた沈星移たちがいる。沈星移は優雅に酒を飲み、肉を食べ、周瑩を挑発した。誘われた周老四まで席を移動し、怒った周瑩は黙って外に出て行ってしまう。その時、急に馬のいななきが聞こえ、星移は慌てて飛び出したが遅かった。周瑩は星移たちの馬を逃し、高笑いしている。「歩いて行くのね!」しかし花吹雪の下に立って勝ち誇る周瑩の笑顔を見た星移は、なぜかそのまま見惚れてしまう。いよいよ次の谷を越えると三寿幇の縄張りに入る。周瑩たちは念のため地味な服に着替え、山あいの小さな宿で一夜を過ごすことにした。店主の話では最近、三寿幇は旅人を襲っていないらしい。周瑩たちは安堵し、早めに休んで朝一で出発することにしたが…。一方、周瑩たちが眠りについた頃、ようやく沈星移たちが同じ宿に到着した。そこで仕返しにまず周瑩たちの馬の干草に下剤を混ぜてから部屋へ入る。するとその夜、いきなり三寿幇が宿を襲った。三寿幇は各部屋を回って何か探しているようだった。周瑩は狙いが商人だと考え、筋書き通り身分を隠せば助かると覚悟を決める。そこで三寿幇が乗り込んで来ると、周瑩たちは一斉にひざまずいて命乞いした。周老四は富平(フヘイ)の農民だと嘘をつき、害虫で食い上げてしまい、娘と使用人を連れて親戚を頼る途中だと告げる。「これで全財産です、どうか命だけはお助けを~」「気が利くな~(おい!ここにいたぞ!)芝居はもういい、目的はお前たちだ」仕方なく周瑩は養父に目配せしながらゆっくり立ち上がった。その瞬間2人で盗賊を蹴り飛ばし、扉を閉めて鍵をかける。沈星移はその様子を向かいの部屋からこっそり見ていた。三寿幇が戸を壊している間に周瑩たちは裏の窓から脱出、馬車に乗り込んだ。沈星移は馬にいたずらしたことを思い出し、急いで助けに向かう。一方、周瑩たちは馬が急に腹を下して走らなくなり、車を捨てて走り出したが、あっけなく捕まった。すると待ち伏せしていた沈星移たちが襲撃、救出に駆けつける。しかしここは三寿幇の縄張り、次々と仲間が現れ、結局、沈星移たちまで捕まる羽目に…。その様子を運良く逃げられた周老四が物陰から見ていた。周瑩たちは縛られて馬車に放り込まれた。周瑩は移動中、春杏のかんざしやボタンを口で取って窓から外へ落とし、目印にしておく。やがて馬車は三寿幇の根城に到着したようだった。<水青くして山は遠く~<流るる水は長し~暗号が聞こえ門が開くと、呉家東院の寡婦を連れて来たと報告している。周瑩は本当に自分が目的だと知り、しかもこれで2回目だと驚いた。「みんな聞いて、東院に銀子がないことは言ってはダメよ 身代金が払えないと分かれば命の保証はない …盗賊との交渉は私がするわ 侍女と番頭に文を預けると言うから、春杏は沈星移と逃げなさい」すると沈星移は必ず戻ってくると約束する。しかし周瑩は春杏を頼んで戻って来るなと命じ、逃げる策ならあると言った。周瑩たちは威虎堂(イコドウ)にいる頭領・韓三春(カンサンシュン)の前に引っ立てられた。韓三春はどちらが寡婦か尋ねたが、春杏が周瑩より早く自分だと叫ぶ。織物工房で間違って呉漪(ゴイ)を連れ去ってしまった韓三春は、確かにあの時、春杏が一緒にいたと思い出した。春杏は気丈にも何が目的かと迫り、韓三春は少なくとも身代金2万両は出すはずだと皮算用する。そこへ寡婦を捕らえたと聞いた査坤(サコン)の師兄・牛寿娃(ギュウジュア)が現れた。牛寿娃は春杏を一目で気に入り、いきなり抱きしめてしまう。激怒した周瑩は牛寿娃を蹴り飛ばし、無礼を慎めと声を荒げた。「大当主だろうと貞節を汚された寡婦に東院が銀子を払うと思うの?!」韓三春は剣を抜いた牛寿娃を抑え込み、怖いもの知らずの女に迫る。「お前は誰だ?」「(ハッ!)私の侍女よ!」「いいえ、私が周瑩よ!」さてどっち?つづく(^ꇴ^)でぃえのオウンゴール〜そして頭領の三つ編み〜wそれにしても誰を誘拐するのかくらい把握しとけって話よ(笑
2020.02.21
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第31話「商売の誤算」沈星移(シンセイイ)はついに父から月例会に参加することを認められた。家職・霍鑫(カクキン)の話では、これから沈家のすべての商いを二少爺に把握させるよう言われたという。亡き兄・沈月生(シンゲッセイ)と同じ役割を任されることになった沈星移は感激もひとしお、しかし、浮かれたのも束の間、襟を正して月例会に駆けつけた。するとちょうど沈四海(シンシカイ)が陶(トウ)番頭に呉氏布業から受ける影響があるか尋ねている。陶番頭は当然、影響はあると認めて策を練ったと報告、二少爺を前に呼んで説明させた。「呉氏布業は10月頃に綿布を売り出すので、我らの綿布も同時期に出しては? 自家生産の呉家の方が沈家より2割安くても、我らは知名度で勝てます もし3割安ければ沈家の値を4割下げて打撃を与えます 損失は出ますが、呉家の売れ残った綿布を安値で買い、高値で転売すれば儲けが見込めます」「さすがは沈家のご子息、商才がありますね」沈星移を褒めたのは杜明礼(トメイレイ)だった。沈四海は杜明礼を丁重に見送った。しかし沈星移は沈家の月例会になぜ杜明礼が参加しているのか分からない。実は祖母が爵位を賜ったあの日、沈家と隆昇和(リュウショウワ)は合資関係になっていた。沈四海は沈家のこの急激な繁栄の裏には杜明礼の協力があると教えたが、星移は納得いかない。「でも手段を選ばぬ相手と組むべきではありません!父上!杜明礼に感化されてはいけない なぜそこまで金が必要なんです?父上、商売は堅実にやるべきです!」星移は懸命に父を説得したが、沈四海は月生にあって星移に足りないものは″欲″だと一蹴した。胡咏梅(コエイバイ)は古月(コゲツ)薬材店を再建しようと決意、そこでちょうど涇陽(ケイヨウ)に滞在している楊金鱗(ヨウキンリン)から700両の貸しを回収することにした。そこで早速、客桟の楊金鱗を訪ねたが、今は先行きが暗い薬材業をやめて洋布の商いにくら替えしたという。そのためまだ返済できるほど稼ぎがなく、結局、胡咏梅は来年まで待つと約束して客桟を出た。楊金鱗はせめもの土産にと洋布の見本をくれた。そこで胡家職は楊金鱗と手を結び、自分たちも洋布の商いを始めないかと提案する。今はまだ涇陽での需要はないが、江蘇(コウソ)や浙江(セッコウ)で流行っているなら半年以内に関中でも流行するはずだ。すると胡咏梅はふと呉家が反物業を始めたことを思い出す。「はぉ、周瑩が作る綿布に対抗してやるわ…」そんなある日、仕事中の沈星移を訪ねて県令・趙白石(チョウハクセキ)が現れた。今やすっかり犬猿の仲の2人、すると趙白石は率直に呉聘(ゴヘイ)に毒を持ったのも沈星移かと疑う。「侍女を奪われたことを根に持ち、月生の復讐に呉聘を殺すと触れ回っていたな?」「…じゃあ捕まえるか?」もちろん証拠がない趙白石は星移を捕縛することはできず、いつか必ず尻尾をつかんでみせると断言する。すると星移は趙白石こそ犯人だと迫り、必ず尻尾をつかんでみせるとおうむ返しでからかった。呉家の織物工房は順調だった。布の品質も向上し、以前は出せなかった色や柄物もある。周瑩は二叔と四叔に工房を案内しながら、自分たちの綿布なら5文で売れると期待させた。呉蔚武(ゴイブ)は目を輝かせ、今年の儲けがざっと2万両だと喜ぶ。それを聞いた呉蔚全(ゴイゼン)も大興奮した。すると周瑩は来年、織機を5倍に増やし、仕入れた綿で自家生産すれば儲けは10万両になると夢を膨らませる。しかし…。一方、周瑩と間違われ連れ去られた呉漪(ゴイ)は、自分を救い出してくれた趙白石のことが頭から離れなくなっていた。時折、趙白石の外套をまとっては、趙白石の面影に浸っている呉漪…。すると趙白石と兄・呉沢(ゴタク)が旧友だと知り、兄に仲を取り持ってもらうことにした。鄭(テイ)氏はこれで生活の心配もなくなると安堵し、以前のように家を切り盛りしていた。今では周瑩の呆れた振る舞いにも寛容になり、呉家東院に再び明るい笑い声が戻る。しかし胡咏梅が突如、古月(コゲツ)洋布店を開店したことで、呉家と沈家は思わぬ窮地に立たされることになった。古月洋布店に取引先を奪われ、呉家と沈家の綿布はさっぱり売れなかった。そこで周瑩は早速、店の偵察に向かったが、奇しくも沈星移と出くわす。店は大盛況、現状を目の当たりにした2人は大損を覚悟しなければならなかった。しかし今や涇陽一の富豪となった沈家と違い、このままでは呉家は生き残ることができなくなってしまう。「ちょうどいい♪お茶汲みの侍女が1人足りないんだ♪…うぐっ」「あら、二少爺、人が多すぎてうっかり踏んじゃった~」周瑩は全体重をかけて沈星移の足を踏みつけ、帰って行った。従来の洋布は品質の割に高値で需要がなかった。しかし今や洋布は様変わり、古月洋布店では質が良く、色柄も豊富で安い洋布が揃っている。沈星移は父にすぐ報告し、在庫を毎反1文で売りさばいて沈家も洋布の商いを始めるよう説得した。確かに損失は出るが、古月洋布店が市場を独占してからでは1反も売れなくなってしまう。沈四海はそれでも2万両の損失は大きいと難色を示し、考えたいと言った。一方、呉家でも王世均(オウセイキン)が綿布を半値で売りさばこうと提案していた。例え毎反1.5両で売っても儲けは出る。しかし周瑩は洋布でも一番安い布は毎反1.5両で買えると教え、自分でも綿布より洋布を買うと漏らした。このままでは東院・西院・中院とも儲けはなく、しかも投資がすべて無駄になってしまう。すると3院の間もぎくしゃくし、やがて責任のなすり合いが始まった。沈四海は杜明礼を頼った。沈氏綿布店の苦境は胡月洋布店が原因であり、株を3割保有する貝勒(ベイレ)も損すると説明する。気が進まない杜明礼だったが確かに自分の評価に関わると考え、仕方なく古月洋布店を訪ねた。杜明礼は事情を話し、沈家が損を出すと出資している隆昇和も害を被ると訴えた。確かに貝勒の商いなので杜明礼の取り分は1文もなく、もらえるのは貝勒爺からの給金だけだという。胡咏梅はならば杜明礼に被害はないと言ったが、杜明礼は胡志存(コシソン)を解放できたのは貝勒の力であり、恩返しのため休業して欲しいと懇願した。しかし胡咏梅は正念場に休業はできないと断り、恩人と言うなら面識のない貝勒ではなく杜明礼だという。すると店の株2割を譲渡し、これが自分からの恩返しだと言った。「今後は古月洋布店が10両かせぐごとに、あなたに2両はいります」査坤(サコン)が沈家の3月分の配当と帳簿を確認していると、杜明礼が帰ってきた。胡咏梅の説得に失敗したと聞いた査坤は呆れ果て、貝勒には杜明礼が1人の女のために職務を怠っていると報告すると脅す。しかし杜明礼は査坤に古月洋布店の株を2割もらったと教え、1割を譲った。実はこれだけでも今の給金の何倍にもなるという。「我らは貝勒爺から給金以外、何も与えられない、金も権力も貝勒爺の独り占めだ 必死で努力しても所詮、我らは使い走り」「刃向かえば殺されます…」「そうだな、だがこの株は我らだけの物だ…」「我らだけの?」査坤は古月洋布店の契約書をまじまじと見つめた。すると杜明礼は、沈家が損失を出して棒打ちされようとも望むところだと開き直る。「お前は?」「私もです…」かつて胡咏梅は杜明礼に饅頭(マントウ)を与え、今度は株2割をくれた。「こんな人に出会ったことがない…」感慨深げな杜明礼を複雑な心境で見つめる査坤は…。つづく( ๑≧ꇴ≦)査坤wwwちょっと思わせぶりに書いてみました(←違うwww
2020.02.20
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第30話「若奥様誘拐計画」周瑩(シュウエイ)は反物業への出資を拒む呉蔚全(ゴイゼン)を懐柔するため、呉蔚全の迷信好きを利用した。そこで曹(ソオ)三叔扮する道士を送り込み、偶然を装い呉蔚全と接触させる。当初は道士の見立てを信じていなかった呉蔚全だったが、道を曲がった所で周老四(シュウロウシ)が地面に張った釣り糸に足を取られてすっ転んだ。さらに立ち上がった時に仕掛けを踏み、落ちてきた鳥の巣が見事に頭に命中する。不吉な予感に苛まれた呉蔚全は周瑩の予想通り道士を探し出し、涙ながらに助けを乞うた。すると道士は邪神に取り憑かれていると教え、その時は邪神より不吉なものと手を結ぶことで退散させ、大きいな財運に恵まれると吹き込んだ。「邪神より不吉なものとは?」「当然、疫病神である」「で、どこに疫病神が?」道士は″青の上に藍ありて 藍の下に青あり″という暗示を残し、姿を消した。呉蔚全が屋敷に戻ると周瑩が待っていた。出資の件だと知るや否や呉蔚全は加わる気はないと一刀両断、すると周瑩はわざと四叔を怒らせる。「何でも呉聘(ゴヘイ)の祖父が分家して東・西・南・中の4院が生まれたとか でも今や中院は置いてけぼり、四叔が迷信深く商機を逸しているからです …夫人がお気の毒ですよ、夫のせいでこの衣の地味なこと~」「何だと?だいたい大哥がこの疫病神を入れなければ…(はっ!疫病神ktkr)そもそも…ゲフンゲフン」どうやら四叔が肝心な事に気づいたところで、周瑩は話しても無駄なので帰ると言った。控えていた春杏(シュンキョウ)は急いで主人の肩に外套をかけると、その後ろ姿を見た呉蔚全は驚愕する。周瑩は青い衣の上に藍の外套、つまり道士が教えてくれた手がかりとまさに合致していた。「待った!…中院も出資します!」(  ̄꒳ ̄)ニヤリこうして呉家東院・西院・中院の合資会社が設立、周瑩は式易堂大印(シキイドウダイイン)を託され、当主となった。しかし呉家の再建を苦々しく思う者が…。呉氏布業の開業を知った杜明礼(トメイレイ)は呉家が息を吹き返したことに驚いた。しかも中心は池に沈められたという東院の寡婦だという。査坤(サコン)の話では未だ軍需品の件にも固執しているらしい。そこで杜明礼は誰より周瑩を憎んでいる胡咏梅(コエイバイ)を巻き込むことにした。胡咏梅も呉氏布業の開業を知り、憤っていた。そこで杜明礼は盗賊に周瑩を誘拐させるよう提案、しかも標的の居場所を書くだけで銀子も必要ないという。しかしさすがに胡咏梅も何かおかしいと気づいた。「目的は?父を救ってくれた時も何も受け取らず、縁もゆかりもない私をまた無償で助けるなんて… 答えはひとつ、大きな目的があるから私に手を貸すのでは?」すると杜明礼は恩返しが目的だと言った。子供の時、偶然にも胡宅の前で行き倒れた杜明礼…。奉公人からは邪険にされたが、ちょうど買い物から帰ってきた令嬢が饅頭(マントウ)をくれたという。胡咏梅は覚えていなかったが、理由を知って安堵した。「で、私は何をすればいいの?」一方、沈星移(シンセイイ)は周瑩と勝負するため、父に織物を任せて欲しいと頼んでいた。沈四海(シンシカイ)は綿花で稼げと反対したが、星移は来年分の綿花40斤をすでに調達したと報告、自分がいなくても稼げると説き伏せる。「必ず良い知らせを約束します!」呉家東院に胡咏梅がやって来た。情にもろい鄭(テイ)氏は父を亡くした哀れな胡咏梅に同情し、しっかり生きるよう励ます。すると胡咏梅がふと周瑩の姿が見えないと言った。鄭氏はまさか偵察に来たとは夢にも思わず、周瑩の予定を教えてしまう。周瑩は織物工房の規模を広げるため、中院の工房に通い詰めていた。胡咏梅は杜明礼に周瑩が毎日、寅時に屋敷を出て未時に戻り、食事も外だと報告する。そこで杜明礼は早速、盗賊に文を書くことにしたが、お茶を運んできた査坤がわざとこぼした。杜明礼は火傷で字が書けなくなり、査坤も字が書けない。すると咏梅が自分が言われた通りにしたためると申し出た。「そうですか?では…″牛寿娃(ギュウジュア)師兄…涇陽(ケイヨウ)の呉家東院は一番の誉あり…″」( ๑≧ꇴ≦)査坤wwwあれほど頑なだった呉蔚全が今では誰より周瑩の味方になった。西院の呉蔚武(ゴイブ)は様変わりした四弟に困惑し、思わず術でもかけたのかと周瑩に尋ねる。「めいよー…憑きものがとれたとか?(テヘ」こうして周瑩は毎日、仕事に精を出した。そんなある日、昼食を届けにきた春杏と一緒に呉漪(ゴイ)が差し入れを持って現れる。それは呉聘(ゴヘイ)の好物″ひょうたん鷄″だった。周瑩はふと感傷的になり、春杏にあとで墓前に銘茶と一緒に供えようという。するとお茶と聞いた春杏は、そう言えば少爺の湯のみをどこで見つけたのかと聞いた。「私もずっと探していたんですよ?」「あの湯のみは…(はっ!)」周瑩は大変なことを思い出し、周老四を探しに飛び出して行った。周老四は賭場にいた。すると突然、周瑩が現れ、店から引っ張り出されてしまう。「呉聘の湯のみのことだけど、あの日に盗んだのよね?その時の状況を話して」…当時、呉聘は東院を出て行くと決めた周老四に書斎にある磚(タン)茶を持って行くよう勧めた。そこで周老四はひとりで書斎へ向かうと、机にあった呉聘の湯のみに目をつける。しかし茶が入っていたため、部屋の植木鉢に捨てて持ち去っていた。周瑩はあの時、呉聘は確か宝来(ホウライ)の入れたお茶を飲まなかったと思い出し、そのお茶も周老四が捨てていたと知って驚愕する。その時、盗賊だと叫ぶ声が聞こえた。盗賊の三寿幇(サンジュホウ)が中院の織物工房を襲った。すると韓三春(カンサンシュン)は身なりを見て呉漪が周瑩だと思い、間違って誘拐してしまう。街は大騒ぎになり、呉家東院の寡婦がさらわれたという噂が駆け巡った。事件の知らせを受けた県令・趙白石(チョウハクセキ)は血相を変えて周瑩の救出に向かった。やがて盗賊の一行に追いつき、趙白石は先頭を行く韓三春の馬に追いつく。2人は馬にまたがったまま激しい攻防を繰り返したが、やがて韓三春が隙をついて趙白石の馬の首をひと突きした。馬が倒れ、落馬する趙白石、しかしその直前に腕を伸ばして袋をつかみ、人質を一緒に引っ張り落とすことに成功する。盗賊たちは引き返すこともできず、仕方なくそのまま撤収した。趙白石は袋の中で暴れている人質を解放、しかし中にいたのは周瑩ではなかった。ともかく興奮気味の呉漪に自分の外套を着せて安心させ、無事に織物工房まで送り届ける。するとちょうど呉漪を助けに行こうとしていた周瑩と出くわした。呉漪は気が動転していたが怪我はなく周瑩もひと安心、すぐに連れて帰ることにする。その時、周老四はなぜか沈星移がいることに気づいた。「どうしてお前が?」「あ?…そうだな、なぜこんな所に?」沈星移は周瑩がさらわれたと知り、無我夢中で駆けつけていた。胡家職は亡き主人の遺志に従い、胡咏梅に秦(シン)家との縁談を勧めた。しかし胡咏梅は父の敵討ちがまだだと拒否する。胡家職は嫁がずにどうやって食べて行くのかと訴え、ならば思い切って古月(コゲツ)薬材店を再建してはどうかと提案した。実は今、ちょうど涇陽に滞在している楊金鱗(ヨウキンリン)という店主に700両の貸しがあるという。すると奉公人が慌てて飛び込んできた。「盗賊です!人をさらったと!」「誰を?!」「呉家西院の呉漪がさらわれ、趙大人が救ったとか」「ごーいー?!」査坤は師兄の思わぬ失態に肩身が狭かった。杜明礼は憤慨し、次はもっと周到に行うよう伝えろと命じる。「もう失敗は許さん!」∧( ‘Θ’ )∧<シッパイ ハ ユルサン!シッパイ ハ ユルサン!「まあ、趙白石に打撃を与えただけでも貝勒(ベイレ)に示しはつく」∧( ‘Θ’ )∧<チョーハクセキ!チョーハクセキ!管轄下で三寿幇が事件を起こし、趙白石は知府・英賢(エイケン)から叱責された。さらに3ヶ月以内に三寿幇を平定するよう命じられてしまう。一方、周瑩は織物工房がなぜ三寿幇に狙われたのか分からず困惑した。周老四は頭領自ら乗り込んできたことから、これはでかい山だったのだろうと推察する。「奴らの狙いはお前だったんだ」春杏も確かに″呉家東院の寡婦はどこだ″と言っていたと証言した。しかし周瑩は自分にさらう価値などないと呆気にとられる。周老四は今や周瑩が呉家東院の当主だと言ったが、だとしても今の呉家東院に何があると言うのか。誰が暗躍しているのか知る由もない周瑩、すると趙白石が訪ねてきた。趙白石が今回の一件の調査にやって来た。周瑩は三寿幇とは何の因果もないと訴えたが、実はもっと奇妙なことがあるという。「呉聘の死は宝来とは無関係でした」確かに宝来が毒を入れたのは事実だったが、呉聘はそのお茶を飲んでいなかった。果たして呉聘に毒を持った真犯人は誰なのか…。つづく( ๑≧ꇴ≦)四叔www呉漪のおしりwwwそしてキョエちゃん″∧( ‘Θ’ )∧″
2020.02.19
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第29話「夢は大きく」周瑩(シュウエイ)は商談のため若奥様らしく身なりを整えた。王世均(オウセイキン)は久しぶりに美しく着飾った周瑩の姿に目を細め、念のため準備していた虎の巻を渡しておく。こうして雲楽客桟(ウンラクキャクサン)に滞在する童敬夫(ドウケイフ)を訪ねた周瑩。手の中に隠した虎の巻を盗み見しながら挨拶を始めたが、結局、馬鹿馬鹿しくなって早々に本性を現した。「童老板、率直に話します、綿花の買い付けでお越しに?」周瑩は関中(カンチュウ)の綿花は自分が握っていると伝え、適正な価格なら全て売ると言った。すると相手が寡婦だと甘く見たのか、童敬夫は他の所では1斤50文で買うが涇陽(ケイヨウ)には思い入れがあるので60文で買うという。周瑩は苦笑いした。呉家東院の綿花は1斤120文、去年の暴落のせいで関中の綿農家は半減し、湖南(コナン)と湖北(コホク)の綿畑は災害で絶望的となれば適正な価格だろう。周瑩は今年の綿花は最高値になるはずだと言った。そこで童敬夫は80文なら全て買うと持ち掛けたが、周瑩は115文までしか譲らず、交渉は決裂してしまう。すると周瑩はこれから湖南や湖北の商人とも会う予定だと嘘をついて帰ることにした。「その時は1斤150文で売れるかも~あっ! 船に積みにの場所を確保しているとか~空のまま帰ることになりますね~」周瑩が部屋を出ると、予想通り童敬夫が呼び止めた。そこで周瑩は納品時に支払いができるなら110文と提示、見事に交渉が成立する。しかし突然、沈星移(シンセイイ)が現れ、沈家綿花店の副番頭として割り込んで来た。「1斤110文で納品時の支払いと聞こえましたが、沈家綿花店も80万斤の綿花を提供できます 品質が良く、値も同じ1斤110文です、ただし代金は7日以内にいただければ結構です」周瑩は沈星移が邪魔しに来たと気づき、焦って105文に値を下げると、沈星移も105文に下げた。ただし沈家綿花店なら支払いはあくまで″7日以内″…。すると憤慨した周瑩はいきなり沈星移の胸ぐらをつかみ、別室に連れて行ってしまう。( ゚д゚)<誠に呉家東院の少奶奶なのか?@童老板(  ̄꒳ ̄)<保証しますw@王沈星移が綿花を持っているはずがない、そこで周瑩は手を引くと脅した。しかし沈星移はならば損をしてでも漢中(カンチュウ)で調達して来るとやり返す。激怒した周瑩は蹴り飛ばそうと足を上げたが、逆に沈星移に足をつかまれた。「その代わりお前も損するぞ? …俺を追い払いたいなら全ての綿花を1斤80文で売れ、私から童老板に100文で売る」周瑩に綿花を全て押さえられた沈星移は綿農家を調べ上げ、実は周瑩が綿農家に品物を納めたら3日以内に代金を支払うと約束したことを突き止めた。呉家東院に建て替える余裕などないことは明らか、周瑩は足元を見られ、3ヶ月も奔走して65文で仕入れた綿花を沈星移に80文で売ることになってしまう。周瑩は部屋を出る前にせめてもの仕返しに沈星移の腰に蹴りを入れ、仕方なく今回は引き下がった。沈星移は周瑩から買った綿花を1斤100文で童敬夫に全て売りさばき、便乗しただけで1斤20文の儲けを得ることになった。そこで父に契約を報告、これを教訓に今後はまず市場を押さえるべきだと熱弁を振るう。黙って話を聞いていた沈四海(シンシカイ)は息子の成長に目を見張るが、甘い顔を見せないよう早々に綿花店を後にした。一方、沈星移のせいで1万2千両の儲けを失った周瑩の落胆は大きかった。しかし王世均は一番、稼いだのは童敬夫だと教える。今年は綿布が高騰するため、童敬夫の儲けは3万両は下らないという。確か呉家も西院に反物店、中院に織物工房があるが、景気は悪かった。すると周瑩は早速、趙鴻伍(チョウコウゴ)に来年分の綿花を押さえるよう指示する。恐らく沈家綿花店はもう動いているはずだ。「今すぐ発って、奪い合わず、去年の半分ほどの量でいいわ」屋敷に戻った沈星移は祖母と母から父が自分を褒めていたと聞いた。父に認められた星移はようやく自分の居場所を見つけ、商売の楽しさを知る。「今回の稼ぎはたかが知れています、銀2千両の元手で1万両も稼いだ奴もいます」驚いた夫人はそんな有能な人なら学ばせてもらえと言ったが、星移は学ぶだけでなく戦わねばならないと漏らした。周瑩は約束通り義母に2千両に利息をつけて返し、さらに配当金を渡した。今後は稼いだら配当金を出すと約束、母に孝行するのは当然だという。すると鄭(テイ)氏はこれまで刺繍で得た稼ぎと金目の物を周瑩に差し出し、今後は好きなだけ商いをするよう勧めた。「家のことは私に任せて…」「にゃん…ご安心を、絶対に損はさせません」周瑩は義母が認めてくれたと知り、心から嬉しかった。そう言えばもうすぐ義母の誕生日、周瑩は祝宴を開いて義母の顔を立てようと決める。鄭氏は商いのため節約するよう遠慮したが、周瑩は盛大に宴を開くと言った。祝宴には西院と中院も家族総出で出席し、久しぶりに賑やかな呉家が戻った。すると周瑩は可愛い盛りの子供たちに目を細め、中でも幼い玉成(ギョクセイ)を抱かせてもらう。鄭氏はそんな周瑩の様子を見ながら、何とも複雑な心境になった。周瑩は二叔・呉蔚武(ゴイブ)と四叔・呉蔚全(ゴイゼン)に相談があると声をかけ、3人で席に着いた。実は今回の取引で童老板が関中の綿花を安く買い、武漢で綿布に加工して高値で売りさばいていると知る。周瑩は綿花を持つ東院、織物工房がある中院、そして反物店を持っている西院、三院で出資し合えば反物業が成り立つと説明した。陝西(センセイ)産の綿布は圧倒的に生産量が少なく商人の気を引けないが、呉家三院が手を組めば1年で12万反、生産できる。陝西産の名が広まり評判が上がれば、湖北産の市場にも乗り込んでさらに稼げるというのだ。確かに魅力的な提案だが、呉蔚武は合資会社となると大きな賭けになると告げる。すると呉蔚全がまたしても周瑩の前に立ちはだかった。「はっきり言わせてもらうが、女子が権力を握るのは不吉とされる 大哥がお前を大当主に指名したのは東院に男の跡継ぎがおらぬからだ だが数十年も営んだ工房を差し出せと言われても~そうはいかんな」宴がお開きになり、一同は東院を後にした。まず中院の前で呉蔚全たちと別れた周瑩は呉蔚武に改めて自分の提案について意見を聞いてみる。呉蔚武は長年、反物店を営んでいることから、確かに周瑩の話は筋が通っていると認めた。するともし周瑩があの堅物の四弟を説得できたら、西院も反物業に出資してもいいという。そこで別院に帰った周瑩は周老四に協力を頼み…。一方、杜明礼(トメイレイ)は父を失った胡咏梅(コエイバイ)を心配していた。そこで刑部に残っていた胡志存(コシソン)の形見を届けるという口実で会いに行く。しかし隆昇和(リュウショウワ)に戻ると、査坤(サコン)になぜ胡咏梅に1人で会いに行ったのか迫られた。「天涯孤独になった彼女を心配するのは当然だろ?」「どうかお忘れなく、ご自分のお立場を…」そんなある日、屋敷から出た呉蔚全は偶然、門の前で道に迷っている道士を見かけた。呉蔚全は声をかけて道案内をしたが、道士が自分の顔を見るなり急に怯え始める。驚いた呉蔚全は逃げ出そうとする道士を引き止め、何かあるのか追求した。すると道士は今すぐ家に戻るよう勧め、今後は不用不急の外出は控えた方がいいと言って走り去ってしまう。呉蔚全はいんちきだと憤慨して出かけることにしたが、道を曲がったところで急にすっ転び、立ち上がった途端に鳥の巣が頭に落ちてきた。「何の祟りだ!歩いてただけだぞ!まったく…」その時、呉蔚全はふと道士の言葉を思い出し、結局、屋敷に戻った。つづく( ๑≧ꇴ≦)にゃん!力持ちwそれにしても弘暦のせいで沈星移にまでイラつくわ__(←とばっちり
2020.02.18
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第28話「後悔先に立たず」胡志存(コシソン)は杜明礼(トメイレイ)から呉蔚文(ゴイブン)が自分を陥れたと聞いて偽証を承諾した。しかし実際は偽造はおろか証拠を差し出してもおらず、逆に呉蔚文が自分を救うため、全ての罪をかぶってしまう。そんなある日、杜明礼が収監先に現れた。杜明礼は胡咏梅(コエイバイ)に頼まれ、やむを得ず胡志存を家に帰すと言う。せめてもの償いに胡志存は真相をすべて公にすると覚悟を決めたが、杜明礼はひと言でも口にすれば娘を婢女(ハシタメ)にして生き地獄を味わわせると脅した。苦しい胸の内を誰にも明かせぬまま、胡志存は日一日と罪悪感を募らせた。胡咏梅は思いつめる父を心配し、涇陽(ケイヨウ)を離れようと提案する。「ここではない場所へ、父上、苦しい思い出から離れて遠くへ行きましょう」「…そうだな」周瑩(シュウエイ)は春杏(シュンキョウ)を連れ、呉聘(ゴヘイ)の墓参りにやって来た。するとその帰り、義父の墓参りに来ている胡志存と咏梅父娘を見かける。「そんな姿を見たら呉叔も心配なさるわ」「お前は知らぬのだ、蔚文兄をこんな目に遭わせたのは私だ…合わせる顔がない」思わぬ告白を聞いた周瑩は怒りに震えながら、胡志存に詰め寄った。しかし胡志存は娘を守るため黒幕を明かせず、ある人物に強要されたのだと泣き崩れてしまう。「事件の真相を知っているんでしょう?まだ言わないつもりなの?!」「わ…私の口からは言えぬぅぅぅ~」驚いた胡咏梅は父につかみかかる周瑩を突き飛ばし、急いで馬車へ戻った。すぐに追いかけた周瑩だったが途中で胡家の使用人に阻まれ、そのまま逃げられてしまう。呉家東院に戻った周瑩は鄭(テイ)氏に胡志存が戻ったと報告した。様子を見る限り胡志存は後悔しており、どうやら真相を知っているという。鄭氏は夫を陥れた張本人が無事だと聞いて憤慨したが、今さら真相が分かっても夫は戻らないと気づいた。しかし周瑩は濡れ衣で命を落とした義父の名誉は取り戻さねばならないと訴える。そこで明日2人で胡宅に乗り込むことにした。「にゃん、思い出話をしてみてください、情に訴えれば罪悪感を覚えるかも…」娘と水入らずの夕食、胡志存は珍しくよく喋った。「蔚文兄とは十数年前に知り合ったのだ… 通州(ツウシュウ)で追い剥ぎに襲われた時のことだった 刀で斬られて瀕死の私を背負い、蔚文兄が医者を探して20里あまりも歩いてくれた それで命拾いしたのだ… 私が毛皮の商売で失敗して一文無しになった時にも、黙って助けてくれたよ 自分の仕入れ用の資金から銀200両を都合してくれた それで私はもう一度、奮起し、路頭に迷わずに済んだ…」すると胡志存はしみじみ生涯、平穏無事に暮らすことが何よりの幸せだと話し、最後に諫言した。「お前は自慢の娘だが、わがままなうえに頑固で人に譲ることを知らぬ 今後はくれぐれも自分を抑えることを心がけよ、人の恨みを買うな…」「父上、分かりました」「約束だぞ」胡咏梅が父の笑顔を見たのはこれが最後となった。翌朝、胡家職は首を吊って死んでいる胡志存を発見した。何も知らずに胡宅を訪ねた周瑩と鄭氏は奉公人から話を聞いて中の様子を見に行ってみる。すると父の亡骸に付き添っていた胡咏梅が周瑩に気づき、鬼の形相でやって来た。「この人殺し!父を返して!」侍女たちは周瑩につかみかかる胡咏梅を必死に止め、周瑩はその隙に義母を連れて退散する。しかし胡咏梅の怒りは収まらなかった。「周瑩!決して許さないから!必ずお前を殺してやる!父の敵を討つわ!」周瑩は義母を先に帰し、役所の趙白石(チョウハクセキ)を訪ねた。そこで胡志存が命を絶ったと報告し、義父に顔向けできないと言っていたからには裏があるはずだと訴える。趙白石は寛大な処置だったことから蒸し返さない方が賢明だと説得したが、周瑩は真相が知りたいと食い下がった。すると趙白石は仕方なく詳しい事情を聞いてみると約束する。「お願いします、ではこれで」「あ、夫人?傷はもう治ったのか?」「ええ、この通り!」周瑩は足を高くあげて見せると帰っていった。胡志存の葬儀に杜明礼が現れた。偽装事件に関わったせいで一族からの弔問はなく、来てくれたのは杜明礼ひとりだけだという。杜明礼は同情しながらも、胡志存が何も遺言を残していないと知って安堵した。すると胡咏梅は周瑩が追い詰めたせいで父が死んだと涙ながらに訴え、父の敵を討つためここに残るという。趙白石は張長清(チョウチョウセイ)を訪ねた。そこで胡志存が首を吊ったと報告し、実は死の前に呉蔚文の冤罪を匂わせていたと告げる。しかし張長清は自供も辻褄があっており、証拠も揃っているので冤罪などあり得ないと断言した。趙白石は呉家東院の寡婦2人が納得していないと相談したが、張長清は家族の目には凶悪犯も善人に映るものだという。「各方面に関わりがある事件ゆえ蒸し返すのは上策とは思えぬ 東院の者が黙らぬなら強硬な手段を使え」張長清の言葉にいささか面食らう趙白石だったが…。趙白石はまさか恩師が事件の黒幕に加担しているとも知らず、周瑩にそのまま伝えた。呉蔚文の偽造には動かぬ証拠があり、家族も知らない顔があったのかもしれない。超白石はこれ以上、蒸し返せば名誉の回復以前に身が危険だと警告したが、周瑩は決して受け入れなかった。沈氏綿花店の副番頭となった沈星移(シンセイイ)、しかし早々に問題が起こった。毎年、農民が綿花を売りに来る頃にもかかわらず、中秋になっても1人も来ない。星移は石(セキ)番頭に事情を調べるよう命じ、武漢(ブカン)の童(ドウ)老板が来るまでに買い付けておけと指示した。しかしその理由はすぐに分かる。すると周瑩の予想通り呉家東院に沈家の二少爺がやって来た。周瑩は3ヶ月も前に綿花を80万斤も買い付けていた。そこで沈星移は大量の綿花を抱えるのは危険だと警告し、自分に売るよう持ちかける。周瑩はありがたいと喜び、ならば1斤120文で売ると言った。「聞き間違いか?去年の相場は1斤60文だぞ?」「そりゃ~今年、採れた綿花だもの、当然、違うわ」星移は仕方なく70文でどうかと折れたが、周瑩は1文足りとも負けないと譲らない。すると憤慨した星移は席を立ち、綿花を持っているのは周瑩だけではないと啖呵を切って帰った。沈星移は綿花を売ってくれる農民を片っ端から当たった。しかし東院より高値で交渉しても、他に流すと罰金が取られる契約のため誰も売ってくれない。実は質のいい綿花は全て東院が押さえていた。沈星移は仕方なく再び呉家東院へ戻り、ちょうど帰って来た周瑩の輿を止めた。「分かったよ、70文だ、文句ないだろう?」「120文よ」「75文」しかし周瑩は輿の帳を閉めてしまう。憤慨した星移は自ら輿の帳を開け、75文でも不足なのかと迫った。「いくらならいいんだ?!」「そうね…顔見知りなんだし特別に115文で手を打つわ」「その値じゃ無理だ!」「…無理なの?だったら遊んで気ままに暮らしたら?」周瑩は沈星移をやり込め、屋敷の中へ入った。すると趙鴻伍(チョウコウゴ)が駆けつけ、童老板が雲楽客桟(ウンラクキャクサン)に到着したと報告する。雲楽客桟と言えば質素な宿だが、童老板は贅沢をしないという。周瑩はすぐ会いに行こうと輿に戻ることにしたが、王世均(オウセイキン)が止めた。「そのまま行くので?童敬夫(ドウケイフ)は毎年100万斤以上の原綿を扱う富商です 今までは老爺が対応されていました、その格好では…信用を得られないかと」「ハハ…分かったわ、大家を治める少奶奶らしくないとね…」つづく( ๑≧ꇴ≦)にゃん、そんなでっかり位牌を持っていかなくてもw
2020.02.15
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第27話「新たな商売」呉家東院の仲間を集め、老徳(トク)の妻を弔う周瑩(シュウエイ)。するとアヘン館でつぶれていた老徳がふらふらと帰ってきた。しかし妻の死を知った老徳は再び家を出たかと思うと、井戸に飛び込んで自害してしまう。アヘンの恐ろしさを目の当たりにした周瑩は愕然となり、自分の過ちに気づいた。そこですぐさま呉家が栽培していたケシに火を放って燃やしてしまう。周瑩はアヘン撲滅に協力しようと決心、話を聞いた県令・趙白石(チョウハクセキ)は今回ばかりは周瑩を見直し、気骨があると認めた。胡志存(コシソン)が屋敷に帰って来た。父と再会した胡咏梅(コエイバイ)は安堵したが、その姿はかなり憔悴している。すると呉家東院が没落したと知り、胡志存はひどく動揺していた。別院に戻った周瑩は次の商いをどうするか頭を抱えた。しかしすでに銀子は底をつき、農民への給金も滞っている始末、残っているのは北仲(ホクチュウ)山の田畑しかない。そこで王世均(オウセイキン)は綿を栽培しようと提案したが、江福祺(コウフクキ)は種を買って農民を雇う金もなく、そもそも春までの半年余りをどう食いつなぐのかと訴えた。すると周瑩が何やら考え込む。趙鴻伍(チョウコウゴ)によれば関中にある棉畑の規模は1万畝(ホ)程度、呉家の田畑の価値はせいぜい2千両、去年の綿の値は例年より安い1斤60文…。周瑩は何やら計算を始めたが、どうやら2千両足りないと気づいた。しかしちょうど2千両を持っている人物が…。周瑩は義母が三原(サンゲン)質店と引き換えに南院からもらった2千両に目をつけた。そこで自分に預けてくれれば何倍にも増やせると持ちかけたが、鄭(テイ)氏はケシで大損した周瑩に商いは向いていないと突っぱねる。そもそも女が外で顔をさらすことに抵抗がある鄭氏は、屋敷の中で一緒に細々と暮らそうと提案した。仕方なく周瑩は諦めることにしたが、急に鄭氏が呼び止める。「周瑩、あなたさえよければ一生、支え合って生きましょう でもそれが嫌なら別の道を探すといいわ、あなたはまだ若いから責めはしない…」鄭氏はこれまではっきり周瑩の気持ちを聞いたことがなかった。すると周瑩は東院にお金があろうとなかろうと出て行かないと断言して部屋をあとにする。心のどこかで不安だった鄭氏、しかし周瑩の言葉を聞いてふと顔が緩んだ。周瑩は周老四(シュウロウシ)が隠し持っていた荷物を見つけた。どちらにしても全て別院から盗んだもの、そこで周瑩は呉聘(ゴヘイ)の茶碗だけ残し、福来(フクライ)にすべて質屋にいれるよう命じる。これで農民への給金は解決した。残るは2千両をどう工面するかだが…。胡咏梅は父の釈放に尽力してくれた杜明礼(トメイレイ)を食事に招こうと考えた。しかし胡志存は杜明礼と聞くなり急に興奮する。「あの男にうちの敷居をまたがせるな!この先、一切、関わってはならん!」胡咏梅はわけが分からず、困惑するばかりだった。趙白石から辛辣な言葉を浴びせられた沈星移(シンセイイ)は憂さ晴らしに周老四と酒を飲むことにした。そこで実は周瑩が無意識に放った杜鵑花(トケンカ)の葉のおかげで沈家が助かったと話す。周老四はならばその恩を銀子で返すべきだと言ったが、星移は周瑩の命を助けたのでこれで帳消しだと調子が良い。すると星移が急にため息をついた。周老四は父親に叱られたのかとからかったが、星移は父ではないと否定する。「この話はやめだ!で最近、周瑩は何を?」「数日前に何を思ったのか収入源である田畑を焼き、今は銀子集めに奔走してる」「じゃあ〜沈家の侍女としていつでも歓迎すると伝えてくれ」「沈星移?周瑩が柳氏を懲らしめた時、俺は気づいたんだ…お前じゃ敵わない」「ふん、今に見てろよ!」周瑩が2千両を持って現れた。王世均たちは夫人が同意したのかと驚いたが、実は張(チョウ)媽を説得して盗んだという。さすがは張媽、鄭氏が虎の子を隠しそうな場所をあっさり見つけてくれた。「少奶奶、あなたが二爺と四爺を味方につけ、夫人を助けた時は見直しました 私の期待を裏切らないでください」周瑩は義母に見つかった時は全て自分の責任にするよう指示していた。ともかく義母に気づかれる前に手を打ち、一刻も早くこの銀子を使いきるしかない。沈家の膏薬(コウヤク)偽造に憤り、沈星移は苦しんでいた。父から薬材店の副番頭を任されるが、膏薬に血竭(ケッケツ)を加えるなら同意すると迫る。しかし沈四海(シンシカイ)は良心だけでは結果が得られず、こうして沈家が名声を手に入れられたのも貝勒(ベイレ)の後ろ盾があればこそだと言った。星移は沈家のため杜明礼と手を切るべきだと反発、結局、父は憤慨して出て行ってしまう。すると沈四海は星移を薬材店ではなく綿花店の副番頭にした。馬車で移動中の杜明礼(トメイレイ)と査坤(サコン)。査坤の師兄は当時、年長の韓三春(カンサンシュン)に頭領の座を譲ったが、これ以上は従えないと言っているという。「韓三春を抱き込めるか?」「我らが指示を出せば師兄がうまくやります」「分かった…最近、知府の英賢(エイケン)が活躍している、貝勒爺が褒美を出すそうだ」「英賢を使うので?」「…お前の師兄が討伐に手を貸し功績をあげれば、望む椅子を貝勒爺が用意してくれる」「だったら韓三春の首1つで十分でしょう?」その時、馬車が古月(コゲツ)薬材店の前を通りかかった。古月薬材店は看板を下ろしていた。杜明礼は馬車を降りて様子を見に行くと、店には胡咏梅の姿がある。胡咏梅は杜明礼のおかげで父が戻ったと感謝し、身体は元気だが魂が抜けてしまったようだと話した。そこで商いをやめて店を畳むことにしたと報告する。杜明礼は胡志存が何も言っていないと分かって安堵し、店を閉めるならいっそ別の地へ越してはどうかと勧めた。「住む場所を変えれば心機一転、父上は早く回復するやも」「いい考えですね」鄭氏がついに2千両の紛失に気づいた。そこで張媽は夫人の指示だと聞いて若奥様に銀票を渡したと嘘をつく。周瑩は素直に盗んだことを認め、実はすでに使い切ったと教えた。激高した鄭氏は訴えるしかないと決意、役所に訴状を出してしまう。趙白石はまた周瑩が騒ぎを起こしたと知り、分をわきまえない女だと呆れた。役所で周瑩は義母の訴状の通りだと認め、自ら罰して欲しいと懇願した。実はお金はもう返せないのだという。「盗んだ2千両と土地を質に入れた銀子で2千畝(ホ)の綿花を確保しました(テヘ ここに明細書があります」鄭氏は北仲山の土地まで質入れしたと知り、生きるすべを失ったとうろたえた。そこで周瑩は″3ヶ月後に利息を含め2,400両を返済し、土地も取り戻す″と一筆書き、できなければ牢に入って処罰を受けると約束、趙白石に証人を頼む。「ふぁんす!私に証人になれとは無礼千万!」「ちょっと!趙大人に諭されてケシ畑を焼いたんじゃありませんか!証人になるのは当然です!」趙白石は言いたい放題の周瑩に憤慨し、法を軽んじる不届きものと断罪した。「捕らえろ!周瑩を棒打ち3回の刑に処す!」驚いた鄭氏は訴状を取り下げると訴えたが、勝手は許さないと却下されてしまう。趙白石は罰を終えた周瑩の様子を見に行った。これで周瑩もさぞ懲りたと思ったが、周瑩はニヤリと笑って棒打ちにしてくれて感謝していると言う。「(ォゥ…イタタタタ…)にゃんの銀子を盗んだことで罪悪感があったので、 尻を打たれて気持ちが楽になりました それにこの棒打ちで私を恨むにゃんの気持ちも哀れみに変わったはずです これで思う存分、商いに没頭できます (ゥゥゥ~)棒打ち3回で東院を再建できるなら、小さな代償です… あ~はいはい、趙大人が言いたいのは″礼節が何とか″ですね? でも私は一生、自分を変えられません…(ォォォ~痛っ!)」どうやら趙白石でもこの女は手に負えないようだ。春杏(シュンキョウ)は主人の腰に薬を塗りながら、夫人の仕打ちに憤った。「呉家東院を再建させるためにやったことなのに… 私だったら出て行きます、ひとりで食べていけるのに、なぜここに残る必要が?」「…だってあの人は呉聘(ゴヘイ)の娘(ニャン)、それにここは呉聘の家だもの それにもし私が去ったら、ここはもう終わりだわ…」つづく( ๑≧ꇴ≦)周瑩www椅子がぶつかった時のキレっぷりが…(つ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)つ<殺す気か!ってwww
2020.02.15
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第26話「切れない悪縁」沈氏薬材店に突如、刑部侍郎・謝徳固(シャトクコ)が現れた。膏薬(コウヤク)の抜き打ち調査と知り、動揺を隠せない沈四海(シンシカイ)。杜明礼(トメイレイ)が貝勒(ベイレ)の名を出して脅しても、謝徳固は皇帝が勅命を撤回しない限り徹底的に調べると譲らなかった。もはや万事休すかと思われたが、その時、沈星移(シンセイイ)が現れる。「だったら調べろよ!」すると星移は積み荷から膏薬を取り出し、自ら自分の腕を切りつけて膏薬を張った。密奏では止血効果がないと言われていた膏薬、しかし星移が薬を剥がしてみると血は止まっている。趙白石(チョウハクセキ)は訝しみながらも引き下がるしかなかったが、沈星移にうっかり手の甲にある傷を見られてしまう。沈星移のおかげで膏薬の偽造がバレずに済んだ沈四海だったが、なぜ突然、刑部が調査に来たのか首をかしげた。杜明礼も沈四海も心当たりがなかったが、星移が趙白石の仕業だと暴露する。趙白石の右手の傷はあの晩、星移が泥棒につけたものだ。すると事情が分かった杜明礼はそこで引き上げることにする。実は星移は周瑩(シュウエイ)が血竭(ケッケツ)は杜鵑花(トケンカ)の葉で代用できると漏らしたことを覚えていた。そこで独断で膏薬に杜鵑花の葉を加えるよう指示したという。しかも原料代は1台分の膏薬につき数両ほどだった。沈四海は星移の英断に感心し、これから膏薬全部に杜鵑花の葉を加えると決める。すると星移は加えるなら血竭だと反発した。今回は運が良かったが、この件で杜明礼がどれだけ横暴でも、力には限界があると分かったはずだ。沈家は金儲けの道具なだけ、何か起きれば捨てるのは目に見えている。「あんな奴とは手を切ってください」しかし沈四海は口を出すなと叱り、仕事に戻れと追い出した。杜明礼は刑部侍郎の来訪を知らなかった肖朝徳(ショウチョウトク)を叱責した。肖朝徳は謝徳固が密かに訪れたので察知できなかったと言い訳したが、杜明礼は趙白石が知っていたと迫る。「何のためにこの地に配属されたと思っている?!」「申し訳ありません…」一方、沈家では手柄を立てた沈星移のおかげで二少爺房の使用人たちに夫人から報奨金が配られた。夫人はこれを機に星移を雑用から解放して欲しいと頼むが、沈四海は自分なりに考えがあると笑う。そんな中、星移はかつて周瑩が使っていた部屋で物思いにふけっていた。周瑩は呉家東院の再建に奮闘する毎日を送っていた。鄭(テイ)氏はそんな嫁の苦労を理解していたが、奔放な周瑩の行動がやはり目に余る。そこで思い切って周瑩を部屋に呼び、豊かでなくとも体面を守る必要があると訴えた。しかし周瑩はまともな若奥様でいたら東院はのたれ死にすると一笑に付す。口達者な周瑩に勝てるはずもなく、鄭氏はいよいよ泣き出した。驚いた周瑩は必死に義母をなだめ、ともかく出来る限り努力すると約束する。すると鄭氏は南院の呉遇(ゴグウ)が使用人たちに暇を出し、一昨日の夜に全て持ち逃げして消えたと教えた。周瑩は確かに両親の末路を思えば耐えられないはずだと同情する。「全部、柳氏が悪いのよ!だから女たるもの必ず…」「にゃん!分かってます!もう頭に入ってますから!」周瑩は慌ててお茶を入れてくると言い訳し、出て行った。沈四海は急に隆昇和(リュウショウワ)のこれまでの配当金を清算し、杜明礼を訪ねた。ついに父が決断したと知り、期待して待つことにした沈星移、しかし沈四海はいとも簡単に杜明礼に丸め込まれてしまう。実は貝勒が沈家に褒美を与えるべきと上奏し、そのお陰で大夫人は爵位を、沈星移が官職を賜ることになった。沈四海はすっかり舞い上がり、その場にひざまずいて貝勒に感謝する。すると杜明礼は今後は双方で資本を出し合い、沈家が前面に出て隆昇和が裏で動き、全ての商いで沈家が株7割、隆昇和が3割を所有するよう提案した。さすがに虫が良すぎる話に沈四海は難色を示したが、杜明礼は虎の子を出す。「これを加えたら?…去年、呉家東院から没収しました」それは商売人なら喉から手が出るほど欲しい呉家東院の商品総覧だった。ここには全取引先と全商品の出荷までの流れや、詳細な値引きの基準まで全て書かれている。結局、沈四海は再び杜明礼に丸め込まれ、契約書に印を押した。今回の件を密奏した福建兵備道(フッケンヘイビドウ)の楊廷壊(ヨウテイカイ)は罷免された。謝徳固もまた他人を中傷したとして都に戻る前に罷免されたという。そしてもう1人、四品から七品に降格したものがいた。沈星移がやきもきしながら父の帰りを待っていると、酔っ払った沈四海が上機嫌で帰って来た。すると母が二品の誥命(コウメイ)夫人に、息子は五品の同知(ドウチ)になったと報告する。「我が沈家は貝勒爺のためにしかと働くぞ!」星移は父が杜明礼と手を切れなかったと知り、何とも複雑な心境だった。そんなある日、呉家東院に老徳(トク)が訪ねてきた。病気の妻に薬を買ってやる金がなく、給金をまた前借りしたいという。理由が理由だけに周瑩は仕方なく東院に残っていたわずかな銀子を全て老徳に持たせてしまうが…。趙白石はこの一件で七品に降格され、知府から再び県令に戻ることになった。すると涇陽の街でばったり沈星移と出くわす。五品になった星移はもはや趙白石に頭を下げる必要などなく、強気な態度だった。趙白石は右手の傷を一瞥し、確かに今回は自分がうかつだったと反省したが、沈家が利益のために偽造したことは言わずと知れた事実だという。「私は少しも恥じてはおらぬ、だがお前は良心と向き合っても強気でいられるかな?」趙白石は目の前で不敵な笑みを浮かべる星移を無視し、馬を行かせた。 別院では周瑩が春杏に義母に説教されたとぼやいていた。「お行儀のことですか?改めたらどうです?」「…難しいのよ」そこへ西院の呉漪(ゴイ)がやって来る。すると呉漪は父から預かった銀票を差し出した。周瑩は感謝したが、数日たてばお金が入ると嘘をつき、援助は不要だと伝言を頼む。呉漪は了承すると、母からの盛隆全(セイリュウゼン)の薬材と自分が作った料理を差し入れ、帰って行った。周瑩は盛隆全の薬材を妻が病気だと言っていた老徳に届けることにした。そこで春杏と2人で山にある家を訪ねたが、老徳の姿はない。とりあえず家の中に入ってみると、すでに妻は死んでいた。周瑩はアヘン館で倒れている老徳を見つけた。どうやら前借りした給金を妻の薬ではなく、アヘンに使ったらしい。激高した周瑩は近くにあったほうきで老徳を叩き始めると、騒ぎに気付いた店の者に追い出されてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)周瑩www一瞬、にゃんの涙を靴下で拭こうとしてたよねwww
2020.02.14
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那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第25話「罪の告白」三原(サンゲン)質店が火事になり、周瑩(シュウエイ)もすぐ駆けつけた。先に到着していた二叔・呉蔚武(ゴイブ)の話では火を消すのがすでに難しいという。しかし幸いにも孫永泉(ソンエイセン)以外は全員無事だった。呉蔚武は孫番頭がまだ中かもしれないと心配したが、周瑩は鼻で笑う。「半時前に質店を離れています、今は涇陽(ケイヨウ)の城外へ…」孫番頭を見張らせていた周瑩はすでに逃げたと報告を受けていた。呉蔚武はようやく孫番頭が火をつけて証拠を消したのだと気づく。すると周瑩は、孫番頭の足取りならつかんでいるので心配いらないと言った。「ところで二叔、南院に孫番頭と近しい女子はいますか?」「やつなら柳氏の従兄だ、あんな大きな店を赤の他人に任せるものか」そこへ遅れて三叔・呉蔚双(ゴイソウ)が泣き叫びながらやって来た。「大切な財産ががが~!私の質店ががが~!」周瑩は孫永泉を泳がせた。そうとは知らず孫永泉は富平(フヘイ)まで逃げ延び、寂れた酒楼に部屋を取る。ところが突然、三寿幇(サンジュホウ)と名乗る覆面の賊が現れ、孫永泉をさらって行った。山道で放り出された孫永泉はわけが分からず、何かの間違いだと訴えた。しかし2人の賊は自分たちの標的は孫永泉だと教え、柳氏にその首を届けねばならないという。そこへ趙鴻伍(チョウコウゴ)が偶然を装って通りかかった。「みんな!早く来い!盗賊がいるぞーっ!」驚いた賊が慌てて逃げ出し、孫永泉は九死に一生を得る。すると孫永泉は学徒房の学生だった趙鴻伍の顔を知らず、あっさり東院の新入りを信用した。「そう言えば仲間は?」「仲間なんていません、追い払うための芝居ですよ」趙鴻伍は急いで涇陽へ戻ろうと言ったが、孫永泉は宿に大事な荷物があると拒んだ。周瑩は周老四(シュウロウシ)と江福祺(コウフクキ)に孫番頭を襲わせ、趙鴻伍を孫永泉の恩人に仕立てた。宿へ戻った孫永泉は荷物が無事だと分かって安堵したが、賊の言葉をどうしても信じられない。…俺たちを雇った者の姓は柳だ…「絶対に違う」どうやら孫番頭はまだ柳婉児(リュウエンジ)を信じているようだった。すると趙鴻伍がとりあえず落ち着くよう老板に酒とつまみを頼む。しかし店の酒があまりにまずかったため、孫永泉は柳婉児が持たせてくれた西鳳(シーフォン)酒を飲むことにした。2人は乾杯したが、その時、孫永泉が思わぬことに気づく。「待て!」孫永泉はちょうど口をつけようとしていた趙鴻伍を止めて茶碗を取り上げた。孫永泉は人差し指に銀の指輪をはめていた。しかし酒を飲もうとした時、酒で濡れた指輪の色が変わっていることに気づく。そこで指輪を外して茶碗の酒に入れてみると、驚いたことに指輪が真っ黒になった。「まさか…こんなことをするはずない!絶対に違うっ!」三原質店がようやく鎮火、呉蔚双は片付けを済ませてやっと南院へ帰って来た。一睡もしていない夫を気遣う柳婉児、しかし店が全焼したと聞いて胸をなでおろす。すると呉蔚双は柳婉児の従兄が姿を消したと話した。思えば孫永泉には不審な点が多い。周瑩に質店を奪われかけた時には周瑩を王世均(オウセイキン)の悪事の共犯に仕立て、今回も二兄が帳簿を調べようとした時に何かと理由をつけて拒んだという。これまで妻の従兄を信用し、帳簿も調べたことがなかった呉蔚双、しかしさすがに店に火を放ったのは帳簿をごまかしていたからだと気付く。そこで柳婉児はあたかも被害者のように、従兄が悪人だと知っていたら仕事を紹介しなかったと後悔した。呉蔚双は柳婉児に罪はないとなだめ、役所には届けたが捕まるかは運次第だとぼやく。それより濡れ衣を着せてしまった周瑩には申し訳ない気持ちでいっぱいだった。呉蔚双は数日後が自分の誕生日だと思い出し、祝宴に鄭(テイ)氏や周瑩、兄弟一家を招き、東院に謝罪したいという。趙鴻伍は孫永泉を連れて涇陽へ帰っていた。そこで孫番頭を自分の家にかくまって東院に戻り、周瑩に未だ何も話してくれないと報告する。「ただある人に会いたいと言っていました」「柳氏?」「はい、柳氏のお付きの林(リン)媽が時々、市(イチ)へ買い物に行くので伝言を頼めばいいと」話を聞いていた周老四は孫番頭と柳氏の密会現場を取り押さえようと提案、目には目をだと言った。しかし周瑩はもう少し考えたいという。周瑩が義母へ挨拶に向かうと、偶然、柳婉児と呉遇(ゴグウ)が夫人房から出て来た。実は明後日が呉蔚双の48歳の誕生日、悪いことが重なったので一族を招いて盛大に祝い、厄払いしたいという。鄭氏は気が進まなかったが、なぜか周瑩は義母と必ず参加すると約束して2人を見送った。「あなただけ行けば?」「にゃん、一緒に行きましょう、東院の者を全員、連れて行きます」「どうして?」「どうもこうも、財産を奪われた分、飲み食いしてやるんです」すると鄭氏は呆れながらも失笑した。趙鴻伍は孫永泉に林媽と会えなかったと嘘をついた。3日以内に落ち合う約束だった孫永泉は入れ違いになったと焦ったが、趙鴻伍は柳氏なら涇陽にいると教える。実は今日、東院に柳婉児が来て、夫の誕生日に宴を開くと話していたという。しかしこの期に及んでも孫永泉は柳婉児にやむを得ぬ事情があると言い張った。「逃げようとして呉蔚双に見つかったに違いない! 監禁され、私の行方を白状させられたから呉蔚双が刺客を放ったんだ! これだとつじつまが合う!」←やけにポジティブw「(イヤイヤイヤ…)でも酒に毒が」「あの酒は林媽がくれた酒だ!林媽も買収されたんだ!そうだ! 婉児は裏切ってない!私を殺そうとしているのは呉蔚双だ!」←もう手に負えないwさすがに趙鴻伍も頭を抱えた。すると孫永泉が柳婉児を救出したいと懇願し、力を貸して欲しいという。呉蔚双の誕生日の宴の日、趙鴻伍は一足先に東院からの贈り物を届けに南院へ来た。使用人になりすまして同行した孫永泉はそこで柳婉児が張り切って宴を仕切る様子を見かける。そこへちょうど呉蔚双が現れた。仲睦まじい夫婦の様子を目の当たりにした孫永泉は呆然、あまりの衝撃にその場を動けなくなる。驚いた趙鴻伍は急いで孫永泉を連れ帰ると、周瑩を案内した。「私を呼んだ?どんな用かしら?」「誰が呉聘(ゴヘイ)を殺したか知っているか?」孫永泉は役所へ出頭し、趙白石(チョウハクセキ)に真実を話した。「質店の不正が暴かれそうになり、柳婉児が呉聘を毒殺しました 周瑩に密通の罪を着せたのも、質店を奪われそうになったからです」宝来(ホウライ)は叔母の柳婉児から毒を渡され、それをお茶に入れていた。呉家南院の宴に突然、趙白石が官兵を引き連れ乗り込んできた。「柳婉児、東院の財産を盗み、甥を毒殺したそうだな?法に従いお前を裁きにかける、捕縛せよ!」すると呉蔚双と呉遇が激高し、柳婉児の前に立ちはだかって官兵を近寄らせない。しかしお役人に反抗するなどもってのほか、呉蔚武は興奮する弟を叱りつけ、趙白石に証拠はあるのか尋ねた。そこへ孫永泉が現れる。孫永泉は銀子を盗んで質店に火をつけたと認め、ずっと柳婉児に操られていたと白状した。従兄が死んだと思っていた柳婉児は呆然、でっち上げだと訴える。「呉聘の茶に毒を入れたのも私のでっち上げだと?」孫番頭の思いがけない暴露にその場は騒然となった。その時、激情に駆られた鄭(テイ)氏が柳婉児のもとへ駆けつけ、呉聘を殺したのかと詰め寄る。「あなたが毒を盛り、呉聘を殺したの?なぜそんなことを…なぜよ…なぜなのーーっ!!!」「帳簿を調べていたからだ」「それしきのことで…」孫永泉は呉聘が三原質店の帳簿を調べていたせいだと教えた。周瑩と王世均を陥れたのも質店の不正を隠すため、しかし二爺を殺す妙計は浮かばず、質店を燃やせと命じられたという。全てをバラされた柳婉児は居直り、ついに本性を現した。「なぜ気が変わったの?あ?…言ったわよね、″お前だけだ″って… 私なしでは生きられないんじゃなかったの?!こんなことをして…一体、何の得があるの?!」「私の身にもなれ!長年、君のために売上金を着服し、言われるがまま悪事に加担した だが君は?私に毒入りの酒を贈り、刺客まで送り込んだ」「何の話だ?」( ๑≧ꇴ≦)三爺www呉蔚双は妻と孫番頭の話がさっぱり分からない。すると孫永泉は涙ながらに思いの丈をぶちまけた。「婉児は本来、私の女だ!将来を誓い合っていたのに、あんたが金で横取りしたんだ! いつか2人で逃げようと約束してたんだよ!だから今まで必死で婉児をかばい、従って来た」呉蔚双は全てを知った。咄嗟に柳婉児は夫にすがりつき、後悔していると泣き叫ぶ。しかし輿入れした時から今まで騙されていたと知った呉蔚双は面目丸潰れ、もはや妻を信じられるはずもない。「この嘘つきめ…それなのに私はお前をかばい、役人にまで楯突いたっ!」すると呉蔚双は自暴自棄になり、机にあった果物用の小刀をつかんだかと思うと、いきなり柳婉児の胸を刺した。驚いた趙白石は刃物を捨てるよう命じたが、呉蔚双は天に向かって自分の目が節穴だったと大兄に詫び、自ら首を切ってしまう。その頃、周瑩は宴には姿を見せず、たった1人、呉聘の墓にいた。胡咏梅(コエイバイ)は呉聘を殺した下手人が宝来だったと聞いた。「悪運の強い女ね…」侍女・月如(ゲツジョ)には主人の言っている意味が分からなかったが…。一方、沈家薬行に突然、刑部侍郎・謝徳固(シャトクコ)が趙白石と官兵を引き連れてやって来た。実は沈氏薬材店が軍需品の膏薬(コウヤク)を偽造していると密奏があり、直ちに調査するよう勅命が下ったという。ちょうど出荷する膏薬を荷車に積んだところだった沈四海(シンシカイ)は動揺を隠せず、何とか検査を引き延ばそうとしたが、積荷は解かれてしまう。すると危ないところで杜明礼(トメイレイ)が駆けつけた。杜明礼は自分が貝勒(ベイレ)から監督を命じられ、全て検査したと訴える。しかし謝徳固は勅命のため自分が調べなくてはならないと譲らなかった。つづく(^ꇴ^)孫番頭の思い込みが凄すぎるwwwいや、きっと管理人が疑り深いだけ___
2020.02.13
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