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2024.03.03
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カテゴリ: 安楽伝 全39話



第10話

酒を飲んで再び失態を犯した韓燁(ハンイェ)。
翌朝、慌てて任安楽(レンアンルー)に謝りに行ったが、ちょうど顔を洗っていた安楽は見えないふりをして韓燁の手を握った。
驚いた韓燁は慌てて退散、ばつが悪そうにあずま屋で待っていると、安楽がやって来る。
「任安楽、私は酒に弱い、昨夜、非礼があったなら許して欲しい」
「もっと大胆に迫ってくれたら太子妃になれたのに~」
相変わらず茶化すのが上手い安楽、すると韓燁は天下の隆盛のため安楽の力が必要だと訴えた。
「昔、太祖と帝盛天(ディセイテン)が力を合わせたように…」

韓燁の思いがけない言葉に安楽は複雑な表情を浮かべたが、すぐ笑顔に戻った。



一方、苑琴(エンキン)と苑書(エンショ)は引き続き靖安(セイアン)侯の銀貨の持ち主を捜していた。
米店の店主の記憶を元に鍾(ショウ)という男の姿絵を手に入れたが、小さな町だというのになかなか見つからない。
すると苑書が絵姿に似た男がふいに店から出て来るのを見た。
慌てて追いかけようとしたが、突然、温朔(ウェンショウ)が現れ、視界を遮られた間に見失ってしまう。
「あ、その似顔絵は…まさか意中の人なのか?」
「苑書の哥哥なの」
苑琴は咄嗟に苑書が江南で生き別れになった兄を探しているとごまかした。

安楽は韓燁の部屋で横領の証拠となる鍾礼文(ショウレイブン)の裏帳簿とこつ然と消えた500人の工人の行方について話し合った。
韓燁の調べたところ、実は沐天(モクテン)府が鉱山の工人500人をわずか3日で集めたという。
その時、窓紗に聞き耳を立てる怪しい人影が映った。

「安楽、私はこれから鍾礼文を訪ねる、君は…」
( ・ノェ・)コショッ<殿下、芝居が上手くなったわね
安楽に褒められた韓燁は不敵な笑みを浮かべながら偽の文をしたため、侍衛・簡宋(カンソウ)を呼んだ。
「よいか、必ず2日以内に刑部の洛銘西(ルォミンシー)へ届けよ」
しかしその手紙は鍾礼文に届く。

驚いた鍾礼文は裏帳簿の確認に行こうとしたが、突然、皇太子が現れた。

その夜、鉱山のある趙家荘(チョウカソウ)に山賊が乗り込んだ。
しかし待機していた衛兵が山賊を包囲、苑書と苑琴が現れる。
実は韓燁と安楽は鍾礼文が焦って工人たちを始末すると踏み、すでに兵士を忍ばせていた。
驚いた山賊は降参し、覆面を外して沐天府の役人だと釈明する。
「信じてくれ、趙家荘が襲われると知らせがあり、様子を見に来ただけなんだ!」
一方、韓燁は堤防建設の不備を追及しながら時間を稼いでいた。
そこへ苑書が駆けつける。
「太子殿下、趙家荘で山賊を捕らえました、任大人(ダーレン)が処遇を殿下に尋ねるようにと」
鍾礼文は保身のため配下を切り捨て、山賊を死罪にすべきと進言した。

韓燁は山賊に罰を下すため、早速、趙家荘に出かけて行った。
鍾礼文はその隙に裏帳簿の無事を確認に向かったが、隠し金庫から出したところで皇太子と任大人が兵を率いて乗り込んで来る。
…しまった!罠だったか…
しかし鍾礼文は万が一に備え、自分の妻妾(サイショウ)たちが帳簿を記したように装っていた。
「妻妾たちの帳簿にご興味が?お疑いならどうぞご覧ください」
そこで韓燁は人並外れた記憶力を持つ温朔に帳簿を確認させた。
温朔は筆跡が被災民救済の文書にある鍾礼文と同じだと指摘、しかも帳簿にある12人の妻妾の名は12人の役人の署名の筆跡と合致しているという。
「温朔は一度見たら忘れないって言ったでしょう?望江楼での茶番で墓穴を掘ったわね?」
鍾礼文は安楽にまんまとはめられたと気づいたが手遅れ、この裏帳簿が堤防建設費を懐に入れた証拠となり、その場で取り押さえられた。

安楽と韓燁は気分転換に河原に出かけた。
すると水害の犠牲者を悼む灯籠が川上から次々と流れて来る。
安楽はふいに義民の血書を思い出し、胸が張り裂けそうな思いだと吐露した。
「太子殿下、いつになれば清らかな大河の水を得られるのかしら?
 中には雪辱を果たせず、忘れられる人もいる」
安楽は帝家の無念を思うとやるせない。
しかし韓燁にも″いつ″とは答えられなかった。
「だが安楽、君のような人がいる限り、必ず靖(セイ)国に晴明なる世が訪れるだろう
 君は独りではない、どんな時も私が君と共にいる」
韓燁の誠実なまなざしは帝梓元(ディヅユアン)の心をゆさぶったが、安楽はすぐいつもの調子に戻った。
「それより共に寝てくれればいいのに…」



安楽と韓燁は町へ戻った。
韓燁は安楽が初めから温朔を利用するため、江南行きに同行できるよう策を講じたと気づく。
「ふふ、殿下の指導の賜物ね~」
すると韓燁は誰かをそばに置くのは安楽が唯一の例外だと言った。
しかし安楽は偶然さえ必然に変えるとはさすがだと笑って行ってしまう。

安楽は審理に同行しなかった。
沐天府衙(ガ)で支度をしていた韓燁はうっかり安楽の名を呼びそうになり、温朔から安楽がいないと調子が狂うようだと揶揄されてしまう。
一方、都では忠義(チュウギ)侯・古雲年(コウンネン)が音沙汰のない鍾礼文を案じていた。
夫人は弟に捜査が及べば自分たちも火の粉をかぶると不安を募らせたが、夫から弟が今度もしくじれば2度と生きて会うことはないと釘を刺されてしまう。

苑書と苑琴は帝家軍の名簿を探すため、鍾礼文の書庫を調べることにした。
しかし思いがけず温朔とかちあってしまう。
実は温朔も鍾礼文が貴重な書物を隠し持っていると考え、探しに来たという。
そこで苑琴は外で一緒に書物を見ようと誘い出し、その間に苑書は大きな花瓶の中に隠された巻物を発見した。

安楽は望江楼で独り物思いにふけっていた。
そこへ審理が終わった韓燁がやって来る。
鍾礼文は食料や救済銀の着服により死罪、12人の役人は免官され、改めて審理を行うという。
また地元の名士は財産を没収され、救済に充てることになった。
「本当なら朝廷の救済銀は必要なかった…太子殿下が思った通りの結末ね」
「安楽、″私″ではない、″私たち″だ」
「はっ!そうだ、こんなに貢献したのだから位階を3つ上げて欲しいわ
 美人から数えて~はっ!良媛(リョウエン)?!太子妃までもうひと息ね!」
「本気なのか?」
「ふふ、でもその前にまだ片付けるべき間者が残っているわね」

3日後、韓燁と安楽は江南を発つことになった。
すると民がひざまずいて皇太子の帰京を見送ってくれる。
「民に愛される皇太子がいることは韓家と靖国にとって幸せね
 帝家は停戦のため韓家と天下を二分した
 でも帝盛天がこの光景を見たら、決断を誇りに思うわ」
「太祖と帝盛天のような2人がいなくても、我らには太平の世が訪れるだろう」




韓燁は途中で一行と別れ、安楽と2人だけで蒼(ソウ)山へ向かった。
…韓燁、まさか私が再びこの場所へ来ることになるなんて…
蒼山は太祖・韓子安(ハンシアン)が眠っている山だった。

つづく


( ๑≧ꇴ≦)江南が片付いた!
でも字幕で見てもイマイチ分からなかったわ〜





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最終更新日  2024.04.24 21:52:39
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