2025年10月11日
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Photo: ©Shevaibra, courtesy of the artist

昭和音楽大学 大学オペラ公演2025《ラ・ボエーム》DAY1
プッチーニ作曲全4幕イタリア語上演 日本語字幕付

2025年10月11日(土)14:00開演
昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ 

指揮ニコラ・パスコフスキ
演出マルコ・ガンディーニ

10/11(土)
ミミ 中村芽吹 

ロドルフォ 原優一 
マルチェッロ 市川宥一郎 
ショナール 友杉誠志 
コッリーネ 平賀僚太 
ベノア 馬場大輝
アルチンドロ 田中響
パルピニョール 横山和紀
軍曹 渡邊 朋哉
税関吏 田村 智仁郎

合 唱 :昭和音楽大学合唱団
児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ


美 術 :イタロ・グラッシ
衣 裳 :アンナ・ビアジョッティ
照 明 :西田俊郎
演出補 :堀岡佐知子
舞台監督:斉藤美穂



新百合ヶ丘のボエーム めっちゃ泣けた!
正直今さらボエームで泣けるとは!
すばらしい公演でした。

大学主催のオペラ ながらキャストが皆プロの旬な若手ばかりで豪華!

お疲れ様でした。

演出も音楽も歌い手も、三拍子揃って良かったです。

今回はサッカー日本代表センターフォワードの上田綺世さんになんとなく似ている原優一さんがロドルフォ!ご本人様に伺いましたがロドルフォ初役だそうです。おめでとうございます♪リリックな美しい声で大熱演。慟哭の演技、見事でした。最終幕、ずっと号泣していたのでビックリでしたが、さすがプロ、演技でも涙が出るそうです。本当に泣くと歌えなくなるので、だそうです。さすがです。

そしてマルチェッロの市川さんがすばらしい声と演技力で舞台を牽引しました。
すばらしい重みのあるカヴァリエバリトンです。

ビックリしたのはショナールの友杉さん。低音域が重く響くプロフォンドのバスバリトン?で立派な声に驚きでした。

ミミの中村さんがすばらしいリリコ/リリコスピントソプラノで圧巻の歌声でした。

ムゼッタの中井さんが美しく華のある存在感でオーラが出まくってました。リリックコロラトゥーラソプラノの美声を披露しました。

コッリーネ平賀さんはリリックバスの美しい声で外套のアリアを歌い上げました。

アルチンドロ田中さんがイケメンで目立ってました。演技もすばらしかったです。

若い方々が一丸となって描き出す青春群像が腑に落ちました。

演出のガンディーニはボエームの設定をそのまま近現代に移しました。第二次世界大戦後のベルリンかな?とちょっと思いました。

近現代に移すと本当におとぎ話が過酷な現実として迫ってくるのを感じました。

貧しくも楽しく暮らしていたボエミアンたちが最終幕では極貧状態で家財もなく食べるものにも事欠く極限状態で暮らしているのが恐ろしかったです。ミミはもしかしたら結核ではなくHIVで死んだのかもと思いました。

いつもそうですが、ガンディーニの演出は本当にすばらしい!

***
La Bohème Composer : Giacomo Puccini
FACH

Mimi : soprano Fach : lyric soprano
 Arias :
  Mi chiamano Mimi,
  Donde lieta usci

Rodolfo : tenor Fach : lyric tenor/Spinto Tenor
  Arias : Che gelida manina

Marcello : baritone
 Fach : lyric baritone/ Kavalierbariton / baritono cantabile / cavalier baritone

Musetta : soprano
 Fach : lyric soprano / Soubrette / Deutsche Soubrette / Charaktersopran
  Arias : Quando m'en vo'

Colline : bass Fach : lyric bass
  Arias : Vecchia zimarra

Schaunard : baritone Fach : lyric baritone

Parpignol : tenor Fach : buffo tenor
Benoît bass Fach : buffo bass
Alcindoro : bass Fach : buffo bass

***
第1幕

雑然とした室内にはデスクと椅子が必要以上あり、パイプ椅子も多いので何かの使わなくなった事務所をそのまま利用しているのかというイメージ
この風景が第4幕でまったく変わってしまうので愕然とするのだが…

壁は数々の無機質な衝立を並べたもので、いわゆる普通の家の壁や窓はまったくなく、いささかがっかりするが実はこの衝立はプロジェクションマッピングの投影場所になるパネルだったのだ!
今はまだわからない。

雑然としたデスクで文章を書くロドルフォ、まだ椅子はある

絵画を描いているマルチェッロにも

ストーブに火をくべるために椅子を壊そうとするがその椅子はパイプ椅子で「おいおい、それ燃えないから」と思う。ってことは時代読替か、と思う。
ストーブは石油ストーブなのか?
時代が原設定とは違い20世紀の中盤ぐらいだ。

ショナールが騒がしく帰ってくるが彼は音楽家だが、フェンダーストラトキャスターを持って帰ってくる。つまりロックバンドのギタリストなのだ。そりゃオウムも死ぬだろう(笑)

ベノア

出かけるボエミアン達。残るロドルフォのいるテーブルにはろうそくが二本灯っている。この時代設定で蠟燭って電気代が払えないってことなのか?

ミミが来る 火をもらいにくる

ミミは自分のアリアを歌う時、隣のビルの自分の部屋の方を見ている
光が射しこんでいる

ミミが部屋に現れるとプロジェクションマッピングが発動する。なんと壁全体に赤い花が浮きだし華麗に彩る。ミミはロドルフォの「花」なのだ。
これも第4幕で激変するので大注目だ。

ロドルフォはキスしようとするがミミはついと下がる
「御一緒したいわ」

じゃ帰ってから?

どうしようかしら?

「知りたがりね」…ではなかった、超訳は。
ミミの答えに俄然外でデートしたくなるロドルフォ

ロドルフォは自分のマフラーを取りに行って出かける

第2幕

カフェモミュスも演出が凝っていて
食堂のようにテーブルクロスをかけたテーブルが整然と並んでいる
マルチェッロはカフェの女給を口説くのに余念がない

字幕は堀岡佐知子さんという演出補・演技指導の方が担当しているがこれが超訳。近現代に読み替えられた演出に沿って変えているのだ。これも面白くてくすっと笑ってしまうのだが、これは私はあまりよくないと思う。鑑賞者のために超訳してあげる必要はないのだ。音楽と同じでリブレットも変えてはいけないものだ。これは強く言いたい。観客に元の時代のリブレットで違和感を与えることこそ時代を読み替えたことの意味が出てくる。それをしたいなら「レント」ですればいいじゃないか。音楽と同じでリブレットにもレスペクトを。

ロドルフォとミミが訪れる店は「レディースショップ」と表現されていた。
会って間もないのに市場の雑踏ではなくちゃんとした服飾雑貨店で男に帽子を買わせるミミはやっぱり身持ちの緩い女なのだなと思わせる。ロドルフォはやっぱりカモにされているのかというイメージを鑑賞者に植え付ける

仲間たちは内心それを心配している。女の登場で男たちは散り散りバラバラになる。結果論だが。
そういうものだよね。彼女ができると男は遊び仲間の友だちと距離を置くようになる。

パルピニョールと子どもたち、その母親たち

ミミの紹介が済むと
ムゼッタがアルチンドロを従えてやってくる

ムゼッタはショーパブで歌う踊り子だ。
店に出る前にモミュスで食事する
パトロンに散々買い物させたのに
元カレのマルチェッロがいるのでいらいらする

皿を割る

華やかな美人のムゼッタはマルチェッロの前では本性が出て、嫌がらせすることに躍起になっている

マルチェッロも同様だ。
女の子を侍らせてふんぞりかえっている
俺はお前に捨てられたってこれっぽっちも傷ついていないし不自由もしてないぜ!

テーブルの配置が女給たちによっていっせいに変えられるので
別の店の二次会かなという雰囲気

ムゼッタがショーパブで踊り歌う
これはまさにあのクリスティーナ・アギレラの映画「バーレスク」の雰囲気
ギャルソンを従えて歌い踊るムゼッタ、めっちゃ色っぽい
むろんマルチェッロは最前列のテーブルにかぶりついてガン見

ムゼッタは足が痛いと言い出して
ラメのハイヒールを片足だけ脱ぐ

ムゼッタは片足だけヒールをはいている

ふつうのボエームで男たちが最後ムゼッタを肩車するのはムゼッタが靴を履いていないからなのだ 

勘定書きに驚くアルチンドロと
キスするロドルフォとミミ
印象的に2幕が終わる

第3幕
アンフェール門 アンファー
薄い幕に降りしきる雪が投影されている

ここでベルリンかもと思ったのは
関所が街の分断を象徴していたからだ
壁が並び
壁の手前で帰れずに酔っぱらって寝込む浮浪者
関所を管理する軍人はポーカーにうつつを抜かしており
開けろと言う声も再三無視する

かみて側の壁にはイラストが描かれている
ベルリンの壁に描かれたイラスト?

ミミとマルチェッロ

ロドルフォ

ミミとロドルフォ

ムゼッタ

四重唱

ムゼッタはマルチェッロに悪態をつかれて普通は泣き顔になって走っていくのだが、今回の演出では「ババア!」と言われてもおもしろそうににやっと笑って逃げていく。これもゲームなのだ。ムゼッタにとってマルチェッロはおもちゃで恋のゲームの相手なのだ。

第4幕
もとの部屋、のはずが
まったく家財道具がない。
ベッドもない
あるのはロドルフォが寝転んでいるマットレス
マルチェッロが絵を描くために使う移動用の台車だけ。

がらんとした室内に恐怖を感じる

それでもお互いをからかいあう二人

踊る4人
ロドルフォがミミと別れ、マルチェッロがムゼッタとまた別れてから4人はまた集まるようになった。

美しいパンツスーツ姿のムゼッタ。明らかに一人だけ金回りがいい。70年代かな。

ミミが!

ミミは黒いブランドもの?の高価そうなハンドバックを持っている

ミミをマットレスの上に寝かせる。枕は革のスーツケースだ

ミミが現れるとやはり壁が美しい花に彩られる。しかし…

ミミの周りに皆集まる

マルチェッロ、ムゼッタは善い人よ

わかってるさ

死んでいく人の言葉は重い
ムゼッタは死に行く彼女のために最後に何かしなくてはとマフを取りに行くことにする

コッリーネの外套の歌
アディオ二回目は伸ばさず止める
マエストロの指示でしょうか?さすが

コッリーネが外套を売りに行く

ショナールも出ていく

ロドルフォは出口の壁に寄りかかって号泣する

ミミが起き上がる

目が合うがここで抱き合ったりしない(ふつうはそういう演出が多い)
ロドルフォはあきらめたように両腕を広げる
僕にはどうしようもない

ミミは死ぬためにここに来た
ロドルフォはそれがわかっていた
だから涙が止まらない

ミミがロドルフォに手を伸ばし
ようやくロドルフォはその手を取る

しかしすぐにミミは具合が悪くなる
ショナールが驚き駆け込んでくる

マルチェッロとムゼッタは薬とマフを持って帰ってくる

マフを手にはめる

これはあなた(ロドルフォ)が?

ムゼッタは傍らのロドルフォをひっぱる
そうよ!とムゼッタが応える

ロドルフォはまた泣き始める

どうして泣くの

手が温かい 眠るわ

ミミに死が訪れる

ショナールは落ちていたミミのボンネットを持ってミミのマフの上に置くがだらんと垂れた手をもとに戻そうとすると冷たい。
ショナールはミミの死にいち早く気づき、マルチェッロに知らせる

コッリーネが帰ってくる
コッリーネはムゼッタに金を渡す
お祈りするムゼッタ

どうだ?
落ち着いてるよ

ミミが死んだと聞かされ思わず叫び声を上げてしまうムゼッタ

何してるの?
どうしてそんなに僕を見てるんだ

コラッジョ(しっかりするんだ!)

ロドルフォはミミが死んでいるのに気づき驚き、座ったままいざりながら後ろに下がる
この演技凄かった!

ミミ!

そして近寄って手を取り
ミミ!

マルチェッロとムゼッタは抱き合っている
微動だにしない他の2人

明かりが消える

全幕了





詳細続く。





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最終更新日  2025年10月12日 11時12分59秒


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