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ここ数ヶ月関わってきた懸案事項がようやく片付いたので、週末(我が家にしては)少し贅沢な銘柄を開けることにしました。赤系トーンの果実、紅茶、枯葉、スパイス、うっすらとスーボワ。それにやや茎っぽいニュアンスがあります。若いころに飲んだら青っぽく感じたであろう香りですが、今はある程度年数が経過して複雑さを醸し出しています。飲んでみるとこの作り手らしい柔らかなテクスチャーは健在で、果実味はよく熟していて、旨み感も十分です。力強さや大きさというベクトルではありませんが、タンニンもよく溶け込んでおり、ナチュラルでバランスのよい酒躯は魅力的です。飲み進むうちに、お花畑的な香りが全開になり、味わいにも旨みと甘みがさらに増してイイ感じになってきました。香りに感じられた茎っぽさは味わいではフィニッシュにかけてのエグ味となって顔を出しますが、こちらも味わいをスポイルするものではありません。ただ、この作り手全般に思うことですが、リリース後7年の1級にしてこのこなれ具合というのは、やはり熟成は早めなのかなと感じます。長く寝かせるよりは、若いうちに飲んだほうが吉の作り手なんですかね。★★★★★楽天でラルロを検索★
2015年06月29日
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#2010年の記事です。ちなみに最近私が贔屓にしているのはソーヴィニヨンブランです。赤ワインと白ワインでは、圧倒的に赤を飲む機会の多いのですが、さすがにこの季節になると白ワインが恋しくなります。私の場合、赤については、嗜好が大きくピノノワールに偏るのに対して、白ワインについては、あまり一貫性がありません。その都度、なんとなく「マイブーム」のようなものがあって、アルザスに走ることもあれば、マコンあたりのシャルドネを好んで飲んでいた時期もありました。ロワールのソーヴィニヨンブランやドイツ、はたまた日本の甲州などもよく飲みました。今年の夏は、意識してアリゴテをいろいろ飲んでみようと思っています。アリゴテはブルゴーニュ地方原産の白ワイン用品種で、東欧でも広く栽培されています。食前酒として有名な「キール」は、 クレーム・ ド・カシスをアリゴテで割って作られるものですし、ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート呼称資格認定試験の受験者は、テイスティングの際に間違いやすい品種として、愛好家のワイン会などではブラインドテイスティングの「引っかけ問題」としてよく出くわす品種でもあります。そういえば、少し前のワイン会でも、開始早々、麦藁色がかった豊かな芳香のグラスが出されて、「97ニーヨン」と答えたら、なんと正解は97年のドーヴネのアリゴテだった、なんていうことがありました。もっとも、ドーヴネのような事例は値段も含めて例外とみるべきで、ブルゴーニュにおいて、一般的にアリゴテは、シャルドネの劣性品種とみなされています。私自身もあまり品質のよくないアリゴテを数多く飲んできたせいか、果実味の薄いシャバシャバしたボディや、刺すような強い酸味、はたまた扱いの悪さにもよるのか、独特のヒネ香や苦みなどが感じられることがあって、お世辞にも好みの品種とはいえませんでした。しかし、周囲のワイン仲間の中には、アリゴテを好んで飲んでいる方が少なくありません。それも経験豊富な猛者の方にアリゴテ愛好家が多い気がします。では、アリゴテの魅力とはどんなところでしょうか。ツイッターで質問してみたところ、いくつか面白い回答をいただきました。*爽やかで夏向き。この品種の特徴である青リンゴやレモン、柑橘系の果実味やシャープな酸はこれからの季節にふさわしいものでしょう。*ブルゴーニュの著名な作り手が作っている。ルロワ、ドーヴネ、ルジェ、APヴィレーヌ、ジャイエ・ジル、レシュノー、ミクルスキなどなど、挙げればキリがないほど、多くのの著名な作り手がリリースしていることも愛好家には興味が尽きないところです。*生産地域、土壌、生産者によって個性が異なる。*基本的な品種として個性や作りに大きなブレがない。一見、矛盾する意見のようですが、たしかにアリゴテの場合は、生産者の技量や嗜好が大きく物をいうシャルドネに比べて、シャープな酸や爽やかな果実味といった品種の個性を生かすベクトルに大きなブレがない気がします。その範疇で、それぞれの作り手や地域の個性が表現されるということなのでしょう。*料理との相性の無難さ。キレのよいスッキリした味わいは、晩酌に幅広く合わせられそうです。たとえば、サラダのドレッシングのような酸味の利いたものにもあわせやすいでしょう。*価格が安い。デイリー用途にはなんといってもこれが重要ですね。一般に同じ生産者でみると、ブルゴーニュ・ブランよりさらに安い価格設定になっていることが多いようですが、それでいて、シャルドネのヒエラルキーでは語れない面白さがあります。ただし、値段が安いということは、流通時に粗雑に扱われるリスクと表裏の関係にあることは肝に銘じておいたほうがよいでしょう。そんなこんなで、すでに6銘柄ほど飲んでみましたが、今までのところでは、エマニュエル・ルジェの07年のアリゴテがフィネスさん扱いのコンディションのよさとあいまって、最も印象的な一本でした。この先さらに印象的な銘柄と出会えるかどうか、秋口になったら、当コラムで改めて取り上げてみたいと思います。★楽天でアリゴテを検索する★
2015年06月24日
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赤と黒の中間果実、フローラル、皮革、毛皮、スパイス。時間とともに鉄さびっぽさも出てきます。口に含むと酸が引っ張るバランスで、ジューシーで旨みの乗った果実味と柔らかな抽出によるなめらかなタンニン。なかなかいいワインですね、これは。早々に買い増そうと思ったのですが、近年のVTはご他聞にもれず、値上がりしてます。安いころに地味目のVTをもっと仕入れておけばよかったと楽天の一覧画面の「売り切れ」表示を眺めて溜息をついております(^^;★★★☆★楽天でアラン・ビュルゲを検索★
2015年06月23日
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以前グーグルアカウントが乗っ取られて大騒ぎになったときのことはブログでも報告しましたが、今回は「Pay Pal」のアカウントを使われてしまいました。乗っ取られたグーグルアカウントその後(2012.12.27)http://plaza.rakuten.co.jp/szwine/diary/201212270001/朝メールをチェックすると、以下のような表題のメールが来ていました。service-jp(アットマーク)paypal.com 支払いが送られました 5:45表題だけ見ると、単なるスパムだと思いますよね?タイトルの日本語おかしいし。私もそう思って最初は無視を決め込むつもりでしたが、なんとなく朝の5:45という時間が気になって、上記のアドレスでググッてみたところ、以下のような記事がヒットしました。PayPalが不正利用され勝手に支払いをされた時の経緯と対処法http://travelhack.jp/2013/03/20/paypal/PayPalで不正利用されたけど、すぐに解決してもらった話。http://tetsugrande.net/dairy/paypal不安がよぎりました。そもそもPayPalってなんだっけ?私入会してたっけ?思い返すに、楽天以外のワインショップ~どこだか忘れましたが、自店でカード支払いのシステムを持っていないネットショップ~の決済のために成り行きでアカウントを登録していたようです。メールを開いてみると、以下のような内容が書かれていました。このメール自体がフィッシングという可能性もあるので、とりあえずメールからのリンクはクリックせずに、自分で検索してPayPalのHPにアクセスしました。ログインして使用履歴をチェックしたところ、たしかに、今朝の取引で5万3千円が使われています。ここから先はネット経由では不安だったので、直接コールセンターに電話しました。電話口に出たのが、やや日本語のたどたどしいオペレーターさんで若干心配でしたが、早急に対応していただけました。すぐにクレーム認定してもらい、午前中のうちには返金処理が済みました。やはりパスワードが破られて悪用されていたようです。早々にパスワードを変更したことは言うまでもありません。それにしても、危ないところでした。スパムメールだと思い込んで開封しなければ、このまま知らないうちに5万円引き去られていました(汗)。実は、3年前にグーグルアカウントを乗っ取られた際、ネット上で金銭にまつわるアカウントはすべてパスワードを変えたのですが、このPayPalについては(そもそも自分が入会しているという認識すらなかったので)変えていなかったのでした。これが、今回悪用された大きな原因だったと思います。どうかみなさんもご注意ください。【追記】今回の件に関連して、というかまったく関連はないと思うのですが、万が一にも他の方に迷惑をかけてはいけないということもあり、またセキュリティ関連のリテラシーが決して高いといえない私が無防備に間口を広げすぎたことへの反省もあり、ここ1年ほどはまったく利用せずに放置していたFacebook、ツイッター、mixiの各アカウントをすべて削除(退会)しました。友だち登録していただいていたり、フォロワーになっていただいている方には、何の予告もなく消息不明となって申し訳ありませんが、なにとぞよろしくお願いします。
2015年06月20日
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ヴィレーヌつながりで12年のブーズロンを開けてみました。前にも書いた記憶がありますが、実のところヴィレーヌの白はあまり好みではないのです。そのわりに当ブログに頻出するのは、もっぱらディゴワーヌを入手するための「抱き合わせ」で購入しているからに他なりません。代表銘柄のひとつであるブーズロンにしても、いまいち好みの味筋ではないんですよね。12VTもフレッシュで豊かな果実味とアリゴテにしてはリッチな酒躯、それにシャープな酸とがあって、よく出来ているとは思うのですが、果実のトロピカルさと後味にかけての甘ったるさがどうもなぁと思ってしまいます。土地柄仕方ないのかもしれませんが、冷涼感に欠けるというか・・。まあ個人の趣味の問題なので、あまり参考にしないでください(^^;。★★☆
2015年06月19日
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「捨てる神あれば拾う神あり」ということわざをワインにあてはめるのはやや違和感がありますが、私が昨今のブルゴーニュワインに抱いている感想はまさにそんな感じです。「捨てる神」のほうは、スタードメーヌを中心とした価格の高騰。一方で「拾う神」はといえば、リーズナブルナプライスで充分に美味しいACブルゴーニュなどのワインを見つけられるようになったことです。特級、1級、村名という頑然たる格付けが存在するブルゴーニュワインにおいて、裾モノといわれる広域名AOCワイン(「ブルゴーニュ・グランオルディネール」「ブルゴーニュ・パストゥグラン」などもありますが、ここでは便宜的に「ブルゴーニュ」に話を絞ります)の実力について、以前の私は非常に懐疑的でした。「ACブルゴーニュというのは世界中のワインの中でもっともコストパフォマンスの悪いワインだ」と公言していた時期すらあったぐらいです。背景には私自身の経験がありました。図抜けたテイスティング能力があるわけでも特段の知識があるわけでもない私ですが、縁あってリアルワインガイドという雑誌のレビューとコラムの執筆を細々と続けています。今でこそ雑誌のレビューは編集長による現地試飲が中心になっていますが、黎明期には、すべてのワインを事務所にそろえて、ブラインド・テイスティングを実施していました。そのおかげで、ビンテージでいえば99年から02年ごろまでのブルゴーニュワインについては、それこそ数多くの珠玉のドメーヌのボトルを上位から下位までまとめて試飲することができました。今思い返しても、これらの試飲は私自身にとって得がたい経験でした。さて、順不同でブラインド試飲をしてみると、格付けによるランクがはっきりしているブルゴーニュワインとはいえ、特級より1級の方が高い点がついたりとか、その逆に1級が村名に劣る評価だったりといったことはままありました。しかし、その中で、ACブルゴーニュについてだけは、まず間違う事なく、「ああ、これがそうだね」と参加者の多くが判別できました。色調の薄さは言うに及ばず、「これって赤い水ですか?」と思わず問いたくなるようなエキス分や構成要素の乏しさ。そして多くのボトルに感じられる出がらしのような雑味感。正直なところ、これらのグレードをいくら飲んでも、そこから同じ作り手の特級クラスの偉大な香味を想起するのは難しいと思いましたし、数千円払ってこれらのワインを購入するのであれば、ワインを飲む頻度を減らしてでも村名級以上を購入すべきだと当時は思いました。しかし、今や私のその認識は覆されました。ここ数年、自宅でも好みの作り手のACブルゴーニュを重点的に飲んだりして、以前より品質が向上していることは漠然と感じていましたが、確信したのは、数ヶ月前に行われたリアルワインガイド最新号(46号)の試飲でした。この号の特集でまとまった数のACブルゴーニュを試飲・評価するという企画があったのです。さまざまな作り手のアイテムをまとめて試飲して、あらためて、国内で流通しているこのクラスの品質向上を確信しました。この号で試飲したアイテムは、通常雑誌に登場しない作り手のものや大手のネゴシアンのものがメインでしたが、それでも、たとえばマシャール・ド・グラモン、ミシェル・ギィヤール、ルモワスネ、フェブレなどのACブルゴーニュのコストパフォーマンスのよさには改めて感銘を受けました。徳丸編集長も誌面に書いていますが、ACブルゴーニュの品質が向上した背景には、醸造技術の向上や地球温暖化などとともに、国内で流通するボトルのコンディションの向上が無視できないと思います。同じ安価なボトルでも、比較的熱に強いカベルネやメルロに対して、繊細で酒質の弱いピノノワール、まして構成要素の少ないACブルゴーニュは流通段階の熱などの影響をより受けやすかったのでしょう。その点、先日試飲で飲んだアイテムたちには、かつてのような雑味感や干涸びたような印象はなく、瑞々しい果実味があって、スケールは小さいながらもどれも楽しませてくれる物でした。昨今の価格高騰により、私のような一介のサラリーマンがブルゴーニュの頂点に君臨するような銘柄を楽しむことはもはや困難になってきましたが、代わりに裾野を形成するさまざまな銘柄の本来のポテンシャルを楽しめるようになってきたのは喜ばしいことだと思います。ブルゴーニュに限らず、他の地域や国を含めて、ピノ・ノワールという品種のバラエティや可能性を幅広く追求してみたいと思う今日この頃です。
2015年06月17日
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ミルランダージュの果実のみから作られるという"キュベ・アレクサンドリーヌ"で知られるマルク・ロワ。今回開けたのは珍しい裾モノですが、どうやら2012年が初VTのようです。透明感のある綺麗なルビーの色調。芳香力は弱めですが、低めの温度から始めると赤と黒の中間ぐらいの果実に紅茶、ハーブ、それにスミレなどのフローラルなニュアンスが出てきます。口に含むととてもクリーンな味わいで、テクスチャーがツルリとしており、スケールは小さいながらも繊細なタッチとナチュラルなバランスが秀逸です。なかなかいいワインです。この銘柄自身も十分愉しめる味わいながら、上位銘柄に手を出してみたくなる、そんな呼び水的な効果もありそうです。★★★★★楽天でマルク・ロワを探す★
2015年06月16日
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比較的淡めの色調で、香りも味もオーソドックス。それでいてブル愛好家を満足させる要素が過不足なく揃っていて、過大評価すべきではないけれども、毎年何本か買いたくなる銘柄。私にとってのディゴワーヌはそんなポジショニングです。もっとも最近は5kを超えるようになり、CP的にいかがなものかなというギリギリのところに来ている気もします。そんなディゴワーヌの中で、09年はやや異色の出来だったような気がします。なんといっても濃い。ただこの濃厚さがよい方向に作用しているかと問われると、この銘柄がもっている独特のデリカシーをスポイルしてしまっている感があります。香りは黒っぽい果実主体でアジアンスパイスや若干揮発性塗料っぽいニュアンス。飲んでみると、ナチュラルな酒質はなんとか健在ながら、例年になくインキーで、サラサラしたタンニンも感じられます。早々に飲んだメルキュレの09年がかなり頑強な印象だったので、少し寝かせてみたのですが、期待したほど綺麗に変化してくれてはいませんでした。(当時の)3k台のプライスを思えば十分な内容ですが、作り手とビンテージのシナジーがいまひとつだったというところですかね。★★★☆★楽天でヴィレーヌのワインを探す★
2015年06月14日
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先だっての東急セール時にインポーター特売で売られていたので、シャルドネとこのソーヴィニヨンブランのボトルを衝動買いしました。家で飲むのは2回目です。黄緑がかった中程度のイエローの色合い。香りはライチやメロン、青リンゴ、ハーブ、ミネラルなどのアロマチックなもの。口に含むと、シャープでいてエッジの丸い酸、厚みがありながらも爽やかな果実味と、二律背反する要素が見事に両立していて、すばらしいSBに仕上がっています。この作り手を飲むのは三度目ですが、安定して美味いですね。3k内外のソーヴィニヨンブランとしては世界最高峰のひとつ、と言ったら褒めすぎかもしれませんが、それぐらい気に入ってます。★★★★☆★楽天でセント・クレアを検索★
2015年06月12日
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毎年この時期になると、「ワインエキスパート」の呼称資格認定試験を受けたときのことを思い出します。かれこれ15年以上前のことになりますが、学生の時以来、久しぶりに勉強らしい勉強をしたなあというような数ヶ月間でした。これで終わりかと思っていましたら、2007年には、「シニアワインエキスパート」が新設されまして、なんのかんので、こちらの資格も取得しました。 ところで、「ワインエキスパート」といっても、一般の方への浸透度はあまり高くないと思います。このコラムをお読みの方々はご存じの方も多いかと思いますので、ここでは日本ソムリエ協会の「呼称資格の紹介」のURLを紹介(http://www.sommelier.jp/honbu/article/100374/)するに留めますが、ソムリエ/ワインアドバイザーとの違いは、ざっくりとひとことで言うと、ソムリエが飲食関係、ワインアドバイザーが酒販・流通関連なのに対し、ワインエキスパートはそれら以外という、職種による違いです。しかしながら、「ソムリエ」という名前の響きやブランド力もあってか、実情を知らない多くの人は、ソムリエがワインアドバイザー/ワインエキスパートよりも上位の資格だと思っているようです。ソムリエ協会のホームページには、以下のように明記されているのですけどね。ソムリエ/ワインアドバイザー/ワインエキスパートにランク分けはされておりません。ソムリエ/ワインアドバイザーは職種の違いで、ワインエキスパートはソムリエ/ワインアドバイザーに該当する職に就いていらっしゃらない方の資格で、試験問題もほぼ共通で出題されるため、難易度の差も殆どございません。実務経験年数が規定に達した場合、上位資格であるシニア呼称資格認定試験の受験が可能となります。 直近(平成20年)の合格率はそれぞれソムリエ41.0%、ワインアドバイザー22.1%、ワインエキスパート39.7%となっています。ワインアドバイザーの合格率が低い理由は、酒販会社などで、会社単位で受験を強いられる受験者が多いからだとも言われますが、真相は定かではありません。ちなみに平成20年現在の資格者数は、ソムリエ13409人、ワインアドバイザー10435人、ワインエキスパート6351人で、合計3万人近い有資格者がいることになります。これがシニアになると、ぐっと数は減って、それぞれシニアソムリエ1324人、シニアアドバイザー706人、シニアエキスパート69人となっています。では、シニアの資格がそれほどの難関なのかというと、私自身が一昨年受験した印象では、難易度にそれほど大きな違いがあるわけではなかったように思われます。想像するに、資格を取得した数年後に改めて筆記の勉強をしなおさねばならない負担とか、世間的にはソムリエ/ワインアドバイザーの資格を持っていればそれで充分という認識が受験のモチベーション向上につながらないのかもしれません。 では、実際にワインエキスパートの資格を取得したことよる損得は如何なものでしょうか?履歴書の特技欄に書くことはできるでしょうけれども、そもそも私の場合、履歴書を提出するような機会がありません(笑)。せっかくいただいたブドウのバッジも、取得以来10年、一度も胸につけたことはありません。それでもまあ、間接的な効果まで含めれば、「取得してよかった」といってもよいと思います。というのも、そもそも私のホームページ「S's Wine」をオープンしたのも、エキスパート受験の体験談を公開することが当初の目的だったし、そこから拡大した人的ネットワークは、今の私の大きな財産になっているからです。(逆にいえば、それぐらいしかメリットは思いつきません。)次回は、この資格の割りに合わない点と、私が感じる試験の問題点などを書いてみたいと思います。************* 前回からの続きです。ワインエキスパートの資格を取得して16年、シニアの取得後8年になりますが、これらの資格について、不満な点がないかといえば、あります。ありていに言えば、「割にあわない」資格だとさえ思います。 まず、人と会話をするとき、とにかく疲れてしまうのが、「ワインエキスパートって、ソムリエの下位の資格でしょ?」という、この資格保有者の誰もが、おそらく耳にタコが出来るほど聞かされているであろう質問。これについては、前回も触れましたが、いちいち資格のあらましを説明すること自体、言い訳がましく響くので、最近は「う~ん、まあ‥。」などと、適当にお茶を濁してしまいます。それにしても、世の中、「ソムリエ」という資格が、ものすごく取得するのが難しい、エクスクルーシブな資格だと思っている人があまりに多いのには驚きます。まあ、我々のような一般愛好家は転職しない限り「絶対取得できない」という意味では、たしかにエクスクルーシブなんですが‥。(個人的には、同期でワインエキスパート資格を取得された川島なおみ女史が、2年後に「ソムリエ・ドヌール」に就任されたのは、なんだかなぁという思いでした。) また、最近改正されましたが、以前は、ある資格の保有者が別の呼称資格を受験するときに、1次試験が免除されるという特例がありました。そのため、「ソムリエやワインアドバイザー資格対象の職業に従事しているが、勤務年数が規定に満たない受験者」が、まずワインエキスパートの資格を取得して、勤続年数が要件を満たすようになった時点で、ソムリエやアドバイザーを受けなおすという道筋をつけてしまったように思います。そうなると建前上3つの呼称資格は同格だと言いつづけても、現実にはワインエキスパートは、ソムリエ/ワインアドバイザーの受験資格を満たさないプロの方々が取得する格下の資格という位置づけにいっそう見られがちです。 一方、マニアや愛好家の間ではどうかというと、(少なくとも私の周囲の)愛好家の間では、ワインエキスパートの資格を持っていても、まったくといってよいほど評価や尊敬の対象にはなりません。というのも、ワインエキスパートの学習で得られる知識が、大学でいえば、「広く浅く」的ないわば「教養課程」のものであるのに対して、愛好家の世界というのは、ブルゴーニュやイタリアの愛好家に多く見られるように、対象の範囲を限定して、その部分とことん掘り下げる「専門課程」のようなものだからです。エキスパート受験時に覚えなければならないスイスやギリシアの産地名がブルゴーニュ愛好家の間で話題になることはまずありませんが、彼らにとって重要事項であるブルゴーニュのドメーヌ名やヴィンテージの評価は、認定試験で出題されることはほとんどありません。今までお会いした中で、アルマン・ルソーの名前すら知らないワインエキスパートの資格保有者の方がいたのには、正直驚きました。 ということで、これから受験を考えている一般愛好家の方に「そもそも取得する意味があるのか?」と、正面から問われると、自信をもって「イエス」とはアドバイスしずらいのですが、なんだかんだでワインを系統立てて勉強する良い機会にはなるし、元来が実利目的でなく、「自己満足」的な資格なわけですから、それによって達成感を得られるのならば、取得を目指す意味はあると思います。それと、いろいろと暗記しなければならない項目は多いので、年配の愛好家の方が脳味噌の活性化やボケ予防に取り組むのにはうってつけかと思います。私も定年退職したら、もう一度受けなおそうかと思っています。(冗談です。)
2015年06月11日
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先日飲んだところ、ブショネ&膨大な液漏れで、それはそれは酷い有様だったユドロノエラの10シャボール。2本購入してあったので、こちらのボトルも早々に開けることにしました。状態がよければ最低あと2年ぐらいは待ちたいところですけどね。キャップシールを剥いでみると、案の定こちらも盛大に噴いた跡があります。コルク周りが濡れているので、わりと最近噴いたものだと思われます。とはいえ、さすがに私もブショネを2本続けて引くほど運が悪くはありませんでした。今回のボトルはグラスに注ぐと、硝煙的なニュアンスの奥から赤と黒の中間ぐらいの果実や紅茶、石灰、シナモンなどの心地よい香りが出てきます。味わいについては、やや凝縮感に欠け中間部に虚ろさを感じるものの、前回のボトルのような酸味の突出感やギスギス感はなく、そこそこにバランスがとれています。前回のボトルとは打って変わって、これならもう数年寝かせてもよかったかなと思わせる味わいでしたが、盛大に噴いたことでかなりの酸素を吸い込んでいるであろうことから、寝かせたとしても、このあとの変化は早いかもしれません。そう思って自分を納得させております。★★★☆
2015年06月10日
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通常のブリュット・プルミエと間違えて開けました。これは美味しいなと思ってあらためてラベルを確認したらビンテージものでした。(汗)中程度のクリーンなイエローの色調。泡にあまり勢いはありませんが、キメ細やかです。カリンやゴールデンデリシャス的な果実、金木犀、ブリオッシュ、口に含むとリッチな果実味をしなやかな酸と炭酸が支え、後半の味わいもバランスがよくまとまっています。テクスチャーがとてもなめらかでクリーミー。これはイイですね。雑味感や苦味もなく状態良好です。セールで6K台で購入したボトルですが、常時それに近い値段で買えるのであれば、最近お気に入りのシャルル・エドシックよりもイイかも、なんて思ってしまいました。まあこちらはビンテージなので、比べるのはやや不公平ですが。★★★★
2015年06月09日
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東急百貨店の3割引セールで購入したものです。本当はグリューナー・フェルトリーナーが欲しかったのですが、セール二日目ですでに売り切れていました。定価は5.7Kとなかなか強気のプライス。こういうときでないと食指が動きません。グラスに注ぐと中程度のイエローの色調。まだ閉じ気味なのか、香りは白い花や白桃、柑橘、ミネラルなど控えめなものです。ラベルをあらためて見て驚きました。なんとアルコール度14.5度だそうです。飲んでみてもそこまでのアルコール感は感じないのですが、気づくと酔いが回っている感じです。味わいはミネラリーでピノブランっぽいホッコリした果実はあるものの、後半にかなり強めの苦味が感じられ、今はあまり杯が進む状態ではないです。とはいえ相応のポテンシャルは感じるので、もっと寝かせるべきだったのでしょうかね。どんなものかと試しに開けてみましたが、もったいなかったかも。★★★
2015年06月06日
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若いモンペラを飲むたびに、熟成したらどんな姿になるのかなぁと漠然と思っていました。先日たまたまタカムラさんで04年が売りに出されているのを見つけて、最新VTの倍という価格にやや悩みながらも一本購入してみました。グラスに注ぐと、色調は濃い目のガーネットで、エッジなどははっきりとオレンジ色になっています。香りはブラックチェリーやプラム、スパイス類、それに黒土やなめした革などの熟成香が感じられます。口に含むと凝縮感こそありませんが、なめらかでソフトな味わいで、熟成したボルドーっぽさが十分に感じられます。若いときのような磨きぬかれたテクスチャーは後退している代わりにいかにもメルロチックな香味が前面に出てきていますね。リリース時の倍近い価格がややひっかかりますが、いいワインだと思います。こういう銘柄がカジュアルフレンチなどでオンリストされていると印象度もアップするんですけどね。★★★★シャトー・モンペラ[2004](赤ワイン)[Y][A][P][S]価格:3,680円(税込、送料別)★楽天でシャトー・モンペラを検索★
2015年06月04日
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ルーデュモン仲田氏によるレア・セレクション。先だって飲んだ95年のシャンボールがなかなかだったので、二匹目のドジョウを狙って購入してみたのですが…。残念ながらこの90ヴォルネイは、イマイチでした。色調はかなり淡い、レンガ色がかったオレンジガーネット。澱なども一切なく、清澄濾過をしっかりやったと思われる色合いです。香りは総じて寡黙な中に、乾燥イチジクヤドライプルーン、紅茶などのニュアンスがほんのりと。飲んでみるとエキス分がすでに抜けてしまった感じで、相対的にアルコール感が目立ちます。まあある意味古酒らしいといえば古酒らしいのですが、このボトルに関してはすでに終わってしまった感がありありで、ブラインドだと80年代のオフビンとか答えそうです。もう5年ぐらい早く飲みたかったところですね。★★
2015年06月03日
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先週の金曜日に採血をしました。2月の人間ドックから3ヶ月目の定期検査です。前の晩にフツーにワインをボトル半分飲んで寝たので、結果がどう出るか心配でしたが…。HbA1c 5.7→5.5空腹時血糖値 110→101γーGTP ?→19LDLコレステロール 151→114総じて前回の検査時より良くなっていました。この3ヶ月で特に生活等を変えたわけではないのですが、プチ糖質制限を続けていること(パンはふすまパン、ご飯は丼ものや寿司以外は食さず、ジュース類は一切飲まない、なんだかんだで2年続いています)、土日で15~20キロを目安にウォーキングを続けていること、飲み会や宴会が最近少ないことなどが功を奏してるのではないかと思われます。とはいえ、相変わらず空腹時血糖値がは3ケタ。インスリン抵抗性を示すHOMA-Rという数値が1.9と基準値を上回っていると指摘されました(1.5未満が正常値)。インスリンの効き具合がやや弱めということなのでしょうか。朝と昼については前述のとおりかなり炭水化物を制限しているのですが、夕食については、ほぼ毎日ボトル半分のワインとチーズなどのつまみ類を野放図に食べてしまってます。これがいけないのは火を見るより明らかですが、そう考えるとむしろよくこれで収まっているなぁという気もします。
2015年06月02日
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