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RWG誌のコラムの原稿を書いていますが、「脱酸素パック」の話は考察まで含めると、とても一回では書ききれないので、二回に分けて書くことにしました。主催者のT氏とは検証のあと30回近くもメールで意見交換をしてきましたし、ここに来てやまじさんともいろいろとやりとりをしています。Andyさんもさっそくブログに掲載してくれました。http://www.matsubarafamily.com/blog/item/5634まだよくわからないところやさらなる検証が必要なところもありますが、かなりいろいろなことがクリアになった気がします。検証にあたって懸念していた点や疑問に思った点について再度おさらいです。1 夏場30度を超える部屋で3年間常温保存していたとのことだが、熱による劣化は本当にないのか?少なくとも、高温により熟成はかなり進んでいるのではないか。→頭で理屈を判っていても自分の舌で確かめないと納得できない部分がありましたが、実際に今回飲んだワインには熱劣化の症状は見られませんでした。一方で熟成がセラーのものに比べて気持ち早いかな、という感じはたしかにありました。しかし、これについてもネガティブな印象ではなく、香りがよく立っており、味わいも概してクリーンでした。高温というファクター自体は熟成の促進にはつながるが、劣化の直接の原因ではない、劣化の原因はあくまで高温にいたるまでの、あるいはそこから下がるときの温度変化だということなんでしょう。2 昼←→夜、夏←→冬といった温度変化の繰り返しにより、劣化が見られるのではないか。私がかつて検証した「夏場冷蔵庫、それ以外はリビング保存」のボトルたちは決定的な高温に晒されなかったにもかかわらず、2〜3年後にはかなりの変化が見られた。→温度変化による劣化の原因が酸素の流入以外、たとえば膨張と収縮の繰り返しが液体の組成に何らかの悪影響をもたらしたとかであれば、3年間常温で保存した今回の脱酸素パックのボトルにも何らかの劣化が見られたはずです。しかし、今回のワインたちには明確な劣化は見られなかった。となると、やはり原因は酸素の流入だったということになるわけで、私たちがよく出くわす「噴いてはいないけれども明らかに熱劣化している」ボトルの原因は、温度変化によって中の液体や気体が膨張したり収縮したりを繰り返すうちに酸素の流入が増えたというのがファイナルアンサーといってよいのではないでしょうか。3 スクリューキャップのワインで還元状態になるリスクが指摘されているように、このメソッドでも酸素が完全に遮断されることによって還元状態になるのではないか。あるいは(1と矛盾するが)熟成が阻害される、綺麗に熟成しないということはないだろうか。→今回のボトルたちでは還元は見られませんでしたし、3年とはいえ、熟成も順当に進んでいたように思われます。ただ、これについてはもう少し検証が必要な気もします。たとえば、ボトルたちは「立てて」保存されていましたが、もし寝かしていたらどうでしょうか?ヘッドスペースの空気は横にしたボトルの上部に行き、コルクとは直接接しなくなります。気体の中にSO2が充満しても、排出されずらくなり、リスクは高まるかもしれません。いやしかし、今までの計算のように、ボトル内のSO2の多くは醸造時に取り込んだ酸素との結合で消費されてしまっているので、還元や熟成が進まないなどといった心配をしなければならない量ではないかもしれません。試してみないことにはなんとも、です。4.結局のところ、ワインが熟成するためには瓶詰め後に微量の酸素が継続的に供給される必要はあるのかないのか?→今回のボトルがどれも綺麗に熟成していたことを思うと、少なくとも3年というスパンでは、必要ないと断ずるほかありません。では、継続的に供給され続けるるボトル(=通常のボトル)との熟成の差はどうなのかということについては、もっと長期にわたる検証をしないとなんともいえないです。たとえば常温保存でなく、災害時の保険用にセラーのボトルにこの脱酸素パック処置を施した場合、数年は全く問題ないとして、10年15年と寝かせたときに、熟成が遅くなるとか、熟成の仕方が変ってくる、ということがあるのかないのか。もっともこれは必ずしもネガティブな予想だけでなく、より良好な熟成を遂げている可能性だってあるわけです。まあその前に袋の耐久性が問題になりますね。5.噴いてし脱酸素 ワインまっても劣化はしないのか?→今回の検証ワインには噴いているものはありませんでしたが、仮に噴いてしまっても代わりに流入してくる空気の中に酸素はありませんから、劣化はしないでしょう。ただし、前にも書いたように、いったん空気が入り込むと、気体と液体の膨張率の違いから、ちょっとした温度変化でも液体が流出しやすくなります。よって、いったん噴いてしまったボトルについては、以降は温度変化の少ない環境にに保存していおいたほうがよいのでしょう。5.スクリューキャップのボトルは常温で置いておいても劣化しないというのは本当だろうか?→前に私が唱えた説ですが、上の理屈でいけばそういうことになりますよね。高温環境でも温度変化でも、結局のところ劣化の原因は酸素の流入ということであれば、酸素がほとんど流入しないスクリューキャップのボトルは劣化しないことになります。どなたか試してみてください(笑)。#そうなると、SO2のバリアを持たないSO2無添加自然派ワインなどはスクリューキャップを積極的に採用するのがいいのではないかと思ったりもするのですが、どうでしょうか。もろもろ考えるに、この脱酸素パックを使って保存する場合は、『ボトルを寝かせるよりは立てて』、(袋内はほぼ湿度100%になるらしいのでコルクの過度の乾燥や液体の目減りの心配はない)『ある程度温度変化のある環境下で』(そのほうが通気性が高まりガス交換が活発になる)、『特にビオワインなどにおいて』最大の効果を発揮するのではないかという気がしてきました。これって現状の保存のセオリーとは正反対ですが、ガスバリアコーティングと脱酸素剤という現代の技術革新の賜物なわけですから、保存方法もそれに応じて変ってくるということがあってもよいわけで‥。(断続的につづきます)
2013年11月16日
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さて、比較試飲のあとは、脱酸素パックで2年保存した以下のボトルたちを飲ませていただきました。すでにひとりボトル一本に近い酒量に達していたので、テイスティング力や判断力の面ではおぼつかないものがありましたが、いずれも美味しく飲めたのはたしかです。ル・カンボン2008(マルセル・ラピエール)銘柄の名を聞いて、「これは厳しいのでは?」と考えていたボトルです。というのも、マルセル・ラピエールのワインはSO2不使用のため、ひときわ丁寧な状態管理が要求されるからです。カンボンは良年しか作られないキュベですが、08年が05や09ほど酒質が強いとも思えませんし…。しかしこのラピエールも全く問題なかったですね。赤い果実や紅茶、ミネラルなどの風味に富んだ透明感のあるクリーンな酒質が印象的で、比較対象がなかったため、熟成が通常より進んでいるのかについては判断できませんでしたが、単体としてはすばらしい味わいでした。モレ・サン・ドニ・プルミエクリュ・ザルエット2000(ポンソ)これまた難物のポンソ。SO2使用量は他のドメーヌで使用する量の1/3分から1/5といわれています。ザルエットはロッシュの若木主体でしたっけ?あまり酒質が強いとはいえない2000年。どんなものかと思いましたが、濃縮感のある果実味を中心にしっかりとした酸が支え、豊かなタンニンも滑らかに溶け込みつつあり、ポンソ節全開のすばらしい味わいでした。最後にボルドーワインもということでシャトー・ジスクールが出されました。年代はブラインドで。黒系果実、カシス、杉の木、スパイス類、かすかにオークも残っています。飲んでみると果実味がなめらかで、酸も豊か。タンニンは豊富ですが丸く攻撃性はない。今美味しく飲めますが、それほど熟成が進んでいるようには思えません。あまり強い年とは思えないので01年ぐらいでしょうか?→正解は04年。当たりはしなかったけれども大外れということもないかなと(笑)。ということは、私がセラーで保存した通常のワインに対する肌感覚で感じているのと同じ程度の熟成度合いだったということです。すでに酔っぱらっていたとはいえ、この追加3本の味わいには考えさせられるものがありました。SO2に関する考察を長々と書いてきたように、酸化をブロックするという意味でSO2の効用は大きなものがあるはずです。それを全く使用していなかったり極力使用を抑えたラピエールやポンソのワインはただでさえ保存に気を使いますが、それらについても脱酸素パックのボトルは雑味のない、クリーンな香味をみせてくれました。いや待てよと、ここで私は思いました。むしろS02のバリアがなく、最初から酸素の直撃を受けるビオ系の銘柄ボトルであればこそ、このソリューションは有効性が高いのではなかろうか。今回のように常温で保存するという冒険を犯さずとも、購入直後に脱酸素パックに入れてセラーで保存しておくことによって、通常保存のボトルよりも綺麗に熟成してくれることを期待できるのではなかろうか?このところ推進中のボジョレー再発見プロジェクトの関係で(笑)、自然派銘柄もよく飲んでいるのですが、正直なんだかなぁ、というボトルに結構あたってきたところでした。近いうちに、我が家でも脱酸素パックを導入してみて、緊急避難的な意味合いにとどまらず、上記のような積極的な活用をできないか、試してみたいと思います。ということで、まだつづきます。(が、そろそろ飲んだワインのネタもたまってきたので、以降は断続的に書きます。)
2013年11月10日
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検証は、九段下の「ビストロ南」で行われました。検証の進め方は以下のとおりです。・セラーで保存したものと、脱酸素パックで保存した同一銘柄のボトルをそれぞれブラインドで並べて試飲。ボトルの保存期間は3年。(グラスはISOテイスティンググラスではなく、一般的なボルドータイプのものを使用。)・参加者(10名)はどちらが美味しく感じたかを回答。・そのあとで、どちらがパックのワインだったかがオープンになる。・被験ワインは5銘柄。線が細く繊細なもの、程よく熟成感のあるもの、かつ値段が手頃なもの、ということで以下の銘柄を選んだそうです。1.Chassagne Montrachet 1er Cru les Caillerets 2008, Ramonet2.Puligny Montrachet 1er Cru La Garenne 2007, Etienne Sauzet3.Chambolle Musigny V.V. 1er Cru Les Sentiers 2007, Herve Sigaut4.Pommard 1997, La Pousse d'Or (中身は1er Cru Les Jarollieres)5.Bourgogone Rouge 1985, Selection Nicolas Potelテイスティンググラスと吐器を使って行うものではなく、あくまで通常のワイン会の一環として行われましたので、会が進めばその分酔いが回ることになりますし、一緒に食べた料理の影響なども受けるかもしれません。そういう意味では、実験ラボ的なものではなく、良くも悪くも一般愛好家目線での検証です。#もっとも一般愛好家というにはやや語弊があるかもしれません。この日の参加者はプロの方や有資格者も含めたかなりのつわものぞろいでしたので…。まあ、こうしたワイン会の環境下で違いが分からないようであれば、実際に大差はないということですし、ワイン会に持参しても問題ないということにもなるのではと思います。なお、主催者からは「どちらが脱酸素パックのワインかを当てる」ことは求められませんでしたが、私はコラムの記事のために、自分が脱酸素パックだと思うほうを記録しておきました。詳細まで書いてしまうと、RWGのコラムに書くことがなくなってしまうので端折りますが、結果はおおむね以下のとおりでした。*セラー保存、パック保存のどちらが美味しいと思ったかについては、ほぼ拮抗。*5銘柄中2銘柄(ラモネとエルヴェシゴー)はパック保存の方が美味しいと答えた人数の方が多かった。*私個人の評価としてはより美味しいと答えたグラスは5銘柄中3銘柄がパック保存だった。*なお、私がパックかセラーかの予想を当てられたのは5銘柄中3銘柄。2銘柄は不正解だった。もう少し詳しくみていくと、、~両者に違いがなかったかといえば、それぞれ違いは感じられました。ただし、その振幅はボトル差もしくは同じ銘柄の流通経路違い(異なるインポーターなど)程度のものに感じられました。~劣化という基準でみれば、このあとに飲んだボトルも含めて劣化したボトルには一本も遭遇しませんでした。~結局のところ、検証の間、どちらがパック保存かを明確に判別することはできませんでした。(パック保存ボトルの特徴の傾向がつかめなかったため)~後日、自分のコメントをあらためて眺めてみると、時期的に閉じ気味なものがあったセラー保存に対して、パック保存の方はいずれも開いていて外向的なものが多かったように思います。パック保存の方が総じて少しばかり熟成が進んでいたと解釈してよいのかもしれません。~ただし、その熟成の仕方は実に綺麗なもので、以前のRWG誌の検証ボトルのようなノイジーな要素はありませんでした。~私が当初心配していた還元状態だったものはありませんでした。(あえて言うと、最初のラモネにほんの少しその傾向を感じたような気がしましたが、あとから思うと私の思い込みによる見込み違いだった可能性が大です。)つづきます。
2013年11月10日
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そもそも温度変化って、何でワインによくないのでしょうか?温度変化によって「噴いてしまったボトル」がよろしくないのはわかります。液体が外に漏れた分、酸素が流入してきますし、液体の通り道ができてしまうことによってコルクの密閉性が低下し、その後も空気の流入が続く(らしい)ということは前に紹介した菊屋大久保さんのコラムにも書かれています。さらに、液体と気体では膨張率がぜんぜん違うので(気体の方がはるかに大きい)、一回噴いたことによって空気が流入したボトルでは、同じことを繰り返すと中の液体はさらに減り、より多くの空気の流入を許すことになります。一方で、我々は「噴いてはいないけれども熱劣化している」ボトルにも頻繁に遭遇します。経験的にショップに長期にわたって滞留していたボトルの中には状態の悪くなっているものが少なくないようにも感じています。また、リアルワインガイド誌「ワインの保存」の検証時も、「夏場冷蔵庫に避難させておき、それ以外の季節はリビング」に保存していたボトルは、ずっと常温で保存させておいたボトルよりははるかにマシだったものの、2年も経過するとやはりかなりの変化が見られました。(いずれも噴いてはいませんでした。)これらのボトルは夏場に決定的な高温には晒されなかったことから、劣化の原因は温度変化だろうと当時私は書きました。では、温度変化により劣化する理由はは何でしょうか?仮説1.温度変化により、中の液体が膨張と収縮を繰り返すうちに、液体の組成に悪影響を及ぼすから? →もしそうだとすれば、常温で3年間保存していたという今回のボトルにはネガティブな痕跡が見られるはずです。仮説2.膨張と収縮を繰り返す過程で、コルクが外気(酸素)を多めに吸い込んでしまうから? →これが原因だとすれば、今回の検証は酸素のない環境なので、劣化は見られないはずです。さらに、もし仮説2が正解だとすると、今回の検証とは関係ありませんが、「外気を通さない、すなわち酸素の流入のない(厳密にはほんのわずかに通す)スクリューキャップのボトルは、セラーに入れずに常温で保存しても、(高温で熟成が進むことはあるにせよ)劣化はしないのではないか。」という、なかなかに大胆な仮説に行き着くことになります。…というように、今回の脱酸素剤パックワインの検証は、単にテクニカルな保存法の話というにとどまらず、ワインの熟成や劣化のメカニズムのクリティカルな領域に大いに関連してくる検証だったわけです。私自身、検証に臨む前はそこまで深く考えてはいませんでしたが(笑)。
2013年11月09日
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さて、今回の検証は「脱酸素剤パック」のワインを「常温」で3年保存したものをセラーで保存していたボトルと比べて飲んでみようというものでした。私が確認したかった点は、主に以下の3点に集約されます。1 夏場に30度を大きく超える高温環境におかれることによる劣化は本当にないのか?少なくとも熟成は早まるのではないか。2 昼←→夜、夏←→冬といった温度変化の繰り返しにより、何らかの劣化が見られるのではないか。3 酸素が完全に遮断されることにより、還元状態になってはいないか。あるいは熟成していないということはないか。3については前項で書いたとおり「そもそもワインの熟成に微量の継続的な酸素供給は必要なのか?」という根源的な問題に関係してきます。瓶詰め時に溶け込んだ酸素との重合だけでワインが熟成するのであれば、脱酸素パックのボトルたちも問題なく熟成している可能性があります。一方でスクリューキャップのボトルで「還元状態になってしまう」という問題があるように、外気を過度に遮断してしまうことによる還元のリスクが高まることも想像できます。ただし、今回のボトルたちは、一般的なコルクが使用されており、ボトルは立てて保管されていたので、パック内の空気(脱酸素剤により酸素はなくなっている)とボトル内とのガスの交換はそれなりにあったと想像されます。これらの要素がどのようなアウトプットとなっているか。次に1の高温の影響。普通に考えれば、日中30度を超え35度に迫るような室内にひと夏置いておくことは考えられません。しかし、これについては実は私はあまり心配していませんでした。というのも、だいぶ以前に同じような原理の「デファンスール」を使用をすることによって「60度の温度でも問題なかった」という記事を読んでいましたし(ちなみにそのときの検証ボトルはラターシュだったかと。太っ腹!))、南さんのブログを読んでみても、これまで相当の本数を飲んできたが大丈夫だったと書かれています。また、菊屋大久保さんは国税庁醸造試験所による、外気を遮断した実験装置での実験に立ち会ったことがあり、その結果は、「煮沸の温度帯になっても明確な劣化は発生しない」というものだったそうです。http://www.foodwatch.jp/secondary_inds/winedist/12231とはいえ、黎明期のRWG誌の「ワインの保存」の検証において、ふた夏経過後、三夏経過後の、まるで枯れ草のように見る影も無くヨレヨレになったボトルたちを飲んだ経験からすれば、「実際に自分の舌で確かめてみないことには…」という気持ちは大いにありました。もうひとつ、劣化はしないにしても高温環境により熟成が早まるとして、その早まり具合については、正直私は飲んでみなければわからないと思っていました。高温に置かれることによって、液体の内部で起こる化学反応が早まると言われています(一説には24度以上になると早まるとも)。しかしそれは前述の「酸素供給なしで本当に熟成するのか」という問題と表裏一体、もしくは「行って来い」になる可能性もあります。まあ、仮に熟成が進んでいたとしても、酸素のない環境で促成栽培よろしく綺麗に熟成してくれているのであれば、それは歓迎できるという見方もありますし。なお、「液体の内部で起こる化学反応」については、短い文章ですが、以下の東京農業大学教授のコラムが「科学の遠く及ばない領域である」と断じており、興味深いいです。渋みは変化する 赤ワインとタンニンhttp://www.nodai.ac.jp/journal/nakanishi/0909.html心酔わせるアントシアニン ワインの赤色の秘密http://www.nodai.ac.jp/journal/nakanishi/0603.htmlでもって、もっともわからないのが、2の「温度変化による影響」でした。(つづきます)
2013年11月09日
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さて、ここまで、「コルクを通じて流入してくる酸素=悪」という論調で書いてきました。そもそもこの点についてはどうなんでしょうか?私が今回参加した「脱酸素剤パックワイン」の検証では、パックに穴が開くかシールがはがれない限り、酸素はほぼ完全に遮断されています。天然コルクのように継続的な微量の酸素の供給がない環境下で、はたしてワインは健全な熟成をするのだろうか。実は今回の検証で私自身がもっとも懸念していたのもこの点だったのです。その前に関連資料から…。またしても、きた産業さんのPDFファイルから引用しますと、3-6 年程度、あるいはそれ以上の長期びん内熟成タイプのワインの場合に限った一般論ですが、0.2-0.3ミリグラムO2/ 月のあたりがカベルネ S. やメルロなどに、0.05-0.15mgO2/ 月のあたりがシャルドネやリースリングなどに、それ以下の酸素透過度(スクリューキャップのレンジ)はピノグリやソービニオン B. などに、それぞれ最適ではないか、という意見もあります。また、下記のような記述もあります。香りには原因物質があります。かならずしも 1 対 1 対応ではないでしょうが、「パッションフルーツ、グレープフルーツ」の香りはメルカプタン由来、「柑橘系、リンゴ」の香りはテルペン化合物由来、などです。筆者はこの分野を化学的に述べるだけの知見を持っていませんが、一般論としてメルカプタンは酸素を嫌い、テルペン化合物はわずかの酸素がある方が香りが引き立つといわれます。最近よく話題になる甲州種ブドウの香りの原因物質に、「3- メルカプトヘキサノール」と「ベータダマセノン」があります。前者は酸素を嫌いますが、後者は酸素がないと香りが引き出されないということです。「白ワインにはスクリューキャップ」、という認識をもたれている方も多いでしょうが、酸素透過をおさえることが必ずしもすべての白ワインに良くないことがわかります。(中略)一方、赤ワインは、醸造工程でマイクロオキシジェネーションをすることがあったり、開栓後にデキャンティングで酸素に触れさせる場合があったりすることからもわかるように、一般的に酸素を好む場合が多いといえます。代表的な赤の香りである「バニラ、オーク、ナッツ」の原因物質、フェノール系化合物は酸素を好みます。醸造工程最後で酸素供給量をコントロールして充填時に条件だしをすればスクリューキャップでいい、といえるのかもしれませんが、合成コルクは天然コルクと同じく経時変化的にわずかづつ酸素を通すので、「壜内熟成」というワイン本来のスタイルに向いているといえるでしょう。ということで、それぞれの品種の香りの成分を引き出す物質があって、それらが好む酸素の量というのがあるようですね。ところで、私がきた産業さんのサイトとともに大いに参考にさせていただいているサイトがあります。FoodWatchJapanさんの元菊屋大久保商店店主である大久保順朗氏の連載「再考・ワイン物流改善」です。http://www.foodwatch.jp/author/okubo_yoriakiいや、このコラム集はスゴイです。まさに目からウロコの連続。追々紹介していきますが、私もこれを読んで何度「なるほど、そういうことか!」と膝を打ったことか。このテーマに関連した内容はおおむね#38~41あたりですね。#38 高温ダメージの正体はビン内酸素流入による酸化http://www.foodwatch.jp/secondary_inds/winedist/12230#39 ワインの高温劣化は温度そのものによるのではないhttp://www.foodwatch.jp/secondary_inds/winedist/12231#40 酸化による熟成と劣化を分けるものは何か?http://www.foodwatch.jp/secondary_inds/winedist/12232#41 酸素がどの物質と結び付くかで結果は異なるhttp://www.foodwatch.jp/secondary_inds/winedist/12233ただし、氏のコラムの中でも「熟成に継続的な(微量の)酸素供給は全く不要か?」ということについては、下記のように明確な答えは書かれていません。ここで私は、ワイン業界の常識の一つを疑わざるを得なくなった――「ワインの熟成に極めて緩やかで微量な継続的酸素供給が必要であり、コルク栓はその状況を提供してくれるワイン熟成に不可欠なファクターである!」というあれだ。このフレーズの「極めて緩やかで微量な継続的酸素供給」の吸引酸素総量と、「吹きこぼれを起こしていなくても劣化しているワイン」が吸引した酸素総量には、どれほどの差があると言うのか? 吸引酸素総量が同じでも、吸引に要した時間の長短だけで「熟成」と「劣化」に分かれてしまうのか? この件に関しては、戸塚先生も明確な回答をお持ちでなかった。…ということで、3年保存した「脱酸素剤パックワイン」検証のボトルたちの中には還元状態になっているものもあるのではないか、というのが私の参加前の想像でした。ふぅ。やっと本題に入れます。
2013年11月07日
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一方、普及品のコルクで立てておいた場合はそうはいかなそうです。この場合、瓶内に流入してくる酸素と結合するのに必要な遊離亜硫酸量は1×36=36+1.7=37.7ミリグラム×4=150.8ミリグラムとなり、添加した亜硫酸の量を超えてしまいます。というか、逆算すると、(20-1.7*4)/4=3.3となり、わずか3ヶ月かそこらで瓶詰め時のSO2を使い切ってしまうことになります。まあいずれにしても、安いコルクを使用した普及クラスのワインの場合は、早めに消費するべきということなのかもしれませんし、こういうことがあるから、SO2の添加量を多めにする→頭痛や二日酔いになる人が出てくる、ということなのかも。もっとも安いワインの場合でも、スクリューキャップを使うと話は全然違ってくるわけで、その場合、今度はSO2が全然逃げないことによる、還元のリスクが高まるということではないでしょうか。ところで計算していて思ったのですが、天然コルクの酸素流入量は、データ上でもあまりに幅がありすぎて、数値の置き方次第でいろいろ解釈できてしまいそうです。たとえば、前々項では、良質コルクでボトルが乾いている場合の想定を0.1ミリグラムとしましたが、これが0.2ミリグラムだとすると、(20-1.7*4)/4=3.33.3/0.2=16.5ヶ月となり、1年と数ヶ月で瓶内のSO2を消費することになります。どこかで「瓶詰め時に添加されたSO2は1年後には5分の1程度になってしまう。」という記述を読んだことがありますが、コルクの酸素透過量が上記のような数字だとまさにそういうことになるわけですね。一方で、「戦前とか50年代のようなオールドビンテージのワインが長持ちするのはワイン作りが今と異なっていたからではなく、SO2の添加量が多かったからではないか。」という説があります。これについて計算してみましょう。SO2の添加量を10倍の200ミリグラムと想定します。現在のEUの規制は、1リットル当たり、辛口赤ワインなら160mg、甘口白ワインは300mg、貴腐ワインは400mgとのことなので、あながちありえない数字ではないですよね。このうち遊離亜硫酸となって酸化抑制にあてられる分を約2/3とすると、200×2/3=約133(133-1.7*4)/4=31.55長期熟成を前提としてれば、当然コルクは上質のものを使っているでしょうし、ボトルも横にしているでしょう。ただし、経年変化によりコルクの性能は低下するでしょうから、ここでは酸素流入量を、良質&横向きにしては多めの0.1ミリグラム/月として計算してみます。31.55/0.1=315.5ヶ月=26.29年 もSO2が酸素をブロックし続ける計算になります。とはいえ、26年となるとそろそろリコルクを考えなければならなくなっている時期なので、その前にコルクの性能はもっと低下しており、酸素の流入とSO2の消費ペースは上がっているはずですね。すみません、酔っ払って書いているので、計算がいい加減かもしれません。さらにつづきます。<追記>ところで、SO2のことを考え出すと、いくつか合点のいくことがあります。自分の子どものヴィンテージの02年03年のワインをリリース時にいろいろ買い込んだことは折に触れて書いてきました。実は02年のブルのリリースは前年よりやや遅れて、真夏にもろにかかってしまったものがかなりあったのです。それで(たとえリーファーを使用していたとはいえ)港湾や陸路での輸送などにおける熱の影響が若干心配でした。しかし、最近になって開けている02年のブルたちはどれも綺麗に熟成していて、特に激しく劣化しているようなものには当たっていません。先だってロマネさんとワイン会でご一緒したとき、ロマネさんも「自分でリリース直後に買って保存しておいたものはえてして綺麗に熟成している」と仰ってましたが、私も同感です。一方でバックビンテージの並行ものなどを購入してみると、結構状態面で「?」をつけたくものがあるのは今も変りません。これなどは、リリースしてから入手するまでの間にあまり好ましくない流通環境におかれたことによるのではないかと漠然と思っていました。しかし、上記のような計算に照らして考えてみれば、「残存SO2量」のファクターも大きいのでは、という気がします。リリース直後はまだSO2がボトル内に結構残っているから、輸入時や配送時に酸化のリスクにさらされてもワインは持ちこたえられる。一方でバックビンテージになれば、SO2は使い果たされてしまっているケースが多いでしょうから、同じような扱いで仕入れてもイカれてしまうこともあるかもしれない。まあ、だったらそもそもSO2無添加の自然派ワインなどはどうなんだと言われそうですし、それに対する明確な答えはまだ持ち合わせていないのですが…。
2013年11月06日
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SO2については、おそらくビオワインなどに関心をお持ちの方のほうがよほど詳しいと思うので、あまり私が付け焼刃的な知識で書くのもおこがましいのですが、とりあえず話を進めますので、間違いに気づいたらやさしく指摘してやってください。まず、「きた産業」さんの下記の記事から見ていきたいと思います。。ワイン醸造の基礎 -亜硫酸の話ーhttp://www.kitasangyo.com/e-Academy/b_tips/back_number/BFD_19.pdf~ワインに添加された亜硫酸はその一部が当夜アルデヒド、アントシアニンなどと結合して、亜硫酸としてはほとんど効果の無い統合型になる。~残りの遊離型亜硫酸は、そのほとんどが一価のマイナスイオンHSO3-(重亜硫酸イオン)に、一部が乖離しない分子状のSO2になる。~これらの比率はワインのPHによって異なり、PHが高いほど抗菌活性は弱くなる。~遊離型亜硫酸を含む貯蔵中のワインに亜硫酸を追加する場合は、ほとんどが残るという意見と、30% ぐらいは結合型になると言う意見がある。~亜硫酸を添加していてもフェノール化合物の酸化的熟成を完全には防げない。(フェノール化合物も同様に酸化されやすい物質なので)~熟成中の赤ワインに亜硫酸を添加する意義は、亜硫酸で香りを酸化から守ってやりながら、フェノール化合物の酸化的熟成を進めることにある。亜硫酸の規制量は、たとえばEUの場合、1リットル当たり、辛口赤ワインなら160mg、甘口白ワインは300mg、貴腐ワインは400mgとのこと。SO2の添加タイミングはプレス時や瓶詰め時など何度かあるようですが、瓶詰め時には一般的に30~60mgぐらい添加されるケースが多いと聞いています。(間違ってたらご指摘ください。)ここから先はまったく机上の計算になりますが、仮に40mg添加したとして、その半分が遊離亜硫酸として残り、流入してきた酸素と結びつく(酸化の抑制に使われる)とします。実際にはもっと多くのパラメーターがあるでしょうし、こんなにシンプルな話ではないと思いますが、ここでは単純化して計算してみます。前々項のエントリーで引用したとおり、酸化抑制のために消費されるSO2は酸素流入量の4倍程度になるとのことです。したがってヘッドスペースの酸素と合わせたとしても、寝かせた場合 0.36(3年間の流入量)+1.7(ヘッドスペース)×4=8.28(酸化抑制に必要なSO2の量)
2013年11月05日
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前回紹介した「きた産業」さんの記事の8ページ目に各素材別コルクの酸素透過量データがグラフ化されています。http://www.kitasangyo.com/e-Academy/wine/wine_closure_column.pdf軸が対数軸なので、正確な数字を読み取りにくいのですが、良質なコルクを湿らせた場合(1st quality bark closure wet)→約0.005/月 ~ 約0.1ミリグラム/月 ぐらいのレンジに線が引かれています。一方、コルクが乾いている場合(bark closure dry:良質か並質かの記載はなし)は0.05~1.00ミリグラム/月 のレンジに引かれています。いずれにしてもかなりの幅がありますね。5年~10年、あるいはそれ以上の熟成を想定したワインであればそれなりのコルクを使っていると想定されますので、まずはそれぞれのミニマム値に近いほうの数字(寝かせた場合=0.01、立てた場合=0.1)を、仮にボトルを寝かせていた場合と立てておいた場合の酸素透過量に見立てて、3年後の酸素流入量の累積値を計算をしてみました。(↑ということで、全くもって机上の計算です。)良質コルクでコルクが湿っている場合(ボトルを寝かせていた場合を想定) 0.01ミリグラム/月×36=0.36ミリグラム良質コルクでボトルが乾いている場合(ボトルを立てておいた場合を想定)0.1ミリグラム/月×36=3.6ミリグラム並級のコルクを立てておいた場合1ミリグラム/月×36=36ミリグラムちょうど十倍ずつになりました。条件がよい場合(セラーで寝かせておいた場合)は、3年経過してもヘッドスペースの酸素(1.7ミリグラム前後)よりごくに少ない量しか流入してきませんが、コルクが乾いていると(=立てておいた場合)累計でセラーのヘッドスペース分以上の酸素の流入を許す計算になります。並級コルクの安価なワインを3年にわたって立てておくと、かなりヤバイことになりそうです。ここで3年と見立てて計算したのには理由があります。かつてRWGの黎明期の「ワインの保存」の連載でボトルを立てておいた場合と寝かせておいた場合の3年後の検証をしたことがあって、そのときの試飲では明確な違いを見つけられなかったからです。ちなみにこのときの検証ワインはCH.タルボ99年とM・グロの99NSGでしたので、使用コルクはそれなりに上質なものだったのでしょう。ということは、この程度の酸素の流入量は中期的にワインの香味に大きな違いを生じないということでしょうか。その前に、ワインの熟成や劣化に関連する大きなファクターとして忘れてはいけないSO2について、次項でこちらと併せて考察してみたいと思います。
2013年11月04日
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さて、前のエントリーで「わずかな通気性が確保される」と書きました。ここで「おや?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。「ワインのコルクが呼吸するというのは俗説で、コルクは空気を通さないのでは?」よく愛好家の間で交わされる議論ですね。当ブログでも以前議論になって、堀賢一さんにまでお出ましいただいたことがあります。最近はスクリューキャップや合成コルクの登場などもあって関連した研究データも増え、ネット上でもいろいろなデータが入手できるようになりました。下記の記事などは必読です。大変参考になります。「ワイン醸造家のみなさんへワインの選択肢、スクリューキャプ?合成コルク?天然コルク系?(PDF)」http://www.kitasangyo.com/e-Academy/wine/wine_closure_column.pdfとくにこの中の3/4(8ページあたり)のデータは実に面白いです。少し紹介すると…・一般的な天然コルクでは0.2~0.5ミリグラム/月 程度の酸素の流入があり、これは0.8~2ミリグラム/月 のSO2のロスに相当する。スクリューキャップではこれが0.01~0.03ミリグラム/月ぐらいになる(0.04~0.12ミリグラム/月のSO2のロス)。・一般論として、酸素1ミリグラム/月の透過は、4ミリグラム/月のSO2のロスに相当。・コルクは品質によって酸素の流入量にかなりの幅があり、1級天然コルク(良質なもの)でボトルを横にしていればスクリューキャップ並みに低いこともある。一方で縦置きにしている場合は1ミリグラム/月になる場合もある。・ワイン液面がコルク下20mmの場合、ボトルのヘッドスペース内の酸素の量は約1.2ccになる。ボトルのヘッドスペース部分の酸素は、ワインの熟成や劣化に関係のあるファクターとしてよく引き合いに出されますね。生産者の中にはそれを嫌って、ヘッドスペース部分に不活性ガスを注入したり、あるいは極力ヘッドスペースギリギリまで充填する生産者もいます。ところで上記の酸素の単位がまちまちですね。ヘッドスペース内酸素だけがccであらわされています。これを重さに換算するとどれぐらいになるのでしょうか。ネットで調べてみると22.4リットルが32グラムに相当するそうなので、単純に計算すると1.2ccの酸素は1.714ミリグラムということになりました。ヘッドスペースの酸素量とを比べてみると、ヘッドスペースのインパクトよりもむしろコルクの通気性って意外に大きいんだなぁと思いませんか?私はそう思いました。(※といってもあくまで標準コルクで月に0.14cc~0.35ccというミクロの世界の話です、念のため。)並級コルク(おそらく千円前後あるいはそれ以下のレンジに使われる短くて粗いもののことだと思います)を立てておけば1ミリグラム/月とのことですから、最悪2ヶ月程度でヘッドスペースにあるのと同等かそれ以上の酸素が流入することになります。安価なレンジのワインはもともと構成要素の少ないことが多い(酸化に弱い)上に、これだけの酸素の流入があれば、たしかに長く置いておくのはリスキーでしょう。というか逆に早めに飲まれるものだから、このようなコルクでもOKという判断なのでしょうね。(ここまでで、なにか計算間違ってませんかね?正直あまり自信はありません。)一方で、愛好家の方々がセラーに長期にわたって保存しておくようなレンジのワインはコルクも当然それなりのものを使っていますから、セラー内でボトルを横にして湿らせておけば、スクリューキャップに迫るレベルの密閉性能を発揮する、すなわちほとんど酸素の流入を考慮に入れなくてよいということになります。あれ?ということはですよ。ボトルを寝かせて置いた時(コルクが湿った状態)とずっと立てておいた時(コルクが乾いている状態)とでは、長期熟成においてはボトル内に進入してくる酸素の量はかなり違ってくるということになりますよねぇ。大丈夫なんでしょうか?この辺の試算を次回のエントリーでしてみようと思います。
2013年11月03日
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次号のリアルワインガイドのコラムで、先日参加した「脱酸素パックワインの検証」ワイン会のことについて書く予定です。脱酸素パックワインは、楽天ブロガーの大御所である南さんが自身のブログで提唱している保存法。気体を通さないガスバリアコーティングの袋に、脱酸素剤と一緒にワインを入れ密封してしまうことによってワインの劣化を防ごうというアイデアです。カステラなどのお菓子でよく使われているものを想像すればわかりやすいでしょう。http://plaza.rakuten.co.jp/romantei1925/diary/200706240001/http://plaza.rakuten.co.jp/romantei1925/diary/200707010001/http://plaza.rakuten.co.jp/romantei1925/diary/201106120000/酸素を遮断してしまうというコンセプトは古くて新しいもとでもいいましょうか。かつては菊屋大久保酒店さんが「デファンスール」という名で商品化していましたし、ネット上でも真空状態で実験している方などもいらっしゃるようです。私が何度となく取り上げているワインセーバー「Why not?」もまたしかりです。そんな中、この方法の面白いところは、いったん用意さえしてしまえば非常に安価にできること(1本あたり35円とか)と、もうひとつ(これが結構ポイントではないかと思うのですが)真空状態にする場合などと違って、脱酸素化した空気が袋内に残ることでわずかな通気性が確保されることです。この脱酸素パックを使って自宅で3年保存したワインをセラー保存のものと比較検証しようという会に先日参加させていただいたのです。ちなみに主催者は南さん本人ではなく、愛好家の方です。RWG誌読者でもあるその方がが創刊当時私が「ワインの保存」の連載をしていたことを覚えていてくれて、今回お声がけをいただいた次第です。ありがたいことです。詳しいことは次号のリアルワインガイドのコラムに書く予定ですが、関連して気づいたことや思ったことなどをつらつらとブログで断片的に書いていこうと思います。というのも、今回の検証と考察を通じて、いままでもやもやとしていたワインの保存と劣化に関するかなりの部分がクリアになった気がするからです。なんだか真理に一歩近づいたかのような気分です(笑)。
2013年11月03日
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前々から欲しいと思っていたラディコングラス、ようやく今回の入荷で買う事ができました。ラディコンが、自身のワインのポテンシャルをより発揮させるためにスロヴェニアのロガスカ社につくらせた オリジナルグラスで、ひとつひとつ手吹きでつくられているとのこと。入荷するや否や売り切れてしまう、隠れた瞬間蒸発アイテムでもあります。この写真だとバックが雑然としていて、いまいちフォルムがよくわからないかもしれません。#ちなみに後ろにかざってあるルジェのボトルは以前江口センセと飲んだときに、先生がラベルにサラサラと女の子の絵を描いていたのをもらってきたものです。我が家の宝です(笑)。さっそく使っていますが、思いのほかグラスは浅めで、勢いよくスワリングすると中のワインが飛び散ってしまいかねません。それとガラスも結構厚手で想像していたより重たいです。ビストロなどでこのグラスを出されればこれひとつで幅広く対応できそうですが、正直リーデルやロブマイヤーやラ・マルヌの向こうを張れるほどのクオリティだとは思えません。とくにラ・マルヌとは値段も似たようなものだし、並べて飲んでみてもラディコングラスが勝っているのはコンパクトさぐらいのものかなぁと感じます。というわけで、正直、やや過大評価されすぎではと思ったラディコングラスですが、グラスフェチの私としてはまあコレクションのひとつとして保有しておくにはいいかなと。
2013年10月25日
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先週末は地元の祭りでした。以前も書いたことがありますが、私の自宅は神社の参道に面しているので、祭りの二日間はすごいことになります。通りは終日こんな感じ。写真に写っていませんが、右手のいか焼き屋台の後ろが我が家。おかげでこの週末はクルマはおろか自転車を出すことすらできません。だったらいっそ積極的に楽しんでやろうと、何年か前から玄関先にテーブルをだして昼間から一杯やることにしています。ロケーション的にはこんな感じ。シラフだと道行く人の視線がかなり気になりますが、いったんアルコールが入れば、この開放感がむしろ心地よくなります。食事は屋台で売っているものを適当に見繕って買いそろえます。ワインはそれにあわせてボジョレやカヴァなどを開けました。ツマミはアレですが、玄関先なので結構まともなグラスを使って飲めます。というわけで、飲んだワインの感想は次回のエントリーで。
2013年10月19日
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(画像はアマゾンから拝借)「ブルゴーニュ大全」ジャスパー・モリス氏著の大作。翻訳された皆様にまずお疲れさまと労いたいです。各地区AOCの地図と主要畑、主立った生産者が網羅的に紹介されています。クロヴジョの生産者別の区割りが掲載されていたりと、ブルゴーニュ愛好家にとって興味深い内容となっています。マットクレイマーの「ブルゴーニュワインがわかる」やセレナサトクリフ女史の「ブルゴーニュ」の内容が古くなってしまった現在ではなかな貴重な存在かと。ただ、この本、紙質がやたら厚くて、重くかさばるのが玉に瑕です。あっという間に装丁が崩壊してページがボロボロになってしまいそうですね。ページの余白もやたら大きくて間が抜けた感じだし、その辺もう少しなんとかならなかったのかなぁと。これだけかさばると、手元において気軽に参照するというのは難しいですから。「ポケットワインブック第9版」先日英語のKindle版を購入したばかりですが、やはり手元でペラペラめくれるものも欲しいなあと思って久しぶりに買いました。久しぶりといっても、第8版を飛ばしただけで第7版は手元にあります。内容的には7版から変わっていると言えば変わっているし、あまり変わっていないといえば変わってないし、微妙なところですが、一方を職場に、もう一方を自宅に置いておくということもできますので(笑)。実の上の2冊、会社の福利厚生の一環としてソフト類の購入に年間一定の補助が出るので、それを利用して購入したものです。でないとなかなか個人で買おうという気にならない値段ですねぇ。ブロゴーニュ大全は12600円、ポケットワインブックは以前より値上がりして4935円でした。【送料無料】世界のワイン [ ヒュー・ジョンソン ]価格:12,600円(税込、送料込)こちらも検討中。自宅に2002年版あるのですが、どの程度変っているんでしょうか?
2013年10月02日
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昨晩は仕事系の飲みで銀座のオーディンさんにワインを持ち込んだのですが、またもや「寝落ち」してしまいました。これでオーディンさんでは4回連続途中沈没。いい加減店の方からも呆れられていそうです。先日の会で生まれ年の63ポートを開けて以来、ポートが面白いなと思い始めています。ワインスクールなどで単発の講座があればぜひ参加したいのですが、直近ではなさそうですね。もしその手の講座があれば、お知らせいただければ幸いです。
2013年09月18日
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今回の私のレビュー担当ワインたち。前号は入院騒ぎでコラム以外執筆しなかったので、2号ぶりのレビューです。
2013年02月12日
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ウメムラさんよりエティエンヌ・ソゼの08モンラッシェ千歳さんのシャトー・ド・サンコム垂直ジゴンダス6本セットみちのく福箱ルイ・ジャド 4本セットフィッチさんのドメーヌ・トレヴァロンプレミアム大平さんのルチアーノ・サンドローネおよそ1年使っていたヴェルリィ・デ・ラ・マルヌのグラスをふとした拍子にパリンと割ってしまったので、早速新しいものを注文しました。東急本店のF巻さんに薦められるままに買ってみたこのグラス、やや大ぶりなものの、とにかく軽くて薄い。ハンドメイドのため、ステムからボウルにかけての処理も綺麗です。それに香りをよく溜めてくれるので、今やリーデル・ヴィノムを差し置いて、我が家の定番グラスの地位を確たるものにしています。仮に破損しても、一客3K程度なので、ロブマイヤーほど精神的ダメージを受けませんしね。今回はWACさんで二客セットを注文しましたが、楽天では目下ここが一番安いようです。フランス・シャンパーニュ地方「マルヌ」でデザインされたハンドメイドグラスレーマン フィリッ...価格:5,439円(税込、送料別)↑一客3K切ってます。それにしてもこのグラス、ネットで検索しても、「ヴェルリィ・デ・ラ・マルヌ」「フィリップ・ジャムス」「レーマン」と店によって名称が統一されておらず、ややこしいです。レーマンというのは社名のようですが、ヴェリリィ・デ・ラ・マルヌが社名だと書いてある説明もあってよくわかりません。どちらかが社名でもう片方がブランド名なんでしょうか?ちなみに、フィリップ・ジャムスというのは、シャンパン・ソムリエ・オブ・ザ・イヤーに選ばれたソムリエの名で、彼とラ・マルヌ社が共同開発したシリーズ名とのことでした。シャンパーニュのメッカにあるグラスメーカーとあって、メインのラインはシャンパングラス。何種類ものアイテムがラインアップされてますね。このグラスは、「グランブラン」という名称ですが、メーカーとしては赤白兼用という位置づけのようです。私はもっぱらブル赤を飲むときに使っていますけどね。あまりに気に入ったので、「グランルージュ」や「シャンパーニュ」も買ってみましたが、残念ながらどちらも期待には答えてくれませんでした。今のところ同社で気にっているのはグランブランだけです。この点、なんだかんだと言っても、どのグラスを選んでもそこそこ満足させてくれるリーデルはさすがだと思います。以前白ワイン用グラスの検証に参加させてもらったことがありますが、ボウルの大きさや口のすぼまり具合、もっとも口径の大きい部分の位置など、微妙な違いによって香味の感じられ方がガラリと変わってくるのが新鮮な驚きでした。他にも5K以下で買える軽くて薄くて良いグラスを探したいところです。
2013年01月28日
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高級ワインが水の泡… 伊のワイナリー、6億円分流出http://www.asahi.com/international/update/1206/TKY201212050972.html記事をみて、どこのワイナリーだと思ったら、なんと、、カーゼ・バッセじゃないですか!蔵元で熟成させたワインはほとんどなくなってしまったそうです。なんともはや…。
2012年12月06日
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お盆時の真昼間に常温で送られてきたフーリエの村名ジュブレ。3本買ったうちの2本目です。抜栓すると、例によってコルク上部まで染みた跡。ただし、前回はまだヌルヌルと液体が残っていたのに対して、今回は完全に乾いています。蝋封のおかげで、空気が逆流して入った形跡はなさそうです。グラスに注ぎ、色調を見ますが、これだけでは変化はわかりません。健全なボトルと比べてみたら少しは違うのかもしれませんが。香りは、獣系のモワッとした香りがトップノーズに感じられます。毛皮、皮革。よく開いています。黒系果実のコンポート、黒土、ナツメグ、丁子。この獣系の香りはどうなのかな~。ポンソなどでもよく感じる類のもので、これがすなわち熱の影響なのか、それとも個性や醸造法なのか分かりかねる部分です。温度の低めのところから飲み始めます。開いていますね。美味しい。味わいの後半にまるで旨み調味料をひとふりしたかのような、なんともいえない旨み系の成分とヨーグルトのような乳酸系の成分とを感じます。ただ、こういう素性のワインだと分かって飲んでいるからかもしれませんが、やはりテクスチャーに毛羽立った感じが顕著で、酸が少しシュワシュワした感じもあります。舌の横あたりに感じるイガイガした感触もあります。それでも、果実味も十分あり、ジューシーで、公平かつ客観的に言うならば充分美味しいといってよいでしょう。悩ましいですねぇ。梱包されていたダンボールが生暖かく感じられるくらい、明らかに熱を浴びたボトル。実際、コルクの最上部までワインがせりあがって染みていたこのボトルを飲んでみて、何とか飲めるどころか、かなり普通に美味しく飲めてしまうということが、です。そうなると、(最近出くわす確率が減ってきたとはいえ)今まで市場で出くわしてきた熱劣化ワインって、いったいどのような扱いを受けたものなんだろうかと…。う~ん、悩ましい。というか想像するのが恐ろしい…。翌日は、香りになんとなく金属的なニュアンス(違和感)が強くなり、味わいもややエグミが強めに感じられるようになりました。かなり馬脚を現したな、という印象ですが、それでもまあ美味しく飲むことはできました。あと、到着後すぐに飲んだボトルと比べても、二日目の落ち方は今回のほうが顕著でした。熱浴びボトル、もう一本あるので、次は1年後ぐらいに飲んでみます。いや、その前に、比較のために健全な10フーリエを一回飲んでおかないと…。★楽天でフーリエを検索。★
2012年11月26日
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…が、発表されたんですね。パヴィとアンジェリスがプルミエ・グラクリュクラッセ・Aに昇格ですか。シャトー・アンジェリュス(A)シャトー・オーゾンヌ (A)シャトー・ボーセジュールシャトー・ボーセジュール・ベコシャトー・ベレール・モナンジェシャトー・カノンシャトー・カノン・ラ・ガフリエールシャトー・シュヴァル・ブラン(A)シャトー・フィジャッククロ・フルテシャトー・ラ・ガフリエールシャトー・ラルシ・デュカスラ・モンドットシャトー・パヴィ(A)シャトー・パヴィ・マカンシャトー・トロロン・モンドシャトー・トロット・ヴィエイユシャトー・ヴァランドローhttp://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20120910-OYT8T00357.htm?from=yoltop
2012年09月10日
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さっそく常温で送られてきた10フーリエを開けてみました。蝋封ということで噴きこぼれてこそいませんでしたが、抜栓してみると、コルクは真上まで全面に亘ってジットリと染みており、熱で液体が相当膨張したことがわかります。漏れていはいませんでしたが、真上まで染みています。通常のキャップシールなら噴いていました。写真では判りずらいですが、コルク全面にわたってビショビショ。グラスに注いでみると、なんとも芳醇な香りが。赤と黒の中間位の果実のコンポート、シャンピニオン、スパイス、タバコ、シナモン。口に含むととりあえず液体にザラツキ感は感じられず、よく開いていています。豊かな果実感と透明感、それに伸びやかな酸。意外なほど美味しく飲める(笑)。とはいえ、当然、ニューリリースにしては開きすぎているわけで、通常最新VTの届きたてのものを直後に開けると、初日はガチガチに閉じていて、ようやく2日目に全体像が姿を現し、3日目あたりが一番おいしく飲めるかな、といった感じですが、今回のボトルは開けたて一杯目がまさに全開。この先飲みすすめるとどうなるのか、はたまた小瓶に残した半分が翌日どうなっているのかが見ものだと思って飲み進めましたが、案の定、ピークは開けたてで、3杯目になると、ちょっとコアが抜けてエグミが出てきました(閉じるのとは違う。) これはやはり早めに飲まないとダメそうですねぇ。そういえば、ワイン飲み始めのころよく買って飲んでいた某店の若いブルゴーニュが、開けたてから開いていてこんな感じだったなぁと。翌日:例によってペリエの小瓶に残したものを飲んでみましたが、恐れいていたほどには劣化していませんでした。香りも出ているし、それなりに飲める。ただ、飲んだときの舌にイガイガくる感じやテクスチャーの毛羽立った感じは初日より目立ちます。 酒質のケバ立ち感、イガイガした感じ、フィニッシュのエグみ、冷やしてるのにひんやりした感触がないところなど、熱影響ワインの特徴が明確に出ている一方で、リリース直後故の果実のピチピチ感がそれらを都合よく隠していて、私自身、これをブラインドで出されたら、こういう素性の(熱をもろに浴びた)ワインだとは看破できないなぁと思いました。(10VTとは絶対に答えないと思いますが。)同様のボトルがあと2本。いつ開けるかが悩ましい。1本は2~3ヵ月後、もう1本は1年後あたりでしょうか。高い授業料でしたが、熱入りワインの検証には役立ちそうです。できれば健全な状態のボトルと飲み比べてみたいところですね。
2012年08月25日
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昨日の昼届いた宅急便を受け取って、おや?と思いました。ダンボールが生暖かいのです。手に持って暖かく感じるということは、体温以上?40度ぐらい行っているのでしょうか?これはショップか宅配業者がやらかしてくれたな、ヤレヤレなどと思いつつ、メールの注文情報を確認したら、なんと「クール不要」にマルがついているではないですか!ちなみに中身は10フーリエ3本。思い当たるフシはあります。10フーリエ入荷のメールを見て、とにかく早く注文を完了しないと売り切れてしまうと焦って注文を入れました。それで、クール便の要不要欄の記入を端折って、デフォルトのまま送ってしまったことが原因でしょう。とはいえ、この時期、リリースしたてのフーリエを常温便で、しかも日曜の12~14時着で注文する客がどこの世界にいるでしょうか?杓子定規に注文を処理せずに、ひとこと確認ぐらいしてくれたってよいのに、とショップの対応を恨めしく思いつつ、注文確認メールを読み返してみたら、注文受付とあわせて、本当に常温でよいのかの確認の一文がありました。「この度「クール不要」に印をいただいておりました。クール便にご変更をご希望の場合は本日中にご連絡をいただければご変更させていただきます。」ありゃりゃ。旅行に行っていたこともあり、ショップからの注文確認メール自体開いていませんでした。それに、よく確認してみると、注文者記入欄のデフォルトは常温配送ではありませんでした。(どちらにも○はついていない)クールの要不要欄で、私が間違って、わざわざ不要というところにマルをしてしまったようです。こうなるともはや誰を責めることもできません。完全に私のミスです。まあ、YOLやRWGの貴重な検証用サンプルを入手したと前向きにとらえるしかないですね。早々に1本開けて検証してみます。
2012年08月20日
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昨日はRWG誌のボルドー試飲でした。この暑い時期にボルドー15本のテイスティングは疲れますが、プライベートで積極的にボルドーを飲む機会が減っている今、こうした機会は貴重です。09ボルドーはおしなべてすばらしいですね。
2012年07月26日
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マルシェまるやまさんの10ユドロバイエ。ボンヌマールのセットありますウメムラさんの10レシュノーフィッチさんよりラルロの10NSGクロデフォレサンジョルジュ昨晩は久しぶりのワインのテイスティング会だったのですが、久しく外でワインを飲んでいなかったせいか、終了後激しく酔いが回って参りました。日比谷線に乗って、表参道で乗り換えようと思っていたら乗り過ごして、仕方がないので下北沢で降りようと思っていたら、下北沢でも乗り過ごすという大失態。結局反対路線に乗って下北沢まで戻り、そこからタクシーで帰りました。今にして思えば、梅が丘か世田谷代田で降りて、そこからタクっても大して金額は変わらなかったのですけどね。酔っ払っていて判断力が働きませんでした。加えて下北沢駅では、携帯を側溝に落として浸水させてしまうというオマケつき。帰宅後、酔ったまま風呂にも入らず薄着で寝たせいか、今日は風邪を引いて頭はガンガンするし、喉は激しく痛むしで、体調最悪でした。一日家でゴロゴロしていた中、唯一やったのが表題の作業です。99年後半から作り始めて、2000年2月に正式オープン、13年目に入りましたが、今や更新のメインはブログとツイッターに移り、こちらは数ヶ月に一度まとめてブログの過去データを転載しているに過ぎません。今回も2月以降更新していなかったものをまとめて4ヶ月分更新しました。掲載しているネタも古い物が多く、最近はアクセスカウンターもほとんど増えませんが、それでも、たとえば5年前の今の時期にどんなワインを飲んでいたとか、過去に飲んだワインを振り返るときに自分自身のデータベースとして重宝しているので、これからも細々と続けようとは思っています。S's Winehttp://www.ashai-net.or.jp/~mh4k-sri/new.htm最近は美術館巡りもめっきりしなくなってしまいましたが、かつてはこんなコラムも書いていたんですねぇ。(笑)S's Arthttp://www.asahi-net.or.jp/~mh4k-sri/art/index.htm
2012年07月21日
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昨年2月に新調したユーロカーブ。初期故障を乗り越えて、その後は順調に稼動していたのですが‥。なんと、、ドアの鍵が根元からポッキリ折れてしまいました。。しかも、折れた先端部は鍵穴に入ったまま。これで一体どうしろと‥。ユーロカーブは初期不良のときにも参ったのですが、平日にしか修理に来てくれないんですよねぇ。この忙しいのに平日に休みなんてとれませんよ。すっかり自暴自棄になっております。ハハ。(^^;
2012年07月02日
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たまたまかわばたさんのサンデーセールで白のバックビンテージが安く出ているのを見て、思わず衝動買いしました。02年のジャド白は子どもの生まれ年だし、以前飲んで美味しかった記憶があったので、ピュリニー・ルフェールとシャンガンです。もう一本は99のラモネ・ブードリオット。おかげで10ラルロを購入する軍資金がなくなってしまいました。昨年の記録をみると、7~9月の時期に購入した09ブルはラルロ、ジャック・カシュー、ジョルジュ・ミュニュレ、ユドロバイエの上位グレード、レシュノーあたり。金欠の折り、これからは慎重に購入計画をたてなければ‥。
2012年06月30日
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ボノミーさん、例によって料理もクリエティブでCP高かったです。予約がなかなかとれないのもわかります。それにしても、今回のワイン会では、ブルゴーニュの熟成能力をあらためて見直しました。そもそも私は基本的に若飲みなので、セラーのワインも若いビンテージばかりです。理由はいたってシンプル、自宅で通常二日にわけて飲む関係で、新しいビンテージのほうが翌日まで美味しく飲めることが多いからです。今まで三度もセラーの不調を経験して、あまり自宅の保存環境を信頼していないということもあります。古めのVTをた日々消費しつつ、新たな古酒の補給をしてこなかった結果、セラーのブルゴーニュのストックはもっぱら2002年かそれ以降、90年代では99年がそこそこあるものの、それ以前になると数えるほどになってしまいます。(ボルドーは90年や82年が何本かありますが、こちらはこちらで開ける機会がなく…。)もっとも99年だって、すでにリリースから13~4年経過しています。十数年というスパンで振り返るとと、たとえば2000年代前半にかけて飲んだ90VTや89VTのワインは、その時点で十分熟成していたものが多かったように記憶しているのですが、同じ感覚で99年や96年を開けると結構早すぎてしまう場合が多い。先日飲んだデュジャックの99ロッシュはまだ花開いてない感じでしたし、以前開けたルジェの99エシェゾーやJJコンフュロンの99RSVなども明らかに早すぎでした。まあ97年や2000年などは今いい具合になっているものが多いので、この辺はビンテージの特性なのでしょうけど、かなり特殊な年といえる96年はともかく、99年に未だ堅いものが少なくないのが意外です。ところで今回のワイン会。自分の中では94年の赤はほとんど「終わった」年だったのですが、ルネ・アンジェルにしても、ジャイエ・ジルにしても、18年経過した今飲んで、これほどすばらしい香味を体験できるとは思いませんでした。飲み頃に関して、私が結構信頼しているBurghound.comを調べてみると、近いところで以下のようなものがありました。94クロヴジョ(ルネ・アンジェル) NOW+(2006年時点)95エシェゾー( 〃 ) Try from 2009+95エシェゾー(ジャイエ・ジル) NOW+(2001年時点)97エシェゾー( 〃 ) 2005+作り手問わずで、「94年のエシェゾー」で検索してみると、エマニュエル・ルジェ NOW (05年時点)ジョルジュ・ミュニュレ 05年ジャン・ラフェ 03年までジョルジュ・ジャイエ 02年+※ちなみに、Burghound.comの94VT評価は、全赤ワイン中最高点は91点にとどまっています。このデータを見てしまうと、ルネ・アンジェルはともかく、ジャイエ・ジルの94年をここまで引っ張ろうという勇気はなかなかわきません。お持ちくださったminpei-chanさんや迷幹事さん(笑)の慧眼には舌を巻くばかりです。まあ古くなれば古くなるほど、劣化のリスクは大きくなるわけで、当たったときの喜びはそのリスクとの裏返しということもできますが、自宅セラーのボトルたちについても、もう一声我慢して長めに寝かせてやったほうがいいのかなぁなんて、思い始めています。もっともそうすると、今度は持ち寄りワイン会に持参するボトルが枯渇してしまう、という問題に突き当たるわけですが‥。
2012年05月09日
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どうも昨晩から風邪をひいたようで、体調最悪です。飲む量を控えめにしなければ‥。ちなみにお題は「米仏対決」。といっても、それほどガチな対決というわけではありませんが。私が持参したのは以下の2本です。感想等は明日以降あらためて。
2012年03月12日
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今日は法事で一日外出の予定でしたが、出かけようと玄関を出たまさにそのタイミングで、ロンドンからのDHL便が到着。出かける前に受け取れて良かったです。法事に遅れてしまうので、とりあえず到着したダンボールは玄関に放置して出かけました。この陽気ですから問題はないでしょう。それにしてもこの箱デカイですね。隣にある「クリクラ」の12リットルボトルと比べれば、大きさが想像できようというものです。夕刻帰宅して梱包を解きました。中はエアーの緩衝材でピッチリです。これはなかなかスグレものですね。3本1組になっています。これらのボトルは、一昨年の10~12月に発注したものです。F&Rはブローカーで通常在庫を持たないため、発注がかかってからボトルを手配します。なので、注文してから3ヶ月位待たされるのはザラです。それに加えてこれらのボトル、間に東日本大震災をはさんだこともあって、オーダーした品が揃ったとの連絡が来たのは4月になってからでした。ところが当時は、計画停電などで騒ぎになっていた時期で、夏場に向けて保存の不安がが大きかったため、秋まで先方の倉庫で保管してもらうことにしました。で、秋口になって再度発送の打診が来たのですが、どうせなら6本だけでなく12本にしたほうが一本あたりの送料が安く上がるだろうというセコイ考えのもと、ここでまた改めてポンソばかり6本追加発注しました。それが↓コレ。一見スゴそうですが、グランクリュは2本だけであとはザルエットです。これがまた例によって、注文の品が揃うまで時間がかかりまして、結局この時期になってしまったというわけです。前述のとおり、もっとも古いボトルは一昨年10月の発注だったので、なんだかんだで足かけ1年半かかりました。ラフォンの06シャルムとか、今となってはなんで発注したんだけ?というものもあるんですけどね‥。
2012年03月03日
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流しの前で撮ったので、背景がアレですが、注文していたヴァレリィ・デ・ラ・マルヌのルージュグラスとシャンパーニュグラスが届きました。以前、東急のF巻さんのオススメに従って、ここのブラングラスをブルゴーニュ用に買ってみたところ、なかなかだったので、今回他のシリーズも追加で買ってみた次第です。コスパ抜群!ギフトにも最適!【ギフトBOX入り】赤・白兼用ワイングラス ラ・マルヌ グラン・ブ...価格:4,064円(税込、送料別)以前購入したのはコレ。今回購入したルージュグラス、形状は非常にイイのですが、上背があってやや安定感に欠けるのと、ブラングラスに比べて大きい分、重いのが残念。たぶん重量にすればわずかな差だと思いますが、感覚的にはかなり違います。シャンパーニュグラスは、ロブマイヤー・チューリップ並とまではいかないにしても、もう少し薄いことを期待していました。実際に手にとって見ると、思いのほか厚みを感じるのが興ざめです。まあ2千円台で購入したものなので、贅沢はいえませんけど‥。やはりF巻さんオススメのブラングラスがもっともバランスがよさそうです。ヴェルリィ・デ・ラ・マルヌのグラスを探す
2012年02月29日
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ロマネ・コンティ2009が英国で発売、コルトンお披露目http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20120206-OYT8T00450.htm?from=twおお、ついにウワサのコルトンが登場ですよ。>コルトンの総生産量は707ケースで、6本当たりの税抜き価格は850ポンド(約10万3000円)となる。とのことで、お値段もDRCにしては穏当とみてよいのでしょうか?でも、きっと物珍しさであっというまに瞬殺でしょうね。こちらはいささか古新聞ですが…エヴァンゲリオンのキャラがシャンパーニュにhttp://www.yomiuri.co.jp/gourmet/drink/wnews/20120203-OYT8T00408.htm?from=tw中身はキャティアの中身は「ブリュット・アンティーク・プルミエクリュ」。通常3K台で購入できる銘柄のようなので、ボトル代上乗せで幾らになるか次第ですが、とんでもないプライスにならない限りは、数本買っておこうと思ってます。(笑)いや、だって、ワインマニアの会はともかく、一般の会食のときなどに持ち込めば掴みになること間違いなしじゃないですか。ダメですかねぇ?逆に安物だと思われてしまうかな…?。
2012年02月06日
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96-99ルソー・シャンベルタンシャトードラトゥール・クロヴジョVV・オマージュ・ア・ジャン・モラン(スペシャルキュベのようですね。)DRC・ロマネコンティ95-98デュガピ・シャンベルタンFミュニエ・ミュジニーフェブレ・クロドベーズフェブレ・ミュジニー95-97メオ・リシューブルポンソ・ロッシュWフェーブル・シャブリ・レクロ94-97ルーミエ・ミュジニールーミエ・ボンヌマールドルーアンラローズ・ミュジニーシャトードラトゥール・クロヴジョVVデュガピ・マジシャンデュジャック・シャンベルタンデュジャック・RSV以下略。ルロワなどはまだのようですね。ブルゴーニュを代表するトップキュベばかりが並んでいますが、おおむね09並かそれ以上の点数がついています。問題は中位~ボトムラインの銘柄やもう少し下のランクの生産者の出来が気になりますね。いずれにしても生産量はかなり少ないようなので、値段の高騰と奪い合いは必死、じゃなかった必至と思われます。私は、といえば、09年で「買い疲れ」してしまった感があるので、今はあまり積極的に参戦する気になりませんが、市場に出てくるとまたエキサイトしてしまうかもしれません(笑)
2012年01月28日
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週末、東急の試飲に行った際、「なにかいいブルゴーニュグラスありませんかねぇ?」という私のつぶやきに対して、F巻さんがオススメしてくれたのがこれ、「ヴェルリィ・デ・ラ・マルヌ」のグラスです。名前のとおり、フランス・シャンパーニュ地方のグラスメーカーですね。【14時間限定!只今エントリーでポイント3倍!】(~1月27日23:59迄)フィリップ・ジャムスグラ...価格:3,601円(税込、送料別)名前に「ブラン」とついていますが、白よりは赤のほうが実力を発揮しそうに思われます。大きさはかなりのもの。ハンドメイドで薄いです。軽さからしてカリクリスタルと思われますが、値段はロブマイヤーの3分の1以下とリーズナブルです。腰高でグラス最上部がキュッとすぼまっている形状は独特ですね。大きくて重心が高いので、取り扱いに気を使いそうですが、香りをよく溜め込んでくれそうで、期待大です。1脚から販売OK!フランス製ハンドメイド「レビュー記入でポイント500ポイントプレゼント」赤ワ...価格:3,780円(税込、送料別)↑こちらがメーカーいわく、赤ワイン用のグラスだそうです。ボルドー向けでしょうね。【14時間限定!只今エントリーでポイント3倍!】(~1月27日23:59迄)フィリップ・ジャムスシャ...価格:2,709円(税込、送料別)1脚から販売OK!フランス製ハンドメイドシャンパングラス ラ・マルヌ インテグラル価格:2,363円(税込、送料別)エレガントなグラス!お客様の贈る「想い」をお届けするギフトショップ:CONCENT (コンセント)...価格:7,823円(税込、送料別)↑さすがお膝元だけあって、シャンパーニュグラスは充実していますね。ユニークな形のフルートグラスにも興味ありますが、まあ一番上のタイプが一番無難でしょうね。近いうちにシャンパーニュグラスとボルドータイプも買ってみようかと。使った印象については、後日アップします。
2012年01月27日
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いい線ついてきますね~。値段的には、DRC1本で元がとれています。(ちなみにファインズさんの正規モノ08年)クロ・フランタンのリシュブールは自分から進んで買う銘柄とは言いずらいものの、オマケとしてついてくるのなら何の文句もありません。VTも06だしね。ルイ・ラトゥールの01シャンベルタンも渋くて良いチョイスだと思います。実売ベースで購入価格の倍近く。客にとっては非常にお得感があって、店側にとっても、ある意味在庫整理になる。福袋はこうでなくては、と納得させられる内容だと思います。
2012年01月15日
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三連休は土曜と月曜日に法事があったりして、多忙な三日間でしたが、その合間の日曜日の午前中に、寺田倉庫の横浜都築・新石川のロッカーに行ってきました。目的は、前回余らせてしまっていた上段部分への収納。テラダ標準の12本入りダンボールを入れると、10箱入ったところで、上段に微妙なスペースが残ります。ボトルを裸で並べてもいいのですが、地震時のことなども考えて、6箱入りのダンボールで収納することにしました。上段部分に6本入りダンボール×4箱入りました。そのほか、下段の隙間に3本入りダンボール×1、上段の隙間に2本入りダンボール×1入ったので、合計で29本。下段とあわせれば、12ケースと5本入りました。写真のように、もう少し空きスペースがありますので、ここにボトルをプチプチでくるんで入れたりすれば、なんとか13ケース収容できそうですね。この日入れたのは、スピネッタの03バルバレスコ×2フーリエの村名ジュブレ09ラルロNSG09ミュニュレジブールの09エシェゾープスドールの09ヴォルネイカイユレプスドール・シャンボール・シャルムグロフィエのアムルーズユドロバイエ09レクラルーミエ08コルシャル×2デ・クロワのコルシャル0709ビンテージの購入もほぼ落ち着きました。欲をいえば、まだ欲しい銘柄はあるのですが、キリがないですからねぇ。あとは大どころでルソーぐらいかな‥。
2012年01月09日
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作業はひと箱ひと箱、中身を確認しながら、飲み頃のボトルを入れ替えたため、予想以上に時間がかかりました。とはいえ、この作業を端折ると、後でどのボトルがどの箱に入っているかがわからなくなって、行方不明ボトルが続出します(過去何度も経験あり。)したがって、メモ取りは必須です。結局この作業で2時間近くかかりました。ロッカー内は、予想していたとおり、奥に6箱、手前に4箱収納することができました。上段に半端なスペースができるので、ここをどう活用するかがポイントになりそうです。12本入りダンボールは収容できませんが、6箱入りのダンボールや木箱なら納まりそうなので、うまく収納すれば、この上段のスペースだけであと2~3ケースいけるのではないかと。↑今回は適当な入れ物がなかったので、ダンボールの空き箱などと一緒にバラで何本か入れてきました。仮に10+3=13ケース収納できれば、ダンボール単位で預けた場合の金額8190円(600×13×1.05)と大して変わらなくなり、24時間アポなしで出し入れできる利便性を考えれば、まあよいかと思います。(ちなみにロッカーの代金は月額9450円。)ダンボールを使用せずに、ひたすらボルドー積みで入れていくという方法もありますが、奥底のボトルへのアクセスが限りなく困難になることと、ピッチリ詰め込まないと地震などの際に大変なことになることなど、運用を考えると、ダンボールや木箱に入れて収納するのが現実的でしょう。そんなこんなで、自宅を出たのが13時、帰宅したのが17時と半日がかりの仕事になってしまいましたが、とりあえず、品川のストックをすべてでないにせよ、無事移管させられましたし、年末年始に向けて飲み頃の近づいたボトルを持ち帰ることもできました。自宅からのアクセスについては、品川に行くよりは時間がかかってしまうものの、右折車や駐車車両、工事などに常に気を使いながら走らなければならない山の手通りより、R246の方がはるかに走りやすいので、気分的には楽です。追々、上段のスペースをうまく活用できるような収納方法を考えたいと思います。
2011年12月06日
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10月末に契約した寺田倉庫の新石川ロッカー。ひと月、間が空いてしまいましたが、3日の土曜日に、品川からのストックの移送を敢行しました。新石川に移すのは、品川に預けてあるうちの半分弱にあたる11箱。そこから飲み頃のものを2ケース選んで持ち帰り、代わりに自宅にある09年のボトル2ケースををロッカーに預け入れるという計画です。↑コレは自宅から持っていったボトル。品川からの移送は、自分のクルマで運搬することも考えましたが、かなりの重労働になりそうなので、寺田のリーファー車に新石川まで輸送してもらうことにしました。ところが、計算外だったのが、「リーファー車は日曜日の営業をしていない」ということ。さらに詳細な時間の指定もできないとのことで、結局「土曜日の昼」というR246がもっとも混雑していそうなスケジュールになってしまいました。到着の1時間ぐらい前に携帯に電話を入れてくれとお願いをしておいたら、電話がかかってきたのは13時過ぎ。そこから私も三茶の自宅を出てクルマで新石川に向かったわけですが、日曜日の午前中であれば30分で到着するところ、この日は約1時間かかりました。私が新石川に着いてから10分たらずで寺田のリーファー便も到着。作業開始です。この日の他の客は一人だけ。しかもそれが偶然、私の古いワイン仲間のMさんだったのには驚いたというか、笑えました。Mさんも私と同様、品川から十数ケースをこちらに移動させるとのことで、お互いロッカーが近いと大変だったところですが、幸いロッカーは別の島でした。(つづく)
2011年12月05日
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あまりこのタイトルで引っ張るのもどうかと思いつつ‥。次は赤ワインです。ソミュール・シャンピニー・ル・クロ 2005(クロ・ルジャール)ようやくこの辺でみなさんに追いついてきたのはいいのですが、かなりのハイペースで飲んだので、酔いが回るのも早い‥。とびさんの持参の赤はロワールのソミュール・シャンピニー。ビンテージは05年。飲んでみるといい具合に熟成入っています。赤い果実や紅茶に加えて、饐えた漬物系の香りが前面に出ています。ヴェジタルな要素はあまりなく、しっかりした味わいです。フランも熟成するとこういう味わいになるんですね。カオス01(ファットリア・レ・テラッツェ)磯子さんのこの南イタリアのワイン、すばらしいです!調べてみると、マルケ州でトレ・ヴィッキオーリを獲得したワイナリーとのことですね。年産わずか4000本だそうです。フルボディで果実味豊か。甘く熟したタンニンとはこういうことを言うのでしょうね。アルコール度も高く、堂々たる体躯。日ごろの私のテリトリーでは、まず飲むことのない銘柄ですが、こういう新たな発見があると嬉しくなります。シャルムシャンベルタン99(ジャンテ・パンシオ)私が持参したのは、イギリスから仕入れたジャンテ・パンシオ。現地直送モノということで、状態は心配してなかったのですが、グラスに注いで見ると、結構濁っています。控えめなスーボワ香。味わいは色調から感じられるとおり、ドロンとした印象が強いです。まあ、しっかり熟成ピノしてますが、99年のトップキュベにしてはなぁ、というのが率直な印象。もっとも、ジャンテ・パンシオって、どうも私が過大評価していたような節もあって、ある意味こんなものかなぁという気もするし、難しいところです。Ch.アンジェリュス90光弘さんにお持ちいただいたのは、アンジェリスの90年。この会で10年前に開けたものと同じ銘柄だそうです。今買うととてつもないお値段ですが、光弘さんはその昔7000円台で買われたとか‥。かなり熟成入っていますね。ドライフルーツ系の黒果実、ゆで小豆、皮革、スーボワなど。味わいは各要素が溶け込んで複雑。それでいていかめしさはなく豊満で柔らかなところは、さすが90年です。ここから寝かせてさらに上昇する感じはしませんが、この状態がこの先しばらく続くのではないでしょうか。10年前はどんな味わいだったんでしょうね。シャルムシャンベルタンがやや消化不良系ワインで申し訳なかったこともあり、予備に持ってきたワインを出させていただきました。って、予備によくこんなリスキーな銘柄を持参したよなぁと我ながら不思議。(笑)グリオットシャンベルタン04(シェゾー)ポンソがメタヤージュで作っている銘柄です。シェゾー名のポンソはあまり評判よくありませんが、一方で04年のポンソは周囲の評判がよいという、プラスマイナス相半ばするボトル。どんなものかという興味もありました。で、このポンソ、いつもの尺度でいうと、ホームランではありませんでしたが、ヒットか幸運な二塁打ぐらいかなと。最初は酸味勝ちでしたが、時間とともに果実のふくらみや旨みが出てきて、ポンソらしくなりました。各要素の質感が高く、熟成させるとよくなりそうです。最後は、お店から、グロフレールのマールまでいただいて(これがまた美味しかった)、もうベロベロ。終了したのは11時半ぐらいでしたっけ?いやあ、よく飲みました。それと、今回、とても印象に残ったのは、minobiさんの料理の美味しさ。私自身、オーグードゥジュール系に久しぶりに行ったということもありますが、今年伺った店の中でも屈指の印象に残る料理でした。遅刻せずにもっとゆっくり食べられていればなぁと、それだけが心残りです。いずれ再訪することにします‥。
2011年11月23日
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昨年初めて参加させていただいた、光弘さんや安師範、へんさんたちのワイン会。年に一度開催で、今年で12回目だそうです。そんな由緒正しい会に、私としたことが、大遅刻してしまいました。‥とはいえ、今回ばかりは不可抗力だったんです。18時半始まりなのに、当日になって17時半始まりの会議にどうしても出席しなければならなくなってしまったのです。仕方ないので、店には30分ぐらい遅れるとあらかじめ連絡しておいたのですが、会議の方は当初予定されていたの1時間では終わらず、結局散会となったのが19時過ぎ。さらに議事のメモをどうしてもその日のうちに関係者にメールしなければならず、会はとっくに始まっているのに、私はまだ職場でメールを書いているという最悪な展開‥。この日の会場は、三田の「ミノビ」さん。地図を見ると、最寄駅からそこそこ距離があるようなので、迷わずタクシーに飛び乗りました。これは我ながらよい判断だったと思うのですが、それでも、結局到着したのは19時40分を回ってしまいました。そんなわけで、まったくもって恐縮の至りだったのですが、みなさま暖かく迎えてくれたのは本当にありがたかったです。料理とワインについては、また次回以降のエントリーで。
2011年11月20日
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09年のブル、ここに来て財布の紐が緩みっぱなしで、かなり買い込んでしまい、深刻な金欠に陥っています。しばらくはおとなしくしていなければと思っています。ところで、何度か買い物をしたことのあるイギリスのブローカーから、ブルゴーニュの2010年ビンテージについての簡単なレポートが送られてきました。~裾モノや下位の村名クラスについては、09年の方が優れているが、グランクリュや単一畑などの上級キュベに関しては10年の方が上。~ブドウの長い生育期間と収穫量の少なさが、よい結果をもたらした。~08のフレッシュさ、09の凝縮感、02の果実感を思い出させるような味わい。~特にコートドニュイに関してはパーフェクトに近いVT。~白にも同様のことがいえる。ミネラリーで余韻長く、長熟のVT。~07年をレモン、08年プラム、09年パイナップルとすると、10年はグレープフルーツ、熟したシトラス~シャサーニュが出色。というようなことが書いてありました。まあ売り手側の評価ですからそこは多少差し引いて考える必要があるとはいえ、思いのほか良いみたいですね。95年みたいな感じでしょうか?
2011年11月09日
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上段と下段のどちらを選ぶかは好き好きでしょうね。下段だと作業の際、かがまなければならず、一番奥のほうへの出し入れは大変かもしれません。逆に上段は最上部の出し入れには脚立が必要になるのに加えて、過失でボトルやダンボールを落として割るリスクがあるといえばあります。入り口のそばがよいか、奥のほうがよいかも悩ましいところです。入り口近くの方がなにかとアクセスがよいし、二重扉なので温度の問題は気にしなくてもよさそうです。しかし、通路が広くないので、自分の作業中に奥のロッカーの人がワインの出し入れにやってきたりすると、そのたびにドアを閉めて道を譲らなければならなそうです。かといって、奥のほうを選んでも、隣のロッカーの人と作業が重なったりしてしまうと、これまた大変ですし‥。(混雑している温泉の脱衣場状態ですね。)悩んだ末、私は結局入り口のそばの上段のロッカーにしましたが、今にして思うと、下段のほうがよかったかな、と少しばかり悔やんでいます。(笑)もちろんロッカーごとに専用の鍵があります。中を開けるとこんな感じ。かなり奥行きがあります。ボトル二本縦に並べてもまだ余るぐらいです。区切り棚は可動式ですが、最大積載重量は50kgだそうです。これは少ないですね。ボトル50本程度しか載せられないことになります。こちらが、テラダさんが推奨するロッカー収納例だそうです。上の段にはボトルが裸で3ケースほど、下の段にはダンボールがおそらく10ケース入っているようです。「おそらく」と書いたのは、奥のほうをよく確認できなかったためでして、奥のダンボールは縦置きでびっちりおかれていたので、たぶん6箱入っているんじゃないかと想像した次第。(この部分、不確かです。気になる方は確認してください。)持参したボトル6本を置いてみました。ガランとしてますね‥。全部裸でボルドー積みにしていけば、相当な本数を収容できそうですが、奥底のボトルへのアクセスがはてしなく困難になりそうです。鍵とIDカードをもらって契約完了。実はこの日、事前に内覧だけとしか言ってなかったため、先方では契約の用意をしておらず、かなりバタバタさせてしまいました。この点申し訳なかったのですが、持参したボトルたちをまた持って帰るのも面倒なので、少し無理を言って、その場で契約手続きをしてもらいました。DMをもらった既利用者の場合、今なら契約後3ヶ月間は利用料が無料になります。ただし、これには制約があって、最低6ヶ月間継続利用しなければならないこと、ロッカー契約後の総額が契約前の上回ることが条件だそうです。私の場合、品川からダンボールを10ケースこちらに移管しようと考えていますが、ダンボールの保管費用は630×10=6300円、ロッカーは9450円/月なので、条件クリアとなりました。ということで、次回は冬場のどこかでリーファー車を予約して、品川に預けてあるダンボールをこちらに移動する予定です。まだしばらく置きっぱなしにしておく予定のボルドーや直近VTは品川に、ワイン会などの持参する可能性のあるボトルは新石川に、という割り振りにしようと思います。いずれにしても、本格稼動は年明けからですね。良いと思った点~家からのアクセスが楽。~料金が品川のトランクルームより若干安い。~キャンペーンを利用できれば3ヶ月無料。~自宅/品川/新石川とで、ある意味「リスク分散」になる。イマイチだと感じた点~駐車場の停めずらさ。~通路スペースが狭い。~仕切り棚の積載重量不足。
2011年11月01日
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寺田倉庫がロッカータイプのセラーを増設したというDMが届いたのは1ヶ月ほど前だったでしょうか。かれこれ10年近く寺田倉庫を利用してきましたが、ダンボール単位の預け入れだと、閲覧するにも前日に予約を入れないければならなかったり、毎回毎回閲覧室にダンボールを運んでもらったりと、機動性の面でやや問題ありでした。なので、この機会に預けているダンボールのうちいくつかをロッカータイプに変更しようかと思い立ちました。ところが、電話してみると、品川のトランクルームでは希望のサイズはすでに埋まってしまっているとのこと。それでいったんは諦めたのですが、友人のやまじさんが新石川のトランクルームを契約したというのを聞いて、私もそちらを考えてみようという気になりました。新石川のトランクルームは、たまプラザとあざみ野の駅の中間ぐらいのところにあります。品川のトランクルームに比べると、自宅からの距離がかなり遠くなるので、実際どの位時間がかかるのかが大きなポイントです。というわけで、先週の日曜日に内覧に行ってみました。遠いといっても、トランクルームはR246沿いにあるので、走りなれたR246をひたすら下るだけです。順調ならば三茶の私の家からの所要時間は30分強というところでしょうか。渋滞にはまるとどうにもならなくなるコワさはあるものの、少なくとも私が内覧に行った日曜日の午前中に関しては、行きも帰りもスムーズででした。道路状況次第では30分以内で到着可能な品川と比べてしまうと、少しばかり余計に時間がかかりますが、品川トランクルームへの往復の際、いつも感じている「山手通りを走る鬱陶しさ」から解放されるのはウレシイです。※山手通りって、始終そこかしこで工事をしているし、右車線を走っていると右折車で詰まるし、左車線を走ると停止車両に遮られるしで、ひどくストレスを感じるのは私だけでしょうか?(^^;トランクルームは「新石川」の交差点の手前にあります。あまり目立たないので、うっかりしていると通り過ぎてしまいます。駐車場は狭い上、かなり入れずらい。はっきり言ってしまえば、この点が新石川トランクルームの最大のネックのように思います。入り口は二重の自動ドアがあって、契約すると、暗証番号&カードをかざすことにより、24時間利用できるようになります。品川のような受付があるわけでもなく、質素な作りです。トランクルームに入るときには再度カードをかざします。セラーの入り口へはさらに二重の扉があります。扉が開くとロッカーが見えてきます。これがロッカー。高さ2mぐらいでしょうか。上下2段に分かれています。(つづく)
2011年10月31日
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京都の西村酒店さんといえば、愛好家の間ではよく知られた著名ショップ。http://nishimurasaketen.sakura.ne.jp/sb/sb.cgi?cid=1私もサイトをよく拝見していて、09プスドールの試飲会を行うなんていう記事をうらやましく読んだりしてたのですが、なんとそのプスドールの会が直前になってキャンセルが出たとのこと。定期的にブログを拝見しているまさぞうさん(http://ameblo.jp/masa7638/)の呟きで知りました。しかも開催場所が、私の地元三軒茶屋の名店「テズ」と聞いて、速攻で申し込ませていただきました。レストラン・テズhttp://r.tabelog.com/tokyo/A1317/A131706/13110133/「テズ」さんには前から行きたいと思っていたのですが、なかなか機会を持てず、今回が初めての訪問でした。15人も入れば一杯になりそうなこじんまりした店内は白基調の落ち着いた内装で、料理はどれもすばらしく、さすが人気店だけのことはあると思いました。西村さんの軽妙なトークで始まった会は、事前にまさぞうさんから聞いていたとおり、手酌でボトルを回して飲むスタイル。といっても、参加者のみなさん、きちんとわきまえていて、貴重な銘柄があっという間になくなってしまうなんていうことはありませんでした。(#私ばかり図々しくグビグビ注いでしまってお恥ずかしい限りです。)酒が進むと、みな席を移動したりして、だんだんと会場は賑やかに。私にとっては、初対面の方ばかりでしたが、まさぞうさんのブログでよくお名前(といってもハンドルネームですが)を拝見している方々や、ブログをよく拝見しているAkbeさんなどもいらしていて、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。ワインはプスドールだけでなく、参加者のみなさんが持ちこんだ差し入れなどもあって結構な本数になりました。私も最初のうちこそメモをとっていたものの、だんだんと酔いが回って、途中からそれもおろそかになってしまいました。以下、メモし忘れたものもありますが、とりあえず一行コメントです。まずは、プスドールから。ボンヌマール09スケール感あります。口の中で抑揚があり、表情豊か。ポテンシャルスゴイが、タンニンも多く時間かかりそう。シャンボールミュジニー・アムルーズ09端正でミネラリー。ひんやりとしたテクスチャー。シャンボールらしさが良く出てていいワインです。長熟タイプ。クロドラロッシュ09濃厚だがタンニン熟していてボンヌマールより柔らか。これもすばらしいが、上二つに比べるとやや方向性が見えないかな、まあ好みの問題ですが‥。シャンボールミュジニー・シャルム09やや還元的、赤と黒の中間位の果実味。ミネラル感に富みすばらしい。シャンボールミュジニー・グロセイユ09今の時点で開いていて飲みやすい。フローラルな香味。これもいいワイン。ヴォルネイ・クロ・ド・オーニャック09メモ取り忘れ。シャンボールミュジニー09これも今開いている。上位銘柄ほどのスケールや凝縮感はないが、バランスは大変良好。ヴォルネイ・ソワサントウヴレ作りに無理したところのない、ナチュラルな美味しさ。西村さん曰く「地に足ががついている」。言いえて妙です。その他、皆様の持ち込みなど、覚えている範囲で…ユベール・ドーヴェルニュ・ブリュット・マグナム西村さんから。豊かな芳香。爽やかで適度なコクもあってバランスのよい泡。ポマール94(プスドール)難しい年ですが綺麗に熟成してました。リキュール的な赤果実、スーボワ。ボーヌ ”クロ・ド・ラ・マラディエール90(コヴァール)蔵出しでしょうね。思ったより若々しく心地よい熟成古酒。ムルソー08(ミクルスキ)まさぞうさん、ゴメンナサイ。私、このボトル飲み損ねていました。シャブリ・レクロ02(ドーヴィサ)私の持ち込み。以前飲んだものより熟成進んで、ナッティなフレーバー。シャサーニュ・シェネボット05(アンリ・ボワイヨ)黄桃、ナッツ、キンモクセイ。酸丸く、肉付きのよい充実した果実味。ヴォーヌロマネ09(ユドロバイエ)初めて飲んだけれども、美味しいですね、コレ。自宅用に買いたくなりました。パッシート65(※生産者失念)ラベルボロボロ。色も茶色ですが、どっこい生きてます。枯れた甘みがすばらしい。#他にもあったような気がします。書き漏らしてるものがあったら、お知らせいただければ幸いです。プスドールの新アイテムは、どれもまだ還元的ながら、果実味豊かで構造がしっかりしており、長もちしそうでした。ボンヌマールやロッシュのスケール感も見事でしたが、アムルーズやシャルムのキリリとしたミネラル感がすばらしかったですね。ただ、各アイテムを飲んだあとで、ソワサントウヴレを飲むと、なんとなくホッとしてしまうのも事実。自分で1本買うとしたら、やはりヴォルネイの看板銘柄かなぁ‥。それと、意外に村名シャンボルが今開いていて美味しかったです。西村さんによると、これらの新しい畑(あるいはドメーヌごとなんでしょうか?)は近いうちにまた売りに出されてしまう可能性があるとのこと。そうなると、これらのアイテムも幻のコレクターズアイテムとなるかもしれませんね。★楽天で09プスドールを検索。★そんなこんなで、大変貴重な経験をさせていただきました。機会があれば、またぜひ参加させていただきたいと思います。
2011年10月24日
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ニュイサンジョルジュ・ラヴィエール99(ドメーヌ・ルロワ)私の持参ボトルですが、どうしても事前送付するタイミングが合わず、結局当日ハンドキャリーになってしまいました。というわけで機嫌を損ねていないか心配でしたが、思ったよりはよい状態で安心しました。赤と黒の中間ぐらいの果実、スパイス類、木質的なニュアンス、うっすらとスーボワ。飲んでみると、アロマチックで凝縮感のある豊かな果実はさすがルロワとい仕上がりです。豊かな構造もあって、もう少し先に開けた方ががさらによくなりそうな予感もあります。根底にあるタンニンがややザラつく感じがするのは、当日持ち込みのせいかもしれません。ニューサンジョルジュ・オーアロー96(ドメーヌ・ルロワ)同じNSG(畑は違いますが)の96ものということで、興味深く飲みましたが、99とは全然違いますね。香りがとにかくすばらしい。赤系果実はリキュールっぽくなっていて、下草系の香りやスパイス系と溶け合って、絡みつくような芳香を放ちます。味わいはこのVTらしく、酸が引っ張るバランスですが、決して酸っぱいというようなこともなく、調和のとれた余韻をもたらすのはさすがです。芳香の素晴らしさは本日の赤の中で一番でした。クロ・ヴージョ99(ドメーヌ・ルロワ)ルロワのクロヴジョは、立地があまりよくないと揶揄する人もいますが、マダムにかかるとそんな巷説は吹き飛んでしまいますね。上記ニ銘柄だけで十分すばらしいと満足していたのですが、こちらはさすがに果実味の厚み、凝縮度が数段上の印象。酸がタンニンがというレベルを超えた、球体のような酒質。口の中で転がすと、含み香が実に豊かで、波が押しては引くような抑揚と表情の変化が感じられます。有無を言わせないような説得力のあるワインです。★楽天でドメーヌ・ルロワを検索。★赤キャップの特級やドーヴネなんて、もう飲むことはないと半ば諦めていたのに、思いがけずお相伴に預かれて光栄です。なんだか「エビで鯛を釣る」ような形になってしまって、恐縮しています。それにしても、こういうスゴイ方々の集まりに交じると、正直「自分が持ち込むワインのタマがない‥」のがツライところですね~。(^^;hidepxさんに選んでいただいた「レストランキノシタ」は、元祖予約のとれないレストランとして有名な店。前に伺ったのは10年ぶりぐらいでしたが、相変わらず繁盛のご様子。塩の利いたしっかりした味付けの創造的な料理の数々を堪能させていただきましたし、ワインとのマリアージュもすばらしいものでした。
2011年10月18日
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かつては、ワイン会や試飲会のネタをいち早くアップするのが、当サイトのウリでしたが、どうも最近はスランプ気味です。日々更新するのすら青息吐息になっています。ま、長くやっているとこういう時期もあるんですけどね。というわけで、Charさんに遅れること1週間近くになりましたが、先週火曜日の会の感想です。この会では、前回お会いできなかったeaterさんに初めてお会いできた上、すばらしい銘柄のお相伴に預かることができました。この場を借りてお礼申し上げます。ドゥーツ・ブリュット90お店から。綺麗に熟成したドゥーツです。泡はまだしっかりしていて、蜜のようなやや甘いニュアンスを伴った果実がいい感じです。ムルソー・レ・ナルヴォー79(メゾン・ルロワ)のっけから79のムルソーです。繊細になっていますが、状態は良好。キャラメルやモカ、ヘーゼルナッツ系の長い年月を経たボトルでしか得られない素晴らしい熟成香が感じられます。飲んでみると、味わいはスマートでなめらか。スーッと入ってきて、ヒネた要素もなく、穏やかでナチュラルな広がりがあります。健全に長い年月を過ごしたであろうという滋味深い味わいでした。コルトンシャルルマーニュ94(メゾン・ルロワ)こちらも15年以上経過しているボトルですが、購入後ずっと動かさずに寝かせていたボトルとのことで、まだ若々しさすら感じます。こういうボトルを飲むと、やはり動かさないというのは熟成にとって重要なファクターだよなぁと実感しますね。強靭なミネラルと伸びやかな酸に支えられたクリーンで透明な果実感。時間とともに香りも豊かに立ち上ってきました。メゾンものは熟成させると素晴らしいですね。★メゾン・ルロワを楽天で検索。★ムルソー・レ・ナルヴォー04(ドーヴネ)ドーヴネといえば、以前は安価(だった)オークセイなどを中心によく飲んでましたが、価格の高騰により、ここ数年すっかり遠ざかっています。飲むのは本当に久しぶりでしたが、やはりすばらしいです。黄色い果実や金木犀、シナモン、バニラなどの爆発的な香り。口に含むと、粘性さえ感じるような凝縮された液体と、エッジの丸い、それでいてしっかりした酸とで、球体のような味わい。もちろんまだ若いし、熟成させるともっと複雑さが出てくるとは思いますが、今の時点でもすでにノックアウトものの香味です。★楽天でドーヴネを検索。★赤に続きます。
2011年10月17日
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同僚に誘われて、持ち寄りのワイン会に参加させていただきました。初めてお会いする方々ばかりだと、どんな銘柄をもっていったらよいのか、あるいはどのぐらいの相場のものを持参すべきなのか、など迷いますね。 "ル・レーヴェ" ブラン ド ブラン [2002] テタンジェが1987年にカリフォルニアに設立したワイナリーによるもの。美味しいですね。勢いのある細かい気泡。爽やかな香味とクリーミーなコクとが高い次元でバランスをとっています。モレ・サンドニ・モンリュイザン2008(ミシェル・マニヤン)珍しい銘柄ですが、飲んでみると実に上質なシャルドネです。パキパキのミネラル感。強靭な酸が引っ張る伸びやかな味わい。ピーターマイケル・シャルドネ2009上記のミシェル・マニヤンと好対照に、酸のエッジが丸く、なめらかな酒躯。果実味は豊富ですが、決してマッチョな感じはなく上品。若いながらもほんのりと熟成感も感じます。白桃系果実やフローラルな香りに品のよいバニラ香が絡む香りも素敵。ニュイ・サンジョルジュ・プリュリエ02(レシュノー)私が持参したもの。初めてご一緒する方々だったこともあり、手堅い線を選択しました。赤と黒の中間位の果実に紅茶やスパイス、それにスーボワがまざり始めています。柔らかく熟成して、フィニッシュもフワリとバランスよく、現時点で良い状態になっています。ヴォーヌロマネ2004(ルジェ)花畑やさまざまなスパイス想起させる華やかな香りはさすがルジェのVR。飲んでみると、果実味は繊細ながら、レシュノーよりタンニンが堅く、味わいに芯があります。04VTといっても現時点では少し早い印象。タンニンがもう少しこなれたころが飲み頃でしょうね。ジュブレシャンベルタン・クール・デ・ロワ01(デュガピ)これまた前二つとは好対照です。黒系果実やスパイス、鉄などに加えて動物や皮革系の熟成したニュアンスが加わる芳香。ベルベットのようなテクスチャーと濃厚で凝縮感のある果実味が素晴らしい。01のデュガピ、いいですね。まだ長く保ちそうです。Ch.ローザンガシー70良年の70年とはいえ、ローザンガシー。はたしてどうなのかと興味深く飲ませていただきました。ドライフルーツやアンズ、それに乾物屋の店先のような香り。味わいはやや老酒系のニュアンスも入っていますが、しっかり生きているのはさすがマーラベッセものです。ちなみにコルクはノンリコルクで、抜くのにかなり苦労されてました。持参ワインについては、あまり大仰なものを持っていって相手に気を使わせるのも悪いと思い、無難な線をチョイスしたつもりでしたが、2本持参していただいた方もいたりして、なんだか私だけ見劣りしていたような気もします。まぁ、持参したレシュノーが飲み頃で状態もよかったのがせめての救いでした。私の私のワイン人脈は、十数年続けているHPやネット上を通じての関係が主ですが、今回のワイン会は、今まで接点のない方ばかり。その方々がふだん参加しているワイン会もまったく私が存じない方ばかりのようで、マニアの世界って、狭い世界のように見えて、コアな愛好家の方々は、自分と接点のないところにも数多くいらっしゃるのだなぁと改めて実感しました。いやそれにしても、大変楽しかったですし、大いに刺激になりました。また機会があれば参加させていたきたいと思っています。
2011年10月09日
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奥野田ワイナリーさんでの訪問を終えて帰ろうとすると、カミサンがしきりに目配せをしてきます。どうやら、近所でランチの美味しい店を聞け、ということのようです(笑)。紹介していただいたのは、「竜」というフレンチダイニング。一見高そうな門構えですが、ランチは1200円からとお得。落ち着いた和風の内装やすばらしい中庭とあいまって、CPの高いすばらしい店だと思いました。塩山に行かれる際は立ち寄っては?(中の写真や料理の写真はすべて子どもたちが写りこんでいてアップできず。残念。)フレンチダイニング「竜」http://r.tabelog.com/yamanashi/A1901/A190104/19005304/奥野田さんのワインは通販でも買えますが、ワイナリーに行かないと入手できないのがこちらのコンフィチュール(ジャム)。自家製のカベルネとシャルドネから作られたものがあります。パンに塗ろうとするとビックリします。ほとんどが皮と種のような‥。ところがこれが美味しいのです。ステーキなどの肉料理に乗せても美味しいと言われましたが、その通りだと思います。今回はカベルネのコンフィチュールだけでしたが、次回訪問したら黒白両方買ってこようと思います。
2011年10月07日
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日曜日は朝の10時半からブドウ狩り。昼前には終了して、さてどうしようかということになり、ツイッターでお誘いいただいたBVC会長ほげちゃんがお勤めの「奥野田ワイナリー」にお邪魔することにしました。といっても、このあとクルマで東京まで帰らねばならないので、試飲はできないし、子どもたちが飽きてしまうだろうから、あまり長居もできません。ほんのご挨拶程度の訪問です。奥野田ワイナリーさんは塩山にあります。石和からは30分弱でしょうか。カーナビに住所を打ち込んで迷うこともなく到着しました。ワイナリーで飼っている犬たちと遊んでいると、ほげちゃんたちが社長たちとご一緒に戻ってきました。戻ってくるなり、すぐに作業開始。これって、破砕&搾汁用のタンクだよね??と思ったら、この時期はカベルネの醸し発酵に使っているとのこと。ちょうどMLF(マロラクティック発酵)がスタートするタイミングだそうです。忙しいときにすみません。私も少し覗かせてもらいましたが、上部の穴から炭酸ガスが吹き出ていました。どこかで見たことあるなぁと思ったら、中央葡萄酒さんで稼動しているものと同じもののようですね。中で風船のように膨らんでつぶすタイプだと記憶しています。ちなみにスイス製。この発酵タンクは、イタリア製のタンク自体が回るタイプだそうです。近代的ですね。瓶詰め機材。一階はこんな感じで醸造機材一式が置かれていました。二階に上がると可愛らしいログハウスのゲストルームがあります。ご当主の中村ご夫妻&BVC会長ほげちゃん。短時間でしたが、中村さんの情熱的な国産ワインや山梨のテロワールに関するお考えを聞かせていただき、大変参考&刺激になりました。ほげちゃんとは10年ぶりぐらいだと思いますが、相変わらずお若いですね。いい色に日焼けしてました。残念ながら試飲はできなかったので、代わりに赤白2本購入してきました。「料理通信」誌でゴーミヨ誌の編集長が誉めていた09桜沢シャルドネと自社農園収穫の09カベルネ&メルロ。少し休ませてから飲んでみようと思います。中村さんご夫妻、BVC会長ほげちゃん、お忙しい中、対応していただき、どうもありがとうございました。またあらためて訪問したいと思います。http://www.okunota.com/★奥野田さんの銘柄を楽天で検索。★
2011年10月06日
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週末のブドウ狩りの前後にワイナリーを見学してきました。といっても、今回は子供づれですから、本格的な見学や試飲をしたわけではありません。軽く立ち寄った程度です。土曜日は石和温泉の宿を予約していたので、笛吹川フルーツパークに行ったその足で、本坊酒造マルスワイナリーを見学することにしました。工場内は順路があって、勝手に見学することができます。団体だと説明員がつくようです。まずは売店横の階段を降ります。通路ぎわに樽熟庫があります。酒精強化ワインの壺(というのでしょうか?)もあり、結構古いビンテージがズラリと並んでいます。音声による説明も聞くことができます。階上に上がって、別棟に入ると発行槽などがあります。同じ棟内に瓶熟スペースもあります。ガラス越しにボトリングのラインを見学して終了。売店には試飲コーナーもあります。子供たちはブドウジュースを試飲(笑)。私は比較的高額銘柄の有料試飲のコーナーで、以下のボトルを飲んでみたのですが‥。ワイナリーめぐりの試飲のたびに思うのですが、ボトルが抜栓してから日にちが経過しているものが多いんですよねぇ。「抜栓のもっとも最近ものを‥」と頼んだのですが、それでもこのボトルも2~3日経過している感じでした。まあ新しいビンテージならどうということもないのかもしれませんが、この銘柄は05年ということで、それも災いしていたのかもしれません。ヘタっていなければ、かなり実力は高そうだったんですけどね。この日はこのあと石和の宿に直行。のんびり温泉三昧でした。
2011年10月04日
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今日は休暇をとっていました。午後、実家の母親の見舞いに行く予定があったので、午前中のうちに寺田倉庫に行くことにしました。震災後、さらなる地震と停電への恐怖から、自宅飲み用以外のボトルをほとんど寺田倉庫に預けた話は以前書きました。秋になってボチボチワイン会のお誘いが来るようになると、いかんせん持参できるワインがなくて参っています。とりあえず今日は6本ほど引き取ってきました。デュジャックの99ロッシュ、ルロワ99NSGラヴィエール、ヴォギュエ97ボンヌマール、ジョルジュミュニュレ01リュシュット、デュガピ99ラヴォーサンジャック、ルーミエ97レクラ。99あたりはまだ早いかな、と思いつつ‥。他にも引き取りたいボトルがあったのですが、今回は2ケース閲覧にとどめた関係でこれだけにしました。震災後のバタバタの中でかなりのボトルを預け入れたので、どれがどの箱に入っているかわからず、行方不明ボトルが多発しています‥。引き取ったボトルの代わりに預けてきたのは当面飲みそうにない09のボトルたち。クロヴジョ(ジェルベ)、エシェゾー(カシュー)、CMサンティエ(グロフィエ)、NSGプリュリエ(レシュノー)、GC村名(フーリエ)、NSGヴィーニュロンド(ジョルジュミュニュウレ)。引き取ったボトルたちに比べると小粒になった感は否めませんが、今後の購入は専ら自家消費用中心でいくことにしたので‥。冬場になったら、もう一~二回入れ替え作業をすることになりそうです。
2011年10月03日
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