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1冊ギリギリで間に合わず。。8月の読書メーター読んだ本の数:6読んだページ数:1490ナイス数:279博士の愛した数式 (新潮文庫)の感想新潮の100冊から。小川洋子さん初読み。映画になったころから興味はあったものの手に取らずにきた本です。早く手に取らなかったことを惜しむ気持ちもあるけれど、今だからこそこの本の良さがわかるのかもしれないとも思う。「私(家政婦さん)」「博士」「ルート」3人をつなぐ数字と阪神タイガース。このばらばらの要素がこんなに暖かく切なくじんわりとした温もりを感じる物語になるなんて。第一回本屋大賞もうなずけます。読んで良かったです。読了日:08月28日 著者:小川 洋子天盆 (中公文庫)の感想献本応募でこの本を知り、読んでみたくなりました。将棋に似た盤上遊戯「天盆」を制する者が国を動かすという架空の国での話。将棋が全く分からない私でも楽しめるか不安でしたが問題なく冒頭から楽しめました。幼いころから天盆にのめりこんでしまう凡天と彼を見守る家族との絆を軸に、「蓋」の国が抱えているゆがみや外敵の存在。試験ではないけれど科挙を思わせる天上戦までの道のり。貧しい平民の中でも底辺に近いところにいる凡天がそこへ登りつめるのは並大抵のことでないのですが先が気になりどんどん頁が進みました。読了日:08月23日 著者:王城 夕紀はかりきれない世界の単位の感想イラストに惹かれて購入。実際には量れないでしょうというものにまで単位があるのにはちょっとびっくり。そのものに言葉を与えるなら、単位も必要ということなのでしょうか。内容はともかくイラストはなんだか癒されます読了日:08月22日 著者:米澤 敬いとしいたべものの感想[図書館]エッセイはほとんど読まないのですが、イラストがすごく良くてつい手に取ってしまった本です。身近な食べ物をその思い出とともに綴られたエッセイとなんとも美味しそうなイラストで出てきた食べ物がついつい食べたくなってしまいます。メロンパンは私も初めて食べた時のことを思い出しました。同じようにびっくりしたのを覚えています。続編も文庫化されたようなので2冊そろえて手元に置いておきたいです。読了日:08月18日 著者:森下 典子モノレールねこ (文春文庫)の感想加納朋子さん初読み。モノレールねこというネーミングセンスが面白い。8編の短編はどれもなにかをなくしてしまった人が新たな絆を結んだり、絆に気づかされたりする物語ですが、ほっこりするだけでなくちょっぴりホラーっぽいのまであって読んでいて楽しかったです。そしてラストのザリガニ。ザリガニ視点の話も初ならそのザリガニにホロリとさせられるのも初体験。解説によると何度読んでも同じようになるのだそうな。ザリガニの威力恐るべし読了日:08月15日 著者:加納 朋子神酒クリニックで乾杯を (角川文庫)の感想前から気になっていたのですが、カドフェス対象商品だったので手に取りました。個性豊かなキャラクターと軽快な読み口でサクサクいけます。話の展開は読めてしまうところもあり、影で動いている人物はやはりのあの方だったのですが楽しく読めました。続編もあるようなので機会があれば読んでみようと思います。読了日:08月10日 著者:知念 実希人読書メーター
2017.09.01
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映画化されたころからいつかは読んでみたかった本何年もたってやようやく新潮文庫の100冊で入手しましたもっと早く読んでおけばよかったとも思うし、今だからこそ分かるのかもしれないとも思う暖かく、切なく、じんわりしみてくるような読んで良かったです【内容紹介】裏表紙より[ぼくの記憶は80分しかもたない] 博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていたー記憶力を失った博士にとって、私は常に”新しい”家政婦博士は”初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた数字が博士の言葉だったやがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わったあまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語以下感想です小川洋子さん初読みですもう何年も前の映画で結局観ることはなかったのですがこの映画の予告編を見てからいつか読んでみたいと思いつつも手に取らなかった本でした80分のビデオテープが上書きされてしまうように記憶がリセットされてしまう「博士」博士のお世話をするために雇われた「家政婦」の私阪神タイガースが大好きな10歳の私の息子「ルート」数学、阪神タイガース、江夏豊この一見ばらばらの要素がこんな物語になるなんて博士と私とルートの3人それぞれの愛情がとても暖かく、それでいてどうしようもなく切なく悲しい余韻の深い本でした
2017.08.29
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王城夕紀さん3冊目これは、かつてどこかにあった国での物語今残る、いかなる記にも残されてない国での物語そんな書き出しで始まるファンタジー12×12マスの盤上で争う将棋に似た遊戯「天盆」それを国戯とし、天盆を制した者たちが政を行う国「蓋」赤子のころに拾われ、13人兄弟の末っ子として育った主人公「凡天」将棋のことはさっぱり分からないのでおそるおそる読み始めたのですけどとても面白かったです【内容紹介】裏表紙より「誰かのために戦う奴に勝てるわけがない」蓋の国を動かすのは、盤戯「天盆」を制した者。人々は立身を目指し研鑽に励むが、長い間、平民から征陣者は出ていない。そんな中、貧しい十三人きょうだいの末子・凡天が激戦を勝ち進み・・・少年が歴史に挑むとき、国の運命もまた動き始める。圧倒的疾走感で描き出す放熱ファンタジー以下感想この本を知ったのは読書メーターでの献本応募案内でした。「青の数学」の作者さんの作品ということで気になっていました。この本がデビュー作だったんですね。天盆で勝ち進んだものが中央に登用されるという制度は学科試験ではないものの中国の科挙を思わせるもので、世界観もちょっと中華的な雰囲気を感じます。主人公の凡天が妨害にあいながらも天盆で勝ち進んでいくところも良かったですが凡天の家族の絆があってこその物語だと思います。ラストはちょっと予想外の結末に終わったのですが、この終わり方もありかなと思いました。
2017.08.26
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続編の「こいしいたべもの」を書店で見かけたのがきっかけですエッセイにはほとんど手をださないのですが思わず手に取ってしまった美味しそうなイラストこちらは書店になかったので図書館で借りて読んだのですが3店回って文庫を購入してしまいました。オムライス、さっぽろ一番味噌ラーメン、カステラ、カレー、水羊羹などなど身近な食べ物のことが素敵なイラストつきで綴られています。エッセイというものに対する苦手意識がちょっと変わりました。【内容紹介】文庫裏表紙よりできたてオムライスにケチャップをかける鮮やかな一瞬、あつあつの鯛焼きの香ばしい香り・・・ひと口食べた瞬間、心の片隅に眠っていた懐かしい思い出が蘇るーだれもが覚えのある体験を、ユーモアに満ちた視点と、心あたたまる絵でお届けする、23品のおいしいエッセイ集。可笑しくて、ちょっと泣ける、味の記憶を召し上がれ。食いしん坊さんにはお勧めかも(笑)もちろん「こいしいたべもの」も購入済みです
2017.08.25
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加納朋子さん初読みです表題作含む8編の「絆」がテーマの短編集【内容紹介】裏表紙より小学生のぼくは、ねこの首輪にはさんだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日、ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えたが・・・・表題作の「モノレールねこ」ほか、ザリガニの俺が、家族を見守る「バルタン最期の日」など、日常にさりげなく現れる、大切な人との絆を描いた8編。以下感想です ネタバレ注意加納朋子さん初読みです。「モノレールねこ」とは何だろうとタイトルで気になっていたのですがこのモノレールねこという表現がすごく面白かった不細工でどっぷり太った猫が塀に乗っていると余分なお肉が垂れてまるでモノレールのようだというんですどんなネコなんだかと思いつつも、なんとなく想像出来ちゃいそうで思わず笑ってしまいました。野良猫だと捕獲されてしまうからと機転を利かせて赤い首輪をつけてあげた「タカキ」とその首輪に短いメッセージを挟み込み交流する主人公「サトル」との話の表題作家族を突然の事故で亡くし、保護者になったのはダメで愚かで情けない父親の弟との絆を描いた「マイフーリッシュアンクル」ダメ父と息子の「ポトスの樹」も良かったのですけどやはりザリガニが主人公という異色の「バルタン最期の日」が一番良かったですまさかザリガニにこんなに共感させられるとは(笑)初読み作家さんでしたが他の作品も読んでみたいと思いました
2017.08.24
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夏になると展開される出版社のキャンペーンカドフェス対象作品の中に前から気になっていたこの本が入っていたのでおまけのブックカバー欲しさに購入しました【内容紹介】医療事故で働き場所を失ってしまった外科医の九十九勝己は、知人の勧めで「神酒クリニック」で働くことに。そこでは院長の神酒章一郎を初め、腕は立つが曲者の医師達が、世間に知られることなくVIPの治療を行っていた。彼らに振り回されつつも、新しい職場に慣れていく勝己。しかし神酒クリニックには彼が知らない裏の顔が。秘密のクリニックで勝己が請け負う「仕事」とは!? 以下感想です個性派すぎる医師たちが贈るメディカル・エンタメミステリとあったんですが本当にそんな感じでした。ストーリーの展開も良く、冒頭に主人公が医療ミスを起こした事例の回想があるんですがそれがいかにも思わせぶりでこの件がいつ関わってくるのかとちょっと期待しながら読んでました。キャラクターも個性的ですし、天久鷹央シリーズともリンクするのでちょっと嬉しかったですミステリとしてはそれほどひねった展開ではないですがラノベと医療ミステリが合体したような感じで面白かったです。続編もあるようなのでそのうち追いかけていきたいと思います。なんかアニメかドラマにできそうな話でした
2017.08.11
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好きなのにあまり読まないジャンルなのがファンタジー架空世界が舞台となるハイ・ファンタジーとなると地名や人物名など情報量についていけず十分楽しめないこともあるんですが・・・この本はなぜかすっと物語に入っていけたので即購入を決めました【内容紹介】裏表紙より右手に月石、左手に黒曜石、口の中に真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。呪われた大魔道師アンジストに目の前で育ての親を殺されたことで、彼の人生は一変する。宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操るの修行をつむが・・・・。以下感想です さらなるネタバレ注意読書メーターで相性の良い読者さんが読んでいる本の一覧で知りました。タイトルに惹かれたのですが、実際に本の装丁まで見たら欲しくなってしまいお買い上げしてしまいました(笑)育ての親と幼馴染の少女を目の前で殺され、復讐心のみにとらわれ闇に染まってしまったカリュドウカリュドウは復讐するための力をつけるため隣国へ夜の写本師を目指すまでの物語は一気に読んでしまいました。そこから復讐譚が始まるのかとおもいきや、初めの謎へ戻りますそもそもなぜカリュドウは3つの品をもって生まれてきたのか。月石、黒曜石、真珠に象徴される力の持ち主だった3人の魔女たちの運命ともはや呪いともいえる輪廻復讐をとげ、カリュドウはこの環を断ち切ることができるのか時代が前後するあたりでちょっとてこずりましたが壮大なストーリーで最後まで読ませてくれました。獣を操る魔法、人形を用いる呪法、闇を用いる呪法、本を利用する魔法(この魔法も面白かった)おもにこの四種類の魔法が出てくるがカリュドウが最終的に目指したのは書いたものそのものが力をもつ、その技を継承する「夜の写本師」だった。カリュドウの運命に大きくかかわる「月の書」を探すのにも役立つ職業そして羊皮紙や木片などに書きつけたものそのものが力をもつなんてお札とかもつかう陰陽師のようそして輪廻転生。異世界のファンタジー、魔法世界でありながらどこか日本的な要素がちりばめられているところが世界に入り込みやすかった一因かもしれないですシリーズ物のようなので別の作品も読んでみたいです
2017.08.01
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[図書館]1年くらいを覚悟していたんですが、思ったより早く順番回ってきました。507頁(508頁はめくらないことを強く勧めます!)2段組みなのでちょっと最初はひるみましたが、すっと話に入っていけたので読みやすかったです本屋大賞と直木賞のW受賞作【内容紹介】帯より3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」というジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンで妻子もおりコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ・アナトール19歳。彼らをはじめとした数多の天才たちが繰り広げる競争(コンペティション)という名の自らとの闘い。第1次から第3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのはだれなのか?以下感想です表紙を開けてすぐに飛び込んでくるのはユウジ・フォン=ホフマン氏からカザマ・ジンを推薦する推薦状この推薦状があることで無名の風間塵は書類選考で落ちたもののパリでオーディションを受け第1次予選に上がってくるとっかかりからガツンと引き込まれます。視点は塵だけでなく明石や亜夜、マサル、審査員やステマネ側にまで代わっていくのですけど煩わしさを感じさせることはありませんでした。彼らそれぞれがピアノ(音楽)とどのように向き合っているのか、それを知る読者であるのに、コンクールを聴きに来ている観客として物語の中に入り込んでいるようなそんな気持ちで読んでいました。作中の音楽はあえて聴かずに読んでいたのですがなぜか音が聞こえてくるような、本当にホールで共有しているようなそんな本でしたですので長いコンクールの最後のほうはちょっと疲れを感じるくらいでしたが良かったですただ初めにも書きましたが最後のほうの頁はうっかりめくってしまわないように注意です再読ならともかく初めて読むときは結果が分かってしまうと楽しさ半減ですものねぺろっと行きやすいので気をつけたほうがよいと思います。
2017.07.23
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NHKのドラマ10で映像化され昨日は4話でした1話の再放送がきっかけで原作にも興味をもち文庫購入しました重松 清さん初めて読みます【内容紹介】裏表紙より馴染んだ毛布とともに、2泊3日だけ我が家に「ブランケット・キャット」がやって来る。父親がリストラされた家族、いじめに直面した息子と両親、25歳のフリーターと派遣社員の彼女ーーー。「明日」が揺らいだ人たちに、猫が贈る温もりと小さな7つの光。以下感想です子供のころから慣れ親しんだ毛布と寝床のバスケット。それがあれば落ち着いて眠れるけれど、環境の変化はやはりストレスになるので2泊3日だけ。その期間だけとはいえ猫が家族の一員として迎えられる。もともとのお話はレンタルキャットだったんですね。色々な物を抱えた人と猫との7編の短編。ドラマも原作もそうですが猫は何をしているわけでもないんです。2泊3日の間だけ家族の一員として過ごしてくれるだけ。でもやっぱり猫が新しい道を、前を見る勇気を運んでくれてきたような気がします。介護やいじめ、リストラや不妊など暗く重いものを含んでいるのですがつらいことばかりではないよ、また前を向いて歩けるよと言ってくれているような優しいお話でした。重松さんの作品はこれが初めてだったのですが他の作品も読んでみたいと思いました。
2017.07.15
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活版印刷三日月堂 海からの手紙の「ちょうちょうの朗読会」で取り上げられていたので興味を持って借りてきました小学校の国語の教科書やK○M○Nの教材としても使われているそうなのですがすでに記憶になく新鮮な気持ちで読みました空色の車を町で見かけたらきっとそれは松井さんのタクシーです。手を挙げて車の座席に座ったら「お客さん、どちらまで?」それがふしぎな旅のはじまりです。タイトルにもなっている「白いぼうし」を含む8編のお話からなる童話ですよみきかせられていたら子供はすぐにお話を覚えてしまうようなちょっと不思議なファンタジーぽいお話ですほんわかした心温まる雰囲気の底辺にはしっかり自然破壊や戦争のことが盛り込まれています重たいテーマが内包されているのに話が重くならず、他の話も読んでみたく思わせる読後感がすごいなと思いました。かなり前の作品なので松井さんがやたらタバコを吸うシーンがあるのが時代を感じましたいまなら子供向けの作品でもプカプカあまりしなさそうですよね
2017.07.11
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2017年本屋大賞にランクインした本NHKで放送されていたドラマが良かったので(1話は見逃しましたが)単行本を思い切って購入しましたドラマの放送終了してから読み始めたので多部未華子さんの声が脳内で再生されてしまいましたが買って良かったと思える1冊でした【内容紹介】BOOKデータベースよりラブレター、絶縁状、天国からの手紙・・・。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします。以下感想です ネタバレ注意たまたま深夜に2話の再放送をしていて興味をもったドラマ「ツバキ文具店」2年ほど前からペン習字を始めたので初めは字のほうが気になっていました主人公鳩子が代書で書く文字は、ワープロのフォントやお習字のお手本のようないわゆる美しい字ではなく依頼者その人になり代わって書く字ですお金を貸すことはできないと断る書状を書くときにはきっぱりとした意思を表すように枠からはみ出さんばかりの字でご主人からの届かない手紙を待ち続ける老婦人のためのラブレターは左手で長年付き合いのあった友人との絶縁状には複雑な想いを乗せるため鏡文字で手書きにこだわらず活版印刷もつかってその人の想いを伝える言葉を綴り、紙や筆記具、インクの色までこだわって書きあげた手紙は本の中に掲載されているのでよりリアルにまるで自分が受取人になったような気になります。先代である祖母との確執に悩みながらも鎌倉で一人代書の仕事に向き合う日々が鳩子の日常とともにおだやかに綴られています鳩子は先代と直接向き合うことは最後まで出来なかったのですが手紙を書くということで先代と語ることが出来て良かったと思います本の冒頭に鎌倉のイラストマップが載っていて実際に本の中で鳩子が訪れたりしているのでそういった意味でも楽しめます鎌倉に行きたくなりました。
2017.07.04
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日曜日に箕面体験プログラムなるものから二つ参加してみました まずは「箕面の柚子を使った化粧水作り」 材料は 柚子1個に 日本酒(発酵アルコールを含まないもの)180cc グリセリン20cc メープルシロップ(ハチミツでもOK)大さじ1~1.5杯 材料全部入れて混ぜれば完成 柚子は種にも有効成分たっぷりなんで果汁だけでなく皮も種も全部入れてしまいます。保管は冷蔵庫へ ちょっとべとつく感じですが朝洗顔したときしっとりモチモチでした‼ お次は滝道の土産物屋さんで 「もみじの天ぷら揚げ」体験 エプロン持参です。 暑い日だったので汗だくになりましたがお店のおじさんもいい人で楽しかったです。 20枚挙げさせてもらってお持ち帰り出来ます。 パリパリのかりん糖みたいな感じで美味しかった(*^^*)
2017.07.03
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読メでもダ・ヴィンチでも紹介されていた本。他からもお勧めされていたので本は早くから入手していたのですがようやく積み本から救出できました。ミステリ要素の入ったフィクションではありますが、聴覚にハンデを持った方たちの抱える様々な問題点などを含んだ社会的な話として読みました。【内容紹介】裏表紙より仕事と結婚に失敗した中年男・荒井尚人。今の恋人にも半ば心を閉ざしているが、やがて唯一の技能を活かして手話通訳士となる。ろう者の法廷通訳を務めていたら若いボランティア女性が接近してきた。現在と過去、二つの事件の謎が交錯を始め・・・・。マイノリティーの静かな叫びが胸を打つ。衝撃のラスト!以下感想です。この本を知るきっかけになったのは有川浩さんの「レインツリーの国」の読メの感想欄でした私は「レインツリー」を自分のコンプレックスとの戦いとして読んだのですがヒロインが難聴の障害を持っていたこともあり聴覚障害にたいして興味を抱いた読者さんも多かったのですその方のお一人がお勧めしていたのが「デフ・ヴォイス」でした。この本を読むまで手話に「日本手話」と[日本語対応手話」の2種類があること生まれつき音を聞くことが出来ない者と途中から聴こえなくなってしまった者・難聴者との間に深い溝があることなど知らないことがたくさんありました。生まれついてのろう者である両親から生まれ、家族の中でただ一人の「聴こえる」子であった荒井は健聴者からもろう者からも仲間として受け入れてもらえない自分の立ち位置はどこになるのか分からない状態で生きてきた以前の仕事場でかつて関わった事件と今回通訳として関わった事件が徐々に重なり合ってきてそれとともに荒井の心情も変わってくるのが伝わってきてとても良かったです。
2017.06.27
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第23回電撃小説大賞の大賞受賞作だそうです。印象的な表紙で衝動買いしたものの積んでいた本ですが「君の膵臓をたべたい」とよく似ているとの声が読書メーターで多かったので発掘。設定は似ています どちらも生きていくことの大切さを気付かせてくれますでも受ける印象は全然ちがいました。こちらはメディアワークス文庫なので完全にラノベの棚にありますが「君の膵臓」を読んだ方は読み比べてみると面白いかもしれません【内容紹介】裏表紙より大切な人の死から、どこかなげやりにいきてる僕。高校生になった僕のクラスには、「発光病」で入院したままの少女がいた。月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、死期が近づくとその光は強くなるらしい。彼女の名は渡良瀬まみず。余命わずかな彼女に、死ぬまでにしたいことがあると知り・・・「それ、僕に手伝わせてくれないかな?」「本当に?」この約束から、止まっていた僕の時間が再び動きはじめた。今を生きるすべての人に届けたい最高のラブストーリー。以下さらにネタバレ注意設定が似通っているのでつい「君の膵臓~」と比べてしまいますが・・・こちらは小説世界の中に「死」の気配を感じさせます。主人公岡田卓也は姉の事故死をきっかけにどこか投げやりに、現実に地をつけていないような不安定さを抱えて生きている。母親もそれを感じているのか、異常なほど干渉してくる中高一貫校に通っている主人公は高校に進級したクラスに「発光病」にかかって長期入院している生徒がいることを知るその時は関わり合いになるつもりもなかったが同じくクラスメートの香山彰に頼まれて彼女、渡良瀬まみずのもとを訪ねることになる姉の死をきっかけに「生きる」ということに不安定さを抱えている主人公余命宣告された期間を過ぎてしまい、余命ゼロだという渡良瀬まみず「死」にちかいところにいてる二人だけれど残されてしまった者と残して逝かなければならない者立っている場所が全く違うまみずのエンディングノートを卓也がかわりに実現させていくことで二人の意識が変わってくる病院での夜のシーンまみずが残したICレコーダー外で読んでいたらヤバかったかも
2017.06.24
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[図書館より]書店で見かけてすぐに帯につられて予約かけました犬養刑事、御子柴弁護士が登場するとなると読んでみたくなるではないですか読み始めたら一気にいってしまったので読みやすい本でしたが、これはミステリなのかスポ根ヒューマンドラマとしてみるのかもしかしたら好き嫌いが分かれてしまうかもしれないですね双葉社70周年記念刊行作品らしいです【内容紹介】帯より陸上200mでオリンピックを狙うアスリート・市ノ瀬沙良を悲劇が襲った。交通事故に巻き込まれ、左足を切断したのだ。加害者である相楽泰輔は幼馴染であり、沙良は憎悪とやりきれなさでもがき苦しむ。ところが、泰輔は何者かに殺害され、5000万円もの保険金が支払われた。動機を持つ沙良には犯行が不可能であり、捜査にあたる警視庁の犬養刑事は頭を抱える。事件の陰には悪名高い御子柴弁護士の姿がちらつくがーーー以下感想 本文の引用ありどんでん返しがお得意の中山七里さんですが今回は御子柴弁護士が関わっていることと沙良のあまりの金周りの良さとタイミングで(だから沙良も実行不可能なのに容疑者に入ってしまったんですけど)トリックはともかく事件のほうの顛末はだいたい想像とかけ離れてはいなかったのでどんでん返し感はあまり感じず、ミステリとしてはやや弱かったように感じました。ただ、今回取り上げられている障害者スポーツの世界を通して語られている障害者(この言い方好きじゃないのですが)が抱えていく問題のほうを取り上げてみていくと色々考えさせられる作品でもありました。P230「たとえ片足を失おうとも、鍛練と科学技術で過去の自分を超越することができる。あなたは世界にそれを証明してみせるんです。」「たとえば僕なんてこれ(眼鏡)がなければ日常生活にも事欠くありさまですけど、自分では大した障害だと思っていません。それと一緒ですよ。もしも生体と同等の能力を発揮できる義足がリーズナブルな価格で提供されるようになれば、四肢を失った患者も眼鏡を使用する感覚で日常生活を謳歌できるようになる」これは極端だとは思いますがハンディを負っている人はもちろん手助けが必要だとおもいますですがハンディ=弱者ではないのだというこの人物のせりふにはある種の共感を受けました。犬養&御子柴ファンの人はラスト近くの二人の対決が楽しいかもしれませんね
2017.06.20
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[図書館] お気に入りのシリーズです3巻の終わり方がどうにも気になるのですぐに予約かけましたが数か月たってしまい最後の事件ってどんなだったかちょっと忘れていました(読んでいるうちに思い出しましたが)【内容紹介】裏表紙より雪弥が花月香房と香乃の前から姿を消した。バイトも辞め、連絡も取れなくなってしまったのだ。真意を知りたい香乃だが、積極的に動くこともできず落ち込んでいた。友人たちによると、雪弥は顔色も悪く、思いつめている様子だという。それを知り、戻ってきてもらうために行動しようと決意した香乃は、原因は雪弥が過去に起こした事件によるものだと知って・・・・?今回は雪弥過去編とでもいうのでしょうか香乃ちゃん側の事情は1巻から明らかになっていますし、前巻で香乃ちゃんは家族とのこだわりに向き合うことができましたから今度は雪弥サイドなんでしょうね。雪弥の複雑な生い立ちも今までに明かされてはきていたのですが今回明らかになるのは子供のころに雪弥が花月香房に来なくなってしまったその原因にもなった事件です。香乃ちゃんは自分が昔引き起こしたことがトラウマになっていて人のテリトリー内に踏み込むことにつよいためらいを感じる子です。その彼女がいろんな人から雪弥の様子を聞きいてもたってもいられず動きだします。おそらく準備を整えていたとはいえ最大級に苦手であろう雪弥の伯父の和馬さんに突撃かますなど今までの香乃ちゃんでは考えられない行動力です。雪弥と香乃は共依存のようにも見えるのでどこか危うくも感じていたのですがふたりとも少し変わることができたのかな?あと1冊でシリーズ完結らしいのでちょっとさびしいですもちろん予約かけました。いちおうこのシリーズは香りミステリなので事件も起きていたんですけど(スターアニスが関わる事件でした)今回はミステリより香乃&雪弥が気になって謎解きうっちゃってました(もともとミステリ的には難しくないシリーズなのもあります)
2017.06.17
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2016年本屋大賞の2位の作品タイトルが強烈なのに表紙がそれに似合わぬ優しいイラスト初め全然想像もつかなかったです。そして最近まであらすじのチェックすらしてませんでしたベストセラーなんでたいていどこに行っても平積みされていましたけどどうしても手がでず。。映画化されるので予告編が本屋でも流れ出し、文庫化されたのを機に入手しました今この時に読むことを選択していたのかもしれないですね帯のあおりではないですけど、読み終えたときにこのタイトルの意味が深くしみ込んでくるそんな本でした裏表紙からの内容紹介は今回は省略します主人公二人のやりとりが多いためちょっとラノベや携帯小説っぽいところがあり読みづらく感じる人もいるみたいですね。私は小気味よく交わされる会話が楽しかったのであまり気になりませんでしたが
2017.06.15
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ビブリア古書堂シリーズの本編最終巻実写&アニメで映画化されるんですねドラマが良かったので期待しちゃいます【内容紹介】裏表紙よりビブリア古書堂に迫る影。太宰自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していくー奇妙な円に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった・・・。人から人へと受け継がれる古書と、脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きの時が訪れる。6巻から大分経過していたので人物相関図がかなりありがたかったです太宰に戻ってきたあとこの後どうなるのかと思っていたら今度は戯曲の古書シェイクスピアのファースト・フォリオとファクシミリですはっきり言って私も大輔くんと同じでまったく初めて聞く言葉ですので当時の印刷事情やらなにやらも含め栞子さんの講座も楽しく読ませていただきましたその分ちょっと事件のほうが若干強引に片付いてしまった感があるのが少々残念です栞子さんのお母さんの失踪にも関わることなのにあっさり終わってしまったのであまり本編の内容が残らなかった感じです私自身かなり忙しい時にわーっと読んでしまったので再読したならまた印象が変わるかもしれません終わり方は番外編やスピンオフをにおわせる感じでしたからまた新しい話でこの世界に触れることもありそうです
2017.06.13
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6月3日はお仕事関係、4日はオケの定期演奏会とダブルでイベント抱えていたので4月くらいからけっこう余裕がなくなっていました先月など1冊も読了した本がないなんて・・・いつまでたっても弾けないところが多く残っていて心配事が多かった演奏会ですがギリギリまで頑張って練習したのでとりあえず今の自分の一番は出せていたと思います途中くじけそうになったりもしたんですけどとりあえず無事終了して良かったです聴きに来て下さったお友達が画像を送ってくれましたメインのドヴォルザークのチェロ協奏曲の時ですねもう本当にチェロが素敵で、自分が二人いたら客席でも聴けるのにと思う反面こんな素敵な演奏と一緒に参加できるという楽しさも捨てがたく難しい曲で大変だったんですけど頑張って良かったです早速昨日図書館から予約本入荷の連絡がきたので明日からまた読書も復活します
2017.06.06
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平積みになっていた表紙とタイトルで購入した本読メで読んでいる人多かった気がして帯もあらすじも見ずに読み始めたのですが予想よりずっと重たいテーマでした【内容紹介】あなたの余命は半年ですーある病院で医者・桐子は患者にそう告げた死神と呼ばれる彼は「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説くだが、副院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」をあきらめない対立する二人が限られた時間の中で挑む戦いの結末とは?究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか?それぞれの生き様を通して描かれる、眩いほどの人生の光息をのむ衝撃と感動の医療ドラマ命あるものである以上誰しも最後は「死」と向き合わなければならないあたりまえだけれどどこか自分とはまだ遠くかけ離れたところのことのように思うがもし、自分や家族、親しい人がどんなに手を尽くしたとしても命をつなぐことが困難だと言われたら命の刻限をつきつけられてしまったらそのとき自分は決断することができるのか自分と家族の考えがちがったとして自分を保つことができるのか余命宣告をうけた患者の生き様が患者本人、家族、医者それぞれの目線で語られていきます家族はもちろん大切な人が、出来るだけ長く生きてほしいと思うでもその命は患者さんのもので治療の苦しみも病気の苦しさも代わってあげることはできないまして命をつなぐためにごく普通の生活が失われることのほうが多い点滴や人工呼吸器につながれ場合によっては食事もチューブからになっても最後まで病と闘うのかたとえ寿命を犠牲にしても自分らしく生きるのか「生」のために戦うのも「死」を認めて日々充実するべく過ごすのもどちらも間違っているわけではない正解のない究極の問いに私も一緒に考えさせられました
2017.04.28
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ミステリが続いたのでほっこりする話が読みたくて積んでいた本から拾い上げました【内容紹介】裏表紙より小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる店主の弓子が活字を拾い、丁寧に刷り上げるのは誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い・・・・・活字と言葉の暖か身に優しい涙が流れる、大好評シリーズ第二弾!前作のお話からも少しリンクしたところから始まっていますが活版印刷が心をつなぐ連作短編集の2巻目です今回は1話目からウルッとさせられてしまいましたが4編とも良かったです短編集なのでどこから読んでも大丈夫ですが流れがあるので前作からのほうがお勧めかなとは思います一番初めの「ちょうちょうの朗読会」のなかにあったあまんきみこさんの「車のいろは空のいろ」という童話二番目の「あわゆきのあと」に出てくるファースト名刺に興味が出ましたもちろん表題作の「海からの手紙」も4番目の「我らの西部劇」も良かったですちょっと疲れてしまったときに少し優しい話が読みたい時にお勧めしたい本です
2017.04.22
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文庫化を待てずに図書館から借りてきましたが来月あたり文庫発売になるんですね(画像リンクさせようとして気付きました)ドビュッシー、ラフマニノフ、ショパンにつづき今度はベートーヴェン岬洋介の最初の事件です【内容紹介】裏表紙よりニュースでかつての級友・岬洋介の名を聞いた鷹村亮は、高校時代に起きた殺人事件のことを思い出す。岐阜県立加茂北高校音楽科の面々は九月に行われる発表会に向け、夏休みも行内での練習に励んでいた。しかし、豪雨によって土砂崩れが発生し、一同は校内に閉じ込められてしまう。そんななか、校舎を抜け出したクラスの問題児・岩倉が何者かに殺害された。警察に疑いをかけられた岬は、素人探偵さながら、自らの嫌疑を晴らすため独自に調査を開始する。今思えば文庫化が決まっていたから図書館の予約リレーが一段落ついていたんですね思っていたよりも順番が早く来たので期限ぎりぎりまで図書館で待機させてしまいました今回は前作ショパンコンクールでの岬のニュースをこの本の語り手である鷹村亮が見て昔の事件を回想していくという形でお話が進んでいきます当事者とはいえ回想だからなのかちょっと苦戦しつつも岬の高校時代、まだあの爆弾を抱えていない頃を垣間見れます事件が起きるまでちょっと学校で起きているゴタゴタがつらく読みにくかったのですがその後はサクサクと読み進めることができましたミステリ的には犯人はすぐに読者にも分かる状態で書かれているので岬がどのようにして自分と担任にかけられた疑いを晴らしていくのか事件に隠された裏側に何があったのかそういったものが明かされていくのを読んでいく感じでした岬について書かれたこの本に選ばれた音楽家が「ベートーヴェン」なのは納得ですどんでん返しになるのかどうかラスト一文には 「そうきますか」と思わず言ってしまいました(笑)そして最後の最期に書かれた続編の仮タイトル・・・期待してますよ~そういえば文庫には書き下ろしが付いているそうな発売されたら買って再読ですね
2017.04.14
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本を読むのにこれだけ力が必要だったのは初めてかもしれません文字を追っても追ってもなかなかページが進まずなんどか挫折しかけましたがようやく読了しました上巻426P、下巻443Pの長編です【Bookデータベースからの内容情報】人質は350万キロリットルのビールだーー業界のガリバー日本麦酒を狙った未曾有の企業テロはなぜ起こったか。男たちを呑み込む闇社会の凄絶な営みと暴力を描いていま、人間存在の深淵を覗く、前人未到の物語が始まるーきっかけは「罪の声」を読んで、同じくグリ森事件がモデルになったと言われるこの本を思い出したからもともと母親が高村薫にはまっていた時期があってレディ・ジョーカーの単行本が我が家に眠っているのを知っていたというのもありますそんな軽い気持ちで手に取ってみたのですがこちらもとんでもなかったです戦後大きくなっていった企業の抱える闇そこを突くようにすり寄る闇社会。そして政治家それを暴こうとする記者たちや警察や検察その闇の一端に巻き込まれ犠牲になっているのはやはり立場が弱い者それぞれの立場や思惑が入り混じりドロドロが自分に迫ってくるようでなかなかページが進みませんでした(もちろん株などの経済面でついてけなかった部分もありますが)「罪の声」が事件に利用された子供たちに視点を当てた作品であるのに対し「レディ・ジョーカー」は事件の闇にせまるような作品でしたこの本に出てくる合田刑事は他の高村作品にも登場しているようなので気力があるときにまた探してみたいです
2017.04.06
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図書館から「玉依姫」を借りてきたときに書架に2冊戻ってきていたのでつい一緒に借りてきてしまった一冊(読みかけの本があるというのに)御子柴シリーズの3作目御子柴さん、中山作品のなかでも1,2で好きな人物かも【内容紹介】韓国船が沈没し、251名が亡くなった。その事故で女性から救命胴衣を奪った日本人男性が暴行罪で裁判となったが、刑法の「緊急避難」が適用され無罪となった。一方、医療少年院時代の恩師・稲見が殺人容疑で逮捕されたため、御子柴は弁護人に名乗り出る。稲見は本当に殺人を犯したのか?「贖罪の奏鳴曲」「追憶の夜奏曲」に続く第3弾今回は恩師、稲見を助けるために挑むのですが冒頭にあの韓国船の沈没事故を思わせる事故の記述があり、(引きあげられようとしているのでなんというタイミングかと思いました)そこでの事件と裁判がどこで関わってくるのかとすぐに引きこまれて先が気になりテンポよく読めました恩師の稲見を助けるため、またしても強引な手で弁護人の座を手に入れた御子柴弁護士だが当の稲見は殺意すら認め、厳罰を自ら望み、御子柴の意思に反する行動をするある意味この裁判の最大の敵は被告人であり守られるべき稲見自身であるともいえる稲見の協力が得られないままなんとか無実を勝ち取ろうとあらゆる手段を駆使して見つけた事件の真相とはー帯のあおりほどどんでん返しという感じは受けなかったですが初めに全く唐突にでてくる事件がここまで関わるのかというところがすごいなと感じました被害者が殺されるにいたった背景にそしてそれがあったとしても殺人という犯罪にたいする刑罰を量らなければならない裁判官と裁判員最後に贖罪とは何か・・・たくさん考えさせらた本でした今回稲見教官に振り回されてしまって普段より感情が出てしまう(表面にはでないけど)御子柴がなんだか人間味が多くなって見えてしまってこの本から読ンだ方は御子柴弁護士が悪辣弁護士って言われてもピンとこないかもしれないですね
2017.03.23
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先日投降した「玉依姫」を一気読みしていた日本を読み終えて何気なく椅子から立ち上がろうとしたらペキッ痛くてしばらく動けませんでした・・・物に捕まりながらヒーヒー言いつつキッチンへ(足を動かそうとしただけで痛いんです)なんとか鎮痛剤を飲んで落ち着きましたが今も腰痛ベルトでがっちり固定しておかないと痛いです持ってて良かった腰痛ベルト比較的すぐに動けるようになったし「ぎっくり」さんではないと思いたいですけどこれも体重がリバウンドしてるせいでしょうかね
2017.03.17
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[図書館より]4作目の「空棺の烏」を読み終えてすぐに予約しましたが半年待ちで順番回ってきました一気に読めました(久しぶりに)【内容紹介】生贄伝説のある龍ヶ沼と、その隣にそびえる荒山。かつて、祖母が母を連れて飛び出したという山内村を訪ねた高校生の志帆は、村祭りの晩、恐ろしい儀式に巻き込まれる。人が立ち入ることを禁じられた山の領域で絶体絶命の志帆の前に現れた青年は味方か敵か、人か烏かー昨秋から半年待っていた八咫烏シリーズの5作目です記憶が確かなら前巻けっこう緊迫感ある終わり方していたように思うんですけどここへきてガラッと場面が変わったことで雰囲気も変わってしまいましたこれはシリーズとして吉となるのか?読み始めて「あれ?1冊見過ごした?」と思ってしまいましたそれくらい山神と猿、烏たちの関係が変わってます戦争寸前だったのはどこへ・・・でも読みやすいので一気に読んでしまいました烏たちの住む山内の成り立ちとか、若宮の失われた記憶が呼び起されたりとかシリーズの中で必要な話ではあったんだと思いますが話の中でのエピソードが不足している感があって登場人物たちの行動がしっくりこないところが所々にありますそのせいか終わってもスッキリと終わった感じがしないんです1作目と2作目が対のような話になっているので、この後刊行される本で解明されるのかもしれません(それにしては間が空くんですけど)前の巻で活躍していた雪哉を含む若い烏たちは一切名前が出てきません舞台が烏たちの山内ではないので仕方がないのかもしれないですけど若宮が出てきてて雪哉の影が全然ないのっておかしいと思うんですけどね次で第一部は終了ということなので夏に出ると言う最新刊を待ちます
2017.03.16
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図書館より書店で見かけてすぐに予約かけたんですが、人気作で半年近くたって手元にまだまだ人気作のようです【内容紹介】休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。一人目の「お母さん」はリョウが子供のころに亡くなり、再婚した父も逝ってしまった。観光を続けるうち、リョウは何かがおかしいことに気がつく。かりゆし58の名曲「アンマー」に着想を得た、書き下ろし感動長編。図書館からの本なので帯は付いていなかったんですがそれによると著者の本作発表時点での最高傑作らしいです待っている間に期待値が上がりすぎたかもしれないのですけど私は前の有川作品のほうが好みかなぁ「旅猫」に似た展開が所々あるんですけどあの時ほど響いてこないかんじがしますとてもよい話なんです。感動するんですけど。言葉にしにくいですが前はもう少し濃かったかなって・・・でもとっても良いお話でした。少しファンタジーっぽくもありちょっとだけSFチックなところもあり有川さんらしい家族のお話でした沖縄観光する話だから、当然沖縄の観光地が紹介されていてまだ未体験の沖縄に行ってみたくなりました
2017.03.13
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[図書館本]これも書店でお勧め棚にあったのが気になって予約して借りてきた本です帯とタイトル、装丁が気に入ったので初めて読む方でしたけど。。。難しかった【内容紹介】1936年、九州帝国大学付属病院の看護婦・久美子は、墜落して重傷を負った飛行士アンドレ・ジャピーと出会う。言葉も通じないふたりの間に燃えあがる短くも激しい恋、そして別れ。80年後、久美子の血を引く26歳のあやめは、ふたりをめぐる不可解な物語を知る。残された古い時計を手掛かりに日本からフランスへ、恋の謎をたどるなかで、あやめが見つけた真実とはー。みずみずしくも濃密に描かれる恋の切なさ、闇に彩られた歴史のロマン。高樹のぶ子の新たな代表作!アンドレ・ジャピーがパリー東京間のタイムトライアル飛行中に墜落してしまった事故というのは実際に起きたことらしくそれをもとにしたフィクションであり過去を紐解いていくという設定もとっても気になっていたんですが過去の二人にあまり感情移入できず苦戦当時の時代背景もあるとは思うのですけれど。。恋愛部分よりも他の謎めいた部分が気になってしまって、しかもそれはやんわり濁されてご想像にお任せします・・・みたいな感じになっているしやや消化不良芥川賞作家さんは私にはちょっと敷居が高かったようでした苦戦中に横から母上が「それはあんたの好みとちゃうでしょう」と言っていた通りでございました。
2017.02.20
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【図書館】とあるミステリ本に手こずっている間に予約の順番がきてしまいました1巻からそんなに期間は開いていなかったはずなんですけどミステリから青春小説への転換に頭がついていかずこちらも苦戦【内容紹介】数式(まほう)は解け、僕の青春が始まる。数学オリンピック出場者との夏合宿を終えた栢山は、自分を見失い始めていた。そんな彼の前に現れた偕成高校オイラー倶楽部・最後の一人、二宮。京香凜の数列がわかったと語る青年は、波乱を呼び寄せる。さらに、ネット上の数学決闘空間「E2」では多くの参加者が集う“アリーナ”の開催が迫っていた。ライバル達を前に栢山は……。数学に全てを賭ける少年少女を描く青春小説、第二弾。一応の決着はついた・・・のかな?なんとなくしっくりこないような気もするけれどこれ以外の終わり方というのもちょっと想像しにくいのでこれがベストなんでしょう。何かに一生懸命打ち込めるのって良いなって思います今の実力ではかなわないと分かっている相手に向かうこと想いを返して貰えなくても想い続けること行き詰ってしまった主人公の周りの少年少女たちも何かに挑み続けてる「きっと。 挑んでいなければ、心が死ぬから」「才能がないとわかっていても、そこから立ち去れないんだな」 P254そこまで打ち込めるってこと自体がすごいことだと思うしこの世代の強さなんだろうな数学にかける少年少女たちがいっぱい出てきますし、数学がさっぱりな私には理解不能なところもあるんですが青春している主人公たちのことはしっかり伝わったと思います(^^;)
2017.02.13
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図書館本 予約した時は62番目でしたが、後には264人待っているそうです・・・読みごたえばっちりの409頁の長編です【内容紹介】京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父親の遺品の中からカセットテープと黒革の手帳を見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われたテープとまったく同じものだったーー。本屋前の通りにイチオシ書籍をプッシュするいわゆるショーケースがあるんですがそこでこの表紙とタイトルを見たときに「読みたい」と思った本です内容紹介で確認してさらに読みたさが上がったのですが初読み作家さんをハードカバーで購入するのは勇気がいるので図書館に入っているのを確認して予約。なかなかの人気作だったので4カ月待ちで手元にやってきました。序盤(といっても数十ページ)集中できず苦戦したのですが進むにつれて展開が気になり仕事行きたくなくなるほどでした(笑)以下はさらなるネタバレ注意です内容紹介に書いたとおり、京都テーラー2代めの曽根俊也が偶然父親の遺品からカセットテープと黒革の手帳を見つけてしまうところから話は始まる。手帳のほうも気になるものの英文が多くて俊也には手が出なかったのでカセットテープを聞いてみるとたわいもない録音の後に不可解な言葉を読み上げる自分の声が録音されている手帳の最後のほうに記されていた「ギンガ」と「萬堂」まさかーー自分の声が脅迫に使われている。もしかしたら家族がこの事件にかかわっていたのかもしそうなら自分たち家族はどうなってしまうのか俊也は録音したことすら覚えていないくらい小さな子供だった。脅迫テープに声を使われた被害者といえるが、加害者(犯人)の関係者である可能性はかなり高い。俊也は父親の同級生を頼り、自分の父親が関係していないことを信じて事件を探り始める。また他方大日新聞文化部の記者阿久津英士は社会部の年末企画の助っ人として昭和・平成の未解決事件の特集を組むにあったって「ギン萬事件」を追うことになる。犯罪被害者、加害者の関係者という立場から事件を探る俊也サイド新聞記者という立場から事件を追う阿久津サイドそれぞれの視点が交互に現れ記者視点ではモデルになった「グリ森」での事件情報が使われているのでフィクションのお話なのノンフィクションのドキュメンタリーを見ているような感覚にもなる俊也たちが関係者しか持ちえないテープという重大証拠から数少ない伝手を頼って31年前に迫っていくのはハラハラするミステリでもある虚実入り混じるそのさじ加減が丁度よかった。事件が残した爪あとは深く、それだけの事件をひき起こした顛末というのは愚かなものだったが事件のために当たり前の生活の何もかもを失ってしまった親子が最後に少し救われたのが良かったと思う
2017.01.28
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上下巻合わせると800ページ超える長編上巻は少しとっつきにくく感じるかもしれないけれど終盤に向けてすべてがつながっています。またしてもやられてしまいました。後半は一気読み【内容紹介】人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだあの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。これ以下は上記以上のネタバレも含みます辻村作品は「僕のメジャースプーン」「凍りのくじら」に続いて3作目なんですけどうっかり泣きそうになってしまうくらい「想い」が強くて読後感悪くないんですがしばらくそれに引きずられてしまいます上巻の序盤のほうでスロウハイツの「神様」の理由がわかったような気がしていたのが読み進んでいくにつれてそんな上っ面だけのことではないことがわかってきます。初めは各住人たちに焦点をあてつつ、それぞれの目標に向かってお互いを意識しつつも切磋琢磨して頑張っていく話っぽく書かれていくところへ新たな住人莉々亜が新しく入居してくるコーキの小説の登場人物のような美少女はコーキに急接近莉々亜の加入によりスロウハイツ内の人間関係にも変化が生じ始める莉々亜の苗字から十年前の事件の時に128通もの手紙を新聞社に投稿しコーキを救った「コーキの天使」は彼女かもしれないと考える入居者が出始める折しもコーキの偽物とまで言われるくらい作風が似ている作家の作品がコーキの小説の筋を先取りしているように発表されていくという事態が発生するそんななかスロウハイツに届いた荷物をたまたま環が受け取り、宛先が水ねれで読めなかったため開封したその配達物が彼らの時間を大きく動かすことになるコーキの天使ちゃんが誰かとかコーキのまがい物作家のことはだいたい見当ついてくるんですがあれもこれもすべてが繋がってくるのにはもう「やられた!」としか言いようがないですそれもしてやられたというのではなくあのエピソードにこんなことが・・みたいなそしてそのひとつひとつにホロリとさせられそうになる長編ですが読んで良かったです スピンオフ作品のV.T.Rも読んでみようかなメジャースプーンで罪と罰についてが根底にあったように今作では事件に直接かかわりがあったわけではない関係者の被害の話やいじめや中傷について盛り込まれていましたもちろんそれが根底にあるから環はスロウハイツをアパートとしたのだけれどこちらも深く考えさせられるテーマでした
2017.01.23
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まだ1月だというのに早くも今年こそはと思っていたことが出来てません。。。ダイエットも昨秋まではゆるゆるとキープできていたけどその後緩やかにリバウンドしてきてとどめに正月太り×_×本も年50冊を目標にしてみたけど今ペースが落ちているのでなかなか厳しそう。(読みたい本は余裕なのに)そして読んでないからブログ更新も滞る。。。お稽古ごとのほうの練習もせめてもうちょっとやっていきたいと思ってはいるんですけどいまいち気分が・・・とりあえずダイエットのほうはこのままだとまた健康上問題がでそうなんで春の健診までにはなんとかしたいと思ってます。
2017.01.20
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たまたま本屋で見かけて違う本を探していたんですけど「スープ屋しずく」の友井さんの著作、美味しそうなスイーツが出てきそうなタイトル解説は青柳碧人さん。。。ということで購入サブタイトルは~推理が言えない少女と保健室の眠り姫~【内容紹介】裏表紙より高校生の菓奈は人前で喋るのが苦手。だって、言葉がうまく言えない「吃音」があるから。そんな菓奈が密かに好意を寄せる真雪は、お菓子作りが得意な究極のスイーツ男子。ある日、真雪が保健室登校を続ける「保健室の眠り姫」こと悠姫子のために作ったチョコが紛失して・・・。鋭い推理をつまりながらも懸命に伝える華奈。次第に彼女は大切なものを手に入れていく。スイートな連作ミステリーチョコレートが出てこない/カトルカールが見つからない/シュークリームが膨らまない/フルーツゼリーが冷たくない/バースデイケーキが思い出せない/クッキーが開けられない/コンヴェルサシオンはなくならない/マカロンが待ちきれない以下さらなるネタバレあり高校生が探偵役なのもスイーツに絡めたミステリも他にもあるとはおもうけれど主人公に「吃音」という障害があるせいでさっそうと推理を披露して解決というわけにはいかないもちろん障害のため極力会話をしないようにしている主人公がちゃちゃっと出張ってくるわけはなく1話のチョコレート紛失の事件で疑いをかけられてしまったことがそもそものきっかけだ「スープ屋」シリーズでもけっこうシリアスな部分を含んでいたけれどこの連作ミステリも学校・高校生という世代ならではの問題を含んでいる主人公の障害「吃音」すらも話が進んでいくにつれて重大なファクターになっている解説の青柳さんも書かれていたけれど、思わず「え?うそ?」って読み返そうになってしまいミスリードにまんまと引っ掛かってしまいました菓奈ちゃんは喋ることが苦手だかこそシュミレーションして言葉を選び、おさらいしてくるそんな彼女の言葉は他の人たちの言葉よりも響くのかもしれない話が進むにつれて菓奈ちゃんの世界が少しずつ広がっていくのをついつい応援してしまいました
2017.01.13
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冬休みに読んだ最後の1冊は図書館から図書館のHPでタイトルだけ見てなんとなく気になってしまって予約した本数学苦手なのになぜ予備知識全然なしで手に取ったのか【内容紹介】雪の日に出会った女子高生は、数学オリンピックを制した天才だった。その少女、京香凛の問いに、栢山は困惑する。「数学って、何?」-。若き数学者が集うネット上の決闘空間「E2」。全国トップ偕成高校の数学研究会「オイラー倶楽部」。ライバルと出会い、競う中で、栢山は香凛に対する答えを探す。ひたむきな想いを、身体に燻る熱を、数学へとぶつける少年少女たちを描く青春小説。実際に本の表紙を見たのは図書館から予約入荷の連絡が入る少し前で本当にタイトルだけで読んでみたいとなぜか思った本なので先入観なしで読み始めたけれど数学の問題がちっともわからなくてもとても面白かったネタバレになってしまうけれど、数字に関して驚異的な記憶力をもつ主人公が本格的に数学とは何か。なぜ数学を続けるのか。答えの出ない問いに数学対決を通して自分と向き合う登場人物たち主人公の周りの人間もまた同様に数学や数学以外のものを通して自分というものを見つめているようでした高校生たちの青春小説だったんですねはるか昔に過ぎ去った高校時代はこんなこと考えずそれなりに楽しく過ごしていたと思うのですけど他のことをさしおいてでも熱中してやり遂げられるモノがあったのってたしかにこの時代だけかもしれない普段ならチョイスしない青春小説だけど良かったと思うまだまだ登場人物たちのことについてはなにもわかってきていないのでシリーズ追い掛けて行くと思いますくしくも休み中に読んだ本はどちらも自分自身というものを考える本だったことが興味深いです
2017.01.10
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冬休み読了本の1冊2016年最後の本は「チューバはうたう」になりましたたまたま本屋さんでこのインパクトのある表紙となぜにチューバ?とおもったのがきっかけです第23回太宰治賞受賞作とのことでちょっとなじみのないタイプの作品でしたが興味深かったです【内容紹介】「なぜあなたはチューバを吹くのですか?」みんながそう私に尋ねるが答えは見つからない。でも吹くと気持ちがいい事だけは間違いない。二六歳、独身OL。仕事にも男性にも情熱を抱くことはできない毎日だが、これだけは譲れない。学生時代を経て社会人になってからは我樂多樂團なる奇妙なバンドに巻き込まれ一員となっている。そんなある日、高校時代に圧倒的な演奏に衝撃を受けたブラスバンドがバルカン半島から来日することを知る。私の運命がまた回り始める…。第二三回太宰治賞を受賞し大きな話題を呼んだ表題作ほか二作を含む傑作小説集。表題作のほか 飛天の瞳/百万の星の孤独 を収録自分と向き合う話なんだなぁというのが率直な感想私も社会人になってから楽器を習い始めて今でもなんとか続けているのでちょっと読んでみたくなって軽い気持ちで手に取った本「なぜ○○をするんですか?」もちろん○○は作中ではチューバだけれど、読み手になんども問いかけられているような印象を受けました2編目の飛天の瞳は私にはちょっと難しく良く分からなかったけど3編目の百万の星の孤独はとても良かった作中に出てくる見えていない星までも忠実に再現されたプラネタリウム見てみたくなりました初読み作家さんですがこの方お医者さんなんですね。私にはちょっととっつきにくい文章だったんですけど面白そうなタイトルの本もあるので御縁があればまた読んでみたいです
2017.01.07
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辻村さん2冊目からは講談社文庫の帯にあったお勧め順に読んでみようと購入先日あった演奏会の準備で忙しかったのでおちついて読む時間がほとんど取れなかったので1カ月くらい抱えていた本になりました文庫にしては分厚いほうですけど買って満足です【内容紹介】藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすときー。冒頭主人公理帆子が雑誌のインタビューを受けているシーンから始まりそこから理帆子が高校生の時に起きた事件を振り返るような形で物語は進んでいく理帆子は美人だし、頭もよいし、学校でも学校外でも友達も多くてそつなく世渡りしているように見えるけれど自分ではどこにも所属していない「少し・不在」な個性の持ち主だと思っている彼女のバックグラウンドはいろいろ複雑なものがあるのだけれどそれをふまえても、読者に万人受けするタイプの主人公とは言えない話もこれがどこへ向かっていくのかちょっと読めない雰囲気があってけっして読みやすいというわけではないと思うのになぜかページをめくる手が止まらない。むしろ先が少し気になって止められない。でもこの年頃のころの不安定さ・微妙な潔癖さというかそういう言葉にしがたいものをうまく表現していると思うあちらこちらにちりばめられていた伏線が回収されて別所あきらの正体がわかった時、あきらが理帆子たちを照らした時、そうして冒頭のシーンにつながった時一気に持っていかれましたお母さんが最期に編集に携わった写真集でのメッセージにもやられましたけど最初の6作品くらいは刊行順が良いとの説もあるのですけどとりあえず帯のお勧めに従ってつぎは「スロウハイツの神様」を探すことにします
2016.12.20
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発売されてすぐのころ入手していたけどちょっと積んでました【内容紹介】タイムリミットは6時間。脱出できるのかーー最速一気読み! 究極のどんでん返し!!目覚めると、彼女は病院のベッドで点滴を受けていた。なぜこんな場所にいるのか? 監禁された男女5人が、拉致された理由を探る……。ピエロからのミッション、手術室の男、ふたつの死の謎、事件に迫る刑事。タイムリミットは6時間。謎の死の真相を掴み、廃病院から脱出できるのか!? 大ヒット作『仮面病棟』を凌ぐスリルとサスペンス。圧倒的なスピード感。衝撃の結末とはーー。医療ミステリーの超傑作! 「病棟シリーズ」最新刊。表紙といいタイトルといいどう見ても「仮面病棟」の続編です院内見取り図を見た瞬間 舞台まで一緒なのかとちょっとだけテンション下がったんですが今回は時限、タイムリミット付き命がけの脱出ゲーム要素が入っていてそんなことはちっとも気にならなくなりましたサスペンスドラマを見ているような流れで進むのは前作と同じでスピード感あって楽しめました本格ミステリ希望なら物足りないとは思いますがこれはこれでありだと思います。軽いタッチながらなかなかエグイ描写もあるんでご注意。私は「時限」のほうがより面白く感じました。前作「仮面病棟」を読まなくても楽しめるとは思いますが後半より楽しむためには前作を読んでからのほうが良いと思います。しかしこのお話、刑事さん出てくる意味あったのかな?
2016.12.17
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こちらも読んでから少し時間がたってます読書メーターで評判がよかったのと表紙イラストが気に入ったので平台から購入した本です読んでから時間がたっているのもありますが読んだときが自分がいっぱいいっぱいで余裕がなかった時期なのでいずれ再読したい本です【内容紹介】古びた印刷所「三日月堂」が営むのは、昔ながらの活版印刷。活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、活字と言葉の温かみによって心を解きほぐされていくが、店主の弓子も何かを抱えているようでー。世界は森/八月のコースター/星たちの栞/ひとつだけの活字4編からなる連作短編集です。川越の小さな印刷所「三日月堂」店主の弓子が一人で営むのは活版印刷。彼女が活字とともに拾い上げるのは依頼主のココロでもある・・・壁一面天井付近まで活字の棚で覆われていてインキの匂いが漂ってきそうな活版印刷所のイメージが頭に浮かびました実際に行ったり見たりしたことないはずなんですけど母親が進学のため家を出る息子に贈る名前入りのレターセット俳句の刻まれたコースター高校の文化祭でのワークショップで作られたその人だけの栞お爺さんが彫った一組しかない活字でなんとか結婚式の案内状の文面をつくった新郎新婦どれも優しいお話でした一文字一文字大切に組み上げて作られた大切な「言葉」と「心」が込められていますサブタイトルがついているということはいずれ続編もあるのでしょうか?ちょっと期待して待っています
2016.12.15
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図書館本ずいぶん前に読んだので内容がうすれていってしまってます。。【内容紹介】待望のゴールデンウイーク。こずえが泊りこみで鍵屋を手伝いに来たところ、疎遠なはずの淀川の弟・多喜次が現れ、なぜか彼も泊まることに。翌日、淀川宛に謎めいた依頼が入り、三人は急遽『鍵屋敷』へ向かう。そこには老婦人・皐により、実力派の若手鍵師が集められていた。そして、屋敷中の鍵を開けてコインを集め、その数を競うという奇妙なゲームが始まって…?さらっと読めるのが欲しくなったときに借りてくるシリーズ普段利用しているところには置いてないのでお取り寄せしましたちょっと時期外れのGW中のお話女子高生が男の一人暮らしのところへお泊りにいくなんてところにはもはや突っ込んではいけません(でないと話がはじまらない)こずえちゃんは写真撮るのが好きだからか人を良く観てますね淀川さんのお誕生日のお祝いに一番喜びそうな場所で長時間付き合ってあげるなんて良くわかってらっしゃる(笑)この二人は今後どうなっていくんでしょうね新キャラの淀川さんの弟多喜次くんも面白い。彼の恋路も気になるところでした。今回は鍵屋さんたちがたくさん集まって鍵屋敷で金庫の鍵開け対決もちろん裏があるんですけど今回は深刻なのではなくてむしろ淀川家の過去、おばあさんの銀子さんに係わるお話でした。ちょびっとホラーファンタジー的な部分もちらほら。4作目も出ているみたいなので思いだしたころに予約入れるんでしょうね。
2016.12.13
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図書館本少し前に読了していたんですけどなかなか感想書けませんでした。4までは結構良かったんですけどこの巻はテンポは良かったけど途中から都合良く物語が進みすぎた感じがしてそこが残念でしたこのお話に出てくるキーパーソンでもある田中くんのご家族が良かった【内容情報】「BOOK」データベースより取手駅構内の小さな書店の店長に抜擢された彩加。しかし意気込んで並べた本の売れ行きは悪く、店員たちの心もつかめない。一方、ライトノベル編集者の小幡伸光は、新人賞作家の受賞辞退、編集者による原稿改ざん騒動などトラブル続きの中、期待の新人作家との打合せのために取手を訪れる。彩加と伸光が出会った時、思わぬ事実が発覚し…。書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第五弾。文庫書き下ろし。以下感想ですがネタバレ注意かも前巻エキナカの小さな書店の店長に就任することを決断した彩加と以前のヒロイン亜紀のダンナさんである伸光が主人公自分がお勧めしたい本を並べた棚を作ったものの顧客のニーズに合わず本の売れ行きが伸び悩む彩加。従業員たちとのコミュニケーションにも悩む毎日。知り合いの書店員が店長をするお店を見学して狭いエキナカ店で顧客のニーズにあった棚を作っていくことを模索し始める私もエキナカ書店では通りすがりに確認できるような新刊のチェックやいわゆるベストセラー系の売れ本を入手したりするのにしか使ってないところもあるんですがそれでも余裕のあるときには中の棚チェックして好みの本を置いてくれているお店にはやはり良くいきます私は中高のころのライトノベルから小説を読む楽しさを教えてもらったようなものなので(むしろいまだに子供向けの童話にだって手が出ます)活字に触れるきっかけであればコミックであろうとラノベであろうと絵本だろうと良いんではないかとおもいますがむしろ今でもちょっと堅苦しそうな本は抵抗があるので登場人物たちの言い分にも共感できたり、しなかったりといろいろありましたがライトノベルだってちゃんとブンガクだ!と言いたいですもう片方の主人公伸光さんも頑張ってたんですけど本書のキーパーソン田中君とそのご家族が良かったのですっかりかすんでしまいました
2016.11.01
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我が家には茶白、耳の飾り毛は黒というパピヨンがいるのでこの本は前から気になってました。2作目も出ているならと今回購入内容紹介「BOOK」データベースより「あなたの本当の目的というのは、もう一度人間になること?」大学生になる春、美綾の家に迷い込んできたパピヨンが「わしは八百万の神だ」と名乗る。はじめてのひとり暮らし、再会した旧友の過去の謎、事故死した同級生の幽霊騒動、ロッカーでの盗難事件。波乱続きの新生活、美綾は「人間の感覚を勉強中」の超現実主義の神様と噛み合わない会話をしながら自立していくー!以下はネタバレありです勾玉シリーズ、RDGのシリーズを書いた萩原さんの本そして八百万の神を名乗っているのがシロクロのパピヨン!期待値は結構高めでした今回の主人公は女子校育ちで男慣れはしていないけれどそれ以外はごく普通の女の子父親の海外転勤に他の家族はついていってしまったのでくしくも一人暮らしが決定どうして主人公美綾が外部受験を選んだのかははっきりと書かれていなかったように思ったけど美綾もはっきりとまだ自分の進路に対して明確なビジョンは持っていない感じ仲良しの同級生たちは内部進学。家族も海外へ。家族に縛られない自由さがある半面新しい場所へ一人で乗り込んでいかなければならないそんなときに迷子犬として保護したパピヨンがしゃべったら・・・!それも古風なしゃべり口で(笑)美綾じゃなくてもいろいろ突っ込みたいと思う小型の愛玩犬になっている理由もふるってるし、この妙に現実的な神様と共存していく美綾って意外と豪胆です。一方大学では小学校時代の同級生と再会彼女は小学生の時に美綾をいじめていた男の子の霊が見えるというこの幽霊騒動の一件を通して美綾が自分の内面を見つめなおす成長記でもあるんですが残念ながらRDGほどは話に入っていけなかった設定は面白いと思うのだけれど・・・多分レーベルのターゲット層から外れているんだなまだシリーズ1作目でもあるし、続編に期待かな?
2016.10.20
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ちょっと気になるタイトルだったのと他の読書サイトで評判が良かったので苦手な翻訳ものに挑戦してみました内容紹介「BOOK」データベースよりジャンニはイタリアのヴァイオリン職人。ある夜、同業者で親友のトマソが殺害されてしまう。前の週にイギリスへ、“メシアの姉妹”という一千万ドル以上の価値があるとされる、幻のストラディヴァリを探しにいっていたらしい。ジャンニは友人の刑事に協力して事件を探り始めるが、新たな殺人が…。名職人が、豊かな人脈と知識、鋭い洞察力を武器に、楽器にまつわる謎に挑む!以下内容に触れますのでご注意ください63歳(だったはず)のおじいさんとはいえ、イタリア人が主人公にしては話の雰囲気が暗いと感じていたんですが作者はイギリスの方なんですね。 それで何となく納得してしまう私って(笑)クレモナの名ヴァイオリン職人のジャンニ、ジャンニの幼馴染で同じくヴァイオリン職人の(彼はそれほど腕が良くないらしい)トマソ、アリーギ神父、そして刑事のアントニオは月に1度弦楽四重奏をする仲間いつもと同じようにジャンニの家で演奏して解散した後、ジャンニのもとに1本の電話が入る「トマソがまだ帰って来ない」残っていたアントニオと二人で彼の帰った道をたどった先で見つけたのは工房で殺されているトマソだったトマソが殺される心当たりはなかったが彼は前の週にイギリスへ行っていたこと、目的は「メシアの姉妹」というヴァイオリンを探すためだったらしい。三大ストラディバリウスの中の一挺「メシア」その姉妹、未発見のストラディバリウスが関わっているならば殺人が起きても仕方がないかもしれないだが、トマソの工房にはそれにつながる手掛かりらしきものが全くなかったアントニオはこの事件の解決にはヴァイオリンの行方を探る必要があると感じジャンニに協力を依頼する二人は幻のヴァイオリンを追ってクレモナからミラノ、ヴェネチア、イギリスと探索して回るどこまでがフィクションなんだかと思わせるヴァイオリンディーラーや、オークションの裏側、贋作にまつわる話そしてかつてのヴァイオリンコレクターの保有していたヴァイオリンに関するうんちくなどいろいろ楽しめる要素はあったんですがやはり翻訳モノはなんででしょうか、日本語で書いてあるんだから自分で翻訳しているわけではないのになんだかすんなり入って来ないんですよねワンクッション置いている感じ殺人事件を追っているのかヴァイオリンを探しているのかピントがぼけているように感じたのも原因かもしれません。もちろんアントニオは犯人を追っているんですが、ジャンニはどっちかというとヴァイオリンを追っているからです名前がややこしいのが多いというのももちろんありますでもミステリーとしても面白かったですあと1冊この二人のコンビで本が出ているようなので探してみても良いかなとは思っています値段後から見てびっくり文庫本にしてはお高めでした
2016.10.18
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ここのところ更新が滞ってしまっていますどうにも集中ができないし、頭もぼーっとしていてケアレスミス連発ですそしてそのことにイライラして家族に当たってしまう。。。体の倦怠感もかなり強く、朝はスッキリ起きるタイプだったのに起き上がるのにかなり労力をつかってしまいますし、すぐに疲れてちょっと寝ないと持ちませんお仕事はなんとか続けていますが顔のほてりもあることに気がついたのでもしかしたら・・・と血液検査を受けてホルモンの数値が更年期独特の量になっているということが分かりましたもちろんこれだけで更年期障害であるとは言えないのですが年齢的にはまだちょっと早すぎるからということでホルモン補充療法を開始していますまだ薬を飲み始めて1カ月くらい症状自体が不定愁訴ばかりなのでものすごく良くなったという感じはないですがとりあえず「夜は早く寝る」「寝れるときは10分でも寝る」しんどくても「外の空気に少しは当たる」今のところはこんなことを心がけています本を読む時間はあまりなくなってしまったのですけどボチボチ更新できればいいなぁと思っています
2016.10.13
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やはり翻訳ものは苦手で、面白いのですけど時間がかかってしまいました月末に読み始めたものは間に合わず今月は8冊でした2016年9月の読書メーター読んだ本の数:8冊読んだページ数:2831ページナイス数:721ナイスぼくのメジャースプーン (講談社文庫)の感想辻村深月さん初読みです。文章は読みやすかったのですが読み終えた後消化するのに3日かかってしまいました。今でもうまく言葉にできないのですが、あまりにもショッキングな事件を目の当たりにして心をとざしてしまった幼馴染のふみちゃんのために一生懸命な「ぼく」。自分自身も大きく傷つきながらも懸命に考え、出した結論に心打たれました。読了日:9月23日 著者:辻村深月空棺の烏の感想「図書館」文庫化を待てず借りてきました。途中読み飛ばしそうになったところもありましたが楽しめました。宗家の近衛となるものを養成する勁草院が舞台なので可愛い女の子がほとんど出ない。当たり前なんですけど「単」が女性だらけなのとまた対照的で面白い。将来若宮の傍で側近・護衛となるであろう身分も立場も違う少年たちの成長物語風でありながらやっぱり最後は表情を変えてくる。雪哉があそこまで賢すぎるとちょっとかわいそうになってしまうのは私だけだろうか・・・読了日:9月18日 著者:阿部智里アンと青春の感想「図書館」4カ月待ちでした。和菓子にまつわるちょっとした謎解きももちろんあるんですけど、アンちゃんがいろいろ悩みつつも成長していくストーリーが良かったです。もうアンちゃんが可愛くてモチモチのお肌に触れる椿店長たちが羨ましい(笑)ほんのりロマンスの匂いもどこはかとなく漂ってはいたんですけど続編ぜひ!それはともかく心に残ったのはどうでもよいと思う人には叱ったりしない。黙って離れて行くだけだから。叱ってくれるのはありがたいことだという部分。仕事中、素直に聞けないクレームもあるけれどこの言葉を思い出そう。読了日:9月16日 著者:坂木司小説 君の名は。 (角川文庫)の感想新海作品初読。三葉と瀧のやり取りが楽しい。不定期に起こる入れ替わり。どうしてかスマホで直接連絡することはできない。もちろんこれには理由があるんですが、それがわかる頃にはもう物語にどっぷり漬かっていてページをめくる手が止まりませんでした。映画未視聴なんですが映像でも観てみたいです。読了日:9月14日 著者:新海誠本屋さんのダイアナ (新潮文庫)の感想以前から気になっていたので文庫化を機に購入。一気読みでした。環境の全く違うダイアナと彩子。小学3年生で出会い、読書を通じて親友となった二人それぞれの視点で二十歳過ぎまでが語られている。隣の芝生は青いと言うけれど、二人もお互いの環境を羨ましく思っている。そんなちょっとしたことの掛け違いで仲違いしてしまった二人がそれぞれに成長し、また出会いさらに一歩踏み出していく。二人を取り巻く人たちの思いや考え方など色々なエッセンスがギュッと詰まった一冊。読了日:9月13日 著者:柚木麻子天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア (新潮文庫nex)の感想[Kobo]鷹央先生と小鳥先生のコンビも定着してきた3作目。呪いの動画に男性アレルギーに水がない密室での溺死と今回も興味深い症例でした。特に3話目では事件解決しないと小鳥遊先生が病院を辞めなければいけなくなるというオマケつき。事件の面白さにその事をうっかり忘れてしまう鷹央先生に笑ってしまいました。読了日:9月11日 著者:知念実希人銃とチョコレート (講談社文庫)の感想乙一さん初読みです。講談社文庫夏ミスで見つけてタイトルとキラキラ「青春ミステリー」といううたい文句に釣られたんですけど、主人公は少年ですがチョコレートでもカカオ90パーセントくらい入ってそうなくらいビターな苦さがあります。登場人物はチョコレートにちなんだ名前がゴロゴロ出てくるのに話はちっとも甘くない。怪盗のほうはいわゆる義賊なんだろうということは想像出来ていたんだけれど、国民的ヒーローである探偵の人物像がボロボロはがれてくるところや、美形の不良少年の凶暴さなど意外さにはまりました。読了日:9月5日 著者:乙一神様の御用人 (6) (メディアワークス文庫)の感想もう6巻なんですね。相変わらずモフモフ・ほんわか・ホロリとさせてくれます。神威が落ち、記憶すらあいまいになってきても心の中に刺さっている苦い思い。そんな思いが底辺にある神様の無茶ぶりに今回も振り回されている良彦。「旅に出たら御用があると思え」を学習している良彦に笑ってしまいました。あんなに遠征していていかに実家暮らしとはいえ懐具合は大丈夫なのかちょっと心配してしまうくらいですがそこは私たち読者のため迷える神様たちのため頑張ってほしいところです。次回こそラストに出てきたお方が出てくるのでしょうか?読了日:9月2日 著者:浅葉なつ読書メーター
2016.10.01
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辻村深月さん、初読みです読みやすいのにテーマは重く考えさせられる本でした実は読み終わって3日ほどたっているんですが自分の中でまだうまく消化できていない感じです「BOOK」データベースより忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。「ぼく」の小学校で飼っていたうさぎが、何者かによって殺された…。大好きだったうさぎたちの無残な死体を目撃してしまった「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに全ての感情を封じ込めたまま、今もなお登校拒否を続けている。笑わないあの子を助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、うさぎ殺しの犯人に与える罰の重さを計り始める。「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは(画像は電子版)以下は内容に触れるかもしれないのでご注意ください主人公の「ぼく」は小学校4年生。お誕生日が来ているので10歳の少年です。家が近所で幼馴染のふみちゃんは頭も運動神経も良くて周りの子たちより大人びたところがありちょっとあこがれる存在で自慢のお友達じつは「ぼく」には少し特殊な力がある。制約はあるけれど、効果が発揮されれば呪いのようにその人を縛り動かすことができる小学2年で意図せずふみちゃんにこの力を使ってしまってから母親との約束で力を使わず封印してきた「ぼく」小学校で起きた悲惨な事件を目の当たりにしてしまい心を閉ざしてしまったふみちゃん犯人は人を殺したのではないからと大した罪にもならず執行猶予までついてほとぼりが冷めたらまた元の生活へと戻ろうとしている反省をアピールするためか学校を訪問したいという犯人に対して「ぼく」は力を使って犯人に償いをさせたいと考える母方の親族で同じ力を持っている秋先生こと秋山先生が力のことを教えてくれながら問いかけてくる「罪と罰」、「加害者と被害者」、「罪の重さ」など様々なことが本を読んでいない間に自分にも聞かれているような感じを受けましたふみちゃんも心に深い傷を負ったように「ぼく」も目にみえない大きな傷を抱えていました力が使えるのは1人に対して1回きりふみちゃんの笑顔を力で取り戻せないと分かった「ぼく」は法律が裁いてくれない犯人を力を使って償わせようと決心する「ぼく」が犯人に対して考えた罰とはそれを与えるために考えた言葉とは「ぼく」が一人でどれだけのものを抱えて闘っていたのかすべてが明らかになったとき不覚にも泣きそうになってしまいました
2016.09.23
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八咫烏シリーズ第4作。まだ文庫化されていないので図書館本2カ月弱待ちました。ところどことろ斜めに読み飛ばした部分もあったんですが今回も面白かったです「BOOK」データベースより八咫烏の一族が支配する世界山内で、宗家を守るのは山内衆と呼ばれる上級武官。勁草院という養成所で厳しい訓練がほどこされ、優秀な成績を収めた者のみが護衛の栄誉に与る。平民の茂丸、下人の千早、大貴族の明留、そして武家の雪哉。生まれも育ちも異なる少年たちは、勁草院の過酷な争いを勝ち抜き、日嗣の御子を護る武人になれるのか…?「八咫烏シリーズ」第四弾。感想にはネタバレ含みます。ご注意ください先輩を慄かせてしまうなんて雪哉、あなた地元で大人の目を盗んで何やってたのっ?ってな出だしにさもありなん(笑)とニヤニヤしつつ読み始めましたが可愛い女の子がほとんど出ない(当たり前だ)1巻が後宮絵巻のようだったのとこれまた対比しています同じドロドロでも女性たちのものよりはこっちのほうがまだましというか分かりやすいというか・・・でもここまで来ると1巻自体がこのシリーズの序盤なのではなくて外伝的なものに見えてくるそれはさておき宗家の近衛隊のような山内衆を養成するための「勁草院」将来若宮の近侍・護衛となるであろう身分も立場も違う4人の少年たちの成長記のようなストーリーのなかで身分制度の問題。馬とも呼ばれる烏たちの問題。もちろん若宮が抱えている問題も明かされていく途中いわゆる戦術の授業のところで小難しいところはうやむやに読み飛ばしてしまいましたが雪哉の無害そうな可愛い顔をしていながらかなり腹グロさんなところだけでなく喧嘩無双なところもらしいなぁ~と楽しく読んでいました最後の最後はやっぱり雪哉と若宮は何の思惑があったのかということが明かされてみんなよく成長したね~ だけでは終わらないところがこのシリーズらしいまたアレも出ましたし思わせぶりで終わっているので続きも読んでしまうのでしょう次巻「玉依姫」はちょっと違った雰囲気だと聞いているんですがこちらも単行本しかないので図書館で予約します
2016.09.18
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久しぶりの坂木さんは「和菓子のアン」の続編です美人だけど男前の椿店長も元ヤンの新妻桜井さんもイケメンなのに乙女の立花さんもそして癒しのアンちゃんも(笑)久しぶりでもすぐに馴染めます読んだらお菓子が食べたくなる!? デパ地下の和菓子屋「みつ屋」に行きたくなりますけっこうあおりましたが「BOOK」データベースよりある日、アンちゃんの手元に謎めいた和菓子が残された。これは、何を意味するんだろうー美人で頼りがいのある椿店長。「乙女」なイケメン立花さん。元ヤン人妻大学生の桜井さん。そして、食べるの大好きアンちゃん。『みつ屋』のみんなに、また会える。ベストセラー『和菓子のアン』の続編。今回も謎ときは入っているんですけどどっちかというとアンちゃんが悩んで、向き合って、成長してっていうホントに青春モノみたいでした。乙女にライバル出現か?みたいになっているのでまた続きがでないかな~って思ってますもういい年した私からするとアンちゃんが可愛い~お客様からきついことを言われたとしてもありがたく思わなければいけないなって読んでいて思いましたどうでもいいって思っていたら黙って来なくなるか最悪他所でグチグチ言われるかですものねでも「ありがとうございます」って笑って返せるアンちゃんカッコ良いですわかっても私にはできん。見習わなければ・・・・
2016.09.16
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どこに行っても平積みのベストセラーずっと悩んでいたけれどやっぱり購入してみた新海作品は初です読書メーターのレビュアーさんたちによると先に映画を見てからのほうがお勧めらしいです(私はまだ未視聴)小説が先になりましたけどこちらでの行間部分が映像と音楽でどのようになっているのか非常に気になりましたし映画だけ見ているかたもセリフとして語られない主人公たちの心情とかわかって2倍美味しいのではないですかね一気に読めるのでぜひ文章でも(笑)いらないと思いますけど内相紹介「BOOK」データベースより山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。一方、東京で暮らす男子高校生・瀧も、山奥の町で自分が女子高校生になる夢を見る。やがて二人は夢の中で入れ替わっていることに気づくがー。出会うことのない二人の出逢いから、運命の歯車が動き出す。長編アニメーション『君の名は。』の、新海誠監督みずから執筆した原作小説。感想中にはネタバレも含みますのでご注意あと○年若かったらもちょっと違ったかもしれないけど主人公たちがなんともいえないですね~ ちょっと気恥かしいかも序盤は二人のやりとりがなんとも楽しいのですけどスマホの日記アプリ使ったりするところがなんとも(笑)そう、スマホが使えるのにお互いが東京と糸守町に実在している人物だと認識してからも直接会話することができないんですそれには理由がもちろんあって・・・なんだか一気読みでした切なくて、悲しくて、でも運命すら覆す強い想い記憶から失われても、想いは残って唯一人を探してる風景の描写もとても良くって映画も見てみたくなりましたこれ、片方だけでなくて両方あってはじめて完成してるんじゃないかなと思いました
2016.09.15
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前々から気になっていた本 文庫化されていたので購入買った良かったなと思えた一冊になりました内容紹介「BOOK」データベースより私の名は、大穴。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれたー。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が…。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。感想は例によってネタバレも含むのでご注意ガール・ミーツ・ガールって(笑)確かにそうなんだけどでもこの小説友情ものというよりは二人の少女の成長ものだと思う「大穴」と書いて「ダイアナ」 女の子の名前にこれはないでしょうというくらいのぶっ飛んだ名前と母親に脱色されて金髪・はしばみ色の瞳の美少女ダイアナクラスでも一目置かれているお嬢様の彩子(もちろん黒髪黒瞳だ)この二人の少女が小学3年で同じクラスになるところから彩子が大学卒業を迎えようとする年になるまで(ダイアナは社会人になっている)二人それぞれの視点で物語は綴られていくダブル主人公の切り替えのポイントがいい感じなので視点の変わり目がそんなに気に障らず読みやすい一気に読んでしまいました主人公二人もですが、ダイアナ母のティアラさんとか彩子の両親とか同級生の武田くんとか魅力的かつ重要な位置づけのキャラクターが良かったです読み終えたら赤毛のアンをまた読みたくなりました最後までシリーズ読破していないんですが、文中で出てきていた解説も気になるので村岡花子さんの解説付きのを読んでみたいです
2016.09.13
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Kobo版でちょっと軽めの短編が読みたくなったのでアプリの未読から発掘スマホの画面小さめなのでちょっと読みづらい時もあるけど10分読むと1P、読了で5Pつくのでお得ですでは内容紹介「BOOK」データベースより呪いの動画によって自殺を図った女子高生。男性に触れられた瞬間、肌に異常をきたす女性。そして、密室で溺死した病院理事長の息子…。常識的な診断や捜査では決して真相にたどり着けない不可解な事件。解決できるのは、怜悧な頭脳と厖大な知識を持つ変人女医・天久鷹央、ただ一人。日常に潜む驚くべき“病”と事件の繋がりを解明する、新感覚メディカル・ミステリー第3弾。以下感想ですがネタバレするのでご注意を鷹央先生と小鳥こと小鳥遊先生のコンビも定着してきた3作目いきなりプロローグで小鳥先生のピンチ!と読者をつかんでおきながらこの話が絡んでくるのは最終話なんですそれまではチョロチョロ漂わせているだけ引っ張りますね~ま、ともかく1話目は女子高校生の間で評判になっている「呪いの動画」を見てしまうと自殺するという噂双子の姉妹が帰宅途中にその動画を見て片方がホームから転落自殺未遂と見なされてしまうカルテ回診中に発見したこの症例に興味津津の鷹央先生は出禁をくらっている精神科病棟へ忍び込んで・・・バレバレでしょう(笑)という方法で入り込むんですけどなんとかなっちゃうのかこの小説かつての指導医ともすったもんだしつつも鮮やか(?)に解決2話目は男性恐怖症が高じてアレルギーのような反応がでてしまう女性女子校育ちで免疫がないとはいえそれほどでもなかったのにも関わらず男性に触れられるとその部分の皮膚が蕁麻疹のように赤くはれ上がってしまうこれぞ男性アレルギーともいうべき症状だがそもそも男性アレルギーなる病気はなくて男性恐怖症なんだけどこんな症状を起こす恐怖症もないわけで・・・まぁこれは私も想像していた病気だったので納得の展開でしたそして問題の3話目この事件に巻き込まれている小鳥先生の先輩の容疑をはらさなければ小鳥先生は病院を辞めなければならなくなってしまう・・・その事件とは密室溺死事件! 水もないところで溺死 さすがの鷹央先生も手こずっていましたが 無事に解決小鳥先生も引き続き病院で研修できることになりました今回は鷹央先生の傍若無人ぶりとかがあまりなくてちょっとキャラ弱く感じたんですけどその分3話に出てきた刑事さんがいい味出してましたこの後に出た長編に出てきそうな感じだったのでまた楽しみです
2016.09.12
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