「いや咳、夜ごと」の風邪が未だ治らぬ偐家持。銀輪取材もお休み中ゆえ偐万葉にお助け戴くことと致しました。
我が悪友のオガクニマン氏のブログに書き込んだ歌もいつの間にかそこそこ溜まっていました。オ氏関連はこれまで「どち篇」でご紹介していましたが、今回から「オガクニ篇」として編集することといたしました。
今年最初の偐万葉にして、シリーズ第127弾となります。
<参考>オガクニマン氏のブログは コチラ
からどうぞ。
オガクニマン氏への歌掲載の偐万葉・どち篇は コチラ
からどうぞ
偐家持が国麻呂に贈りて詠める歌12首
沈丁花 まだ咲かなくは 言 の葉の 繁きあるじに あてられぬべし
今更に なにを咲かすと 君いふや 散りてののちの
空
こそよきに
(
紀散之
)
(本歌)さくら花 散りぬる風の なごりには
水なき空に 浪ぞたちける (紀貫之 古今集89)
たれゆゑの はだれやなぎぞ 雪柳 君が庭にし まだらに咲ける
(
偐
庭師
)
(注)はだれ=まだら雪
春は負け 秋こそ見よと 金木犀 芽吹きてあるじ なぐさむならし
(
秋野見物麻呂
)
三年
はや 迎へけるかや オガクニの
懲りぬ舌鋒 いよよ冴えゆく
世捨て人 なれる我はも この頃の 世の様見れば
黙
も苦しき
(黙家持)
クマゼミは しゃんしゃかしゃんと 朝鳴きて
きりきり午後は アブラゼミ鳴く (偐蝉丸)
(注)偐万葉掲載に当り末句を一部修正しました。
チャリ 並 めて いざうち行かな 渋谿 の 崎ゆ 立山 雪の嶺見に
(本歌)馬 竝 めて いざうち行かな 渋渓 の 清き 磯廻 に 寄する波見に (大伴家持 巻17-3954)
老いの坂 未だ越えざり 追坂を 越えてや背子は
越
にし行ける
(偐越持)
追坂を 今か越ゆらむ わが背子を
追ひ
及
きがてぬ
辛
きその道 (偐追持)
(注)追坂=追坂峠の道。滋賀県湖西の道、敦賀へ抜ける手前に追坂
峠がある。
わが命 年は
極
つれど なほしまし
あるとし見ゆる 継ぎて相見む
君が
家
の 四つ葉めでたき 初春の
幸
ひ開き 年越すならし
(注)幸ひ=「さきはふ(幸ふ)」は古代信仰上の言葉。幸福な結果をも
たらす、霊妙な力を自然に発揮することを言う。
(脚注)1.掲載の写真は、けん家持提供の写真です。オガクニマンさんのブログ
掲載写真を転載してもよかったのですが、余り転載したいような写真
もなかったもので(笑・いや失礼)、けん家持のアルバムの中から適
当なものを選んでみました。実際は、以前はコピーがブロックされて
いて転載できなかったので、画像コピーをしていなかったものです。
2.従来、ネタ元の歌がある場合は「元歌」と表示していましたが、今回
からこれを「本歌」と表示することとしました。
「本歌取り」というのは本歌のモチーフ・歌意などを受けて、それをひ
ねったり、世界を広げたり、視点を変えたりして詠むことを言うので
あり、語呂を真似ての替え歌やパロデイ歌は、ちょっと違うかと「本
歌」ではなく「元歌」という言葉を使って参りました。しかし、そう
いう区分が困難なものもあり、そういう生真面目さは「偐」のコンセ
プトには似合わぬことでもありますので、全て「本歌」を使うことと
致しました。こんなのは「本歌取り」とは言わない、というご批判は
甘んじてお受け致す所存にて候(笑)。
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