AISHA / THAT'S HOW HEART ACHES ARE MADE '86 (ARIWA ARI-52)
当ブログではお馴染みのイギリスのアリワ・サウンド・スタジオ産のマッド・プロフェッサー製ラヴァーズ・ロック。86年の12インチシングルの他に名ラヴァーズ・コンピ「BREAKING THE BARRIERS WITH SOUND」シリーズのVOLUME 2 「RUBBING THE WALLPAPER」などに収録されています。
オリジナルは1963年のBaby Washingtonのヒット曲で、Marvelettes、Loleatta Holloway、Dusty Springfield、といった女性歌手や男性ソウルグループのDELLSやPaul Young、Jerry Butlerなど幅広くカバーされています。オリジナルは少し物悲しい雰囲気のある曲ですが、このAISHA版はポップなレゲエ・アレンジで明るめに変貌しています。可愛らしいシンセ音が鳴り響くアレンジは81年の Randy Crawford版
を踏襲していて、むしろランディ版のレゲエ・カバーといった方が正確かも。そのランディ版を更に冷やかに爽やかに、そして洗練された内容に仕立て上げたマッド・プロフェッサーの手腕はお見事という他ないですねえ。(そんな彼のセンスと技術にほれ込んだ幾つもの日本のアーチストが彼にプロデュースしてもらっているはず。)
コンピ収録版では後半にダブが接続されていて6分23秒と長く彼の音世界を堪能できる。特にダブ部分の空間(無音部分)を自在に使う手法は日本庭園や日本画といった古来からある日本文化に似通った雰囲気があり、それがアリワ・サウンドが日本で人気だった理由の一つでもあったのではないかな。歌手のAISHAは他にもアリワに DANCING TIME
というラヴァーズ良曲を残していてお勧めです。