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シュッツァは思い出したようにクイントに聞いた。「そう言えば、あの芝居には何の意味があった?」「あ、いや。実際に降伏の書状は来ていたんです。もちろんそのつもりはなかったですが、 迷いを払拭していただこうかと・・・。やり方間違えましたか?」「そうか、わざわざ手間かけたな」西部の知らせを聞いた国境線では、安堵の色が流れる。「こっちがにらみ合いしてるうちに終わるとは思ってもみなかった」「うしろを気にしなくてよくなったのは大きいですね」「そろそろ向こうも動き出すのではないか。作戦はこのままでよいのか?」「あぁ、もし向こうから来ないのなら、この流れに乗ってこちらから仕掛けていく」開戦の時は訪れ、西側から動き始める。「向こうは数で押してくるか」第一陣が押され始めると、すかさず「左二陣を前へ」と送り出す。それを見た敵は、全軍を一斉に押し出してくる。「さぁ、行け!この地から追い払うぞ」号令とともに人の波がうねりを上げ始める。このうねりとは別のところで状況が変化しようとしていた。「さー、約束通りこっち側についてもらおーか」突然現れた軍隊に町の人は驚き、動揺を隠せずにいる。フューリッド軍が負けたという情報は届いていない。それなのにどこから現れたのか。とはいうものの、約束は約束。手を組む条件が「軍隊を連れてくる」である以上、守らなければならず、リグラーの言う通りに動くしかない。「指示は以上だ」と言い終えたとき、ビルクが現れる。(こいつらの目的はなんだ?どうにかして探る手は・・・)「わりぃけど、今お前にかまってる暇ねーんだ。またあとでな」リグラーはよそ見もせず指示すると、隊が分散していく。「急ぐならなおさら案内役が要るだろ?俺が引き受けてやる」「案内ねぇ。・・・まぁいいか、人質として使ってやる」ビルクを加えた小隊は町から町へと進み、南下していく。移動中、リグラーたちの目的が明らかになる。それは各地を占領しながら城へと攻め上り、降伏させようというものだった。「この数で城に攻め込むっていうのか!?」「城の守備兵はゼリクトアに送り込まれてる。だから、城ん中はからっぽだ」目的が城ということが分かり、ビルクは密かな目的を抱くようになる。4日を費やして城門へとたどり着く。「俺はバフタールの使者だ。この国の最高責任者に会わせてもらおうか」「貴国とは戦争中のはずですが・・・。ご用件は何でしょう?」「大事な話だ。それともここを朱く染めるか?」とビルクの喉元に剣を突きつける。「少々お待ちを」慌てて中へ入り、しばらくしてリグラーとビルクは中へと通される。
2017/11/26
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結構大きめな虹だったので1枚少し前になりますが、彦根城に行ってきましたちょうど彦根城博物館に井伊家伝記、直虎の花押がある書状、青葉の笛、小牧長久手が描かれた絵、赤備えの甲冑、色々と展示されている期間に行きましたとにかく全部見るとかなり時間がたって閉館間近までいることにもちろん城の中も入りましたまあ、急な階段入口から登って足にきますね満足な一日でしたひこにゃん出現時間は決まっているようです(これはパネル)
2017/11/23
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視線を感じた男は「わかりました。言い出したからには必ず成功させてみせます」その言葉を聞いてシュッツァは話題を変える。「そういえば、グレズ。ケガの調子は?」グレズは動揺しながらごまかす。だが、「じゃあ、これは?」と上着をめくられる。そこには乾いた血がべっとりと広がっている。「いや、これはその・・・トマトでして」「へぇ、こんな非常事態に食いもんを粗末にすんのか。これは上に報告させてもらう。 それを考えたのは言うまでもないか。お前の名前、まだ聞いてなかったな」「は、通信部西支局、バーデル・クイントです」「クイント、ね。まずは敵を追っ払ってからだ。期待してるからな」再び敵が動き出し、正面の門に兵力を集中させて一点突破を目指すようだ。直に門は打ち破られ、人の波が押しては返し膠着状態が生まれる。だが、次第に押され始めたのには理由がある。怪力を持ち合わせた者たちが前面に出てきたからだ。(きたな。もう少し引き付けてから)立ち込める熱気に額から汗が噴き出す。その汗も気にせず力強く弓矢を放った。背中や肩から一直線に突き刺さり、ひとりまた一人と動きを止めていく。「上に誰かいるぞ。奴を射殺せ!」もちろんこの反応も想定済み、事前に盾を用意してある。盾が壊れる前に残っていた弓矢を撃ち切り、十分な効果を得られた。形勢は逆転して優位に傾きつつある。敵もそれを察知したのか、あっという間に引き下がっていく。これにてこの地の戦いは終結に至る、が。「二人ともよくやってくれた。まずは礼を言う」それに対してクイントは、「北に向かうのはいつになりますか?」しかしその答えは「向こうに行くことはできない。理由はわかるだろ?」その理由とは、グラッカ王国にある。今ここを離れてしまえば、タダ同然で奪われる可能性がある。この可能性が消えない限り、援軍には向かえない。「それなら、俺に使者として行かせてもらえませんか」クイントはまだ食い下がる。「任務を終えたら帰ってくるのか?いや、そもそも行かせることはできねぇし」クイントはこれ以上どうすることもできず、わかりました。と静かに答える。「悪いな。わざわざ指揮能力のある奴を手放すことはできねぇ。 言わせてもらえば、向こうの仲間を信じろってことだ」さらにもうひとつ、バフタール軍の残党がどこに行ったのかも確認しておきたい、とも。「退却するんですからグラッカ王国を通っていくのでは?」「そうだよな・・・。ということは、この前の奇襲もこのルートを使っていたということか」そもそもこの前の奇襲に何の意味があったのか?そんな疑問がじわじわと浮かんだ。
2017/11/19
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予想に反して突如、「奇襲!」という報せにパニックに陥る。残っている矢も少なく、敵の居場所も把握できていない状況で暗闇を見つめるしかない。結局、そのあと何事もなく、見間違いだろうという結論に終わる。報告を受けたシュッツァは、違和感を感じる(もしこれが、敵の様子見だとしたら・・・)。「・・・指揮官殿、指揮官殿!」揺さぶられてようやく気付く。いつのまにか寝ていたようだ。用件はというと、今後の対策について伺いたい、とのこと。寝ぼけ混じりで「今考えてる。たとえ無くても何とかする・・・」失礼します、と出ていく姿がなぜか気にかかり、部屋を抜け出る。行きついた先では二人の会話が聞こえてくる。「では、このまま計画通りにすすめる」それに対してもう一人は慌てて、「ちょっと待ってください。このままダンマリなんて・・・」「仕方がなかろう。このままでは押し込まれて終わりではないか」そこから沈黙が流れたかと思えば、「なにを、する」「あの人は状況を見極められる人です。人の命を無下にするとは思えません。 すべてを話してこそ見えてくることもあるかと思います」ひとりは脇腹を押さえて沈み込む。指の間から血が漏れ出してくる。あまりのことに意識が飛ぶような感覚に襲われる。そして再び・・・、「指揮官殿」という声に驚き、跳ね起きる。(あれ、ケガは?夢か!?)と思わず声に出しそうになるのを押さえ、何とか取り繕う。用件は特になく様子を見に来ただけだという。敵の動きもあれからない、と。しばらくして独り言のように話し始める。「昨日のあれは、やっぱり様子見だったんだろうな」目的は弓矢を撃ってくるかどうか。撃ってこなかったことで、こちらの武器が少ないというのが確認できただろう。「外に落ちてる弓矢が拾えればな・・・」だが、砦を出ればそこを狙われるのは必定。弓矢の回収はおそらく無理だろう。このままときが経てば、砦の中で戦いになるのは間違いない。そこへ、「門を破られたあとの策ならひとつあります」と口を挟んでくる。シュッツァは作戦を聞き終えると、ひとつ頷く。「それなら向こうの士気を削ぐことができるな」そうと決まれば、誰に役目を任せるか。「某に任せてもらえれば、必ずや役目を果たします」「いや、グレズには中心で統率してもらう」そう言うと視線は残りの一人に向かっていく。
2017/11/12
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「ですが、士気を上げないと勝てるものも勝てなくなるのでは?」「まぁそれは、あの方がだめなら、俺が代わりにやるだけだ」ついに敵が攻め寄せてくる。シュッツァは指揮官として声を張り上げる。「敵は山脈越えで疲労もあるだろう。しばらく耐え忍べば敵の勢いはすぐになくなる。 我々の意地を見せつけよう!これで勝った暁には、褒美が用意されてるぞ!」緒戦は思惑通りに流れていく。だがそれは、敵側にとっても当てはまっていた。「ずいぶんと弓矢を放っているように見えたが、その割には死傷者が少ないな」前線を指揮していた副将は「まさか木の枝を放り投げてくるとは思いませんでしたよ」「ほう、それなら様子見などせず、一気に押しつぶした方がよいかもしれんな」「では、全軍突撃ですか」「まぁ、そう急ぐな。まずは、左右から注意を引いて・・・」翌日、両軍から聞こえる言葉は同じだった。「できるだけ敵を引き付けてくれ」シュッツァの思い描く作戦は敵が昨日撒いた木の枝をまたぎ始めたところで火を放ち、混乱させたところを狙って打ち倒していく、というものだ。敵が前進して罠に近づいてくる。一秒一秒狙いを定めていく。「放て」しかし、またぎ始めたところで左右に方向転換して攻めてくる。「敵が割れた!こちらも二手に分かれる」慌ただしく動きが変わる中で、正面に転がる木の枝が静かに燃え広がっていく。戦況は少しずつ優位に傾いているように見える。「よし。残りの敵が来る前に一気に叩くぞ」目の前の敵を追い払うことに神経を集中させる。正面の火の川はまだその勢いを減らしてはいない。それこそが敵の狙い目であった。「頃合いだな。木の枝を蹴散らせば恐れることはない。進軍っ」木の枝はすぐにバラバラになり、火の勢いは一気になくなる。正面の異変に気付いたときにはすでに敵は目前に迫りつつあった。「まずい、これが狙いだったのか。半分ずつ正面に回してくれ」3方向から攻め込まれ、形勢は不利へと反転する。「すべての物を使ってでも今を守り切れ!」残っている木の枝で登ってくる敵を突き刺したり、手当たり次第に石を投げつけたり、とにもかくにもがむしゃらになって事に当たった。その甲斐もあって何とか今日を乗り切った。「向こうの被害も相当出たはずだ。しばらくは動かないだろう」そう言うと、シュッツァは床にへたり込む。「少しでも休むよう指示してくれ」言い終えるころには天井を仰いでいた。
2017/11/05
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