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「うちの子、発達障害?」と思っても… 進まぬ学校のフォロー 名古屋市内の民家で昨年末、子どもに発達障害の可能性があることに悩んでいたとみられる母と子2人の遺体が見つかった。 警察は無理心中とみて捜査しているが、事件は発達障害の可能性がある子を持つ親に衝撃を与えた。 学校の受け入れ態勢が十分ではないため、「学校は相談に乗ってくれない」と思い込む親が少なくないためだ。 愛知県内に住む女性は四年前、小学校に入った長男が「発達障害の一つの学習障害(LD)なのでは」と感じた。 宿題に出された国語の音読で「とけい」を「けいと」と読んだり、同じ行を繰り返したりしたからだ。 インターネットのサイトではLDの特徴に当てはまった。 二年生の時に担任の教諭に相談したら、「他にもそういう子はいます。様子を見ましょう」と取り合ってもらえなかった。 専門機関で正式にLDと判明し、学校はようやく、テスト時間の延長などの支援をしてくれるようになった。 女性は「学校はこういう所なんだ」と感じたという。 障害児のデイサービスを開設しているNPO法人「じゃんぐるじむ」(愛知県日進市)理事長の竹内由美子さん(50)は「以前より学校の理解は進んできているが、対応に不満を持つ親はいる」と話す。 個別支援を求めたら、「特別扱いはできないと言われた」などの相談が寄せられている。 文部科学省の二〇一二年の調査によると、発達障害の可能性のある子どもは、小中学校の通常学級で6・5%いると推定される。 四十人学級では三人弱になる。 〇五年に発達障害者支援法が施行された前後から、各教育委員会は、コミュニケーションや学習に困難を抱える発達障害の子を支援するため、▽子どもをサポートする特別支援教育支援員を配置▽苦手分野を別学級で学ぶ通級指導-などの対応を取ってきた。 しかし、発達障害の可能性がある子のうち、学校で何らかの支援を受けているのは55%のみで、39%は全く支援を受けていない。 ある市教委担当者によると、授業中に立ち歩いたり教室を勝手に出て行ってしまったりする子への対応に手がかかり、教員は手いっぱいの状況だという。 「親から個別指導を求められても、椅子に座っていられる子に十分に対応するのは難しい」と明かす。 ◆教員・育児雑誌編集者 岡崎勝さん「早め相談、教師と風通し良く」 子どもの発達が気になったとき、学校にはどう持ちかけたら良いのだろう。 小学校教員で、育児雑誌編集者の岡崎勝さん(64)=愛知県日進市=は「親から相談を受けたら学校がきちんと対応することが大前提」とした上で、「親が気持ちを伝えるためには、1人で行くより夫婦や、可能であれば祖父母も一緒に行った方がいい」とアドバイスする。 家族そろった方が、教員に真剣さが伝わりやすいからだ。 具体的に求める支援を伝えるのも一つの手。 箇条書きにしたり、文章にしたりして渡すと、教員も意向を理解しやすい。 担任と相性が良くなければ、教頭ら管理職に相談してもよい。 支援が始まった後は、子どもがどう変わってきたのかを学校側に報告するのを忘れずに。「こんなことを相談しては良くないのではと勝手に考えず、早めに相談しておくと、教師との風通しは良くなりやすい」と指摘する。 【東京新聞 http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201701/CK2017012702000174.html】 親の真剣さをアピールするとともに、予後の変化を見届ける見守り、また、一人ひとり個性も異なるので、どこまでどれくらいの支援を施せるかの見通しの尺度も、今後、学校側から提示する必要が出てきそうですね。🌠237万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント、感謝です。
2017.01.31
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自閉症の人こそが、サイバーセキュリティーの危機からぼくらを救う自閉症スペクトラム障害を抱えた人がもつ素質・才能は、むしろ、これからの社会に必要な能力である。ジョージ・ワシントン大学で自閉症神経発達障害研究所の所長を務めるペル・フリーによる寄稿。アラン・チューリングは、ナチスのエニグマコードを解読し、第二次世界大戦中の同盟国側を勝利に導いた天才だ。敵のメッセージを解読するために必要な計算機を組み立てた彼は、現在ではコンピューターの父、人工知能の父と評価されている。彼はまた、自閉症だったと考えられている。チューリングはその生涯において診断を受けたわけではないが、その天才的な数学の才能と社会性の欠如は、いわゆる自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴と一致する。そして、彼にまつわる話は、思考の異なる人々に表現するチャンスを与えることが、社会にとっていかに有益なものになるかを示すよい例だ。つまり、彼が登場するまでただ暗号を解読することだけが求められ、誰もコンピューターの必要性に気づかなかった。予想外で根本的な解決策に至るには、まったく異なる思考が必要だったというのに。チューリングは不動の名声を得たが、今日のわれわれは、何百万もの天才的頭脳が自分の周りに存在している可能性を認識していない。しかし、チューリングと同様、彼らの多くは、国家を守るのに役立つ非凡な技術的専門知識に長けている。米疾病管理予防センターによれば、世界には7,000万人以上の自閉症患者がいるという(これは世界の人口の1パーセントにもおよぶ)。診断の増加傾向からすると、米国での同成人患者数は2020年までに300万人を上回るとも予測されている。そして現在、専門家の推測によると、彼らのうち70〜90パーセントが失業中、あるいは不完全雇用の状態にあるという。社会には、ASDのある人々はスキルが限られていて一緒に働くのが難しいという偏見がある。しかし、それがもし事実であるなら、むしろわれわれの社会の落ち度が明らかになる。というのも、ASDと診断された人々の半分は、平均かそれ以上の知能をもっているからだ。さらに、職業訓練と就業支援サーヴィスがありさえすれば、より高いレヴェルの雇用や自立の促進、クオリティ・オブ・ライフの向上につながるという明らかな証拠もある。しかし、そうした援助を受けられる人は決して多くない。官民いずれにおいても、ASDのある若者/成人向けのプログラムには、米国の供出する自閉症関連基金のうち、1パーセント未満しか行き渡っていない(ほとんどの費用は、症状の原因を調査する研究と子どもたち向けのプログラムに費やされているのだ)。こうした人々の将来につながる道を整備できなければ、それは個人の不幸を生むだけでなく、人に与えられた才能そのものを無駄にしてしまうのだ。『WIRED』日本版VOL.26に掲載したオバマ元大統領と伊藤穰一(MITメディアラボ所長)の対話でも、いかにASD患者の社会参加を促すかが語られていた。記事は「WIRED.jp」にも掲載。では、われわれの国に必要な職業のうち、いったいどれが、ASDがある人たちの興味と情熱に適合するのだろう? 偶然にも、サイバーセキュリティーの主要分野において、大規模な人材不足が生じている。世界的にみても、犯罪者、テロリスト、敵国によるサイバー攻撃の損害は、2019年までに2兆ドル(約227兆円)を超えると推測されている。この分野の雇用予定者数は増加しており、来年には世界中で100万人に達するともいわれている。同時に、認知能力のある自閉症患者のうち、4分の3以上がサイバーセキュリティー関連の職業に適した素質と興味をもちあわせている。これには、正直でルールを遵守する性質と、分析的で細部に気を配る能力とが含まれる。マイクロソフトやSAP、フレディ・マック(連邦住宅金融抵当公庫。米金融機関)など、いくつかのイノヴェイティヴな企業には、IT職やその他の職種において自閉症の人々を雇用する試験的プログラムがすでにある。ゲイツ財団、ミルケン研究所、ヒリブランド財団は、雇用と研究プログラムに対して資金提供を行っている。しかし、彼らに降りかかる津波のような課題を考えれば、より幅広い努力が求められるのも確かだ。こうした貴重な知性を労働力とするには、公的機関や企業をはじめとする組織の努力を調整する国家戦略が必要だ。そして、そのための構想においては、認知能力をもちながら結果的に自閉症スペクトラムへと分岐した成人たちに有意義な雇用機会を用意することが、第一の焦点となるべきである。この取り組みは、ゼロから始める必要はない。有力な研究・臨床プログラムが活発に行われていて、かつIT産業の仕事がすぐ見つかる地域──ロサンゼルスやニューヨーク、サンフランシスコ、シアトル、ワシントンD.C.など──においてこうした問題に取り組んでいる人々を集めることから、まずは始めよう。既存のネットワークを活用すれば、全国に自閉症をもった成人のための就職拠点を育むことができる。こうした拠点から、サイバーセキュリティー分野の専門技術を養成し、職場におけるソーシャルスキルと自立した生活を送るためのスキルを教えるプログラムが生まれることだろう。さらに、これらの拠点が業界とパートナーシップを組むことで、才能の“パイプライン”を開発し、企業が自閉症の従業員をまとめる方法を理解する助けとなるだろう。半世紀も昔に、チューリングの並外れた能力は戦争での勝利をたぐり寄せ、いまもまだ世界を変え続けているテクノロジーを世に送り出した。今日、新たな脅威に直面しているわれわれは、改めて結束しなくてはならない。これは、1つの社会問題を違う別の問題の解決方法として利用できるまたとないチャンスだ。大いに活用しようではないか。[WIRED. http://wired.jp/2017/01/26/autistic-people-cybersecurity/ ]もはや、国境を越えて、世界的な視野で、大きな論議を呼ぶ、画期的な提案ですね。🌠
2017.01.30
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自閉症の息子は、他人に興味がないと思ってた。ある運転手さんとのお別れで…重度の自閉症と持病のある長男の通院。ほっと一息つけたのはタクシーの中でした。重度の自閉症があり、生まれつき肝臓と心臓に疾患を持つ長男は、赤ちゃんの頃から小児病院へ通っていました。 車の運転ができない私は、双子の次男も連れて、双子ベビーカーを押しつつミルクとオムツの入った大きなバッグを背負い、電車に揺られて最寄りの駅へ。駅から病院まではタクシーで息を切らしながら通院していました。Upload By シュウママ この頃は双子の育児と長男の闘病で、精神的にも肉体的にも辛い時期でした。会計を済ませて病院から出ると、疲労感で頭もぼんやりしています。そのままタクシー乗り場に向かうと、利用者が少ないためか、たいてい同じタクシーが停車していました。 何度か通院するうちに、自然と一人の運転手さんのタクシーに乗ることが多くなり、顔なじみになりました。白いあごひげを垂らしたこの初老の運転手さんが、ベビーカーを畳んだり泣いている双子をあやしたり……Upload By シュウママ とりわけ心を配ってくださったことで疲れがほぐれ、温かい気持ちで家路につくことができたのです。 病院へ通う回数を重ねるうち、次第に運転手さんとの交流も増えていきました。 「会うたびに大きくなりますね」そう言って双子に微笑みかけてくださる、その温かい人柄にどれほど心が救われたことでしょう。 立派なひげの運転手さんはサンタクロース!?でも長男の反応は…Upload By シュウママ子どもたちが3歳になったころのある日、私はこの運転手さんが白い見事に長いあごひげをたくわえているのを見てこっそり「運転手さん、本当はサンタクロースなんだよ」と子どもたちに耳打ちしました。 次男は目を丸くし、タクシーの客席から感嘆の眼差しをおくっていましたが、言葉の理解が遅れていた長男は反応せず、いつもどおり窓の外を眺めていました。Upload By シュウママ長男にはまだわからないかな、と思いましたが、雪がパラパラと降る夕刻、寒さに震えながら病院を出た時、変わらず待っていてくれるこの運転手さんの存在は私たちにとって本物のサンタさんのようだったのです。 病院の移転で、運転手さんとはもう会えなくなってしまう子どもたちが8歳になる今年、長男の通っている病院は、老朽化が進んでいることもあり移転になります。昨年の12月、最後の通院の日は雨が降っていました。 病院を出ると、ぽつんと1台だけ停まったタクシーが目に留まり、長男と共に走りよりました。そこにはいつものように、サンタの運転手さんがいてくれたのでした。Upload By シュウママ「雨で滑るから足元に気をつけてください」と細やかな気遣いをしてくださり、最後の通院日にこのやさしい運転手さんに会えてよかった、と嬉しくなりました。 帰りの車の中、私は運転手さんにこの7年間お世話になったことにお礼を言いました。すると運転手さんは照れくさそうに微笑まれながら、もう今年でタクシー運転手は引退することを話してくれました。 病院は変わってもどこかでまた、偶然乗り合わせることもあるかもしれない-そう思っていたのに……もうこの運転手さんと会うことはないのだとわかると一抹の淋しさがあり、タクシーの中はいつもと違う雰囲気に包まれていました。 今まで運転手さんに関心がないと思っていたのに…。長男の心に届いていたもの自宅に到着すると運転手さんもタクシーから降りて下さり、私は最後のお別れの挨拶を交わしました。Upload By シュウママ その時のことです。車内ではずっと黙って窓の外を見ていた長男が突然、ありったけの大声を出したのです。Upload By シュウママ とても驚きました。 重度の自閉症である長男が、今日で最後だという私と運転手さんの会話を理解しているとは正直思っていなかったから。まして今まで自分から他人に声をかけたり、お礼の言葉を言う事は今まで一度としてありませんでした。あるいはいつもと違う悲しい空気を察したのかも知れませんが、必死に声を振りしぼった長男の姿には、今まで助けてくれた人への感謝の気持ちが滲んでいました。本当はずっと、抱き上げてくださった手や、優しい言葉が長男の心に届いていたのでしょうか。私は目頭が熱くなりました。 運転手さんも驚いたように長男を見つめ、バイバイと小さく手を振ってくださいました。あの瞬間、一生懸命思いを伝えた長男の必死な姿を、私はずっと忘れないだろうなと思います。【woman. excite. http://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35026118/】 思い余っての一言、沈黙を破るほどの一大事と感じたのでしょうね。🌠
2017.01.29
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障害者を最低賃金下回り働かせた疑いで書類送検 知的障害のある従業員3人を、最低賃金を大きく下回る給料で住み込みで働かせていたとして、労働基準監督署は東京のクリーニング会社を最低賃金法違反などの疑いで書類送検しました。 書類送検されたのは、東京・八王子市のクリーニング会社「伸光舎」と、81歳の会長、41歳の社長の2人です。八王子労働基準監督署によりますと、この会社はおととし8月、知的障害のある従業員3人を最低賃金を大きく下回る給料で働かせていたとして、最低賃金法違反などの疑いが持たれています。当時の東京の最低賃金は時給888円で、フルタイムで働いた場合の1週間の賃金は3万5000円余りでしたが、3人は住み込みで1週間に40時間以上工場で仕事をしていたのに、週に2000円から4000円しか支払われていなかったということです。3人の賃金は時給に換算すると50円から100円ほどだったということです。労働基準監督署の調査に対し、会社は当初「請負契約をしている」とうその説明をしていたということで、労働基準監督署は悪質なケースだとして、25日、書類送検しました。NHKの取材に対し、会長は「3人は20年以上前に福祉施設から実習のために預かり、食費や医療費などの生活費は自分が負担してきた。こうした部分への考慮が全くなされていない」と話しています。 障害者虐待防止法の「経済的虐待」にも 障害のある人を最低賃金より安い賃金で働かせたり賃金を支払わなかったりすることは、「経済的虐待」として、障害者虐待防止法で禁止されています。厚生労働省によりますと、虐待には「経済的虐待」のほか、「身体的虐待」「心理的虐待」などがありますが、家庭や職場などで虐待を受けた障害者は、昨年度、全国で3100人余りと、平成24年に統計を取り始めて以降、最も多くなり、中でも「経済的虐待」が35%と最も多くなったということです。また、厚生労働省が昨年度、障害者への虐待の情報が寄せられた全国1325の事業所を調査したところ、およそ3分の1に当たる420の事業所で、合わせて855人に対し「経済的虐待」が行われていたということです。420の事業所のうち7割近くに当たる293か所が、従業員30人未満の小規模な事業所だったということで、厚生労働省は、こうした事業所を中心に指導を徹底していくことにしています。【NHK NEWS WEB http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170125/k10010852741000.html】 賃金問題もですが、労働時間のめりはりがついていないような過酷な生活にちょっと不甲斐なさを感じますね。🌠
2017.01.28
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自閉症スペクトラム~発達障害の当事者による「壮絶な告白」こんにちは。突然ですが皆さんは『自閉症スペクトラム障害』を知っているでしょうか。『自閉症スペクトラム障害』は、以前は『アスペルガー症候群』と呼ばれ、その名が独り歩きしていた障害です。障害名を聞いたことがある人は多いと思いますが、名前から病気の全体像を掴める人は多くなく、以前はなんとなく変わり者の、空気を読めない人間のことを、まとめて陰口混じりにこう呼ぶ傾向があったように思います。そんな一般社会の混乱を知ってか知らずか、医学界は少し前に『アスペルガー症候群』を含むその他の自閉症も包括して、『自閉症スペクトラム障害』という名で呼ぶことを決めました。『自閉症スペクトラム障害』という病名を知らなくても、『発達障害』なら聞いたことがあるという人もいるかもしれません。『発達障害』は『自閉症スペクトラム障害(ASD)』、『学習障害(LD)』、『注意欠陥/多動性障害(ADHD)』の3つの障害の総称です。その中でも自閉症スペクトラム障害は、その影響が直接的に人間関係にまで及ぶため、問題が複雑化しやすい障害です。私は、そんな『自閉症スペクトラム障害』を持って生まれてきました。天咲心良さんが書いた『COCORA 自閉症を生きた少女』は1月27日に刊行されました。第1部「小学校編」は、1月27日〜2月9日の期間限定で、有力電子書籍書店で無料で公開しています。「発達障害」とはどんな障害か『自閉症スペクトラム障害(ASD)』とは、脳の一部に生じた生まれつきの異常により、(1)社会性が伴わない、(2)コミュニケーションが苦手、(3)想像力の欠如、などが現れる障害だと言われています(三つ組みの障害)。しかし、こう言われて、どれだけの人がこの病態を理解できるか疑問です。「人付き合いが苦手な引きこもりで、空想がない子なの?」と思う人もいるかもしれませんが、実際はもちろん、そんなにものではありません。 『社会性』とは、集団の中で人に合わせて行動していく力のことで、『群れ』の一員として求められる行動をとっていく能力を意味します。しかし、自閉症スペクトラム者は社会的にどういう行動が求められているかを理解できず、わざとではなくとも当たり前のルールを無視したり、常識的な行動をとることが出来なかったりします。引きこもりなどではなく、集団にいながら順応することが出来ません。また『コミュニケーション』の面では、言語・非言語を含めた全般のコミュニケーションが苦手で、人と目を合わせる、触れ合う、笑いかけるなどの、表情や体を使った当たり前の愛情表現をしない・理解できないなどがあり、言葉の面では自分の好きな事ばかり話したり、人の言葉が理解できず無視してしまったり、自分の気持ちをうまく言葉にできず混乱して叫び出したり、重い自閉症スペクトラムの子になると、言葉をそのままオウム返ししてしまう、などもあります。コミュニケーション全般で、すべてがちぐはぐで、噛み合わない、何だかしっくりこないと思われることが多いです。さらに『想像力』という面では、これは決して空想遊びをしないなどの意味ではなく、『今これをしたら未来にどうなるか』という当たり前の想像ができない事があげられます。「これをすると、最後は怒られる。だからやめておこう」などの、起承転結が考えられないのです。いつもと違うことをするのを極端に嫌がったり、同じ行動を繰り返すことに執着したりすることもありますが、それは、いつもの行動と少しでも違うことをした場合に、未来に何が起きるのか『想像する』ことが出来ず不安になるからです。そのため急な予定の変更が起ったり、予測のつかない状況になったりすると不安になってぐずる、パニックを起こして暴れるなどすることもあります。一つ一つは些細なことばかりですが、実際に子供の側にいる家族や学校関係者などは大変です。愛情を示しても返してくれない。抱きしめようとしても嫌がる。集団行動ができない。理屈が通じない。どんなコミュニケーションもしっくりとは来ず、こちらの意図が伝わらない。子供からこちらに働きかけて来ようとする意志もあまり感じられず、いつも一人の世界に浸りっきり。今日は天気がいいからみんなでお出かけしようかと言っても、突然の提案に混乱して、泣いて暴れて、お出かけができないどころか大騒ぎに疲れ切ってしまう……他にも特定の音や光、感触に敏感で嫌がる、強い偏食がある、睡眠障害になりやすい(ぐずって寝ない)、片付けなどが苦手、など、一見すると『わがまま・自分勝手』としか見えない行動ばかりなので、関係者はとても大変です。けれど子供も大変です。障害だと分かってもらえなければ、「こんなわがままな子は特別厳しく躾けなければ」と思い違いをされ、理解されないがゆえの苦しみを背負わされることにもなりかねないからです。なぜそう思うかと問われれば、私自身がそういう経験をしたからです。大人になって初めて気付いた「障害」私の障害は、大人になるまで分かりませんでした。そのために障害があることも理解されないまま、小学校一年生の時には理解のない担任によって虐待と言ってもいいような体罰を受けることもしばしばでした。「キチガイ」「知恵遅れ」「あんたは動物以下」などの差別的発言はもちろん、言うことを聞かないと言っては叩く蹴るの暴力を受けました。給食の際には時間内に食べ終わらなかったと言って、残飯のようになった給食を食べさせられたこともあります。元々問題がある教師ではあったようですが、もし私に『見えない障害』がなかったなら、それほどの目には合わされなかったのではと思います。実際私はクラス1の『問題児』で、授業中でも離席し歩き回ったり、遅刻して、昼の12時に学校に到着したり、人とのやり取りがうまくできずに癇癪を起こしたり、パニックを起こしたりしていました。これはすべて自閉症スペクトラム障害から来た混乱でしたが、元々支配的で暴力的な教師はそれを力で押さえつけて、問題解決しようとしていました。「叩けばいうことを聞くだろう。単なるわがままだから」と思われていたのです。でも、障害があると知らずにこんな状態の子供を見たら、あなたもどう思っていたか分かりません。暴力に訴えていたかは別として、「何て行儀の悪い、躾のなってない子供だろう。あんなにわがままばかり言って、自分のことしか考えないなんて……将来ロクな大人にならないな」と思うのではないでしょうか。同じクラスの子の親であれば、「親はどんな育て方してるんだ。こんな子が自分の子供と同じクラスなんて……うちの子の勉強の邪魔になるじゃないか。迷惑だ。うちの子が何をされるか分からない。あんな子と関わらせるわけにはいかない」そんな風に思うかもしれません。それが障害ゆえのものだと分かってもらえないほど、子供は悲惨です。誰よりも理解してもらい、サポートをしてもらわなければならない障害を背負っているのに、サポートしてほしい人たちから“ワガママ”、“嫌な子”などと決め付けられ、疎外されてしまうからです。Photo by iStock そうして、何をやっても『普通に』こなすことが出来ず、嫌われ者になってしまう自分に対して、自閉症スペクトラムの子供たちは劣等感を抱くようになります。『どうせ僕が悪いんだ』『何をやってもうまくいかないんだ』『友達なんかできるわけがない』『私は皆に嫌われている』『私は、存在しない方がいい人間なんだ……』と。障害を理解してもらえない子供は、誰にも助けてもらえず、癒されずに生きていかなければなりません。そのどれもが障害による特性で、決して子供たちのせいではないとしても、理解してもらえなければ、できない事はなまけ者扱いになり、分からないといえば理解する気がないのだと言われ、つらくて泣いたら根性が足りないからだと怒られてしまうからです。足がない人に、「なんであなたは歩けないの?」という人はいないでしょう。一目見て分かりますから。けれど脳の中で起きていることは、誰にも見ることが出来ません。だから「なんでこんなこともできないの? 普通に考えればできるでしょう」と、いつも言われて、突き放されてしまうのです。けれど私に、優しくしてくれる人がいなかったわけではありません。小学校2年生~3年生の間は、私のことを本気で考えてくれる、優しく思いやりのある、子供好きの本当によい先生が担任でした。その先生がいたから、今の私がいるのだろうと思います。けれど、そんな優しく思いやりのある先生すら、『見えない障害』のことは知りませんでした。先生は私にたくさん良くしてくれ、時には娘のようにかわいがってくれましたが、そんな優しい先生さえ、私を本当の意味で『理解』し『サポート』することは出来なかったのです。もし先生が私の『見えない障害』のことを知り、私の中で何が起こっているのか気づいてくれていたなら、きっと全力で私を助けてくれたでしょう。先生の優しさに『障害への理解とサポート』が加わっていたなら、きっと私には別の人生が開けていたはずです。けれどその後も、私は誰にも気づかれないまま、成長することになりました。 見えないがゆえの「暴力」残念ながら私は家族からも理解を得られず、小学校一年生の時の体験も相まって、小学校低学年の時にすでに『二次障害』と呼ばれる、障害を理解されないがゆえに起こった精神症状を抱えていました。トラウマによるPTSDや、解離性障害、睡眠障害、小児鬱などです。やがて生きていてもしょうがないからと、担任が変わった小学校4年生では自殺まで考えるようになり、思春期にはさらに重い精神症状に苦しめられながら、辛さを誰にも分かってもらえないまま、大人になることになりました。目の見えない子に「なぜ君は現実を見ようとしないんだ! 気合が足りないから目が見えないんだ!」と怒鳴っている人を見たら、あなたは腹が立ちませんか?「見たくなくて見ないわけじゃないのに、何言ってんだ!」と思いませんか?けれど、自閉症スペクトラムを含め発達障害の子供たちは、常にそのような扱いを受けているのです。何も悪いことをしていないのに、理不尽に怒られて、傷ついている子供たちが今でも多くいるのです。大人になったある日、大きな病院を訪れて、ようやく自分が自閉症スペクトラムだったと診断された私は、ようやく私は何も悪くなかったんだと、ただ病気のせいだったのだと知りました。けれど、「じゃあなぜ私は傷つけられたのか? 苦しまなければならなかったのか?」。過去に起きた出来事が頭の中で止まらなくなり、苦しくて辛くて、押しつぶされそうでした。 フラッシュバックに堪えながらそんな時に、「本を書いてみよう」とふと思いました。私の全ての体験と、その中で私が感じたことの全てを、文字にして全部吐き出したら楽になるのではないかと考えたのです。最初は全く書けませんでしたが、しばらくしてから自分の子供時代を見ているような気分にさせられる子供たちに何度か出くわす機会があり、「私の気持ちを整理するためだけじゃなくて、あの子たちのためにも役に立つ本にしなければ」という思いが強くなっていきました。それだけではなくて、大人から見たときに、分かりたくても分からない、その世界観を少しでも感じてもらえるようなものにしなければ、と思うようになったのです。それまで本どころか、文章もまともに書いたことがない私にとって、突然本を書き出すというのは並大抵のことではありませんでした。情報を整理することもできず、最初は無駄にフラッシュバックする記憶が頭の中に飛び回るばかりで、何を書けばいいのか分かりません。けれどとにかく、書き続けなければと、片言のまま文章を書き連ねて、だいぶ進んだら最初の方を書き直して、また書き進めては前の文章を書き直していく作業を繰り返しました。とにかく分かりやすく、読みやすいものを書きたかったからです。本を書くなら、全国、出来れば全世界の人に読んでもらえる本にしなければと思っていました。なぜなら、本を読んでくれた7人の理解ある人たちがいても、3人の本を読んでいない理解のない人たちがいれば、その3人が子供たちを傷つけることになります。『見えない障害』のことを知ってもらうためにも、私はこの本を、一人でも多くの人に読んでもらえる本にしなければと思うようになりました。だから何十回も何百回も書き直しを繰り返しました。Photo by iStock 奇想天外な人生ありがたいことに奇蹟が重なり、私は運よく、大手(らしい)の講談社から本を出してもらえることになったのです。実を言うと私は多少常識のない人間なので、『講談社』という名前は知っていたものの、古い雰囲気の名前から「老舗のなんか古臭い、細々とやってる出版社なんだろうなー」と思っていたのです……人も会社も名前で判断してはいけませんね……本当に。とにかく、偶然と奇縁が重なって、運よく編集さんのお眼鏡に適うことができ、私は『COCORA~自閉症を生きた少女~』というタイトルで、自伝的小説として、自分の歩んだ人生を刊行できることになりました。 本は全部で3巻まで出すことになっていて、今回1巻と2巻が同時刊行です。そして、今回は前代未聞のチャレンジをすることになりました。担当編集者の提案で、『1巻の全編』の内容を、電子書籍版で2週間の期間限定で、『無料配信』させてもらうことになったのです。ただし、書店の書籍は有料ですよ。『1巻の電子書籍版のみ、1月27日~2月9日まで2週間無料』なので、お間違いないように。講談社内でも、刊を無料配信というのはあまりやったことのない企画だそうです。私も最初は戸惑いましたが「どうせ新人で3巻出すなんて前代未聞やし、もう一つ前代未聞なことをしても面白いよねー」とOKしました。これで、一人でも多くの人に読んでもらいたいという願いも叶います。チャレンジ精神旺盛の担当さんに感謝です。2巻目は有料ですが、1巻を読んだらきっと2巻も読みたくなってもらえると信じています。自分で言うのも何ですが、私の人生は一言では書けないぐらい奇想天外なことばかりなので……本の中でお会いできるのを楽しみにしています。私の名前は、天咲心良。自閉症スペクトラム障害とともに生きています。私が自閉症スペクトラム障害と共に歩んだ日々を、『COCORA~自閉症を生きた少女~』の中に綴りました。少しでも多くの人に、この障害のことを知ってもらえれば嬉しいです。講談社BOOK倶楽部にて『COCORA 自閉症を生きた少女』の特集ページを公開しています。こちらもあわせてご覧ください。天咲 心良(あまさき・ここら) 昭和生まれ。幼い頃から「変わった子」と言われて育つ。大人になり高機能広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)と診断される。診断後、本の執筆を思いつくが、長らく書くことはなく、その後長期の体調不良に陥ったことをきっかけに、「自分の人生の意義を知りたい」と執筆を開始。好きは花はアザミ。【gendai ismedia. http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50796】 送料無料/COCORA 自閉症を生きた少女 1/天咲心良意を決しての挑みは、まるで導かれたかのような展開になりましたね。🌠
2017.01.27
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自閉症児の偏食改善講座 食材分割、臭い、温度対策50項目 大阪府立大 自閉症スペクトラム障害(ASD)の子供に多い偏食を改善しようと、大阪府立大のグループが、独自に考案したプログラムの出前講座を来年度から始める。ASDの子供はこだわりの強さや感覚の過敏さなどから受け付けない食べ物があるが、食材を分けたり切り方を工夫したりすることで改善がみられるという。グループは「偏食に悩む親や子供の手助けになれば」と話している。 考案したのは大学院総合リハビリテーション学研究科の立山清美講師(53)=作業療法学=と博士後期課程3年の宮嶋愛弓さん(36)。ASDは自閉症やアスペルガー障害などの総称で、7年前から偏食について調べ始めた。3~18歳のASD児の親130人を調査したところ、約8割に偏食があり、特に幼児は約9割と割合が高かった。偏食がある子の保護者の8割以上が「対応に困っている」と回答した。広告inRead invented by Teads さらに、好き嫌いの要因を「飲み込みやすさ」などの口腔(こうくう)面▽臭いや温度などの感覚面▽こだわりや慣れなどの認知面--の3分野57項目に分類。口の中で味が混ざるのを嫌がったり、特定のメーカーの包装容器を好んだりするなどの傾向が分かった。 立山さんらは結果を基に、一口ずつ終わらせて味が混ざらないようにする▽形や大きさを一口サイズに統一する--などの対応策を50項目にまとめた。具体的には、サンドイッチが苦手な子にはパンと具を別々にしたり、肉をミートボールにして小さくして提供したりする。 府内3カ所の療育施設で試行してみると、食べられる食品数が増えるなどの効果があった。立山さんは「偏食には理由があり、子供の立場で環境を調節するアプローチを考えた。少しずつ食べられる食品を広げてほしい」と話している。 出前講座は計2回(各1時間程度)。偏食の要因や対策を学び、親同士が家庭での対応を話し合い、必要に応じて個別面談もする。実施方法や費用は応相談。問い合わせは大阪府立大広報課(072・254・9103)。http://mainichi.jp/articles/20170120/ddn/012/040/025000c#csidxa0ee379dfaeb465990400de06f3dd2a 毎日新聞実に切実な悩みでもある自閉症児の偏食が、こういう方法で改善が図れれば有難いことですね。🌠236万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント、感謝です・・。
2017.01.26
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知的障害の妹がいます。 知的障害の妹がいます。24歳で精神年齢は7歳くらい。24歳な面もあれば、7歳くらいの面もある。やっぱり可愛いし大事だし大好きだけど、イライラしてらたまらなくなる。人の言動を利用するようになったり、人が迷惑するような言動をわざとする。何より約束ごとや注意が聞けない。お母さんは一生懸命やってても、反抗期もあって妹は聞かない。もう疲れたよ…それでもやっていかなきゃいけない。世の中のお母さんはすごいなあ。私は妹でいっぱいいっぱいで、叱り方も分からず、伝わらなくて疲れて、仲直りして、褒めて、褒めて、叱って。どうしてかなあ…もう泣けてくる。けどお母さんも妹もがんばってる。でもほんとに疲れた…[GIRLSTALK http://www.ca-girlstalk.jp/talk/detail/821726]2歳違いのお姉さんからの投稿です。身内だから分かり合えることもあれば、常に一緒にいることで重なるストレスもある。家族ってきっと距離感が大切になってくるんでしょうね。🌠
2017.01.25
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発達障害の子どもの支援不十分 文科省などに改善勧告コミュニケーションがうまくとれないなど発達障害のある子どもへの支援の現状について、総務省が初めて全国の学校や保育所の抽出調査を行った結果、学習指導要領などで定められた支援計画が、半数余りで作成されていないことがわかり、総務省は文部科学省などに対し、改善するよう勧告しました。 発達障害をめぐっては、平成17年に、支援の在り方を定めた発達障害者支援法が施行され、その3年後には学習指導要領などで学校側が子ども一人一人に対する長期的な支援計画を作成することが定められました。総務省行政評価局は法律の施行から10年となったおととし、19の都道府県の合わせて116の学校や保育所などを抽出して支援の現状について初めて調べた結果、半数余りで支援計画が作成されていないことがわかりました。支援計画では、学校が子どもや保護者と話し合いながら支援の方針などを具体的に決めますが、調査では、計画がなく継続的な支援が受けられなかったことで、いじめや不登校につながったと見られるケースもあったということです。背景には、計画の重要性に対する学校現場の理解不足などがあるということで、総務省は文部科学省や厚生労働省に対し、取り組み状況を改善するよう勧告しました。高市総務大臣は記者会見で、「それぞれのライフステージを通じた切れ目のない支援につなげるよう、一層の取り組みを求めたい」と述べました。【NHK NEWS WEB http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170120/k10010846231000.html】学校が変わって、また卒業後も、それぞれのライフステージを通じた支援、願ってやみませんね。🌠
2017.01.24
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ディズニーアニメを通じて言葉取り戻した自閉症少年を追うドキュメンタリー公開 2016年のサンダンス映画祭で監督賞を受賞したドキュメンタリー「Life, Animated」が、「ぼくと魔法の言葉たち」の邦題で4月上旬に公開されることが決定。 あわせてポスタービジュアルが到着した。 本作は、自閉症により2歳のときに突然言葉を失うも、大好きなディズニーアニメを通じて言葉を取り戻していった少年と家族の絆を映し出す記録映画。 自閉症と診断された次男オーウェンの発する声がディズニーアニメ「リトル・マーメイド」に登場するセリフだと気付いた父は、オーウェンが大好きなディズニーキャラクターである「アラジン」のオウムのイアーゴになりきって語りかけていく。 メガホンを取ったのは、「Music by Prudence(原題)」で2010年にアカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞したロジャー・ロス・ウィリアムス。 「アイ・ウェイウェイは謝らない」の製作総指揮を手がけるジュリー・ゴールドマンが製作を担当した。 「ぼくと魔法の言葉たち」は東京・シネスイッチ銀座ほか全国で順次公開。 【映画ナタリー http://natalie.mu/eiga/news/217427】 またまた、楽しみな作品が公開されますね。🌠
2017.01.23
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自閉症スペクトラム 当事者が地震被災本 断水、停電…克明に描く [熊本県]「本書は熊本地震に被災した一人の自閉症スペクトラム当事者が書いた発災からの私的な記録である」と書き出された本が出た。著者は、高校で特別支援教育の支援員をしている阿蘇市の井芹大悟さん(43)。題名は「震災を乗り越えて~熊本地震直後からの日常生活とその工夫~」。被災者の生活や難局で助け合う姿を克明に描いた貴重な証言録になっている。 井芹さんが友人に無事を伝えるために書いた日記の「前編」と、自らの災害ボランティア活動を通して広がった支援の輪を紹介した「後編」で構成。前編は「夜の1時半頃、緊急地震速報のキュイーンという警報音に叩(たた)き起こされました。来るぞ! と身構えていると、ユッサユッサと家全体が基礎部分から揺れている」と、昨年4月16日の本震時の緊迫した記述から始まる。 電気、水、通信機能が断たれた家族の生活を守るため、井芹さんは鉄骨造りの車庫に自宅避難所を開設した。その後の日常が次のように語られていく。 「今日は朝から大雨で昼には止(や)むはずでしたが、夕方まで続いたので外の作業は何もできませんでした。けれど雨水をたくさん貯水できたので、生活用の雑水をかなり確保できました」 「夕食は旬のタケノコを使った、まぜごはん。野菜がほぼ手に入らなくなり、近くに生えていたヨモギの天ぷらと庭のウドの天ぷらでした」 「阿蘇では自衛隊や消防隊の他にも各地の警察や機動隊が警らして、安全と治安を守ってくれています。その他にもたくさんの方々の勇気と行動によって私たちは生かされています」 「水道が出ないことで衛生面の悪化が心配です。私自身満足に手を洗えず、作業用手袋を脱着する際に逆むけがひどくなって、ばい菌が入って指がパンパンに腫(は)れていました」 本は「今の私は助けられる側ですが、私たちを助けてくれる方々が被災したときには、逆に私たちが助けを差し伸べられるように相手をおもいやる気持ちを忘れないようにします」という言葉で結ばれる。 自閉症スペクトラム障害は発達障害の一種で、感覚が極端に敏感だったりするとされる。精神の安定を図ることが大切といい、井芹さんは今回の震災と避難生活について「ひとえに田舎の持つ空間の広さがストレス軽減につながったのだと思います」と書いている。【西日本新聞 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kumamoto/article/302548】【閉店セール中1/30迄・新品・本】震災ドキュメント(NextPublishing) 震災を乗り越えて~熊本地震直後からの日常生活とその工夫~ <井芹大悟>当事者の実体験からの経験話、いざという時の何かの手立てになりそうですね。🌠
2017.01.22
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映画『ザ・コンサルタント』のギャビン・オコナー監督にインタビュー。自閉症スペクトラムの会計士はなぜシラットを使うのか? ワーナー ブラザース ジャパンより ――どのような経緯で本作を手がけることになったのでしょうか? ギャビン・オコナー(以下、オコナー):プロデューサーが送ってくれた脚本を読んでみたところ、その型破りなストーリーに驚かされたんです。 このようなタイプの作品で、主人公が自閉症スペクトラムというのは初めてだと思いますし、主人公のクリスチャンをすごく気に入りました。そんな彼に焦点を当てた作品を作ってみたいと思ったので、この仕事を受けたんです。 ――本作も『ウォーリアー』と同じく、ある意味では兄弟の物語でしたが、これは脚本に元からあったアイデアなのでしょうか? それとも監督の意向で追加したのでしょうか? オコナー:脚本には元から兄弟や家族という要素が断片的にあったのですが、私はさらにそれを全面的に押し出すように回想シーンなどを加え、クリスチャンと彼の家族の過去を描く作品へと変えていきました。 かなり無意識にやっていたことなんですが、リハーサルをしているうちに「なんだか、『ウォーリアー』っぽくなってきたぞ」と思いましたね。 ――やはり監督にとって、兄弟という関係は特別な魅力を感じるものなのでしょうか?オコナー:父子や兄弟といった家族の絆はストーリーとして魅力的なものですが、本当のところはどこに惹かれているのか、自分でもわかりません。だからこそ、自分はこのアートを通じて、その答えを探し続けているのだと思います。 ――本作は弱点を持ちながらも、類まれなる能力で戦う男の誕生秘話を描く、アメコミっぽさの感じられる内容であると同時に、ベン・アフレックを筆頭としたアメコミ映画/ドラマで有名な人物が出演している作品ですが、あえてアメコミ映画のファンを狙ってキャスティングしたのでしょうか? オコナー:脚本の段階で、ちょっと現実離れしたコミックっぽい作品だとは感じましたが、私は地に足の着いたリアルな作品を目指しました。 もちろん、クリスチャンはスーパーパワーとも呼べる能力を持っていますが、基本的な戦闘技能はあくまでも訓練によって得たものです。なぜ彼が凄腕になったのか?というオリジンが描かれる過程は、あくまでリアルに描いていきました。 ベンがクリスチャンを演じているのも、彼がスーパーヒーロー映画に出慣れていることとはあまり関係はありません。ただ、『ザ・コンサルタント』はアクションがたくさんある作品なので、彼の肉体的にこの役がぴったりだと考えました。同時に、ベン・アフレックのファンとして、彼が今までに経験していないタイプの役に挑戦するところを見てみたいと思ったんです。 そして実際に役が決まると、まず自閉症スペクトラムに関してのリサーチを一緒にしてほしいとお願いしました。キャラクターの細かな仕草まで作り込みたかったからです。 ベンは快く引き受けてくれ、ともにキャラクターを作り上げ、本当に素晴らしい演技を見せてくれました。天才的な頭脳を持つと同時に障がいのある人物を演じる場合、多くの役者は自分のスキルを見せつけるかのようにちょっと過剰な演技をしがちですが、すばらしいことにベンはあえて控えめにおさえた演技をしてくれたんです。 ――ベン・アフレックの仕事ぶりはいかがでしたか? オコナー:映画監督でもあり役者でもあるという人物と仕事をするのはベンが初めてでした。彼は監督としての経験から、監督が役者にやってほしいことをよく理解しています。 彼は役者の振る舞いが映画自体の雰囲気も変えてしまうということを理解しているんです。撮影現場で自分勝手な行動をすると、他の役者にも悪影響を与えます。 だからこそベンは真面目な職人にように、決して遅刻せず、全力を尽くしてくれました。きっと、それが監督としてのベンが役者に求めるものなのだと思います。 ――本作でのクリスチャンのアクションは効率的で、無駄のなさが際立っていますが、なぜそのような動きになったのでしょうか? オコナー:これは脚本から完全に変えた部分で、『ウォーリアー』を担当したスタント・コーディネーターのサム・ハーグレイブとフェルナンド・チェンの二人と一緒に、クリスチャンの人物像と生い立ちから彼の学んだ技を考えて、それに合わせた回想シーンを作りました。 それから彼が数学の天才であるというところを考慮に入れて、数学的に見て最速の方法で相手を倒すという戦いへのアプローチ方法を考えたんです。本作のアクションはキャラクターの過去を探っていく中で、観客を飽きさせずに楽しませるためのものとしても作ってあります。時に残酷ですが、その効率の良さと彼の素直さを表現したかったんです。 ――クリスチャンはインドネシアの格闘技「シラット」の使い手ですが、「シラット」を採用した理由はなんでしょうか? オコナー:どんなスタイルでも選べたのですが、スタント・コーディネーターと技を探す中でシラットを知りました。その効率的でありながらも華やかさもあるところが気に入り、きっと面白いものにできるだろうと思って選びました。 そんなシラットをクリスチャンが学んでいるということのつじつまを合わせるために回想を作ったわけです。 ――サスペンスや謎解きの要素もあるシリアスな作品ですが、同時に笑ってしまうようなシーンも随所に挟まれていました。ユーモアを入れたのは監督のアイデアなのでしょうか? オコナー:そうですね(笑)。脚本の段階から驚きの展開もあるパズルのようなストーリーだったのですが、私は本作をシリアスでリアルにすると同時に、楽しい作品にしたかったんです。 なので、ベンと一緒にユーモアを盛り込んで行きました。ただ、そのユーモアはキャラクターのセリフではなく行動で、わざとらしくない自然な形で表現しようと決めていました。私のすすめもあって、ユーモラスなシーンの多くはベンの即興です。 ――今作の続編については考えていますか? オコナー:スタジオと話はしているんですが、スケジュール的に忙しいのと、きっとベンは私よりもさらに忙しいと思うので(笑)、かなり先になると思います。 そんなこともあって、いま脚本家たちと相談しているのはTVシリーズ化です。ただ、クリスチャン・ウルフを別の俳優が演じるのではなく、彼のオペレーターと彼と同じように障がいがある凄腕のスペシャリストのチームが登場する物語にしようと考えています。 さらに、チームのうちのひとりがクリスチャン・ウルフと同じ会計士であり、師弟関係で、ベンが出演できるようにしようとも思っています。 *** 『ザ・コンサルタント』は続きが見たすぎる終わり方をする映画なので、続編が非常に楽しみ! 監督は意識していないと言っていましたが、本作はアンチ・ヒーローもののアメコミに通じる魅力が存分に味わえる映画。 また、専門家や養護学校の元を訪れて入念なリサーチをしたという、自閉症スペクトラムの描き方もポイントとなっているので、アクション以外のシーンにも要注目です。 映画『ザ・コンサルタント』は2017年1月21日(土)から全国公開。 【GIZMODO http://www.gizmodo.jp/2017/01/the-consultant-gavin-o-connor-interview.html】 新春からかなりインパクトのあり話題性豊富な作品、チャンスがあれば是非、観に行きたいですね。🌠235万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント、感謝です。
2017.01.21
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次男と末娘は自閉症スペクトラム。現実を受け入れる日までのこと 子ども3人中、下の2人が発達障害を持つ母の窪田さん。 社会福祉士、精神保健福祉士でもある窪田さんのお子さんが発達障害を診断されるまでをお届けします。 著者 窪田 秀美 社会福祉士、精神保健福祉士 子ども3人中、下の2人が発達障害。真ん中の子どもは現在特別支援学級に在籍し、一番下の子どもは発達支援の療育&感覚統合療法を受けている我が家の子どもたち3人中、次男と末娘が自閉症スペクトラムと診断されました。 うち小学2年の次男は現在特別支援学級に在籍しています。 残る一人は小学5年の長男がいます。 長男は過去に自閉症の疑いと言われたことがありますが、後に問題なしとなりました。 次男が「発達障害かも?」と言われた時も長男の時のように「いずれ疑いはなくなるかも」と思い、言われるままに市の適応訓練に通わせていました。 ところが次男の場合は、長男の時のようにはいきませんでした。 きっかけは「言葉が増えない」こと。でも治ると信じて次男がおかしいと感じたのは2歳の頃でした。1歳過ぎに「ママ」「はい」程度の言葉を発して以降、語彙が増えずの状態が続いていました。また、食べ物に対する執着が激しく、長男のおやつを盗み食いする、勝手におやつの戸棚を開けて食べる、買い物に行く前に「今日はおやつを買わないよ」と言い聞かせたつもりで出発しても結局スーパーでおやつのおねだり。 「今日は買わない約束だよ」と言っても聞き入れずひたすらギャン泣き。私自身おやつノイローゼになりそうでした。 長男が2歳ごろに急に語彙が増え、しゃべりだしたということもあったので、それより言葉が遅い次男のことがとにかく心配になり、市の保健センターに相談しました。 その時の結論は「様子を見ましょう」でした。それを受けて私は、そのうち言葉も増えるだろう、激しいおやつのおねだりも落ち着くだろうと思っていました。 約一年経過し、多少の言葉は増えたものの、会話にはなっていませんでした。 年度初めの、次男3歳3か月の頃に月1~2回、母子ともに市の適応訓練を受けることになりました。 この適応訓練は発達の気になる子に遊びを通して療育のような働きかけをするという、受給者証を必要としない市独自の取り組みで、発達障害の診断名がついていない子も多く利用していました。 適応訓練での息子の様子は、リズム遊びなど体を動かす遊びがみんなと一緒にできない。できないので参加しようとしない。 訓練の先生には「自分からやろうとするまでほうっておきなさい」と言われたので私だけリズム遊びに参加するという不思議な状態に。 他の子どもたちは親子でリズム遊びに参加しているのになぜ自分の子だけ参加しようとしないのだろうと悲しい気持ちになりました。 結局、このような状況が4月から翌年1月まで続きました。 4歳になってやっと、少しずつリズムに参加するようになりました。 診断は自閉症スペクトラム、感覚統合療法を受けることに3月、いよいよ幼稚園入園前という時期になり、入園後も適応訓練を受けられないかと考えていた頃、市の発達検査を行った心理士の先生と、適応訓練担当の保健師さんより言われました。 「次男くんは、もううちでは見られない。民間の療育施設で療育を受けてください」 確かに、こだわりや執着の強さ、みんなと同じように行動できないなどの問題はありましたが、民間の療育に行けと言われるほどうちの子どもはひどかったのかと、目の前が真っ暗になりました。 一緒に訓練を受けていた子たちの多くは普通に幼稚園に入園するのに。 次男の発達障害を認めたくはなかったけれど、このまま認めなければもっと事態はひどくなるかもしれないと思った私は、言われるままリハビリセンターの小児科を受診&民間の療育を申し込みました。4月になり幼稚園に入園、加配の先生つきで過ごさせていただきました。適応訓練ではできなかったリズム遊びも参加できるようになりましたが、お友達とのコミュニケーションが難しい、制作の指示が入っていないようだと、担任の先生より指摘を受けました。それを受けてもう一度リハビリセンターの先生に相談した結果、自閉症スペクトラムとの診断を受け、約一年、感覚統合療法を受けることになりました。 感覚統合療法では眼球運動がうまくいっていないことや前庭感覚が育っていないことなどが指摘され、それらの訓練を中心に進んでいきました。 できないことばかりじゃない!できることもいっぱいあると気づく感覚統合療法を1年間受けてわかったことがあります。 実は次男は運動神経がよかったこと、数の感覚が優れていたこと、図形パズルが大好きで、基本集中力がなかった次男がその時だけはすさまじい集中力を発揮したこと。 私は今まで次男の「できないこと」にばかり注目していました。でも、「できること」もたくさんあるということに気づきました。「得意を伸ばす」ことを考え、運動神経を生かしてラグビーを始めました。また、自閉症スペクトラムの子は習慣づけをするときっちり物事をこなすので、毎日プリントをこなすくもんを始めました。作戦は成功。 自閉症スペクトラムの子にとって得意なことは何か、悪い面ばかりを見るのではなく、特性を逆手にとっていい方向に導くことができればそれは強みになるのかもと感じました。 強みを生かして個性にできればいい人間、苦手もあれば得意もあります。 発達障害の子はそれが人より極端で凸凹があるために生きづらさを感じやすいです。 でもそれだけに得意が目立つので、そこをうまく伸ばせば素敵な個性になるのかもしれないと今は思います。 次男は現在、特別支援学級に在籍する小学2年。 そして算数とお絵かきとゲームが好きなラグビー少年に成長しています。 コミュニケーション等、大変な部分はまだまだありますが、それらの得意分野をどう伸ばすかを考えることが楽しみになりつつあります。 【GTNEWS http://www.ca-girlstalk.jp/news_topic/105357】 幼い頃からラグビー体験、きっとその時々で成長が図れることでしょうね。🌠
2017.01.20
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自閉症の子どもに「テレパシー能力」があることが科学で判明! 7歳少女の実験動画に驚愕 ほとんど会話することができない自閉症の子どもの中に「テレパシー能力」を持つ者がいる可能性があることが科学者による実験で浮上した。他人の思考を自由自在に読む驚愕の実験映像とともにお伝えする。■他人思考を読める子どもたち 自閉症は軽度から重度まで広いスペクトラムを持つ先天的な脳機能障害だ。一般に、社会性やコミュニケーション能力に障害を抱えており、重度の患者の中にはほとんど身動きせず、意思疎通が極めて困難な者も存在する。 ところが、米ニュースサイト「Collective Evolution」によると、ほとんど会話ができない自閉症の子どもに「テレパシー能力」が備わっているという驚きの研究が報告されたというのだ! 詳しく見ていこう。 元ハーバード大学医学部会員であり、オレゴン州メドフォードの開業医としても活動しているダイアン・パウエル博士は、言葉を話すことができない自閉症の子どもを研究するうちに、彼らが「テレパシー能力」を持つことに気付いたそうだ。その中でも博士を最も驚かせたのが、当時7歳の女の子ヘイリーだ。 実験が行われた2013年当時、ヘイリーは文字や数字を少し言うことができるだけで、それ以外はまったく喋ることができなかったという。また、簡単な計算もできなかったが、なぜか大人でも手間取る長大な計算に正解することがあったそうだ。当初、両親は「天才数学少女」だと思い込んだそうだが、セラピストが彼女に聞いてみたところ、意外な答えが返ってきたという。なんと、ヘイリーは他人の頭の中をのぞき見ることができるというのだ! 驚いたセラピストが、自身の父親・大家・書籍の名前からI Love Youのドイツ語訳までヘイリーが知るはずのない情報を答えるよう指示したところ、全問完璧に解答してのけたという。 当時行われた実験の様子が映像に残されている。ヘイリーは黙々とボード上の数字をペンでタッチし、面倒な割り算を完成させていくが、もちろんこの数式は彼女に知らされていない。ヘイリーはセラピストが計算機ではじき出した数値を、彼女の頭の中をのぞき見ることで知っているのだ。パウエル博士が研究した子どもはヘイリーだけでない。以前トカナでもご紹介した、当時5歳のラムセス少年もその1人だ。2歳にしてスペイン語、日本語、ギリシア語、英語、ヘブライ語、アラビア語、ヒンディー語を操る超天才であるが、超能力においても他を圧倒する天才ぶりを発揮している。 パウエル博士は母のニークスさんが思いついた数字と乱数発生器から数字を選び、書き出した物を用いてラムセス君にテストをした。すると彼は見事に博士の選んだ数字を言い当てたのだ! また別のテストではラムセス君の視界から隠された二桁を含む17個の数字のうち16個を言い当てたという。 驚愕の実験結果というしかないが、一体彼らはどこまで他人の思考を読み取ることができるのだろうか? 感情や映像イメージなども見ることができるのだろうか? チェスや将棋をしたらどれほど強いのだろうか? テレビシリーズ『Xファイル』に登場するギブソン少年のように宇宙人の思考も分かってしまうのだろうか?不明な点はまだまだ多いが、70年代からCIAや中国が超能力者を真剣に研究をしてきたこともあり超能力は“実在の能力”として徐々に研究が盛んになってきているという。今後も驚愕の真実が次々と報告されることだろう。 【TOCANA http://tocana.jp/2017/01/post_12061_entry.html】以前にも、報道された少女。何か持って生まれた使命があるんでしょうね。🌠
2017.01.19
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知的障害児の1割に精神病薬処方 長期なら副作用も 知的障害のある子供の約1割に、統合失調症の治療薬である抗精神病薬が処方されていることが、医療経済研究機構(東京)などの研究チームによる調査で分かった。このうちほぼ半数には年300日以上と長期にわたり薬が出ていた。 知的障害には、自傷行為や暴力などの行動障害を伴う場合があり、薬はその治療のためとみられるが、長期の使用には副作用のリスクもある。 世界精神医学会は精神疾患が原因でない行動障害には、個々の特性に応じた環境調整などを勧めている。同機構の奥村泰之主任研究員は「日本では知的障害児の行動障害に診療の指針がなく、薬物の使用を含めた指針が必要だ」としている。 調査では、健康保険組合の加入者のレセプト(診療報酬明細書)データベースを分析。2012年4月から13年3月に知的障害と診断された3~17歳の2035人について、薬物療法の状況を1年間、追跡した。 1度でも抗精神病薬が処方されたのは12.5%。3~5歳では3.7%だったが、15~17歳では27.0%と、年齢が上がるにつれ割合が上がっていた。年間の処方日数でも同様の傾向がみられ、小学校入学の時期を境に長期化していた。 抗精神病薬を処方された子供のうち、2種類以上を31日以上連続で出された「多剤処方」の割合も16.9%に上った。チームは「短期では有効なケースもあるが、長期や多剤の使用は、体重増加など副作用のリスクが増す」と注意を呼び掛けている。 同機構は、一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会の研究組織。【日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H6Y_U7A110C1CR8000/】服薬に関しては、本人の意思を確かめるのも難しいこともあるので、その副作用のリスクを含めて必要性や継続の有無についても定期的に考えていかないとですね。🌠
2017.01.18
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発達障害の子どもの支援計画 半数余の学校など未作成コミュニケーションがうまくとれないなど、発達障害のある子どもへの支援の現状について、総務省が初めて全国の学校や保育所の抽出調査を行った結果、学習指導要領などで定められた、子ども一人一人に対する支援計画が半数余りで作成されておらず、十分な支援が行われていない実態が明らかになりました。 発達障害は、コミュニケーションがうまくとれなかったり、物事に集中できずじっとしていられなかったりする障害で、平成17年に支援の在り方を定めた発達障害者支援法が施行され、その3年後には、学習指導要領などで、学校側が子ども一人一人に対する長期的な支援計画を作成することが定められました。総務省行政評価局は、法律の施行から10年となったおととし、19の都道府県の合わせて116の学校や保育所などを抽出して、支援の現状について初めて調査を行いました。その結果、半数余りで支援計画が作成されておらず、十分な支援が行われていない実態が明らかになりました。支援計画は、学校が子どもや保護者と話し合いながら、支援の方針を具体的に決めたり見直したりするもので、進学や転校の際には次の学校に引き継がれますが、調査では、計画がなく、継続的な支援が受けられなかったことで、いじめや不登校につながったと見られるケースもあったということです。背景には、学校現場で計画の重要性についての理解が進んでいないことなどがあるということで、総務省は今週中にも文部科学省や厚生労働省に対し、取り組み状況を改善するよう勧告する方針です。「多様性を認めた支援を」千葉県浦安市の中学3年生、野中宏太郎さんは、小学2年生のときに学習障害などの発達障害と診断されました。授業のノートをまとめるのが苦手なほか、物事に集中できないという障害もあり、授業中、担任や同級生とコミュニケーションがとれずに、パニックになったこともあったということです。母親の美保さんは、支援を求めて何度も小学校に足を運び、相談を繰り返しましたが、障害についてなかなか理解してもらえず、クラスで孤立する状況は変わらなかったと言います。美保さんによりますと、宏太郎さんの支援計画について小学校から説明を受けたことはなく、話し合いの場が設けられたこともなかったということです。また、中学校に進学した際には、障害についての引き継ぎも十分に行われていなかったということです。宏太郎さんは「友達にからかわれたり先生に怒られたりして、自分は困った問題児なんだと思っていました。『学校がすべてじゃない』と自分に言い聞かせていましたが、心の中ではずっと『居場所が欲しい』と思っていました」と振り返りました。その後、中学校では、障害について担任と話す機会が少しずつ増えているということで、宏太郎さんは「視力がない人が眼鏡を掛けたり、足のない人が義足を履くように、僕たちの特徴は個性の延長線上にあると思っています。僕のような特徴を持った子どもたちはたくさんいます。画一的な学校生活という『同じ箱』に詰め込もうとするのではなく、一人一人が置かれている状況に目を向け、多様性を認めた支援を考えてほしいです」と話しています。また母親の美保さんは「子どもにどのような進路や支援があるのかを知りたかったが、具体的な支援の方針が見えない中、時間だけが経過しました。学校も保護者も、子どもの未来を真剣に考えたいという気持ちは同じだと思うので、もっと情報共有できる場を設ければ、子どもを責めることなく、将来の道を開くことができると思います。具体的な支援の方法を一緒に考えてほしいです」と話しています。専門家「国の方向性漠然 教師も戸惑い」発達障害の子どもへの支援活動に取り組む、東京大学先端科学技術研究センターの中邑賢龍教授は、「教師と保護者が、指導方法や進路、それに子どもの悩みなどを共有し、議論するためにも、支援計画は必要だ。しかし、発達障害の特徴は幅広く、現場の教師もどう支援していいのか苦しんでいるのではないか。また、どのように支援計画を立てるのか、国の方向性も漠然としていて、戸惑っている教師もいる」と指摘しています。そのうえで、「学校での対応に限界があるというのであれば、大学やNPOなどと連携して、子どもを支援する体制作りを進めるべきではないか。さらに、地域全体で子どもたちを支援して、発達障害の子どもたちがそれぞれの特徴に合わせて自由に学べる仕組み、教育の多様性を実現しなければいけない」と述べました。【NHK http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170116/k10010840741000.html】 教育の多様性の実現、必須ですね。🌠
2017.01.17
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《知的障害者更生》再犯防止 支えが大切▼繰り返し窃盗 「悪いことをしました。これからどうなるの」 冬の足音が聞こえてきた2016年11月下旬、前橋市南町の前橋刑務所の面会室。窃盗罪で起訴されている40代の男はアクリル板越しにつぶやいた。「どうしていいか分からない」。震える指先で頭をかき、鼻水をすすった。表情や態度からは、自分の置かれた立場が理解できないもどかしさが伝わってきた。 男には知的障害がある。 高崎市の住宅から女性用のズボンを盗んだとして、窃盗罪などで前橋地裁から保護観察付きの執行猶予判決を受けたのが同年8月。9月上旬に前橋市の障害者施設に受け入れられた。社会の中で更生する機会を与えられたはずだった。 2日後の深夜。同市のコンビニで12冊の雑誌を盗んだ。帰り道が分からなくなり、県警に保護された。約1カ月後に犯行が発覚して逮捕、前橋地検に窃盗罪で起訴された。 逮捕されるまで古紙回収や食品販売などに汗を流していた。作業を通じて社会のルールを学ぶ一歩を踏み出していた。犯行はそのさなかだった。 「やめたくても、やめられない。どうして盗んじゃうのか分からない…」。面会中に男はがっくりと肩を落とし、言葉を詰まらせながら思いを口にした。 幼い頃から万引を繰り返し、そのたびに父親が頭を下げた。摘発されたこともあったが、ほとんどが不起訴処分(起訴猶予)に。盗み癖を直す手だてを見つけられないまま、気付けば40歳を過ぎていた。 ▼長引くと厳しく 今回の事件を担当している弁護士は「服役が長引けば、社会規範を直接肌で感じる機会を失う。かえって再犯の危険性を高めることにもつながる」と考え、社会の中で更生させることの必要性を訴える。 男を受け入れた施設は、知的障害などが影響して窃盗や放火に手を染めた人を引き受け、支援している。施設を運営する社会福祉法人の理事は「再犯する知的障害者は、説明しても理解できないケースが多い」と指摘する。刑事責任能力が問われる境界線の人たちに「どうしたら繰り返さないのか、本人に粘り強く伝え、支えていくことが必要だ」と説明する。 同年12月7日、前橋地裁での初公判。裁判官から起訴内容の認否を尋ねられると、ジャージー姿の男ははっきりと答えた。「間違いありません」。証人尋問では、検察官や弁護人と施設関係者とのやりとりをじっと見つめていた。執行猶予期間中の再犯の重さをどこまで理解しているかは読み取れなかった。 *** 刑法犯認知件数が減り続ける中、犯罪を繰り返してしまう「岩盤のような層」(司法関係者)がある。近年は障害者や高齢者に焦点を当て、支えようとする取り組みも始まっている。人はなぜ罪を犯し、社会復帰には何が必要なのか。実情や支援の動きを追う。 【メモ】 刑務所を出た人の再犯を防ぐ取り組みを国と自治体の責務と明記した議員立法「再犯防止推進法」が、昨年12月に成立した。国は刑務所や少年院での職業訓練や教育の充実、保護観察の体制整備などを定めた推進計画をまとめる。都道府県や市町村もそれに基づいた計画を立てる努力義務を負う。 【上毛新聞 http://www.jomo-news.co.jp/ns/2414844912056823/news.html】 加齢とともに見守りも手厚く、犯罪者でなくとも、社会との繋がりはお願いしたいものです。🌠
2017.01.16
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発達障害児へ教育熱 通信講座の資料請求175倍に 自閉症やアスペルガー症候群といった発達障害児を対象にした通信教育や塾への注目が高まっている。大手予備校が運営する通信講座は、療育プログラムへの資料請求が開始7年で約175倍に。背景には、発達障害への認知度が近年急激に高まったことや早期支援の必要性が知られるようになったことなどが挙げられる。県内でも塾の教室開設が進む一方、支援ニーズにサービスが追い付かない状況も生じている。 味気ないカラーイラストと1行だけの問題文が載る折り畳み式プリント-。広告広告inRead invented by TeadsinRead invented by Teads 四谷学院の通信講座(横浜市西区)「療育55段階プログラム 55レッスン」の教材は、発達障害児にみられる「誇張表現された絵が苦手」「複数の問題を同時に解くことが苦手」といった傾向に対応。1問当たり約10~15分と子どものペースで進められ、保護者向けの冊子やメールによる相談支援などもある。 運営会社によると、2008年春にスタートした講座はインターネットや口コミなどで評判に。15年の受講者は開始当初の19・3倍、資料請求は175・3倍にまで増加したという。 07年に義務教育の流れが「特殊教育」から個々の習熟度に応じた「特別支援教育」に移行したことを受けた開講だったが、反響は想定を大きく超えた。近年では、発達障害児への適切な支援の必要性が改めて指摘され、同社は「支援塾がある都市部以外でも受講できる通信講座が受けているのでは」と分析する。 発達障害児向けの塾も教室数を増やしている。障害者の就労支援会社リタリコ(東京都)が運営する塾「リタリコジュニア」は、横浜や川崎など県内で15教室を展開。コミュニケーション能力を育むプログラムや学習支援など「子どもの特性に合ったプログラムを保護者らと半年かけて丁寧に作り上げる」特色あるカリキュラムが好評だ。 事業開始の11年度に100人ほどだった会員は約8千人に急増。横浜などで学習塾「TEENS」を運営するカイエン(東京都)も、昨春オープンした川崎の教室は開所前に定員に達した。 ただ、膨らむニーズにサービスが追い付かない状況も生じている。リタリコは現在も約5千人が受講待ちの状況といい、担当者からは「人材育成にも時間がかかり、簡単に教室を増やせない」との声も聞こえてくる。成人の障害者支援事業を展開する同社は幼少期から正しいケアを行う必要性を痛感しており、「業界全体がもっと大きくなり、子どもたちの受け皿を広げられたら」としている。【@nifty news https://news.nifty.com/article/domestic/society/12152-224525/】実際に教育現場で個々に応じた材料がなかなか追いつかない状況下、民間での支援体制は今後ももっと利用度が増えそうですね。🌠
2017.01.15
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バスを待てずウロウロ…そんな自閉症の高校生がピタッと止まった工夫バスを待つのが苦手だった、自閉症の高校生Upload By モンズースー このお話は、自閉症の子を持つママから教えてもらったエピソードです。 支援学校、福祉施設、作業所…色々な場所に通うようになると、施設のバスや公共の乗り物に乗る機会も増えると思います。 乗り物以外にも待つ機会はたくさんありますよね。うちの子もそうですが、凸凹のある子たちは待つことが苦手な子も多いと思います。 普段は落ち着いて待てても、気持ちや体調が不安定なときは難しいこともきっとあります。そんな時は言葉で説明するより、目で確認できる方が安心して落ち着けることもあったりしますよね。 全ての場所で使える方法ではありませんが、このママのアイデアは色々なことに応用もできそうだな…と思いました。 【woman. excite. http://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35026058/ 】 囲いのある空間は、自由が利かないようでも、心理的には安定できるのでしょうね。🌠
2017.01.14
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「自閉症児向け介助犬」日本にも広めたい、その多彩な役割とは?海外の介助犬は働き者!?こんなにあった、たくさんの役割 出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10120002258皆さんは「介助犬」と聞くと、どんな仕事をする犬を思い浮かべますか?日本だと、目の見えない人や耳の聞こえない人の手助けをする「盲導犬」や「聴導犬」が一般的な介助犬だと思います。ですが、実は海外ではさらに多様な用途で、介助犬が利用されています。 以下は海外にいる介助犬の種類です。●盲導犬●聴導犬●自閉症児向け介助犬●歩行介助犬●心のサポートの介助犬●発作予知/介助犬●重度アレルギー者のためのアレルゲン探知犬この中にある「自閉症児向け介助犬」は、自閉症児の持つ感覚的な困難さを和らげ、パニック/癇癪などのときに、ケアできるように訓練された犬です。 今回は、この自閉症児向け介助犬について、海外の事例をご紹介したいと思います。 自閉症児向け介助犬のお仕事を、海外の事例からご紹介 出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11032006246 http://4pawsforability.org/autism-assistance-dog/「4 Paws for Ability」Autism Assistance Dog(自閉症児向け介助犬) 上記URLの「4 Paws for Ability」は、子ども向け介助犬養成・派遣団体としては、アメリカ最大の組織です。リンク先には、自閉症児向け介助犬の活用事例が書かれています。●睡眠障害のある子の睡眠導入 睡眠障害のある子の側で眠り、安心させます。介助犬のおかげで、長い間家族を苦しめた自閉症児の睡眠障害が改善した例があるようです。●外出時の安全確保 自閉症児がふと親元から離れてしまい、それが取り返しのつかない事故につながることがあります。そんなとき、注意が必要な状況で犬は止まるようしつけられており、犬の動きに従って子どももいったん止まります。これにより、親が子どもの安全をしっかり管理することができます。また、万が一子どもが脱走してしまった場合、犬は追跡するよう訓練を受けています。●人間同士には見せない深い関わりをもたらす自閉症児は周囲の人(クラスメイトや家族)と、なかなか深い関わりができないことが多いです。しかし、不思議なことに犬が相手であれば心を開き、良い友達となることが多いのだそうです。犬は自閉症児に安らぎと信頼関係を教えてくれます。 出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10130000215 http://www.huffingtonpost.com/2015/06/17/aspergers-dog-video-samson-danielle_n_7594598.html「 The Huffington Post」Here’s How A Dog Can Help Stop An Aspergers Meltdown( アスペルガーの子を介助犬が落ち着かせている事例)また、「The Huffington Post」では癇癪を起こすアスペルガー症候群の子どもを、介助犬が落ち着かせる様子についての記事を紹介しています。 過度の刺激や予期せぬ出来事などでパニックになった自閉症児が泣き止まないとき、大きなモフモフとした介助犬がパニックを起こした子どもの体に寄り添い、ときには上からギュッと圧迫します。 自閉症児は身体を圧迫すると落ち着くことが多く、訓練された犬に上から圧を加えられることにより、パニックが早めに収束することがあるようです。 出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=29960000031 http://www.canines4hope.com/autism-assistance-dogs-trainer-autism-service-dogs-florida.htm Benefits of Having an Autism Assistance Dog(介助犬を飼うことのメリット) 上記ページでは、介助犬のおかげで自閉症児の言語能力が著しい発達を見せた、という事例も紹介されています。そのため、言語療法のセッションには犬も同伴するようにしたそうです。もっと知って広まって欲しい、いろんな介助犬のこと出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038019134犬や猫を抱っこしていると癒される…とはよく言われますが、自閉症児には「癒し」以上の様々な効果が、事例として紹介されていました。 自閉症児向け介助犬のことを知り、我が家でも発達障害の息子のために犬を飼い始めました。残念ながら、自宅で飼う小さな愛玩犬ですので、特別な訓練をされているわけではありません。 息子が大きな声を出したり、ぎゅっと抱きついたりするのは犬にとっては少し怖いようで、息子を見るとさっさと逃げてしまいます。ただ、息子がパニックを起こしてぎゃーぎゃーと泣いているときには、どこからともなく寄ってきて、息子の顔をぺろぺろと舐め始めます。 子どもはパニックを起こしているとき、とても孤独です。息子はよく言います。「みんな困っているのもわかっている、でも自分じゃパニックを止められない」と。そんなとき犬が息子に寄り添って顔を舐め続けてくれる…それだけでも、犬を飼って良かったかなと私は思っています。 自閉症児向けの介助犬を普及させるためには、訓練ができる人材やノウハウが必要です。 日本ではまだまだ盲導犬や聴導犬以外の介助犬についてはあまり知られていませんが、自閉症児向けに訓練された介助犬というのが広がっていったら良いなあと思います。 【woman.excite. http://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35025690/ 】介助犬は、もはやペットの領域を超えて、正に親代わりに見守りをしてくれる。なんとも有難いサポートですが、命あるものにどこまで委ねられるのか、犬の負担も如何ばかりかと逆に懸念してしまいますね。🌠
2017.01.13
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著者・自閉症児の母、立石美津子さんー完璧主義の教育ママが、息子のあるがままを受け止められるまで16歳の自閉症児の母、立石美津子さん、発達障害児の子育て本を発売著者や講演家として活躍される立石美津子さんが、障害のある子どもの子育てのヒントを綴った著書『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』を発売されました。単なるハウツー集に留まらない、リアリティのあるエピソード満載の新著です。LITALICO発達ナビでは、書籍の出版を記念して立石美津子さんに単独インタビューを実施。自閉症のお子さんの子育てを通して得られた「考え方のコツ」や、子育ての中で心に残ったエピソード、就労訓練に向かう息子さんへの思いについて語っていただきました。ライターでも著者でも講演家でもない、一人の母としての立石美津子さん、その素顔に迫ります。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部) 立石美津子さん: 1961年大阪市生まれ。幼稚園・小学校・特別支援学校の教諭免許を取得後、石井勲氏のもと、幼稚園・保育園に漢字教育を普及する。32歳のとき、株式会社パワーキッズを設立。38歳で出産。知的障害を伴う自閉症のあるお子さんを育てながら、現在は著者、講演家、ウェブコラムのライターとして活動している。代表作『一人でできる子になるテキトー母さんのすすめ』は43,000部のロングセラー。LITALICO発達ナビでも数多くのコラムを執筆。 「テキトー母さん」が、全然テキトーでいられなかった日々―このたびは、新著の出版おめでとうございます。これまで、子育てに関するさまざまな発信をされてきた立石さん、代表作『一人でできる子になるテキトー母さんのすすめ』では、子育てに対して完璧主義になるのではなく、ほどよく「テキトー」であることの大切さを語られていました。今回は、息子さんのエピソードも交えた新著ですが、ご自身の子育てでも、テキトースタイルでやってこられたのでしょうか。 立石美津子さん(以下、立石さん): いや、実は全然そうではなかったんですよ。最初はむしろ、テキトーどころか子どもに多くを求める"モーレツ母さん"でした。それが変わるまでの経緯も今回の本には詳しく書いたんですけれども。それから、自分自身のことに関しては、今でもまったくテキトーじゃないんです。昔からなんですけど、実は完璧主義者でマイナス思考です。負の部分だけを見てしまう考え方の癖が身に付いちゃってるんですよね。そのせいか、手洗い恐怖に代表される強迫性障害という精神疾患にかかって入院していたこともあり…だから逆に、テキトー母さんに憧れがあって、ああいった本を書いたんです。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部)―なるほど、それは意外でした…お子さんが生まれたときにはどういう気持ちをもたれたのですか。 立石さん: お腹に子どもがいるときには子どもに障害があるなんて考えもしませんでした。生まれてきたら、ゆくゆくは東大にいくような、すごく優秀な子に育てたいと思っていました。こんなふうに生後間もない頃から漢字カードを見せたり、たくさんの絵本の読み聞かせをしていました。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部) 立石さん: けれども、生まれてきたのは自閉症の子どもで。当時はすごくショックでした。 息子が自閉症と診断されたのは2歳ですが、それを受け入れたのは3歳。それからは「一つでも出来ることを増やそう、健常児に近づけなければ子どもが可哀想だ」と一生懸命になっていました。その思いから家の中でも療育をしていました。おやつのクッキーを食べさせるのにも「ハサミの訓練も一緒に」と考えて、こんなふうに袋に入れて与えて封筒を切らないと食べられないなど‥。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部) 立石さん: 例えばピアノを習う場合、レッスンに通うだけでなく家庭でも練習しないとなかなか身に付かないですよね。同じように、療育に関しても「施設の中でだけやっても家でやらないと意味がない」って思ってたんです。けれども、すごくしんどかったです。息子も喋ることができたら「お菓子くらい好きなように食べさせてよ」と言っていたと思います。今思えばそんなことをやらなくても、時が来ればできるようになったので必要なかったのかもしれませんが…ありとあらゆることがこの調子でした。例えば「お友達みんながスプーンを使っているから、やっぱりうちの子も使えるようにしないと!」と奮い立っていたんですよね。常に周りの子と比べる、"比べる病"に侵されていました。―子育ての中でつらい時期というのはあったんですか。 立石さん: 6歳までが大変でした。小学校1年生に上がるまでは、特別支援教育はなく、障害のない子どもばかりの保育園にいましたから孤独でした。こんなふうに集団行動ができず、後ろで一人勝手に読書に没頭している状態でした。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部) 立石さん: かと思ったら、今度は一人で勝手に立ち歩いたりして。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部) 立石さん: 障害がなくても育てるのが大変な時期ですから、障害があったらなおさらで、パニックも相当ひどかったので「親子で死んでしまいたい」なんて思い詰めたことも何度もありました。でも、特別支援学校に入学したら周りの子全員に障害があって、同じように集団行動ができない子もたくさんいたのです。そこから少し、気が楽になりました。 周囲と比べるばかりだったころから、比べない子育てへUpload By 田中千尋(発達ナビ編集部)―完璧主義のモーレツ母さんから、今の立石さんに至るまでにどのような出来事やきっかけがあったんですか。 立石さん: 他の子と比べるのを止めて、息子が自閉症であることを心から受け入れたときです。ある意味、さじを投げてしまったんですね。「一生懸命やってもこの子は障害児なんだし、出来なくても仕方がない」と息子に期待しなくなりました。IQが34だったので、障害の程度が軽いとはいえなかったので‥。そして、親の理想を押し付けることなく、あるがままを受け入れて、わが子を障害のある子として育てようと思いました。 子どもに理想を求めないっていう切り替えが、幼いころにできたのはよかったと思っています。親の理想を押し付けないと、子育てに関しては楽なわけです。親もそうだし、本人も楽ですよね、親からお尻を叩かれないわけですから。 私は決して自分のことや仕事に関してはテキトーではないけれど、その代わりに子育てに関しては、「親も子も100点を目指さなくってもいいんだよ」って思っています。力を入れすぎずに、ほどほどに、そしてそこそこでいいんじゃないかって。 子育てが楽になったもうひとつのきっかけは、小学生になったとき、子どもを特別支援学校に通わせたことですね。支援学校は、療育的なことを全部やってくれるので、親があれこれ連れまわす必要がなくなりました。また、放課後デイサービスにすぐ入れたので、学校が終わったら、毎日理解あるスタッフのもとで過ごすことができました。だから、朝8時から夕方6時まで一日中ずっと療育受けてるみたいな感じですよね。家ではゆっくりのんびり過ごさせました。 言葉も勉強も、「やりたい気持ち」をどう作るかが大切Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部)―これまでの子育ての中で心に残っているエピソードはありますか。 立石さん: 息子が6歳の頃、初めて言葉を喋ったときのことが心に残っています。うどん屋で食事をしていたときです。お皿を下げようとした店員さんに向かって「まだ食べる!」って叫んだんですよ。それまでは言葉がほとんどなかったのに。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部) 立石さん: 言葉を話したことに加えて感動したのは、それが自分の意思を伝えるための言葉だったということ。「まだ食べる」っていう言葉は、相手がいて、その相手とコミュニケーションをとるための言葉じゃないですか。自閉症の子には一番の難関です。そのときに感じたのは、何か心から訴えたいという気持ちが起こらない限りは、言葉っていうのは出ないんだということ。 言葉のことに関連してなんですが、講演会をしたときに、親御さんから「絵カードを使うと言葉が出るようになるって聞いたんですけど…」と相談を受けました。どうやらその方は、お子さんの言葉がなかなか出ないことで悩んでいたみたいです。。でも私は、話せる単語だけが増えてもあんまり意味がないと考えています。確かに絵カードを使って、視覚的な情報を加えて与えたほうが言葉は出るようにはなるかもしれません。でもそれよりも大事なのは、それを「何のためにやるのか」っていうこと。 言葉を覚えて口に出すことのできる単語数が増えても、それを使って人とコミュニケーションをとろうと思わない限り、その言葉が活かされることはありません。何事においてもやりたい、話したいという動機を育ててやることが大事だと思います。 例えば「りんご」という言葉を言えるようになっても、「ママ、このりんご美味しそうだね。買ってよ」と言えるようになるまで相当の時間がかかります。 「横断歩道は青で渡りましょう」と言っていても、それを関係のないレストランで独り言で言っているのと、赤で渡っている人を見て注意の言葉をかけるのとでは天と地の差があると思うんです。 息子は「王林、冨士、ジョナゴールド、陸奥・・・」などたくさんのリンゴの銘柄を言えますが「リンゴ美味しそう、お母さん食べたいから買ってよ」のような言葉を話すことは出来ません。 英語だって単語をたくさん知っていても相手と喋る気がなければ全く上達しないのと同じですよね。勉強だって、親がいくら口を酸っぱくして「勉強しろ!勉強しろ!」と叱っても本人に「知らないことを知りたい」という学習意欲がなければ子どもは勉強しませんから。 子どもが無理なくやっていければそれでいいUpload By 田中千尋(発達ナビ編集部)―最近の息子さんの様子を聞かせていただきたいです。 立石さん: 今は支援学校の高等部の1年生です。就労に向けての訓練を受けています。 就労訓練をする職種は、調理、接客、施設管理、清掃、事務などいくつかに分かれていて、1年のときは全部体験し、2年生で2つに絞り、3年生で1つに決めます。同時に就労希望先で職場体験や実習をします。今、息子は校内に設置されている喫茶店で、接客の練習をしています。 自閉症の障害特性でもあるんですが、マニュアルに書いてあることはちゃんとできるんです。でも、想定外のことが起こったときには、機転を利かせて対応するのが難しいようです。この喫茶店は外部の人でも自由にお茶が飲めるので、お客として行ってきました。公開授業があったので学校に出向いたとき、こんなことがありました。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部) 立石さん: オーダーを取りに来た息子に、私が「ショートケーキを下さい」とメニューにないものを注文する意地悪なお客を演じてみたんです。そしたら息子は、最初「ないです!」って言いかけてからハッと気づいて、「申し訳ございません、ショートケーキはございません」と言い直しました。ここまでは良かったんですが、その後「オレンジジュースをお選びください」って言ったんですよね。お客がケーキを食べたいって言ってるのに、ジュースをお選びくださいっていうのは普通はまずいですよね。臨機応変に状況に合わせて適切な言葉を選ぶことが難しいようです。だから、本人は接客をやりたいと思っていたとしても、ちゃんと業務をできなければ、裏で皿洗いや残飯処理だけをやらされることになります。当然、お店としては苦情が出たら困るわけですしね。したいことと向いていることのギャップがあるときには難しいですね。接客したいからって飲食業に就いても、お客とのやりとりが出来なければ、よほど理解がある店でない限り続けられなくなってしまうと思います。その結果、「自分はダメな人間だ」と思い、自己肯定感がなくなって引きこもっちゃうなんてことも起こります。―障害の有無にかかわらず、自分のやりたいことをできたらいいのですが、働く側と雇う側の間のミスマッチがあまりにも大きいと本人も傷つくし、周りも困るので、難しいですよね。 立石さん: そう思います。親にとって一番不幸なのは子どもがつらい顔してることなんです。子どもが病気になったり、いじめられて不登校になったり、毎日仕事に行きたくない顔をしているとか。 確かに一般就労ではなく、就労継続支援B型(工賃をもらいながら一般就労に向けて訓練を行う施設)に行ったら、収入にはならないかもしれません。だけれど、子どもがつらい思いをして働いてある程度の収入が入るのと、楽しく働いて収入が低いの、どちらをとるかっていうと私は後者です。お金を持ってこなくても機嫌よく毎日出かけてくれたほうが嬉しいです。これは、小学校も中学も高校も選ぶときにも同じで「楽しく行けるところ」に焦点を絞って選ぶのがいいんじゃないかなと思っています。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部)―なるほど。「子どもが楽しく」ということを一番に考えていらっしゃるのですね。息子さんの将来のことを語っていただきましたが、立石さんご自身の夢は、ありますか。 立石さん: 夢!ですか。夢っていうのはあんまりないですね。 私はシングルマザーですから、息子のために稼いで生活しなくてはなりません。本が売れて、講演会の依頼がきて、メディアに出て、今の仕事だけで生活するお金を得られることは目標です。しかし、それを一生涯をかけてやりたいかって言われるとそうじゃないんです。夢ではないですね。あえて夢というなら…私が死んだ後も息子のことを気にかけてくれる人がいる中で、息子が生活していることですね。息子がその生涯を閉じるとき、温かい支援者の人たちに囲まれて「ああ、俺の人生はいい人生だったな」と思えるようになっていることが私の夢です。 将来を見すえた上で、子どもにとって、今なにが一番良いことなのかを考える―最後に、お子さんの発達が気になって悩んでいる人たちにメッセージがあれば、お願いします。 立石さん: 2つあります。ひとつめは正しい情報をもって、選択をしていくことです。子どもが小さいと、目先のことしか考えられないお母さんが多いです。例えば、就学先のことに関して言えば、親の気持ちではなく子どもにとってどの教育環境が一番適しているかで決めることが大事だと思います。 通常学級はどういうところで、特別支援学級はどういうところなのか、本当に不利なのかどうかを冷静に判断することが大切だと思います。情報を集めた結果、案外そうじゃなかったということはあります。 療育手帳をもっていることで具体的な支援を受けられることや学校の選択肢が広がることなども同じですね。お子さんの将来を見据えた上で、今何をするのがよいのかを考えるといいと思います。どのような選択をするべきかを判断するときに手助けしてくれるのは、正しい情報や知識なんですよね。人は見えないものに対して不安を持ちます。でも知識を得れば安心や勇気を持てますから。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部)―なるほど。短期的ではなく、長期的な目線で見たときに、お子さんにとって最善の選択をしていくことが大切なのですね。 立石さん:そうですね。もうひとつのポイントは、「同じ障害」かつ「違う年齢」のお子さんをもつ人が集まる場所に顔を出すことです。というのも療育に通っていると、同じ年代の子どものお母さんとしか話ができないわけですよ。5歳なら5歳、4歳なら4歳というように。すると「あの自閉症児が出来ているのに、なぜわが子はできない」と比べてしまいます。自分もそうでした。しかし、外に出るとそれは子どもの発達をうながすための唯一の方法じゃないことに気がつきます。療育でもひとつの場にしかいないと「それが唯一無二、正しい場所」と思い込んでしまうんですね。でも、自閉症協会とか親の会とかに参加すると、年齢が異なる子どもが集まっているのでいろんな情報が入ります。例えば二次障害の話も聞けば、就労の話も聞くといったように。まだ子どもが小さいときには、先輩ママの話を聞いてみると良いと思います。子どもに将来起こりうることに対して予測ができるので安心できますし、学校や療育施設の選び方に関しても、いろんなことを教えてもらえるので選択肢を広げることができます。 私が先輩ママとしてお伝えできることはこちらの本に詳しく書いてありますので、よろしかったら手に取ってみてくださいね。立石美津子/著『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』2016年/すばる舎/刊Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部)―立石さん、とても参考になるお話をありがとうございました。Upload By 田中千尋(発達ナビ編集部) 完璧主義の「モーレツ母さん」だった立石さんが、息子さんのあるがままの特性を受け入れて、楽しく学んでいける環境に出会うまで。16年間の歩みを語っていただきました。 試行錯誤を重ねながらも見出してきた、"立石流"の子育て法。悩める保護者の方々に、参考になる視点やエピソードが満載です。新著『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』、ぜひお手にとってみてください。【woman.excite. http://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35025988/】【日時指定不可】【銀行振込不可】【2500円以上購入で送料無料】【新品】【本】立石流子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方 立石美津子/著 市川宏伸/監修母は我が子との一緒に育つ、ハードルが高いほどに鍛えられ、成長してゆくのでしょうね。🌠
2017.01.12
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陸上・中長距離 門田、東京で金 「優しさ」力にコーチ、母へ恩返し /大阪「300メートルダッシュ、100メートル流しを3本それを3セット。きついけど、最初から力を入れて走るように。ええな?」「うん!」。コーチの指示に丁寧に返事をすると、足取り軽く駆けだした。陸上中・長距離の門田丈幸選手(24)=八尾市=の練習はキッチリしており、黙々と正確にメニューをこなす。「いい走りができたら日本代表になれる。パラリンピックに出て、1位を目指します!」 門田さんは軽度の知的障害と自閉症を持つ。5歳の頃、医師から「自閉症とのボーダーです」と告げられた。「確かに言語の遅れはあったが、我が子が障害児なの?と衝撃を受けた」と母恵子さん(51)。「小学校入学の頃、やっと丈幸の障害を受け入れました」。親がいなくなっても、困った時は誰かに助けてもらえるように育てたい。そんな思いとシンクロするように、人との縁が動き出した。 野球、卓球に挑戦したが、長続きせずに困っていた時、地元公立中の陸上部顧問が受け入れてくれた。府立八尾翠翔高校でも陸上部に所属。そして高校3年の時、知人を介して障害者陸上の第一線の指導者である丹波徹二コーチ(35)と運命の出会いを果たした。 週6日、久宝寺緑地(八尾市)の周回コースで練習する。律儀で真面目な性格が毎日のトレーニングを支え、抜群の体幹と柔軟性を身につけた。丹波コーチも言葉で指示が伝わらない時は、身ぶりだけでなく、意識すべき体の部位を軽くたたいて気づかせる。 記録はメキメキと伸び、2013年には国際知的障害者スポーツ連盟(INAS)世界選手権(チェコ)に出場、日の丸を背負った。15年のINASグローバルゲームス(エクアドル)では1万メートルで7位入賞。しかしこの時、左アキレス腱を故障していた。門田さんが「大丈夫です」と答えていたため、発見が遅れた。門田さんの「大丈夫」は「頑張れる」の意思表示であり、「痛くない」ではなかったのだ。 それ以降、練習をセーブすることを覚え、16年秋にほぼ完治した。5000メートルの自己ベストは16分4秒23。現在、20年東京パラリンピックで知的障害の長距離種目が入るか未定だが、丹波コーチは「15分0秒台を出せればパラリンピックが見えてくる」とこの冬の成長に期待を寄せる。 アスリートとしての門田さんの弱点は「優しさ」だ。「ここだ、というところでコースを譲ったりするんですよ」(丹波コーチ)。しかし、それが良さでもある。恵子さんは「それも丈幸らしさ。元気で楽しく走り続けることができれば本望です」。そんな思いを感じ取ってか、門田さんはこう宣言した。「いい記録を出して、コーチを喜ばせ、母親を大興奮させたい!」【毎日新聞 jp/articles/20170110/ddl/k27/050/184000c#csidxe6fb28ecb86b1bc8079b3122913469c 】 人生目標ができると、その目の輝きはまた天下一品ですね。🌠234万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント、感謝です。
2017.01.11
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気管切開の女児、普通学級楽しい 福井市河合小、クラス全員で支援気管切開し、看護師によるたんの吸引が必要な小学1年生の女子児童が、福井市河合小の普通学級に通っている。声は出せず、意思の疎通は口の動きを読み取るかジェスチャーだけだが、クラスメートの支援を受けながら、学校生活を送っている。 ■看護師が待機■ 児童は浪花莉愛(りな)ちゃん(7)で、2016年4月に河合小に入学した。 莉愛ちゃんは脳腫瘍で、これまで3回手術。右半身にまひが残っており、気管切開も行ったため、首には管状の医療器具が付けられている。のどの穴からチューブを入れて吸引器でたんを吸い取る作業が1日に数回欠かせず、授業中は常に看護師が待機している。 12月16日の算数の授業。担任の柳原映理子教諭(52)が「写真の中でいすに座っている人は何人ですか?」と質問すると、手を挙げてあてられた莉愛ちゃんは立ち上がり、クラスメートに向かって「な・な・に・ん・で・す」と口を動かした。するとクラス全員が口の動きを読み取り「いいでーす」と声を合わせた。 莉愛ちゃんは体育の授業も受けており、入学時から見守っている看護師の井上真希さん(30)は「最初は右足を引きずりながら歩いていたが、バランス感覚が良くなり、だいぶ早く歩けるようになった」と話す。 ■特別支援学校■ 莉愛ちゃんの家族は、学校を決める際、特別支援学校を選択肢に入れていた。入学するには視覚障害、聴覚障害のほか▽知的障害▽肢体不自由▽病弱―の種類ごとに学校が振り分けられる。 莉愛ちゃんは「病弱」の部類で、福井市内では福井東特別支援学校に通うことになる。ただ同校では一緒に入学する同級生がいなかった。母の恵さん(40)の「人とのかかわりを覚えてほしい」との思いもあり、小学校の入学先を探すことにした。 校区の学校に見学に行ったときは「児童数が多く、目が届きにくい」と言われた。しかし隣の校区の河合小は積極的に受け入れてくれた。登下校は家族らが車で送り迎えしている。 ■自然と優しく■ 算数の後の休み時間、莉愛ちゃんは転んでしまい、顔を机にぶつけた。隣にいた男子児童は莉愛ちゃんの両肩に手を置き、顔を近づけて「大丈夫か?」と声を掛けた。莉愛ちゃんは「うん」とうなずき、痛みと涙をこらえながら、自分の席についた。 柳原教諭は「私が何か言わなくても、周りの子どもたちは自然と優しく接してくれている」と話す。下校時には、玄関先で莉愛ちゃんと手をつなぐ上級生もいる。 福井県教委によると、医療的ケアが必要な子どもで、公立の小中学校に通うのは福井県内では莉愛ちゃんだけだ。恵さんは「医療的ケアが必要な子どもでも、普通学級に通う選択肢があることを、多くの人に知ってもらえれば」と話す。 自宅で宿題をする莉愛ちゃんに「学校は楽しい?」と聞くと、少し恥ずかしそうに「うん」とうなずいた。 【fukuishimbun http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/112453.html 】以前、NHKでも取り上げていましたが、しっかりと支援の手が届き、すっかり学校に、クラスに打ち解けて、学校生活が楽しめていて何よりですね。🌠
2017.01.10
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「障害は個性なのか?」その議論にはなんの意味がある? 「障害は個性である」という言葉、それってどういう意味? 出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10139003023こんにちは。『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』著者の立石美津子です。 「障害も、個性の一つでしょ」 息子は知的遅れを伴う自閉症ですが、これまで子育てをしてきた中で、そんな言葉を言われたことが何度かあります。その人が言わんとすることは理解できる気もしますが、よくよく考えると、「個性」って、なんとも掴みどころのない言葉です。 実際に障害のある子を持つ他の保護者の話を聞いても、障害と個性を結びつけて語られるとき、その人その人によって、その意図やニュアンスはバラバラでした。 健常児を持つママが、障害を持つ子どもを育てている人に元気づけるつもりでこんなことを言うことがあります。 「誰でも得手不得手があり凹凸があるのが人間なんだから、障害じゃなくて個性の一つと考えればいいじゃないの」。元気づけるつもりで、また良かれと思って「子ども一人一人の違いを認め、障害を特別視しないようにしよう、ポジティブに考えてね」と思ってかけた言葉なのでしょう。お子さんに障害がある保護者の方が、「うちの子は障害児ではない。個性的なだけ」と言う場合もあります。この言葉の背景には、一人一人に様々な思いがあると思います。我が子の凸凹を障害ではなく個性と捉えている方もおられるでしょう。あるいは、子どもが実際に様々な困難を抱えているけれど、それを「障害だ」と受け止めるのが難しい時に、複雑な思いを抱えながら発した言葉なのかもしれません。 幼稚園や保育園などでは、また別の文脈で「個性」が語られたりします。個人面談のとき、「うちの子は発達障害があるので特別な配慮をしてほしい」と願い出ると、担任から「それは個性の一つですよ。どの子も性格も違い個性があるのですからお宅のお子さんだけ特別扱いは出来ませんよ」と拒否されてしまうこともあります。この場合は、「個性」という言葉が、「配慮をしない」理由として使われているような印象です。出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11038009481…このように、同じ「個性」という言葉でも、それを語る人の考えや場面によって、意味合いが変わってきます。子育て中の保護者に対しては、他にも「愛情をかけよう」「子どもは発達する」「どの子も伸びる」という言葉が多くかけられます。けれども、よく考えてみたらどれもこれもつかみどころのない言葉です。「愛情」「発達」「伸びる」それから「個性」ってとても漠然としている言葉のように感じます。 障害児も健常児も、そもそも個性は万人に存在する出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11021002997そもそも個性は、万人に存在します。それは、障害児だろうと健常児だろうと同じことです。 障害のある子どもを持つ親に対して第三者が「障害のある子は天使よね」などと、「障害そのもの=性格」のような言いかたをしているのをよく耳にします。でも、そんな型にはまったものではありません。知的障害児、ダウン症児、自閉症児…、確かにそうやって「障害名」ごとに分類した時に、ある程度共通する先天的な特性はありますが、そこから一人ひとりが育つ環境の中で、優しかったり、やんちゃだったりと様々な性格が形成されていきます。その中で、一人一人に違った個性が生まれると思うのです。だから、染色体異常が原因であるダウン症児であったり、生まれつきの脳の機能障害がある発達障害を含めて、「障害そのものがイコール個性だ」としてしまうのは、少し乱暴なのではないかと思います。障害と個性は別物だと私は思っています。なんでも個性の問題にしてしまえば、「個性があるのはみんな同じでしょ」と済まされて、健常者の枠組みの世界でその他大勢と一緒にされる恐れがあります。それでは、その子が直面している生活上の支障を取り除いたり、特別な支援・配慮も受けられません。 個性か障害かの議論よりも、「何に困っているか」に注目してUpload By 立石美津子 現代の医学では、発達障害児であるかどうかの診断は、『DSM-5』や『ICD-10』といった国際的な診断基準を基に、経験のある医師が子どもを個別に診て行います。 脳のMRIや採血などの検査で明確に数値が出て、それだけで客観的に「はい、発達障害です」とわかるような生物学的マーカー(指標)は無いのです。ウェクスラー式知能検査をはじめとする、様々な知能検査・心理検査の結果は、診断の参考情報として活用されます。しかし、これらの検査結果も体調や検査環境などで左右されるので、問診でそれまでの成育歴などを聞きとります。検査結果や問診などの多角的な情報を総合的にみて、その子が発達障害の診断基準に該当するかどうかが判断されます。その子の先天的な特性の凸凹があったとしても、それだけですぐに発達障害だと言われるわけではありません。対人関係、生活環境の中でどのような困りごと=障害が生じているかが重要なのです。 明確な生物学的指標がないので、どこまでが個性でどこからが障害か、の線引きが難しいのが発達障害という概念の特徴ですが、個性か障害かの議論をするよりも、むしろ私は、その個別に配慮する具体的な視点こそが、大切なのだと思います。Upload By 立石美津子どんな子どもにも違った個性が存在します。それは当たり前の前提としても、生活パターンで本人が生きづらいのならば、特別のサポートが必要になります。 聴覚過敏があり幼稚園で流される音楽が耐えられない、運動会で使われるピストルが恐くて仕方ない、皮膚の感覚過敏で粘土が触れない、特定の服しか着られない、味覚過敏でひどい偏食がある…こういった生きづらさを「全部、みんなと同じようにしなさい」と言われることは本人にとって酷なことです。どうぞ、個性という言葉でひとくくりにしないで、子どもが毎日、不快なく生活できる環境を準備してあげてください。それで子どもが穏やかな顔になるとママも幸せな気持ちになると思うのですが、皆さんは個性と障害どう区別していますか?立石美津子, 『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』, すばる舎, 2016年【woman. excite. http://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35026064/】立石流子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方大人のその時の都合で障害を個性とみなしている事態って多いのでしょうね。ただ、どう語っても、本人はそのままであり、そのままを尊重されるべきなのでしょう。🌠
2017.01.09
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。 知的障害の白人にヘイトクライムか 黒人を逮捕 米国アメリカ中西部のシカゴで、黒人の若者らが知的障害がある白人の男性を誘拐し、白人に対する攻撃的な言葉を叫びながら殴るなどしたとして、ヘイトクライムなどの疑いで警察に逮捕されました。アメリカのメディアは、社会の分断を象徴する事件として大きく伝えています。 警察によりますと、タニシア・コビントン容疑者(24)ら黒人の男女4人は、シカゴ市の周辺で知的障害がある18歳の白人の男性を誘拐し、白人に対する攻撃的なことばを叫びながら殴るなどしたとして5日、誘拐やヘイトクライムなどの疑いで逮捕されました。4人は、手を縛られた状態の男性にナイフを突きつけながら殴るなどしている30分間に及ぶ映像をフェイスブックに投稿しており、「この男はトランプの代わりだ」と叫ぶなど、排他的な言動を繰り返すトランプ次期大統領への批判とも受け取れる発言も行っています。被害を受けた男性は、容疑者の1人の知り合いで、3日に男性が暴行を受けた現場周辺に住む人が大きな音がすることを不審に思い、警察に通報して事件が発覚したということです。容疑者らがフェイスブックに投稿した映像を見て、警察の黒人への過剰な取締りに抗議する運動をネット上で攻撃する動きも出ていて、アメリカのメディアは、社会の分断を象徴する事件として大きく伝えています。【NHKNewsWeb http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170106/k10010830611000.html 】 オバマからトランプへと政権が移るこの時期、安定するまでいろいろな出来事が派生しそうですね。🌠
2017.01.08
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42歳でアスペルガー症候群。勇気を出して職場で障害を打ち明けたら…カミングアウトって必要? 一般就労で障害者が働くということ出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11044015005発達障害の診断を受けている方は、職場でカミングアウトしているのでしょうか? 一般就労で働く方の中には、周囲に黙っているケースも多いようです。 私も42歳までは自分が発達障害とは知らなかったので、一般就労で普通に働いていました。いえ、普通とはいえませんね。というのも、私は勤めては1年くらいで辞める、ということをずっと繰り返してきたのです。いつも理由はわからないのですが、周囲の人にだんだん嫌われ、「仕事の覚えが悪い」「やる気あるの?」と責められ、心身ともに限界になってやめるというパターンを繰り返してきました。これからご紹介するお話は、私が障害のカミングアウトに失敗し、結局退職に追い込まれた体験談です。 一人でも同じ思いをする人が減ることを祈りながら書きます。 障害を隠したまま仕事に就いた私。思わぬ展開で上司に障害を知られることに出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10248000615私が当時働いていたのは、派遣会社に登録して応募したデータ登録の仕事です。ここは私が診断を受けてから、初めて職場でカミングアウトした勤務先です。 応募時には障害のことは一切伝えませんでした。その後あっさりと採用された私は、出勤して間もなく指導係の上司に、納税関係の書類を書くよう指示を受けました。その書類には障害者かどうか書く欄がありました。 「どうしよう…。」思い悩んだ私は上司に正直に伝えることにしたのです。 私「あの、私、障害者手帳を持ってるんですが」 上司「マジか。何の障害があるの?」 私が「アルペルガー症候群です。」 上司「何それ?」 私はアスペルガー症候群を知らなかった上司に、自分の障害の説明をすることに。 知られたときはどうなることかと思いましたが、脳性まひの妹さんがいるとのことで、私の障害にも理解を示してくれました。黙って普通に働くつもりでしたが、こうして私の障害は管理職全員と仕事のチームリーダーに知られることとなったのです。 上司が教えてくれた私の個性。ショックだったけれど…出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10161002329その後、入社して2ケ月が経過した頃です。 障害者手帳のことを打ち明けていた指導係の上司は、そのまま私の上司になりました。その日は上司との個人面談がありました。 私「この頃なんだかAさんに避けられているような気がするんですよね。いつもそうなんです。気がついたら嫌われているんです」 上司「君に言ったら傷つくかもしれないけど、はっきり言わせてもらうよ。君は動作が1つひとつ大げさで、『あっ!』『やってしもた』とか大きな声で独り言を言うよね。それが子どもっぽく見える。そうした振る舞いは日本の社会では異質なものとみられる。日本人は小学生の頃から横へ倣えの精神を叩きこまれるでしょ。異質なもの、変わった人は嫌われてしまう。僕も最初は君のことを『変わった人だな』と思ったよ。だけどアスペルガー症候群と聞いていたし、受け入れようという思いがあったからずいぶん違った。君のバックグランドを知らない人は、嫌ってしまうこともあると思う。知っているから受け入れられるという保証はないけれど、打ち明けてみるという選択肢もある。ちなみにAさんは逆に、『ヨーコさんに避けられてるみたいなんです』って気にしてたよ。」と言われました。これには正直ショックでしたが、「なぜか人に嫌われる」という長年の謎が解けたようでスッキリもしました。スタッフの誤解を解きたかった私は、困りごとを説明することに出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017005535上司との面談の数日後、上司抜きでスタッフとミーティングをする機会がありました。メンバーはいつも一緒に仕事している派遣社員たちです。その場で私は、普段から気になっていたことを聞いてみることにしました。私「私が質問しようとすると『何言ってるのかわからない』とBさんは仰いますが、どうしてなんですか?」Bさん「普通、自分で十分調べてからここがわからないと聞いてくるのに、あなたはそれもせず、やたら焦って聞いてくるから、何を聞きたいのかこちらもわからない」 私「私にはちょっと人と違った特性があって、まず騒がしい環境で呼ばれても聴き取ることができません。それから、言葉で次々と説明されると理解が追い付かなくてパニックを起こしてしまうことがあります。あと空気が読めません。いろいろと失礼なことをしてしまうかもしれませんが、申し訳ありません。」このとき、「アスペルガーだ」とは言えませんでした。引かれるのが、偏見を持たれるのが、変に遠慮されるのが怖かったからです。Bさん「そんなこと言われても困る。まるで私がいじめているみたいじゃない」 私は、「違うんです」とどれだけ説明しても、その後話を聞いてもらえませんでした。 次の日から職場の空気が明らかに変わりました。ものすごく冷たいのです。 後に聞いたことですが、みんなは「ヨーコさんはみんなの前でBさんに失礼な態度を取った」と思っていたそうです。そして、私の説明を「そんな私だから優しくして下さい」と訴えてきたと受け止めたようでした。もうこれ以上隠すことはできない…上司の勧めで障害を伝えることに出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10387002119そのミーティングからしばらく経ったある日、上司から声をかけられました。 「スタッフが『ヨーコさんが何度も同じことを質問してくるから困っている』『ヨーコさんが目を合わせてくれなくなった』と訴えてきたよ」このときの私は、すっかり職場の人と接するのが怖くなり、最低限しかコミュニケーションをとらなくなっていたのです。 明らかに私の雰囲気が変わったことに気付いた上司は「あのミーティングで何があった?」と聞いてきました。ミーティングでの出来事をそのまま伝えたところ、上司は「それは中途半端なカミングアウトでタイミングも悪かったね。もう、ちゃんとカミングアウトしないとやっていけないと思う。」と言いました。そこで、アスペルガー症候群についての基本的な説明と、医者から言われていた私の特性をプリントにまとめ、上司からみんなに説明してもらうことになったのです。 出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11017014728説明を受けた一部のスタッフは、私に妙に優しくなりました。一方でこれまでの態度と一切変わらない人や、「いろいろな個性があっていいじゃない。言ってくれてよかったと思うよ」といいながら、これまでよりも距離が遠のいたスタッフもいました。スタッフから言われた言葉の中で「ああ、わかってもらえないんだな…」と思った一言があります。 「子どもの頃は学校でやってこれたんでしょ。個性の問題よ。みんな一緒。」どれだけ説明しても、「頑張っているのにできない」「努力ではカバーしきれない問題」だと、理解してもらうことは難しいな…と思った瞬間でした。また、「私がいじめているみたいじゃない」と言っていたBさんは、私の障害について「そんなこと言われても理解できない」と繰り返していたそうで、その後挨拶もしてくれなくなりました。それからしばらくして、出社拒否症のような状態になり限界を迎えた私は、会社を去りました。どうか私と同じ失敗をしないでほしい。カミングアウトするときに気を付けたいこと出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10736004631この会社を辞めてから、障害者相談機関でこのときの話をしました。すると、「カミングアウトはとても難しいんです。最初からジョブコーチや支援者に入ってもらって、その人から話してもらうことをお勧めします。」と言われました。 今回のケースでは、私も最初は隠し通す気だったし、カミングアウトも場当たり的で失敗しても無理はなかったと思います。 障害者職業センターでは、自分の特性をまとめ、「知っておいてほしいこと」「それについて会社に配慮してほしいこと自分ではどう努力するか」を表にする作業を一緒にしてもらいました。言いっぱなしでは誤解を招くだけになりかねません。しっかり準備して「会社や周りはどうすればいいのか」「自分でも努力すること」などを明示し、十分に計画を練ってカミングアウトすることをお勧めします。【woman excite. http://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35026035/】一つの社会はそれこそ、色々な個性の集まりであり、特に目に見えない障害者を受け入れる側の器の大きさも問われてきますね。🌠
2017.01.07
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発達障害の大学生増加 放置したままでいいわけがない「多様化社会」という言葉はそれを支える制度がなくては意味が無い。とある大学教員のブログから、コラムニストののオバタカズユキ氏が大学生の「多様化」を考える。 * * * 特定個人を責める意図はないので、某教員の某ブログにて、と記すにとどめる。先日、そのブログにこんなことが書かれてあった。 ブログ主は大学教員。大学の授業で学生にミニレポートを書かせ、それを出席票のかわりにしていた。するとある日、中身も筆跡もそっくりなミニレポートが複数枚出されていることに気づいた。 これは明らかに「代返」だ。一番たくさんの文字数を書いた太郎君が、二郎君、三郎君、四郎君のものも書いて、そしらぬ顔で自分に提出したのだろうと思った。 次の授業で、そっくりレポートの「提出者」たちに尋ねてみると、教員の読みはアタリ。「提出者」たちはその行為を認めたと言う。それが不正行為であることを教員が説明すると、二郎君以下はきまりの悪そうな顔をしていたとのことだ。 ところが、太郎君ひとりは反論した。「みんなやっているし、他の先生に叱られたこともない」というふうに。教員が、「だからいいという問題ではない。これは不正行為で、学問の世界では問題外だし、出欠を誤魔化したことは教員の私を欺いたことになる」とていねいに諭したら、「初めて教えてもらえた」と礼を言われた。 問題はその先で、「だから、このときの出席は取り消しになる」と教員が学生たちに伝えたところ、それまで“ありがとうモード”だった太郎君が、急に「なぜ?」と食い下がってきた。「不正行為だから」と言っても、「知らなかったことで罰せられるのはおかしい」と反論してきたという。 以上は、元のブログの文を多少アレンジしたものだが、大筋こんなことがおきたらしい。そして、教員は、最後まで納得しなかった太郎君について考えながら、善悪の区別のつかない学生の登場を嘆いていた。人に相対する態度は礼儀正しいのに、常識が通じない。それは、コミュ力の発揮と自己主張の仕方ばかりを形式的に教えてきた大人側の問題なのではないか、と。 このブログのエントリーは、SNSでけっこう拡散し、私の目にも止まることとなった。読んだ人の多くは、「大学の劣化もここまで来たか……」というもの。日本の今の首相の名前を知らない、分数の四則算ができない大学生が増えている……といったお決まりの大学生バカネタと同じ水準で、呆れかえっていた読み手が大半であった。 が、ブログのコメント欄で勤務医と称する人が、「この太郎君の様子はアスペルガー症候群の症状に当てはまる。早期の受診を薦める」といった内容を書きこんでいた。私も素人ながら、この話は、発達障害の観点から考えたほうがいいと思った。 太郎くんの問題は、コニュ力や自己主張の教育云々以前の話だし、いまどきの大学生が劣化しているというよりも、ここまで多様化している、と捉えたほうがベターではないか。多様化した大学生の中には、多様な特性をもつ発達障害者が含まれるのだ。 発達障害をもつ人が増えている、と言われて久しい。原因は、諸説あってまだよく分らない。はっきりしているのは、昔だったら「変人」とか「ダメなやつ」とかで片づけられていた人々(子供たち)が、幼稚園・保育園、小中学校の先生から検査を勧められ、発達に偏りやでこぼこがある、と指摘されるケースがだいぶ前から急増している事実である。潜在していた発達障害が顕在化してきた、という話だ。 そのこと自体の是非は置く。ただ、とても問題なのは、そうした検査をし、ときには専門医が診断を下したりしても、発達に問題があると言われた当人やその親のフォロー体制が、いまだにほとんど確立していないことだ。障害の有無がわかっても、障害をフォローする社会側のシステムがなきに等しい。 今回、読ませてもらったブログ主は、「発達障害ではないか」という読者からの指摘を受け、その方面について取り急ぎ勉強をした様子である。でも、じゃあ、どうしたらいいかという段で頭を抱えていることだろうう 2005年に発達障害者支援法が施行され、知的障害を伴わない発達障害者も障害者のうちだと認められるようになった。それ以前から、啓蒙活動が方々で為され、関連書籍などもたくさん出版された結果、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、自閉症スペクトラムといった言葉もけっこう知れ渡った。それはきっといいことだ。 だが、発達障害者たちに、学校や職場などの現場で、実際、どう対していけばよいのか。そのソリューションについては、「当事者に寄り添おう」といった抽象的な呼びかけや、専門医に診てもらおうといった「丸投げ」以外、具体的な方法論が見えていない。 大学に限った話で言うと、2009年頃に大学全入時代が突入すると騒がれた2000年代前半には、発達障害をもつ学生の問題について、ちゃんと教育を考えている一部の教職員たちが「やばいことになる」と心配していた。 誰でも大学に入れるようになり、学生の質が下がるというだけでなく、入学試験が実質的に機能しなくなり、それまで「入学できなかった」タイプの発達障害者もどんどん入って来る、と予測できたのである。 でも、その予測をもとに、きちんと受け入れ体制を整えたという大学を私はほぼ知らない。カウンセリング室を拡充したり、就職の際の悩み相談を受けるキャリアカウンセラーをキャリアセンター内に増やしたり、といった対策を立てた大学はあるがそれは企業がお客様相談室の電話回線を増やすのとあまり変わりなく、抜本的な解決に向けたものではない。 ブログの太郎君のように、善悪の判断がつかない学生はどうしたらいいのだろう。放置すれば、就活の面接で確実に躓くと思う。内定が取れず、留年を重ね、結局、退学してしまうかもしれない。就活生の自殺が話題になるが、そのうちの少なからずは発達に何らかの障害をもっているとも聞く。 大学全入時代になり、とにかく入学者を確保しなければならない、受験生数を増やさなければいけないというプレッシャーが高まった。そして、日本の大学は、入試形式を次々といじってきた。最低でも文系なら英国社、理系なら英数理の3科目を受験しなければならないという「常識」が崩れ、1科目入試や面接だけ入試など、一通りの基礎学力がなくても入学できる大学がすごく増えた。 これは、いわゆるFランク大学だけの話ではない。全国的に有名な難関校でもそうだ。そして、結果的に、発達に障害のある学生を抱え、これといった何をするでもなく、良心的な教員ばかりが胸を痛めている、といった状況が出現している。 入試を多様化すれば、学生の質も多様化する。多様化はポジティブな面ばかりではない。この障害者の問題のような厄介な側面もある。そうした学生に「手間ひまをかける」体制を整えてからでないと、当事者も教員も負荷が増し、誰も幸せになれない状況を招く。 太郎君の件についてブログで綴らずにはいられなかった教員は、本当にショックだったのだろう。似たような思いをしている大学教員は全国にたくさんいる。まず、その苦悩の言語化と、意識共有から始めなければならない。 だが、大学教員は雑務他の激増で多忙化するばかりだ。これは国家主導で、心理や福祉、医療職の専門知を結集させて対策を練り、実施する。そういうレベルの大きな課題だと思う。【news-postseven http://www.news-postseven.com/archives/20161229_479359.html?PAGE=2 】現場で課題は、大学に留まらずの問題で、国家ベースで今後も討議が必要ですね。🌠
2017.01.06
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発達障害はどうやって”生きづらさ”を乗り越える? 「短所がマイナスにならない」環境を探すことが大事こんにちは、ライターの千葉こころです。これまでの記事で書かせていただいたように、我が家にはトゥレット症候群、ADHD、アスペルガーのブレンドされた高校生の息子がいます。発達障害は見た目でわかりにくい部分もあるため、症状として現れる言動で誤解を招いてしまうことが多々あります。彼もご多分に漏れず、幼少期から現在に至るまで大小さまざまな壁に直面してきました。そんなとき、彼はどう乗り越えたのか? 見守っている中で感じた、彼なりの”生きづらさを乗り越える方法”についてお話したいと思います。(文:千葉こころ)「落ち着きはないけど、いつも楽しくはしゃいでいる子」というイメージが定着 小学校4年生で専門医を受診したとき、先生から「実年齢マイナス2歳だと思ってください」と言われたことがあります。その言葉の意味を実感したのは、息子が中学生になったころ。精神面でグッと成長していく周囲のお子さんに比べ、息子はまだまだ幼さが残っていました。そのため、同級生からちょっかいを出されることも多く、いじめに発展しないかという心配を抱えてのスタートでした。ところが、親の心配をよそに、毎日楽しそうに学校での様子を聞かせてくれる息子。なかには「それって腹立たないの?」と思うようなこともありましたが、友だちに対してはめったに怒りの感情が湧かないとのこと。もともと空気が読めないうえ感情がストレートに表れてしまうので、無理に我慢している様子もありません。どうやら、特性のひとつである「強いこだわり」から、友だちに対する彼なりの概念があったようです。自分の言動がからかわれても、友だちが楽しそうにしていれば気にならなかったり、好意的ではない言葉も「言葉遊び」と受け止めて笑いに変えたりと、彼は友だちとの関わりすべてを”コミュニケーション”と処理していたのです。そうして”精神年齢が低く落ち着きはないけれど、いつも楽しそうにはしゃいでいる子”というイメージが定着するにつれ、男女問わず常に友人に囲まれるようになっていきました。とはいえ、そんなキャラを逆手に取られ、ほかの子の不都合を息子のせいにされたり、トラブルでははじめから息子に原因があると受け取られたりして、誤解が解けないことも多々ありました。それでも周囲に受け入れてもらえたのは、「好きな物はとことん大切にする」という特性から、理不尽な思いをしてもなお”友だちは宝物”の精神を貫いたことが大きいと思います。「スポーツが好き」という気持ちを大事にしてくれた中学時代の恩師物の管理が苦手、時間の概念がオリジナル、こだわりが邪魔をして郷に従えないなど、周囲に迷惑をかけることもしょっちゅう。また、嫌いなことからは逃げたがるという弱い面もあり、彼の発達障害を知らない大人から「もう中学生なんだから」と諭されることもよくありました。それでも、「礼儀正しい」「素直」と褒めてくださったり、彼の長所に目を向けて辛抱強く向き合ってくださったりするかたもいました。例えば運動部の顧問の先生。日ごろは楽しんで一生懸命取り組む息子ですが、思うように技術が上がらない、遊びの誘いに負けそうになる、後輩にレギュラーを取られたなどの理由で、何度か「辞める」と騒いだことがあります。その度に時間を割いてくださり、「先々を考えて自分のためになる選択をしなさい」と考える手立てを与えてくださいました。そのとき先生が私にかけてくださった言葉で印象的だったのは、「みんなが嫌がる雑用も率先してやってくれるし、上手くなりたいという気持ちも人一倍感じます。そんな”このスポーツが好き”と言う彼の気持ちを大切にしてあげたいんです」というもの。誤解を受けても長所でカバーできる環境がよかったその後も彼の「好きな物はとことん大切にする」特性を汲み取り、そこを伸ばせば結果がついてくることを教えてくださいました。そんな先生に支えられたおかげもあって、彼は高校生になった今でもそのスポーツに励んでいます。年齢からしては未熟すぎる面がまだまだたくさんあり、壁にぶつかることもよくあります。ですが、短所がマイナスにならない環境や、長所でカバーできる環境に身を置けたことが生きづらさを和らげる術を教えてくれたのかな? と、見ていて感じます。特性は人それぞれで、彼の話は一例にすぎません。それでも、誤解を招きやすい面がある一方で長けたものがあるからこそ、そこが活かされる環境を見つけるヒントになればと思い綴らせていただきました。【news careerconnection https://news.careerconnection.jp/?p=29632】特性に、個性はそれぞれですね。🌠233万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント、感謝です。
2017.01.05
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自閉症児が好きな色、苦手な色 生活の中の色彩に周囲が配慮を自閉症の子どもは独特の色彩感覚を持っており、黄色が苦手で緑色を好む傾向があることが、京都大学霊長類研究所の正高信男教授と、フランス・レンヌ第一大学のマリン・グランドジョージ講師の合同研究で明らかになった。 論文は心理学専門誌「Frontier in Psychology」(電子版)の2016年12月23日号に発表された。自閉症などの発達障害を持つ子どもの生活環境を整えるうえで、色彩の面も配慮する必要があることを示す研究結果だという。子どもたちはみな青色と赤色が好きだが 京都大学の12月23日付発表資料によると、自閉症は対人関係が苦手なことや、興味関心が限られるといった症状が現れる。その一因に、障害にともなう「知覚過敏」があると考えられる。例えば、ごく普通の大きさの音でも、それを「大きすぎる」と知覚判断し「うるさい」と感じたり、ごく普通の皮膚接触でさえ「痛み」を覚えたりする。その結果、周囲の人々がごく普通に話しかけたつもりなのに、自閉症の子どもは怒られていると誤解したり、怖がったりしてパニックに陥ることも珍しくない。 そこで研究チームは、同様のことが色の知覚にもあるのではないかと考え、フランス西部レンヌ市に住む4歳~17歳の男子自閉症児29人を対象に、色彩の好みを調べた。比較のために同年齢の38人の定型発達男子(特に障害の認められない子ども:比較対照群)にも実験に参加してもらった。 実験に参加した計67人には色覚障害はなかった。実験に用いた色見本は、赤、青、黄、緑、茶、ピンクの6色で、それぞれの色の「好感度」(好みの程度)を4段階で尋ねて数値化した。それらの評価を2つのグループで比較すると、次のことがわかった。 (1)どちらのグループでも赤色と青色が一番好まれる点は共通していた。 (2)しかし、黄色は比較対照群では好感度が高く、赤色と青色に匹敵するほど高評価だったが、自閉症の子どもには好まれず、6色の中では上から4番目だった。これは黄色があらゆる色の中で、最も輝度(明るさの程度)が大きく、生理的に刺激が強い色彩であることと関係していると考えられる。 (3)反対に、比較対照群ではあまり好まれない緑色(上から4番目)の好感度が自閉症の子どもでは高くなった(上から3番目)。同様に、比較対照群では最も好まれない茶色の好感度も自閉症の子どもでは高かった(上から5番目)。自閉症の子どもに最も好まれないのはピンクだった。自閉症児には「理解力」「共感力」がある 今回の結果について、正高教授は発表資料の中でこうコメントしている。「自閉症というと、他人の心が理解できない、あるいは共感能力が乏しい障害といわれていますが、実はそんなことはありません。環境から受け取る刺激が強すぎることが、生活の大きな妨げになっており、色彩もまたその例外でないことに周囲が配慮しなければいけないという事実を理解してください」【j-cast.com http://www.j-cast.com/healthcare/2017/01/02287188.html?p=all】誰でもきちんと整理された清潔な空間が過ごしやすいですね。🌠
2017.01.04
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<いのちの響き>相模原事件の被害者家族(上) 元気な姿だけで幸せ相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」が襲われた事件で、けがを負った障害者とその家族は少しずつ日常を取り戻し始めている。「確かに、障害のない子より手はかかるかもしれない。でも、だからこそ、元気に生きてくれているだけで幸せ」と思いながら。凶行のやいばでできた心と体の傷を、親子の愛情と絆で癒やそうとしている。 冬の日差しが親子三人を温かく包み込む。昨年十二月半ば、尾野剛志(たかし)さん(73)とチキ子さん(75)夫婦は、長男の一矢さん(43)を連れて神奈川県厚木市内の公園に繰り出した。 お昼の弁当は、チキ子さん手作りのおにぎりやコロッケ。一矢さんの好物ばかりだ。無心でほおばり、時折、「だめーっ」と大声を出すわが子を、チキ子さんは隣でにこにこしながら見つめ、剛志さんはカメラに収めた。 やまゆり園で暮らしていた一矢さんは事件後、市内の施設に住まいを移した。首や腹を複数刺され、一時は命も危うかった。「絶望的な状況から、よくここまで元気になってくれた」。二人には、歩けるまで回復した姿がいとおしくてたまらない。 生まれたころの一矢さんは「おとなしくて、手のかからない子」だった。でも、なかなか言葉をしゃべらず、三歳児健診で自閉症と診断され、重い知的障害も分かった。その直後、一矢さんの実の父親が水難事故死。チキ子さんは、同県座間市の自宅でクリーニング店を営みながら、一人で子育てをした。トラック運転手だった剛志さんと出会い、暮らし始めたのは一年後。「お人形のようだ」。剛志さんは一矢さんをかわいがった。 一矢さんの成長はゆっくりだった。「食べる」などの単語を覚え、おなかがいっぱいになると「おなかが痛いよー」と言った。静かにしているのでチキ子さんが目を離すと、店の洗濯物を散らかしていたずらした。チキ子さんに仕事がある日中は保育園に通園。小学校では特別支援学級に在籍した。普通学級の同級生たちがよく面倒を見てくれ、修学旅行にも一緒に行けた。 「ぎゃー」。水が大嫌いで、風呂に入る前はいつも泣きわめいて大騒ぎだ。「できることを一つでも増やしてあげたい」。二人は願い、辛抱強く一緒に風呂に入った。一矢さんは小学校に上がるころになると、泣かずに入れるようになった。 朝は着替えの練習。チキ子さんは、洋服の裏表や前後ろをわざと逆にして置いた。服を手に取り悩む一矢さん。最初はうまく着られなかったが、正しく着たら「すごいねーっ」とめいっぱいほめた。達成できた時の喜びはひとしおだった。 でも、近所の目は違った。小学校からの帰り道、一矢さんが路地で虫を捕まえて帰ると、「うちの敷地で物を盗んだ」と店に苦情が来た。「早く施設に入れろ」との匿名電話も度々。剛志さん自身、かんしゃくを起こして泣き叫ぶ一矢さんに、手を上げてしまったことも。「自分も世間の目を気にしているんじゃないか」と自問した。 成長とともに障害は重くなった。気に入らないことがあると、顔や腕を血が出るまでかきむしる。やめさせようとしても、力が強くなって手に負えない。 「このままでは一矢も私たちも身が持たない」。案じた二人は、一矢さんを厚木市の知的障害児施設に預けようかと考えた。中学一年の時だった。自ら子どもを手放すような寂しさを感じたが、施設の職員が掛けてくれた一言に救われた。 「親御さんだけでよくここまで育てられましたね。でも、施設に任せるのは決して恥ずかしいことではないですよ」 こうして一矢さんの親元を離れた生活が始まった。◆自閉症や知的障害の特徴は? 自閉症や知的障害のある人は、周囲の世界をどのように見て、どう感じているのか。愛知県心身障害者コロニー中央病院児童精神科医師の吉川徹さん(44)に聞いた。 -自閉症と知的障害はどのような障害ですか。 自閉症は、身ぶりや手ぶり、表情などによるコミュニケーションが苦手かどうかで判断されます。話し言葉も不得手な人がいます。人付き合いも苦手で、興味や関心の幅が広がりにくく、繰り返しの行動が多いのが特徴です。 知的障害は、以前は知能指数が低いことを指していましたが、最近は知能の発達の遅れのため日常生活を送るのが難しい人を指す場合が増えています。 例えば、計算が難しかったり、記憶して意味が分かる言葉が少なかったり、気温に応じて衣服を調節できなかったり、一週間の計画を立てるのが難しかったりします。 -周囲の人からの言葉は理解していますか。 理解できていたり、できていなかったりします。例えば、「お風呂だよ」と声を掛けて風呂に行けたとしても、「お風呂」という単語や意味を理解しているとは限りません。なぜなら、音の並びや、手に持っているタオルを手がかりに、同じように風呂に行ける場合もあるからです。 ある行動を身に付ける際、手を取って教えるか、目の前で手本を示すか、あるいは絵や言葉で理解してもらうのか、どのやり方が一番効率よく伝わるかは人によって異なっています。 障害によって言葉が出てこなくても、心の中に言葉が浮かんでいると主張する専門家もいますが、立場によって意見が違っていて、まだはっきりしていません。 -障害のあるわが子のことを、「体は成長したが行動は幼い」と感じる親もいますね。なぜですか。 知的障害の人は、新しい行動を覚えるのが得意ではありません。自閉症の人は変化が苦手なことが多いので、両方の障害があると、幼い時の行動パターンが大きくなっても続くことがあります。 -心は成長しているのでしょうか。 中高生になると、命令されるのが好きではなくなる人が多くなります。自分の好みがはっきり分かり、それを求める気持ちも強くなる。これは自立心の表れなので、その意味で心は成長しているといえます。ただ、物の見方や感じ方、考え方の道筋は多くの人とは違うので、それに合わせて接するのが重要です。 -具体的にはどうすれば? 達成できたかどうかより、挑戦したことを評価してあげて。例えば、パズルができたときだけ拍手するより、最初の一個をやり始めたときに「そうそう」と強く反応してあげると良い。 できるかできないかだけに周囲が関心を示すと、障害のある人はできることしかやらなくなり、育ちにくい。障害によって限界はありますが、新しい行動や関心を身に付けられれば暮らしの幅が広がり、結果的に本人の自己決定支援につながります。 【中日新聞 http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2017010302000002.html】 元気で生きてくれているだけで幸せ、本当に命あるだけで輝いていますね。🌠
2017.01.03
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「なんで産んじゃダメなの?」軽度知的障害の女性が妊娠、そして…「柚子に子育てなんて絶対無理よ」「どうして? あたし産みたいもん。どうして産んじゃダメなの!?」軽度の知的障害がある柚子が、仕事仲間の草介に恋をして、赤ちゃんを授かった。でも、草介は急に亡くなってーー。電子書籍化で人気が再燃した『だいすき!!~ゆずの子育て日記~』から冒頭のシーンを特別公開する。 周囲の大反対を受けた柚子の決断とはーー。果たして子育てはできるのか。続きはぜひ本書でお読みください。結局産むんです、産むんですが… [gendai ismedia. http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50620]日本全国送料無料 だいすき!!ゆずの子育て日記 コミック 全17巻完結セット BE LOVE KC 愛本みずほ 講談社【中古】 02P03Dec16 楽天カード分割電子書籍化で再燃、そしてネット公開、時代も進化しつつありますね。🌠
2017.01.02
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なぜ発達障害者は日本企業で働くのが辛いのか?Why people with ASD find it difficult to work for Japanese offices年末でありますが、ネットを巡回していましたら以下のようなまとめを発見しました。発達障害のある人の認知と思考2~ASDのある人の職業適正を考える~上記のまとめに掲載されているように、発達障害のある人の就労支援に携わって来た松本太一さんによれば、ASDの人が得意な仕事とは「業務上の判断に必要な全ての情報が静的データとして提示されている仕事」と言えないか。逆に苦手なのは「判断に必要なデータが動的であり実行して初めてわかるような部分が多い仕事」であると言えないだろうか。でありますが、私はこのまとめを読んで、英語圏の職場と、日本の職場の違いを考えていました。英語圏と日本の職場の一番の違いは、前者は個人主義的であり、後者は集団主義的であるという点です。個人主義的というのは、仕事の指示や品質標準というのが、ある程度は明文化されています。各人の担当する仕事は明確になっており、分業制が基本です。属人化を極力避けてあるので、その仕事に、似たような技能を持つ他の人を割り当てることも可能です。責任分界点は雇用契約書で明確化され、業務評価や業務の工数計算もやりやすくなっています。基本的には決められたこと以外はやりません。作業や意思決定に必要な情報は極力共有化されるので、外部の人や新人でも、仕事がやりやすくなっています。つまり上記まとめのように、静的なデータを元に作業したり意思決定することが多い環境なのです。こういう仕組みは、英語圏が文化的に個人主義である点と強いつながりがあると考えています。個人主義ということは、各自が最初から異なる存在であるということを前提とする社会のことであり、お互いが異なるため、情報を極力言語化して伝え、意思の疎通をはかります。言語化するということは、動的なデータを記録したり、言葉でいい換えるということですから、静的なデータに置き換える、ということです。 アメリカの職場のマニュアルや学校の教科書は驚くほど分厚く、イギリスではやたらと企業のトップや幹部が従業員向けの対話会をやります。言語で説明することが前提だからです。アメリカの場合特に人が多様ですから、日本の教科書やマニュアルだと省くことまで書いてあります。情報は言語化され文書化されているので、チーム内の統制を高めるような儀式は、日本に比べると多くはありません。人事部がパーティーやチームビルディング活動をやることもありますが、人の移動が激しいため、その効果はそれほどありません。一方、日本も所属する集団主義的な文化圏の場合は、チーム、会社、村、学校、地縁、血縁、学閥等、同じ組織に所属する人間なら、お互い似ているということを前提するので、全てを語りません。意思疎通には非言語的なコミュニケーションを重視します。ジェスチャーや仕草、行動、習慣などを通して意思の疎通をするので、思っていることの言語化を避けます。組織内のルールやノウハウは明文化しません。空気を読んで作業することが前提なので、各自の責任分界点や担当範囲は曖昧です。業務の多くは属人化し、アイディアやノウハウは言語化せず、盗んで覚えろ、見て覚えろ、空気を読め、という対応が求められます。 つまり、日本の組織内では動的なデータを駆使して作業したり意思決定したりすることが多い、ということです。外から来た人間、第三者、新人、外国人などには極めて厳しい環境であります。一方で、言語化や文書化の手間は省けるので、コミュニケーションの「コスト」は低くなります。言語化できないノウハウや知も集団の中で伝承されます。そのため組織の管理や作業の効率はよく、緻密なサービスや作業が可能になります。集団の統一感を保つための儀式が盛んに行われます。学校であれば、それは文化祭や体育祭、遠足であり、職場なら飲み会や親睦会、朝礼、町内会ならドブさらい、廃品回収に祭りです。そうういった儀式は大変重要なため、労働時間外の私的な時間も費やすことが当たり前だと考えられています。そのため、日本の人は、学校や職場で過ごす時間が長くなります。 英語圏の職場、特にテック業界には発達障害者だろうなと思われる人が少なくありません。公言している人もいます。日本だったら即クビになってしまうようなタイプの人です。彼らは管理職にはなりませんが、技術専門家や外部コンサルタントとして結構な報酬を稼いでいます。しかも技術専門家の方が管理職よりも高報酬だったりします。発言が単刀直入すぎるとか、空気を読まないとか、職場のクリスマスパーティーに来ないといったことは、それほど批判されません。求められるのは雇用契約書に定義された適切なアウトプットを出すことなので、それ以上のことは求められていないからです。ですから、時々変なやつだと言われることはありますけども、多少コミュニケーションに難があってもなんとかなります。英語圏のテック業界が画期的な技術なビジネスモデルを生み出している理由の一つには、静的なデータを使用して働くことが可能だということがあるかもしれません。そういう環境は、発達障害者やその境界線にある人だけではなく、外国人や外部協力者にとっても楽な職場です。日本の衰退というのは、組織の少なからずが、動的なデータを使用して働くことが最適化されすぎてしまったがために、サイロ化しているというところにあるかもしれません。効率が良すぎることの裏返しとして、イノベーションや多様性を犠牲にしているのです。 [wirelesswire https://wirelesswire.jp/2016/12/58443/]日本の企業の在り方、それ以前に教育体制をも見直す時期に入りつつありますね。🌠
2017.01.01
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