March 9, 2006
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坂東 玉三郎 特別舞踊公演 @ 富山オーバードホール 行って参りました!

わざわざ東京より富山まで移動をしての参戦となりましたのは、私の両親、叔父も「ぜひ玉三郎さんの舞踊が見たい!」との事だったため。
多分、私が昨年の舞台で鷺娘を踊ったせいもあり、同じ演目の鷺娘、玉三郎様の本物の鷺娘を見たくなったのでしょう・・・。

しかし、木曜と言うウィークディのそれも、日中の公演とあり、どれほどの人が入るのかしらん?と思っていた私ですが、
心配なさるな、超満員でした。。。さすが玉さま!!

私の席は2階席。東京からわざわざ行くのに2階席とは無念・・・と思っておりましたが、どうやら、1階席の半分より後ろを2階席と呼んでいるだけらしく、
実際は1階席半分よりちょっと後方。そして本当の2階席は、チケット上は3階席との表記なのでした。なんか不思議。

ところで、その会場でばったり出会った親戚のおば様と話していた所、彼女はその会場の有料チケットメンバーになっているにもかかわらず、2階席の1列目しか取れなかったとの事。
彼女曰く、1階席は、某会社の社内で一般発売に先駆けてまず購入希望者を募って販売している様子・・・。実は彼女その会社に知り合いがいて、チケット何とかならないか、聞いたそうなんですが、その時には社内締め切り日が過ぎていたそうで。


一体どれだけの席が一般発売前に占有されてしまったいたのでしょうかね。
そんなことで本当に観たかった人が見られなかったとしたら・・・。

さて、そんな大人のやる事は嫌いですが、ほおっておき、公演の感想と参りましょう。

今回は、長唄 藤娘と、長唄 鷺娘の2演目が玉さまにより演じられました。

最初は藤娘から。

はっきり言って、私の頭の中の、“藤娘”の既成概念が打ち壊されました。

藤娘と言うと、子供や習い始めて日の浅い方が発表会なんかで踊るようなイメージだったのですが、
斯く言う私も、小学3年生か4年生ころ踊った記憶がございます。

大人の藤娘でした。踊る人が踊るとこうなるか。と言うのと、藤の精である玉さまが、お酒に酔って踊るところなんて、
もうなんと言うか、“娘”ではないですよね。でも、酔って屏風から顔を出す玉さまの可愛らしさ、愛らしさ。

舞台セットも、通常ある、舞台真ん中にドド~ンと大きな藤の木を据えて、と言うのとは違いました。

会場で売っているパンフレットにもその舞台セットに関して書いてありますが、なるほど納得する内容でございました。

そして、玉さまの美意識の高さが、その舞台を見ると感じられると思います。色合い、上品さ。配置。

30分のインターバルをはさんで、長唄 鷺娘の上演となりました。

さて、白無垢姿に傘をさし、雪のしんと降る中の登場。
真っ暗な中から、ぼんやりとその鷺の精が見えてくるところが何とも良いのですが、何だか照明がしっくりきませんでした・・・。



後、感じたのは最初の白無垢姿での場面の音楽のスピードのゆっくりさ。こんなゆっくりで踊るのか、私だったら結構きついな・・・と思いました。
早いのも大変なんですが、ゆっくり過ぎても変な間が空いてしまわないように動きで調節しなければならないので、大変です。
でも、ここをこれだけゆっくりにする事によって、次に引き抜いて赤の衣装に変わってからの早間が引き立つのかもしれないなぁとは思いました。

後は、紫の着物からピンクへ引き抜く時、傘を片手に、袖口の引き抜き用の糸を玉さまはご自分でお抜きになってました!
傘を右手から左手へ移す時に、傘が離れた右手で左の袖口の糸を引き抜く。
逆も同じく。
その後もご自身で前見ごろはほとんど脱いでしまわれますし、さすが役者さんだわっ、と目を丸くして見入ってしまいました。
その後のいよいよ鷺の精に変わる際にも、自分で帯締めを解いてしまわれるし。

さて、鷺娘は、嫌と言う程、いえ、嫌ではないので、覚えてしまうくらい何度もDVDで観ておりますので、そのDVDと見比べて観てしまいました。
最初の白無垢姿で鷺が羽を何度か羽ばたかせる所があるのですが、そこはDVDのものより若干ハキがあると言うか力強く感じました。

生で観て見たかった、傘の踊りの箇所での、傘をふわりと投げ上げてゆるりと落ちてくるのを受け止める振り。
やはり素敵でした。あの傘ってああ見えて意外と重いのです。私なんかは、体が小さいので大きい人よりなおさら不利ではあるのですが、
あの傘の踊りってまたこの演目の終盤にやってきて、疲れてきているので、傘がずしりと重く、腕を上げるのも結構きついと感じたのに、
玉さまは、それを無重力のように観客に見せてしまうのですから、すごいとしか言いようがございません。

さてクライマックスの鷺の精が姿を現し、地獄の責めにあい、雪の中死んで行く場面。残念ながら、舞台が狭いなぁ、と感じました。
ですが、DVDより玉さまのお得意、海老反りが多い気がしました。数えただけで3度。反りかえっていらっしゃいました。その度に客席は拍手喝采。
雪がとめどなく降り続け、足元には降り積もるくらい。その雪の中で舞う鷺の美しさ。そこは一体どこなんでしょう?と思わせる。異次元空間。

舞台を観ている自分を認識できなくなるんです。自分が一体どこにいるのか。

これが、玉三郎さまの鷺娘の真骨頂なのでしょう。観客をその世界に入り込ませる。迷宮のような、妖艶で、でも、憂いと刹那の世界に迷い込ませるのが。

玉さま、どうもありがとうございました。
玉さまの鷺娘をこれからも、1回でも多く拝見したいと思います。そして、1人でも多くの方に見て頂きたいと強く思います。
だから、ぜひぜひ、お体にはお気をつけていらしてください。

さて、カーテンコールがございました。
まず1度目は、雪の中倒れたままの鷺の姿で緞帳が上がりました。
それでも鳴り止まぬ拍手に、2度目のカーテンコール。次は、雪の中に、ちょこんと座った鷺の精のままの玉さま。
座ったまま、上手、下手、正面とお礼をなさって、幕が下りました。
それでも、まだまだ拍手は鳴り止みません。
3度目のカーテンコールは、鷺の精の玉さまが立ちあがって登場。
パッと舞台上と、客席の照明が付き、玉さまは、舞台ぎりぎりまで動いて、上手、下手、正面とお礼をなさいました。
場内も、スタンディングオベーションちらほら。玉三郎教の私ですもの、もちろんスタンディングでございます。

3度のカーテンコールでした。カーテンコールまで素敵でした。













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Last updated  March 12, 2006 12:01:46 PM
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