2004年02月06日
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カテゴリ: 雑考生活
午前中、ちょっとした手続きがあって、仕事の合間に銀行に行って来た。


と思って見ていると突然、やはりロビーで長時間待たされてぶちキレたらしい、いかにも人相の悪い太った金ピカネックレスのおやじが、そのオクレのび太のオジサンに近づいて怒鳴り声をあげ始めた。「ゴルァお前らワシが黙っとったらいったいいつまで待たすつもりなんじゃ、大体ワシはやのぅ…」。周囲の待合客の間にも緊張が走り、みな一斉に手元の週刊誌に目を落とす。
オクレのび太のオジサン、「いえいえ、他のお客様もお待ちいただいておりますのでここはひとつお静かに」とでも言うのかと思って見ていると・・・。?。なにも言わない。
何も言わずに、ただ猫背で立ち、ニコニコしながらウンウン頷いて金ピカおやじが怒鳴るのを聞いているだけなのだ。

そのまま金ピカおやじが3分ぐらい文句を言い続けた頃だろうか、徐々に声のトーンが収まってきたかと思うと、驚いたことに、「・・・ま、そういうこっちゃ、な、頼むでホンマ、わははは」とか言って笑っているのである。オジサンも、相変わらず微笑みながら頷いている。
結局、オクレのび太のオジサンがしたことは、ホントにただにこにこウンウン頷いて、金ピカおやじに相槌を打っただけなのだ。おやじの最初の剣幕からすれば、とても信じられない光景だ。
しかもその間、オクレのび太のオジサンは、状況の読めていないオバサンや、外から入ってきたばかりのお客などが「振込カウンターはどこ?」とか「住所変更の記入用紙ちょうだい」などと言ってくるのを、手振りだけで案内したり、さりげなく用紙を取り出して手渡したりして、ソツなく対応しているのである。


プロだ。 間違いなくその道のプロである。


うーむ、スゴイぞ、オクレのび太のオジサン。きっとあの生地の薄そうなスーツの下には、接客道の黒帯が巻かれているのであろう。ワタシは、ひとり静かに心の中で拍手を送ったのであった。





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最終更新日  2005年08月25日 18時07分45秒
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