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成功を収めたセカンド作 2009年にシーンに登場したカルラ・モリソン(Carla Morrison, 英語読み風にカーラ・モリソンと書かれたりもするが、スペイン語の名前なのでカルラという読みが正しい)のセカンド・アルバムが、この『アモール・スプレーモ(Amor supremo)』という盤である。アルバムの表題は“至上の愛”という意味で、2015年にリリースされた。本盤には、60分を超える全13曲が収録されている。前作同様、アルバムはラテン・グラミーにノミネートされ、シングル曲がオルタナ部門で受賞を果たした。 ファースト作のところ(参考過去記事)にも書いたのだけれども、彼女の作品には、現代社会に生きる孤独感みたいなものが滲み出ている。そういう意味では、本セカンド作も同じ流れの中に位置づけられるものと言えるだろう。ファースト作と比べて変化しているのは、音作りの進歩で、作り込みの度合いが格段にアップしているように思う。 アルバムの収録順に注目したい楽曲を見ていくと、まずは、1.「ウン・ベソ」。彼女の独自の楽曲の世界が存分に発揮された1曲だと思う。3.「ベス・プリメーラ」は、ラテン・グラミーのオルタナ部門で受賞曲となったナンバー。4.「アスカル・モレーナ」は“ブラウン・シュガー”を意味する表題とは裏腹に、甘くないシリアスさが魅力。7.「デブエルベテ」は、私的にはイチオシの楽曲の一つで、いい意味でのこの“不安感”がカルラ・モリソンの魅力だと感じる。13.「トド・パサ」は、セカンド・アルバムにして堂々とした完成度が感じられる好曲だと思う。[収録曲]1. Un beso2. Flor que nunca fui 3. Vez primera4. Azúcar morena5. No vuelvo jamás6. Cercanía7. Devuélvete8. Mi secreto9. Tierra ajena10. Yo vivo para ti11. Tú atacas12. Mil años13. Todo pasa2015年リリース。 下記のブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、バナーをクリックお願いします! ↓ ↓
2025年08月31日
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骨太のメキシコ大衆ロック・バンドによるセルフ・タイトル作 ロス・ラヴキルズ(Los Lovekills)は、2010年に結成されたメキシコのロック・バンド。詳しい情報に関しては、よくわからないことだらけなのだけれど、結成まもなく出された最初の盤が、セルフ・タイトルのこの『ロス・ラヴキルズ(Los Lovekills)』ということのようだ。バンド名の“Lovekills (Love Kills)”は、かのフレディ・マーキュリーの楽曲を思い起こさせるが、それと関係があるのかどうかもよくわからない。 メンバーは、ロべ・マルティネス(Robe Martínez,ギター&ヴォーカル)、マルセロ・メンドーサ(Marcelo Mendoza, ベース&ヴォーカル)、ラウリオ・ルイス(Raulio Ruíz, ギター)、ロッド・ビエイラ(Rod Vieyra, ドラム)という4人構成で、メキシコシティを起点に活動しているという。とはいえ、このデビュー時点では、マルティネスとメンドーサはいたものの、残る2人の名はなく、キケサン(QuiqueSan, ギター&コーラス)なるメンバーがクレジットされている。また、バンドが当初結成されたのはメキシコ北部のコアウィラ州トレオンとのことで、本盤も同地でレコーディングされている。 本盤は、デビュー作といっても、7曲入りのミニアルバムと呼べるヴォリュームのもの。プロデュースを担当したのは、マウリシオ・テラシーナ(Maurizio Terracina)というメキシコ/イタリア国籍の音楽プロデューサーである。メキシコ・ロック界では知られた人物で、独立系のバンドなどのプロデュースを積極的に行ってきたプロデューサーである。実際、1曲1曲の仕上がりの精度の高さは、このプロデューサーの力量に負う部分が大きいのではないかという気がする。 注目曲としては、1.「トゥ・シレンシオ(あなたの沈黙)」の端正で重いサウンドがいい。2.「ブスカンド・カリフォルニア(カリフォルニアを探して)」は、国境を越えてカリフォルニアでの新たな人生を目指すというベタなテーマだが、サウンド面ではベタにはならず、しっかりとした演奏に仕上がっているところに好感が持てる。4.「エウフォリカ」は1.と並んで骨太のサウンドでしっかりと聴かせる好曲。さらにハードな楽曲としては、やや実験的な6.「アウトデストルクティーバ(自爆的)」がいい。硬派な演奏とガラスの向こう側から歌っているかのようなヴォーカルの組み合わせというのは、なかなか決まっていると思うのだけれど。[収録曲]1. Tu silencio2. Buscando California3. No te olvido4. Euphorica5. Inocente6. Autodestructiva7. Zombie2010年リリース。 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2025年08月28日
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ロサンゼルスの熱きHR/HMシーンの立役者 ガンズ・アンド・ローゼズが2つのバンドの元メンバーの融合によって成立したということはよく知られている。その2つのバンドというのは、L.A.ガンズとハリウッド・ローズだった。ハリウッド・ローズの方は1989~90年に再結成されたものの、作品リリースはなかった。他方、L.A.ガンズの方は、早々にガンズ・アンド・ローゼズを離脱したトレイシー・ローズが中心となって再興され、アルバムを発表していくことになった。 トレイシー・ローズを中心に実力者揃いのメンバーはデビュー前から注目され、1988年に発表されたのが、ファースト作となるセルフ・タイトル盤『L.A.ガンズ(L.A. Guns)』(邦盤では『“砲”』)であった。“L.A.メタル”という括り方がなされることもあるが、文字通り“L.A.(ロサンゼルス)”の名を冠する彼らは、1980年代後半、西海岸発のHR/HMの立役者の一人といえそうな勢いを持っていた。 1.「ノー・マーシー」は、スピード感のある重くかつ軽快な演奏が魅力。2.「セックス・アクション」は、リリースされて聴いた当時から特に印象に強く残っているナンバーで、この不良っぽさも彼らの大事な持ち味の一部分である(ヒットはしなかったものの、その当時にはシングルとしてもカットされていた模様)。4.「エレクトリック・ジプシー」(こちらもシングル化された)は、たたみかけるような演奏が筆者的にはお気に入り。 7.「クライ・ノー・モア」は、小休止的なギターのアンサンブル風の小品で、じっくり聴かせる名曲の8.「ワン・ウェイ・チケット」のイントロ的な役割も果たしている。アルバム終盤をきれいにまとめようという感じではなく、勢いづいたままの10.「シュート・フォー・スリルズ」、11.「ダウン・イン・ザ・シティ」で終えているのも、若々しいと言えばそれまでかもしれないが、筆者としては好感が持てる。全体として、若さがほとばしり(そう考えると、L.A.の表記のピリオドが“ガイコツ”なのも、今となっては微笑ましい)、西海岸のメタルシーンを反映したお手本あるいはモデル的な作品。そんな風な感想を個人的には持っているアルバムだったりする。[収録曲]1. No Mercy2. Sex Action3. One More Reason4. Electric Gypsy5. Nothing to Lose6. Bitch Is Back7. Cry No More8. One Way Ticket9. Hollywood Tease10. Shoot for Thrills11. Down in the City12. Winters Fool(日本盤リイシュー時のボーナス・トラック)1988年リリース。 “砲" [ L.A.ガンズ ] 【輸入盤CD】【新品】L.A. Guns / L.A. Guns 【K2017/11/3発売】(LAガンズ) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2025年08月24日
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ホルヘ・サンタナのバンドによるラテン・ロックの好盤 マロ(Malo)は、カルロス・サンタナの実弟であるホルヘ・サンタナ(Jorge Santana,2020年に68歳で没)を中心とするバンドであった。前身のバンドであるマリブスのメンバーと別のバンドのメンバーを混合する形で、1970年代初頭にマロは誕生した。ホルヘ・サンタナ(ギター)のほか、アルセリオ・ガルシア(ヴォーカル、パーカッション)、パブロ・テジェス(ベース)、アベル・サラテ(ギター)ら計8人から成り、通常のロック・バンドの編成に含まれる楽器以外に、管楽器(フルート、トランペットなど)や打楽器(コンガ、ティンバルなど)がフィーチャーされているのが特徴である。1972年、このバンドの最初のアルバムとして発表されたセルフ・タイトル作が、本盤『マロ(Malo)』であった。ジャケットのデザインには、メキシコ人画家ヘスス・エルゲーラによる、アステカの擬人化された神話の作品が使われている。 メキシコ生まれのホルヘは、サンフランシスコのラテン系の多い地区(ミッション地区)で育ったという。同じく中心人物の一人アルセリオはプエルトリコ系、パブロはニカラグア生まれでティーンエージャーの時の移住者であった。まさしくそうした西海岸のラテンのストリートの雰囲気に、実兄のカルロス率いるサンタナが切り拓きつつあったジャズやラテンを含みインプロヴィゼーショナルな新たなロックのスタイルがうまく融合した成功例だったと言えるのではないだろうか。どの楽曲も短くキャッチーにというよりは、個性が強く長い尺(収録曲はいずれも6~7分を超える)で、しっかりと聴かせるナンバーが並ぶ。 本盤の収録曲のうち、最も知られているのは、5.「スアベシート」であろう。哀愁漂うメロディに軽いラテンのリズム、そして英語の詞を聴かせるというスタイルがチカーノやラテン系の人々に受け入れられたのだろう。これと同じく、ラテンの若者たちに人気を博した曲として、4.「いとしのネナ」も収められている。詞が英語とスペイン語の両方であること、音楽的には、サルサのようでもあり、ソウルのようでもあり、でもやっぱりロックであるというのが印象的なナンバーとなっている。 ほかに、個人的好みに基づいた本盤の聴きどころとしては、まず、1.「パナ」が挙げられる。ラテンの雰囲気が緊張感ある演奏とともに展開されるというのがいい。2.「さよならを言うだけ(ジャスト・セイ・グッドバイ)」は、シリアスなギター演奏が聴きどころ。6.「平和(ピース)」は、プログレッシヴな雰囲気の楽曲で、ヴォーカル、トランペット、ギターそれぞれの鬼気迫る演奏が9分を超える長尺の中でじっくりと堪能できる。[収録曲]1. Pana2. Just Say Goodbye3. Café4. Nena5. Suavecito6. Peace1972年リリース。 【中古】 マロ MALO/マロ 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2025年08月20日
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当時の勢いと熱気が満載のライヴ盤(後編) (前編からの続き) アルバム収録曲をざっと見ていきたい。1枚目の冒頭3曲は、『闇に吠える街』を代表する楽曲が並ぶ。1.「暗闇へ突走れ」はライヴで見せ場へとなっていったレパートリーで、2.「バッドランズ」と3.「プロミスト・ランド」はそれぞれ元アルバムのA面・B面のオープニング曲である。続く2曲は、リリース直前の『ザ・リバー』からのナンバーで、表題曲4.「ザ・リバー」でじっくり聴かせ、5.「愛しのシェリー」で盛り上げる。そして、1枚目の終盤は、サード作『明日なき暴走』所収の6.「涙のサンダーロード」、ファースト作収録の7.「ジャングルランド」という、じっくり聴かせる代表的楽曲が連続する。 2枚目に移ると、最初の2曲はこの時点のレパートリーの中で特に盛り上がるナンバーが並んでいる。セカンド作収録の1.「ロザリータ」は、12分という長さを感じさせず、むしろメンバー紹介なども含めてこれだけ盛り上げて楽しませるにはこの時間が不可欠といった演奏を披露している。 2.「明日なき暴走(ボーン・トゥ・ラン)」は、若いころの彼の代名詞的ナンバーで、上記サード作のタイトル・トラック。3.「ステイ」は、モーリス・ウィリアムスとゾディアックスの1960年の全米No.1ヒット曲。続く4.「デトロイト・メドレー」と5.「クォーター・トゥ・スリー」は、ライヴでのお得意のレパートリーである。前者は「デヴィル・ウィズ・ザ・ブルー・ドレス・オン」、「グッド・ゴーリー・ミス・モーリー」、「シー・シー・ライダー」、「ジェニー・テイク・ア・ライド」という、1960年代をスプリングスティーンのバンドらしくカバーしたロック・メドレー。後者は、ゲイリー・US・ボンズの1961年の全米No.1ヒット曲のカバーである。アルバムを締めくくる6.「レイヴ・オン」は1958年のバディ・ホリーのヒットでも知られるナンバー。このように、2枚組の本作の終盤にかけての演奏は、ライヴでしか味わえないスプリングスティーンのパフォーマンスを楽しむことができる。[収録曲](Disc 1)1. Prove It All Night 2. Badlands 3. The Promised Land4. The River5. Sherry Darling6. Thunder Road 7. Jungleland(Disc 2)1. Rosalita (Come Out Tonight) 2. Born to Run 3. Stay4. Detroit Medley: Devil with the Blue Dress On~Good Golly Miss Molly~C.C. Rider~Jenny Take a Ride 5. Quarter to Three6. Rave On1979年9月21日(I: 6-7, II: 1-2, 4, 6)、同22日(1.-5, II: 3, 5)録音。2021年リリース。 【送料無料】[枚数限定][限定盤]ノー・ニュークス・コンサート 1979(完全生産限定盤/DVD付)/ブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンド[CD+DVD]【返品種別A】 【送料無料】[枚数限定][限定盤]THE LEGENDARY 1979 NO NUKES CONCERTS (2CD+DVD) 【輸入盤】▼/ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド[CD+DVD]【返品種別A】 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2025年08月17日
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当時の勢いと熱気が満載のライヴ盤(前編) アメリカン・ロック界の大御所、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)の若き日のライヴで、40年以上の歳月を経て2021年にリリースされたのが、本盤『ノー・ニュークス・コンサート1979(The Legendary 1979 No Nukes Concerts)』である。 21世紀に入った頃からだろうか、巷では、いわゆる“蔵出し”ライヴ系のリリースが溢れるようになった。そうした古い音源のリリースには、正直なところ、玉石混交という感が否めない。けれども、いざリリースされて聴いてみた時、何十年か前のライヴでこれほどに感動したのは、どちらかと言うと珍しい例だったというふうに記憶している。 収録されているのは、2枚組で全13トラック。音源には、ボブ・クリアマウンテンによる新たなリミックスが施されている。このライヴの前年(1978年)にリリースされた『闇に吠える街』と1975年の出世作『明日なき暴走』、そしてライヴのレパートリー曲が中心となっている。その一方で、リリース目前の『ザ・リバー(ザ・リヴァー)』に収録されることになるナンバーからも2曲が披露されている。 E・ストリート・バンドの息の合った絶妙の演奏は、これ以前のライヴでもよく知られているし、スタジオ作ながら『ザ・リバー』にも顕著である。また、後にリリースされた大部なライヴ作『ザ・ライヴ』(1975~85年の音源)の時期を考えると、すでに完成された演奏力が存分に発揮されていることもうかがえる。その演奏に加えて、ゲスト陣も目を引くもので、ジャクソン・ブラウンにトム・ペティ、さらにはローズマリー・バトラー(参考過去記事)なんかが参加している。 そのようなわけで、ライヴ・パフォーマンスの質が高かった(けれども1984年以降の『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』の妙な熱狂はまだ訪れていない)時期の、優れた演奏が堪能できる盤であると、全体としては言えるだろう。 長くなってきたので、いったんここで稿を改めて、後編に続けたい(曲目等の情報は後編を参照)。 【送料無料】[枚数限定][限定盤]ノー・ニュークス・コンサート 1979(完全生産限定盤/DVD付)/ブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンド[CD+DVD]【返品種別A】 『ノー・ニュークス・コンサート 1979 (2CD+Blu-ray)【完全生産限定盤】 [ ブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンド ] 下記ランキングに参加しています。 お時間のある方、応援くださる方は、“ぽちっと”よろしくお願いいたします! ↓ ↓
2025年08月16日
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デビュー盤からの勢いを維持したセカンド・アルバム バッド・カンパニー(Bad Company)は、1970年代前半、フリー(参考過去記事(1) ・(2) ・(3) )での活躍を経たポール・ロジャース(ヴォーカル)、サイモン・カーク(ドラムス)らが結成したバンド。他のメンバーは、元モット・ザ・フープルミック・ラルフス(ギター)、元キング・クリムゾンボズ・バレル(ベース)という面々だった。 1974年発表に発表されたこのバンドのデビュー盤は、見事なセールスを記録し、全米チャート1位、英チャート3位を記録した。そして、続く翌年の本盤『ストレート・シューター(Straight Shooter)』もそれに劣らぬほどの成功作となり、英米ともに3位のヒット作となった。 冒頭の1.「グッド・ラヴィン」と2.「フィール・ライク・メイキン・ラヴ」はともにシングルとしてもリリースされたナンバー。前者はこのバンドらしい端正なロック・ナンバー。後者はなかなかの好曲で、全米のシングルチャートで10位となった。 他に筆者が気に入っているナンバーを少し挙げておくと、4.「シューティング・スター」は適度な肩の力の抜け具合がいい。無論、ハードな楽曲がよくないという意味ではなく、本盤の収録曲中でそうした方向性で頭一つ抜けているのが5.「ディール・ウィズ・ザ・プリーチャー」だと思う。全体として言えるのは、ハードな楽曲と少し控えめな楽曲がうまく配されている点と、ポール・ロジャースによる楽曲のよさが目立つというのが、本盤の特徴ということになるのかもしれないと感じる。[収録曲]1. Good Lovin' Gone Bad2. Feel Like Makin' Love3. Weep No More4. Shooting Star5. Deal with the Preacher6. Wild Fire Woman7. Anna8. Call on Me1975年リリース。 【中古】英LP Bad Company Straight Shooter ILPS9304 ISLAND /00260 次のブログランキングのサイトに参加しています。 時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2025年08月14日
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2025年08月11日
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詩人/シンガーソングライターによる幻の1枚 ロッド・テイラー(Rod Taylor)は、1947年ノース・キャロライナ州生まれのミュージシャン。1970年代に入ると西海岸に移り、ミュージシャンとして活動するだけでなく、詩集を出版したりもしている。そんな彼が唯一残した作品が、1973年発表のセルフ・タイトル盤『ロッド・テイラー(Rod Taylor)』である。 1971年に設立されたアサイラム・レコードにとって、トム・ウエイツの次に契約した13組目のアーティストが、このロッド・テイラーだったという。日本では“第2のレオン・ラッセル”の触れ込みで発売されたらしいが、日本国内どころかアメリカでもさっぱり売れなかったようである。 確かに、売れなくても仕方なかった地味さがある。失礼ながら、名前からして地味だし、アルバムもやや陰気なセルフ・ポートレート写真で、淡々と歌を伝えるシンガーソングライター然とした雰囲気が醸し出されている(とはいえ、後述のメンバーを含む演奏自体は、必ずしも地味というわけではない)。全曲が次作で、プロデュースはチャック・プロトキン(ボブ・ディランやブルース・スプリングスティーンの作品のプロデュースでも知られる)が丁寧に仕事をしている。演奏面では、ライ・クーダー(ギター、マンドリン)、ジェシー・エド・デイヴィス(ギター)、ジョニ・ミッチェル(バッキング・ヴォーカル)など、なかなか豪華なミュージシャンたちがサポートしている。 いくつかの曲をあげながら、アルバムを見渡しておきたい。オープニングの1.「アイ・オウト・トゥ・ノウ」は、ひたむきに詞を紡ぐシンガーソングライター的な楽曲。2.「クロスローズ・オブ・ザ・ワールド」は、南部風の泥臭さを伴うナンバーで、こういった曲は案外、筆者の好みだったりする。5.「メイキング・ア・ウェイ」は、どこかレオン・ラッセル風のテイストで、こういう楽曲でうまく火がついていたならば、ひょっとして売れたのかもと思わないでもない。ピアノをバックにした7.「危険な生活のブルース」も、同じくレオン・ラッセル風と言えるかもしれない。12.「ザ・ラスト・ソング」は、デビュー盤の締めくくりにこのタイトル(“最後の歌”)はどうかという気がしないでもないが、楽曲としてはなかなかの好曲。 1970年代初頭、何人ものシンガーソングライターが現れては消えていった。テイラー自身も述べているように、その中では最も成功した口だったのだろう。その後、少しの活動歴があったようだが、テイラーの名は音楽史の表舞台には残らなかった。とはいえ、アルバムという形で残された本盤は密かな1枚として聴き継がれていくことだろう。[収録曲]1. I Ought to Know2. Crossroads of the World3. Railroad Blood4. Double Life5. Making A Way6. Sweet Inspiration7. Livin' Dangerous Blues8. Something Old9. Man Who Made It Fall10. Lost Iron Man11. For Me12. The Last Song1973年リリース。 【中古】CD ロッド・テイラー ロッド・テイラー AMCY2901 ASYLUM /00110 ブログランキングに参加しています。 応援くださる方は、ぜひクリックをお願いします。 ↓ ↓ ↓
2025年08月10日
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エアロスミスのメンバーによるプロジェクト盤 ジョー・ペリー(Joe Perry)は、1950年米国出身のギタリスト。スティーヴン・タイラーの欠かせないパートナー(これら2人のコンビは“トキシック・ツインズ”と呼ばれる)で、ロック・バンド、エアロスミスを牽引してきた。そんなペリーがソロ・プロジェクトを動かしたのは、1980~83年のことだった。タイラーとの確執からエアロスミスを脱退し(後に和解してバンドに復帰)、計3枚のアルバムをジョー・ペリー・プロジェクト(Joe Perry Project)の名義で発表した。 本盤『熱く語れ!(Let the Music Do the Talking)』はその第1弾で、1980年にリリースされた。上記の3枚のアルバムの内では最も売り上げを伸ばした(全米47位)アルバムである。大部分の曲(共作も含めると全曲)がジョー・ペリーのペンによるもので、彼以外のメンバーは、ヴォーカルにラルフ・モーマン(ただし、ペリー自身がリード・ヴォーカルという曲も複数ある)、ベースにデヴィッド・ハル、ドラムにロニー・スチュワートといった布陣だった。 1.「熱く語れ!」はアルバムの表題曲。この曲名およびアルバム名の原題を直訳すると、“音楽に語らせよ”。結局のところ、音楽に語らせるのは演奏者なのだから、演奏者が“熱く語って”も一緒なのかもしれないが、実際にこの曲を聴いてみると、確かに“音楽が語りだしている”という風に思える(ちなみに、この1.はエアロスミスのアルバム『ダン・ウィズ・ミラーズ』でも演奏されている)。1.と並んで見事な演奏で音楽に語らせていると思えるのは、3.「ディスカウント・ドッグズ」。とにかくジョー・ペリーのギターがカッコよく炸裂する。 アルバムにはジョー・ペリーがヴォーカルを担当する楽曲も収められている。筆者の好みに照らしてのその中でのベストは、10弦ギターを使用しての7.「ザ・ミスト・イズ・ライジング」、次いで4.「シューティング・スター」といったところか。また、インストルメンタル・ナンバーも1曲収められている。5.「ブレイク・ソング」がそのナンバーだが、短い楽曲ながら、ジョー・ペリーがこれでもかとギターを聴かせるという演奏に仕上がっている。 アルバム終盤の8.「レディ・オン・ザ・ファイアリング・ライン」、9.「ライフ・アット・ア・グランス」まで演奏の勢いは衰えず、特に9.のリズムに乗ったスピード感は、聴いた後にスッキリした感じになる。全米チャートで47位どまりだったとのことだが、記憶の狭間に埋もれさせてしまうのはもったいないと好作だと個人的には思う。[収録曲]1. Let the Music Do the Talking2. Conflict of Interest3. Discount Dogs4. Shooting Star5. Break Song6. Rockin' Train7. The Mist Is Rising8. Ready on the Firing Line9. Life at a Glance1980年リリース。 【中古】 熱く語れ!/ジョー・ペリー・プロジェクト 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2025年08月07日
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ピアノ演奏の多彩ぶりが発揮された盤 ジャズ・ピアノ奏者のジャッキー・バイアード(ジャキ・バイアード,Jaki Byard)の3枚目のリーダー作に当たる『ハイ・フライ(Hi-Fly)』は、彼が残した吹き込みの中でもベストのものと言われたりする。このバイアードという人は、“多彩多芸なピアニスト”とも評される。さまざまなスタイルのジャズ・ピアノを取り込んだ演奏がこの人の特徴であり、しかもトランペットやサックスも演奏できるというマルチな演奏者でもあった。 本盤は、ベース(ロン・カーター)とドラムス(ピート・ラロカ)との3ピースというシンプルな構成ながら、確かにバイアードのピアノの多彩さが際立っている。そうしたピアノ演奏を可能にしているのは、残る2人の安定感というのはもちろんなのだけれど、個人的にはロン・カーターのベースがとりわけいい味を出していると感じる。以下、収録曲のうちで、特に注目したい演奏をいくつか取り上げてみたい。 まず、表題曲の1.「ハイ・フライ」はランディ・ウェストンのペンによるナンバー。ピアニストであるウェストンらしい楽曲をバイヤードらしく解釈して弾きこなしていて、派手さはないが、好演奏と言えるように思う。バイアードの自作曲は3曲(2.,4.,5.)が収められているが、なかでも意欲的で実験的なのは5.「ヒア・トゥ・ヒアー」。どういう展開の演奏になっていくのか、聴いていて飽きない。さらに注目したいのは、7.「ラウンド・ミッドナイト」。演奏そのものの幅と奥行きが感じられると言えばよいのだろうか、三次元的な深さが感じられる演奏になっている。このディメンショナルな広がりとでも言えそうなものが筆者は気に入っていて、この7.から次の8.「ブルース・イン・ザ・クローセット」への流れは本盤の聴きどころとも言えるように思う。[収録曲]1. Hi-Fly2. Tillie Butterball3. Excerpts from "Yamecraw4. There Are Many Worlds5. Here to Hear6. Lullaby of Birdland7. 'Round Midnight8. Blues in the Closet[パーソネル、録音]Jaki Byard (p), Ron Carter (b), Pete La Roca (ds)1962年1月30日録音。 【中古】 ハイ・フライ/ジャッキー・バイアード(p),ロン・カーター(b),ピート・ラロカ(ds) 次のブログのランキングサイトに参加しています。 お時間の許す方は、クリックで応援をよろしくお願いします! ↓ ↓
2025年08月04日
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ガーナー初期の、控えめで味わい深いトリオ盤 左利きで、楽譜を読めず、並外れた音に対する感性を持つというエロール・ガーナー(Erroll Garner)。彼のピアノは、確かにくせがあるけれども、多くの人を魅了してきた。本盤『グレイテスト・ガーナー(The Greatest Garner)』は、1949から50年にかけてのトリオ演奏が収められたもので、時期としては、有名曲「ミスティ」(関連過去記事)や代表盤『コンサート・バイ・ザ・シー』よりも前の、彼の最初期に当たるものである。 収められた演奏は、バラード系のおとなしめの楽曲が中心。エロール・ガーナーのピアノの味わいを落ち着いてじっくり楽しむという趣の盤と言える。2つのセッションの音源となっていて、トリオの面々は過半の演奏では、ベースがレナード・ガスキン、ドラムスがチャーリー・スミス。他方、いくつかの曲では、ベースがジョン・シモンズ、ドラムスがハロルド・ウィングとなっている(詳細は下記のデータを参照)。 個人的に気になる演奏をいくつか見ておきたい。1.「今宵の君は(ザ・ウェイ・ユー・ルック・トゥナイト)」は、テンポよくガーナー節が展開される。2.「ターコイズ」は、キラキラとした幻想的な、ある種ガーナーらしいというのとは異なる雰囲気を楽しめる。これと似た方向性を持つ演奏としては、7.「スカイラーク」や9.「フラミンゴ」、さらには10.「夢(レヴェリー)」が挙げられる。他方、彼らしいピアノのリズム感を楽しめる楽曲も複数あるが、おすすめは6.「アイ・メイ・ビー・ロング」や12.「捧ぐるは愛のみ(アイ・キャント・ドゥ・エニシング・バット・ラヴ)」。“ビハインド・ザ・ビート”と表現される彼の左手の動作とその効果は、ツボにはまると中毒性がある。なお、現行のCD盤では、後から吹き込まれた方の1950年5月のセッションの未収録曲がボーナス曲として追加されており、それら4曲の演奏も本来の12曲に劣らない質の高い演奏であることがうかがえる。[収録曲]1. The Way You Look Tonight2. Turquoise3. Pavanne4. Impressions5. Confessin'6. I May Be Wrong7. Skylary8. Summertime9. Flamingo10. Reverie11. Blue and Sentimental12. I Can't Do Anything But Love[パーソネル、録音]1~4, 7, 9~12:Erroll Garner (p), Leonard Gaskin (b), Charlie Smith (ds)1949年7月20日録音。5~6, 8:Erroll Garner (p), John Simmons (b), Harold Wing (ds)1950年5月12日録音。 【中古】CD エロール・ガーナー(p) グレイテスト・ガーナー WPCR27374 ATLANTIC 未開封 /00110 以下のブログランキングに参加しています。お時間の許す方は、 クリックで応援よろしくお願いします。 ↓ ↓ ↓
2025年08月01日
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