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2026年05月07日
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テーマ: ニュース(96533)
カテゴリ: ニュース
日本が先の大戦で敗北して、それ以降軍隊を持つことを放棄した経緯について、毎日新聞専門編集委員の伊藤智永氏は、4月26日付同紙コラムに、次のように書いている;




 吉田茂は「負けっぷりをよくする」気で戦後外交をやった。証拠はないが、昭和天皇も「敗戦は悪くなかった」と思っていたフシがないわけではない気がする。

 敗戦の決断が遅れたのは、連合国に国体維持を約束させようとあがいたからだ。そのための本土決戦・一億玉砕は本気だった。

 米国の占領政策で国体すなわち天皇制は残った。条件として「元首ニシテ統治権ヲ総攬(そうらん)シ」「陸海軍ヲ統帥」していた天皇は、元首の地位と国政に関する権能を手放し、軍隊を解体して戦争する手段も権限も差し出した。

 日本国憲法9条「戦争の放棄」は、第1章「天皇」規定とのバーターで成り立っている。

 だが、元首から象徴になる憲法草案を、昭和天皇が進んで受容したと長く信じられてきた美談は、実は疑わしいようだ。

 昨年出た小宮京著「昭和天皇の敗北」は、参議院に埋もれていた憲政資料の緻密な分析を通じ、昭和天皇が象徴制に納得せず、外交大権を持つ英国王のような「国家元首として君臨する天皇」になることを望みながら果たせなかった内幕を論証する問題作だ。

 象徴になっても昭和天皇が、軍事・外交に戦前と変わらぬ意欲を持ち続けたのは周知の通り。

占領期に本土の安全と引き換えに、側近を介して連合国軍総司令部(GHQ)に沖縄の米軍統治と基地の長期使用を極秘に要請。朝鮮戦争が起きると再軍備のための憲法改正を唱え、独立後も占領期に続き米軍駐留を望んだ。

 天皇制存続の証文である9条体制が、日米安保条約とセットでなければ成り立たない現実を吉田以上に確信し、旧軍を嫌悪しながらも国防強化とその中心となる元首の必要を疑わなかった。

 私たちが9条を議論するには、天皇制と日米同盟についても意見を持たなければならない。

 高市早苗政権が米国追従と武器輸出解禁を進め、現実離れした養子縁組で皇室を存続させるとする皇室典範改正を急ぎ、1年で憲法改正発議にめどをつけるのは、つながっている。
(専門編集委員)


2026年4月26日 毎日新聞朝刊 13版 2ページ 「土記-象徴天皇制と戦争放棄」から引用

 この記事の冒頭に紹介されている小津映画の、元駆逐艦艦長の「けど負けてよかったじゃないか」というセリフは、戦後の多くの国民の「実感」がこもった言葉のように思います。もし負けていなくて、継戦中だったり勝利していたりすると、戦争のために駆り出された数百万人の日本人は、そのまま中国大陸や東南アジアに居残って、それらの地域を占領地として管理する仕事に従事させられて、そのうちに現地住民が武装して反乱に立ち上がるなど、様々な混乱がまだ続いた可能性があり、そういう「災い」から解放されたのは、良かったことだったと思います。昭和天皇は幼少のころから軍人として教育を受けて、地政学的なものの見方を習得した人物だったのに比べて、上皇と今上天皇は戦後の民主主義教育を受けたという事情もあり、特に上皇は子ども時代に戦争を体験しており、戦後はかつての戦場を訪れては戦争犠牲者を弔うということを熱心に実行した人だったので、おそらく日本が再軍備をして戦力を保持するような国になってほしいなどとは考えていないと思います。客観的に考えても、かつて日本軍に侵略された中国は、はじめは北京にあった政府を南京に移し、南京が攻略されると次は重慶に移すという具合に対応したので、終に日本は中国政府を降伏させることは出来なかった。広大な国土があってこその戦略であるが、日本のような狭い国土の場合は、いくら高市首相が「継戦能力」などと言って国家予算をつぎ込んでも「継戦」などは不可能なのであり、国家を発展させようと思えば、ただひたすら平和外交に徹するのみであり、武力で国を守るなどという「絵空事」は唾棄すべきものと知るべきです。





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最終更新日  2026年05月07日 01時00分04秒
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