9月は『源氏物語』与謝野晶子訳の膨大なので明け暮れてしまった。10月はたくさん読むぞと張り切った割にはこんなもの。
『新宿鮫』大沢在昌
『移動祝祭日』ヘミングウエイ
『おせん』池波正太郎
『八つの小鍋』村田喜代子
孫の女の子は上手いことを言う。
料理を出して
「おいしい?」
って聞くと、あまり好きでないもの、口に合わないものは
「普通においしい~」
と答える。
だからまねして(笑)普通におもしろかったものは読書メモも省くことにしよう。
『移動祝祭日』ヘミングウエイ
彼の最後の作品。1961年自殺してしまう年に書き上げた。
最初の結婚(4回もしている!)相手ハドリーとのパリでの思い出をエッセイを越えた芸術論、創作論に表しているもの。
作品が売れ始める(認められる)までのみずみずしい感性があふれるように書かれてあり、引き込まれてしまう。いかにしてヘミングウエイになったか。
1921年から1927年までのパリにいる作家達とのやりとりが実名で出てくる。フィッツジェラルドの章など興味津々。
もちろん創作、誇張し過ぎ部分もあるという。
そうだろう。思い出は切なくも美しいのだ。しかし、翻訳で読んでも文章がいい。やっぱり本当の作家だ。
『八つの小鍋』村田喜代子
8篇の村田喜代子傑作集。
このひとは「おばあさん」を描かせたら最高。ほのぼのあり、しみじみありだ。
中でも「白い山」の中にたくさん出てくるおばあさんのなかで、腰がひらがなの「く」の字ではなく「つ」の字になっているおばあさんがあったという、卓越した表現にはまいってしまった。
いるいる。 「つ」 の字ねぇ!ご本人はつらくて大変だろうけれども笑えてしまう。
この作家もうまいと思う。
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