被災地から愛を込めて世界へ キセキの心の復興プロジェクト 未来予想図実行委員会
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私たちには当たり前でもそうでない事も沢山ありますね。現場にいた私たちでしか話せないことがあります。何度でも何度でも伝えなきゃね。災害と心のケア・デビッド・ロモ『災害と心のケア』ハンドブック(デビッド・ロモ著)からの抜粋です。 1.地域としての心理的回復プロセス「傷つくのは、直接被災した人だけではありません」とお伝えしましたが、事態が刻々と移り変わる中、「この地域」が広くは日本全体をさすと考えていいかもしれません。災害を受けた地域は、次のようなプロセスをたどると言われます。期間はあくまで一般的なものです。【英雄期……災害直後】命を守るため、関係機関を含め、誰もが力を尽くす。【ハネムーン期……6ヵ月まで】衣食住が問題となり、生きのびた人が助けあい、外部からの援助も行なわれる。被災地は連帯感に包まれる。【幻滅期……2ヵ月~1、2年】衣食住だけはどうにか確保されたところで、心の問題が徐々に目に見える形になってくる。人々は自分の受けたダメージに直面し、やり場のない不満と怒り、避難生活の疲れ、被害の程度の違いによる感情的な反目などが表面化。飲酒問題も出現する。この時期が終わるまでは、地域だけでなく外部からの物心両面の支援が欠かせない。【再建期……数年間】被災地に「日常」が戻り始め、被災者は自分の生活の再建だけでなく地域としての再建に参加。一方、復興から取り残されたり精神的支えを失った人に対しては、地域での長期の援助が必要。災害の規模が大きく多数の死者が出てしまったような場合、住民のストレス反応はむしろ出遅れることが多く、その分だけ長引いたり、人によってはPTSDとなる可能性もあり、専門機関の受け皿を確保する必要があります。 2.メンタルヘルスの領域で援助を行なう方へ アウトリーチのスタッフは「カウンセリングをしましょう」などと切り出すべきではありません。「心理学」などの専門用語もタブーです。心のケアをすると気負うことなく、食事運びや片づけの手伝い、書類を書く手伝いなど、その場で役立つことをしながら、「大変でしたね」「何か私にできることは?」と自然に声をかけます。感情が高ぶっている人はさりげなくケアし、手続きがわからない人には説明し、特別な援助が必要なら紹介・手配します。そのため、メンタルヘルスの援助者は、他部門の動きや、公的手続き、交通手段の確保など、地元のあらゆる情報を知っておく必要があります。ひどいうつ状態や不安、精神障害の悪化、アルコール依存など、日常生活が困難な被災者は、専門治療機関につなげます。現実には起こっていないことが起こっているかのようにふるまう、極度の興奮状態にある、表情がまったくない、ストレスによる身体症状が深刻、自殺の恐れが感じられるなど、反応が激しいときは、早期に専門機関につなげる必要があります。 3.アクティブ・リスニングを使ったアウトリーチ当初、多くの人は感情がマヒした状態にあります。 このときに「どんな気持ちですか?」と聞いても意味がなく、むしろ、マヒによる防衛の壁を無理に崩さないことが大事です。話を聞くには、「何が起きたのか」という事実から質問を始めます。「地震があったとき、どこにいましたか?」「まず何をしましたか?」「誰と一緒でしたか?」など。次に「何を考えたのか」を質問します。「揺れの瞬間、何を考えましたか?」「このところ、どんなことを考えていますか?」「ずっと頭から離れないことはなんですか?」など。多くの人は、考えを話すうち自然と感情を表現しますが、場合によってはやわらかく質問を向けます。被災者が感じていることは、ストレスへの正常な反応であり、時とともに薄らいでいくことを伝えます。語りたくない人に対しては、その気持ちを尊重してください。 「今、話したい気分ですか?」と聞いてみるのもいいでしょう。 4.被災者の怒りへの対応「幻滅期」の怒りが家族に向かったり、権利の放棄にならないよう、現実的な手助けが必要です。目の前に怒っている人がいたら、反論や議論は避け、具体的に何に一番腹が立っているのか、聞きだします。援助機関の窓口などで応対する場合、集団を相手に話すのはタブー。行動がエスカレートする危険があるからです。代表者に出てきてもらい、「こちらでゆっくり話を聞きましょう」と、場所を設定しましょう。まず、スタッフ自身が深呼吸して心を落ち着けます。怒っている人は、あなた個人を責めているのではありません。弁解せず、じっくり話を聞き、相手の感情が出つくした後で「お気持ちはよくわかりました」と言い、相手が落ち着いていたら具体的な話に入ります。 5.被災者の深い悲しみへの対応「悲しまないですむようにしなければ」「泣くのをやめさせてあげなければ」と思う必要はありません。 周囲の人や援助者にできるのは、基本的には、そばにいてあげることだけです。落ち着ける場所を探し、すぐに手が届くぐらいの距離をとって座りましょう。泣いている人には、質問やアドバイスをすべきではありません。人は泣くだけ泣くと、たいてい気分が楽になったと感じます。話をしたいようなら、静かに話を聞きます。 「それはつらいですね」「本当につらかったでしょうね」というように、悲しみの感情を受けとめます。 肉親を失うなど、大きな喪失の悲しみが癒されるまでには、ショック~怒り~深い悲しみ~受け入れ、といったプロセスをたどり、その人なりの時間が必要です。 6.子どもへの対応子ども、高齢者、心身の障害を持った人は、自分で行動できる範囲が限られるため、不安が高くなります。 災害の正体がわからないことも、恐怖を強めます。多くの場合、子どもは災害後に、夜泣き、おねしょ、甘える、だだをこねるなど、赤ちゃん返りのような反応を示します。 これは一時的なもので、心配する必要はありません。 幼い子どもは自分中心の世界観をもっているため、「自分がいけない子だったから、こんなことになった」という考え方をしがちです。「あなたは悪くない」と納得させてあげてください。 子どもの行動を叱ったり責めたりすると、こうした考え方を強めてしまうことがあります。 家庭、あるいは周囲の大人が子どもに対してできるのは、以下のことです。 *なるべくそばについていてあげる。 *十分に温かくして、栄養をとらせる。 *恐がったときは「一緒にいるから。大丈夫」と安心させる。 *地震について教える。 *体験を話す場をつくる(強制はしない)。絵を描かせたり、絵を前にしながら話を聞く。 *年齢に応じ役割を分担し、責任を果たしたら心からほめる。 子どもは強靭な復元力をもっています。 周囲の支えが得られれば、大人よりも早く立ち直ります。 7.子どもに家族の死をどう伝えればいいか? 事実を伝えてください。 亡くなったときの様子を事細かに教える必要はありません。 また、大人にしばしば言うように「苦しまなかった」などの慰めもいりません。 たとえば「地震で家が倒れて死んでしまった」のように、事実を説明します。 小さい子どもに対して「お母さんはお星さまになった」のような幻想的な説明は禁物です。 もう生きている人のようには動いたり話をしたりできないこと、お墓に入れることなどをわかりやすく説明します。 家族の死について子どもが自分を責める考え方をしないよう、「あなたのせいではない」ときちんと伝えることを忘れずに。 死を受け入れない場合、無理に事実を突きつけるのは避けるべきです。子どもの要求にできる範囲で応えつつ、誰かが一緒にいて状況を見守ってください。 8.高齢者への対応 これまでの生活が変化する苦痛は、高齢になるほど強くなります。 日常が崩壊し、住み慣れた所から離れなければならないこと、新しい事態に適応しなければならないことは、高齢者にとって非常につらいものです。 高齢や、心身の障害によって自力で対処できる範囲が限られる場合、恐怖や無力感も強くなります。 感情的にひきこもったり、「子ども返り」をするのは、こうしたストレスへの反応です。 気がねして助けを頼めなかったり、援助を受けるのが申し訳ない、あるいは恥だと感じる人もいます。 援助者や周囲の人がまずできるのは、以下のことです。 *理解できるよう状況を知らせ、今後のプランを話し合う。 *非論理的なこだわりは修正し、安心させる。 *混乱しているようなら、日付や時間や状況を繰り返し説明し、認識を助ける。さまざまに違った説明をせず、できるだけわかりやすい言葉で、繰り返し話す。 *頻繁に声をかける、名前を呼ぶ、「肩をもみましょうか」など自然に身体にふれる。 *心身の状態に注意する。 *話を聞き、気持ちをくみとり、できる範囲でニーズに応える。 「もう生きていたくない」など救援や支援を拒む場合には、「あなたが現にこうして生きていること」「生き残ったこと」には何か特別な意味があるはずだと、心から伝えてください。 以上、『災害と心のケア』デビッド・ロモ著より
2015.05.12
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