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産業技術総合研究所(以下産総研)活断層研究センターでは新開発の音波探査装置で海底活断層調査を実施し、能登半島地震の震源域で長さ18km以上の活断層と一部で海底に達する変動を確認した。断層は約2万年前以降に活動しており、その長さは18km以上に達する。さらにこの地震でその断層の一部で海底にわずかに変動が現れたことを確認した。この調査は産総研が開発した高分解能マルチチャンネル音波探査装置を用いて行われたもので、この装置が沿岸域の海底活断層調査に有効であることが示された。音波探査とは海底の地形や海底下の地質構造を音波により調べる方法で、海面付近で強力な音波パルスを発振し、海底面と海底下の地層面からの反射音を受信することでその深さを知ることができる。今回使用した装置は従来のものから分解能をさらに向上させたもので、より高品質のデータを得ることができる。そしてこの調査で長さ18km以上の活断層を確認することに成功、さらに今回の地震でこの断層が海底までわずかに変動を生じたことまで明らかになった。 海底探査の技術が向上している認識はあったが、ここまで鮮やかに海底の地質構造をとらえたことは驚きだ。地震を正確に予知することは確かに困難ではあるが、こうして原因となる断層が解明されることが大きな一歩となることは間違いない。今後の研究に期待がかかる。
2007.07.31
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今朝日本地図センターのサイトを見たら以前当ブログでも紹介した1:30,000山岳集成図「剱・立山」について交換のお知らせが掲載されていた。いったい何があったのか?なんでも一部の登山道と標高に誤りがあったとかで郵送で交換を受け付ける旨の記載があった。以前国土地理院の2万5千分1地形図がまだ供用されていない道路を掲載して交換したことはあったが。。。で、さっきもう一度地図センターのサイトを見たら交換のお知らせが新着情報から消えていた。いったい何があったのか?(笑)
2007.07.30
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自分が住んでいる多摩地区は雷が多い。今日もけたたましい雷が鳴り響き、稲妻が走り、滝のような雨に見舞われた。先月には我が家のすぐそばで自転車で走行中の男性が雷に撃たれる事故もあった。以前は千葉方面に住んでいたのだが、雷はそう頻繁に遭遇するものではなかった気がする。しかし多摩や狭山などは、ほぼ毎日夕立の気配がある。積乱雲は上昇気流によって出来るとすると地形の影響もあるのだろうか。最も最近はヒートアイランドの影響もあり都心に積乱雲が発生しやすい。夏の午後に南武線に乗って武蔵小杉付近の高架から都心方向を見るとものすごい積乱雲が発達している光景を目撃できる。遠くから稲妻が光るのを見ているとキレイだなと思えても自分の近くだとやっぱり雷は怖いもの。昔は夕立があるとちょっと涼しくなって自然の打ち水のようで嬉しかったのだけど最近は恐怖心の方が大きいかな(笑)いつから雷が怖くなったのだろう。。。?
2007.07.29
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さっきテレビ東京のテレビチャンピオン再放送で「小学生地理王選手権」なる企画をやっていた。優勝したのは小学校4年生だが、大人でもあり得ないレベル(笑)どうやってそんなこと覚えたの?って感じかな。内容はいわゆる地理クイズなのだけど、その中でグーグルアースを使った問題があった。世界各地の名所にグーグルアースでズームアップしていって早押しで解答するというシンプルなもの。これが結構面白い。宴会の時の企画で使えるかも(←よしなさいって・・・)
2007.07.29
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いよいよセミの鳴き声が本格的になってきた。夏到来なのだろう。我が家の辺りで鳴いているセミと言えば圧倒的にアブラゼミが多い。これはもううるさいくらいに(笑)ミンミンゼミの鳴き声はさわやかな夏の風情を感じるのだけどアブラゼミは「汗」が似合う感じかな。たまに聞こえるツクツクホーシは変化をつけてくれるし、夕方のヒグラシのどこか物悲しい鳴き声も何となく一日の終わりを象徴してくれる。こうして考えるとセミの声から受ける印象も色々だ。自分は関東の人間だけども、母の実家が四国にある関係で子どもの頃は夏休みになると毎年のように四国に連れて行かれた。そこで鳴いているのはクマゼミが圧倒的に多い。これまたうるさいくらいに(笑)あのワシワシいう独特の鳴き声は西日本の夏の風情を感じたものだ。以前高速バスで夏に東名を走ったときに気付いたことだが、アブラゼミの声が主体の関東だが、御殿場あたりからクマゼミの声に変わる。どうやら箱根の山がひとつの分岐点のようだった。しかし、最近は我が家の近所でも時折聞こえるクマゼミの声(笑)いよいよ本格的な関東進出だろうか。。。GISでセミの種類とその分布が見れるサイトとかないかな。専門家の解析でセミの分布を見てみたい今日この頃。
2007.07.28
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測量関係機関の中越沖地震対応の続報アジア航測はデジタル航空カメラDMCにより撮影された空中写真とLocationViewと呼ばれる路上からの連続映像(全周囲, 360°映像)の一部を公開した。DMCによる精細かつ高階調な画像は細部まで災害状況を再現している。また、能登地震の際にも活躍したLocationViewは地上の目線から家屋の破壊状況を確認することができる。いずれも貴重な資料となるはずだ。パスコは航空写真判読による災害状況図を、GISへの取り込みが容易なshapeファイル形式での提供を始めた。これにより、災害状況を他のレイヤと重ねることで多角的な解析が可能になる。過去の災害では災害状況図は紙地図、もしくは画像データでの提供が主だったため、今回のようなベクトルデータ提供はGISの普及が進んでいる現状では理想的かも知れない。国際航業でもwebで公開する成果が大幅に増えている。・写真撮影・レーザー計測位置図・青海川レーザ計測速報 ・判読項目・地盤災害概況図・主要な8箇所の地盤災害判読図 ・垂直写真標定図・垂直写真・斜め写真、現地写真位置図 ・7月24日撮影 斜め写真・7月18日撮影 斜め写真・7月17日撮影 現地写真などで、いずれも貴重な資料となるだけでなく写真や図の解説も充実した内容になっている。国土地理院では緊急の水準測量および緊急現地調査、さらに陸域観測衛星「だいち」の合成開口レーダ(SAR)の干渉解析により、震源断層モデルを推定した。このように写真測量やリモートセンシングの技術が災害状況を解析する上で重要な役割を果たしていることは間違いない。今後の課題でもあるが、以前にも書いたように各機関による観測の振り分けを行い、上空の安全の確保や機材・人材の有効利用が進むことでより効果的な成果を提供することが可能になる。技術の社会への還元は今後も続けるべきだし、そのことで業界全体の認知も高まる。社会貢献をしながら業界が成長できるとすれば、それは理想的なことなのだが。。。
2007.07.27
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夏の定義って何だろう。「梅雨明けから8月いっぱい」とか、「立夏から立秋の間」とか、あるいは「夏至から秋分まで」とか諸説あるが、これらはいずれも夏を「期間」として捉えた場合の話だ。その一方で、「暑い季節」というように夏を性質で捉える考え方もあるだろう。さらにその延長線上には、「ひまわりが咲く季節」「セミが鳴く季節」「ビールがうまい季節」(笑)など、間接的なイメージで捉えることも出来るかもしれない。一般的にはどうなのだろう。よくTVのナレーションなどで、「北国の短い夏がやってきました・・・」というくだりがあるけれど、これは夏を性質で捉えているから「短い夏」となるわけで期間として定義した場合は日本全国の夏に長いも短いもないわけだ。そうは言っても縦長列島、北海道と沖縄では気候や環境の違いがあるのは当然の話で、ひまわりの咲く時期も違えばセミが鳴く時期も違うだろう。(ビールがうまい時期はこの限りでないかもしれないが・・・?)地元の人はどう考えているのだろうか。北国の人でも、7月になると気温や環境がどうあれ夏は夏なのだろうか。道東や道北あたりでは夏でも気温が20度に満たない日もあるけれど、それも地元では夏のイメージの範疇に入るのだろうか?あるいは「暑い時期」こそが夏で、「北国の夏は短い」と考えているのだろうか?逆に沖縄ではどうだろう。「常夏」などという言い方をされるけれど、地元では「この島では一年中夏」という認識はあるのだろうか。一度「夏の定義」について全国の人にアンケートをとって調べてみたい気がする今日この頃。
2007.07.26
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どんな世界にも業界誌や専門誌があるものだが、地図・測量・GISの世界にもいくつかの有名な定期刊行物がある。部数が多いのが日本測量協会の「測量」この業界としては破格の月刊誌である。協会の会員に配布されるため、技術情報が多く内容もやや高度(専門的)だ。特集などは読み応えがあるが、最近はちょっと広告が多すぎる印象も(笑)日本地図センターが刊行しているのが「地図中心」こちらも月間である。地図に特化したマニアックな記事はもちろんあるが、柔らかめのつくりを意識しているのか、一般の人でも読みやすいように思う。480円の値段も親切だ。日本地図調製業協会刊行の「地図ジャーナル」も渋い。協会の会員向けの機関紙であることから、地図のプロを対象に作られている。マニア心をくすぐる内容も多く、個人的には地理クイズが楽しい(笑)原則は年4回刊行だが、バックナンバーを見ると数があっていないような。。。日本測量調査技術協会では「先端測量技術」を刊行している。こちらは基本的に関連技術の論文集なので一般の人にはつらい内容かもしれない。どちらかと言うと学会誌に近い性質のものだ。それでも最近の号では巻頭に特集を掲載するなど読ませる工夫が垣間見える(笑)不定期で年2~3回刊行。ネクストパブリッシングが発行している「GIS NEXT」はGISユーザ向けの専門誌。こちらはここまでに紹介したような特定の団体の機関誌とは異なり、書店にも並んでいる。オールカラーで紙質もハイグレードでムックのようなイメージだがれっきとした雑誌だ。図版や写真も美しく、毎号工夫を凝らした特集や読み物はさすがに「売り物」という印象。GISそのものは裾野が広いため、様々な分野の関係者が愛読している。1575円で年4回刊行。古今書院の「地理」も読者数が多い。こちらは地理の専門誌で月刊。テーマが「地理」なので業界向けとは言い難く、読者は学校の先生や学生が主で内容的にはかなり学術色が濃い。それでも紀行文などが掲載されることもあり、好きな人ならそれなりに読める。ただ、1200円という値段設定は微妙かもしれない(笑)以上、主だったものだけの紹介になったが、どれも業界誌・専門誌ならではのこだわりがあって面白い。内容的な評価は読む人によっても違うので言及しにくいがチャンスがあれば一般の人たちにも一度目を通してみて欲しい。でもやっぱりマニアックかな(笑)
2007.07.25
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やっとセミの鳴き声が聴こえ始めた今日この頃。セミの声は不思議と自分を少年時代の夏へと回帰させてくれる。子どもの頃、セミの声の中で日が暮れるまで遊んだあの夏。そして自分が親の立場になった現在。今の子どもたちもセミの声をあの頃と同じ感覚でとらえているのだろうか。そして甲子園を目指す高校野球の地区予選が行われている。いくつになっても気になるのが自分の母校の成績。強豪高からは程遠い我が母校はいつも1~2回戦で姿を消す。それでも毎年のように結果が気になるから不思議だ。甲子園本番ともなれば、自分の母校は出なくとも何となく地元の学校に肩入れしてしまうものだ。俺には故郷なんてないよ、などと言いながらもどこかで気にしている自分がいたり。高校野球がふるさと回帰の感情を掻き立てるのはお盆近くに開催されていることも関係あるのかもしれない。1年で一番故郷を思う季節が夏なのだろう。セミの声、そして高校野球。故郷は決して地理空間的な意味合いだけでは成立しない。家族、少年時代の思い出、そして高校時代の淡い記憶これら全てを含んだものが「場所」と結びついてこそ故郷と呼べるのかもしれない。
2007.07.24
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先の国会で地理空間情報活用推進基本法が成立したことは周知の通りだが、その中で第二条第三項に歌われている基盤地図情報についてその項目及び満たすべき基準は国土交通省令で定められるとされている。そして、現在その省令(案)が公開されパブリックコメントの募集が行われている。これによると、基盤地図情報の項目として・測量の基準点・海岸線・公共施設の境界線(道路区域界)・公共施設の境界線(河川区域界)・行政区画の境界線及び代表点・道路縁・河川堤防の表法肩の法線・軌道の中心線・標高点・水涯線・建築物の外周線・市町村の町若しくは字の境界線及び代表点・街区の境界線及び代表点が上げられており、いずれも電子データとして整備されることが定められている。項目を見ても分かるように、基盤地図情報は「地図」と言うよりは「位置の基準」と言った方が正しいかもしれない。項目の中では「海岸線」など、定義が難しいものもある。(ちなみに省令(案)での海岸線は「海面が最高水面に達した時の陸地と海面との境界」とされている)満たすべき基準については・基本測量・公共測量・水路業務法に規定する政令で定める測量の基準に従って行われた水路測量のいずれかで、・平面位置の誤差が都市計画区域内で2.5m以内、都市計画区域外では25m以内・高さの誤差が都市計画区域内で1.0m以内、都市計画区域外では5.0メートル以内の精度を有することとされている。また、基盤地図情報の整備に係る技術上の基準についても公表されており適用範囲や利用基準、整備基準や適応すべき規格が定められている。キーワードとしては、「シームレス」「JIS化・ISO化」といったところだろうか。実際に基盤地図情報整備は国土地理院マターでは既に一部が始まっているが、本格的な整備の方法についてはまだ技術的にも不透明な部分もある。公共測量成果の効果的な取り込みも含め、今後の方向が注目される。基盤地図情報は基本的にインターネットで無償公開が決まっている。整備が進めば位置の基準として様々なサービスに転用することが可能であるし新しいビジネスが開拓される余地もあるだろう。基本法自体が効力を発揮するためにも基盤地図情報整備の成功が鍵を握ることになるだろう。いずれにしても、せっかくのパブリックコメントの機会である。この場を有効に使ってみるのも一考ではないか。ちなみに募集の締め切りは2007年8月11日。
2007.07.23
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サッカーのアジア杯が行われている。日本は土曜日にオーストラリアと準々決勝を行い、1-1ながらもPK勝ちで昨年のW杯で敗れた雪辱を果たした。そして今日は韓国が同じくPKでイランを破った。この2試合、経過が似ているようだが内容はだいぶ違う。ハノイでの日本-オーストラリアは現在のアジアではトップレベルと言える好ゲーム。一方、クアラルンプールでの韓国-イランはこの両国の実力を考えれば雨もあってかかなり物足りない内容だったがどうやら環境が影響している。今回のアジア杯はマレーシア・インドネシア・タイ・ベトナムの共同開催。東南アジア特有の高温多湿の気候が選手を苦しめている。ただ、サッカーというスポーツはボールとグラウンドがあればどこでも出来るもの。今回のような大きな大会は集中開催となるが、通常はホーム&アウェイが原則だから、条件は五分と五分。アジアの場合は高温多湿の東南アジアばかりでなく、灼熱の中東など地域に環境は大きく異なる。サッカーの技術もさることながら、勝つためには環境の変化に動じない精神力も必要となる。これは比較的似た気候で試合をしている欧州と大きく違うところである。ところで、今年FIFA(国際サッカー連盟)が医学的な理由から2500mを越える高地での国際試合を禁止する決定を下した。これは主として南米のアンデス諸国の首都が軒並み高地にあることで強豪であるブラジルやアルゼンチンがアウェイの試合で苦戦していることが背景にある。2500mという標高がかなり微妙で、メキシコシティはセーフだが、ボゴタ、キト、ラパスなどがこれに該当する。実際に日本代表がオマーンで2300mを経験したが、無事に試合が出来ている。一方日本女子代表は同じく2300mのメキシコシティでは何とか大丈夫だったが、同じメキシコのトルーカ(2600m)ではハーフタイムに嘔吐する選手が続出した。その意味では制限をつけるなら2500mは妥当なのかもしれない。しかし、該当するアンデス諸国はこの決定に猛烈に抗議。なにしろ自国の首都で試合の開催が出来なくなってしまうのだ。その後抗議を受けてFIFAは制限を3000m以上に引き上げた。これで該当するのはボリビアのボゴタ(3600m)のみとなった。ボリビアでは大統領が標高6000mの高地で実際にサッカーをプレーするパフォーマンスも見せたが決定は覆らなかったようだ。ただし、ボリビアは今後3000m以下の都市にスタジアムを新設する必要が生じることから、2010年W杯予選ではラパスでの試合を暫定的にOKとしている。また、この決定はW杯予選にのみ適用されることとなった。今回の決定は高地についてのみだが、考えようによってはアジア諸国の40℃を越えるような環境でも同じことが言えなくもない。今後こうした制限が加速する可能性もある。ただ、世界には色々な国があり、それぞれの環境で人々が暮らしている。それは周りにどうこう言われる筋合いのもではなく、むしろ尊重されるべきものだし、それこそが地理学の本質ではないかとも思う。サッカーの正解がホーム&アウェイという極めて公平なシステムを採用している以上、安易な決定には賛成できない。地理屋としてはなおさらだろう(笑)
2007.07.22
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夏はお祭り、そして花火の季節。我が町でも今週末はお祭りラッシュだ。夏祭りに限らず、祭りというのは地域コミュニケーションには欠かせない行事である。市内ではほとんどの自治会のお祭りが今日開催だったようだ。東京では新暦でお盆をやる週間が多いことも関係があるだろう。こうしたお祭りの場合は基本的に地域の人が集まるので他の地区のお祭りと日程が重なっても特に問題にはならない。一方、これが全国から人が集まるような有名なお祭りになるとそうも行かない。基本的に夏祭りはお盆前後に集中するからどうしても日程がかぶりがちになるが、観光客もターゲットにしているお祭りでは地理的な関係と日程が考慮されている例も多い。例えば東北四大祭りは集中した時期に行われ(しかも日はずれているので重なることはない)観光客が1週間で4県全てを回れるような日程になっている。花火大会も似たような調整がされているようだ。地理的に近い場所での開催では日程が重なることはない。たくさんの人に集まって欲しい主催者の思惑もあるだろうし、あるいは花火師の絶対的な数が足りないのかもしれない(笑)それにしても日本の夏、お盆に祭りに花火大会、ラジオ体操などもそうなのかもしれないが地域コミュニケーションの絶好の機会ではある。
2007.07.21
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引き続き測量関係機関が中越沖地震の災害状況を公開している。国土地理院では空中写真の撮影を実施した。ここまでは各社斜め写真の撮影が主だったが、ここではいわゆる垂直写真を公開している。国土地理院はさらに陸域観測衛星「だいち」の干渉SARによる地殻変動の解析結果も公開した。朝日航洋では予告どおり、航空レーザ測量の成果を一部公開した。こちらでは主として斜面の崩壊状況を陰陽図とオルソと等高線を重ねる方法で表現している。中日本航空でも斜め写真の公開を始めた。国際航業では斜め写真に続いて垂直写真を公開した。パスコは撮影した成果から災害状況図を作成して公開を開始した。それにしても以前にも問題となったように各社が同じタイミングで(天候の具合があったので)同じような写真を撮影・公開している(パスコ・国際航業は共同撮影)。このあたりは業界として一元化することが望ましいと思うが。。。最後に違った視点から見たケースを紹介すると、消防防災博物館が現地の写真を公開している。測量会社が直接的な被害の様子を撮影しているのに対して、こちらでは避難所の様子や災害対策本部の様子など「人の目線」で見た写真が多い。被災者の現実を知る上ではこのような公開は有効かもしれない。
2007.07.20
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以前書いた測量会社の災害時緊急撮影について、まず朝日航洋が中越沖地震の災害状況を撮影した斜め写真を公開した。斜面崩壊を中心とした現地の被災の状況が撮影位置とともに見ることができる。同社では航空レーザ計測も既に実施しており、こちらも近日中に公開される予定だ。また、国際航業とパスコも共同で撮影した斜め写真及び地上写真を公開した。こちらは中越沖地震のみならず、先の熊本豪雨や台風4号の鹿児島・宮崎のの災害状況についても斜め写真を公開している。災害時の緊急撮影も発災直後は災害状況の把握と人命救助、そして2次災害対策や復旧対策に使用されることが多いが、時間が経過すると、今度は災害状況の客観的な解析やしっかりした災害状況図を作成して災害記録として残すことが主眼となる。災害状況図をまとめることは防災教育上も大きな意味がある。教訓を今後へ伝えることはもちろんのこと、実際に起こった災害のイメージを写真とともに空間的に把握する効果がある。これは住民の防災意識を啓発する上で重要なことである意味ではハザードマップ以上のリアリティを持って災害の怖さを住民に伝えることが出来るのである。災害のたびに思うことではあるが、災害状況図をきっちりとまとめることで災害状況を空間情報として扱うことが可能になる。報告書形式での災害記録ももちろん重要だが、地図として災害状況をビジュアル化することが将来の減災につながるものと信じている。
2007.07.19
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東京大学の山上会館で行われたCSIS(東京大学空間情報科学研究センター)シンポジウムへ。この日のテーマは「空間情報社会の到来:社会動向と空間統計学の普及」。残念ながら途中からの聴講となってしまったが、さすがにCSIS、興味深い内容の発表が多かった。技術的にはオープンソースの統計処理ソフトウェア「R」の話題がトレンドだったが、面白さではこの日唯一民間から参加したリクルートの上野典行氏の発表が異彩を放っていた。リクルートの住宅情報を掲載したフリーペーパー戦略についての話なのだが、実際に住宅の移動をしたカスタマーについて前住所エリアと購入住所エリアからそのフリーペーパーの最適な設置ポイントを検証したもの。いわゆるマーケティングであるが、その解析結果が思わず膝を打つ納得の内容。カスタマーの移動の法則性を見事に導き出している。しかも、当初はまったくGISを使用せずに解析をしていたというから驚きだ。自分自身あまり空間統計解析が得意ではないのだがGISのさらなる可能性を見せられたような気がする。ビジネスにきっちりと応用する力は民間企業ならではのものだろう。GISの基図データはもとより、統計データが有効に使われることに意義がある。今後は統計データのポータルサイトの構築などよりユーザが使いやすいデータの公開や提供形態を確立して欲しいと思う。その点においては、CSISの役割も重要になる。
2007.07.18
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国土地理院や航測会社では災害が発生すると空中写真の緊急撮影を実施するケースが多い。こうした撮影はほとんどボランティアで行われ、撮影した空中写真を被災した自治体に提供する他、webで公開したり、災害状況図の作成やwebGISの背景などで使用することが多い。地震の場合は発災時刻に影響されることが多い。阪神淡路大震災のように地震発生が朝方であれば即撮影計画を立てて数時間後には撮影を開始できるが、中越地震のように夕方の発生であれば夜間に準備を行うものの撮影は翌朝を待たなければならない。もうひとつの問題が天候である。悪天候では撮影が出来ないため、天候の回復を待たなければならないのだ。地震でも今回の中越沖は天候が良くなかったが、水害の撮影を行う場合はどうしても天候との戦いになる。水害になるほどの雨であれば、当然天候の回復は遅れる。その間に撮影計画等の準備を行い、天候回復を見計らって飛んだとしても(このケースでは比較的雲が低くても撮影できる斜め写真を撮ることが多い)時間の経過で水が引いてしまうことも多く、正確な湛水区域をつかむことは難しい。先の台風4号のような列島を横切る台風はさらに難しい。天候の問題に加え、各地で次々に被害が出るので機材(飛行機)の手配も含めて撮影が追いつかないのである。一方中越地震の際には、複数の航測会社が発災後にバラバラに撮影を行ったため被災地の空域に複数の航空機が密集する問題が指摘された。撮影ばかりでなく、国交省や消防、マスコミの航空機も含めれば相当な数である。これは非常に危険な状態と言える。しかも結果的に撮影された斜め写真はどの会社もほとんど変わらない。こうした従前の方法では危険も無駄も多いということで現在では事前に協定を結んで代表して撮影を行う取り組みが検討されている。実際にこの方法は既に一部導入され、昨年には東海地震を想定した訓練も行われた。空中写真そのものは被害の状況を客観的に把握するには非常に有効な手段であることから安全かつ効率的な撮影が実施されることには大きな意義がある。中越沖地震の緊急撮影は行われたのだろうか。国土地理院でも航測会社でもまだ発表されていない。最も最近では陸域観測衛星や高分解能の商業衛星などの画像が威力を発揮している。さらに地殻変動については干渉SARで天候に関わらずデータを取得できる。こうした技術が進むことで災害状況の把握が迅速に行えれば復旧はもちろん、救助活動の一助となるはずである。緊急撮影の効率化も含めて、今後に期待したい。
2007.07.17
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午前中に大きな揺れのリズムを感じた時、何となくどこかで大きな地震のような予感がしてTVをつけたところまさに中越沖地震の発生を告げていた。徐々に被害の状況が分かるにつれて事態の深刻さが見えてきた。被災地では建物の倒壊多数。建物内に取り残された人々の救出は現在も続いている。国土地理院ではウェブサイトに中越沖地震関連ページを設置して災害状況図等の発表を開始した。それによると被害は広範囲に及ぶ。ニュース等で避難所の様子が伝えられるが、こちらも深刻。避難した住民は1万人と言われ、避難所が足りていない状況。中にはテントで夜を明かす人も多いらしい。ライフラインも寸断されていることから水や食料も不足している。車で寝泊りする人も多いようだが、先の中越地震の際にそうであったようにいわゆるエコノミークラス症候群の発症が懸念される。また大きな余震も続いていることから、避難住民の不安やストレスも大きい。過去の災害同様、被災者の心のケアも必ず心がけなければならない。ところで23時過ぎにまた東京でも揺れを感じた。余震かと思いきや、震源は京都沖。しかし最大震度を記録したのは北海道の浦幌町。その他、揺れたのは軒並み三陸から関東にかけて、いわゆる太平洋側である。日本列島に住む上で地震災害は避けられない。地震では台風のように事前情報が分からないため避難行動も発生後になる。ライフライン確保をはじめ、避難所の手配や水・食料・寝具の供給など当然後手に回ることになる。被災者の心をケアし、彼らに勇気を与える策が必要だ。それは復興への大きな力にもなるものなのだ。
2007.07.16
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地図に凡例は必要だろうか?もちろん、ある方がいいに決まっている。ところが、最近は地図のユビキタス化が顕著である。こういうケースでは凡例を入れるよりことはあまりしない。学校で習うような地図記号であれば多くの人が知っているし、それ以上に感覚的に理解できる記号を使用することが多い。記号化が困難な場合は注記として文字情報化する手もある。こうしたユビキタスマップの多くはは紙地図と違ってWEBマップもカーナビも携帯電話の地図サービスもディスプレイという限られた範囲に地図を表示しなければならないため、凡例を入れるスペースそのものがないという事情もある。それでも、主題図では凡例がないと図が理解できないことも多い。こうしたケースではWEBマップでは別ウィンドウで凡例を表示させるケースが主流だ。ところが、携帯電話のディスプレイではそれも困難だ。そもそも携帯端末は主題図に向かないのかも知れない。ただ、ハザードマップの携帯配信などが減災に有効であることは確かなのでいずれ色んなアイディアが出てくることにちょっと期待している。
2007.07.15
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災害情報学会主催の減災シンポジウムで東大の本郷キャンパスへ。シンポジウムのテーマは「人はなぜ逃げないのか?逃げられないのか?」。風水害の場合、地震に比べて事前情報が多いことから、多くのケースで避難することは十分に可能だ。しかし実際には避難勧告や避難命令が出たとしても避難行動をとらない人が相当数いる。このシンポジウムではその部分にスポットを当てて議論が繰り広げられた。コーディネータは東洋大学教授の田中淳氏。パネリストはこの問題のスペシャリストでもある群馬大学教授の片田敏孝氏、3年前に実際に災害に見舞われた新潟県見附市長の久住時男氏、情報発信サイドの日本テレビ放送網報道局の谷原和憲氏、そして話題提供として避難行動に関するデータを紹介してくれた東洋大学の関谷直也氏。もう一人パネリストとして参加予定であった近畿整備局長の布村明彦氏はおりしも接近中の台風4号対策のため、大阪へ引き返した。替わりに内閣府参事官の池内幸二氏が後半から参加した。布村氏に限らず、台風の動き次第では誰もが呼び戻される可能性があるという緊迫した状況の中ではあったが、熱く有意義な議論が展開された。減災の基本である避難。しかし、情報が見えすぎる現代ではオオカミ少年効果等もあり避難率は低いことが問題となっている。また住民の災害情報リテラシーの低下も懸念され、「自分の命は自分で守る」意識が薄いことも避難行動の遅れにつながっている。また、避難命令を出す市町村側が空振りを恐れていることも問題として指摘された。議論の中ではハザードマップについても触れられたが、ハザードマップを防災情報を伝えるツールとしてでなく防災教育のツールとして捉える考え方が紹介された。いずれのツールとして使われた場合でも、マップの表現ひとつがリテラシーの向上に影響を与えることは確かであり今後もまだまだ突き詰めなければいけない点は多い。3時間程度の議論ながら、非常に充実した内容のシンポジウムとなった。様々な分野の人たちが減災に向けてベクトルを合わせていることがこの学会の強みであり社会的にも大きな意味を持っている。台風4号の被害が拡大している。重なる雨でダメージは累積されて土砂災害の危険は増している。河川もだいぶ増水している。都市部でもあちこちで内水氾濫が起きる可能性は高い。刻々と変化する情報に注意しつつ、どうか早めの避難行動を心がけて欲しい。
2007.07.14
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国土地理院が剱岳測量100年を記念して1:30000山岳集成図「剱・立山」を作成した。1907年に国土地理院の前身である陸地測量部が剱岳に三角点を設置してから今年で100年目にあたることで記念事業の一環として作成されたのだが、段彩図の色合いや記号のデザインなど出色の出来だ。国土地理院では基本図作成が中心であるため、登山用の地図は民間まかせのところがあったが、今回作成した地図は登山利用に十分堪えうる地図で水に強い合成紙を使用しているのもありがたい。また、今回の地図の特徴は実際に職員がDGPSの機材を背負って実際に登山道の踏破調査を実施していることだ。通常の地図作成方法は空中写真からの写真測量だが、登山道の図化は困難が伴う。樹木の陰になって登山道が判読できない部分が多いのである。熟練した図化オペレーターはそれでもある程度ルートを予想しながら描画していたが、必ずしも正確なルートとは言い切れない部分もあった。このため民間の登山地図などでは、実踏調査を実施して独自の付加価値を形成していた。近年の基本図作成では重要な登山道についてはやはりDGPS機材を背負っての実踏計測を行っているが、すべてのルートを調べることは実際問題としてはなかなか出来なかった。これから夏山シーズン。この地図を購入して山の空に夢をはせようか。。。ちなみに値段は800円也。
2007.07.13
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東京コンファレンスセンター・品川にてインフォマティクス主催の空間情報シンポジウム2007を聴講。もはや毎年恒例のイベント。過去の開催では正直言えばSISのユーザ会の域を出なかったが、今年のプログラムはなかなかの充実振りだった。基調講演は筑波大学大学院教授でGIS学会会長でもある村山祐司氏。この基調講演がなかなか良かった。最近の空間情報科学のあり方は、どうも「情報科学」に傾倒した捉え方がほとんどで正直ちょっとうんざりというところもあったのだが、さすが地理学出身の村山先生だけあって、GISの「地理」情報システムとしてのあり方をきっちりと示してくれたことが収穫だった。やはりGISは目的ではなくツールとして活用されるべき。良く「意思決定のためのツール」という言い方がされるが、実は個人的にはこれも気に入らなくて(笑)本来「意思決定のための支援ツール」とするのが正しいだろう。意思決定をするのはあくまで人であり、GISの結果をそのまま受けて「はいそうですか」と意思決定しているようではろくな社会にならないだろう(笑)続いて国土計画局国土情報整備室長西沢明氏のGISアクションプログラム2010とNSDI法の話や、国土地理院基盤地図情報課長河瀬和重氏の基盤地図情報整備と電子国土の話も現時点でのGIS行政の状況を分かりやすく紹介していたように思う。GIS学会太田守重氏のGIS技術資格の認定についての説明もタイムリーで、来場者の層を考えても効果的だった。さらに国土地理院防災地理課長北原敏夫氏による土地条件図の防災に向けての利活用の話、府中市役所市ノ川恵一氏の府中市における統合型GIS導入の事例の話題が続いた後、GIS NEXT編集長岩見一太氏をコーディネーターに迎え「防災GISの今後について」と題したパネルディスカッションが行われた。パネリストは前出の北原氏の他、工学院大学教授の久田嘉章氏、東京臨海病院救急勤務の金子登志江氏、そして荒川区防災指導監清水明徳氏。まったく立場が異なるバラエティに富んだ顔ぶれが揃って面白いディスカッションだった。後で岩見編集長は自身の司会のまとめ方について恐縮していたが、いやいやなかなかのものだった(笑)とかく予定調和的な進み方が多い昨今のパネルディスカッションに比べても、金子氏や清水氏ら「発災時に最前線に立たなければならない」立場の人たちの現場の生の声が聞けたことは大きな意義があると感じた。全体的にも最近の空間情報科学系シンポジウムの中では充実した内容だった。ただ、同時開催の各会場をリレーして質問を出させる進行はいかにも予定調和的で何となく違和感を感じた。前半と後半でテーマが異なるのもやや気になった。もちろんそれぞれの内容は申し分ないが、純粋なシンポジウムとしてはもっとポイントを絞ってもいいかな。ただ、基本的にはユーザーカンファレンスであることを考えればこれはこれでいいのかもしれないが。。。収穫はあったのでそれはそれで良しとしよう(笑)
2007.07.12
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一昨日地図データの開通同時更新についてのホンダの取り組みについて書いたが、色々な記事を読んでいくと、そこにたどり着くまでの仕掛けにこそ本質的な努力があったことを知った。地図データの更新にあたっては、写真測量によるデータ取得やDGPSを使用した現地走行による道路データ取得など従来の手法では開通時更新には物理的に間に合わない。そこで通常は事前に計画図面等を入手してそこからデータを取得することになるが、これがなかなか一筋縄ではいかない。道路を管理している土木事務所等でも図面を提供してもらえなかったり自治体の窓口等でも担当者によってはほとんど情報を持っていなかったり。国土地理院がここ数年2万5千分1地形図データのリアルタイム更新への取り組みとして自治体の窓口と連携して資料収集に努めたが、その際にもなかなか適切な図面が収集できず更新が滞り結局今年から従来の手法(写真測量)に立ち戻ることになった。問題の本質は、一部の土木事務所や自治体担当者が地図データ更新の社会的意義を理解していないことにありそのことが結果的にインフラとしての地図データ運用の障害になっていた。これについてはここに至るまで国が各機関への啓発を怠ってきたことも一因といえるだろう。このような仕組み的な問題もあって、国としての地図のリアルタイム更新は不調に終わり民間の地図会社もかなり苦労しながら独自の更新を進めていたものの、本当の意味でのリアルタイムな「開通時更新」までは実現できなかった。ところが、ホンダはこの仕組み自体に正面からメスを入れたのである。2004年の中越地震の際に起きた道路の崩壊や分断について、フローティングカーによるUターン軌跡をもとに地図化する技術を当時の防災科学研究所がホンダインターナビのデータを用いて検証したところその有効性が立証された。そこでホンダは、災害時の道路崩壊情報をテレマティクスのフローティングカー情報を用いた検証によって地図製作し、救援や復旧のために役立ててゆく枠組みを作ることを呼びかる試みを始めた。今後電気・水道・ガスなどのライフラインを管理する企業や道路を管理する行政に対して道路の被害状況把握に参考になるデータとして提供をしてゆくという取り組みである。こうした枠組みの実現のために道路管理者に対して図面を提供を呼びかけたのである。こうした動きは今までともすればあまり積極的に図面を公開していなかった管理者にとって何よりも大きなインセンティブとなるものであり、(国土地理院のやり方はこの自治体へのインセンティブが明確でなかった)また、自治体の立場として災害時を見越した住民サービスの一環という意味からも耳を傾けざるを得ない状況でもある。そして沖縄県が県をあげて地図更新のために必要なデータを道路図面情報提供サービスとしてインターネットで公開をはじめた。これは沖縄県の観光振興においてカーナビゲーションが大きな役割を担うことも考慮された結果でもある。こうして扉は開かれた。ホンダは仕組みづくりのために、メーカーの枠を超えてトヨタや日産との連携もあり得るとしている。国土地理院、測量業界、そして地図業界がやりたくても実現できなかった仕組みづくりの大きな壁を自動車メーカーが切り開いた。何とも複雑な心境ではある。それでも彼らが打ち破った壁の向こうには、確かに明日が見えているのである。
2007.07.11
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昨日に続いての自動車メーカーの話題。日産自動車がカーナビと連動した車の自動制御により事故を防止する技術を導入する。<NIKKEI NETより>地図情報をもとに減速が必要な箇所(一時停止線の直前や曲がり角の直後の脇道など)で減速支援(アクセルペダルを踏み込みにくくする他警告音・画面表示等)を行うという。ITSの一環として地図情報と連動して車を制御するこの技術は年内に投入される。また、走行中の車の周囲の状況を上から見下ろした状態で画面表示する仕組みも来春までに実用化するという。日産としてこのような安全技術での先進性を前面に出すことが販売戦略上の付加価値のひとつであると考えていることは確かでその一翼を地図データが担うことになる形になる。これは紛れもなく地図データの役割が今後ますます重要になることを意味しており、それに伴って、メンテナンスも含めた地図の責任も当然重くなっていくことが予想される。いずれにしても自動車メーカーが地図データを戦略上の大きな素材と位置づけている訳で、地図・測量業界がそれに応えるべく技術を磨かなければならないことは言うまでもない。
2007.07.10
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Hondaは「インターナビ・プレミアムクラブ」が提供するサービス「インターナビ・ウェザー」に、カーナビとしては世界初の「豪雨地点予測情報」と「地震情報」のサービスを開始した。「豪雨地点予測情報」は日本気象協会の降雨予測情報をもとに、VICSの通過予想時刻から約10分先までの時間雨量30mmを超える豪雨地点予測情報をナビゲーション画面に表示し警告するもの。「地震情報」は同じく日本気象協会の地震情報をもとに、ルート付近に起きた震度5弱以上の地震情報をナビゲーション画面に表示し警告するもの。さらに地震発生時の「位置情報付き安否連絡」サービスを秋から展開するという。いずれも従来のカーナビの枠を超えたサービスと言える。加えて、Hondaは世界初と銘打った「主要道リアルタイム地図更新」も発表。こちらは新規開通した主要道路を世界で初めて即時にナビゲーションのルート誘導に反映できるシステムで秋から展開するという。技術的には、新規に開通した道路を含む地図データと元のデータを比較して、差分データのみを抽出することでデータサイズを小さく抑え、携帯電話通信を用いた配信を可能にしている。また、システム内では受信したデータを小さな単位ごとに更新できるため、数分程度で新規開通道路を地図に反映することができるのだという。必要は発明の母とはよく言ったもので、リアルタイム更新については我々地図製作サイドよりもカーナビサイドの方が切迫した問題として捉えていたということだろうか何やら先を越された感が(笑)ただ、測量サイドから言い訳をすると、図面からの開通前更新はかなりリスキーでもあるのだ。これが大きな一歩となって今後地図全体のリアルタイム更新が進めばそれはハッピーな展開だが。
2007.07.09
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ここ数日体調不良でダウンしていてほとんど寝たきりの情けない日々。。。空間移動はほとんどなく、医者に行ったくらいかな。普段だと平日・休日ともに動き回っているだけに何だか違和感が(笑)今夜は七夕ということで、何となくロマンチックな夜。浴衣姿の人もちらほら見かけたかな。それでもやっぱり七夕は天気がすっきりしない。だからこそ話に神秘性があるんだろうけど。この時期だと北海道や沖縄は比較的天気がいいのかな。。。まあ冷静に考えてみれば宇宙の話だから地上の天気はあまり関係ないのでは?(笑)今度天の川の洪水ハザードマップでも作ってみようか。。。
2007.07.07
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測量・地図業界にも毎年のように有能な新人が入ってくる。自分の所属している会社は小さな会社なので、コンスタントに新人が入社するわけではないのだが業界としてみればそれなりの数の戦力が仲間入りしているわけだ。もちろん、去っていく人もいるわけで(特に団塊世代が去った後は)トータル的にはむしろ減少しているのかな。若く優秀な力を活かすも殺すも会社の育て方次第、もっと言えば業界に活力があるのかどうかが影響する。この世界は夢のある仕事と言えるのだろうか?公共インフラの整備に関わっているのだから、やりがいも名誉もあるはずだ。今後ユビキタスな空間情報社会を作り上げていくのも我々の仕事である。そしてユーザが喜ぶようなコンテンツを開拓することにも面白みはある。つまり本来夢がある業界なのだ。ところが、どうにも元気や活力を感じないのである。公共事業への風当たりが強く、受注価格が低下していることや新しいビジネスモデルへの対応が遅れがちであることも影響しているかもしれない。これからは我々の仕事の意義や役割を多くの人に理解してもらうための普及・啓発活動が大事になってくると思う。公共インフラの整備への理解を得るためにも、高品質の成果を上げることはもちろん、社会へのアピールを併行して行うことが大切だ。有能な若い力をこれからの社会に活かすためにも。
2007.07.04
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人との会話の中で空間表現をしなければならないケースがある。すなわち、場所の説明である(笑)例えば、旅先で出会った人との会話で「どちらからいらしたのですか?」なんてのはきっかけとしては良くある。以前千葉の船橋に住んでいた頃旅先でこの展開になって、このときにどう答えるべきか迷ったことがある。ストレートに1「船橋です」と答えるのがいいのか、少しぼかして2「千葉です」と答えるのがいいのか、もっとぼかして3「東京の方です」と大きくくくってしまうか、(東京ディズニーランドも千葉なのに「東京」を名乗っているし。。。)はたまた逆に4「津田沼です」とミクロに駅の名前を答えるのがいいのか(笑)旅先が遠くであり、会話の相手が東京近郊に詳しい人でもなければ2が無難だとは思う。まれにこれで反応が芳しくなければ3で切り抜けるのもありだと思うが、それではその後の会話の展開に発展性はない(笑)関東の人や首都圏に土地勘のある人、あるいは地理的知識(空間リテラシー)が高い相手であれば1で問題ないだろう。さらに詳しい人であれば4でもいけるかも知れない。この展開に持ち込むとその後の会話が盛り上がること請け合いだ(笑)もちろん、これは相手の空間リテラシーにも左右されるだろう。そしてその逆のケース(自分が聞くケース)もあるだろうから、その会話がきっかけで素敵な展開を導くためにも(?)日頃から空間リテラシーを高めておきたいものだ(笑)もちろん、その場に地図があればどんな相手とでもそれなりに円滑なコミュニケーションが出来るのだろうが。。。
2007.07.03
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大手測量機器メーカーであるトプコンとソキアの経営統合が進められている。トプコンがソキアを子会社化する形での経営統合になるが、国内シェア1・2位を占める同業の合併であるため公正取引委員会から独占禁止法に抵触しないとの回答を得てからの統合になるという。そこにはシェアが国内1・2位の会社と言えども米国だけでなく欧州・中国などの競合他社の成長もあり競争力を伸ばさなければならない業界の事情がある。トータルステーションをはじめとした主力器も今後はGPS機器との融合が進んでくるものと思われ、技術開発や生産の効率化などの面で国際競争力がますます求められることも考慮して早めの一手を打った形だ。厳しい時代の中、果たして勇断となるか。
2007.07.02
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