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金融商品取引法の政令と内閣府令が、本日午後2時30分頃に公表されました。金融庁が公表した「全体の概要」に記載されている主な点は、次のようになりました。○ 学校法人に対する有利子貸付けを有価証券に追加する。○ 国民経済計算など各種統計の数値を「金融指標」として追加し、これに基づくデリバティブ取引を規制する。○ 登録拒否要件の審査基準を明確にする。○ 第一種金融商品取引業の最低資本金を5,000万円とするなど、業務の種類別に最低資本金や営業保証金を定める。○ 匿名組合契約に基づく出資金の運営者が行う運用は、主として有価証券等に投資する場合は投資運用業となるが、運用権限の全部を金融商品取引業者に委託する場合は、一定の要件で、登録義務から除外する。○ 適格機関投資家等特例業務は、出資者に1名以上の適格機関投資家と、49名以下の他の投資家がいる場合にのみ認められる。○ 外国のファンドも規制対象となるが、出資者が9名以下の適格機関投資家である場合には、登録義務から除外する。○ 広告規制の対象として、アナリストレポートや一定の条件を満たした粗品を除く。○ 広告の表示方法として、元本を割込む可能性に関する情報(リスク情報)は、広告の最大の大きさの文字や数字と著しく異ならない大きさで表示することを義務付ける。○ 広告規制の対象として、テレビ・ラジオCMや看板に特例を設ける。○ 契約締結前交付書面は、最初に、重要事項と「十分に読むべき旨」を12ポイント以上の大きさの文字で記載し、次に、リスク情報等を枠で囲って12ポイント以上の文字で記載する。○ 顧客が、上場有価証券の取引をする場合、過去1年以内にリスク情報などを記載した有価証券等書面を交付している場合には、契約締結前交付書面の交付を不要とする。○ 取引残高報告書の作成、交付の義務を定める。○ 契約締結前交付書面の記載事項は、取引の類型ごとに詳細に定める。○ 契約締結間前交付書面や取引残高報告書の交付が不要な場合を定める。○ 不招請勧誘の禁止規定は、店頭金融先物取引に、勧誘受諾意思不確認勧誘と再勧誘の禁止規定は、金融先物取引について適用する。○ 業者による販売・勧誘について、リスク説明を顧客が理解できる方法と程度で行うことを義務付け、個人顧客に迷惑を感じさせる時間帯の電話・訪問を禁止する。○ 一般投資家に移行可能な特定投資家は、地方公共団体、上場会社、資本金5億円以上の会社、金融商品取引業者、特例業務届出者とする。○ 特定投資家に移行可能な個人の要件は、組合等の運営者であり、かつ、構成員全員から移行について同意を得ている場合、3億円以上の純資産と金融資産を保有すると見込まれる個人であって最初の取引から1年を経過した場合とする。○ 特定投資家と一般投資家の移行の申出は、有価証券関係、デリバティブ取引関係、投資顧問契約、投資一任契約関係の4種類ごとに管理する。○ 移行の有効期間は1年であるが、業者が定める一定の日を期限日とすることができるものとする。○ 金融商品取引法の施行日を、平成19年9月30日(日)とする。前回までの広告規制や契約締結前交付書面の解説は、一部、修正することとします。また、パブリックコメントに対する回答約3,500件は、調査・分析が終わり次第、このサイトにアップします。
2007/07/31
実務的な質問に詳細に解答する<これでわかった!金融商品取引法 Q&A集>を作成しました!<トップページ>でご覧ください。内容はどんどん充実させていきます!内閣総理大臣の登録に必要な<登録申請書サンプル>を無料で差し上げています。ご希望の方は、<ここに>をクリックして、会社名(個人の場合は氏名)、住所、ご担当者の役職・氏名および連絡先(メールアドレス)を明記して送信してください。後日、お送りいたします。秘密、情報は厳守します。契約締結前交付書面には、枠で囲んで、日本工業規格Z8305で12ポイント以上の大きさの文字で表示しなければならない項目があります。これをここでは、「第二群」項目と呼ぶことにします。なお、日本工業規格Z8305で12ポイントとは、MS Wordの明朝体で14ポイントくらいの大きさです。第二群項目は次のとおりです。○ 契約締結前交付書面の内容をよく読むべき旨○ クーリングオフの適用の有無○ 手数料、報酬、費用その他名称を問わず、取引に伴い顧客が負担するコスト○ マーケットリスクがある場合はその旨○ 証拠金・保証金を割り込む可能性がある場合はその旨クーリングオフの制度は、「投資助言・代理業」のみに適用されます。ですから、現在の投資顧問業を行う場合などには、「クーリングオフの適用があります」として、その他の場合は、「クーリングオフの適用はありません」と書くことになります。顧客が負担するコストには、外付けの手数料ばかりでなく、仕組債やデリバティブの取引など、コストが価格や金額に含まれている場合には、コストが占める割合や計算方法を示す!ことになります。次回は、第三群について解説します。
2007/07/31
実務的な質問に詳細に解答する<これでわかった!金融商品取引法 Q&A集>を作成しました!<トップページ>でご覧ください。内容はどんどん充実させていきます!内閣総理大臣の登録に必要な<登録申請書サンプル>を無料で差し上げています。ご希望の方は、<ここに>をクリックして、会社名(個人の場合は氏名)、住所、ご担当者の役職・氏名および連絡先(メールアドレス)を明記して送信してください。後日、お送りいたします。秘密、情報は厳守します。匿名組合契約の営業者やファンドの運営者の方は、金融商品取引法に規定する「第二種金融商品取引業」を行うことになりますので、内閣総理大臣の登録を受けないと、匿名組合員や出資者と契約を結ぶことができなくなります。前回は、「資本金(個人の場合は営業保証金)規制」について話をしました。今回は、「人的構成要件」についてです。「人的構成要件」とは、匿名組合契約の営業者やファンドの運営者は、どのような組織を作らなければならないかという規制です。匿名組合契約の営業者やファンドの運営者が匿名組合員や出資者と契約を結ぶことは、「第二種金融商品取引業」に該当しますが、「第二種金融商品取引業」を営むためには、次のような組織を作らなければなりません。○ 経営者が、第二種金融商品取引業を営むための経験と能力をもっていること。○ 知識と経験のあるコンプライアンスの担当者を営業部門から独立して設置していること。○ 広告審査体制、内部監査体制など管理体制が整っていること。コンプライアンス担当者とは、匿名組合契約の営業者やファンドの運営者が、金融商品取引法をはじめとする法律や規則に従って事業を行うように指導をしたり、事業が法律や規則に従って行われていることをチェックしたりする担当者のことを言います。広告審査体制とは、広告を審査する担当者を設置していることを、内部監査体制とは、社内監査を行う担当者を設置していることを意味します。実務的には、「資本金規制」よりも、「人的構成要件」を満たすことの方が困難になる場面が多いと予想されますが、この基準を満たしていないと、匿名組合契約やファンドの事業を継続することができない!ことになります。なお、「資本規制」も「人的構成要件」も、まだ、金融庁の案の段階で、固まっていませんので、修正される可能性があります。
2007/07/30
実務的な質問に詳細に解答する<これでわかった!金融商品取引法 Q&A集>を作成しました!<トップページ>でご覧ください。内容はどんどん充実させていきます!内閣総理大臣の登録に必要な<登録申請書サンプル>を無料で差し上げています。ご希望の方は、<ここに>をクリックして、会社名(個人の場合は氏名)、住所、ご担当者の役職・氏名および連絡先(メールアドレス)を明記して送信してください。後日、お送りいたします。秘密、情報は厳守します。前回まで、クーポンが為替(ドル)に連動する仕組債を、これまでに同種の仕組債に対する投資経験のない顧客に販売するという具体例を用いて、為替相場と(市中)金利の変動というマーケットリスクを顧客に「どの程度」説明しなければならないか、ということについてお話しました。クレジットリスクは、どうでしょう?仕組債ですので、発行者の債務不履行リスク(デフォルトリスク)が、仕組債の元利払いに直接の影響があるクレジットリスクとなります。クレジットリスクにつきましても、根本から説明しなければ、金融商品取引法の要求を満たしているとは言えません。例えば、「この債券は、発行者のデフォルトリスクがあります。」では、金融商品取引法および金融商品取引業等の内閣府令に照らすと、不十分です。「発行者のデフォルトリスク」そのものの説明がないからです。「発行者の業務成績、財政状態、資金繰りが悪化すると、発行者は、利息の返済や元本の償還ができなくなる可能性があります。このような可能性を、信用リスク(クレジットリスク)と呼びますが、仕組債の元利払いは、発行者の信用リスクに影響される可能性があります。このように、「クレジットリスクとは、そもそもどのようなリスクか」についての説明がなければ、金融商品取引法の要求を満たしたことにはなりませんので、注意が必要です。次回は、第二群について解説します。なお、契約締結前交付書面に記載する事項のうち、何が第一群で、何が第二群で、何が第三群かを決めるのは、金融商品取引法そのものではなく、金融商品取引業等に関する内閣府令ですが、内閣府令の内容はまだ固まっていません。最近の情報では、第一群の記載事項は、取引の概要のみになるという情報があるということを念のため申し添えます。
2007/07/30
実務的な質問に詳細に解答する<これでわかった!金融商品取引法 Q&A集>を作成しました!<トップページ>でご覧ください。内容はどんどん充実させていきます!内閣総理大臣の登録に必要な<登録申請書サンプル>を無料で差し上げています。ご希望の方は、<ここに>をクリックして、会社名(個人の場合は氏名)、住所、ご担当者の役職・氏名および連絡先(メールアドレス)を明記して送信してください。後日、お送りいたします。秘密、情報は厳守します。匿名組合契約などの組合契約は、出資者から集めた金銭で事業を行い、収益を出資者に配当する仕組みの組合契約などであれば、契約を結ぶ行為が第二種金融商品取引業に該当するため、営業者など組合契約の運営者は、金融商品取引法に基づいて内閣総理大臣の登録を受けなければ、新たな組合契約を結ぶことができません。内閣総理大臣の登録を受ける手続きは、具体的にはどのような手続きかといいますと、「登録申請書」という書類と、いくつもの「添付書類」とを併せて、本店など主たる営業所の所在地を管轄する財務局に提出するという手続きになります。登録手続きを行う際、最初に気をつけなければならないことは、資本金の額や営業保証金が足りないと登録できない!ということです。まず、法人の場合は、資本金の額または出資の総額が、金融商品取引法が定める最低額以上であることを確認すること、個人の場合は、金融商品取引法が定める最低額以上の営業保証金を準備することが必要です。匿名組合契約の締結など、第二種金融商品取引業を行うためには、資本金の額、出資の総額または営業保証金が、1,000万円以上必要です。また、自ら匿名組合契約などの相手方となるのではなく、匿名組合契約などの契約締結の媒介を行う行為も第二種金融商品取引業に該当しますが、契約締結の媒介の際、出資者から出資金を預かる場合には、資本金の額、出資の総額または営業保証金が、5,000万円以上必要になります。次回は、「人的構成要件」について解説します。
2007/07/27
実務的な質問に詳細に解答する<これでわかった!金融商品取引法 Q&A集>を作成しました!<トップページ>でご覧ください。内容はどんどん充実させていきます!内閣総理大臣の登録に必要な<登録申請書サンプル>を無料で差し上げています。ご希望の方は、<ここに>をクリックして、会社名(個人の場合は氏名)、住所、ご担当者の役職・氏名および連絡先(メールアドレス)を明記して送信してください。後日、お送りいたします。秘密、情報は厳守します。金融商品取引法が、金融証券取引業者は、取引が成立するまでの間に、顧客に「契約締結前交付書面」を交付しなければならないと規定し、金融商品取引業等に関する内閣府令が、金融商品取引業者は、契約締結前交付書面を交付するときは、顧客に取引の概要などを説明しなければならないと規定します。さらに、説明に関しては、金融商品取引業者は、顧客の財産、知識、経験、目的に照らして、顧客が理解できる「方法」と「程度」でしなければならないと規定しています。前回は、為替(ドル)にクーポンが連動する仕組債を、投資経験のない顧客に販売するときには、為替について、「どの程度」説明しないといけないのかというお話をしました。確認のため、前回の話を要約しますと、為替のリスクを説明で、金融商品取引法の求める「程度」を満たすためには、「為替レートは変動する!」というところから説明しないとダメで、説明を省くためには、説明が不要であると判断した根拠を証拠として残すようにしておかなければならないというものでした。その他のリスクについても同様のことが言えます。例えば、金利リスクについて説明するときは、「償還前に売却すると、売却時の(市中)金利の状況によっては、元本割れする可能性があります」といった程度では、金融商品取引法の求める「程度」を満たしているとはいえません。まず、金利と債券価格の関係について説明し、顧客に金利と債券価格との関係を理解してもらった後で、償還前の売却に伴う元本割れリスクの説明に入らなければなりません。次回は、クレジットリスクについては、どの程度の説明をすれば、金融商品取引法の要求を満たせるかについて、解説します。
2007/07/27
実務的な質問に詳細に解答する<これでわかった!金融商品取引法 Q&A集>を作成しました!<トップページ>でご覧ください。内容はどんどん充実させていきます!内閣総理大臣の登録に必要な<登録申請書サンプル>を無料で差し上げています。ご希望の方は、<ここに>をクリックして、会社名(個人の場合は氏名)、住所、ご担当者の役職・氏名および連絡先(メールアドレス)を明記して送信してください。後日、お送りいたします。秘密、情報は厳守します。金融商品取引法は、金融商品取引業者に、契約締結前交付書面を顧客に交付するとき、「顧客の財産の状況、知識、経験、投資目的に照らして、顧客が理解できる方法と程度で、取引に伴うリスクやコストについて説明しなければならない」と規定しています。今回は、「理解できる程度」とは「どの程度なの?」という疑問について解説します。前回の具体的な事例は、クーポンが為替(ドル)に連動する仕組債を、これまでに同種の仕組債に投資経験のない顧客に販売するというものでした。また、説明の対象となるマーケットリスクは為替相場と(市中)金利の変動、クレジットリスクは発行者のデフォルトリスクとします。まず、為替を考えてみますと、さすがに、いまだに1ドル=360円と思っている顧客はいないかもしれませんが、顧客がドル連動債に初めて投資するということを前提にすると、最初に、「為替相場は変動する」という事実について説明する必要があります。具体的に言いますと、「1ドルは、120円のときもあれば、110円のときも130円のときもある」というように、過去のデータを説明用資料に使うなどして、ドル/円の交換比率が変わることを説明する必要があるということです。「そんなこと、顧客に海外旅行や外貨預金の経験があれば、説明しなくてもわかるよ!」と思いますか?そうです。もし、顧客が普段から海外に行く機会が多い方であるとか、外貨預金の経験が長い方であるとか、株式投資の経験が長くて円安・円高に敏感な方であった場合には、「実は、通貨の交換比率は変動するんです!」というところまで説明する必要はないでしょう。でも、必要がないと判断するためには、顧客の海外旅行の経験などをしっかり確認しなければなりません。それを確認しないで、通貨の交換比率が変動することまで説明する必要がないと判断すると、「業者の勝手な思い込みで説明不足だった!」と後から指摘される可能性が残ってしまいます。ですから、この場合は、次の2つの選択肢しかないことにご注意ください。○ 通貨の交換比率が変動するというところから説明する。○ 海外旅行や外貨預金などについて、顧客の経験をヒアリングして、ヒアリングをした結果を証拠として保管しておく。次回は、その他のリスクの説明の「程度」について解説します。
2007/07/26
実務的な質問に詳細に解答する<これでわかった!金融商品取引法 Q&A集>を作成しました!<トップページ>でご覧ください。内容はどんどん充実させていきます!内閣総理大臣の登録に必要な<登録申請書サンプル>を無料で差し上げています。ご希望の方は、<ここに>をクリックして、会社名(個人の場合は氏名)、住所、ご担当者の役職・氏名および連絡先(メールアドレス)を明記して送信してください。後日、お送りいたします。秘密、情報は厳守します。金融商品取引法で、匿名組合契約の営業者をはじめ、組合契約の業務を執行する方々は、内閣総理大臣の登録を受けないと、組合契約を結ぶことができなくなりますという話を、これまでしてきました。金融商品取引法で、匿名組合契約をはじめ、任意組合契約、投資事業有限責任組合契約、有限責任事業組合契約などで、出資者から出資金を集め、事業を行い、事業から生じる収益を出資者に配当するという組合契約を締結する行為が、金融商品取引法の「第二種金融商品取引業」となるからです。また、金融商品取引法で、組合契約に基づき、主として有価証券取引やデリバティブ取引をすることを内容とする事業をする行為は、金融商品取引法の「投資運用業」に該当するために、やはり、内閣総理大臣の登録を受けなければ、できなくなります。内閣総理大臣の登録って、結局、何をすればいいの?内閣総理大臣の登録は、「登録申請書」を作成し、金融商品取引法が求めている添付書類を添付して、提出することでできます。次回以降は、登録申請の実務について解説します。
2007/07/26
金融商品取引法の規定で、金融商品取引業者は取引の内容を顧客に説明する際、顧客の財産の状況、知識、経験、取引の目的に照らして、顧客が理解できる、「方法」と、「程度」で、説明しなければなりません。前回は、理解できる、「方法」についてお話しました。今回は、理解できる、「程度」について考えてみましょう。具体例がある方がわかりやすいので、クーポンが為替(ドル)に連動する仕組債を販売する場面を想定しましょう。また、顧客が為替に連動する仕組債に投資をするのが初めてだったとします。説明が必要な項目は、顧客の損失の直接の要因となる指標などです。為替にクーポンが連動する仕組債の場合、市場リスク(マーケットリスク)として「為替」と「金利」、信用リスク(クレジットリスク)として、「発行者」の債務不履行リスク(デフォルトリスク)があります。まずは「為替」についてです。為替相場の変動リスクについて、「クーポン及び債券の評価額は為替相場の変動によりお客様に不利に動く可能性があります」という説明ではダメです。金融商品取引法の施行前であれば、それでも良かったのですが、金融商品取引法では、顧客が理解できる「程度」としては不十分だからです。どの程度の説明が必要なの?!次回は、為替についてはどの程度の説明が必要かについて解説します。
2007/07/25
匿名組合契約の営業者が、唯一、内閣総理大臣の登録を受けることなく、匿名組合契約を結ぶことができる場合があります。それは、契約を結ぶ相手、つまり、匿名組合員となる者が、「適格機関投資家等」に限定されている場合です。「適格機関投資家等」とは、「適格機関投資家」+「~等」です。「適格機関投資家」とは、銀行や保険会社、年金基金、一定の条件を満たした法人や個人など、投資についての知識も経験もあると法律が認めた大口投資家のことで、「プロ中のプロ」の投資家です。「~等」とは、49人以下の適格機関投資家等以外の投資家のことです。つまり、「適格機関投資家等」とは、「1名以上の適格機関投資家と49名以下のそれ以外の投資家」を意味します。そして、匿名組合契約を結ぶ相手である匿名組合員が、「適格機関投資家等」である場合には、内閣総理大臣の登録を必要とせず、内閣総理大臣への届出をするだけで、匿名組合契約を結ぶことができます。登録と届出と何が違うの?というと、登録は、登録しても良いかどうか審査がありますが、届出は審査がありません。また、登録をした営業者は、「金融商品取引業者」になってしまい、広告規制や説明義務などの規制が課されることになりますが、届出をした営業者には、そのような規制は課されません。ただ、適格機関投資家等のみが匿名組合員である匿名組合契約というと、証券化と呼ばれるビジネスで組成される匿名組合契約や、投資ファンドを組成するための匿名組合契約など、特殊な匿名組合契約に限られるでしょうから、この「例外」を使うことができる匿名組合契約の営業者は、匿名組合契約全体の一部に過ぎないでしょう。実務的には、匿名組合員を49名まで集めたら、1社以上の銀行や保険会社に資金を拠出してもらえば条件を満たしますので、協力を依頼できそうな銀行や保険会社を用意しておくと、「例外」を使うことができるようになります。
2007/07/24
金融商品取引法は、金融商品取引業者に、顧客と取引を成立させるまでに、「契約締結前交付書面」を顧客に交付しなければならないと規定しています。「契約締結前交付書面」の記載方法と記載事項は決められていて、記載事項の記載する順番に、第一群記載事項、第二群記載事項、第三群記載事項の3つに記載事項を分けることができます。前回まで、このうち第一群についてお話してきました。第一群の記載事項の中に、マーケットリスクに関する情報とクレジットリスクに関する情報があります。リスク情報を記載する際は、元本割れとなる可能性がある場合、どの指標が原因となるのか、また、どうしてその指標が変動すると元本割れ(取引によっては追証)になる可能性があるのかについて、記載しなければなりません。金融商品取引法は、「契約締結前交付書面」の条文で、「書面に基づいて説明せよ!」とは書いていませんので、「契約締結前交付書面」は、交付すれば済むように見えますが、金融商品取引業等に関する内閣府令の行為規制で、「金融商品取引業者は、顧客の財産の状況、知識、経験、投資目的に照らして、顧客が理解できる方法と程度で説明すること!」とあります。ですから、実務的には、証券会社など金融商品取引業者の営業の方は、顧客に「契約締結前交付書面」を渡すときに、「契約締結前交付書面」その書面と補足資料に基づいて、取引の内容や取引に伴うリスクなどについて、顧客に説明することになります。顧客が理解できる方法!とは、どのような方法でしょうか?たとえば、為替連動の仕組債の販売の場合には、金利情勢によって償還前に売却すると損失が発生する可能性があることを詳細なシミュレーションをつけて説明する、為替の変動に応じて償還額が変わる仕組みであれば、為替水準と償還額とのマトリックスを付けて説明するというのも方法ですし、顧客が理解しやすいように配色を工夫したり、文字を大きくしたりするのも方法です。「そんなことをしたら、資料が膨大になるじゃないか!」という声も聞こえてきそうですが、投資者保護を徹底するために改正された金融商品取引法の求めている水準は、相当高い!と考えます。さらに、金融商品取引法は、顧客が理解できる程度!に説明することも求めています。次回は、「顧客が理解できる程度」とは「どの程度」なのかについて解説します。
2007/07/24
金融商品取引法ができる前までは、証券化ビジネスに取り組む匿名組合契約の営業者は、匿名組合契約を結ぶために何もする必要がありませんでした。ところが、金融商品取引法で、事態は一変!しますという話を前回いたしました。今回は、「どう一変するのか?」について、実務に即してお話します。まず、匿名組合契約を結ぶために、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。これは、匿名組合契約を結ぶ行為が、金融商品取引法で、第二種金融商品取引業に位置付けられたからです。第二種金融商品取引業を行うためには、、最低1,000万円(金銭の預託を受ける場合は5,000万円)の資本金または営業保証金が必要になります。さらに、広告規制といって、広告や宣伝をする場合には、、金融商品取引法の規制通りの広告をしなければなりません。匿名組合員と契約を結ぶときには、「契約締結前交付書面」という書面を匿名組合員に公布しなければ、匿名組合契約を結ぶことができません。「契約締結前交付書面」には、契約を結ぶことにより匿名組合員が負担することになる手数料や費用や匿名組合員の出資金が全額償還されないリスクがある場合には、どのようなリスク要因があるのかなど、金融商品取引法の規制の通りに、契約の内容について詳細に記載しなければなりません。また、金融庁が監督することになりますのが、金融庁または証券取引等監視委員会という、これまで、えんもゆかりもなかったお役所の検査を受ける!ことになります。検査の結果、金融商品取引法の規制の通りに事業を行っていなかった場合には、営業者は、業務停止や登録の抹消というペナルティが課される可能性があります。最悪の場合は、懲役刑です。内閣総理大臣の登録を受けるためには、登録申請書とその他の必要な書類をすべて提出しなければなりません。実務的には、金融商品取引法施行の日から6ヶ月以内にすべての書類を揃えて、財務局に提出しなければ、以後、匿名組合契約を結ぶことができなくなります。次回は、また少し専門的になりますが、適格機関投資家を組合員とする匿名組合契約などの組合契約の特例について、解説します。
2007/07/23
金融商品取引法で、金融商品取引業者の義務となっている項目の一つ、「契約締結前交付書面」は、顧客と取引をする「前」に、金融商品取引業者が顧客に交付しなければならない取引に関する情報を記載した書面です。前回までにお話しましたように、「契約締結前交付書面」(事前書面という人もいます。)に記載する項目は、金融商品取引法と金融商品取引業等に関する内閣府令でこと細かに決められています。記載する順番まで決まっていて、記載事項は、最初から順に第一群、第二群、第三群の3つに分類することができます。前回までに、第一群に記載する項目である「所属する金融商品取引業協会」と「顧客が預ける証拠金・保証金の額」の解説をしました。今回は、第一群の核心部分である「リスク情報」についての説明です。金融商品取引法は、証券会社などの金融商品取引業者に、「リスク情報」と「顧客が負担する手数料や費用などの取引コスト」を徹底的に開示させるという特徴があります。契約締結前交付書面にも、その2つを書くことになりますが、そのうちの「リスク情報」は、第一群に属するものと考えます。リスク情報は、大きく分けて2つのリスクに関する情報です。既に、「金融商品販売法」(「金融商品取引法」ではありません。)で販売業者の「説明義務」として2000年に登場していることから、ご存じの方も多いと思いますが、ここで「リスク」とは、金利、為替、株価などの指標の変動によって損失が発生する可能性である「マーケットリスク」と、金融商品取引業者や他の会社の債務不履行など信用事由によって損失が発生する可能性である「クレジットリスク」のことです。金融商品取引法は、金融商品取引業者に、マーケットリスクやクレジットリスクについて、「顧客の損失が発生する直接の原因となる指標」と「その指標の変動で顧客の損失が発生する可能性がある理由」の2つを説明するように求めています。ここで、損失とは、元本割れだけではなく、証拠金取引の証拠金を割り込むこと(追証が発生すること)も、含まれますので要注意です。さらに、金融商品取引業等に関する内閣府令や金融商品販売法は、金融商品取引業者に、リスク情報は、顧客が理解できる方法と程度で説明せよ!と要求しています。いったいどこまで説明すればいいの?!という疑問は、金融商品取引業者にとって、切実な問題ですので、次回は、「顧客が理解できる方法と程度」とは、「どんな方法」で「どの程度」なのかについて解説します。
2007/07/23
金融商品取引法は、「すべての」匿名組合契約に影響があります。例外はありません!文字通り、すべてです。すべての匿名組合契約が金融商品取引法の影響を受けます。匿名組合契約を使うビジネスの一つに、アセット・ファイナンスとかストラクチャード・ファイナンスとか証券化と呼ばれるビジネスがあります。現在では、この3つの用語は同じ意味で使用されることが多く、「資産に投資をする仕組み」として理解されているようです。テナントビルやショッピングセンターのような不動産、飛行機や船などの巨額な投資が必要になるもの、売掛債権その他の金銭など、キャッシュフローを生み出すことができる資産であれば、すべてが対象になるビジネスです。「キャッシュフローを生み出す」とは、例えば、テナントビルであれば、テナントの賃貸料というキャッシュが発生する、飛行機であれば、航空会社に飛行機をリース(貸す)ことによってリース料というキャッシュが発生し、金銭債権であれば、利息や元本というキャッシュが発せしますが、このように、キャッシュを生み出すことができるという意味です。そもそも匿名組合契約とはどういう契約かといいますと、営業者と呼ばれる会社なり、個人なりが、事業を行うために出資者を集め、それぞれの出資者と結ぶ契約のことを匿名組合契約といいます。匿名組合契約が証券化などと呼ばれるビジネスにどのように使われるかといいますと、営業者が、出資者から集めた出資金で、キャッシュフローを生み出す資産を購入して、あがってくる収益(キャッシュフロー)を出資口数に応じて出資者に分配するスキームに使われます。金融商品取引法ができる前までは、証券化ビジネスに取り組む匿名組合契約の営業者は、匿名組合契約を結ぶために何もする必要がありませんでした。ところが、金融商品取引法で、事態は一変!します。次回は、証券化に取り組む匿名組合契約の営業者にどのような影響が出てくるのか、実務に即して解説します。
2007/07/20
金融商品取引法で、証券会社など金融商品取引業者は、顧客と取引をする前にあらかじめ顧客に「契約締結前交付書面」という書面を交付しなければならなくなります。契約締結前交付書面に記載する項目は、金融商品取引法と金融商品取引業等に関する内閣府令(省令)で詳細に決まっていて、それらをすべて記載しないと法令違反になり、最悪の場合、違反者は6か月の懲役刑になる可能性があります。ですから、契約締結前交付書面は、記載すべき事項をきちんと記載しなければなりません。法令が規定している記載事項は、相当数が多い!ですので、暗記することは大変ですが、大きく分けると第一群、第二群、第三群の3つに分けることができます。法令は、記載事項の記載する順番まで細かく指定しているというお話を前回までにしましたが、その順番に応じて、最初に記載する第一群、次に記載する第二群、最後に記載する第三群にわけることができるのです。前回は、顧客の判断にとって最も重要な記載事項である第一群の記載事項のうち、「金融商品取引業者が所属する金融商品取引業協会」について、どうして所属する金融商品取引業協会、つまり、現在の証券会社でいえば日本証券業協会に所属しているということですが、その情報がなぜ重要な情報であるのかということに見てみました。今回は、第一群のその他のものを見ていきましょう。その一つ目は、「顧客が証券会社などの金融商品取引業者に預ける証拠金や保証金の額」です。委託証拠金とか委託保証金と呼ばれる預け金のことです。信用取引の先物取引の証拠金のことです。これがなぜ、顧客の投資判断にとって重要な事項になるかというと、顧客がどこまでの損失を受容することができるかの基準になるからです。皆さんもご存じのとおり、証拠金取引では証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。「可能性があります」と書きましたけれど、現実問題としては、証拠金を上回る損失が発生する可能性が高い!というのが実感です。ですから、顧客は、証拠金取引の仕組みをよく理解し、預けた証拠金がゼロ、あるいは、さらに持ち出しになる(追証)可能性が高い!ということを納得した上で取引をする必要があります。この意味で、証拠金や保証金の情報は、顧客にとって重要な意味をもつことになります。次回は、第一群のその他の情報の中でも最も重要で、契約締結前交付書面の核心部分である、「リスクに関する情報」について解説します。
2007/07/20
商法の匿名組合契約が典型的ですが、組合契約には2つの側面、一つは、組合員が組合契約を結ぶというという組合契約の成立の側面、もう一つは、成立した組合が事業を行うという側面です。そして、任意組合でも匿名組合でも投資事業有限責任組合でも有限責任事業組合でも、およそ組合形式で団体を形成する行為、つまり、組合員が組合契約を結ぶ行為は、第二種金融商品取引業に該当するため、金融商品取引法に従って、内閣総理大臣の登録を受けなければ刑罰を科されるという話を前々回まで強調してきました。そして、前回は、組合契約のもう一つの側面、つまり、成立した組合が営む事業も規制を受けます、という話をしました。組合契約を結ぶ側面では、組合契約の目的が映画やゲームの製作でも何でも、とにかく組合が事業を営むのであれば、金融商品取引法の規制に従い、営業者や業務執行組合員などは、一部の例外を除いて、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。一方、事業を行うという側面では、組合契約の目的が、主として有価証券取引やデリバティブ取引で収益を上げる場合に限定されます。ですから、映画やゲームの製作などは、対象になりませんし、たとえば、今流行の不動産投資も対象になりません。逆に、組合契約の目的である事業が、有価証券投資やデリバティブ取引である場合には、そのような事業は、一部の例外を除いて、金融商品取引法の「資産運用業」になりますので、さらに、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。ここからは少し専門的な話になりますが、実務的にはとても重要なことですので、頭の中でイメージしながら、読み進めてみてください。映画やゲームの製作、不動産投資などは、確かに、有価証券の取引でもないし、デリバティブ取引でもありませんが、それらの事業が、信託会社や信託銀行に信託され、信託受益権となっている場合には、話が違います。信託とは、金銭はもちろん、著作権など無形財産を含む資産の保有者が、信託会社や信託銀行に、その資産を譲渡し、資産の管理や処分などを信託会社や信託銀行に委託することです。譲渡された資産は、「信託受益権」というその資産の管理・処分を通じて生じる利益を受け取る権利に変わります。映画やゲームの製作、不動産投資そのものは、有価証券ではありませんが、それらの資産が信託会社や信託銀行に譲渡されると信託受益権という有価証券!となってしまいます。そして、匿名組合の営業者やその他の組合の業務執行組合員が、組合契約で集めた資金で信託受益権を購入すると、そのような行為は有価証券の取引に該当しますので、金融商品取引法の「投資運用業」となり、内閣総理大臣の登録が必要になります。少し専門的ではありましたが、実際に組合の事業を運営される方は、金融商品取引法の規制を受けるのかどうか、必ず、専門家に相談することをお勧めします。次回は、これも専門的ですが、金融商品取引法が、証券化実務に与える影響について解説します。「証券化」というと難しく聞こえますが、多くの匿名組合の仕組みが「証券化」の仕組みですので、全体像を理解するのはそれほど難しいことではなく、むしろ、知らず知らずのうちに、「証券化」をされている組合の運営者の方が多いと思いますので、金融商品取引法が証券化実務に与える影響というトピックをとりあげることにしました。
2007/07/19
金融商品取引法で、証券会社などの金融商品取引業者は、取引の前に契約締結前交付書面という書面を顧客に交付しなければなりません。この義務は、投資顧問業者にはありましたが、証券会社にはこれまではなかった、まったく新しい義務です。契約締結前交付書面の「記載事項」は、金融商品取引法と金融商品取引業等に関する内閣府令(省令)で細かく決められています。さらに、「記載方法」まで決められていて、まず、文字の大きさが厳格に決められ、加えて、記載事項を記載する順番まで決まっています。記載事項は、その順番に応じて、第一群から第三群まで3つに分類されますというのが、前回までのお話でした。今回は、最初に記載しなければならない第一群の記載事項を見ていきましょう。第一群の記載事項は、「顧客の判断に影響を及ぼすこととなる特に重要なもの」です。何が「特に重要なもの」なのか法令に定義がありませんが、既にお話しました「広告等の規制」の中で、「重要なもの」が法令で定義されていますので、それを参考にすることができます。すると、「顧客の判断に影響を及ぼすこととなる特に重要なもの」とは、次の4つになります。ちょっと長いですが、頑張って覚えましょう!1. 証券会社など金融商品取引業者が所属する金融商品取引業協会と認定投資者保護団体2.顧客が金融商品取引業者に預託する証拠金や保証金の額3.株価や金利や為替など変動する指標の中で顧客の損失が発生する原因となる指標およびその指標の変動で顧客の損失が発生する可能性がある理由(マーケットリスクと要因)4.金融商品取引業者の業績の悪化や他の会社の業績の悪化で顧客の損失が発生する可能性がある場合には、対象となる会社とその会社の業績の悪化で顧客の損失が発生する可能がある理由(クレジットリスクと要因)まず、1.の金融商品取引業者が所属する金融商品取引業協会と認定投資者保護団体。これは何かというと、証券会社であれば、日本証券業協会のことなどを指しています。どうして、日本証券業協会に所属していることが顧客の判断に影響する特に重要なものなの?証券会社が日本証券業協会に所属していることは「当然」のことですので、一見すると重要な情報ではないような気がしてしまいがちですが、日本証券業協会に所属しているということは、顧客は、取引に関して証券会社に苦情があるときに、あっせんなど日本証券業協会の苦情処理機能を使えることを意味するからです。次回は、顧客の判断に影響を与える他の重要な情報について解説します。
2007/07/19
金融商品取引業者は、顧客と取引をする前に、契約締結前交付書面と呼ばれる書面を交付しなければなりません。契約締結前交付書面を交付しなかった場合、交付はしても虚偽の記載があった場合または記載すべきことが記載されていなかった場合には、行為者に刑事罰が科されます。ここでいう「記載すべき事項」は、金融商品取引法と金融商品取引業等に関する内閣府令に詳しく書いてあります。記載する事項はとても多いため、重要なものから順に紹介することにしますが、その前に、「記載方法」についてお話します。まず、「文字の大きさ」が決まっています。文字の大きさはすべて、日本工業規格Z8305に規定する8ポイント以上の大きさの文字!を用いなければなりません。1ポイントは、0.3514ミリで、8ポイントとは、2.811ミリの大きさのことです。(日本工業規格Z8305についてはこちらをご覧ください。)次に、記載する「順番」まで決まっていまして、記載項目が大きく3つに分類されています。まず、「顧客の判断に影響を及ぼすこととなる特に重要なもの」(第一群)を最初に、かつ、わかりやく記載しなえければなりません。次に、リスク情報など(第二群)を、これは、日本工業規格Z8305に規定する12ポイント以上(4.217ミリ)以上の大きさの文字!で記載しなければなりません。さらに、明瞭、正確に記載し、かつ、枠で囲わなければなりません。最後に、残りの記載事項(第三群)を記載することになります。まずは、この「記載方法」を忠実に守る必要があります。次回は、第一群から順番に、「記載項目」について解説します。
2007/07/18
商法の匿名組合契約など、事業を前提にする組合契約には、2つの側面があります。一つは、組合契約を結ぶことです。匿名組合であれば、営業者が、それぞれの匿名組合員と匿名組合契約を締結することです。前回までの話は、この「組合契約を締結すること」が、第二種金融商品取引業に該当するため、営業者は、内閣総理大臣の登録を受けないと、匿名組合契約を匿名組合員と結ぶことはできない!という話でした。組合契約のもう一つの側面は、事業を行うということです。金融商品取引法に即して言うと、出資金などの資産を「運用する」することです。前回、お話しましたとおり、匿名組合契約などの組合契約を結ぶ場合は、映画やゲームの作成であれ、不動産投資であれ、対象となる事業が何であっても第二種金融商品取引業に該当してしまうため、営業者など組合の事業を執行する者は、必ず、内閣総理大臣の登録を受けなければなりませんでした。契約の「締結」は、その通りなのですが、営業者などの事業執行者が行う「運用」は、話が違います。組合契約に基づき組合員が出資した金銭を「運用」する行為(事業を行うこと)は、金融商品取引法の「投資運用業」に該当します。そのため、匿名組合契約の営業者などは、組合契約を締結するために内閣総理大臣の登録が必要であったのと同様、事業を行うという側面か、別の、もう一つの「投資運用業」を行うものとして、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。ただし、組合契約の「締結」の場合と異なるところがあって、それは、事業の対象となる取引が、主として有価証券の売買等またはデリバティブ取引の場合に限る!という、営業者など組合事業の執行者にとっては、「朗報」があります。「朗報」といったのは、金融商品取引法に基づき、「投資運用業」を行う者として内閣総理大臣の登録を受けると、想像を絶するほどの厳しい規制が課されるからです。組合契約に基づき事業を執行する方は、できる限り、投資運用業に該当しない事業を営むことが、実務的には、求められます。次回は、投資運用業に該当するパターンとそうならないパターンについて、(ここは厳しい規制が課されるかどうかのとても大切なところですので)さらに詳しく解説します。
2007/07/18
金融商品取引法で規制される組合などには、具体的にどのような組合があるのか、ここで確認しておきたいと思います。一般の投資家を募っていた事例としましては、「映画ファンド」があります。映画作成のための資金を集めるファンドです。仕組みは、映画製作者が、商法の匿名組合契約に言う「営業者」になり、匿名組合員(出資者)を集めます。匿名組合員は、営業者(映画製作者)に金銭を出資します。営業者(映画製作者)は、集めた金銭で映画を作製し、公開します。その映画がヒットすれば、匿名組合員は、出資口数に応じて利益の分配を受けることができるというものです。他に、ゲームファンドもあります。これも仕組みは同じで、ゲーム製作者が、商法の匿名組合契約に言う営業者となり、匿名組合員(出資者)を集め、出資者が出資した金銭を集めて、ゲームを製作し、ゲームがヒットしたら、匿名組合員は、営業者(ゲーム製作者)から、出資口数に応じて利益の分配を受けることができるというものです。少し、専門的になりますが、不動産の証券化でも、同じスキームが使われます。まず、オフィスビルなどの不動産の保有者が、不動産を信託し、信託受益権を匿名組合契約の営業者に譲渡します。営業者は、信託受益権を購入するために銀行などから融資を受けますが、一方で、匿名組合員(出資者)を集め、集まった出資金で融資を返済します。これで、不動産を保有する者は、名目的には営業者になりますが、実質的に、不動産を所有している者は、匿名組合員(出資者)になります。営業者は、オフィスビルを賃貸し賃料などの収入を得たり、信託受益権を売却して売却益を得たりしますので、匿名組合員は、出資口数に応じて、収入や売却益を配当や償還金として受けるとることができるという仕組みが不動産の証券化の一例です。映画ファンド、ゲームファンド、不動産ファンドと、それぞれ、出資金で行う事業は異なりますが、出資者が収益の分配を受ける権利がある仕組みは共通しています。この権利が、「集団投資スキーム持分」という名前で呼ばれ、金融商品取引法では、有価証券とみなされています。そして、今後は、このような組合契約を結ぶためには、「第二種金融商品取引業」を行うものとして、内閣総理大臣の登録が必要になるというのが前回までの話です。次回は、匿名組合契約などの組合契約のもう一つの側面について、金融商品取引法との関連を解説します。
2007/07/17
投資顧問会社や信託受益権販売業者の方にとっては、「これまで通り」なのですが、証券会社の方にとっては、いくつかのまったく新しい制度が、金融商品取引法で導入されます。そのうちの一つは、契約締結前交付書面の制度です。金融商品取引業者は、顧客と取引をするまでの間に、取引内容などを記載した書面を顧客に交付する義務があります。この書面は、取引する前(契約を締結する前)に交付する書面ですので、契約締結前交付書面といいます。契約締結前交付書面を交付しなかった営業の方、契約締結前交付書面に記載すべき事項を記載しない書面を交付した営業の方、誤ったことを記載した書面を交付した営業の方は、最悪の場合、6ヶ月の懲役刑ですので、十分に注意しなければなりません。契約締結前交付書面を交付する時期は、取引が成立する前ですが、実務的には、口座を開設するまでに交付するようにすべき!でしょう。口座開設までに契約締結前交付書面を交付していない場合、口座が開いていることから、誤って、契約締結前交付書面を交付しないで、取引が成立してしまう可能性があるからです。契約締結前交付書面は、記載事項はもちろん、記載の順番や記載する文字の大きさまで、きっちり、法令で決まっています。法令で決めてある通りに交付しないと、記載事項に不備があったとして、刑事罰になる可能性がありますので、記載事項、記載の順番、文字の大きさは、しっかり、記憶して実践しなければなりません。次回は、記載事項について、解説いたします。
2007/07/17
金融商品取引業者は、広告等をするときには、さまざまな情報を広告等に記載しなければなりません。広告等には、新聞広告、雑誌広告、CM、ホームページ、パンフレット、チラシなど、会社の事業を紹介するものがすべて含まれます。広告等に記載する情報のうち、実務上、特に重要なのは、顧客が負担する手数料や費用です。詳細はまだ固まっていませんが、金融庁の案では、顧客が負担する手数料や費用には、株式の取次手数料や投資信託の販売手数料は当然のことながら、投資信託の信託報酬、投資信託が投資信託に投資している場合(ファンド・オブ・ファンズ)の投資先の投資信託の信託報酬、有価証券の価格やデリバティブ取引の額に対する手数料の割合が含まれます。特に、有価証券の価格やデリバティブ取引の額に対する手数料の割合は、計算が困難であるなどの理由から、これまで記載される事例が少なかったと思われますが、広告等の規制に違反すると刑事罰が科されますので、各社、対応が急がれるところです。金融商品取引法は、投資者保護がメインテーマですから、基本的な考え方として、手数料とは、取引の際に顧客が負担するすべてのコスト!を意味することになります。実際、ヨーロッパでは、同様の考え方に基づき、手数料の開示が義務付けられているところもあると聞いていますが、市場の透明性・公正性を考えると、金融庁の原案は指示されるものと思います。ただし、金融庁の案でも、手数料の金額や手数料の計算方法を表示することができない場合には、表示できない理由を付して、「表示することができません」と記載することができることになっていますので、手数料を決定する要因が複雑な場合などには、表示されないケースも出てくるものと予想されます。次回は、取引が成立する前に顧客に交付しなければならない契約締結前交付書面について解説します。
2007/07/13
金融商品取引法は、次の組合契約などに基づく権利を、すべて例外なく、有価証券とみなして、規制の対象にしています。「組合契約」と株券や投資信託などの「有価証券」とは、まったく結びつかないような気がしますが、実は、組合契約に基づく組合員の権利と、株券を保有する株主の権利は、とてもよく似ています。どう似ているかについては、7月4日の投稿でご確認ください。有価証券とみなされる権利は、以下の権利です。1 民法の任意組合契約に基づき組合員が利益の分配を受ける権利2 商法の匿名組合契約に基づき(匿名)組合員が利益の分配を受ける権利3 投資事業有限責任事業組合に基づき組合員が利益の分配を受ける権利4 有限責任事業組合契約に基づき組合員が利益の分配を受ける権利5 社団法の社員権6 その他の権利最後の項目に、「その他の権利」とありますので、組合員などが出資した金銭で運営された事業から生じた収益の分配を受ける権利は、すべて、みなし有価証券です。そして、このみなし有価証券を販売する行為は、第二種金融商品取引業に該当するため、内閣総理大臣の登録を受けなければ、販売することができません。ピンとこないかもしれませんが、ここで、「販売」とは、組合員などの出資者と契約を結ぶことを意味します。第二種金融商品取引業を行うためには、資本金が、最低5,000万円必要です。個人で第二種金融商品取引業を行うこともできますが、その場合は、5,000万円の営業保証金が必要になります。また、第二種金融商品取引業を行うものは、すべて、金融商品取引業者となり、金融庁の検査の対象になります。その他、広告をするときの規制、契約を結ぶときの規制、結んだ後の規制と、規制でがんじがらめになります。そして、ほとんどの規制は、違反すると懲役刑などの刑事罰!が科されます。これまで、匿名組合の営業者などは特別な規制がなかったことを考えますと、天と地がひっくり返るほど強烈なインパクト!です。今回は、契約を結ぶときのインパクトをお話しましたが、次回は、契約に基づいて、事業を運営するときのインパクトについて解説します。
2007/07/13
広告で気をつけなければならないことは、まず、広告等とは何かを知ることです。前回もお話しましたが、広告等の意味は、とても広く、広告等には、新聞広告、雑誌広告、ホームページばかりでなく、「○○キャンペーン!」などと書いたチラシ、会社の宣伝のためのダイレクトメールやメールマガジン、ポケットティッシュにつける会社の宣伝や粗品に記載する会社の宣伝など、会社の業務を紹介するものはすべて例外なく広告等に含まれます。現在、証券会社にお勤めの方にとっては、日本証券業協会の規則に、すでに広告等に関する規則がありますが、日本証券業協会でいう広告と金融商品取引法がいう広告等とは、まったく意味が違う!ことにも要注意です。そして、金融商品取引法の広告等には、1 顧客が負担する手数料や費用2 取引に伴うリスクの情報3 証拠金・保証金に対する元本の割合などを記載しなければなりません。また、金融庁の監督指針(事務ガイドライン)によると、金融商品取引法の広告等をするときには、広告等審査担当者をおいて、広告等審査担当者が広告等を審査しなければならないとあります。ここでも、現在証券会社にお勤めの方は、この広告等審査担当者は、日本証券業協会の規則にいう広告審査担当者とは意味が違う!ということに、注意が必要です。次回は、金融商品取引法の広告等に記載しなければならない顧客が負担する手数料や費用の意味について解説します。
2007/07/12
前回は、組合契約に基づき、事業を行う限り、事業の内容がゲームソフトの開発であっても、映画の作成であっても、アイドルの育成であっても、出資者が事業から生じる収益の分配を受ける権利を持っていれば、そのような組合契約を結ぶ行為は、金融商品取引法が規定する第二種金融商品取引業に該当するため、組合の運営者は、内閣総理大臣の登録を受けなければ、組合契約を結ぶことができなくなるというお話をしました。前回は、「契約を結ぶことが第二種金融商品取引業になる!」という組合契約についての締結についての規制の話でしたが、もう一つ、組合契約に基づいて運営者が行うこととなる事業についての規制があります。営業者や業務執行組合員や無限責任の組合員の方など、組合で行う事業の運営者の方は、事業の内容が、主として有価証券の取引やデリバティブ取引である場合には、さらに、内閣総理大臣の登録を必要とします。組合契約に基づき、出資金を主として株式などの有価証券投資やデリバティブ取引で運営することは、金融商品取引法が規定する「投資運用業」に該当します。ですから、組合を運営される方は、もし、事業の内容が、有価証券の投資やデリバティブ取引の場合には、「投資運用業」を営むものとして、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。○ 組合契約を結ぶことは、第二種金融商品取引業。○ 組合契約に基づき、主として株式などの有価証券への投資やデリバティブ取引を行うことは、投資運用業。特に、投資運用業につきましては、投資事業有限責任事業組合の無限責任社員の方は注意が必要です。「主として」株式などの有価証券の投資をすることが投資運用業にあたりますので、かりに、出資金の一部を有価証券の投資以外に回していたとしても、投資運用業であることには、変わりありません。内閣総理大臣の登録を受けないで、組合契約を結んだり、有価証券の投資などの事業を行ったりすると、刑罰が科されます。次回は、少し難しいですが、金融商品取引法が証券化ビジネスに与える影響について解説します。
2007/07/12
金融商品取引法が規制している広告等の規制は、相当広範囲に及びます。広告等には、新聞広告や雑誌広告、ホームページに限らず、パンフレットやビラなど多数の人に同様の内容で提供するものすべてが含まれます。いわゆる販売用の資料ばかりではありません。例えば、次のようなものも広告等に該当します。「○○キャンペーン!」などと書いたチラシ会社の宣伝のためのダイレクトメール会社の宣伝のためのメールマガジンポケットティッシュにつける会社の宣伝粗品に記載する会社の宣伝そして、広告等をするときには、例外なく、顧客が負担する手数料や費用取引に伴うリスクの情報証拠金・保証金に対する元本の割合などを記載しなければなりません。前回も書きましたが、違反をすると、刑罰が科されます。次回は、広告等で、さらに注しなければならない点について解説します。
2007/07/11
繰り返しになりますが、大切な点ですので、もう一度書きますと、匿名組合または投資事業有限責任組合を運営されている方は、金融商品取引法で、ほとんどの場合、内閣総理大臣の登録を受けなければ、組合契約を締結できなくなります!ので、ご注意ください。匿名組合契約を例にとりますと、金融商品取引法が施行されると、匿名組合の営業者が行う事業の種類が何であっても、内閣総理大臣の登録を受けない限り、組合員と契約を締結することができません。例えば、事業が映画作成であっても、ゲームソフトの開発であっても、アイドルの育成であっても、ラーメン屋の展開であっても、とにかく、どんな事業であっても組合員から出資を募り、事業に投資をして、利益などを組合員に還元する、そういう内容の組合契約はすべて第二種金融商品取引業に該当しますので、内閣総理大臣の登録が必要です。登録を受けないで、契約を締結すると、3年以下の懲役刑ですので、くれぐれもご注意ください。登録方法は、第1面から第10面まである登録申請書を提出することになります。登録申請書には、商号、業務の種類、役員の氏名、コンプライアンス担当者の氏名などを記載します。さらに、業務運営に関する基本原則、業務執行の方法、各部門の担当業務、顧客からの苦情を解決する社内体制、組合契約が対象にする事業の内容などを記載した書面も揃えなければなりません。提出先は、内閣総理大臣ですが、実務的には、各財務局が窓口になります。関東で事業を行う場合には、関東財務局に書類を揃えて提出します。この手続きは、書類を作成するだけでも面倒ですが、さらに、財務局と何度か打ち合わせをして詰めていくことになりますので、時間もかかります。できれば、行政書士など、登録申請の専門家に任せることをお勧めします。実は、組合を運営する方は、さらに従わなければならないルールがあります。次回は、そのルールについて説明します。
2007/07/11
金融商品取引業者は、新聞広告、雑誌広告、ホームページでの広告や、パンフレット、ビラ、メールなどで大勢の人に同様の内容の情報提供をするときには、金融商品取引法に従って、広告やパンフレットの配布をしなければなりません。会社の宣伝はすべて広告等に該当しますので要注意です!広告等には、社名の他、次のことを書かなければなりません。1 手数料2 リスクの情報3 デリバティブ取引や信用取引の場合には、保証金などに対する元本の割合ここで注意しなければならない項目は、まず、手数料です。手数料は、名目が何であるかを問わず、取引を行う際に顧客が支払うコストのすべてを指します。コストのすべてですから、例えば、株式の売買や金融先物取引の際の手数料ばかりでなく、投資信託や仕組債の価格に内包されたコストもすべて明らかにしなければなりません。要するに、金融商品取引業者が顧客から得た利益は全部公開せよ!ということです。次に、リスク情報です。リスクがあること、そのリスクはどのようなリスクか、どうしてそのようなリスクがあるのかを明らかにしなければなりません。例えば、株式の取引であれば、「株価は、市場で決定されるため、投資元本を割る可能性があります。」と書くイメージです。さらに、リスク情報は、「広告等の文字の中で一番大きな文字と著しく異ならない大きさの文字」で書かなければなりません。小さく書くことは禁止!ということです。最後に、保証金などに対する元本の割合です。例えば、信用取引の委託保証金を30%としている場合は、「委託保証金の約3.3倍のお取引をすることになります」と書くということです。その他にも記載すべき事項がありますが、広告規制は、違反すると刑罰が科されますので、くれぐれもご注意ください。
2007/07/10
最初に、匿名組合または投資事業有限責任組合を運営されている方は金融商品取引法で、ほとんどの場合、内閣総理大臣の登録を受けなければ、組合契約を締結できなくなりますので、注意をしてください。匿名組合契約とは、商法の規定に基づく組合契約で、営業者と呼ばれる事業を運営する方と、匿名組合員と呼ばれる事業に出資をする方の間の契約です。匿名組合契約では、事業を運営する営業者のみが事業における取引の相手となるため、匿名組合員が誰であるかわからない(匿名性がある)ことから、匿名組合契約と呼ばれています。投資事業有限責任組合契約とは、無限責任組合員と有限責任組合員とで締結する組合契約であって、株式会社の株式の取得や事業者に対する金銭債権の取得などの事業を共同で行うことを内容とする契約です。いずれの組合契約の締結も、以下の条件に該当すると、金融商品取引法に規定する第二種金融商品取引業に当たるため、内閣総理大臣の登録を受けなければ、契約の締結は認められません。1 組合員である出資者が、金銭を出資している。2 業務執行組合員や営業者が、出資された金銭で事業を行っている。3 出資者が、事業から生じる収益の配当や財産の分配を受ける権利をもっている。金融商品取引法は、9月に施行されることになっていますが、適用されるまでに6ヶ月の猶予があります。ただ、6ヶ月はあっという間ですから、匿名組合の営業者の方や投資事業有限責任組合の無限責任社員の方は、登録申請手続きの準備と、金融商品取引法が規定する様々な規制の対応をはじめておくことをお勧めします。次回も、組合の具体的な事例を紹介しながら、どのような場合に、内閣総理大臣の登録を受けなければならないかを解説します。
2007/07/10
金融商品取引法が規定する金融商品取引業者に対する規制の中で、最初に気をつけなければならない規制は、広告等の規制です。すべての金融商品取引業者は、広告等をするときに、従わなければいけないルールを金融商品取引法は決めました。ルールの中身を見る前に、ここで、広告等とは何を指すのかを確認しておきましょう。広告等とは、文字通り、広告と広告に類似する行為を指します。具体的に言うと、広告には、新聞広告や雑誌広告、それにホームページなどが含まれます。広告に類似する行為とは、郵便、ファックス、電子メール、ビラ、パンフレット、その他の方法により大勢の人に同様の内容で行う情報の提供を指します。要するに、大勢の人が目にするものは、すべて広告等に含まれる!ということです。金融商品取引法は金融商品取引業者に、広告等にたくさんの事項を記載することを義務付けました。具体的な中身につきましては、次回、解説いたします。
2007/07/09
金融商品取引法が、組合契約を締結したり、組合契約で集めた資金を運用したりする場合には、「内閣総理大臣の登録を受けなければならない!」とした理由は、組合契約に基づく組合員の権利と、株式会社の株式を保有する株主の権利が、基本的には同じだからです。株主は、金銭を出資して、株式会社の株式を購入し、株式会社の経営者が利益を上げれば、配当として利益の分配を受けます。組合契約も同じ。組合員は、金銭を出資して、組合に参加し、組合の業務執行組合員や営業者が利益を上げれば、配当として利益の分配を受けます。言い換えると、組合と組合員との関係が、株式会社と株主の関係と異なる場合には、組合契約を結ぶ行為も、組合で集めたお金を運用する行為も、金融商品取引法の規制を受けません。金融商品取引法は、次のすべての条件を満たす組合契約の締結や資金の運用は、金融商品取引法では規制しないとしています。1 業務執行が組合員全員の同意を必要とする場合2 組合員全員が事業に常時従事しているか、組合運営に必要な専門的な能力を持っている場合こうなると、組合員と組合の関係と、株主と株式会社の関係とは、まったく異なります。株式会社は、代表取締役などの経営者が経営をして、その結果生じた利益を株主に還元するのであって、株主は直接、株式会社の業務執行に、常時従事することはありません。見方を変えると、すべての組合員が「私も、積極的に事業に参加するよ!」という態度のときには、そのような組合契約は、金融商品取引法の規制の対象にならないということです。そうではなく、株主は、「とにかくお金は出すから、事業は、経営者に任せたよ!」という態度です。これと同じように、組合員が、「とにかくお金は出すから、事業は、業務執行組合員や営業者に任せたよ!」という態度ですと、そのような組合契約は、金融商品取引法の規制の対象になります。ということは、匿名組合契約は、ほぼ100%、金融商品取引法の規制の対象になる!ということです。ここは、最も注意しなければならない点です。次回から、組合契約の具体的な事例をあげて、組合契約を締結する際の注意点について、解説します。
2007/07/08
3 投資助言・代理業現在の投資顧問会社の業務に最も近い金融商品取引業です。顧客と投資顧問契約を結ぶことができます。また、投資顧問契約と投資一任契約の締結の媒介や代理を行うこともできます。投資顧問契約とは、顧客が金融商品取引業者から投資に関するアドバイスをもらい、その対価を金融商品取引業者に支払うことを内容とする契約です。投資一任契約とは、顧客が金融商品取引業者に自分の資産運用を任せることを内容とする契約です。投資判断や投資のタイミングをプロに任せるということです。投資助言・代理業は、投資顧問契約の締結と投資顧問契約・投資一任契約の締結の媒介や代理ができると覚えましょう。投資運用業これは、現在の一部の投資顧問会社の業務と、投資信託を運用する投資信託委託会社の業務を合わせた感じの業務です。投資運用業とは、文字通り、投資運用を行うこと、もう少し詳しく書きますと、集まった資金を有価証券やデリバティブ取引で運用することを言います。投資運用業は、大きく分けると3つの種類があります。一つは、投資法人の委託を受けて投資運用を行うこと、一つは、投資信託の運用を行うこと、もう一つは、集団投資スキームの自己運用を行うことです。投資法人の委託を受けて投資運用をする行為は、REIT(不動産投資信託)の運用が代表的ですが、REITは不動産で運用するのに対し、投資運用業は、有価証券とデリバティブ取引で運用することですので、投資運用業を行う金融商品取引業者がREITの運用を行うためには、内閣総理大臣からREITを運用することについて、別途、承認を受けなければならないことは要注意です。投資運用業は、投資法人の委託を受けた運用、投資信託の運用、それに集団投資スキームの自己運用を行うことができると覚えましょう。次回から、金融商品取引業者の規制(金融商品取引業者は何をしなければいけないか?)について、解説します。
2007/07/07
繰り返しになりますが、次の3つの条件に当てはまる組合契約を結ぶためには、事前に、内閣総理大臣の登録(実務的には、財務局への登録申請)を受けなければなりません。それは、次の3つの条件を満たす組合契約を結ぶことは、第二種金融商品取引業になるからです。第二種金融商品取引業の概要は、こちらをご覧ください。1 組合員である出資者が、金銭を出資している。2 業務執行組合員や営業者が、出資された金銭で事業を行っている。3 出資者が、事業から生じる収益の配当や財産の分配を受ける権利をもっている。「組合契約を締結するためには、内閣総理大臣の登録が必要!」というのは、まったく新しい考え方ですので、組合の業務執行組合員の方や、営業者の方は、くれぐれもご注意ください。さらに、組合契約で集めたお金を主として、有価証券やデリバティブ取引で運用する場合にも、内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。それは、お金を集めて、有価証券やデリバティブ取引で運用する行為は、投資運用業になるからです。デリバティブ取引の概要は、こちらで、投資運用業の概要は、こちらで、ご確認ください。「組合契約で集めたお金を、主として有価証券やデリバティブ取引で運用するためには、内閣総理大臣の登録が必要!」という考え方も、まったく新しい考え方ですので、ここでも、組合の業務執行組合員の方や、営業者の方は、くれぐれもご注意ください。次回は、内閣総理大臣の登録が必要のない組合契約とは?について解説します。
2007/07/06
金融商品取引業には、大きくわけると次の4つの種類があります。1 第一種金融商品取引業2 第二種金融商品取引業3 投資助言・代理業4 投資運用業1 第一種金融商品取引業現在の証券会社に最も近い金融商品取引業です。株式や投資信託などの有価証券と前回お話した有価証券表示権利を取り扱うことができます。また、店頭デリバティブ取引も取り扱うことができます。店頭デリバティブ取引とは、デリバティブ取引のうち、顧客と相対(「アイタイ」と読みます。)で、行うデリバティブ取引のことです。デリバティブ取引の詳細は、別の機会に譲りますが、現在の通貨ではなく、将来の通貨の交換をしたり、将来通貨を買う権利を売買したりする行為がデリバティブ取引です。そのうち、東京証券取引所など取引所に上場されている商品を売買することを市場デリバティブ取引、顧客と相対で取引することを店頭デリバティブ取引と言います。第一種金融商品取引業は、有価証券、有価証券表示権利、店頭デリバティブ取引を取り扱うことができると覚えましょう。2 第二種金融商品取引業これも、現在の証券会社の業務の一部です。前回お話した目に見えない有価証券のうち、信託の受益権、合同会社などの社員権、集団投資スキーム持分を取り扱うことができます。それと、先ほどお話した市場デリバティブ取引の取り扱いもできます。第二種金融商品取引業は、信託受益権、合同会社の社員権、集団投資スキーム持分の取り扱いと、市場デリバティブ取引の取扱いができると覚えましょう。現在の証券会社は、金融商品取引法の施行日から3ヶ月間は、特に何の手続きもしなくても、第一種金融商品取引業と第二種金融商品取引業を自動的に営むことができます。気をつけないといけないことは、3ヶ月以内に届出を行わないと、業務は停止となり、もう一度、一から手続きをしなければならなくなるということです。くれぐれも忘れないようにしましょう。次回は、投資助言・代理業と投資運用業について解説します。
2007/07/05
組合契約と金融商品取引法一見すると、何の関係もなさそうですよね?「金融」と「組合」に共通点などないように見えます。ところが、「組合」は、「金融」と切っても切れない関係があります。金融商品取引法とは、そもそも、株券などの有価証券の取引に関する法律です。「会社が株券を発行するときには、こういうルールに従いなさい!」とか、「株券を売買するときのルールはこうですよ!」というようなことが書いてあります。株式会社は、投資家に「株式」という権利を取得させます。投資家は、金銭を出資して株式を購入することによって、株式会社が行った事業から生じた利益を「配当」として受け取ります。少しわかりにくいかもしれませんが、実は、「組合」も「株式会社」と仕組みは同じです。組合契約で、組合員である出資者は、金銭を出資して組合契約に基づく権利を「購入」することによって、出資された金銭で運営された事業から生じた利益を「配当」として受け取ります。ですから、株式と組合契約に基づく権利は、基本的に同じ性質のものなのです。だから、組合契約に基づく権利は、株式と同じように、金融商品取引法の対象になるのです。逆に言うと、株式会社の仕組みとは異なる組合契約は、金融商品取引法とは何の関係もありません。マンションの管理組合は、事業を行いませんし、したがって、組合員(出資者)は、マンションの管理組合から配当を受け取ることがあり得ません。だから、前回、解説しましたように、金融商品取引法の規制を受ける組合契約は、次の3つの条件を満たすものに限るわけです。1 組合員である出資者が、金銭を出資している。2 業務執行組合員や営業者が、出資された金銭で事業を行っている。3 出資者が、事業から生じる収益の配当や財産の分配を受ける権利をもっている。次回は、組合契約を結ぶときの注意点について解説することにします。
2007/07/04
金融商品取引業の種類を知る前に、金融商品取引法が規定する、有価証券の種類を覚えましょう。ここのところは、少し面倒ですが、頑張りましょう。金融商品取引法というのは、そもそも、「有価証券を売買するときには、このようなルールに従ってください!」という有価証券の取引と「デリバティブ取引とはこういうものです!」というデリバティブ取引を規制する法律です。ですから、有価証券の種類を覚えることは、金融商品取引法の実務を知るためには必須の知識になります。有価証券の種類には、大きく分けて3つあります。一つは、株券や投資信託の受益証券など、目に見える有価証券です。実際にご覧になったことがある方は少ないと思いますが、取引所で売買される株券は、本当に、「株券」と書いた紙を取引しています。もう一つは、株券や投資信託の受益証券を表示する権利で、実際には紙が印刷されない目に見えない有価証券です。最近、「株券の電子化」の証券会社のコマーシャルを見ることはないでしょうか?株券は、まもなく、実際には紙に印刷されない、電子的な記録のみの概念的な有価証券になります。そのように、紙で印刷されないんだけれども、有価証券として流通する権利が目に見えない有価証券で、金融商品取引法では、有価証券表示権利と呼ばれます。最後の有価証券は、これも目には見えない権利ですが、信託の受益権、合同会社などの社員権 、それに最も重要な集団投資スキーム持分です。次回は、金融商品取引業について、解説します。
2007/07/03
金融商品取引法の施行は、思わぬところに影響します。次の組合の業務執行組合員の方や営業者の方などは、今後は、内閣総理大臣の登録を受けなければ、組合契約を締結することができなくなります。民法の組合契約商法の匿名組合契約投資事業有限責任組合契約有限責任事業組合契約金融商品取引法は、上に挙げた組合契約を結ぶ行為を第二種金融用品取引業、組合契約に基づき組合員等の出資した資金を運用する行為を投資運用業と呼び、第二種金融用品取引業や投資運用業を営む場合には、内閣総理大臣の登録(実務的には、財務局への登録手続き)を受けなければならないと規定しているからです。民法の任意組合といえば、たとえば、マンションの管理組合が該当しますが、マンションの管理組合契約を結ぶために、安部首相の登録を受ける必要があるの?という素朴な疑問がわきますよね?すべての組合契約の締結を安倍首相の登録を受けるとなると、安倍首相の時間がいくらあっても足りませんし、意味もありません。そこで、金融商品取引法は、次の条件を満たす組合契約の締結のみ、内閣総理大臣の登録を必要とするとしています。1 組合員である出資者が、金銭を出資している。2 業務執行組合員や営業者が、出資された金銭で事業を行っている。3 出資者が、事業から生じる収益の配当や財産の分配を受ける権利をもっている。逆に言いますと、上の3つの条件に当てはまる組合契約を締結するためには、本当に、内閣総理大臣の登録を受けなければ、金融商品取引法違反になってしまいます。次回は、組合契約の締結と金融商品取引法の関係について、もう少し、詳しくみていくことにします。
2007/07/02
これまで、株式や投資信託などの証券を取り扱う会社は証券会社、投資の助言を行う会社は投資顧問会社、外為証拠金取引を取り扱う会社は金融先物取引業者と決まっていました。それは、それぞれの法人が、証券取引法、投資顧問業法、金融先物取引法というように、別々の法律に基づいて設立されていたからです。金融商品取引法が施行されると、様相は一変します。まず、証券会社の設立の根拠だった証券取引法が、金融商品取引法と名前を変えます。また、投資顧問業法と金融先物取引法は廃止されて、消えてなくなります。この結果、証券会社、投資顧問会社、金融先物取引業者という言葉は、法律の上から、すべて消えてしまいます。代わって登場するのが、金融商品取引業者です。金融商品取引業者は、株式や投資信託などの証券を取り扱うこともできますし、投資の助言を行うこともできます。また、外為証拠金取引を取り扱うこともできてしまいます。つまり、これまで、それぞれの業務は、それぞれの専門店が取り扱っていましたが、すべての業務は、金融商品取引法に吸収されて、金融商品取引業者が取り扱うことになることになります。金融商品取引業者には、全部で4種類あります。次回は、この4種類を一つ一つ検証してみることにしましょう。
2007/07/01
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