《櫻井ジャーナル》

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巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2010.01.18
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 民主党の小沢一郎幹事長が行った土地取引に「資金洗浄」の疑いがあるというのだが、意味不明である。資金洗浄、あるいはマネー・ロンダリングとは、表に出せない裏金を表で使うためのテクニックで、裏金を決して表面に出すことはない。「原資不明」であろうとなかろうと、表面に出た資金が洗浄に関係しているとは考えられない。

 勿論、土地取引が資金洗浄に使われることはある。その基本的なプロセスは、裏金を金融機関などに「別名義」で預けることから始まる。この資金が表で動くことはない。この資金を担保にして金融機関はカネを貸すわけだが、裏金が表面化することは決してない。取り引きに関係することは考えられないということである。表に出れば洗浄にならないからだ。

 そこで、金融機関は形式上の担保を求める。二束三文の土地でも何でも構わない。それを担保として融資するわけだ。金融機関にリスクはないのだが、何らかの事情でこの融資が調べられる事態になると、「不良債権」と判断されることになり、この不良債権を処理するために公的な資金を投入することもありえる。

 国外に溜め込んだ企業の裏金ならば、債券(転換社債やワラント債)も使われてきたようだ。スイスあたりで債券を発行して資金を調達、その債券は自分たちの裏金で購入するわけである。1980年代には「無担保債」が認められたので、担保を心配することなく裏金を洗浄することができた。

 国債を使うこともできる。まず裏金の受け手がある価格で債券を買い、上乗せした価格で裏金の出し手に相対取引(国債は相対取引の比率が高い)で売り、市場などでその債券を売却する。受け手は儲かり、出し手は損をするので、資金が動いたことになる。

 似た手法が株式市場でも行われていた。例えば、国内へ資金を持ち込みたい場合、国内で品薄株を買い上がり、国外の仲間に「クロス」で売り、移動した株式は市場で売却されるという手順だ。資金が国外から国内に移動している。これを資金洗浄にも利用できる。ちなみに、クロスとは売りと買いの注文をほぼ同時に市場に出し、まとまった株式を移動させる手法。かつては盛んに行われていた。

 これらは資金洗浄の一部の例にすぎず、現在では、より巧妙で複雑な手段が開発されている。いずれにしろ小沢幹事長の土地取引を「資金洗浄」だと理解するには無理がある。洗浄になっていないからだ。





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最終更新日  2010.01.18 17:36:20


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