《櫻井ジャーナル》

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2011.07.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 福島第一原発が破局的な事故を起こして以来、「カッサンドラ」という名前が頭から離れない。言うまでもなく、ギリシャ神話に出てくるトロイアの王女。予言の能力を持ち、トロイアの滅亡を警告していたのだが、誰にも信じてもらえなかったという人物である。

 今回の事故は「想定外」ではなかった。核物質について研究していた科学者、原発の設計をしていたエンジニア、地震学者などから警告されていたような事故が起こっただけである。そうした警告を多くの日本人は信じようとしなかった。そうした隻眼を有する科学者のひとりが高木仁三郎さんだ。

 東京電力の副社長を経て参議院議員になった原発推進派の加納時男さんは「反原発を訴える学者では、2000年に亡くなった高木仁三郎さん以外、尊敬できる人に会ったことがない」と語ったという。

 原発推進派にとっても高木さんの経歴を消し去ることはできず、世界的に認められた功績も否定できない。そこで、故人となった「高木さんは」尊敬できると認め、それ以外の「反原発を訴える学者」は尊敬できないと強調したいのだろう。

 高木さん以外でも、東京大学原子核研究所の助教授(現在の准教授)時代から原発に反対していた故水戸巌さん、あるいは京大原子炉実験所の海老沢徹さん、小林圭二さん、瀬尾健さん、川野真治さん、そして小出裕章さん、今中哲二さんといった人々はすぐ頭に浮かぶ。また、「日本人初のノーベル賞受賞者」である湯川秀樹さんも日米両政府による強引な原発建設計画には反対、「慎重な上にも慎重でなければならない」としていたという。

 原子力発電の設計に携わったエンジニア、例えば田中三彦さんや後藤政志さんも限られた情報に基づいてい的確な分析を行い、政府/経産省/東電のウソを暴いてきた。石橋克彦さんをはじめとする地震学者からの警告も不幸なことに、現実のものとなってしまった。

 ただ、それでも今回の事故は運良く「最悪の事態」には至っていない。いわば、この事故も「警告」である。この警告を無視するならば、次は本当に「最悪の事態」になる可能性がある。





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最終更新日  2011.07.12 12:44:32


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