《櫻井ジャーナル》

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2011.08.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 イギリスで暴動が広がっている。切っ掛けは 8月4日の射殺事件

 警察側はダガンが銃を携帯していたと主張しているが、親類や友人によると、彼は武装していない。ダガンに親しい人々にとって納得できない点があるため、6日には親類や近所の人々がトテナム(ロンドン北部)警察へ出向いたのだが、警察幹部は姿を見せなかった。

 そこで一部が警察周辺にとどまっていたのだが、何らかの理由で2台の警察車両が破壊され、暴動へ発展した。 投石した16歳の少女が警官に棍棒で激しく殴打されたことが引き金になったという噂 が流れているのだが、真偽は確認されていない。

 この射殺事件の詳細は明らかにされていないが、2005年7月に引き起こされたCO19の武装警官による「容疑者」射殺事件を考えると、ロンドンの警察は人を殺すという行為に鈍感だと言わざるをえない。

 2005年の出来事は、地下鉄での爆破事件を捜査している過程で起こっている。ブラジル人の配管工ジェン・シャリス・ジ・メネジスを容疑者だと勘違いして追跡、射殺したのだが、その間、メネジスの行動に不審な点がなかったことが判明している。

 その日、メネジスは午前10時に地下鉄の駅へ入り、まずフリー・ペーパーを手にしている。オイスター・カード(電子式のチケット)を使って改札を通り、エスカレーターで下に下りていくが、特に慌てていた様子は見られない。プラットホームで走っているが、それは電車が入ってきたからで、不審な点はない。電車に乗った彼は座席に腰掛けることができた。そのメネジスは至近距離から11発、あるいは12発の弾丸を撃ち込まれたと言われている。勿論、即死だった。

 多くの人から指摘されていることだが、暴動の背景にはイギリス社会において貧富の格差が広がっていることがある。社会的に優位な立場にある一部の人々へ富が集中し、庶民が貧困化、低所得層の若者は絶望的な状況に追い込まれている。自分たちが社会の一員だと思えないとしても不思議ではない。4日の射殺事件で人種に注目することは正しくないとも言えるだろう。



 本ブログでは何度か書いているので詳しくは書かないが、リビアやシリアではイギリスのほかフランスやアメリカが体制の転覆を目指した秘密工作を続けてきた。ナショナリストの香りが残っている体制は潰してしまおうということだ。こうした政策は1950年代から続いている。リビアの場合、アフリカ中南部の自立を阻止して利権を守りたいという意志が働いている可能性が高い。サウジアラビアやバーレーンなどの湾岸産油独裁国に欧米諸国(アメリカの属国化している日本も含む)が寛容なのも、同じ理由による。こうした利権を手放すと、自国内の不安定化はコントロール不能になると恐れていることだろう。

 日米欧の支配システム、強者総取りの経済は完全に行き詰まっている。緊張を緩和するために富の集中を規制すべきだと考えるか、システムを続けるために庶民の管理を強化、つまりファシズム化を推進するのか、歴史の分かれ道にさしかかっている。欧米の支配層内部で対立が激化していても不思議ではない。





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最終更新日  2011.08.11 15:26:08


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