《櫻井ジャーナル》

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2014.03.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 1945年3月10日、東京の下町、つまり深川、城東、浅草などの地域は火の海になり、多くの人が殺された。約300機と言われるアメリカのB-29爆撃機が投下した焼夷弾によって焼き尽くされたのだ。10万人、あるいはそれ以上の住民が殺されたと言われている。この作戦を指揮したアメリカ空軍のカーチス・ルメイ少将は戦後、航空自衛隊に対して戦術指導を行い、1964年には源田実元航空幕僚長の推薦で勲一等旭日大綬章を授与されている。

 この勲章が授与される前年の11月、アメリカではジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された。1956年にルメイを含む好戦派は1000機近いB47爆撃機でソ連を攻撃する演習を実施、テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、彼らは1957年にソ連を核攻撃する計画をスタートさせ、63年の後半にはソ連を実際に先制核攻撃する計画だったのだが、ケネディ大統領に阻まれていた。

 ところで、東京が爆撃されるに至るまでにいくつかの節目になる出来事があった。そのひとつが1931年9月18日の柳条湖事件である。関東軍参謀の石原莞爾中佐(当時)と板垣征四郎大佐(当時)の計画に基づき、河本末守中尉らが柳条湖で満鉄の線路を爆破、あるいは爆発音を出したとされている。この時も日本の新聞社は嘘を承知で戦争熱を煽った。今も同じだ。

 しかし、日本軍は責任を中国軍に押しつける。中国軍が線路を爆破して日本軍を攻撃したのだと主張したのだ。この事件を利用して日本軍は攻撃を開始、中国東北部を占領し、満州国を作り上げた。

 同じ頃、ドイツでも自作自演劇が演じられた。1932年7月の選挙でナチスが第1党になり、翌年の1月にアドルフ・ヒトラーが首相に就任、そして2月に国会議事堂が放火され、これを口実にしてコミュニストを非合法化、6月には社会民主党も解散させられ、独裁体制が確立していく。この放火も実際はナチスの自作自演だったと信じられている。

 そして現在、ウクライナでも同じことが繰り返されつつある。昨年11月21日に始まったキエフの混乱を収めるため、今年2月21日にEUの仲介でビクトル・ヤヌコビッチ大統領と反政府派の代表は平和協定に調印したのだが、その直後にネオ・ナチが破壊活動を活発化、狙撃が始まって街は火と血の海になってしまう。

 この狙撃を「西側」の政府やメディアはヤヌコビッチ大統領側によるものだと宣伝したが、2月25日にキエフ入りしたエストニアのウルマス・パエト外相は違った結論を出していた。26日にEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へ電話で次のように報告しているのだ:

 「 全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。

この会話は本物だとパエト外相は認めている

 こうした報告を受けながら、これまでEUは沈黙してきたのだが、調査が必要だと言い始めたようだ。これまでロシア政府は公正な調査が必要だと主張していたが、それに同調したということになる。

 また、ロシア政府やヤヌコビッチは 暫定政権が成立する過程は憲法の規定を無視したもの で、正当性がないと主張している。この主張が正しいことは本ブログでも指摘済みだが、「西側」の政府やメディアは無視、暫定政権に対抗する動きを「違法」、あるいは「挑発」だと盛んに宣伝している。

 本ブログでは何度も指摘しているが、暫定政権の治安部門や軍はネオ・ナチが押さえ、反キエフ派の人びとが拉致されているとも伝えられている。クーデター中から実戦経験があり、NATO系の施設で軍事訓練を受けたネオ・ナチのメンバーはベルクト(警官隊)の隊員を狙撃するだけでなく、拉致、拷問、そして殺害してきた。 目を潰された状態で発見された隊員の死体も あるようだ。

 こうしたネオ・ナチの実態だけでなく、「国境なき巨大資本」に操られた人びとがウクライナを略奪し始めていることも東部や南部の住民は知っているため、抵抗運動が広がっている。そこで、 アメリカの傭兵会社アカデミ(旧社名はブラックウォーター)の傭兵が数百人の単位でウクライナで活動を始めている ようだ。

 昨年11月2日から9日にかけてNATOは「不動のジャズ」と名付けられた大規模な軍事演習を実施した。ウクライナの西隣、ポーランドが軍事侵攻されたという設定で、NATOに加盟する23カ国のほか、ウクライナ、マケドニア、スウェーデン、そしてフィンランドが参加している。ウクライナ軍はすでにNATOの影響下にある。そのウクライナ軍が東部や南部に向かって移動し始めているようで、リビフの 第80空挺連隊 やジトミルの 第95空挺旅団 が出動する様子もインターネット上に流れている。軍事的な緊張は高まっている。





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最終更新日  2014.03.10 04:57:38


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