《櫻井ジャーナル》

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2014.05.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカの民主主義は真の試練に直面している。この国の巨大資本や外交官が第2次世界大戦の前からファシズムに傾倒していたことは本ブログで何度も書いたが、ある程度はブレーキがかかっていた。そのブレーキがきかなくなり、アメリカは暴走を始めている。

 1933年にウォール街がフランクリン・ルーズベルト政権を倒すためにクーデターを計画した際に新聞を情報操作の道具と位置づけ、戦後は「モッキンバード」というメディア操作のプロジェクトが始動しているのだが、そうしたメディアにも気骨あるジャーナリストがいて、ブレーキとして機能していた。

 ところが、1970年代の終盤からメディアの中で粛清が始まり、「プロジェクト・デモクラシー」という情報戦を始めた1980年代にメディアは急速にプロパガンダ機関としての色彩を強め、ジョージ・W・ブッシュ政権がアフガニスタンやイラクを先制攻撃する際には偽情報を流して戦争への道を整備していた。その代表的な旗振り役がニューヨーク・タイムズ紙のジュディス・ミラー記者だ。

 ウクライナでも「西側」のメディアは好戦的な雰囲気を強めるため、人びとを煽っている。キエフのクーデターではネオ・ナチが「西側」の手先として活動、市街を火と血の海にしているのだが、こうした事実を「西側」のメディアは伝えていない。憲法の規定を無視して「西側」の政府は「暫定政権」という非合法の政府を正当化、メディアも認めている。

東部や南部でロシア軍の特殊部隊が活動しているという話を広めるために「証拠写真」なるものをニューヨーク・タイムズ紙は4月20日付けの紙面に掲載 したのだが、一見して怪しげな代物で、シリアなどで「西側」の体制転覆を正当化するために偽情報を流していたBBCにまで批判されてしまった。

 中国との対決姿勢を鮮明にし、憲法の規定を「解釈」で機能停止させ、集団的自衛権、つまり日本を拡大NATOに組み込んでアメリカの傭兵にしようとしている 安倍晋三政権をアメリカのメディアが批判 しているとするならば、現時点でアメリカは中国を刺激したくないというだけのことだ。

 1990年代からアメリカ/NATOは東の国々を飲み込んで拡大、ウクライナを制圧しようとしている。その手先としてネオ・ナチが使われ、ロシアとの戦争も辞さない姿勢を見せている。そんなとき、中国と問題を起こすことは得策でないわけで、安倍政権の暴走はバラク・オバマ政権にとって腹立たしいものだろう。



 その一方、アメリカ/NATO/IMFがネオ・ナチを使ってキエフを制圧してビクトル・ヤヌコビッチ大統領を追い出し、東部や南部を制圧しようとしている。アメリカの傭兵会社、アカデミ(旧社名はブラックウォーター)系列の グレイストーンから派遣された戦闘員 が3月以降、数百人単位でウクライナへ入ったと伝えられ、その映像も流れている。

 クーデターでネオ・ナチと衝突したベルクト(警官隊)をアルセン・アバコフ内相は解散させ、今はCIAの指揮下に入ったと言われるSBU(ウクライナ治安局)も少なからぬメンバーが離反、軍の内部にもネオ・ナチを柱のひとつにしているクーデター政権に反発する将兵がいるようだ。

 第2次世界大戦でドイツが降伏、ナチス体制が崩壊したことを祝う戦勝記念日にクーデター政権はドネツク州 マリウポリ市に戦車部隊を入れて制圧にかかった が、キエフが送り込んだ警察署長の住民を撃つようにという命令を地元の警官が拒否、射殺されるということもあったようだ。

Mariupol

 それでも住民投票を止めることはできず、多くの住民が投票所へ詰めかけている。この投票の正当性を否定するため、 「テロリスト」を拘束、記入済みの投票用紙を押収したという映像 も流れているのだが、「テロリスト」の顔は袋で隠された状態でうつぶせになっていて、何を証明しようとしているのか不明だ。

referendum





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最終更新日  2014.05.11 23:13:48


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