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2017.12.18
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カテゴリ: カテゴリ未分類
アメリカの民主党が主張、有力メディアが広めてきた「ロシアゲート」は「FBIゲート」になりつつある。権力バランスに変化が起こっているようだ。ドナルド・トランプに対する敵視する立場から政治的に動いているFBI幹部の存在が明確になり、トランプの国家安全保障補佐官への就任が予定されていたマイケル・フリン元DIA局長に対して仕掛けられた罠を問題にする人もいる。

昨年(2016年)はヒラリー・クリントンの電子メール問題の捜査を指揮、今年に入ってからロバート・ムラー特別検察官の下でロシア政府による大統領選挙への介入疑惑を調べ、8月にムラーのチームから離れた ピーター・ストルゾク は同僚に対して反トランプのメッセージを送っていたことが判明している。この人物に対し、昨年8月6日に「反乱」を促していたのがFBIのリサ・ペイジ。

この人物の問題は公正な立場で捜査していなかったといるだけでなく、クリントンが公務の通信に個人用の電子メールを使い、しかも3万2000件近い電子メールを削除した件も問題視されている。ジェームズ・コミーFBI長官(当時)は彼女が機密情報の取り扱いに関する法規に違反した可能性を指摘、情報を「きわめて軽率(Extremely Careless)」に扱っていたとしていた。

この「きわめて軽率」は元々「非常に怠慢(Grossly Negligent)」だと表現されていたのだが、それをストルゾクが書き換えていたことが判明している。罰金、あるいは10年以下の懲役が科せられる行為について後者の表現は使われるようで、クリントンが刑務所行きになることを防ぐために書き換えた疑いが濃厚だ。

ところで、トランプに対する攻撃は2016年から展開されているが、ロシアゲート事件の幕開けと言われているのは下院情報委員会におけるアダム・シッフ議員の声明。今年3月のことだ。2016年のアメリカ大統領選挙にロシアが介入した主張している。イギリスの対外情報機関MI6の「元」オフィサー、クリストファー・スティールの報告書に基づく主張だった。MI6時代、スティールはアレキサンダー・リトビネンコのケース・オフィサーだったとも言われている。当時、リトビネンコはMI6のために働いていた。

ちなみに、リトビネンコはソ連/ロシアの情報機関、KGB/FSBに所属していた人物。ボリス・エリツィン時代の終焉に伴い、2000年にイギリスへ渡っていた。彼を雇うことになるオリガルヒのボリス・ベレゾフスキーも2000年からロシアへ戻らず、2003年にはイギリスが政治亡命を認めた。リトビネンコは2006年11月に放射性物質のポロニウム210で毒殺されたとされている。

2016年1月20日付けテレグラフ紙によると、リトビネンコは死ぬ直前、ウラジミル・プーチンがウクライナの犯罪組織のボス、セミオン・モギレビッチと「良好な関係」で、このボスは「アル・カイダ」に武器を売っていたと主張している。

アル・カイダ系武装集団をシリアやリビアへの侵略にアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの3国同盟が使ってきたことは本ブログでも繰り返し、指摘してきた。この武装集団の多くはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団。シリア政府の要請を受け、ロシア政府は2015年9月30日にシリアへ軍事介入し、こうした武装勢力を本当に攻撃、戦況は一変した。



2015年11月24日にトルコ軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24を待ち伏せ攻撃で撃墜しているが、これはロシア軍による攻撃にブレーキをかけるためだった可能性が高い。ただ、ロシア軍機の撃墜をトルコ政府だけの判断で実行できるとは考え難く、撃墜の当日から翌日にかけてポール・セルバ米統合参謀本部副議長がトルコのアンカラを訪問してこともあり、アメリカ政府が許可していたと見る人は少なくない。

ロシア軍の空爆でアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュが押されはじめ、アメリカ軍に対する視線は厳しくなる。そうした中、テレグラフ紙はロシアとアル・カイダを結びつける記事を掲載したわけだ。

ところで、MI6を離れたスティールはオービス・ビジネス・インテリジェンスなる会社を経営、この会社を雇ったのがフュージョン。この会社は情報戦を仕掛ける傭兵的な存在で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の記者や編集者だった3名によって設立された。

フュージョンを創設したひとりであるグレン・シンプソンによると 、同社は2016年秋にネリー・オーなる人物にトランプの調査と分析を依頼している。2010年当時にCIAのオープン・ソース・ワークスで働き、その夫であるブルース・オーは司法省の幹部。この夫とシンプソンは2016年11月に会っている。その直後にブルースが司法省のポストを失いと、フュージョンはスティールと結びついた。

このフュージョンへトランプに関する調査を依頼、102万ドルを民主党の法律事務所であるパーキンス・コイが支払った。言うまでもなく、この法律事務所はヒラリー・クリントンと民主党のために働いていている。

アンドリュー・マッカビFBI副長官も注目されているひとり。妻のジル・マッカビは2015年3月にバージニア州上院議員選挙への出馬を表明、67万5000ドル以上をクリントンと親しいテリー・マコーリフなどから受け取っていた。

問題はその時の夫の立場。2015年当時、アンドリューはFBIのワシントンDC担当で、クリントンの電子メール捜査を指揮する立場にあったのだ。本来ならこの件を担当してはならなかった。

FBI関連で問題になっている人物がもうひとり存在する。特別検察官のロバート・ムラーだ。2001年9月4日から13年9月4日にかけてFBI長官を務めているが、長官就任から1週間後にニューヨークの世界貿易センターの3棟とバージニア州アーリントンにある国防総省の本部庁舎が攻撃されている。この事件の真相を上手に隠蔽したと陰口をたたかれているのだ。

9/11の直後、事前にFBIは攻撃に関する情報を入手していたと内部告発したFBIの翻訳官だったシベル・エドモンズはフェトフッラー・ギュレンについても事実を公表しようとした。

トルコでは1980年にCIAを後ろ盾とするクーデターがあり、軍事体制になった。この権力奪取を実行したのはトルコにおけるNATOの秘密部隊、カウンター・ゲリラ。このときにギュレンはクーデター派として台頭している。

それ以降、ギュレンはCIAの手先として活動、アメリカに「スリーパー」のネットワークを構築していた。ギュレンを守る中心人物は「元」CIA幹部のグラハム・フラー。その事実をエドモンズは明らかにしたのだが、そうしたことを口にするなと命じたのがFBI長官だったムラーにほかならない。






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最終更新日  2017.12.18 13:04:19


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