《櫻井ジャーナル》

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2017.12.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
ロシアのウラジミル・プーチン大統領はシリアに派遣した軍の主力を帰還させ、サンクト・ペテルブルグで計画されたテロを防ぐためにCIAが協力したとして感謝の意をドナルド・トランプに伝えたという。ロシアは軍事的な緊張を緩和させる方向へ進もうとしている。

しかし、アメリカの支配層はロシアやイランの中東における影響力が強まることを阻止するため、新たな戦争を目論んでいるようだ。これはイスラエルやサウジアラビアの意向でもある。 1992年2月に国防総省のDPG草稿としてポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)を中心に作成された世界制覇プラン をあくまでも実現しようとしている。

このプランはウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれ、旧ソ連圏だけでなく西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようとしている。1991年12月にソ連が消滅すると、ソ連政府との約束を反故にしてNATOを東へ拡大、その一方で1991年にウォルフォウィッツが口にしていたようにイラク、シリア、イランの殲滅を目指すことになった。

ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語ったところによると、ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると口にしていたという。( 3月 10月

2007年には調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュが3月5日付けのニューヨーカー誌で、 アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始した と書いている。2003年3月にアメリカ主導軍はイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒すだけでなく、すでに国を破壊し、国民を虐殺していたので、ウォルフォウィッツ・ドクトリンの残り2カ国、つまりシリアとイラン、さらにイランと関係が深いヒズボラがターゲットになるわけだ。



そうした武装集団は2015年9月30日にシリア政府の要請で軍事介入したロシア軍によって壊滅させられ、ロシア軍が引き揚げることになったのだが、アメリカは新たな戦争を目論んでいる。まず手先をクルドへ切り替えようとして武器/兵器を供給、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュに対してクルドを攻撃しないように指示していた。

ところが、クルドはアメリカ側の思惑通りには動かない。そこでシリア北部へ侵入、居座ろうとしている数千人のアメリカ軍は厳しい状況に置かれたが、まだクルドへの軍事的な支援は続けていると伝えられている。すでにロシアへ接近しているトルコとクルドの関係は悪く、その点をアメリカが利用て懐柔した可能性がある。ここにきてシリア政府はクルドを裏切り者と非難している。

アル・カイダ系武装集団やダーイッシュは傭兵にすぎず、その本体はアメリカ、イスラエル、そしてサウジアラビア。イギリスのロビン・クック元外相は2005年にガーディアン紙へ寄稿した文章の中で、 アル・カイダはCIAから軍事訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル 、つまり傭兵の登録リストだと指摘している。ちなみに、アル・カイダはアラビア語でベースを意味し、データベースの訳語としても使われている。

アメリカはロシア軍に敗れた武装勢力の幹部をヘリコプターで救出、戦闘員をバスや戦闘車両などで逃がしてきた。一部は希少金属を確保するためにアフガニスタンへ運んだようだが、新たな戦闘集団を編成する準備も進めている。例えば、シリア領内、トルコとの国境から70キロメートル、イラクとの国境から50キロメートルの場所にあるハサカー難民キャンプで戦闘員を訓練を始めたと伝えられている。この武装勢力とクルドを連携させるつもりだろう。

新たな戦闘をアメリカは中東だけでなく、ウクライナ、場合によっては東アジアでも始める可能性がある。オリンピック、サッカーのワールドカップ、ロシアの大統領選挙など2018年にアメリカが開戦の切っ掛けとして好むイベントがあることは不気味だ。





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最終更新日  2017.12.19 04:47:08


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