《櫻井ジャーナル》

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2024.02.27
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 ​ ウクライナのキリーロ・ブダノフGUR(国防省情報総局)総局長はアレクセイ・ナワリヌイの死について、原因は血栓であり、自然死だと発言した ​。ブダノフはCIAの訓練を受けた経験がると言われ、アメリカの政府や有力メディアによる宣伝に反することを口にしたことから注目されている。

 ナワリヌイはシベリアの刑務所で散歩中に気分が悪くなり、意識を失い、死亡したとされているのだが、西側では例によって根拠を示すことなく「殺された」と宣伝されていた。ロシアの医師は血栓の可能性があるとしていたが、ブダノフの発言はこれを確認するものだ。

 西側では「ロシアの反体制派指導者」と宣伝されているナワリヌイだが、ロシアでは人気がない。支持者は2%程度だと言われていたが、今ではほとんどいないだろう。

 刑務所へ入られれた理由は財政詐欺だ。彼は弟とダミー会社を設立、数千万ルーブルを盗んだとされ、兄のオレグ・ナワリヌイは3年半の禁固刑を受け、アレクセイも執行猶予のついた禁固刑を受けていた。昨年年8月には懲役19年が言い渡され、シベリアのIK-3刑務所コロニーへ送られていた。

 西側では「英雄」として扱われてきたナワリヌイだが、ロシア国内では影響力がない。そうした人物を殺す理由がウラジミル・プーチン政権にはないのだ。むしろ、その死で利益を得るのはウクライナで敗北し、ガザでの虐殺を批判され、国内問題も山積みのジョー・バイデン政権だろう。ブダノフ発言はバイデン政権や有力メディアを困惑させているかもしれない。

 ブダノフ発言の背後にバイデン政権とウォロディミル・ゼレンスキー政権との軋轢があるとする見方もある。ウクライナでロシアに敗北したアメリカ/NATOはウクライナ政府に責任を負わせて撤退しようとしているのではないかというのだ。

 ​ 2月25日にニューヨーク・タイムズ紙はCIAがウクライナ領内にロシアとの国境に近い地域に12の秘密基地を作っていたと報じた ​のだが、​ ロシア外務省の報道官であるマリア・ザハロワは「なぜニューヨーク・タイムズ紙は今になってこの問題について懸念を表明しているのか?」と疑問を口にした ​。

 2013年11月にキエフにあるユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で「カーニバル」的な反政府イベントをはじめて人を集め、14年2月にビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒したクーデターの黒幕はアメリカのバラク・オバマ政権だ。ネオ・ナチをはじめとするクーデター参加者がポーランドやバルト3国の基地でNATOの訓練を受けていたことは本ブログでも書いた。

 ヤヌコビッチ政権が倒された直後にSBU(ウクライナ安全保障庁)の長官に就任したバレンティン・ナリバイチェンコはCIAやMI6の現地責任者に電話し、両者をSBUの本部へ招待したとしているが、クーデターの前からナリバイチェンコはCIAの影響下にあったとする証言がある。クーデターの後に新政権がCIAに連絡したという主張は正しくないと元CIA分析官のラリー・ジョンソンも指摘している。

 こうした主張をニューヨーク・タイムズ紙が行った理由はアメリカ政府がウクライナのテロ攻撃を抑制しようとしたと人びとに信じさせたいからで、彼らはウクライナでの戦闘を切り上げ、自分たちは引き上げるため、全責任をゼレンスキー政権になすりつけようとしているのではないかともジョンソンは推測している。

 そうしたアメリカ政府の動きを察し、ブダノフはナワリヌイの話をしたのかもしれない。






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最終更新日  2024.02.27 17:08:06


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